JP2014200969A - 印刷装置 - Google Patents

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石井 宏明
Hiroaki Ishii
宏明 石井
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Abstract

【課題】停電時、手動操作で装置内でのインク流出を抑えられる印刷装置を提供する。【解決手段】この印刷装置は、インクジェットヘッド3と、加圧タンク5と、負圧タンク6と、循環経路7a-cと、供給弁13と、加圧大気開放弁19と、加圧大気開放弁22と、負圧を発生させるベローズポンプ25と、ベローズポンプを手動で操作する手動ダイヤル35と、手動ダイヤルと各弁の連動機構40を有する。停電時、ユーザーがベローズポンプによる負圧が大きくなるように手動ダイヤルを操作すると、循環路内のインクの圧力が下がり、連動して供給弁及び加圧大気開放弁が閉止され、負圧大気開放弁が開放される。ヘッドからのインクの漏出を防止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷部とインクタンクの間でインクを循環させるとともに、タンク内に負圧を与えることによって印刷部に供給されるインクの圧力を調整して印刷を行なう印刷装置に係り、特に印刷中に装置の電源が遮断された場合に、手動の操作によってタンク内に与える負圧を大きくするとともに、これに連動して必要な弁を閉じるように構成することにより、印刷装置内でのインクの流出を最小限に抑えることができるようにした印刷装置に関するものである。
下記特許文献1には、電源の遮断の際にクリーニング処理が行われていた場合においても、後の電源投入時における初期化処理が良好に行われるようにしたインクジェットプリンタの発明が開示されている。この発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドのクリーニング手段と、記憶手段103と、プリンタに対する電源の供給が遮断されたことを検出する電源遮断検出手段105と、電源の遮断が検出された場合に、その時点における上記クリーニング手段の動作状況を記憶手段103に記憶する記憶制御手段100と、プリンタの電源投入時に、記憶手段103に記憶された上記クリーニング手段の動作状況を読み出し、該動作状況に応じて異なる初期化動作を実行させる初期化制御手段100とを備えている。
特開2000−168096号公報
インクジェットヘッドのような印刷手段を備えた印刷装置においては、インク供給元として交換可能なインクタンクが設けられている場合が多く、その場合には、モノクロ印刷の他、単色カラー印刷やフルカラー印刷も行なえるようにするため、複数色、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクタンクを備えている場合もある。そして、特に業務用の場合には、多量のインクを使用する都合上、容量が1本で数リットルといった大型のインクタンクを備えつけていることが多い。このような構造の印刷装置では、大型のインクタンクとインクジェットヘッドは一般的にはシリコン系のチューブや耐溶剤性の強い樹脂パイプ等で接続されており、さらにインクを所定位置に貯容して水頭差でインクジェットヘッドに供給するようになっている場合が多い。
このような印刷装置において、印刷中に落雷や地震等のために停電が発生し、これが長期間継続したような場合には、インクタンクとインクジェットヘッドを接続するインクパイプに設けられた各種弁類が電源の喪失によって制御できなくなり、印刷時の開状態のままとなってしまうため、非印刷状態であるにも関わらず、インクタンクから流下したインクが水頭差をもってインクジェットヘッドインクに供給され、ヘッド外に流出してしまうことがあった。
そこで、前記印刷装置では、上述したような非常時等に備えるため、インクジェットヘッドの下方の所定位置には漏出したインクを受け止めるためのインク受容器(インクパン)が設置されており、ここに漏出したインクは所定の廃液タンクに収納されるようになっている。このため、印刷装置の外にインクが漏れ出る心配はない。しかしながら、ユーザーにとっては、停電時のインク流出が止められなければ、高価なインクを失ってしまうことになり、そのインクタンクが大容量のもので複数本設けられているとすると、大きな不利益を被ることが予想される。
本発明は以上説明した従来の技術における課題を解決するためになされたものであり、タンクに収納したインクを印刷部に供給して印刷を行なう印刷装置において、停電等の理由により電源供給が強制的に遮断され、かつその状態が長期に亘る場合においても、電源を必要としない簡単な手動操作をユーザーが行なうだけで、印刷装置内におけるインク流出による損失を最小限度に抑えることができるようにすることを目的としている。
請求項1に記載された印刷装置は、
印刷部と、
前記印刷部より重力方向上方に設置され、前記印刷部に供給されるインクを貯留する第1のタンクと、
前記印刷部より重力方向下方に設置され、前記印刷部で消費されなかったインクを貯留する第2のタンクと、
前記第1のタンクと前記印刷部と前記第2のタンクの間でインクの循環を行なうための循環経路と、
前記第1のタンクに連通して設けられた第1の大気開放弁と、
前記第2のタンクの内部に負圧を発生させる負圧発生部と、
前記負圧発生部が前記第2のタンクの内部に発生させる負圧を調整する調整部と、
前記負圧発生部を手動で操作する手動操作部と、
前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記手動操作部に連動して前記第1の大気開放弁を閉止する連動機構と、
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載された印刷装置は、請求項1に記載の印刷装置において、
前記第2のタンクに連通して設けられた第2の大気開放弁をさらに有し、前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記連動機構はさらに前記第2の大気開放弁を開放することを特徴としている。
請求項3に記載された印刷装置は、請求項1又は2に記載の印刷装置において、
前記第2のタンクよりも重力方向上方に設置され、前記第2のタンクにインクを供給するインク供給元と、
前記インク供給元と前記第2のタンクの間に設けられた供給弁と、をさらに有し、
前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記連動機構はさらに前記供給弁を閉止することを特徴としている。
請求項4に記載された印刷装置は、請求項3に記載の印刷装置において、
前記負圧発生部は、前記第2のタンクに連通して伸縮するベローズポンプを有し、
前記調整部は、前記ベローズポンプを伸縮させる伸縮機構を有し、
前記連動機構は、前記前記供給弁と前記第1の大気開放弁と前記第2の大気開放弁にそれぞれ設けられたソレノイドの可動鉄芯と前記手動操作部とを連動連結する操作ロッドを有することを特徴としている。
請求項1に記載された発明の印刷装置によれば、第1のタンクに貯留されたインクは水頭差によって印刷部に供給される。印刷部で印刷に使用されなかったインクは循環経路を経て第2のタンクに戻る。さらに第2のタンク内にあるインクは循環経路を経て第1のタンクに戻り、再び印刷部に送られて印刷に供される。第2のタンクの内部には負圧発生部によって一定の負圧が発生しているので、第1のタンクから印刷部に供給されるインクの圧力は可及的に一定に調整される。
このような印刷装置において電源がONとされた後で、停電等のトラブルにより電源がOFFになると、水頭差をもって印刷部に供給されているインクは、そのまま放置すれば印刷部から漏出してしまう可能性がある。しかし、この印刷装置によれば、ユーザーは手動操作部によって負圧発生部を手動で操作することにより、第2のタンクの内部に発生する負圧を可能な限り下げるように調整することができる。これによって、循環路内のインクの圧力が下がり、印刷部からインクを漏れにくくすることができる。さらに、ユーザーが操作した手動操作部の動作に連動機構が連動し、第1の大気開放弁が閉止される。これによって、印刷部からのインクの漏出をさらに確実に防止することができる。
請求項2に記載された印刷装置によれば、使用中に停電等のトラブルで電源がOFFになり、ユーザーが手動操作部によって負圧発生部を手動で操作した上述の場合、この手動操作部に連動する連動機構により、第2のタンクに連通して設けられた第2の大気開放弁が開放され、電源が正規にOFFとされたのと同一の状態となる。
請求項3に記載された印刷装置によれば、電源をONにすると、イニシャル動作として供給弁と第1の大気開放弁が開放され、水頭差によって供給元から第2のタンクにインクが供給される。印刷中は、第1の大気開放弁は開放された状態に維持され、インクが印刷に消費されて量が減少すると、適時供給弁が開かれ、消費量に見合った量のインクが水頭差によって供給元から第2のタンクに供給される。
このような印刷装置で停電等のトラブルにより電源がOFFになり、水頭差で印刷部に供給されているインクが漏出してしまう可能性がある場合に、ユーザーが手動操作部によって負圧発生部を手動で操作して印刷部からインクを漏れにくくすると、ユーザーによる手動操作部の動作に連動機構が連動し、第1の大気開放弁だけでなく、供給弁も閉止されるので、印刷部からのインクの漏出をさらに一層確実に防止することができる。
請求項4に記載された印刷装置によれば、負圧発生部のベローズポンプによって第2のタンクに負圧を発生させることができ、その負圧の調整はベローズポンプを伸縮機構が伸縮させることによって確実に行うことができる。また、停電等の電源OFF時に、ユーザーが手動操作部を操作すると、この手動操作部の作動は、手動操作部に連動する操作ロッドにより、各弁を開閉するソレノイドの可動鉄芯に機械的に伝えられるので、電源がない状態でも各弁の開閉操作を確実に行うことができる。
本発明の実施形態の印刷装置におけるインク供給系統の構成図である。 本発明の印刷装置におけるベローズポンプとその調整部及び手動操作部、さらにインク供給系統の各弁を駆動するソレノイドと手動操作部との連動機構を示す模式的構成図である。 本発明の実施形態の印刷装置において、各弁の開閉状態及びベローズポンプの状態の組合せを印刷装置の状態ごとに示した表図である。
図1〜図3を参照して第1実施形態の印刷装置1を説明する。
この印刷装置1は、インクの供給元としてのインクカートリッジ2を着脱可能に搭載しており、インクカートリッジ2から供給されたインクを所定位置に配置されたタンクに貯留し、印刷部としてのインクジェットヘッド3に所定の水頭差で供給して印刷を行なう装置である。本実施形態の印刷装置1は、複数色、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクカートリッジ2を備えているが、図1に示す印刷装置1のインク供給系統図では、任意の一色のインクについての構成を代表として示した。他の色のインクについての供給系の構成も同様である。
図1及び図2を参照して実施形態の印刷装置1におけるインク流路について説明する。
この印刷装置1の印刷部は複数のヘッドを備えたインクジェットヘッド3である。各ヘッドに共通のインク溜まりであるインクパス4に供給されたインクは、所定の調整された圧力でヘッド3から吐出されて図示しない用紙に画像を形成し、ヘッド3で使用されなかったインクはインクパス4に還流するようになっている。
この印刷装置1のインク流路には、インクジェットヘッド3に供給されるインクを貯留する第1のタンクとして、加圧タンク5が設けられている。加圧タンク5はインクジェットヘッド3よりも高い所定の位置に配置されており、所定の水頭差でインクパス4にインクを供給できるようになっている。
この印刷装置1のインク流路には、後述するインクカートリッジ2からインクの供給を受けるとともに、インクジェットヘッド3で消費されずにインクパス4から還流してきたインクを受容して貯留する第2のタンクとして、負圧タンク6が設けられている。負圧タンク6はインクジェットヘッド3及びインクパス4よりも低い所定の位置に配置されており、所定の水頭差でインクジェットヘッド3等からインクの還流を受け入れるようになっている。
加圧タンク5と、インクジェットヘッド3と、負圧タンク6の間には、インクの循環を行なうための循環経路7が設けられている。この循環経路7(7a、7b、7c)は、加圧タンク5とインクジェットヘッド3のインクパス4の入口側とを結ぶ管路7aと、インクパス4の出口側と負圧タンク6を結ぶ管路7bと、負圧タンク6と加圧タンク5を結ぶ管路7cを備えている。そして、負圧タンク6と加圧タンク5を結ぶ管路7cには、負圧タンク6からインクを吸い出して加圧タンク5に上げるためのポンプ8が設けられている。なお、負圧タンク6と加圧タンク5を結ぶ管路7cにおいて、ポンプの吸込み側には排出経路9が接続されており、その出口は後述する受容トレイ10に導かれている。この排出経路9には常時閉の排出弁11が設けられており、これよりも上方にあるインクをメンテナンス等の理由で排出する必要がある場合にのみ開かれるようになっている。
前述した通り、この印刷装置1には、インクの供給元としてインクカートリッジ2が設置部12に着脱可能に取り付けられている。インクカートリッジ2の設置部12の近傍と、負圧タンク6との間には、中途に供給弁13が設けられた供給管14が付設されている。インクカートリッジ2を設置部12に設置することにより、供給管14の入口側にインクカートリッジ2を接続すれば、供給弁13が開いている場合にはインクが負圧タンク6に水頭差で供給される。
図示はしないが、この供給弁13には、移動することによってインクの流路を開閉する弁体が設けられている。この弁体は、図2に模式的に示すように、アクチュエータとして設けられたソレノイド30の可動鉄芯(プランジャ)に機械的に連結されている。従って、ソレノイド30を電気的に制御することによって可動鉄芯を移動させれば、供給弁13を開閉することができる。
次に、図1を参照して実施形態の印刷装置1における圧力開放経路15(15a、15b)について説明する。
この圧力開放経路15は、加圧タンク5や負圧タンク6の内部を大気開放するために末端が大気雰囲気中に開口された管路であって、その要所には開閉自在な弁が設けられている。また、この圧力開放経路15は、インクの供給系から漏出したインクを所定の廃棄位置に導く機能もあり、その末端は受容トレイ10の上方で大気に開放されている。なお、受容トレイ10の排出口には廃液タンク16が着脱可能に接続されており、相当量の廃液(廃棄されたインク)を溜めることができるようになっている。
加圧タンク5の上部は、オーバーフローのインクを排出できる連通管17を介して、加圧タンク全色共通気室18に連通している。この加圧タンク全色共通気室18は、図1に示した加圧タンク5だけに接続されるものではなく、他の種類のインクに関与する図示しない加圧タンクにも同様に接続されている。そして、この加圧タンク全色共通気室18に接続された圧力開放経路15aの末端は受容トレイ10に導かれている。また、この圧力開放経路15aの中途には、第1の大気開放弁としての加圧大気開放弁19が設けられている。加圧大気開放弁19の構造は、前述した供給弁13と同一である。
負圧タンク6の上部は、オーバーフローのインクを排出できる連通管20を介して、負圧タンク全色共通気室21に連通している。この負圧タンク全色共通気室21は、図1に示した負圧タンク6だけに接続されるものではなく、他の種類のインクに関与する図示しない負圧タンクにも接続されている。そして、この負圧タンク全色共通気室21に接続された圧力開放経路15bの末端は受容トレイ10に導かれている。また、この圧力開放経路15bの中途には、第2の大気開放弁としての負圧大気開放弁22が設けられている。負圧大気開放弁22の構造は、前述した供給弁13と同一である。
次に、図1及び図2を参照して負圧タンク6の内部に負圧を発生させる仕組みについて説明する。
印刷装置1は、負圧タンク6の内部に負圧を発生させる負圧発生部としてベローズポンプ25を有している。ベローズポンプ25は、蛇腹状の構造によって長手方向に伸縮することができる部材である。ベローズポンプ25の上端は、負圧タンク全色共通気室21に連通しているとともに、本装置1の図示しないフレームに対して機械的に固定されており、自由端である下端には錘26が取り付けられている。従って、錘26が他の支持物によって支持されていない限り、錘26は自重によって垂下し、ベローズポンプ25を伸長させた状態にする。伸長したベローズポンプ25は負圧タンク全色共通気室21内を吸引した状態に維持し、これによって負圧タンク6内を所定の負圧に安定的に保つことができるので、加圧タンク5からインクジェットヘッド3に供給されるインクの圧力は可及的に一定に調整される。
図2に示すように、印刷装置1は、負圧タンク6の内部における負圧の大きさを調整する調整部として、ベローズポンプ25を伸縮させる伸縮機構27を有している。この伸縮機構27は、錘26の支持部28と、支持部28に連結されたラック29と、ラック29に係合して回転するピニオン32と、ピニオン32を駆動するモータ33を有している。錘26が支持部28の上に載った状態で、モータ33でピニオン32を回転させてラック29を上下方向に移動させることにより、錘26の高さを任意に設定することができる。錘26の高さが変われば、ベローズポンプ25の長さも変化し、負圧タンク6の内部に発生する負圧の大きさも変化する。
本実施形態では、伸縮機構27によって設定できる錘26の位置として、上から順に上限位置、待機位置、下限位置の3位置を定めている。これら各位置の名称は、ベローズポンプ25の伸縮状態を表すものとしても使用する。伸縮機構27を適宜に駆動して、これらの位置の中から錘26を設定する位置を定めることにより、印刷装置1の運転状態に応じてベローズポンプ25を必要な状態に設定することができる。ここで、下限位置は、負圧タンク6内を所定の負圧に安定的に保つことにより、加圧タンク5からインクジェットヘッド3に供給されるインクの圧力を一定に調整するための位置である。待機位置は、印刷装置1の待機中等に設定する位置である。上限位置は、インクジェットヘッド3のクリーニング時に必要な位置である。
なお、本実施形態の印刷装置1では、伸縮機構27によって設定できる錘26の位置として、下限位置のさらに下方に最下限位置を定めている。これは、伸縮機構27を駆動して錘26の支持部28を最も下方に設定することにより、支持部28が錘26から離れた状態になる位置である。この位置では、錘26はベローズポンプ25を最も引き伸ばした状態でベローズポンプ25に吊り下げられた状態になる。この時に、負圧タンク6内に発生する負圧は通常の印刷時等の負圧よりも大きくなる。
図2に示すように、本実施形態の印刷装置1では、本来モータ33で駆動される伸縮機構27を手動で操作するための手動操作部として、ピニオン32を回動させるための手動ダイヤル35を有している。停電時等の電源がダウンした場合であり、モータ33で伸縮機構27を作動させられない時であっても、ユーザーが手動ダイヤル35を回すことによって伸縮機構27を動かすことができる。
図2に示すように、本実施形態の印刷装置1では、供給弁13と加圧大気開放弁19と負圧大気開放弁22をそれぞれ操作する各ソレノイド30の可動鉄芯と、手動ダイヤル35とを連動させる連動機構40を備えている。連動機構40としては、操作ロッドやリンク機構等、公知の動力伝達機構を使用することができる。具体的には、手動ダイヤル35でピニオン32を回してベローズポンプ25を最下限位置に設定することにより、負圧タンク6の内部に発生する負圧が大きくなるように操作している場合には、そのピニオン32の回動力が連動機構40を介して各ソレノイド30の可動鉄芯に伝達され、可動鉄芯を直動させて各弁13、19、22の弁体を必要な方向に移動させ、その結果として、各弁13、19、22を必要な開又は閉状態に設定できるように構成する。ここで各弁13、19、22が設定される開又は閉の状態とは、供給弁13及び加圧大気開放弁19は共に閉止であり、負圧大気開放弁22は開放である。なお、この連動機構40は、モータ33で伸縮機構27を駆動している場合には、その駆動力が各弁13、19、22のソレノイド30に伝達されないように構成する。
次に、図1を参照して本実施形態の印刷装置1における廃液経路45(45a、45b)について説明する。
インクジェットヘッド3の近傍には、メンテナンスユニットのインクパン46が設けられている。このインクパン46は、インクジェットヘッド3のメンテナンス時にインクジェットヘッド3から排出されるインクを廃液として受け止めるための容器である。このインクパン46と廃液タンク16は廃液経路45によって接続されている。メンテナンス時に生じた廃液はインクパン46で集められて廃液経路45aを介して廃液タンク16に集められる。また、前述したインクカートリッジ2の設置部12と廃液タンク16も廃液経路45bによって接続されている。インクカートリッジ2の着脱時等にインクが漏出して生じた廃液は廃液経路45bを介して廃液タンク16に集められる。
次に、以上説明した構成における作用及び効果について、図1〜図3を参照して説明する。ここで図3は、インク供給弁13、加圧大気開放弁19、負圧大気開放弁22の各開放又は閉止の別と、ベローズポンプ25の位置を、本印刷装置1の種々の運転状態について表形式で示したものである。
印刷装置1の電源がOFFの場合には、図3の表において「印刷装置の状態」の「電源OFF」の欄に示すように、インク供給弁13及び加圧大気開放弁19は共に閉止、負圧大気開放弁22は開放、ベローズポンプ25の位置は下限位置である。これによって、インクカートリッジ2から循環経路7にインクが供給されることはなく、インクジェットヘッド3に加わるインクの圧力は比較的小さく抑えられるので、インクジェットヘッド3からインクは漏れにくい。
印刷装置1の電源をOFFからONにすると、図3の表において「印刷装置の状態」の「電源投入時(インク循環中)」の欄に示すように、イニシャル動作として供給弁13と加圧大気開放弁19が開放され、負圧大気開放弁22は閉じられ、ベローズポンプ25は下限位置に設定され、インクカートリッジ2から負圧タンク6にインクが供給される。
印刷中は、図3の表において「印刷装置の状態」の「印刷中」の欄に示すように、インクの量が不足していない場合には、供給弁13は閉じられ、加圧大気開放弁19は開放され、負圧大気開放弁22は閉じられる。ベローズポンプ25は下限位置に設定される。加圧タンク5に貯留されたインクは水頭差によってインクジェットヘッド3に供給される。インクジェットヘッド3で印刷に使用されなかったインクは循環経路7bを経て負圧タンク6に戻る。さらに負圧タンク6内にあるインクは、ポンプ8によって循環経路7cを経て加圧タンク5に戻り、再びインクジェットヘッド3に送られて印刷に供される。インクが印刷に消費されて量が減少すると、適時供給弁13が開かれ、消費量に見合った量のインクがインクカートリッジ2から負圧タンク6に供給される。負圧タンク6の内部には、下限位置に設定されたベローズポンプ25によって一定の負圧が発生しているので、加圧タンク5からインクジェットヘッド3に供給されるインクの圧力は可及的に一定に調整される。
印刷装置1において電源がONとされた後、イニシャル動作としてのインク循環中や印刷中等に、停電等のトラブルで電源がOFFになる場合がありうる。この場合、水頭差をもってインクジェットヘッド3に供給されているインクは、そのまま放置すればインクジェットヘッド3から漏出してしまう可能性がある。しかし、本実施形態の印刷装置1によれば、このような電源遮断の場合には、かかるトラブルを回避するため、ユーザーが手動ダイヤル35を人力で回すことになっている。
ユーザーが手動ダイヤル35を所定の方向に回すことにより、ピニオン32が駆動されてラック29が下降し、支持部28も下降する。やがて支持部28は錘26から離れ、錘26はベローズポンプ25を最も引き伸ばした状態でベローズポンプ25に吊り下げられた状態になる。これが前述したベローズポンプ25又は錘26の最下限位置である。この時、負圧タンク6内に発生する負圧は通常の印刷時等の負圧よりも大きくなる。このように、ベローズポンプ25を手動で操作することにより、負圧タンク6の内部に発生する負圧を可能な限り下げるように調整することができる。これによって、循環路内のインクの圧力が下がり、インクジェットヘッド3からインクを漏れにくくすることができる。
さらに、上述したようにユーザーが手動ダイヤル35を操作すると、これに連動機構40が連動し、供給弁13及び加圧大気開放弁19の各ソレノイド30の可動鉄芯が強制的に移動させられて両弁を共に閉止状態とすることができる。また、負圧大気開放弁22は開放状態となる。これは電源がOFFの場合と同じ状態であり、インクジェットヘッド3からのインクの漏出はより一層確実に防止されることとなる。
印刷装置1が待機中(スタンバイ)の場合は、図3の表において「印刷装置の状態」の「待機中(スタンバイ)」の欄に示すように、供給弁13及び加圧大気開放弁19は閉じられ、負圧大気開放弁22は開かれる。ベローズポンプ25は待機位置に設定される。
印刷装置1がクリーニング中(加圧動作時)の場合は、図3の表において「印刷装置の状態」の「クリーニング(加圧動作時)」の欄に示すように、供給弁13、加圧大気開放弁19及び負圧大気開放弁22はすべて閉じられ、ベローズポンプ25は待機位置から上限位置に設定され、再び待機位置に戻される。
以上説明したように、本実施形態の印刷装置1によれば、水頭差を利用してインクジェットヘッド3にインクを供給する印刷装置1において、印刷中に電源が強制的に遮断され、かつその状態が長期にわたるような場合であっても、手動ダイヤル35を回すという一つの簡単な動作をユーザーが行なうことによって、インクの循環経路7内のインクの圧力を下げることができ、インクカートリッジ2の供給弁13を閉じ、加圧大気開放弁19を閉じるというインク漏れ防止に必要かつ効果的な一連の操作を自動的に実施することができるため、印刷装置1内におけるインク流出の損失を最小限に抑える効果がある。
なお、以上説明した実施形態の印刷装置1では、印刷部にインクジェットヘッド3を用いていたが、本発明が対象とする印刷装置は、印刷部にインクジェットヘッドを用いたもののみではなく、その他の原理の印刷部、例えば印刷ドラムを用いた孔版印刷装置等もすべて本発明の範囲に含まれる。
1…印刷装置
3…印刷部としてのインクジェットヘッド
5…第1のインクタンクとしての加圧タンク
7,7a,7b,7c…循環経路
8…ポンプ
13…供給弁
19…第1の大気開放弁としての加圧大気開放弁
22…第2の大気開放弁としての負圧大気開放弁
25…負圧発生部としてのベローズポンプ
27…調整部としての伸縮機構
30…ソレノイド
35…手動操作部としての手動ダイヤル
40…連動機構

Claims (4)

  1. 印刷部と、
    前記印刷部より重力方向上方に設置され、前記印刷部に供給されるインクを貯留する第1のタンクと、
    前記印刷部より重力方向下方に設置され、前記印刷部で消費されなかったインクを貯留する第2のタンクと、
    前記第1のタンクと前記印刷部と前記第2のタンクの間でインクの循環を行なうための循環経路と、
    前記第1のタンクに連通して設けられた第1の大気開放弁と、
    前記第2のタンクの内部に負圧を発生させる負圧発生部と、
    前記負圧発生部が前記第2のタンクの内部に発生させる負圧を調整する調整部と、
    前記負圧発生部を手動で操作する手動操作部と、
    前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記手動操作部に連動して前記第1の大気開放弁を閉止する連動機構と、
    を具備することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第2のタンクに連通して設けられた第2の大気開放弁をさらに有し、前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記連動機構はさらに前記第2の大気開放弁を開放することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第2のタンクよりも重力方向上方に設置され、前記第2のタンクにインクを供給するインク供給元と、
    前記インク供給元と前記第2のタンクの間に設けられた供給弁と、をさらに有し、
    前記第2のタンクの内部に発生する負圧が大きくなるように前記手動操作部を操作した場合に、前記連動機構はさらに前記供給弁を閉止することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記負圧発生部は、前記第2のタンクに連通して伸縮するベローズポンプを有し、
    前記調整部は、前記ベローズポンプを伸縮させる伸縮機構を有し、
    前記連動機構は、前記前記供給弁と前記第1の大気開放弁と前記第2の大気開放弁にそれぞれ設けられたソレノイドの可動鉄芯と前記手動操作部とを連動連結する操作ロッドを有することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016155278A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 理想科学工業株式会社 インクジェット印刷装置及びインクカートリッジ
EP3628495A1 (en) 2018-09-21 2020-04-01 SCREEN Holdings Co., Ltd. Printing apparatus, printing system, printing method
CN115817017A (zh) * 2021-09-17 2023-03-21 三星显示有限公司 致动器及包括该致动器的喷墨印刷装置

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