JP2014201639A - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
20世紀において石油資源は、プラスチックの原料やエネルギーとして採掘され限りなく使用されてきた。しかし、近年、石油を始めとする化学資源の枯渇化等が環境問題となっている。そこで、石油や石油由来のような化石資源ではなく、天然物由来の資源(いわゆる非石油資源)を利用した環境破壊の恐れの少ないプラスチック材料の開発が盛んに進められている。
例えば、植物は太陽の光をエネルギーとして、水分と大気中の炭酸ガスを吸収することによって成長する。植物(もしくはそこから抽出される成分)を原料とする材料の場合、太陽エネルギーを原料の製造エネルギーとして有効に利用していることから、化石エネルギーの使用量が少なくてすむことになる。これにより、化石資源の使用を節約できることになる。
(1)カルダノールとアルデヒド類を反応させることにより得られるフェノール樹脂(a)とエポキシ樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(2)(1)に記載のフェノール樹脂(a)にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂(b)と硬化剤および/または硬化促進剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(3)(1)に記載のフェノール樹脂(a)と(2)に記載のエポキシ樹脂(b)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(4)(2)記載のエポキシ樹脂において、エポキシ樹脂の分子量分布(Mw/Mn)の値が1.5〜15である(2)または(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
(6)(5)に記載の硬化物を用いた接着剤。
また、特に、本発明のエポキシ樹脂組成物は作業性が非常に改善されていることから、従来知られているリグニン由来の化合物と併用することで、エポキシ樹脂組成物の改質剤の役割に使用することも可能である。
<カルダノール(cardanol)>
カルダノールはカシューナッツ殻液を分別蒸留にかけることにより得られる。カルダノールは不飽和基の数や位置が異なる4種の混合物であり、不純物としてカルドール、アナカルド酸、およびアルキルカルドールを含有している。
ここで、カルダノールは下記式(1)で表される。尚、置換基が4種類あるが、下記4種の置換基を有する化合物の混合物をカルダノールと称する。
トウモロコシの穂軸、燕麦などの籾殻、サトウキビの絞りかす、ふすまなどの農産物の
副産物やおがくずなどを原料にして製造される。
<バニリン(vanilline)>
バニリンはバニラビーンズより得られるものもあるが、一般には合成により製造されている。その製造法により、サフロールバニリン、オイゲノールバニリン、リグニンバニリン、グアヤコールバニリン等に分けられる。ただし、いずれも天然物由来の化合物からの誘導体である。
本発明において、ホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒド、ホルマリン等といったホルムアルデヒドの合成等価体も含む概念である。
ここで、本発明に用いるカルダノールは純度が80%以上のものが好ましく、純度が90%以上のものが特に好ましい。純度が低いと目的とするエポキシ樹脂が得られにくく、安定した樹脂物性が得られない恐れがある。具体的には重合反応による粘度上昇および作業性の低下・不純物カルドールの酸化による貯蔵中の色安定性低下等である。
カルダノールと共にフェノールを併用する場合、カルダノールの含有割合はカルダノール及び使用するフェノール類の総量に対して30重量%以上が好ましい。
タングステン酸等のヘテロポリ酸、活性白土、無機酸、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等、その他酸性を示す有機、無機酸塩類、等のノボラック樹脂製造用に通常使用される酸性触媒などが挙げられる。用いうる塩基性触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド等が挙げられる。またアミン系の触媒を使用することもでき、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。特にアミン系の触媒を使用する場合は溶媒として兼用することもできる。これら触媒は、前述に挙げた物に限定されるものではなく、単独でも2
種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、カルダノール並びに必要により使用するフェノール類の総量に対し、通常0.005〜2.0倍モル、好ましくは0.01〜1.1倍モルの範囲である。なお、触媒を溶媒として使用する場合は、カルダノール並びに必要により使用するフェノール類の総量に対し、10〜200質量%程度添加することが好ましい。
水酸基当量は300g/eq.〜550g/eq.が好ましく、より好ましくは300g/eq.〜400g/eq.である。
また、得られるエポキシ樹脂の分子量分布(Mw/Mn)の値は1.0〜10が好ましく、1.3〜5がより好ましい。当該好ましい値の範囲内であることで、モノマー量が適切に調整され、硬化剤及び/または硬化促進剤を含有したエポキシ樹脂組成物において、硬化物を容易に得ることが可能となる。
<測定方法>
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、下記条件下測定されたポリスチレン換算、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、分子量分布(Mw/Mn)を得た。
GPCの各種条件
メーカー:島津製作所
カラム:ガードカラム SHODEX GPC KF−802.5(2本) KF−802 KF−803
流速:1.0ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
尚、ホルムアルデヒドを使用することで、エポキシ樹脂組成物とした際に、より容易に硬化物を得ることができる。
本発明に用いるエポキシ樹脂(b)は、前述のフェノール樹脂(a)とエピハロヒドリンとを反応させることで得ることができる。
である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した原料フェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃
、反応時間は通常0.5〜2時間である。
エポキシ当量は350g/eq.〜600g/eq.が好ましく、より好ましくは500g/eq.〜550g/eq.である。
また、得られるエポキシ樹脂の分子量分布(Mw/Mn)の値は1.5〜15が好ましく、1.8〜5がより好ましい。当該好ましい値の範囲内であることで、モノマー量が適切に調整され、硬化剤及び/または硬化促進剤を含有したエポキシ樹脂組成物において、硬化物を容易に得ることが可能となる。
<測定方法>
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、下記条件下測定されたポリスチレン換算、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、分子量分布(Mw/Mn)を得た。
GPCの各種条件
メーカー:島津製作所
カラム:ガードカラム SHODEX GPC KF−802.5(2本) KF−802 KF−803
流速:1.0ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化促進剤を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
以上の混合溶媒であってもよい。
)等の実装用接着剤等が挙げられる。
・水酸基当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・軟化点
JIS K−7234に準拠した方法で測定。
・ICI粘度
JIS K−7117−2に準拠した方法で測定
・DSC
示差走査熱量分析器:TA−instruments製DSC Q−2000
昇温速度:2℃/分
・DMA
動的粘弾性測定器:SIIナノテクノロジー製DMS6100
昇温速度:2℃/分
・TMA
TMA熱機械測定装置:真空理工(株)製TM−7000
昇温速度:2℃/min.
攪拌機、還流冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらカルダノール150部、p−トルエンスルホン酸1部、トルエン225部を加え、80℃で加熱しながら、35%ホルマリン水溶液30部を30分かけて添加し、そのままの温度を保ち2時間反応を行った。続けて100℃で1時間、130℃で1時間反応を行った。反応終了後、10%トリポリリン酸ナトリウムを20部加え、攪拌した後、水層が中性になるまで水洗を行った。得られた有機層をロータリーエバポレーターで180℃で減圧下、トルエン等の溶剤を留去することで本発明のフェノール樹脂148部を得た。得られたフェノール樹脂は液状茶褐色であり、Mw/Mn=2.1、水酸基当量は326g/eq.、25℃における粘度は37.13Pa・sであった。
攪拌機、還流冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら得られた液状フェノール樹脂84部、エピクロロヒドリン105部、メタノール7部、水2部を加え、75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム11部を90分かけて分割添加した後、さらに75℃で75分間反応を行った。反応終了後水洗を行い、有機層からロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン184部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。攪拌下でメタノール2部、30%水酸化ナトリウム水溶液3部を加え、1時間反応を行った後、メタノール20部を加え、洗浄水が中性になるまで有機層を水洗し得られた有機層からロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等の溶剤を留去することで本発明のエポキシ樹脂を93部得た。得られたエポキシ樹脂は液状茶褐色であり、Mw/Mn=2.6、エポキシ当量は545g/eq.、25℃における粘度は8.98Pa・sであった。
攪拌機、還流冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらカルダノール90部、30%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、80℃で加熱しながら、フルフラール10部を30分かけて添加し、110℃にまで昇温し、4時間反応を行った。続けて140℃で4時間反応を行った。反応終了後、20%リン酸ニ水素ナトリウム11部、濃塩酸7部を加え、70℃で30分反応を行った。反応終了後、10%トリポリリン酸ナトリウム20部、メチルイソブチルケトン200部を加え、水層が中性になるまで水洗を行った。得られた有機層をロータリーエバポレーターで130℃で減圧下、メチルイソブチルケトン等の溶剤を留去することで本発明のフェノール樹脂95部を得た。得られたフェノール樹脂は液状茶褐色であり、Mw/Mn=1.4、水酸基当量は357g/eq.、25℃における粘度は484mPa・sであった。
攪拌機、還流冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら得られた液状フェノール樹脂43部、エピクロロヒドリン46部、メタノール3部、水1部を加え、75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム5部を90分かけて分割添加した後、さらに75℃で75分間反応を行った。反応終了後水洗を行い、有機層からロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン92部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。攪拌下でメタノール1部、30%水酸化ナトリウム水溶液1部を加え、1時間反応を行った後、メタノール20部を加え、洗浄水が中性になるまで有機層を水洗し得られた有機層からロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等の溶剤を留去することで本発明のエポキシ樹脂を47部得た。得られたエポキシ樹脂は液状茶褐色であり、Mw/Mn=1.7、エポキシ当量は545g/eq.、25℃における粘度は542mPa・sであった。
エポキシ樹脂を表1の割合(部)で配合し、で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃
で8時間加熱を行い、本発明のエポキシ樹脂組成物及び比較用樹脂組成物の硬化物を得た。これら硬化物の物性を表1に示した。
エポキシ樹脂2:合成例2で得られたエポキシ樹脂
エポキシ樹脂3:RE−410S(日本化薬株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
硬化促進剤:2E4MZ(四国化成株式会社製、イミダゾール系硬化促進剤)
on Package)などの基板の反りを低減する封止材としても有用であることが確認できる。
中でも、特にヒートサイクル性能が求められる素材や、接着剤用途に好適に使用することができる。
また、実施例1において、硬化促進剤を2E4MZに変えて、サンドエイドSI−150Lを0.4重量部としたものを実施例1と同様の条件で硬化して物性を前記条件で測定したところ、線膨張率は191.3ppm(20〜200℃)となり、吸水率は1.1%(100℃、24h浸水)であった
Claims (6)
- カルダノールとアルデヒド類を反応させることにより得られるフェノール樹脂(a)とエポキシ樹脂を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1に記載のフェノール樹脂(a)にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂(b)と硬化剤および/または硬化促進剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1に記載のフェノール樹脂(a)と請求項2に記載のエポキシ樹脂(b)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項2記載のエポキシ樹脂において、エポキシ樹脂の分子量分布(Mw/Mn)の値が1.5〜15である請求項2または請求項3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項5に記載の硬化物を用いた接着剤。
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