JP2014202231A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】 溝加工の加工工数および加工時間を削減し、スプラインの有効嵌合長を確保する。【解決手段】 外側継手部材11と、その外側継手部材11との間でボール13を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材12とを備え、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン嵌合させ、シャフト19の環状凹溝20に弾性的に縮径可能に装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔端部に形成された段差部25に係止させることにより、内側継手部材12に対してシャフト19を抜け止めする等速自在継手であって、内側継手部材12の段差部25に、止め輪21が当接する二つの係止面29,30を軸方向に隣接させて形成し、二つの係止面29,30の傾斜角度をそれぞれ異ならせる。二つの係止面29,30のうち、一方の係止面29は、シャフト19の引き抜き力により止め輪21の縮径で分解可能な傾斜角度を持ち、他方の係止面30は、シャフト19の引き抜き力により分解不可能な傾斜角度を持つ。【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車、航空機、船舶や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフト等に組み込まれて駆動側と従動側の二軸間で角度変位を許容する等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要があるため、一般的に、エンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備する。このドライブシャフトを構成するシャフトの両端に設けられた等速自在継手は、内側継手部材の軸孔にシャフトの軸端部を挿入してスプライン嵌合させたトルク伝達可能な構造を具備する。
この種の等速自在継手では、ブーツ交換などの整備工数の簡略化を図るため、内部部品である内側継手部材とシャフトとを分解可能に結合させたシャフト抜け止め構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
本出願人が先に提案した特許文献1のシャフト抜け止め構造は、内側継手部材の軸孔の軸方向二箇所に止め輪係合溝を形成し、シャフトの外周面に止め輪装着溝を形成すると共にその止め輪装着溝に弾性的に縮径可能な止め輪を装着している。そして、内側継手部材の軸孔にシャフトの軸端部を挿入するに際して、シャフトの止め輪装着溝に取り付けられた止め輪をその弾性復元力でもって拡径させることにより内側継手部材の止め輪係合溝に係止させるようにしている。
このシャフト抜け止め構造では、二つの止め輪係合溝において、止め輪が当接する係止面の傾斜角度をそれぞれ異ならせることにより、内側継手部材とシャフトとの分解構造あるいは非分解構造を選択可能としている。
つまり、二つの止め輪係合溝のうち、一方の止め輪係合溝の係止面の傾斜角度を大きく設定することにより、シャフトの引き抜き力により止め輪が止め輪係合溝の係止面に沿って縮径し、その止め輪係合溝が離脱することにより分解可能としている。また、他方の止め輪係合溝の係止面の傾斜角度を小さく設定することにより、シャフトの引き抜き力が作用しても止め輪が止め輪係合溝の係止面に沿って縮径せず、その止め輪係合溝から離脱しないような非分解構造としている。
ところで、前述したように、特許文献1で開示されたシャフト抜け止め構造は、内側継手部材の軸孔の軸方向二箇所(軸孔の中間部と奥部)に止め輪係合溝を形成し、シャフトの外周面に形成された止め輪装着溝に装着した止め輪を、分解可能な仕様あるいは分解不可能な仕様に応じて内側継手部材の二つの止め輪係合溝のいずれか一方に係止させるようにしている。
しかしながら、このようなシャフト抜け止め構造の場合、内側継手部材の軸孔の二箇所に止め輪係合溝をそれぞれ形成しなければならず、内側継手部材の軸孔における溝加工の加工工数および加工時間が増加してコストアップを招く可能性がある。また、内側継手部材の軸孔の中間部に位置する止め輪係合溝は、その軸孔に形成されたスプラインの途中位置に形成されることになり、内側継手部材とシャフトとのスプライン嵌合構造において、そのスプラインの有効嵌合長が短くなって、内側継手部材とシャフトとの嵌合強度を確保することが困難になる可能性がある。
そこで、本発明は前述の改善点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、溝加工の加工工数および加工時間を削減し、スプラインの有効嵌合長を確保し得る等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外側継手部材と、その外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、内側継手部材の軸孔にシャフトを挿入してトルク伝達可能に嵌合させ、シャフトの環状凹溝に弾性的に縮径可能に装着された止め輪を、内側継手部材の軸孔端部に形成された段差部に係止させることにより、内側継手部材に対してシャフトを抜け止めする等速自在継手であって、内側継手部材の軸孔端部の段差部に、止め輪が当接する二つの係止面を軸方向に隣接させて形成し、二つの係止面の傾斜角度をそれぞれ異ならせたことを特徴とする。
この本発明では、内側継手部材の軸孔端部の段差部に、止め輪が当接する二つの係止面を軸方向に隣接させて形成し、二つの係止面の傾斜角度をそれぞれ異ならせたことにより、傾斜角度が異なる二つの係止面を一つの段差部に設けたシャフト抜け止め構造とする。二つの係止面で分解可能な仕様と分解不可能な仕様の両方を実現することができ、一つの段差部を設けるだけで済むことから、従来のような溝加工の工数および時間の削減が図れ、シャフトを内側継手部材にトルク伝達可能に嵌合させるためのスプラインの有効嵌合長を確保することが容易となる。
本発明における二つの係止面のうち、一方の係止面は、シャフトの引き抜き力により止め輪の縮径で分解可能な傾斜角度を持ち、他方の係止面は、シャフトの引き抜き力により分解不可能な傾斜角度を持つシャフト抜け止め構造が望ましい。このようにすれば、一方の係止面に止め輪を当接させることで、シャフトの引き抜き力により止め輪を縮径させて内側継手部材からシャフトを分解することが可能となり、他方の係止面に止め輪を当接させることで、シャフトの引き抜き力が作用しても内側継手部材からシャフトを分解することが不可能となる。
本発明は、外側継手部材と、その外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、内側継手部材の軸孔にシャフトを挿入してトルク伝達可能に嵌合させ、シャフトの環状凹溝に弾性的に縮径可能に装着された止め輪を、内側継手部材の軸孔端部に形成された段差部に係止させることにより、内側継手部材に対してシャフトを抜け止めする等速自在継手であって、内側継手部材の軸孔端部の段差部にフラットな係止面を形成し、止め輪の外周面のうち、係止面と当接可能な部位に係止面の傾斜角度と同一でフラットな当接面を形成したことを特徴とする。
この本発明では、内側継手部材の軸孔端部の段差部にフラットな係止面を形成し、止め輪の外周面のうち、係止面と当接可能な部位に係止面の傾斜角度と同一でフラットな当接面を形成したことにより、内側継手部材およびシャフトを設計変更することなく、止め輪の形態を変更するだけで分解可能な仕様と分解不可能な仕様の両方を実現することができる。つまり、外周面が円形の止め輪を使用することで分解可能な仕様とし、外周面の一部にフラットな当接面が形成された止め輪を使用することで、止め輪の当接面と段差部の係止面とを面接触させることによりその接触抵抗を大きくすることができ、分解不可能な仕様を実現できる。
このように、内側継手部材およびシャフトの形態を変更しないことから、従来のような溝加工の工数および時間の削減が図れ、シャフトを内側継手部材にトルク伝達可能に嵌合させるためのスプラインの有効嵌合長を確保することが容易となる。
本発明において、止め輪のフラットな当接面を粗面とした構造が望ましい。このようにすれば、止め輪の当接面と段差部の係止面とを面接触させることによりその接触抵抗をより一層大きくすることができるので、内側継手部材とシャフトとの結合状態を強固にすることができる。
本発明では、内側継手部材の軸孔端部の段差部に、止め輪が当接する二つの係止面を軸方向に隣接させて形成し、二つの係止面の傾斜角度をそれぞれ異ならせた構造、あるいは、内側継手部材の軸孔端部の段差部にフラットな係止面を形成し、止め輪の外周面のうち、係止面と当接可能な部位に係止面の傾斜角度と同一でフラットな当接面を形成した構造としている。これにより、分解可能な仕様と分解不可能な仕様の両方を実現することができる。従来のような溝加工の工数および時間の削減が図れ、シャフトを内側継手部材にトルク伝達可能に嵌合させるためのスプラインの有効嵌合長を確保することが容易となる。その結果、内側継手部材およびシャフトの分解可能な仕様と分解不可能な仕様の両方を併せ持つ安価で高品質の等速自在継手を提供できる。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、固定式等速自在継手の一種であるツェッパ型等速自在継手(BJ)を例示する。なお、本発明は、ツェッパ型等速自在継手以外の他の固定式等速自在継手であるアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)や、摺動式等速自在継手であるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)、トリポード型等速自在継手(TJ)、クロスグルーブ型等速自在継手にも適用可能である。
この実施形態の等速自在継手は、図1に示すように、外側継手部材11、内側継手部材12、ボール13およびケージ14で主要部が構成されている。この等速自在継手は、一端が開口したカップ状をなし、軸方向に延びる単一曲線状のトラック溝15が球状内周面16の複数箇所に円周方向等間隔で形成された外側継手部材11と、軸方向に延びる単一曲線状のトラック溝17が外側継手部材11のトラック溝15と対をなして球状外周面18の複数箇所に円周方向等間隔で形成された内側継手部材12と、外側継手部材11のトラック溝15と内側継手部材12のトラック溝17との間に配されたトルク伝達部材としてのボール13と、外側継手部材11の球状内周面16と内側継手部材12の球状外周面18との間に介在してボール13を保持するケージ14とを備えた構造を具備する。これら内側継手部材12、ボール13およびケージ14が、外側継手部材11に収容された内部部品を構成している。なお、ボール13は6個、8個などその個数は任意である。
自動車のドライブシャフトを構成する等速自在継手においては、内側継手部材12にシャフト19がスプライン嵌合によりトルク伝達可能に結合されている。このシャフト19の内側継手部材12への組み付け作業は、外側継手部材11の内部に、内側継手部材12、ボール13およびケージ14からなる内部部品を組み込んだ後に行われることから、以下のシャフト抜け止め構造を採用している。
つまり、シャフト19の外周面に形成された環状凹溝20に弾性的に縮径可能なC字形状のサークリップ等の止め輪21を装着する。内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン23,24によりトルク伝達可能に嵌合させる。この時、シャフト19の環状凹溝20に縮径状態で装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された段差部25にて弾性復元力により拡径させることで、その段差部25に形成された後述の係止面29,30で係止させるようにしている。
なお、内側継手部材12の軸孔22の開口側端部にテーパ面26を形成すると共に、シャフト19の大径部にテーパ面27を形成することによりストッパ部28を構成している。このストッパ部28により、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入する際、シャフト19の大径部のテーパ面27を内側継手部材12の軸孔22の開口側端部のテーパ面26に当接させることで、内側継手部材12に対するシャフト19の挿入位置を規制するようにしている。
この等速自在継手では、ブーツ交換などの整備工数の簡略化を図るため、分解可能な仕様あるいは分解不可能な仕様に応じて、内側継手部材12とシャフト19との分解構造と非分解構造とを選択可能としたシャフト抜け止め構造を採用する。このシャフト抜け止め構造では、図2および図3に示すように、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された一つの段差部25に、止め輪21が当接する二つの係止面29,30を軸方向に隣接させて形成し、二つの係止面29,30の傾斜角度α,βをそれぞれ異ならせている。
二つの係止面29,30のうち、一方の係止面29は、シャフト19の引き抜き力により止め輪21の縮径で分解可能な傾斜角度αを持つ。その傾斜角度αは、軸方向に対して直交する垂直方向を基準として、21°以上としている(α≧21°)。また、他方の係止面30は、シャフト19の引き抜き力により分解不可能な傾斜角度βを持つ。その傾斜角度βは、軸方向に対して直交する垂直方向を基準として、15°以下としている(β≦15°)。この他方の係止面30は、軸方向に対して直交する垂直面(傾斜角度β=0°)であってもよい。なお、二つの係止面29,30の間には、軸孔22に形成されたスプライン23の最大径(スプライン谷部の内径)と略同一の内径を有する円筒面31が形成されている。また、他方の係止面30よりも外側には、前述の円筒面31よりも大きな内径を有する円筒面32が形成されている。
一方の係止面29の傾斜角度αを21°以上とすることにより、シャフト19に引き抜き力が作用した時、止め輪21を縮径させる方向の分力が大きく、その止め輪21は容易に縮径されて分解可能となる。一方、他方の係止面30の傾斜角度βを15°以下とすることにより、シャフト19に引き抜き力が作用した時、止め輪21を縮径させる方向の分力が小さく、その止め輪21は縮径されずに分解不可能となる。係止面29の傾斜角度αが21°よりも小さかったり、係止面30の傾斜角度βが15°よりも大きかったりすると、止め輪21が縮径したり縮径しなかったりする不安定な状態となる領域であるために不適である。
図4および図5は、分解可能な仕様に基づく内側継手部材12とシャフト19との結合構造を示す。同図に示すように、シャフト19の環状凹溝20に止め輪21を装着した状態で、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン23,24によりトルク伝達可能に嵌合させる。この時、シャフト19の大径部のストッパ部28のテーパ面27が内側継手部材12の軸孔22の開口側端部のテーパ面26に当接することにより、内側継手部材12に対するシャフト19の挿入位置が規制される。
そして、シャフト19の環状凹溝20に縮径状態で装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された段差部25で弾性復元力により拡径させることで、その段差部25に形成された一方の係止面29に係止させる。この一方の係止面29に当接する止め輪21は、径方向外側へ拡径して円筒面31に当接することになる。
このシャフト抜け止め構造の場合、シャフト19に引き抜き力が作用すると、一方の係止面29の傾斜角度αを21°以上に設定していることから、止め輪21を縮径させる方向の分力が大きいので、その止め輪21は容易に縮径されて内側継手部材12に対してシャフト19が分解可能となる。
図6および図7は、分解不可能な仕様に基づく内側継手部材12とシャフト19との結合構造を示す。同図に示すように、シャフト19の環状凹溝20に止め輪21を装着した状態で、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン23,24によりトルク伝達可能に嵌合させる。この時、シャフト19の大径部のストッパ部28のテーパ面27が内側継手部材12の軸孔22の開口側端部のテーパ面26に当接することにより、内側継手部材12に対するシャフト19の挿入位置が規制される。
そして、シャフト19の環状凹溝20に縮径状態で装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された段差部25で弾性復元力により拡径させることで、その段差部25に形成された他方の係止面30に係止させる。この他方の係止面30に当接する止め輪21は、径方向外側へ拡径して円筒面32に当接することになる。
このシャフト抜け止め構造の場合、シャフト19に引き抜き力が作用しても、他方の係止面30の傾斜角度βを15°以下に設定していることから、止め輪21を縮径させる方向の分力が小さいので、その止め輪21は縮径されずに内側継手部材12に対してシャフト19が分解不可能となる。
なお、図4および図5に示す分解構造と図6および図7に示す非分解構造とでは、内側継手部材12の軸孔22のストッパ部28から係止面29,30までの軸方向寸法が異なることから、これに応じてストッパ部28から環状凹溝20までの軸方向寸法が異なる二種のシャフト19を用意する必要がある。
以上のように、傾斜角度α,βが異なる二つの係止面29,30を一つの段差部25に設けたシャフト抜け止め構造としたことにより、二つの係止面29,30で分解可能な仕様と分解不可能な仕様のいずれかを選択することができ、分解可能な仕様と分解不可能な仕様で共通する一種類の内側継手部材12を使用できる。また、一つの段差部25を設けるだけで済むことから、従来のような溝加工の工数および時間の削減が図れ、シャフト19を内側継手部材12にトルク伝達可能に嵌合させるためのスプライン23,24の有効嵌合長を確保することが容易となる。
以上の実施形態では、傾斜角度α,βが異なる二つの係止面29,30を一つの段差部25に設けたシャフト抜け止め構造を説明したが、内側継手部材12およびシャフト19を設計変更することなく、止め輪21の形態を変更することにより、分解可能な仕様と分解不可能な仕様を選択可能にしたシャフト抜け止め構造を、等速自在継手の他の実施形態として以下に詳述する。
この実施形態の等速自在継手の全体構成については、図1および図2に示す前述の実施形態と同一であるため、図8〜図10において、図1および図2と同一または相当部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。この実施形態では、図8および図9に示すように、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された一つの段差部25に、止め輪21が当接する一つのフラットなテーパ状係止面33を形成している。この係止面33は、シャフト19の引き抜き力により止め輪21の縮径で分解可能な傾斜角度αを持つ。その傾斜角度αは、軸方向に対して直交する垂直方向を基準として、21°以上としている(α≧21°)。
図8は、分解可能な仕様に基づく内側継手部材12とシャフト19との結合構造を示す。この分解可能な仕様の場合、外周面が円形の止め輪21を使用する。同図に示すように、シャフト19の環状凹溝20に止め輪21を装着した状態で、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン23,24によりトルク伝達可能に嵌合させる。この時、シャフト19の大径部のストッパ部28のテーパ面27が内側継手部材12の軸孔22の開口側端部のテーパ面26に当接することにより、内側継手部材12に対するシャフト19の挿入位置が規制される。
そして、シャフト19の環状凹溝20に縮径状態で装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された段差部25で弾性復元力により拡径させることで、その段差部25に形成された係止面33に係止させる。
このシャフト抜け止め構造の場合、シャフト19に引き抜き力が作用すると、係止面33の傾斜角度を21°以上に設定していることから、止め輪21を縮径させる方向の分力が大きく、かつ、止め輪21が係止面33に線接触してその接触面積(接触抵抗)が非常に小さいので、その止め輪21は容易に縮径されて内側継手部材12に対してシャフト19が分解可能となる。
図9は、分解不可能な仕様に基づく内側継手部材12とシャフト19との結合構造を示す。この分解不可能な仕様の場合、段差部25のフラットな係止面33に対して、図10に示すように、その係止面33と当接可能な部位に係止面33の傾斜角度(α≧21°以上)と同一でフラットなテーパ状当接面34を形成した外周面を持つ止め輪21を使用する。
図9に示すように、シャフト19の環状凹溝20に止め輪21を装着した状態で、内側継手部材12の軸孔22にシャフト19を挿入してスプライン23,24によりトルク伝達可能に嵌合させる。この時、シャフト19の大径部のストッパ部28のテーパ面27が内側継手部材12の軸孔22の開口側端部のテーパ面26に当接することにより、内側継手部材12に対するシャフト19の挿入位置が規制される。
そして、シャフト19の環状凹溝20に縮径状態で装着された止め輪21を、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部に形成された段差部25にて弾性復元力により拡径させることで、その段差部25に形成された係止面33に係止させる。
このシャフト抜け止め構造の場合、シャフト19に引き抜き力が作用しても、係止面33の傾斜角度が21°以上であるにもかかわらず、止め輪21の当接面34と段差部25の係止面33とが面接触することによりその接触面積(接触抵抗)を大きくすることができるので、その止め輪21は縮径されずに内側継手部材12に対してシャフト19が分解不可能となる。このように、止め輪21の当接面34と段差部25の係止面33とを面接触させることで、止め輪21の耐縮径力を上げることによりシャフト19の引き抜き力が大きくなるようにしている。
なお、図8に示す分解構造と図9に示す非分解構造とでは、内側継手部材12の軸孔22のストッパ部28から係止面33までの軸方向寸法が同一であることから、これに応じてストッパ部28から環状凹溝20までの軸方向寸法が同じ一種のシャフト19を共通して使用することができる。
以上のように、内側継手部材12の軸孔22の奥側端部の段差部25にフラットな係止面33を形成し、止め輪21の外周面のうち、係止面33と当接可能な部位に係止面33の傾斜角度と同一でフラットな当接面34を形成したことにより、内側継手部材12およびシャフト19を設計変更することなく、止め輪21の形態を変更するだけで分解可能な仕様と分解不可能な仕様の両方を実現することができる。
また、分解構造および非分解構造の両方において、内側継手部材12およびシャフト19の形態を変更しないことから、従来のような溝加工の工数および時間の削減が図れ、シャフト19を内側継手部材12にトルク伝達可能に嵌合させるためのスプライン23,24の有効嵌合長を確保することが容易となる。
なお、止め輪21のフラットな当接面34を粗面とすることが有効である。このように、止め輪21のフラットな当接面34を粗面とすることにより、止め輪21の当接面34と段差部25の係止面33との面接触による接触面積(接触抵抗)をより一層大きくすることができるので、内側継手部材12とシャフト19との結合状態を強固にすることができる。この当接面34の粗面は、ショットブラストやバレル処理により形成することが可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
11 外側継手部材
12 内側継手部材
13 トルク伝達部材(ボール)
19 シャフト
20 環状凹溝
21 止め輪
22 軸孔
25 段差部
29,30,33 係止面
34 当接面
α,β 傾斜角度
12 内側継手部材
13 トルク伝達部材(ボール)
19 シャフト
20 環状凹溝
21 止め輪
22 軸孔
25 段差部
29,30,33 係止面
34 当接面
α,β 傾斜角度
Claims (4)
- 外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記内側継手部材の軸孔にシャフトを挿入してトルク伝達可能に嵌合させ、前記シャフトの環状凹溝に弾性的に縮径可能に装着された止め輪を、前記内側継手部材の軸孔端部に形成された段差部に係止させることにより、内側継手部材に対してシャフトを抜け止めする等速自在継手であって、
前記内側継手部材の軸孔端部の段差部に、前記止め輪が当接する二つの係止面を軸方向に隣接させて形成し、前記二つの係止面の傾斜角度をそれぞれ異ならせたことを特徴とする等速自在継手。 - 前記二つの係止面のうち、一方の係止面は、前記シャフトの引き抜き力により止め輪の縮径で分解可能な傾斜角度を持ち、他方の係止面は、前記シャフトの引き抜き力により分解不可能な傾斜角度を持つ請求項1に記載の等速自在継手。
- 外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記内側継手部材の軸孔にシャフトを挿入してトルク伝達可能に嵌合させ、前記シャフトの環状凹溝に弾性的に縮径可能に装着された止め輪を、前記内側継手部材の軸孔端部に形成された段差部に係止させることにより、内側継手部材に対してシャフトを抜け止めする等速自在継手であって、
前記内側継手部材の軸孔端部の段差部にフラットな係止面を形成し、前記止め輪の外周面のうち、前記係止面と当接可能な部位に係止面の傾斜角度と同一でフラットな当接面を形成したことを特徴とする等速自在継手。 - 前記止め輪のフラットな当接面を粗面とした請求項3に記載の等速自在継手。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013076659A JP2014202231A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013076659A JP2014202231A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 等速自在継手 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014202231A true JP2014202231A (ja) | 2014-10-27 |
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ID=52352867
Family Applications (1)
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| JP2013076659A Pending JP2014202231A (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 等速自在継手 |
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| JP (1) | JP2014202231A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017194066A (ja) * | 2016-04-18 | 2017-10-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | プロペラシャフト |
-
2013
- 2013-04-02 JP JP2013076659A patent/JP2014202231A/ja active Pending
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