JP2014209624A - 回路基板と半導体部品との接合部構造 - Google Patents

回路基板と半導体部品との接合部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部の熱伝導性を高め、放熱性を向上させることができる回路基板と半導体部品との接合部構造を提供する。【解決手段】融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、無機フィラー、及びフラックス成分として特定の構造式で示される化合物が含有された熱硬化性樹脂組成物を用いて回路基板3と半導体部品2とを接合する接合部構造は、はんだ粒子が溶融一体化したはんだ部4と、熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなりはんだ部4の周囲を被覆する樹脂硬化部5とで形成されている。樹脂硬化部5には無機フィラーが含有されている。【選択図】図1

Description

本発明は、部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性樹脂バインダーを含有するはんだペーストとして用いられる熱硬化性樹脂組成物を用いた接合部構造に関するものである。
近年、半導体パッケージ等の半導体部品の高密度化・多ピン化に伴い、従来のQFP(Quad Flat Package)のようにリードを用いてはんだ付けにより回路基板に実装する方法に代わって、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のはんだボール(はんだバンプ)を用いて回路基板に実装する方法が急増してきている(例えば、特許文献1参照)。
BGAやCSPは、携帯電話などのモバイル機器に用いられることが多い。そのため、BGAやCSPの実装構造には耐落下衝撃性が求められるが、はんだボールのみでの接合でははんだの脆弱性により耐落下衝撃性が低下する。
そこで、一般的には半導体部品と回路基板とをはんだボールで接合した後、半導体部品と回路基板との隙間に、アンダーフィルと呼ばれる低粘度の液状封止材を毛細管現象を活用した浸透法で入れて、はんだボールで接合した箇所の補強を行っている。このように、半導体部品と回路基板との隙間の空間がアンダーフィルの硬化物で充填されることで、落下による衝撃をアンダーフィルが充填された空間全体に分散させることが可能となる。そのため、はんだボールのみでの接合の場合に比べて、通常、数値的には一桁から二桁まで耐落下衝撃性が向上することが知られている。
しかしながら、パッケージの高密度化と薄型化の進展に伴い、半導体部品と回路基板との隙間はますます薄くなる傾向にある。初期には100μm以上あった隙間は、最近では20μmまで薄くなってきている。そのため、毛細管現象という非力な駆動力でアンダーフィルを充填するのが次第に困難になっているのが現状である。
そこで、本発明者は、特願2009−77666において、はんだ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物を用い、はんだ部とはんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部とで接合部を形成するようにして、上記のような問題を解決した。上述の特願2009−77666では、はんだ部の周囲を樹脂硬化部が被覆して補強しているので耐落下衝撃性には有効である。
特開2004−185884号公報
そして、CSP等の実装において、上述のはんだ粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物を用い、はんだ部とはんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部とで接合部を形成する方法は、はんだボールによる接合の後に別工程としてのアンダーフィルの充填工程を必要とせず、はんだによる接合と、その周囲の樹脂の硬化・接合を同時に行えるので、非常に効率的である。
しかしながら、特願2009−77666では、はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部はフィラー等を含まない樹脂のみの組成であるため、無機フィラーを含むようなアンダーフィルに比べて、熱伝導性が劣る傾向にある。
特にCSP等がCPU用などの発熱を伴うデバイスである場合、放熱は重要な必要特性となる。この課題を克服する方法として、はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部の熱伝導性を向上させることが有効な手段の一つとなり得る。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部の熱伝導性を高め、放熱性を向上させることができる接合部構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る接合部構造は、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、無機フィラー、及びフラックス成分として下記構造式(1)又は(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方が含有された熱硬化性樹脂組成物を用いて回路基板と半導体部品とを接合する接合部構造であって、
前記はんだ粒子が溶融一体化したはんだ部と、
前記熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなり前記はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部と
で形成され、
前記樹脂硬化部には前記無機フィラーが含有されていることを特徴とするものである。
Figure 2014209624
式中、R〜Rは水素、アルキル基又は水酸基を示し、Xは金属が配位可能な孤立電子対又は二重結合性π電子を有する原子団を示し、Yは主鎖骨格を形成する原子又は原子団を示す。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記無機フィラーが、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナのうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記無機フィラーの平均粒子径が0.1〜30μmであることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記はんだ粒子100質量部に対して、前記無機フィラーが5〜30質量部含有されていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記構造式(1)又は(2)中のXが、下記構造式(3)〜(8)で示される原子団のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。
Figure 2014209624
式中、Rは水素、アルキル基又は水酸基を示す。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記構造式(1)又は(2)中のYが、下記構造式(9)〜(12)で示される原子又は原子団のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。
Figure 2014209624
式中、R及びRは水素、アルキル基又は水酸基を示す。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂が用いられていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性樹脂バインダーに対して、前記フラックス成分が1〜50PHR含有されていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性樹脂組成物全量に対して、前記熱硬化性樹脂バインダー及び前記フラックス成分の合計量が3〜50質量%であることが好ましい。
本発明によれば、はんだ粒子が溶融一体化したはんだ部と、はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部とで、半導体部品と回路基板とを接合する接合部を形成することができるものであり、樹脂硬化部によって優れた耐落下衝撃性を得ることができると共に、無機フィラーによって樹脂硬化部の熱伝導性を高め、放熱性を向上させることができるものである。
本発明に係る接合部構造の一例を示す概略断面図である。 放熱性を評価するのに用いた実験装置の概略断面図である。 (a)は実施例1〜10について電力と上昇温度の関係を示すグラフであり、(b)は比較例1〜4について電力と上昇温度の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物1には、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、無機フィラー、及びフラックス成分として上記構造式(1)又は(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方が必須成分として含有されているものである。
フラックス成分である上記構造式(1)及び(2)で示される化合物は、末端にカルボキシル基及び各種の官能基を有しており、室温でのフラックス活性はさほど大きくないが、これらの化合物が100℃以上の温度に加熱されると、下記構造式(16)及び(17)に示すようなキレートを形成してはんだ粒子(M)表面に局在化し、優れた活性力(還元力)が顕在化して、効率よくカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化物の膜(酸化膜)との反応が促進され、はんだ粒子から酸化膜を効果的に除去することができるようになる。
Figure 2014209624
なお、上記構造式(16)及び(17)中、Mははんだ粒子であって、Ag、Bi、Cu、In、Sn等の金属を示し、またR〜Rは省略している。
ここで、上記構造式(1)及び(2)中のXは、金属が配位可能な孤立電子対又は二重結合性π電子を有する原子団を示すが、具体的には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の孤立電子対を持ちキレートの形成が可能な基、カルボニル基、カルボキシル基、チオカルボニル基、イミノ基等の炭素/ヘテロ原子間二重結合性π電子を持つ有機基、フェニル基、ピリジル基、イミダゾイル基等の芳香族基、さらには炭素−炭素二重結合を有するビニル基、共役二重結合を有する有機基などを例示することができる。
特に、上記構造式(1)又は(2)中のXは、上記構造式(3)〜(8)で示される原子団のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。これにより、Xが他の原子団である場合に比べて、効果的にはんだ粒子の酸化膜を除去することができるものである。
また、上記構造式(1)及び(2)中のYは、主鎖骨格を形成する原子又は原子団を示すが、上記構造式(9)〜(12)で示される原子又は原子団のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。これにより、Yが他の原子又は原子団である場合に比べて、はんだ粒子の酸化膜を十分に除去することができるものである。
そして具体的には、上記構造式(1)又は(2)で示される化合物は、レブリン酸、グルタル酸、ジメチルグルタル酸、コハク酸、リンゴ酸、5−ケトヘキサン酸、4−アミノ酪酸、3−フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。これにより、他のフラックス成分に比べて、一層効果的にはんだ粒子の酸化膜を除去することができるものである。
なお、カルボキシル基を両末端に有する化合物としては、一般的には脂肪族骨格を有するアジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、コルク酸等が挙げられる。しかし、これらは金属表面の酸化膜に対する十分な還元作用を期待することができず、その還元力は、上記構造式(1)及び(2)で示される化合物に比べて、十分に満足できるレベルではない。これは、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、コルク酸等の分子量が大きいことによって、上記構造式(16)及び(17)に示すようなキレートを形成する能力に劣っているためである、と推察される。
また、上記構造式(1)又は(2)で示される化合物は、下記構造式(13)で示される化合物(ジグリコール酸)、下記構造式(14)で示される化合物(チオジグリコール酸)、下記構造式(15)で示される化合物(ジチオジグリコール酸)のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。
Figure 2014209624
上記構造式(13)〜(15)で示されるように、主骨格に酸素原子又は1個若しくは2個の硫黄原子が結合した構造の化合物は、脂肪族骨格の化合物と比べて、優れた還元力を発揮することができる。その理由は、主骨格の酸素原子及び硫黄原子が電子供与性の原子であるため、金属との配位結合性が高くなり、その結果、脂肪族骨格の化合物と比べて優れた還元力を発揮することができるからである、と推察される。よって、上記構造式(1)又は(2)で示される化合物が、上記構造式(13)〜(15)で示される化合物のうちの少なくとも1種類以上であることによって、他のフラックス成分に比べて、優れた還元力を発揮することができ、一層効果的にはんだ粒子の酸化膜を除去することができるものである。
なお、本発明においては、上記構造式(1)又は(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方を用いているが、これ以外に一般に用いられている他のフラックス成分を併用しても差し支えない。
そして、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物1には無機フィラーが含有されている。熱硬化性樹脂組成物1を半導体部品2の端子2aと回路基板3の電極3aとの間でリフロー等により加熱すると、はんだ粒子の溶融一体化により、半導体部品2と回路基板3とを電気的に接続するはんだ部4を形成することができる。これと同時にはんだ部4の周囲に樹脂硬化部5を形成することができるが、この樹脂硬化部5には無機フィラーが含有されて熱伝導性が高まっているので、半導体部品2から発生した熱をはんだ部4を経て樹脂硬化部5により効率よく放熱させることができるものである。しかも樹脂硬化部5は、熱伝導性を有するのみならず、半導体部品2及び回路基板3と強固に接着されているので、優れた耐落下衝撃性をも有しているものである。
また、無機フィラーは、窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)のうちの少なくとも1種類以上であることが好ましい。窒化ケイ素及び窒化アルミニウムは、セラミックスの一つであり、共に高い熱伝導率を有している。すなわち、窒化ケイ素の熱伝導率は23W/mKであり、窒化アルミニウムの熱伝導率は200W/mKである。また、アルミナも比較的高い熱伝導率を有しており、具体的には20W/mKである。これらの無機フィラーは、高温でも安定で、絶縁性であり、優れた熱伝導性を有すると共に機械的強度も強い。従って、このような無機フィラーを熱硬化性樹脂組成物1に配合することで、これらの無機フィラーの優れた特徴を熱硬化性樹脂組成物1ひいては硬化物である樹脂硬化部5に付与することが可能となる。
また、はんだ部4の周囲を被覆する樹脂硬化部5に無機フィラーを分散させて高熱伝導性を付与するためには、小さな無機フィラーの粒子を熱硬化性樹脂組成物1に均一に分散させることが必要となる。そのためには、無機フィラーの平均粒子径が0.1〜30μmであることが好ましく、さらなる充填性の向上と熱伝導性確保のためには1〜10μmであることがより好ましい。無機フィラーの平均粒子径が0.1μmより小さいと、熱硬化性樹脂組成物1の粘度やチクソ性が高くなり過ぎるおそれがある。逆に、無機フィラーの平均粒子径が30μmより大きいと、大きい粒子に起因してつぶつぶが残り、ファインなエリアへの印刷が不良となったり、はんだ粒子の溶融・凝集を阻害したりするおそれがある。なお、無機フィラーの平均粒子径は、例えばレーザー回折・散乱法によって測定することができる。
また、熱伝導性を十分に確保するためには、はんだ粒子100重量部に対して、無機フィラーは5〜30質量部含有されていることが好ましい。無機フィラーの含有量が5質量部より少ないと、熱伝導性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、無機フィラーの含有量が30質量部より多いと、熱硬化性樹脂組成物1の粘度が高くなり過ぎたり、リフロー等の加熱時においてはんだ粒子の凝集・溶融一体化を阻害するおそれがある。
またはんだ粒子は、融点が240℃以下のものであればよい。はんだ粒子の融点の下限は特に限定されないが、80℃以上であることが好ましい。このような条件を満たす限り、はんだ粒子の組成は特に限定されないが、例えば、SnをベースとするBi、Zn、In等の金属との合金を挙げることができる。具体的には、Sn42Bi58(融点139℃)やSn96.5Ag3.0Cu0.5(融点218℃)を例示することができる。
また、はんだ粒子の含有量は、熱硬化性樹脂組成物1全量に対して、50〜97質量%であることが好ましい。はんだ粒子の含有量が50質量%未満であると、はんだ粒子が溶融一体化して形成された接合部分(はんだ部4)が小さくなりすぎ、導通性が悪くなるおそれがある。逆に、はんだ粒子の含有量が97質量%を超えると、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するおそれがある。
また、熱硬化性樹脂バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル樹脂等の適宜の熱硬化性樹脂を用いることができる。このうち、特に熱硬化性樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂は比較的低温で硬化すると共に接着性が高いため、従来のはんだリフロー処理の温度(240℃程度)より低い温度でも十分な硬化性を発揮して部品実装を可能とすると共に、十分な補強効果を発揮することができるものである。
また、熱硬化性樹脂バインダーとして液状等のエポキシ樹脂を用いる場合には、必要に応じて熱硬化性樹脂組成物1中に硬化剤や硬化促進剤を含有させる。
硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等を用いることができる。硬化剤の含有量は適宜に設定することができるが、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の化学量論上の当量比が0.8〜1.2の範囲となるように硬化剤を含有させるのが好ましい。また、硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機リン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂バインダーに対して、フラックス成分は1〜50PHR含有されているのが好ましい。これにより、フラックス成分の作用を十分に発揮させることができると共に、熱硬化性樹脂組成物1の硬化後における補強性を高く得ることができるものである。しかし、フラックス成分の含有量が1PHR未満であると、濃度が薄すぎてフラックス成分として十分な作用を発揮させることができない場合があり、そのためはんだ粒子の溶融一体化が阻害され、接続抵抗が高くなってしまうおそれがある。逆に、フラックス成分の含有量が50PHRを超えると、熱硬化性樹脂組成物1の硬化後においてタック性が残ったり、補強性を十分に高く得ることができなくなったりするおそれがある。なお、フラックス成分(PHR)は、{(フラックス成分の質量/熱硬化性樹脂バインダーの質量)×100}によって算出することができる。この場合、熱硬化性樹脂バインダーには、硬化剤や硬化促進剤も含まれる。
また、熱硬化性樹脂組成物1全量に対して、熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が3〜50質量%であることが好ましい。この場合、熱硬化性樹脂バインダーには、硬化剤や硬化促進剤も含まれる。これにより、流動可能な熱硬化性樹脂組成物1を得ることができるものである。また、はんだ粒子が溶融一体化して形成されたはんだ部4の周囲に、ボイドが存在しない熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる樹脂硬化部5が形成され、この樹脂硬化部5によって十分な補強性を得ることができるものである。さらに、はんだ粒子の溶融一体化が阻害されるのを防止することができ、十分に低い接続抵抗を得ることができるものである。しかし、熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が3質量%未満であると、パテ状又は粉状となって、流動可能な熱硬化性樹脂組成物1を得ることができないおそれがある。また、はんだ粒子が溶融一体化した後、このはんだ部4の周囲には熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなる樹脂硬化部5が形成されるが、この樹脂硬化部5にボイドが多く含まれることとなり、このような樹脂硬化部5によっては十分な補強性を得ることができなくなるおそれがある。逆に、熱硬化性樹脂バインダー及びフラックス成分の合計量が50質量%を超えると、はんだ粒子の割合が少なすぎてこれらの溶融一体化が阻害されたり、十分に低い接続抵抗を得ることができなくなったりするおそれがある。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物1には、上記必須成分のほか、通常用いられる改質剤、添加剤等が含有されていてもよい。また、熱硬化性樹脂組成物1の粘度を低減し、流動性を付与する目的で、低沸点の溶剤や可塑剤を加えることもできる。さらに、印刷形状を保持するためのチクソ性付与剤として、硬化ヒマシ油やステアリン酸アミド等を添加することも有効である。
そして、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物1は、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、無機フィラー、フラックス成分、必要に応じてその他の成分をディスパー等を用いて均一に混合・混練することによって製造することができる。
次に本実施形態の半導体部品実装基板について説明する。半導体部品実装基板は、図1に示すように、熱硬化性樹脂組成物1を用いて半導体部品2を回路基板3に実装して形成されたものである。なお、半導体部品2としては、BGAやCSP等のみならず、QFP等も用いることができる。
図1に示す半導体部品実装基板は、BGAやCSP等の半導体部品2を熱硬化性樹脂組成物1を用いてFR−4等の回路基板3に実装して形成されたものであり、次のようにして製造することができる。まず回路基板3に設けられた電極3aに熱硬化性樹脂組成物1を塗布し、さらにこの上に半導体部品2を載せた後、リフロー炉による加熱により、回路基板3に半導体部品2を実装する。このとき熱硬化性樹脂組成物1が硬化し、半導体部品2の端子2aと回路基板3の電極3aとを接合する接合部6が形成される。この接合部6は、はんだ粒子が溶融一体化したはんだ部4と、このはんだ部4の周囲を被覆する樹脂硬化部5とで形成されている。
そして、上記のようにして得られた半導体部品実装基板にあっては、はんだ部4を補強する樹脂硬化部5によって優れた耐落下衝撃性を得ることができるものである。さらに、上記半導体部品実装基板にあっては、放熱性も向上している。すなわち、樹脂硬化部5には無機フィラーが含有されて熱伝導性が高まっているので、通電により半導体部品2から熱が発生しても、この熱ははんだ部4を経て樹脂硬化部5により効率よく放熱させることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
はんだ粒子として、Sn42Bi58(Sn42質量%、Bi58質量%)を用いた。このはんだ粒子の平均粒径は20μmであり、融点は139℃であった。そして、はんだ粒子を80質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を11質量部、無機フィラーとしてアルミナ(昭和電工株式会社製、品番「AS−50」、平均粒子径10μm、球状)を10質量部、硬化促進剤(味の素ファインテクノ株式会社製、品番「アミキュアPN23」)を2質量部、フラックス成分としてレブリン酸を2質量部混合し、ディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
フラックス成分としてグルタル酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
フラックス成分として2,2−ジメチルグルタル酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
フラックス成分としてコハク酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例5)
フラックス成分としてリンゴ酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例6)
フラックス成分として4−フェニル酪酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例7)
フラックス成分としてジグリコール酸を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例8)
無機フィラーとして窒化アルミニウム(東洋アルミニウム株式会社製、品番「Fシリーズ」、平均粒子径2μm)を30質量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例9)
無機フィラーとして窒化ケイ素(徳山曹達株式会社製、品番「Hグレード」、平均粒子径1.5μm)を20質量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例10)
はんだ粒子として、Sn42Bi58(Sn42質量%、Bi58質量%)を用いた。このはんだ粒子の平均粒径は20μmであり、融点は139℃であった。そして、はんだ粒子を80質量部、熱硬化性樹脂バインダーとしてシアン酸エステル樹脂(Lonza社製、品番「L−10」)を13質量部、無機フィラーとしてアルミナ(昭和電工株式会社製、品番「AS−50」、平均粒子径10μm、球状)を10質量部、硬化促進剤としてFeアセチルアセトナートを0.1質量部、フラックス成分としてレブリン酸を2質量部混合し、ディスパーを用いて均一に混合・混練することによって、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
フラックス成分を用いないようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
無機フィラーを用いないようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
熱硬化性樹脂バインダーを用いないようにした以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。
(比較例4)
はんだ粒子の代わりに融点950℃の銀粉末を80質量部用いるようにした以外は、実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を得た。
(放熱性評価)
各実施例及び比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物を用い、図2に示すようにして放熱性を評価した。なお、比較例3の組成物は熱硬化性樹脂組成物の代わりに用いた。
まず、クリームはんだ7(融点220℃、SAC305はんだ)を用いて、厚さ1mmの銅板8上に半導体部品2としてチップ抵抗(200Ω)を240℃のリフローにより実装した。さらにこの銅板8上には熱電対9を接続した。次に、別の厚さ2mmの銅板10上に、通常の方法に従い、熱硬化性樹脂組成物1をスクリーン印刷法で塗布した。塗布後の熱硬化性樹脂組成物1の厚みは、約70μmであった。そして、この熱硬化性樹脂組成物1を塗布した銅板10上に、先のチップ抵抗を実装した銅板8を載せて、乾燥機にて160℃、10分の条件で加熱を行い、はんだ部4と、このはんだ部4の周囲を被覆する樹脂硬化部5とからなる接合部6を銅板8,10間に形成した。最後に下部の2mmの銅板10をヒートシンク11の上に取り付けた。なお、比較例3については銅板8,10間にはんだ部4のみが形成された。
そして、放熱性の評価は、チップ抵抗に通電して電力を供給し、そのときの上昇温度(温度差)を熱電対9により測定した後、この測定値をグラフにプロットすることによって行った。その結果を図3に示す。
図3(a)(b)から明らかなように、実施例1〜10のものは、比較例1〜4のものに比べて、チップ抵抗に供給される電力が増加しても上昇温度が低いことから、放熱性に優れていることが確認された。
1 熱硬化性樹脂組成物
2 半導体部品
3 回路基板
4 はんだ部
5 樹脂硬化部
6 接合部

Claims (9)

  1. 融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、無機フィラー、及びフラックス成分として下記構造式(1)又は(2)で示される化合物のうちの少なくとも一方が含有された熱硬化性樹脂組成物を用いて回路基板と半導体部品とを接合する接合部構造であって、
    前記はんだ粒子が溶融一体化したはんだ部と、
    前記熱硬化性樹脂バインダーの硬化物からなり前記はんだ部の周囲を被覆する樹脂硬化部と
    で形成され、
    前記樹脂硬化部には前記無機フィラーが含有されていることを特徴とする
    接合部構造。
    Figure 2014209624
    式中、R〜Rは水素、アルキル基又は水酸基を示し、Xは金属が配位可能な孤立電子対又は二重結合性π電子を有する原子団を示し、Yは主鎖骨格を形成する原子又は原子団を示す。
  2. 前記無機フィラーが、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナのうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の接合部構造。
  3. 前記無機フィラーの平均粒子径が0.1〜30μmであることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の接合部構造。
  4. 前記はんだ粒子100質量部に対して、前記無機フィラーが5〜30質量部含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接合部構造。
  5. 前記構造式(1)又は(2)中のXが、下記構造式(3)〜(8)で示される原子団のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接合部構造。
    Figure 2014209624
    式中、Rは水素、アルキル基又は水酸基を示す。
  6. 前記構造式(1)又は(2)中のYが、下記構造式(9)〜(12)で示される原子又は原子団のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の接合部構造。
    Figure 2014209624
    式中、R及びRは水素、アルキル基又は水酸基を示す。
  7. 前記熱硬化性樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂が用いられていることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の接合部構造。
  8. 前記熱硬化性樹脂バインダーに対して、前記フラックス成分が1〜50PHR含有されていることを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の接合部構造。
  9. 前記熱硬化性樹脂組成物全量に対して、前記熱硬化性樹脂バインダー及び前記フラックス成分の合計量が3〜50質量%であることを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載の接合部構造。
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