JP2014201997A - タイル敷設施工具及び牽引ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】熟練者でなくても、簡単に比較的短時間で不陸を防止することができ、しかも、タイルの形状に制約を受けない汎用性の高いタイル敷設施工具を提供する。
【解決手段】複数枚のタイルTを床面Fに敷設する際に使用されるタイル敷設施工具1において、目地Mを隔てて隣接するタイルTの端部を、表面側及び裏面側から挟み込む表面挟持部材10及び裏面挟持部材20と、表面挟持部材10によって昇降可能に支持された昇降部材30と、下端部41が目地Mを通って裏面挟持部材20に連結され、中間部42が上方に延びて表面挟持部材10及び昇降部材30を貫通する紐状部材40と、紐状部材40の上端部43に連結されて昇降部材30に係止される係止部材50とを備え、昇降部材30の表面挟持部材10に対する上昇により、紐状部材40に張力を発生させて、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とによって隣接するタイルTの端部を挟持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数枚のタイルを床面に敷設する際に使用するタイル敷設施工具及び牽引ユニットに関する。
複数枚のタイルを床面に敷き詰める際には、凹凸、いわゆる不陸をなくすことが肝要である。
ところが、例えば、正方形のタイルを敷き詰める場合には、1枚のタイルの4辺に別の4枚のタイルが隣接し、さらに、角部で接する4枚のタイルも入れれば、1枚のタイルに対して合計8枚のタイルが接することになる。このため、隣接する1枚のタイルとは不陸が防止できたとしても、同時に、他のタイルとの不陸を防止する必要があるため、施工には、熟練を要し、また、熟練者であったとしても手間のかかる煩雑な作業となる。
そこで、熟練が不要で、比較的簡単な作業でタイルの敷設を行うことができる施工具が(例えば、特許文献1参照)。
このものは、4枚の正方形のタイルを、これらが付き合わされる1つの角部において不陸をなくすようにしたものである。タイルの裏面には、額縁状に凸部が設けられ、さらに、これら4枚のタイルの角部が付き合わされる部分に、溝部を設けた施工用ピースを配設して、この施工用ピースの溝部に、各タイルの凸部を係合させるものである。これにより、4枚のタイルの不陸を防止するとともに、適宜な間隔の目地を確保するようにしている。
特開2002−235425号公報
しかしながら、上述の従来技術によれば、タイルは、一般的な形状の平板状のものを使用することはできず、裏面に額縁状の凸部を有する特殊な形状のタイルを使用し、さらに、施工用ピースは、そのタイルの凸部が係合される凹部を有する特殊な形状となっている。このため、タイル及び施工用ピースの双方とも、汎用性にかけるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、熟練者でなくても、簡単に比較的短時間で不陸を防止することができ、しかも、タイルの形状に制約を受けない汎用性の高いタイル敷設施工具及びその一部を構成する牽引ユニットを提供することを目的とする。
請求項1に係るタイル敷設施工具は、複数枚のタイルを床面に敷設する際に使用されるタイル敷設施工具において、目地を隔てて隣接するタイルの端部を、表面側及び裏面側から挟み込む表面挟持部材及び裏面挟持部材と、前記表面挟持部材によって昇降可能に支持された昇降部材と、下端部が前記目地を通って前記裏面挟持部材に連結され、中間部が上方に延びて前記表面挟持部材及び前記昇降部材を貫通する張力発生部材と、前記張力発生部材の上端部に連結されて前記昇降部材に係止される係止部材と、を備え、前記昇降部材の前記表面挟持部材に対する上昇により、前記張力発生部材に張力を発生させて、前記表面挟持部材と前記裏面挟持部材とによって前記隣接するタイルの端部を挟持する、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るタイル敷設施工具において、前記昇降部材は、前記表面挟持部材に螺合され、前記表面挟持部材に対する一方向への相対回転により上昇し、他方向への相対回転により下降する、ことを特徴とする。
請求項3に係るタイル敷設施工具は、請求項1又は2に係るタイル敷設施工具において、前記張力発生部材は、紐状部材によって形成され、前記表面挟持部材及び前記昇降部材は、前記紐状部材が上下方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通して前記紐状部材の側方からの挿入を許容する切欠部と、を有する、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係るタイル敷設施工具において、前記張力発生部材は、自己形状保持力があって自立可能な線状部材によって形成され、前記表面挟持部材及び前記昇降部材は、前記線状部材が上下方向に貫通する貫通孔を有する、ことを特徴とする。
請求項5に係るタイル敷設施工具は、請求項1ないし4のいずれか1項に係るタイル敷設施工具において、前記裏面挟持部材は、前記タイルの裏面に当接する上面に、前記タイルの水平方向の位置を規制して前記目地を確保する凸条の位置決め部を有する、ことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に係るタイル敷設施工具において、前記位置決め部の、前記上面からの突設高さが、前記タイルの厚さよりも小さい、ことを特徴とする。
請求項7に係るタイル敷設施工具は、請求項6に係るタイル敷設施工具において、前記位置決め部は、「十」字形に形成され、前記張力発生部材の前記下端部は、前記「十」字形の中心に連結されている、ことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項6に係るタイル敷設施工具において、前記位置決め部は、「Y」字形に形成されている、ことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項6に係るタイル敷設施工具において、前記位置決め部は、「T」字形に形成されている、ことを特徴とする。
請求項10に係る牽引ユニットは、複数枚のタイルを床面に敷設する際に使用されるタイル敷設施工具の一部を構成する牽引ユニットにおいて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の裏面挟持部材と張力発生部材と係止部材とを有し、前記裏面挟持部材と前記張力発生部材と前記係止部材とが一体的に組み合わされて消耗品として構成されている、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、使用者が表面挟持部材に対して昇降部材を上昇させることにより、表面挟持部材と係止部材との間隔を広げて張力発生部材に張力を発生させることができ、この反力により、表面挟持部材と裏面挟持部材とによって隣接するタイルの端部を挟持して、上下方向の不揃い、いわゆる不陸をなくすことができる。また、従来技術とは異なり、隣接するタイルの端部を、表面挟持部材と裏面挟持部材とによって挟持することで、不陸をなくす構成であるため、タイルや裏面挟持部材の形状についての制約がほとんどなく、一般的なタイルや簡単な形状の裏面挟持部材を使用することができて、汎用性が高い。また、タイル敷設施工具の使用に際しては、表面挟持部材に対して昇降部材を上昇させるといった簡単な操作で済むので、特に熟練を要することがなく、誰でも簡単に使用することができる。
請求項2の発明によれば、昇降部材は、表面挟持部材に対して螺合されているので、表面挟持部材に対して一方向に相対回転させることで表面挟持部材に対して上昇させて、張力発生部材に張力を発生させることができる。また、張力を増加させている途中で、例えば、使用者が昇降部材から手を離したとしても、そのときの状態を維持して、張力を発生させたままにしておくことができる。このため、張力の調整、すなわち、表面挟持部材と裏面挟持部材とによるタイルに対する挟持力の調整を容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、張力発生部材が紐状部材によって形成されているので、タイルの敷設施工後に不要になった張力発生部材を、カッターやハサミで簡単に切除することができ、また、切除後に残った残渣部分を目地に埋め込むことが可能である。さらに、表面挟持部材及び昇降部材は、切欠部を有しているので、紐状部材をこの切欠部を通して側方から貫通孔に通すことができ、作業の簡便化を図ることができる。
請求項4の発明によれば、張力発生部材が自己形状保持力のある線状部材によって形成されているので、直立した状態の線状部材に、表面挟持部材及び昇降部材の貫通孔を、例えば、上方から通すことができる。また、線状部材を、裏面挟持部材と同じ材質(例えば、プラスチック等の合成樹脂)で、一体成形することが可能である。
請求項5の発明によれば、裏面挟持部材の位置決め部に、タイルの端部を当接させることにより、タイルの水平方向の位置決め及び目地の確保を簡単に行うことができる。
請求項6の発明によれば、敷設施工後に、位置決め部がタイルの表面から突出することを防止できる。
請求項7の発明によれば、凸条の位置決め部が「十」字形に形成されているので、4つの直角な角部を有する正方形や長方形の4枚のタイルに適用することができる。すなわち、4枚のタイルのそれぞれの1つの角部を突き合わせることで、4枚のタイルの水平方向の位置決め及び目地の確保をすることができる。また、張力発生部材の下端部が、「十」字形の中心に連結されているので、表面挟持部材と裏面挟持部材とにより、4枚のタイルの1つの角部を均一な挟持力で挟持して、不陸をなくすことができる。
請求項8の発明によれば、凸条の位置決め部が「Y」字形に形成されているので、六角形状のタイルや円形のタイルを水平方向に位置決めして目地を確保することができる。
請求項9の発明によれば、凸条の位置決め部が「T」字形に形成されているので、正方形や長方形のタイルを、各列ごとにずらして敷設施工する際に、水平方向に位置決めして目地を確保することができる。
請求項10の発明によれば、裏面挟持部と張力発生部材と係止部材が、予め消耗品として一体的に組み合わされて牽引ユニットを構成しているので、タイルの敷設施工時の作業性を向上させることができる。また、表面挟持部材及び昇降部材は、繰り返し使用し、消耗品としての牽引ユニットのみを別途、流通させることにより、トータルコストを低減することができる。
タイル敷設施工具1の全体構成の概略を模式的に示す、軸心C及び切欠部17,35を通る平面で切った断面図である。 (A)は表面挟持部材10の斜視図、(B)は昇降部材30の斜視図、(C)は牽引ユニットU(裏面挟持部材20、紐状部材40、及び係止部材50)の斜視図である。 (A),(B),(C)は表面挟持部材10を示す図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は下面図である。 図3(A)中のX−X線矢視図である。 (A),(B)は昇降部材30を示す図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図である。 (A),(B)は牽引ユニットU(裏面挟持部材20、紐状部材40、及び係止部材50)を示す図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図である。 (A),(B),(C),(D)は、タイル敷設施工具1の使用手順を説明する図である。 (A),(B),(C)は、図7(A)〜(D)に続く、タイル敷設施工具1の使用手順を説明する図である。 (A),(B),(C)裏面挟持部材20の変形例を示す斜視図である。 (A),(B)は、裏面挟持部材20の他の変形例を示す上面図である。 裏面挟持部材20のさらに別の変形例を示す上面図である。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図8を参照して本発明を適用した実施形態1に係るタイル敷設施工具について説明する。ここで、図1は、タイル敷設施工具1の全体構成の概略を模式的に示す、軸心C及び切欠部17,35を通る平面で切った断面図である。また、図2(A)は表面挟持部材10の斜視図、(B)は昇降部材30の斜視図、(C)は牽引ユニットU(裏面挟持部材20、紐状部材40、及び係止部材50)の斜視図である。また、図3(A),(B),(C)は表面挟持部材10を示す図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は下面図である。また、図4は図3(A)中のX−X線矢視図である。
図1,図2に示すように、タイル敷設施工具1は、表面挟持部材10と、裏面挟持部材20と、昇降部材30と、張力発生部材としての紐状部材40と、係止部材50とを備えて構成されている。
このうち、表面挟持部材10は、図3,図4に示すように、ほぼ円錐台状に形成されていて、上面11と下面12と側面13とを有している。上面11は、環状に形成されており、また、下面12には、屈曲形状の複数の凸条14が下方を向けて突設されている。これら凸条14は、ほぼ円形に形成された下面12を周方向に等分する位置において放射方向に向けて配置されている。これら凸条14の下端が、タイルTの上面に当接される。これにより、平面状に形成されてた下面12全体がタイルTの上面に当接(接触)する場合と比較して、後述する裏面挟持部材20との間で、タイルTを挟持した際に、高い精度で、タイルTを水平に保持することができる。なお、凸条14は、上述の屈曲形状のものに代えて、例えば、直径が異なる同心円状の複数のもので構成するようにしてもよい。凸条14の形状や本数については、適宜に設定すればよい。
表面挟持部材10における軸心Cに沿った下端部には、張力発生部材としての紐状部材40が上下に貫通する貫通孔15が形成されており、この貫通孔15の上部には、貫通孔15よりも大径のめねじ部16が形成されている。これら貫通孔15及びめねじ部16は、板状の切欠部17によって外部に連通されている。この切欠部17は、紐状部材40が表面挟持部材10の側方(側面13側)から軸心C近傍に挿入されるのを許容するものである。
図5(A),(B)は昇降部材30を示す図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図である。
昇降部材30は、ねじ状に形成されていて、下端側の外周面にはおねじ部31が形成され、また、上端側には、おねじ部31よりも大径の握り部32が形成されている。この握り部32の外周面には、滑り止め33が設けられていて、使用者が握り部32を握って昇降部材30を回転させる際の滑りを防止している。昇降部材30には、軸心Cに沿って上下方向に貫通された貫通孔34が形成されている。この貫通孔34は、板状の切欠部35によって外部に連通されている。この切欠部35は、上述の表面挟持部材10の切欠部17と同様、紐状部材40が昇降部材30の側方から軸心C近傍に挿入されるのを許容するものである。握り部32の上面36には、軸心Cを中心として、後述する係止部材50が係合される円板状の凹部37が形成されている。
図6(A),(B)は、牽引ユニットU(裏面挟持部材20、紐状部材40、及び係止部材50)を説明する図であり、このうち(A)は上面図、(B)は正面図である。
裏面挟持部材20と紐状部材40と係止部材50とは、一体的に組み合わされて牽引ユニットUを構成している。この牽引ユニットUは、消耗品として取り扱われる。
このうち、裏面挟持部材20は、円板状のベース板21とその上面(タイルTの裏面に当接する面)22に突設された位置決め部23とを有している。位置決め部23は、「十」字形の凸条に形成されていて、中心の、紐状部材40の下端部41が連結される部位には、切欠24が形成されている。この位置決め部23の幅Dは、隣接する2枚のタイルT間の目地M(図7参照)の幅と同じに設定されている。また、位置決め部23における、ベース板21の上面22からの突出高さHは、タイルTの厚さtよりも小さく設定されている。これにより、複数枚のタイルTを敷設した後に、セメント等によって目地Mを埋めることにより、位置決め部23が目地Mに隠れることになる。また、位置決め部23の長手方向に直交する方向の断面形状は、その上端が、例えば、上方に向かって凸状の半円形に形成されている。これにより、例えば、タイルTの角部を裏面挟持部材20上で位置決めする際に、タイルTの端部がわずかに位置決め部23の上端に乗り上げてしまったような場合でも、後述するように、このタイルTを表面挟持部材10との間に挟持することにより、端部が半円に沿って下降して正常な位置に位置決めされることになる。
ベース板21の上面22は、位置決め部23によって4等分されており、正方形又は長方形の4枚のタイルTがそれぞれの1つの角部及びこの角部を挟む2辺を位置決め部23に当接させて配置される。つまり、ベース板21の上面22には、4枚のタイルTのそれぞれの1つの角部が位置決めされた状態で載置される。なお、ベース板21は、円板状に代えて、例えば、位置決め部23が対角線に位置する正方形状としてもよい。
紐状部材40は、自己形状保持力がなく、例えば、使用者によって図6(B)に示す直立状態に保持されることになる。紐状部材40は、その下端部41が目地Mを通って裏面挟持部材20の中心に連結(固定)され、中間部42が図1に示すように表面挟持部材10の貫通孔15及びめねじ部16の中心を貫通し、さらに、昇降部材30の貫通孔34を貫通して、上端部43が係止部材50に係止されている。上端部43は、例えば、係止部材50の中心の透孔(不図示)を貫通させた後に結び目を形成することにより、係止部材50に係止されている。つまり、結び目を作ることで、係止部材50の透孔から抜けるのを防止している。紐状部材40は、この上端部43の結び目の位置を変更することにより、その長さ(裏面挟持部材21から係止部材50までの距離)を容易に変更することができる。このため、汎用性を高めることができる。
係止部材50は、円板状に形成されていて、中心には、紐状部材40の上端部43が貫通される透孔(不図示)が形成されている。係止部材50は、図5(A)に示す昇降部材30の上面36の円板状の凹部37に係合されて、水平方向(前後左右方向)の不要な移動が規制されるようになっている。
以上説明した、裏面挟持部材20、紐状部材40、及び係止部材50は、タイル敷設施工具1の使用に先立ち、消耗品として一体的に組み合わされて牽引ユニットUを構成している。
図7,図8を参照して、上述構成のタイル敷設施工具1の使用手順を説明する。ここで、図7(A),(B),(C),(D)と、図8(A),(B),(C)とは、タイル敷設施工具1の連続した一連の使用手順を示すものである。
図7(A)に示すように、紐状部材40の長さを、図7(D)に示す、表面挟持部材10と昇降部材30とを組み合わせた状態の高さよりも長くなるように設定しておく。床面F(図1参照)に接着剤Sを塗布し、その上に、タイルTの角部に対応する位置に、裏面挟持部材20を並べる。同図では、9枚の裏面挟持部材20を並べた図を示している。この際、紐状部材40及び係止部材51は、裏面挟持部材20の上面に載せておく。
図7(B)に示すように、一方の手H1で、1つの裏面挟持部材20から係止部材50をつまみ上げて、紐状部材40を引き延ばし、裏面挟持部材20の上に、位置決め部23に合わせて、4枚のタイルTの角部を載せる。
図7(C)に示すように、図7(B)と同様の作業を、すべての裏面挟持部材20について繰り返す。その後、各裏面挟持部材20の位置決め部23に4枚のタイルTの角部を付き当てる。これにより、4枚のタイルTの水平方向の位置決めを行うとともに、目地Mを所定の寸法に確保する。
図7(D)に示すように、一方の手H1で、紐状部材40を垂直に延ばし、それぞれ切欠部17,35を合わせた状態で組み合わせた表面挟持部材10と昇降部材30を、他方の手H2で握って横方向に移動させ、紐状部材40を切欠部17,35を通過させて、軸心Cの近傍、つまり、貫通孔15,34を上下に貫通するように配置する。これにより、表面挟持部材10が4枚のタイルTのほぼ中心に位置する。その後、昇降部材30の上面の凹部37(図5(A)参照)に係止部材50を係合させる。
図8(A)に示すように、他方の手H2で、表面挟持部材10をしっかりと握って押さえ、一方の手H1で昇降部材30を一方向に回転させて、表面挟持部材10に対して上昇させる。これにより、紐状部材40がピンと張り、さらに、回転を続けることにより、紐状部材40に張力が発生して、裏面挟持部材20を引き上げるとともに、その反力で表面挟持部材10をタイルTの表面に押し付ける。つまり、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とによって、4枚のタイルの角部を挟持することになる。これにより、4枚のタイルTの角部の高さが揃えられて、凹凸(不陸)が解消される。同時に、隣接するタイルTの目地Mに入り込んだ位置決め部23により、水平方向の位置決めがなされる。
図8(B)に示すように、表面挟持部材10と裏面挟持部材20との間で、4枚のタイルTの角部を挟持した状態を維持し、接着剤Sが乾くのを待つ。
図8(C)に示すように、接着剤Sが乾燥した後、表面挟持部材10と昇降部材30とを取り除き、一方の手H1で、係止部材50を摘んで、紐状部材40を引き延ばし、紐状部材40の下端部をカッター、はさみ等で切って、係止部材50及び紐状部材40の上端側を除去する。なお、この際、残った紐状部材40の下端側の残渣部分は、目地Mに挿入し、後に、目地Mをセメント等で埋める際に、セメント等で埋めてしまう。これにより、残渣部分がタイルTの表面側に露出されるおそれがない。
なお、上述では、図8(A)において、他方の手H2で表面挟持部材10をしっかりと握って押さえ、一方の手H1で昇降部材30を一方向に回転させた。これに代えて、昇降部材30を一方の手H1で回転しないように押さえ、他方の手H2で表面挟持部材10を握って、他方向に回転させるようにしてもよい。この場合には、表面挟持部材10とタイルTの接触面を介して、タイルTを水平方向に回転させる力を付与することができるので、タイルTの端部をよりよく位置決め部23に当接させることができる。
上述構成、及び作業手順のタイル敷設施工具1は、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)使用者が表面挟持部材10に対して昇降部材30を上昇させることにより、表面挟持部材10と係止部材50との間隔を広げて紐状部材(張力発生部材)40に張力を発生させることができ、この反力により、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とによって隣接するタイルTの端部を挟持して、上下方向の不揃い、いわゆる不陸をなくすことができる。また、従来技術とは異なり、隣接するタイルTの端部を、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とによって挟持することで、不陸をなくす構成のため、タイルTや裏面挟持部材20の形状についての制約がほとんどなく、一般的なタイルTや簡単な形状の裏面挟持部材20を使用することができて、汎用性が高い。また、タイル敷設施工具1の使用に際しては、表面挟持部材10に対して昇降部材30を上昇させるといった簡単な操作で済むので、特に熟練を要することがなく、誰でも簡単に使用することができる。
(2)昇降部材30は、表面挟持部材10に対して螺合されているので、一方向に相対回転させることで表面挟持部材10に対して上昇させて、紐状部材40に張力を発生させることができる。また、張力を増加させている途中で、例えば、使用者が昇降部材30から手を離したとしても、そのときの状態を維持して、張力を発生させたままにしておくことができる。このため、張力の調整、すなわち、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とによるタイルTに対する挟持力の調整が容易である。
(3)張力発生部材が紐状部材40によって形成されているので、タイルTの敷設施工後に不要になった紐状部材40を、カッターやはさみハサミで簡単に切除することができ、また、切除後に残った残渣部分を目地Mに埋め込むことが可能である。さらに、表面挟持部材10及び昇降部材30は、切欠部17,35を有しているので、紐状部材40をこの切欠部17,35を通して側方(横方向)から貫通孔15,34に通すことができ、作業の簡便化を図ることができる。
(4)裏面挟持部材20の位置決め部23に、タイルTの端部を当接させることにより、タイルTの水平方向の位置決め及び目地Mの確保を簡単に行うことができる。
(5)位置決め部23の突出高さHを、タイルTの厚さよりも小さく設定しているので、敷設施工後に、位置決め部23がタイルTの表面から突出することを防止できる。
(6)位置決め部23が「十」字形に形成されているので、4つの直角な角部を有する正方形や長方形の4枚のタイルTに適用することができる。すなわち、4枚のタイルTのそれぞれの1つの角部を突き合わせることで、4枚のタイルの水平方向の位置決め及び目地Mの確保をすることができる。また、紐状部材40の下端部が、「十」字形の中心に連結されているので、表面挟持部材10と裏面挟持部材20とにより、4枚のタイルTのそれぞれの1つの角部を均一な挟持力で挟持して、不陸をなくすことができる。
(7)裏面挟持部材20と紐状部材40と係止部材50が、予め消耗品として一体的に組み合わされて牽引ユニットUを構成しているので、タイルTの敷設施工時の作業性を向上させることができる。また、表面挟持部材10及び昇降部材30は、繰り返し使用し、消耗品の牽引ユニット20のみを別途、流通させることにより、トータルコストを低減することができる。
以上の説明では、張力発生部材が紐状部材40である場合を例に説明したが、これに代えて、自己形状保持力のある線状部材によって形成するようにしてもよい。この場合には、直立した状態の線状部材に、表面挟持部材10及び昇降部材30の貫通孔15,34を、例えば、上方から通すことができる。また、線状部材を、裏面挟持部材20と同じ材質(例えば、プラスチック等の合成樹脂)で、一体成形することが可能である。
図9に、裏面挟持部材20の変形例を示す。この裏面挟持部材20は、正方形状又は長方形状のベース板61とその1辺(短辺)の中心に、一辺に直交する辺(長辺)に沿って形成された直線状の凸条で構成された位置決め部62を有している。紐状部材40の下端部41は、位置決め部62の中心に連結されている。この裏面挟持部材20は、隣接する2枚のタイルTの凹凸(不陸)を防止する際に好適に使用することができる。
図10(A),(B)に、裏面挟持部材20の他の変形例を示す。この裏面挟持部材20は、円板状のベース板71と、この上面に突設された「Y」字形の凸条からなる位置決め部72とを有している。図10(A)では、この裏面挟持部材20によって六角形のタイルTを位置決めする例を示している。3枚の六角形のタイルTは、それぞれの1つの角部を位置決め部72に当接させることで、所定幅の目地を確保した状態で位置決めされる。
また図10(B)は、この裏面挟持部材20によって円形のタイルTを位置決めする例を示している。3枚の円形のタイルTは、それぞれの円周上の異なる2箇所で位置決め部20に当接させることで、所定幅の目地を確保した状態で位置決めされる。この裏面挟持部材20は、円形のタイルTを、1列ごとに直径のほぼ半分に相当する寸法分だけずらしてに敷設施工する場合に有効である。
図11に、裏面挟持部材20のさらに別の変形例を示す。この裏面挟持部材20は、円板状のベース板81と、この上面に突設された「T」字形の凸条からなる位置決め部82とを有している。同図に示す裏面挟持部材20は、その位置決め部82に、正方形又は長方形の、2枚のタイルTのぞれぞれの1つの角部と、1枚のタイルTの1つの辺の長さ方向の中央近傍が当接される。これにより、3枚のタイルTの位置決めを行うことができる。図11に示す裏面挟持部材20は、正方形又は長方形のタイルTを、1列ごとに矢印K方向にずらして敷設施工する場合に有効である。なお、この際の、矢印K方向にずらす長さ(距離)は、任意に設定することができる。
なお、図10,図11に示す裏面挟持部材20は、適用可能なタイルTの形状についてはある程度限定されるものの、大きさについては、特段の制約はない。つまり、任意の大きさのタイルTに対して適用することができ、極めて汎用性が高いものである。
1 タイル敷設施工具
10 表面挟持部材
15 貫通孔
16 めねじ部
17 切欠部
20 裏面挟持部材
23,62,72,82
位置決め部
30 昇降部材
31 おねじ部
34 貫通孔
35 切欠部
40 紐状部材(張力発生部材)
41 下端部
42 中間部
43 上端部
50 係止部材
F 床面
H 突設高さ
M 目地
T タイル
t タイルの厚さ
U 牽引ユニット

Claims (10)

  1. 複数枚のタイルを床面に敷設する際に使用されるタイル敷設施工具において、
    目地を隔てて隣接するタイルの端部を、表面側及び裏面側から挟み込む表面挟持部材及び裏面挟持部材と、
    前記表面挟持部材によって昇降可能に支持された昇降部材と、
    下端部が前記目地を通って前記裏面挟持部材に連結され、中間部が上方に延びて前記表面挟持部材及び前記昇降部材を貫通する張力発生部材と、
    前記張力発生部材の上端部に連結されて前記昇降部材に係止される係止部材と、を備え、
    前記昇降部材の前記表面挟持部材に対する上昇により、前記張力発生部材に張力を発生させて、前記表面挟持部材と前記裏面挟持部材とによって前記隣接するタイルの端部を挟持する、
    ことを特徴とするタイル敷設施工具。
  2. 前記昇降部材は、前記表面挟持部材に螺合され、前記表面挟持部材に対する一方向への相対回転により上昇し、他方向への相対回転により下降する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイル敷設施工具。
  3. 前記張力発生部材は、紐状部材によって形成され、
    前記表面挟持部材及び前記昇降部材は、前記紐状部材が上下方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔に連通して前記紐状部材の側方からの挿入を許容する切欠部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイル敷設施工具。
  4. 前記張力発生部材は、自己形状保持力があって自立可能な線状部材によって形成され、
    前記表面挟持部材及び前記昇降部材は、前記線状部材が上下方向に貫通する貫通孔を有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイル敷設施工具。
  5. 前記裏面挟持部材は、前記タイルの裏面に当接する上面に、前記タイルの水平方向の位置を規制して前記目地を確保する凸条の位置決め部を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイル敷設施工具。
  6. 前記位置決め部の、前記上面からの突設高さが、前記タイルの厚さよりも小さい、
    ことを特徴とする請求項5に記載のタイル敷設施工具。
  7. 前記位置決め部は、「十」字形に形成され、
    前記張力発生部材の前記下端部は、前記「十」字形の中心に連結されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のタイル敷設施工具。
  8. 前記位置決め部は、「Y」字形に形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のタイル敷設施工具。
  9. 前記位置決め部は、「T」字形に形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のタイル敷設施工具。
  10. 複数枚のタイルを床面に敷設する際に使用されるタイル敷設施工具の一部を構成する牽引ユニットにおいて、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の裏面挟持部材と張力発生部材と係止部材とを有し、
    前記裏面挟持部材と前記張力発生部材と前記係止部材とが一体的に組み合わされて消耗品として構成されている、
    ことを特徴とする牽引ユニット。

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