JP2014227390A - メントール誘導体、並びにこれを用いた冷感剤、trpm8活性化剤、冷感付与方法及びtrpm8活性化方法 - Google Patents
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Abstract
Description
メントールによる冷感付与は、皮膚や粘膜組織中に存在する知覚神経終末にメントールが直接作用することにより生じると考えられており、この冷感付与に関するメカニズムの検討が進められてきた。
また、メントールの他に、リナロール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール等もTRPM8を活性化することが知られているが(非特許文献4)、近年では強い清涼感やその持続性が要求される傾向があり、これらによるTRPM8活性化作用では斯かる要求を充分には満足できない。
で表される化合物(以下、化合物(1)とも称する)を提供するものである。
更に、本発明は、化合物(1)を有効成分とするTRPM8活性化剤を提供するものである。
更に、本発明は、化合物(1)を用いる非治療的な冷感付与方法を提供するものである。
更に、本発明は、化合物(1)を用いる非治療的なTRPM8活性化方法を提供するものである。
で表されるものである。斯かる化合物は新規化合物である。
式(1)中、R1は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示すが、水素原子、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは水素原子である。上記アルコキシ基は直鎖状でも分枝状でもよく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
R2は、水素原子又はヒドロキシ基を示すが、水素原子が好ましい。
また、上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3である。一方、アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜4であり、より好ましくは2又は3であり、更に好ましくは3である。
また、上記アルケニル基としては例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられる。斯様なアルケニル基の中でも、TRPM8活性化作用の観点から、末端二重結合を有するアルケニル基が好ましい。
また、上記アルコキシ基としては例えば、R1で示されるアルコキシ基として例示したものが挙げられる。
化合物(1)は、K.Konya,Zs.Valga&S.Antus,Phytomedicine,2001,8(6),454−459に記載の方法等の常法を適宜組み合わせれば合成できる。また、A.Isogai,S.Murakoshi,A.Suzuki&S.Tamura,Agr.Biol.Chem.,1973,37(4),889−895などに記載の方法に準じ、天然物から単離、或いは単離したネオリグナン類の7位炭素に結合している基−OHに、メントールを常法に従って付加することによっても調製できる。
斯様な方法として、例えば、以下の合成方法が挙げられる。なお、斯かる方法においては、後述する工程(i)〜(vi)に、保護反応や脱保護反応、光学分割を必要に応じて適宜組み合わせて行ってもよい。
原料化合物(a)としては、バニリン、5−ヒドロキシバニリン、シリンガアルデヒド等が挙げられる。
また、グリニャール試薬(b)としては、エチルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。
工程(iii)は、中間体(d)をα臭素化し、中間体(e)を得る工程である。
化合物(f)としては、例えば、6−メトキシオイゲノール、4−(1−プロペニル)シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール等が挙げられる。
また、塩基としては、炭酸カリウム等が挙げられる。
なお、本反応を水素化アルミニウムリチウム等の強い還元剤存在下で行えば、中間体(h)のエリトロ体が得られ、一方、水素化ホウ素ナトリウム等の弱い還元剤とクラウンエーテルの存在下で行えば、中間体(h)のトレオ体が得られる。
したがって、化合物(1)は、冷感剤及びTRPM8活性化剤(以下、冷感剤等とも称する)としてそのまま用いることができ、また、冷感剤等を製造するための素材として使用することができる。なお、上記冷感剤等は仮にメントールを含んでいなくても上記効果を得ることが可能である。
本発明の冷感剤等は、前記化合物(1)を有効成分とするものである。
また、前記医薬品の剤型は特に限定されない。非経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、液剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、パップ剤、エアゾール剤、ローション剤、ファンデーション等の皮膚外用剤の他、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
一方、経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、丸剤、糖衣錠、内服液、懸濁液、シロップ剤等が挙げられる。
また、前記医薬品は、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、抗生物質等の他の薬効成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
また、前記化粧料は、化合物(1)の他に、油剤、セラミド類、擬似セラミド類、ステロール類、保湿剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、美白剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤等を1種又は2種以上含んでいてもよい。
一方、非経口投与のための医薬品、化粧料又は他の嗜好品である場合は、TRPM8活性化作用の観点から、下限として、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。一方、その上限としては、下限と同様の観点から、10質量%以下が好ましい。具体的には、TRPM8活性化作用の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
なお、前記冷感剤等の投与又は摂取対象者としては、それを必要としている者であれば特に限定されない。
本発明の冷感付与方法、TRPM8活性化方法は、前記化合物(1)を用いるものである。
また、斯かる冷感付与、TRPM8活性化方法の態様としては、化合物(1)の塗布・服用等が挙げられる。また、前記化合物(1)を用いるに際し、該化合物(1)として前記冷感剤等を用いてもよい。
<3>上記式(1)で表される化合物を有効成分とするTRPM8活性化剤。
<4>上記式(1)で表される化合物を用いる冷感付与方法。
<5>上記式(1)で表される化合物を投与又は摂取する冷感付与方法。
<6>上記式(1)で表される化合物を用いるTRPM8活性化方法。
<7>上記式(1)で表される化合物を投与又は摂取するTRPM8活性化方法。
<8>非治療的な方法である<4>〜<7>のいずれか1に記載の方法。
<9>冷感剤を製造するための、上記式(1)で表される化合物の使用。
<10>TRPM8活性化剤を製造するための、上記式(1)で表される化合物の使用。
<11>冷感付与に使用するための、上記式(1)で表される化合物。
<12>TRPM8活性化に使用するための、上記式(1)で表される化合物。
<13>前記<1>〜<12>において、R1は、好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子である。
<14>前記<1>〜<12>において、R2は、好ましくは水素原子である。
<15>前記<1>〜<12>において、R3は、好ましくは水素原子、炭素数2〜6のアルケニル基、より好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、更に好ましくは末端二重結合を有する炭素数2〜6のアルケニル基である。
<16>前記<1>〜<12>において、R4は、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基である。
1H−NMRスペクトルは、CHCl3(7.24)を内部標準物質として用いて、Bruker社製Avance−600により測定した。
13C−NMRスペクトルは、CHCl3(77.0)を内部標準物質として用いて、Bruker社製Avance−600により測定した。
下記の単離スキームに従い、下記式で表されるエリトロ−Δ8'−4,7−ジヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(1)とも称する)をニクズクより単離した。
単離例1で得られたエリトロ体(1)(11.0mg)を60℃で融解したl−メントール(190mg)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で3時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、Δ8'−7−(l−メントキシ)−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(2)とも称する)(8.9mg)を、ジアステレオマー比36:26:26:12で得た。
実施例1と同様にして、エリトロ体(1)(13.5mg)を60℃で融解したd−メントール(134mg)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で3時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、Δ8'−7−(d−メントキシ)−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(3)とも称する)(9.5mg)を、ジアステレオマー比36:26:26:12で得た。
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.5, 153.4, 153.2, 153.1, 146.1, 145.9, 145.8, 145.6, 144.8, 144.7, 144.3 (2C), 137.5, 137.4 (2C), 137.3, 135.7, 135.2, 134.9 (2C), 134.8, 134.7 (2C), 134.6 (2C), 132.8, 132.7, 131.6, 121.9, 121.5, 120.6, 120.3, 115.9, 115.8 (2C), 115.7, 113.4, 113.2, 113.1 (2C), 110.7, 110.5, 110.4, 110.0, 105.8, 105.6, 105.5 (2C), 83.2, 82.9, 81.4(2C), 80.9, 80.8, 80.3, 80.0, 79.8, 79.6, 74.6 (2C), 56.1, 55.9 (2C), 55.8 (4C), 55.7, 49.3, 48.8, 48.4, 42.2, 41.9, 40.5 (3C), 40.4, 39.9, 39.5, 34.6 (3C), 34.5, 31.6 (2C), 31.4, 31.2, 25.2, 25.1, 24.9, 24.8, 22.9 (2C), 22.8, 22.7, 22.5 (2C), 22.4, 22.3, 21.5, 21.4, 21.3 (2C), 16.5, 16.4, 15.9 (2C), 14.9, 14.8.
以下の手順に従い、試験サンプルのTRPM8活性化作用におけるEC50値を測定した。
(1)ヒトTRPM8安定発現株の作製
ヒトTRPM8安定発現HEK293細胞株を作製するため、ヒトTRPM8遺伝子のクローニングを行った。全長ヒトTRPM8遺伝子は、ヒト前立腺組織全RNA(COSMOBIO社製)より、RT−PCR法を用いて増幅した。
得られたPCR産物をエントリーベクターpENTR−D/TOPO(インビトロジェン社製)へクローニングした後、pCDNA3.2−V5/DEST(インビトロジェン社製)へサブクローニングし、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社製)によりHEK293細胞へ形質導入した。形質導入された細胞を、450μg/mLのG−418(プロメガ社)を含有するDMEM培地中で増殖させて選抜した。HEK293細胞は内在性のTRPM8を発現しないため、TRPM8形質導入株に対するコントロールとして使用できる。
HEK293細胞へ形質導入したTRPM8活性の測定は、蛍光カルシウムイメージング法により行った。
まず、培養したTRPM8発現細胞をポリ−D−リジンコートされた96ウェルプレート(BDファルコン社製)へ播種(30,000細胞/ウェル)し、37℃で一晩インキュベートした後、培養液を除去し、Fluo4−AM液(同仁化学社製;カルシウムキットII)を添加し、37℃で30〜60分間インキュベートした。その後、96ウェル穴プレートを蛍光プレートリーダー(FDSS3000;浜松ホトニクス社製)にセットし、装置庫内温度を32℃とした状態で、励起波長480nmで励起したときのFluo4による蛍光イメージを、CCDカメラを用いて検出波長520nmにより捕捉した。
測定は1秒毎に計4分間行い、測定開始15秒後に、FDSS3000内蔵の分注器から試験サンプル(下記表1に示す各化合物を10mM濃度でそれぞれエタノールに溶解したストック液を作成し、さらにハンクスリンガー液に終濃度の3倍の濃度で溶解させたもの)を添加し、蛍光強度の変化によりTRPM8の活性を評価した。
TRPM8活性は、試験サンプル添加後の蛍光強度比の最大値を用いて評価した。下記の式を用いて蛍光強度比を算出した。
蛍光強度比=各時点の蛍光強度/測定開始時蛍光強度
各処理群あたり2ウェルで評価を行い、その平均値を用いた。
以下の表1に示す各試験サンプルのTRPM8活性化作用を、終濃度1nMから1μMの範囲で上記方法により測定した。測定結果より、最小二乗法を用いてヒルの式に近似した容量依存曲線を求め、これよりEC50値を算出した。各試験サンプルのTRPM8活性化作用におけるEC50値は以下の表1に示すとおりであった。
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