JP2014205291A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リード端子がより確実に封止されるとともに、吐出不能状態になりにくいインクジェット記録ヘッドを提供する。【解決手段】インクジェット記録ヘッドは、吐出口2を有する記録素子基板3と、凹部10を有し、凹部10の底部で記録素子基板3を支持する支持部材4と、記録素子基板3と電気的に接続された、記録素子基板3と凹部10の側面との間を延びるリード端子15と、記録素子基板3と凹部10の側面との間に配された、リード端子15を覆う封止材6と、支持部材4に形成され、封止材5が配される封止領域に一方の開口13aを有し封止領域とは異なる領域に他方の開口13bを有する流路12と、を備え、記録素子基板3および凹部10の開口を少なくとも覆うキャップを備えたインクジェット記録装置に搭載される。他方の開口13bが、支持部材3の、キャップを用いて覆われる領域内に位置している。【選択図】図3

Description

本発明は、液体を吐出するインクジェット記録ヘッドおよび該インクジェット記録ヘッドを搭載して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に関する。特に、封止材を備えるインクジェット記録ヘッドに関する。
インクジェット方式を用いたインクジェット記録装置は、記録時のランニングコストが比較的安くまた作動音が比較的静かであることから、広く普及している。インクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」とも称す)の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の記録ヘッドは、ノズルを有する印字ヘッド・アセンブリと、電気回路といった電気部品と、カートリッジ・ボディと、を備える。なお、ノズル、印字ヘッド・アセンブリおよびカートリッジ・ボディは、それぞれ、吐出口、記録素子基板および支持部材とも称される。
記録素子基板と電気部品とは複数のリード端子を介して電気的に接続されている。支持部材は、ダイ・キャビティとしての凹部を有しており、凹部の底部で記録素子基板を支持している。リード端子は記録素子基板と凹部の側面との間を延びている。
また、記録ヘッドは、熱硬化性接着剤からなる封止材を備える。封止材はリード端子を覆っており、リード端子と記録素子基板との間の電気接続部やリード端子と電気部品との間の電気接続部が封止材を用いて保護されている。
特許文献1に開示の記録ヘッドの製造方法として、次の2つの方法が挙げられる。
第1の方法は、リード端子を介して記録素子基板と電気部品とを接続してリード端子を封止材で覆った後に、記録素子基板および電気部品を支持部材に固定する方法である。第2の方法は、リード端子を介して記録素子基板と電気部品とを接続して支持部材に記録素子基板および電気部品を固定した後に、リード端子を封止材で覆う方法である。第2の方法では、記録ヘッドの製造時に、吐出口が形成されているノズルプレートへ異物が入りにくいという利点がある。
第2の方法をより詳細に説明する。封止材は、記録素子基板および電気部品が支持部材に固定された後にリード端子上に塗布され、隣接するリード端子の間から記録素子基板と凹部の側面との間の隙間へ流入する。当該隙間が封止材で満たされることによってリード端子は封止材内に埋まる。その結果、リード端子は封止材を用いて覆われる。
第2の方法において、1回の塗布作業で前述の隙間へ封止材を流入させる場合、封止材が当該隙間内に気体を閉じ込め、当該隙間内に気泡が形成されることがある。気泡は封止材の加熱による硬化時に急速に膨張する。気泡の急速な膨張によって封止材が飛び散り、リード端子が封止材によって封止されなくなる。その結果、封止不良が発生する可能性がある。
特許文献1に開示の記録ヘッドでは、このような気泡の形成や気泡の急速な膨張を抑制するため、気体を排出する大気連通路が支持部材に形成されている。大気連通路の一方の開口は凹部の側面に位置しており、大気連通路の他方の開口は支持部材の外周面に位置している。
封止材を隙間に注入する際、記録素子基板と凹部の側面との間の隙間内の気体は大気連通路を通って記録ヘッドの外側へ排出される。したがって、当該隙間内の気体は封止材によって閉じ込められにくく、気泡が形成されにくくなる。また、気泡が形成されても、封止材の加熱による硬化時には気泡内の気体は大気連通路を通って外部へ排出される。そのため、封止材は飛び散りにくく封止不良が起きにくくなる。
ところで、インクジェット記録装置では、液体(インク)が乾燥よって吐出口に固着して記録ヘッドが吐出不能な状態になることがある。そこで、吐出口内でのインクの固着を抑制するとともに、吐出不能な状態になった記録ヘッドを吐出可能な状態に戻すためのキャップや吸引ポンプを備えたインクジェット記録装置が提案されている。
キャップは、記録ヘッドがインクを吐出しないときに記録素子基板および凹部の開口を少なくとも覆い、凹部を密閉する。キャップを用いて凹部が密閉されることによってインクが乾燥しにくくなり、吐出口にインクが固着しにくくなる。
吸引ポンプはキャップに接続されている。そして、吸引ポンプは、キャップが支持部材の凹部の開口を覆っている状態で作動してインクを吸引する。インクがキャップ側へ吸引されることによって吐出口に固着したインクが取り除かれ、記録ヘッドは吐出可能な状態に戻る。
特開平10−6522号公報
しかしながら、特許文献1に開示の記録ヘッドでは、キャップを用いて支持部材の凹部の開口を覆っても、インクの固着を十分に抑制することができず、また吸引ポンプを用いて固着インクを除去できないことがある。以下、この理由を具体的に説明する。
記録ヘッドの製造時における封止材の塗布量はばらつくことがあり、封止材の塗布量が十分でない場合には大気連通路の一方の開口は封止材によって覆われない。したがって、封止材が硬化した後であっても凹部は大気連通路を介して記録ヘッドの外側と連通したままである。そして、特許文献1に開示の記録ヘッドでは、大気連通路の他方の開口は支持部材の外周面に位置しており、インクジェット記録装置のキャップによって覆われない。
大気連通路の他方の開口が塞がれていないため、キャップが凹部の開口を覆っていても凹部は密閉されない。その結果、インクが乾燥しやすくインクの固着を十分に抑制できない。また、吸引ポンプが作動しても大気連通路を通って記録ヘッドの外側の気体が吸引され、固着インクを除去することができなくなってしまう。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、リード端子がより確実に封止されるとともに、吐出不能な状態になりにくいインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
上記の課題を解決するため本発明は、吐出口を有する記録素子基板と、凹部を有し、該凹部の底部で記録素子基板を支持する支持部材と、記録素子基板と電気的に接続された、記録素子基板と凹部の側面との間を延びるリード端子と、記録素子基板と凹部の側面との間に配された、リード端子を覆う封止材と、支持部材に形成され、封止材が配される封止領域に一方の開口を有し封止領域とは異なる領域に他方の開口を有する流路と、を備えたインクジェット記録ヘッドであって、記録素子基板および凹部の開口を少なくとも覆うキャップを備えたインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドに係る。この態様において、他方の開口が、支持部材の、キャップを用いて覆われる領域内に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、リード端子がより確実に封止されるとともに、吐出不能な状態になりにくい。
本発明の実施形態に係る記録ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドの支持部材を記録素子基板側から見た正面図。 図2に示される支持部材に記録素子基板および電気部品を配置した状態の正面図。 図3に示される支持部材に封止材6を配置した状態の正面図。 図4に示される記録ヘッドをA−A面で切断したときの断面図。 本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの支持部材を記録素子基板側から見た正面図。 本発明の第2の実施形態に係る記録ヘッドの正面図。 溝の端部のあたりを拡大した図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドの支持部材を記録素子基板側から見た正面図。 本発明の第3の実施形態に係る記録ヘッドの正面図。 図10に示される記録ヘッドをB−B面で切断したときの断面図。
次に、本発明に係る実施形態について添付の図面を用いて説明する。
なお、ここでは、インクジェット記録ヘッドとインク容器とが一体となったインクジェットカートリッジを用いて本発明の実施形態が説明されているが、インク容器がインクジェット記録ヘッドに着脱可能な形態にも本発明を適用することができる。
図1は本発明の実施形態に係る記録ヘッドを備えたインクジェットカートリッジの斜視図である。図1に示されるインクジェットカートリッジ1の記録ヘッドは、吐出口2を有する記録素子基板3と、記録素子基板3を支持する支持部材4と、を備える。支持部材4は容器として形成されており、支持部材4にインクといった液体が収容される。
記録素子基板3は、電気回路(「TAB」とも呼ばれる)といった電気部品5と電気的に接続されている。記録素子基板3と電気部品5との間の電気接続部は封止材6を用いて覆われている。
吐出口2の周辺にインクが固着したり異物が付着したりすると、吐出口2が目詰まりを起こしてインクが記録ヘッドから正常に吐出されない。そこで、吐出口2の目詰まりを抑制するインクジェット記録装置や、吐出口2の目詰まりを解消して記録ヘッドを正常な状態に回復させる機能を備えたインクジェット記録装置に記録ヘッドを搭載することが提案されている。
吐出口2の目詰まりを抑制する方法として、インクジェット記録装置に設けられたキャップ(不図示)を用いて記録素子基板3を覆い、密閉空間を形成する方法が挙げられる。密閉空間を形成することによって、インクが乾燥しにくくなり、吐出口2の周辺にインクが固着しにくくなる。その結果、吐出口2が目詰まりを起こしにくくなる。
吐出口2の目詰まりを解消する方法として、キャップを用いて密閉空間を形成し、キャップに接続された減圧手段を用いて当該密閉空間を減圧してインクを吸引する方法が挙げられる。減圧手段は例えば吸引ポンプである。インクを吸引することで吐出口2の周辺に固着したインクや吐出口2の周辺に付着した異物が除去され、吐出口2の目詰まりが解消する。
吐出口2の目詰まりを解消する他の方法として、インクジェット記録装置に設けられた摺擦部材7を所定の方向8へ移動させて記録素子基板3を摺擦する方法が挙げられる。摺擦部材7は例えばワイパーであり、摺擦部材7が記録素子基板3を摺擦することによって固着インクや異物が拭き取られる。摺擦部材7が移動する方向8(以下、「移動方向8」とも称す)は、図1に示される例に限定されるものではなく、インクジェット記録装置の仕様により異なる。
以下、本発明の第1ないし第3の実施形態に係る記録ヘッドについて、図2ないし11を用いて説明する。なお、図1に示される要素と同じ要素については同じ符号を付す。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係る第1の実施形態について、図2ないし5を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る記録ヘッドの支持部材4を記録素子基板3側から見た正面図である。図3は、図2に示される支持部材4に記録素子基板3および電気部品5を配置した状態の正面図である。図4は、図3に示される支持部材4に封止材6を配置したときの正面図である。図5は、図4に示される記録ヘッドをA−A面で切断したときの断面図である。
図2に示されるように、支持部材4は、電気部品5を支持する電気部品支持面9と、電気部品支持面9に形成された凹部10と、を含む。凹部10の底面にはインク収容空間と連通するインク供給口11が形成されている。
また、支持部材4は、電気部品支持面9に形成された溝12を有する。溝12は、凹部10の周囲に環状に形成された環状溝部と、該環状溝部から凹部10の内部まで延びる少なくとも2つの線状溝部と、を含む。本実施形態では、溝12は、4つの線状溝部を含んでいる。
なお、図2ないし図4において、密度が比較的高いドットの領域は凹部10の底部の領域を示しており、密度が比較的低いドットの領域は溝12の底部の領域を示している。
図3に示されるように、支持部材4は、凹部10の底部で支持部材4を支持するとともに電気部品支持面9で電気部品5を支持する。具体的には、凹部10の底部および電気部品支持面9に接着剤が塗布されており、互いに電気的に接続された記録素子基板3および電気部品5が凹部10の底部および電気部品支持面9上に固着されている。
電気部品5が支持部材4に支持されている状態では、溝12の上部は電気部品5で覆われる。溝12の、凹部10側に位置する端部13aおよび13bは電気部品5や記録素子基板3で覆われていない。すなわち、溝12および電気部品5は、凹部10の内部と連通する流路を形成している。なお、当該流路は「大気連通路」とも呼ばれる。
本実施形態では、電気部品5は、凹部10の開口とほぼ同じ大きさの開口、または凹部10の開口よりも大きい開口(以下、「電気部品開口14」と称す)を有する。電気部品開口14の内側に凹部10の開口が位置している。記録素子基板3は凹部10の開口よりも小さく、記録素子基板3と凹部10の側面との間には隙間が形成されている。
記録素子基板3と電気部品5とは複数のリード端子15を介して電気的に接続されている。リード端子15は記録素子基板3と凹部10の側面との間を延びている。溝12の端部13aは、凹部10の側面のうちのリード端子15が位置する第1の部位に位置している。溝の端部13bは、凹部10の側面のうちの、第1の部位とは異なる第2の部位に位置している。
図4に示されるように、リード端子15(図3参照)は封止材6によって覆われている。封止材6は、リード端子15の、凹部10の底部側とは反対の側に塗布される。そして、封止材6は隣り合うリード端子15の間およびリード端子15の脇を通って記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間へ流入する。
本実施形態では、封止材6は記録素子基板3と凹部10の第1の部位との間の隙間にのみ配されている。具体的には、封止材6は、溝12の端部13aが位置する凹部10の第1の部位と記録素子基板3との間に配されており、溝12の端部13bが位置する凹部10の第2の部位と記録素子基板3との間の隙間には配されていない。したがって、溝12の端部13bは塞がれていない。
封止材6が記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に流入する際に、図5に示されるように、封止材6が当該隙間内に気体を閉じ込め、当該隙間内に気泡16が形成されることがある。
本実施形態によれば、図3および4に示されるように、大気連通路の一方の開口、すなわち溝12の端部13aは、封止材6が配される封止領域に位置している。また、大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、封止領域とは異なる領域に位置しているため、塞がれていない。したがって、気体は大気連通路を通って記録ヘッドの外側へ排出されるため、記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に封止材6によって閉じ込められにくい。言い換えれば、気泡16ができにくく、リード端子がより確実に封止される。
また、封止材6を塗布する際に記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に気泡16が形成されたとしても、気泡16内の気体は溝12を通って排出される。したがって、封止材6として熱硬化性材料を用い封止材6を加熱によって硬化させても、気泡16は急速に膨張しない。その結果、封止材6は飛び散りにくく封止不良が起きにくくなる。
封止材6の塗布量が十分でないとき、大気連通路の一方の開口、すなわち溝12の端部13aが封止材6によって塞がれない場合がある。この場合、記録ヘッドの外側の気体が大気連通路を通って凹部10内に流入する虞がある。
本実施形態では、大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、凹部10の側面のうちの第2の部位に位置している。そのため、インクジェット記録装置のキャップが記録素子基板3および凹部10の開口を覆っている状態では溝12の端部13bはキャップによって覆われる領域内にある。その結果、記録ヘッドの外側の気体が大気連通路を通って凹部10内に流入しなくなる。
言い換えれば、凹部10はキャップによって密閉される。その結果、インクが乾燥しにくくなり、インクは吐出口2に固着しにくくなる。また、減圧手段の作動時に記録ヘッドの外部の気体が吸引されなくなり、固着インクをより容易に除去することが可能になる。したがって、記録ヘッドは吐出不能な状態になりにくい。
なお、本実施形態では、大気連通路は溝12と電気部品5とで形成されているが、この形態には限られない。例えば、大気連通路は、支持部材4に形成された穴であってもよい。
また、本実施形態では、大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは凹部10の側面に位置しているが、この形態に限られない。大気連通路の他方の開口は、支持部材4の、キャップにより覆われるところに位置していればよい。
(第2の実施形態)
続いて、本発明に係る第2の実施形態について、図6ないし8を用いて説明する。なお、図2ないし5に示される要素と同じ要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る記録ヘッドの支持部材4を記録素子基板3側から見た正面図である。図7は、本実施形態に係る記録ヘッドの正面図である。
図6および7に示されるように、本実施形態に係る記録ヘッドは、記録素子基板3と、電気部品5と、支持部材4と、を備える。支持部材4は凹部10の底部で記録素子基板3を支持するとともに電気部品支持面9で電気部品5を支持している。
電気部品支持面9には溝12が形成されており、溝12と電気部品5とで大気連通路が形成されている。大気連通路の一方の開口、すなわち溝12の端部13aは、凹部10の側面のうちの、封止材6が配される第1の部位に位置している。大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、凹部10の側面のうちの封止材6が配されない第2の部位に位置している。
本実施形態によれば、気体は記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に封止材6によって閉じ込められにくく、気泡16ができにくい。封止材6を塗布する際に記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に気泡16が形成されたとしても、気泡16は膨張しない。その結果、封止材6は飛び散りにくく封止不良が起きにくくなる。言い換えれば、リード端子がより確実に封止される。
また、本実施形態では、凹部10はキャップによって密閉される。その結果、インクが乾燥しにくくなり、インクは吐出口2に固着しにくくなる。また、減圧手段の作動時に記録ヘッドの外部の気体が吸引されなくなり、固着インクをより容易に除去することが可能になる。したがって、記録ヘッドは吐出不能な状態になりにくい。
吐出口2に異物が付着して印字不良が発生した場合、インクジェット記録装置に設けられた摺擦部材7を用いて印字不良を解消することができる。具体的には、摺擦部材7を移動方向8に沿って動かし、摺擦部材7を用いて記録素子基板3を摺擦する。摺擦部材7を用いて記録素子基板3を摺擦することによって吐出口2に付着した異物が拭き取られ、印字不良が解消する。なお、摺擦部材7を用いて異物を拭き取る動作は「ワイピング」とも呼ばれる。
図8は、溝12の端部13bのあたりを拡大した図である。
溝12の端部13bは支持部材4の電気部品支持面9に段差を形成する。したがって、図8に示されるように、摺擦部材7が電気部品支持面9に接触した際、摺擦部材7の、溝12の縁と接触する部位に応力が局所的に発生する。ワイピングが複数回(例えば何千回)繰り返されると、摺擦部材7の、当該応力が発生する応力発生部位17が変形してしまうことがある。
本実施形態では、大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、吐出口2から移動方向8へ延びるエリア18の外側に位置している。したがって、摺擦部材7の、吐出口2を摺擦する摺擦部は、溝12の端部13bを通過しない。
言い換えれば、摺擦部材7の摺擦部と摺擦部材7の応力発生部位17とは異なる部位である。摺擦部に局所的な応力は発生しないため、ワイピングが繰り返されても摺擦部は変形せず、拭き取り不良は発生しにくい。
(第3の実施形態)
続いて、本発明に係る第3の実施形態について、図9ないし11を用いて説明する。なお、図2ないし8に示される要素と同じ要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る記録ヘッドの支持部材4を記録素子基板3側から見た正面図である。図10は、本実施形態に係る記録ヘッドの正面図である。
図9および10に示されるように、記録ヘッドは記録素子基板3と電気部品5と支持部材4とを備える。支持部材4は凹部10の底部で記録素子基板3を支持するとともに電気部品支持面9で電気部品5を支持している。
電気部品支持面9には溝12が形成されており、溝12と電気部品5とで大気連通路が形成されている。大気連通路の一方の開口、すなわち溝12の端部13aは、凹部10の側面のうちの、封止材6が配される第1の部位に位置している。大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、凹部10の側面のうちの封止材6が配されない第2の部位に位置している。
本実施形態によれば、気体は記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に封止材6によって閉じ込められにくく、気泡16ができにくい。封止材6を塗布する際に記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に気泡16が形成されたとしても、気泡16は膨張しない。その結果、封止材6は飛び散りにくく封止不良が起きにくくなる。言い換えれば、リード端子がより確実に封止される。
また、本実施形態では、凹部10はキャップによって密閉される。その結果、インクが乾燥しにくくなり、インクは吐出口2に固着しにくくなる。また、減圧手段の作動時に記録ヘッドの外部の気体が吸引されなくなり、固着インクをより容易に除去することが可能になる。したがって、記録ヘッドは吐出不能な状態になりにくい。
本実施形態では、複数の吐出口2が移動方向8とは異なる方向に並んでいる。そして、大気連通路の他方の開口、すなわち溝12の端部13bは、複数の吐出口2が並ぶ方向に関して端に位置する吐出口2よりも外側に位置している。したがって、複数の吐出口2を摺擦しつつ溝12の端部13bと接触しない領域内で摺擦部材7を移動させることが可能になる。その結果、記録素子基板3を摺擦することによる摺擦部材7の変形がさらに抑制され、拭き取り不良がさらに抑制される。
図11は、図10に示される記録ヘッドをB−B面で切断したときの断面図である。図11に示されるように、電気部品支持面9に塗布された接着剤19が電気部品支持面9からはみ出し、溝12(図9参照)の一部に流入し、溝12の一部や溝12の端部13b(図9,10参照)が塞がれてしまうことがある。
本実施形態では、図9および10に示されるように、溝12は複数の端部13bを有する。そして、溝12の端部13aは、複数の端部13bに連通している。したがって、溝12の端部13bのうちの1つが接着剤19(図11参照)によって塞がれてしまっても、気体は溝12の端部13bのうちの他の端部を通って排出される。
言い換えれば、気体は大気連通路の一方の開口から大気連通路を通って、塞がれていない他方の開口へ流れ、記録ヘッドの外側へより確実に排出される。したがって、気体は記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に封止材6によって閉じ込められにくく、気泡16ができにくい。その結果、リード端子がより確実に封止される。
また、封止材6を塗布する際に記録素子基板3と凹部10の側面との間の隙間に気泡16が形成されたとしても、気泡16内の気体は大気連通路を通って、塞がれていない他方の開口から排出される。したがって、封止材6として熱硬化性材料を用い封止材6を加熱によって硬化させても、気泡16は急速に膨張しない。その結果、封止材6は飛び散りにくく封止不良が起きにくくなる。
2 吐出口
3 記録素子基板
4 支持部材
6 封止材
9 電気部品支持面
10 凹部
15 リード端子

Claims (9)

  1. 吐出口を有する記録素子基板と、凹部を有し、該凹部の底部で前記記録素子基板を支持する支持部材と、前記記録素子基板と電気的に接続された、前記記録素子基板と前記凹部の側面との間を延びるリード端子と、前記記録素子基板と前記凹部の側面との間に配された、前記リード端子を覆う封止材と、前記支持部材に形成され、前記封止材が配される封止領域に一方の開口を有し前記封止領域とは異なる領域に他方の開口を有する流路と、を備えたインクジェット記録ヘッドであって、前記記録素子基板および前記凹部の開口を少なくとも覆うキャップを備えたインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記他方の開口が、前記支持部材の、前記キャップを用いて覆われる領域内に位置していることを特徴とする、インクジェット記録ヘッド。
  2. 前記リード端子を介して前記記録素子基板と電気的に接続される電気部品をさらに備え、
    前記支持部材が、前記電気部品を支持する電気部品支持面と、前記電気部品支持面に形成された、前記一方の開口から前記他方の開口まで延びる溝と、を含み、
    前記流路が、前記溝と、前記電気部品支持面に支持された前記電気部品と、によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記封止材が、前記記録素子基板と、前記凹部の側面のうちの前記リード端子が位置する第1の部位との間にのみ配されており、
    前記流路の他方の開口が、前記凹部の側面のうちの前記第1の部位とは異なる第2の部位に位置していることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 所定の方向へ移動して前記記録素子基板を摺擦する摺擦部材を備えたインクジェット記録装置に搭載される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、
    前記他方の開口が、前記吐出口から前記所定の方向へ延びるエリアの外側に位置することを特徴とする、インクジェット記録ヘッド。
  5. 複数の前記吐出口が前記所定の方向とは異なる方向に並んでおり
    前記他方の開口が、前記複数の吐出口が並ぶ方向に関して端に位置する前記吐出口よりも外側に位置することを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記流路は複数の他方の開口を有し、前記流路の前記一方の開口が前記複数の他方の開口に連通していることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドと、
    前記記録素子基板および前記凹部の開口を少なくとも覆うキャップと、を備えた、インクジェット記録装置。
  8. 前記キャップに接続され、該キャップで覆われた前記凹部の空間を減圧する減圧手段をさらに備えた、請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 所定の方向へ移動して前記記録素子基板を摺擦する摺擦部材を備えた、請求項7または8に記載のインクジェット記録装置。
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