本発明の一実施形態について図1〜図10(c)に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明すること以外の構成は、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明する構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
なお、以下で説明する発光装置(照明装置,車両用前照灯)110、発光装置(照明装置,車両用前照灯)120、発光装置(照明装置,車両用前照灯)140及びロービーム用照明装置(発光装置,照明装置,車両用前照灯)150などの各形態は、いずれも、主として照明装置又は車両用前照灯の発光装置部に関して説明するが、本発明を具現化した形態はこれらの形態に限られず、照明装置又は車両用前照灯以外の灯具及び照明器具などの発光装置部としても適用することができる。
〔1.発光装置の概要構成について〕
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態である発光装置110の概要構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光装置110の概要構成を示す模式図である。
図1に示すように、発光装置110は、インコヒーレント光(光)L1を発生するものであり、レーザダイオード群(励起光源)10、導光部(導光部材)20、及び3つの円筒状発光体(発光部)40を備える。
また、レーザダイオード群10は、3個のLDチップ(励起光源)101を含んでおり、LDチップ101は、3個の発光点(励起光源)102を有する1チップ3ストライプの半導体レーザ素子であり、光出力3.0W、動作電圧5V、電流1.7Aで、径5.6mmのステムに実装されている。
また、発光点102から発生するレーザ光(励起光)L0の発振波長は、405nmである。
なお、発光点102から発生するレーザ光L0の発振波長は、405nmに限られず、青紫色領域又は青色領域(380nm以上490nm以下)の発振波長を有するものであれば良い。
また、現在の技術では波長380nm以下の良質な短波長レーザを作るのは困難であるが、将来的には380nm以下で発振するように設計されたLDチップ101も光源として採用しても良い。
このLDチップ101を3個用いて9Wで出力させたときの消費電力は計25.5Wである。
これにより、単純計算で合計3つのLDチップ101の合計の光束が、光源全体の光束となるので、単一のLDチップ101のみを用いる場合と比較して光源全体の光束を約3倍程度大きくすることができる。但し、LDチップ101の性能は均等であるものとする。
なお、本実施形態では、レーザダイオード群10を構成するLDチップ101の数は3つとしているが、LDチップ101の数はこれに限られず、1〜2つ又は4つ以上のいずれであっても良い。
また、励起光源は、本実施形態のLDチップ101のように複数の励起光源(発光点102)を一体化した1チップ複数ストライプの固体素子光源であっても良いし、以下説明するLDチップ11のように1チップ1ストライプの固体素子光源であっても良い。
さらに、励起光源は、光の利用効率の低下を抑える観点からは、本実施形態のLDチップ101のようにコヒーレントなレーザ光L0を発生するものが好ましいが、後述するLEDランプ(励起光源)13のようにインコヒーレントな励起光を発生するものであっても良い。
また、複数の励起光源は、LD又はLEDのみで構成しても良いし、LD及びLEDを混在させたものであっても良い。
次に、導光部20は、レーザダイオード群10から発生した各レーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光するようになっている。
なお、「複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光する」するとは、レーザダイオード群10から発生した各レーザ光L0が導光されない円筒状発光体40が生じないように、レーザ光L0を複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光することを意味する。
よって、光の利用効率の低下を防止しつつ、レーザダイオード群10から発生した各レーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光させることが可能となる。
また、円筒状発光体40から発生するインコヒーレント光L1を適宜変換するための導光部20以外の光学系(例えば、以下で説明する反射鏡90又は投影レンズ100等)を、レーザダイオード群10と複数の円筒状発光体40との光学的な結合と無関係な要素とすることができる。
よって、導光部20以外の光学系が、レーザダイオード群10と複数の円筒状発光体40との光学的結合に影響しないので、その分だけレーザ光L0の利用効率の低下を防止することができる。
ところで、上述したように、従来のハロゲンランプ・HIDランプなどのランプ光源を用いた車両用前照灯では、レンズと反射鏡からなる一光学系内の所望の位置に、複数のランプ光源を設置することが困難であった。
本実施形態の発光装置110では、上述したように、レーザダイオード群10と複数の円筒状発光体40とを別々の構成要素とし、これらを導光部20を介して光学的に結合しているので、レーザダイオード群10(LDチップ101)のサイズと、複数の円筒状発光体40のサイズとは無関係となる。よって、3つの円筒状発光体40のそれぞれのサイズを小さくすることが可能である。
また、このように円筒状発光体40のサイズを小さくすることが可能なため、発光装置110自体の小型化が可能となると共に、小型化した発光装置110内に複数の円筒状発光体40を備えることが可能となる。よって、複数の円筒状発光体40のそれぞれの配光特性を適宜組合せることにより、所望の配光特性を実現することが可能となる。
以上より、レーザ光L0の利用効率の低下を抑制しつつ所望の配光特性を実現し、かつ小型化が可能な発光装置110を提供することができる。
また、導光部20を介して、レーザダイオード群10と、円筒状発光体40とを任意の間隔で空間的に分離することができるので、レーザダイオード群10で発生する熱の影響により、円筒状発光体40が劣化してしまうことを防止することができる。
次に、LDチップ101の各発光点102から発振されるレーザ光L0は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、発光装置110は、導光部20により、レーザ光L0を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。
そのため、非常に小さな円筒状発光体40を形成することができ、その結果、小型の発光装置110を実現できる。
よって、例えば、このようなLDチップ101を励起光源として用いた発光装置110を各種照明器具などに適用することにより、各種照明器具などを小型化できるなど、種々のメリットが生まれる。
なお、図1に示す導光部20は、レーザ光L0を複数の円筒状発光体40のそれぞれにどの様に導光するかについては、具体的に記載していない。
しかしながら、導光部20の具体例としては、大きく分けて、4つの形態が例示できる。
第1の形態は、導光部20を一端から他端までの断面積がほぼ一定で分岐の存在しない複数の導光部材で構成する場合である。
例えば、導光部20として、以下で説明する複数の光ファイバー(導光部,導光部材)21や複数の円筒状導光部材(導光部,導光部材)23などを用いる場合である。
第2の形態は、導光部20を他端の断面積が一端の断面積よりも小さい、分岐の存在しない複数の導光部材で構成する場合である。
例えば、導光部20として、以下で説明する円錐台状集光部材(導光部,導光部材)24などを用いる場合である。
第3の形態は、導光部20を一端から他端までの断面積がほぼ一定で分岐が存在する少なくとも1つの導光部材で構成する場合である。
例えば、導光部20として、以下で説明する少なくとも1つの分岐型光ファイバー(導光部,導光部材)22などを用いる場合である。
第4の形態は、導光部20を他端の断面積が一端の断面積よりも小さい、分岐が存在する少なくとも1つの導光部材で構成する場合である。
例えば、導光部20として、分岐が存在する、少なくとも1つの他端の断面積が一端の断面積よりも小さい導光管(導光部,導光部材)などを用いる場合である。
なお、導光部20のより具体的な形態については後ほど説明する。
次に、円筒状発光体40は、レーザ光L0が照射されると、インコヒーレント光L1を発生する。すなわち、円筒状発光体40は、少なくともレーザ光L0が照射されることによりインコヒーレント光L1を発生する蛍光体を含んでいる。
また、本実施形態の発光装置110は、複数の円筒状発光体40のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する反射鏡(不図示)を備えており、複数の円筒状発光体40が、上述した光反射凹面の内部に配置されている。
さらに、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、光反射凹面の内部に複数の発光部を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
円筒状発光体40の大きさ及び形状は、本実施形態では、直径1.95mm、厚み1mmであり、円盤状(円筒状)の形態をしている。
なお、本実施形態の円筒状発光体40のように、3つの発光部の形状やサイズを、それぞれ同一としても良いし、異ならせても良い。また、3つの発光部のうち、1つの発光部の形状やサイズだけ異ならせても良い。
また、発光部の形状としては、この他、例えば、後述する直方体状発光体(発光部)42、楕円筒状発光体(発光部)43及び三角柱状発光体(発光部)44のように、直方体状、楕円筒状、三角柱状など様々な形状を採用することができる。
ここで、円筒状発光体40は、上述したように、少なくとも蛍光体を含んでいるが、単一種の蛍光体のみで構成されていても良いし、複数種の蛍光体で構成されていても良い。
また、円筒状発光体40は、単一種又は複数種の蛍光体を適当な分散媒に分散させて構成しても良い。分散媒は固体が好ましいが、光透過性のある円筒状の容器に蛍光体を封じ込めるような場合には、分散媒を液体としても良い。
分散媒としては、透光性の樹脂材料が好ましく、シリコーン樹脂が例示できる。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、重量比で10:1程度とする。なお、分散媒は、シリコーン樹脂に限定されず、無機ガラス材料をはじめとするガラス材料であってもよいし、有機・無機ハイブリッド材料であっても良い。
また、蛍光体としては、サイアロン蛍光体(酸窒化物系蛍光体)若しくはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体が好ましいが、セリウム(Ce)で賦活したイットリウム(Y)−アルミニウム(Al)−ガーネット(YAG:Ce)蛍光体などを用いても良い。
ここで、サイアロンは、窒化ケイ素と同様に、結晶構造によりα型とβ型とがある。特に、α−サイアロンは、一般式Si12−(m+n)Al(m+n)OnN16−n(m+n<12,0<m ,n<11;m ,nは整数)であらわされる28原子からなる単位構造の中に2箇所の空隙があり、ここに各種金属を侵入固溶させることが可能である。希土類元素を固溶させることで、蛍光体になる。カルシウム(Ca)とユーロピウム(Eu)とを固溶させると、YAG:Ceよりも長波長の黄色から橙色の範囲で発光する特性の良い蛍光体が得られる。
また、サイアロン蛍光体は、青紫領域若しくは青色領域(380nm以上490nm以下)の光で励起可能であり,白色LED用の蛍光体などに適している。
次に、サイアロン蛍光体の合成手順を示す。組成は、一般式CapSi12−(m+n)Al(m+n)OnN16−n:Euq(p ,qは、それぞれCa,Euの固溶量、m+n<12,0<m ,n<11;m,nは整数)で表される。あらかじめ実験によりCaの固溶量pとEuの固溶量qの最適値を求め,mおよびnは電荷の中性を保つ条件などから決定する。
また、出発原料として窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)の各粉末を用い、秤量・混合した後に焼結温度1700℃で窒素ガス加圧焼結を行う。その後、これを粉末に崩せば、サイアロン蛍光体を得ることができる。
サイアロン蛍光体は、レーザ光L0に対する劣化耐性が強い蛍光体である。よって、理論的には、円筒状発光体40をサイアロン蛍光体のみで構成すれば、劣化をより効果的に防止することができる。
また、蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を例示することができる。
半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径をナノメータサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する(ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した)。
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光を素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
よって、円筒状発光体40が熱により劣化(変色や変形)するのをより抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を励起光源として用いる場合に、本実施形態の発光装置110、後述する発光装置120、発光装置140及びロービーム用照明装置150などの寿命が短くなるのをより抑制することができる。
なお、円筒状発光体40の劣化は、円筒状発光体40に含まれる蛍光体の分散媒(例えば、シリコーン樹脂)の劣化が原因であると考えられる。すなわち、上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光L0が照射されると60〜80%の効率で光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって分散媒が劣化すると考えられる。
よって、円筒状発光体40の温度は、円筒状発光体40の劣化の防止の観点からは、100度(セルシウス温度)以下に抑えることが好ましい。
また、分散媒としては、熱耐性の高い分散媒が好ましい。熱耐性の高い分散媒としては、例えば、ガラスなどが例示できる。
ところで、白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成できることが知られているが、この等色または補色の原理に基づきLDチップ101から発振されたレーザ光L0の色と蛍光体が発する光の色とを適切に選択することにより発光装置110の円筒状発光体40から白色光を発生させることができる。
例えば、発光装置110のインコヒーレント光L1を白色とするには、1つの方法は、励起光として青紫色領域の発振波長(380nm以上420nm未満)のレーザ光を用い、蛍光体として青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体の組合せを採用すれば良い。
また、もう1つの方法は、励起光として青色領域の発振波長(440nm以上490nm以下)のレーザ光、黄色蛍光体又は緑色蛍光体+赤色蛍光体のいずれかの組合せを採用すれば良い。
さらに、励起光源として青色領域の発振波長(440nm以上490nm以下)のLED光、蛍光体として黄色蛍光体又は緑色蛍光体+赤色蛍光体のいずれかの組合せを採用すれば良い。
なお、黄色の蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長を有する光を発する蛍光体である。緑色の蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長を有する光を発する蛍光体である。赤色の蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長を有する光を発する蛍光体である。
ここで、後述する実験結果によれば、単純計算で1Wのレーザ光源1つ当たりの、円筒状発光体40から発光するインコヒーレント光L1の光束は、約150lm(ルーメン)程度である。
よって、3個の発光点102(3.0W)によるインコヒーレント光L1の光束は、450lm程度となる。ここで、LDチップ101に対する導光部20の光結合効率は100%と仮定した。
3つの円筒状発光体40のそれぞれからほぼ同程度の光束が出射されると仮定すると、発光装置110全体としては、約450×3=1350lm程度と見積もれる。
これは、後述する高出力の白色LEDの400〜500lm程度と比較して3倍程度の値であり、700〜1500lmの光束を実現するハロゲンランプに近い値であることが分かる。
以上によれば、高光束を実現することができる発光装置110を提供することができる。
〔2.励起光源の概要構成について〕
次に、図2(a)〜(d)に基づき、励起光源の具体例について説明する。
図2(a)は、励起光源の一例であるLEDランプ13の回路図であり、図2(b)は、LEDランプ13の概観を示す正面図であり、図2(c)は、励起光源の他の例であるLDチップ(励起光源)11の回路図であり、図2(b)は、LDチップ11の概観を示す模式図である。
図2(b)に示すように、LEDランプ13は、アノード14とカソード15に接続されたLEDチップ130が、エポキシ樹脂キャップ16によって封じこめられた構成である。
図2(a)に示すように、LEDチップ130は、p型半導体131とn型半導体132とをpn接合し、p型電極133にカソード15が接続され、n型電極134にアノード14が接続される。なお、LDチップ101は、抵抗Rを介して電源Eと接続されている。
また、アノード14とカソード15とを電源Eに接続することにより、回路が構成され、電源EからLEDチップ130に電力が供給されることによってpn接合附近からインコヒーレントな励起光を発生する。
LEDチップ130の材料としては、発光色が赤色となるGaP、AlGaAs、GaAsPなど、発光色が橙色となるGaAsP、発色光が黄色となるGaAsP、GaP、発光色が緑となるGaP、発光色が青色となるSiC、GaNなどの化合物半導体が例示できる。
なお、LEDチップ130は、約2V〜4V程度の低電圧で動作し、小型軽量で、応答速度が速い、長寿命で、低コストといった特徴がある。
次に、図2(c)及び(d)に示すように、LDチップ11は、カソード電極19、基板18、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極17がこの順に積層された構成である。
基板18は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板としては、その他には、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al2O3、SiO2、TiO2、CrO2およびCeO2等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
アノード電極17は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極19は、基板18の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極17・カソード電極19に順方向バイアスをかけて行う。
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることが出来る。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
〔3.励起光源と発光部との結合形態〕
次に、図3(a)〜(c)に基づき、本発明の発光装置に関し、励起光源と発光部との結合形態について説明する。
図3(a)〜(c)では、LDチップ101が、それぞれ、3つ、2つ、5つ存在している場合を示している。なお、LDチップ101の数は、1つであっても良いし、複数であっても良い。
また、上述した導光部20の具体例である導光部材の一例として光ファイバー21、分岐型光ファイバー22を示しているが、これに限られず、後述する円筒状導光部材23や円錐台状集光部材24などのように導光管のようなものを採用しても良い。
なお、楕円筒状発光体41は、長径3mm、短径1mm、厚み1mmであり、楕円筒状の形態をしている。
また、図3(a)〜(c)に示した各実施形態では、複数の発光部(円筒状発光体40又は楕円筒状発光体41)のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する反射鏡(不図示)を備えており、複数の発光部が、上述した光反射凹面の内部に配置されているものとする。
これにより、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、光反射凹面の内部に複数の発光部を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
図3(c)に示す円筒状発光体40と楕円筒状発光体41のように、本実施形態で説明した例のように、複数の発光部のうち、少なくとも1つの発光部の形状が、他の発光部の形状と異なっていても良い。
このように、各発光部の形状を異ならせることによって、各発光部が発生する光の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインの形状などの、各発光部からの光の配光パターンを異ならせることができる。
よって、本実施形態で説明した例のように、複数の発光部のそれぞれの各発光部の形状を適宜調整することにより、所望の配光パターンを実現することができる。
また、図3(c)に示す円筒状発光体40と楕円筒状発光体41のように、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記複数の発光部のうち、少なくとも1つの発光部のサイズが、他の発光部のサイズと異なっていても良い。
ところで、ある発光部のサイズが点光源とみなせる程小さい場合、その発光部からは、発光部の形状による影響を受けない等方的な光が発生する。
例えば、円筒状発光体40は、楕円筒状発光体41よりも小さく、その発光部からは、発光部の形状による影響を受けない等方的な光が発生する。
一方、ある発光部のサイズが点光源とみなせない程の大きさを持つ場合、その発光部からの光は、発光部の形状による影響を受けた、上述の等方的な光よりも対称性の低い配光パターンの光が発生する。
例えば、楕円筒状発光体41は、円筒状発光体40よりも大きく、発光部の楕円形状による影響を受けた、上述の等方的な光よりも対称性の低い配光パターンの光が発生する。
よって、本実施形態で説明した例のように、各発光部のサイズを異ならせることによって、各発光部の配光パターンを異ならせることができる。
次に、図3(a)及び(c)に示す光ファイバー21は、レーザ光L0を反射するコアとクラッドとの境界面(光反射側面)で囲まれた囲繞構造を有し、LDチップ101のいずれかが発生したレーザ光L0を1つの一端から入射させると共に、1つの他端から3つの円筒状発光体40のいずれかに導光している。すなわち、光ファイバー21は、後述する分岐型光ファイバー22と異なり、分岐が存在していない光ファイバーである。
よって、レーザ光L0を反射するコアとクラッドとの境界面により、レーザ光L0が逃げるのを防ぐことができるので、レーザ光L0の利用効率の低下を防止しつつ、LDチップ101から発生したレーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光させることが可能となる。
光ファイバー21は、コア径200μm、クラッド径240μm、開口数NA=0.22の石英製の光ファイバーである。
なお、図3(a)では、LDチップ101と同数の3本の光ファイバー21が存在している様子を示しており、図3(c)では、LDチップ101と同数の5本の光ファイバー21が存在している様子を示している。
一方、図3(b)に示す分岐型光ファイバー22は、レーザ光L0を反射するコアとクラッドとの境界面で囲まれた囲繞構造を有し、1つのLDチップ101が発生したレーザ光L0を1つの一端から入射させると共に、2つの他端から2つの円筒状発光体40のそれぞれに導光している。すなわち、分岐型光ファイバー22は、導光されるレーザ光L0の光路を2分割する分岐Dが存在している。
よって、レーザ光L0を反射するコアとクラッドとの境界面により、レーザ光L0が逃げるのを防ぐことができるので、レーザ光L0の利用効率の低下を防止しつつ、LDチップ101から発生したレーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光させることが可能となる。
分岐型光ファイバー22は、コア径200μm、クラッド径240μm、開口数NA=0.22の石英製の光ファイバーである。
以上のように、複数の光ファイバー21や分岐型光ファイバー22を用いるという簡便な方法で、レーザ光L0の利用効率の低下を防止しつつ、複数のLDチップ101と複数の円筒状発光体40とを光学的に結合することができる。
また、光ファイバー21や分岐型光ファイバー22の太さと数にも拠るが、通常、複数の光ファイバー21や分岐型光ファイバー22を束ねてもその厚さはそれ程大きくならない。
よって、LDチップ101と円筒状発光体40の間に別の光学系(不図示)が存在し、その光学系に穴を空けて複数の光ファイバー21や分岐型光ファイバー22の束を通す必要がある場合などでも、その光学系に、多数の穴や、大きな穴を空けなくて済むので、その光学系の機能の劣化を防ぐことができる。但し、光学系の穴に、分岐型光ファイバー22の束を通す場合には、分岐Dの存在に注意する。
次に、励起光源と発光部との結合形態について詳細に説明する。励起光源と発光部との結合形態、すなわち、光ファイバー21や分岐型光ファイバー22を用いて複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光するパターンとしては、以下のパターンが例示できる。
まず、第1のパターンは、複数の円筒状発光体40と同数の光ファイバーを用意できる場合であり、LDチップ101から円筒状発光体40に対して一意対応で光学的に結合するパターンである。
ここで、「一意対応」には、LDチップ101と円筒状発光体40との対応関係が、図3(a)に示すように、「LDチップ11から円筒状発光体40への一対一対応のみである場合」や、図3(c)に示すように、「LDチップ101から円筒状発光体40への多対一対応(図では三対一対応)と一対一対応との組合せである場合」が含まれる。
また、「一意対応」には、その他、「LDチップ101から円筒状発光体40への多対一対応のみである場合」(不図示)のいずれの場合も含まれる。
なお、「一意対応」では、特定のLDチップ101は、必ず1つの円筒状発光体40と、光ファイバー21を介して光学的に結合され、このLDチップ101が、その他の円筒状発光体40と光ファイバー21を介して光学的に結合することは無いものとする。
例えば、図3(c)に示す例では、LDチップ101が5つ存在し、発光部が円筒状発光体40の2つと楕円筒状発光体43の1つの計3つ存在し、2つの円筒状発光体40のそれぞれは、1つのLDチップ101と一対一対応で光学的に結合され、楕円筒状発光体43は、残りの3つのLDチップ101と三対一対応で光学的に結合されることになる。
すなわち、円筒状発光体40又は楕円筒状発光体43のいずれか1つの発光部が、5つの励起光源と五対一対応で光学的に結合され、他の発光部が、どのLDチップ101とも光学的に結合されないような場合などは「一意対応」に含まれない。
次に、第2のパターンは、図3(b)に示すように、複数の円筒状発光体40の数よりも光ファイバーの数が少ない場合であり、以下のようなパターンである。
なお、光ファイバーの数が少ない場合とは、言い換えれば、複数の円筒状発光体40の数よりもLDチップ101の数が少なくLDチップ101の数と同数だけ光ファイバーを用意しても、光学的に結合されない円筒状発光体40が生じてしまう場合である。
すなわち、このような場合には、分岐型光ファイバー22のように、導光されるレーザ光L0の光路を分割する分岐Dが存在していることが必要である。
これにより、上述したように複数の円筒状発光体40の数よりも光ファイバーの数が少ない場合でも、光学的に結合されない円筒状発光体40の数だけ、光ファイバーを分岐させることで、光学的に結合されない円筒状発光体40が生じないようにすることができる。
なお、光ファイバーを分岐させる方法には、1つの光ファイバーだけ分岐させる方法の他、図3(b)に示すように、2以上の光ファイバーのそれぞれ分岐させる方法が含まれる。
また、1つの光ファイバーでは、図3(b)に示すように、導光されるレーザ光L0の光路を2分割しても良いし、3以上分割しても良い。
以上の、第1のパターン及び第2のパターンのいずれかによれば、LDチップ101から発生したレーザ光L0が導光されない円筒状発光体40や楕円筒状発光体43が生じないようにすることができる。
次に、図3(c)に示す例では、円筒状発光体40は、1つのLDチップ101と一対一対応で光学的に結合しているが、楕円筒状発光体41は、1つのLDチップ101と三対一対応で光学的に結合している。
よって、楕円筒状発光体41に照射されるレーザ光L0の光出力は、円筒状発光体40に照射されるレーザ光L0の光出力の約3倍となる。
このように、各発光部に照射されるレーザ光L0の光出力を異ならせることによって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を異ならせることができる。
よって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を適宜調整することにより、所望の配光特性を実現することができる。
〔4.発光装置の具体例について(その1)〕
次に、図4(a)に基づき、本発明の他の実施形態である発光装置120の概要構成について説明する。
図4(a)は、導光部20の一例として、円筒形状をなした、3つの円筒状導光部材23を採用した発光装置120の構成を示している。
なお、本実施形態では、3つの円筒状導光部材23を採用したが、複数であれば円筒状導光部材23を幾つ用いても良い。
また、本実施形態では、円筒状導光部材23を例にとって説明するが、各導光部材の形状はこれに限られず、多角柱状など様々な形状を採用することができる。
図4(a)に示すように、発光装置120は、インコヒーレント光L1を発生するものであり、レーザダイオード群10、3つの円筒状導光部材23、及び3つの円筒状発光体40を備える。
レーザダイオード群10は、上述したように、3個のLDチップ101を含んでおり、LDチップ101は、3個の発光点102を有する1チップ3ストライプの半導体レーザ素子である。
なお、本実施形態では、レーザダイオード群10を構成するLDチップ101の数は3つとしているが、LDチップ101の数はこれに限られず、1〜2つ又は4つ以上のいずれであっても良い。
また、本実施形態では、円筒状発光体40の数は、LDチップ101の数と同数であるが、LDチップ101の数より少なくても良い。但しこの場合、少なくとも1本の円筒状導光部材23を分岐させる必要がある。
次に、円筒状導光部材23は、円筒形状をなしており、光入射面(一端)231から入射したレーザ光L0を反射する円筒側面(光反射側面,囲繞構造)233で囲まれた囲繞構造を有している。
よって、レーザ光L0を反射する光反射側面で囲まれた円筒側面233により、レーザ光L0が逃げるのを防ぐことができるので、レーザ光L0の利用効率の低下を防止しつつ、LDチップ101から発生したレーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光させることが可能となる。円筒状導光部材23は、石英(SiO2)製であり、屈折率は、1.45である。なお、円筒状導光部材23の材質としては、石英の他、BK(ボロシリケート・クラウン)7等の光学ガラスやエポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの透明樹脂を使用することができる。
また、円筒側面233には、屈折率1.35のフッ素系樹脂(ポリテトラフロオロエチレン)がコーティングされており、LDチップ101の円筒状導光部材23に対する光結合効率は90%である。よって、3つのLDチップ101の光出力が9Wの時、3つの円筒状発光体40には約8Wのレーザ光が照射される。なお、円筒側面233にコーティングする素材としては、円筒状導光部材23よりも低屈折率の素材であればよく、空気に直接接していてもよい。
光入射面231は円形状をなしており、その径は2mm程度であり、一方、光照射面(他端)232も円形状をなしており、その径は2mm程度である。
すなわち、本実施形態では、光入射面231の断面積は、光照射面232の断面積と等しくなっており、光入射面231から入射したレーザ光L0を、円筒側面233により、光照射面232に導光する。
ここで、円筒状導光部材23は、LDチップ101から発生するレーザ光L0の光路の周囲を取り囲む(囲繞)ように構成する。
「囲繞構造」の例としては、本実施形態のような円筒側面の他、多角柱側面などが例示できる。
以上の構成によれば、複数のLDチップ101から発生する各レーザ光L0を複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光することができる。なお、円筒状発光体40は、上述したものと同じである。
また、本実施形態の円筒状発光体40のように、3つの発光部の形状やサイズを、それぞれ同一としても良いし、異ならせても良い。また、3つの発光部のうち、1つの発光部の形状やサイズだけ異ならせても良い。
発光部の形状としては、この他、例えば、後述する直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のように、直方体状、楕円筒状、三角柱状など様々な形状を採用することができる。
発光部に含まれる蛍光体としては、上述したサイアロン蛍光体若しくはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体が好ましいが、YAG:Ce蛍光体などを用いても良い。
発光装置120のインコヒーレント光L1を白色とするには、上述した方法と同じ方法を採用すれば良い。
次に、本実施形態の発光装置120は、複数の円筒状発光体40のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する断面が円形状の反射鏡90を備えており、複数の円筒状発光体40が、上述した光反射凹面の内部に配置されている。
さらに、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、反射鏡90の光反射凹面の内部に複数の円筒状発光体40を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
また、発光装置120は、投影レンズ100を備えている。
投影レンズ100は、反射鏡90の開口部に設けられている。また、円筒状発光体40から発生し、反射鏡90によって反射された光は、投影レンズ100を通って発光装置120の前方へ出射される。
ここで、後述する実験結果によれば、単純計算で1Wのレーザ光源1つ当たりの、円筒状発光体40から発光するインコヒーレント光L1の光束は、約150lm(ルーメン)程度である。
よって、3個の発光点102(3.0W)によるインコヒーレント光L1の光束は、450×0.9=405lm程度となる。ここで、LDチップ101に対する導光部20の光結合効率は90%と仮定した。
3つの円筒状発光体40のそれぞれからほぼ同程度の光束が出射されると仮定すると、発光装置120全体としては、約405×3=1215lm程度と見積もれる。
これは、後述する高出力の白色LEDの400〜500lm程度と比較して3倍程度の値であり、700〜1500lmの光束を実現するハロゲンランプに近い値であることが分かる。
以上によれば、高光束を実現することができる発光装置120を提供することができる。
〔5.発光装置の具体例について(その2)〕
次に、図4(b)に基づき、本発明のさらに他の実施形態である発光装置140の概要構成について説明する。
図4(b)は、導光部20の一例として、先細りの円柱形状をなした、3つの円錐台状集光部材24を採用した発光装置140の構成を示している。
なお、本実施形態では、3つの円錐台状集光部材24を採用したが、複数であれば円錐台状集光部材24を幾つ用いても良い。
また、本実施形態では、円錐台状集光部材24を例にとって説明するが、導光部材の形状はこれに限られず、楕円錐台、角錐台状など様々な形状を採用することができる。
図4(b)に示すように、発光装置140は、インコヒーレント光L1を発生するものであり、レーザダイオード群10、3つの円錐台状集光部材24、及び3つの円筒状発光体40を備える。
レーザダイオード群10は、上述したように、3個のLDチップ101を含んでおり、LDチップ101は、上述したものと同じである。
なお、本実施形態では、レーザダイオード群10を構成するLDチップ101の数は3つとしているが、LDチップ101の数はこれに限られず、1〜2つ又は4つ以上のいずれであっても良い。
また、本実施形態では、円錐台状集光部材24の数は、LDチップ101の数と同数であるが、LDチップ101の数より少なくても良い。但しこの場合、少なくとも1本の円錐台状集光部材24を分岐させる必要がある。
次に、円錐台状集光部材24は、それぞれ先細りの円柱形状をなしており、光入射面(一端)241から入射したレーザ光L0を反射する円錐台側面(光反射側面,囲繞構造)243で囲まれた囲繞構造を有している。
よって、レーザ光L0を反射する光反射側面で囲まれた円錐台側面243により、レーザ光L0が逃げるのを防ぐことができるので、レーザ光L0の利用効率の低下を防止しつつ、LDチップ101から発生したレーザ光L0を、複数の円筒状発光体40のそれぞれに導光させることが可能となる。
円錐台状集光部材24は、BK7製であり、屈折率は、1.519である。
また、円筒側面233は、直接空気と接しており、LDチップ101の円筒状導光部材23に対する光結合効率は90%である。よって、3つのLDチップ101の光出力が9Wの時、3つの円筒状発光体40には約8Wのレーザ光が照射される。
光入射面241は円形状をなしており、その径は7mm程度であり、一方、光照射面(他端)242も円形状をなしており、その径は2mm程度である。
すなわち、光照射面242の断面積は、光入射面241の断面積よりも小さくなっており、光入射面241から入射したレーザ光L0を、円錐台側面243により、光照射面242に導光する。
ここで、円錐台側面243は、LDチップ101から発生するレーザ光L0の光路の周囲を取り囲む(囲繞)ように構成する。
「囲繞構造」の例としては、本実施形態のような円錐台側面の他、楕円錐台側面や角錐台側面のような錐台側面が例示できる。
これにより、光入射面241から入射したレーザ光L0を、光入射面241の断面積よりも小さい断面積を有する光照射面242に導光する、すなわち、レーザ光L0を、光照射面242に集光することができる。
よって、円錐台状集光部材24の光照射面242の断面積を小さくすることにより、その円錐台状集光部材24に対応する円筒状発光体40のさらなる小型化が可能となる。
次に、円筒状発光体40は、上述したものと同じである。
なお、本実施形態の円筒状発光体40のように、3つの発光部の形状やサイズを、それぞれ同一としても良いし、異ならせても良い。また、3つの発光部のうち、1つの発光部の形状やサイズだけ異ならせても良い。
また、発光部の形状としては、例えば、後述する直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のように、直方体状、楕円筒状、三角柱状など様々な形状を採用することができる。
発光部に含まれる蛍光体としては、上述したサイアロン蛍光体若しくはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体が好ましいが、YAG:Ce蛍光体などを用いても良い。
発光装置140のインコヒーレント光L1を白色とするには、上述した方法と同じ方法を採用すれば良い。
次に、本実施形態の発光装置140は、複数の円筒状発光体40のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する断面が円形状の反射鏡90を備えており、複数の円筒状発光体40が、上述した光反射凹面の内部に配置されている。
さらに、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、反射鏡90の光反射凹面の内部に複数の円筒状発光体40を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
また、発光装置140は、投影レンズ100を備えている。
投影レンズ100は、反射鏡90の開口部に設けられている。また、円筒状発光体40から発生し、反射鏡90によって反射された光は、投影レンズ100を通って発光装置140の前方へ出射される。
ここで、後述する実験結果によれば、単純計算で1Wのレーザ光源1つ当たりの、円筒状発光体40から発光するインコヒーレント光L1の光束は、約150lm(ルーメン)程度である。
よって、3個の発光点102(3.0W)によるインコヒーレント光L1の光束は、450×0.9=405lm程度となる。ここで、LDチップ101に対する導光部20の光結合効率は90%と仮定した。
3つの円筒状発光体40のそれぞれからほぼ同程度の光束が出射されると仮定すると、発光装置140全体としては、約405×3=1215lm程度と見積もれる。
これは、後述する高出力の白色LEDの400〜500lm程度と比較して3倍程度の値であり、700〜1500lmの光束を実現するハロゲンランプに近い値であることが分かる。
以上によれば、高光束を実現することができる発光装置140を提供することができる。
〔6.ロービームに適した発光部及び反射鏡の選定について〕
次に、図5(a)〜図6(c)に基づき、ハイビーム/ロービームに適した発光部及び反射鏡の選定方法について説明する。
まず、図5(a)は、自動車用ヘッドランプに要求される配光パターンを示す模式図である。
図5(a)に示すように、ヘッドランプに要求される配光パターンには、ロービームに要求される配光パターンとハイビームに要求される配光パターンとの2種類がある。
図5(a)に示すスクリーン配光は、ヘッドランプに正対させた鉛直なスクリーンに照射される光の照度分布である。正面方向の最も明るい部分をホットゾーンと呼び、この部分の光度が遠方への到達距離を決定する。
また、ロービームでは、対向車へのグレア(まぶしさ)を抑制するために、水平線の上下で大きな明暗差が要求される。
図5(b)は、自動車用ヘッドランプのロービームに要求される配光特性を示す図である。
次に、ハイビームに適した発光部及び反射鏡の形態について説明する。
まず、図5(a)に示すように、車両用ヘッドランプ(ハイビーム)の配光パターンは、鉛直方向に狭く、左右に広く、発光部の形状は、水平方向に対して横長であることが望ましい。
このような横長の配光パターンを実現するためには、以下で説明する2つの形態が考えられる。
まず、第1の形態は、図6(a)に示すように、断面形状が円形状の反射鏡90と、水平方向に対して横長の直方体状発光体42を組合せた形態である。
次に、第2の形態は、図6(b)に示すように、断面形状が楕円形状の反射鏡91と、円筒状発光体40を組合せた形態である。
このような2つの形態について、横長の配光パターンで照射できる能力(光学系の効率)についてシミュレーション計算を行ったところ、第1の形態の方が、第2の形態よりも能力が高いことが分かった。
これは、従来の車両用前照灯のように、反射鏡の形状等を工夫するよりも、発光部の形状を工夫したほうが、所望の配光パターンを実現するのに有利であることを示している。
以上より、ハイビームに適した発光部及び反射鏡は、第1の形態(図6(a))であることが好ましい。
次に、図5(b)及び図6(c)に基づき、ロービームに適した発光部及び反射鏡の形態の一例について説明する。
まず、図5(b)に示すように斜線領域Iと領域IVとの境界、斜線領域IIIと領域IVとの境界にロービーム特有の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインが形成されている。このロービームに要求される配光特性では、水平線の上下で大きな明暗差が要求されている。
そこで、図5(b)に示す配光パターンを180度回転させ、その配光パターンのカットラインの形状に基づいて選択した、図6(c)に示すロービームに適した発光部及び反射鏡の形態の一例について説明する。
なお、図5(b)に示す配光パターンを180度回転させたのは、インコヒーレント光L1が投射される際には、上下左右が反転することを考慮したものである。
図6(c)は、ロービーム用の発光部と反射鏡の一例を示す模式図である。なお、図では、発光部の形状、サイズ、配置などをかなり誇張して示している。
実際は、図で示すよりも、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44は、反射鏡90の極中心O附近に近接して配置することが好ましい。
図6(c)に示すように、鉛直方向の断面が水平方向に長い矩形形状の直方体状発光体42と、鉛直方向の断面が水平方向に長い略楕円形状の楕円筒状発光体43と、鉛直方向の断面が三角形状の三角柱状発光体44とを備えている。
ここで、水平方向に長い直方体状発光体42及び楕円筒状発光体43を選択し、直方体状発光体42と、楕円筒状発光体43と、三角柱状発光体44とをこの順で、左から右へx軸(水平方向)に沿って、配列しているのは、全体として横長の配光パターンであるので、上述した第1の形態を考慮した結果である。
このような直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44の組合せにより、水平方向長い照射範囲を有する光を配光することができる。
また、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のように、各発光部の形状を異ならせることによって、各発光部が発生する光の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインの形状などの、各発光部からの光の配光パターンを異ならせることができる。
よって、複数の発光部のそれぞれの各発光部の形状を適宜調整することにより、所望の配光パターンを実現することができる。
なお、本実施形態では、ロービームに要求される配光パターンを考慮して、楕円筒状発光体43は、主として走行車線を照らすためのインコヒーレント光L1を発するものであり、若干横長の楕円筒形状を採用している。
また、三角柱状発光体44は、路側、歩道側を照らすためのインコヒーレント光L1を発するものであり、略三角柱形状を採用している。
さらに、直方体状発光体42は、対向車線側かつ水平線より下側を照らすためのインコヒーレント光L1を発するものであり、横長の略直方体形状を採用している。
〔7.ロービーム用照明装置の具体例について〕
次に、図7に基づき、本発明のさらに他の実施形態であるロービーム用照明装置(発光装置,照明装置)150の概要構成について説明する。
図7は、導光部20として複数の光ファイバー21及び第1レンズ(分散照射部,凸面を有する凸レンズ状曲面)32、第2レンズ(分散照射部,凸面を有する凸レンズ状曲面)33、第3レンズ(分散照射部,凸面を有する凸レンズ状曲面)34の組合せを採用したロービーム用照明装置150の構成を示す模式図である。
なお、本実施形態では、第1レンズ32、第2レンズ33及び第3レンズ34のいずれも軸に垂直な断面形状が略楕円形状の凸レンズを採用しているが、必要に応じて、レンズ(又はレンズ状曲面)の形状としては、凹レンズ(又は凹レンズ状曲面)を採用しても良い。
また、凸レンズと凹レンズとを適宜組合せたレンズ(又はレンズ状曲面)を採用しても良い。なお、レンズ状曲面等の具体的な選定方法等については、後述する。
図7に示すように、ロービーム用照明装置150は、LDチップ(励起光源)1001、ロッド状レンズ50、固定持具60、合計5本の光ファイバー21、フェルール70、第1レンズ32、第2レンズ33、第3レンズ34、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43、三角柱状発光体44、反射鏡90及び投影レンズ100を備える構成である。
なお、図7では、フェルール70、第1レンズ32、第2レンズ33、第3レンズ34、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のサイズは、かなり誇張して示しているが、実際は、反射鏡90及び投影レンズ100と比較してかなり小さい。
LDチップ1001は、1チップ5ストライプ、すなわち、発光点(励起光源)1002を5つ持った単一(1チップ)の半導体レーザである。
また、それぞれの発光点1002の出力は1W、LDチップ1001の1チップから放射される光の総和は5Wである。ストライプ間隔は0.4mmである。
このように、励起光源群をLDチップ1001で構成すれば、それぞれの発光点1002が、コヒーレントなレーザ光L0を発生する。よって、コヒーレントなレーザ光L0は、インコヒーレントな励起光と比較して、指向性が強いので、光束の損失を最小限に抑えつつ複数の光ファイバー21の集まりである入射端(一端)221に入射させることができる。
また、1チップ5ストライプのLDチップ1001によれば、単一のLDチップ1001が、5つの発光点1002を持つように構成するので、LDチップ1001のサイズを小さくすることができる。
また、5つの発光点1002を持つ単一のLDチップ1001を量産すれば、単一のレーザ光出射端を持つ1チップ1ストライプのLDチップ11を5つ生産するよりも、生産コストを低減させることができる。
なお、本実施形態では、励起光源として発光点1002を5つ持った1チップ5ストライプの半導体レーザを用いているが、発光点1002の数は、これに限られず、必要に応じて2〜4つとしても良く、また、6以上設けても良い。
また、励起光源の例としては、LDチップ1001や上述したLDチップ101のように、複数の励起光源(発光点1002や発光点102)を一体化したものであっても良いし、上述した複数の1チップ1ストライプのLDチップ11が空間的に分離して存在しているものであっても良い。
なお、励起光源を複数のLDチップ11で構成した場合には、LDチップ11毎に非球面レンズ(導光部材:例えば、アルプス電気製FLKN1 405:不図示)を設けてレーザ光L0をコリメートし、対応する光ファイバー21の一端から入射させれば良い。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズの形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
また、励起光源は、LDのようにコヒーレントなレーザ光L0を発生するものであっても良いし、LEDのようにインコヒーレントな励起光を発生するものであっても良い。
また、複数の励起光源は、LD又はLEDのみで構成しても良いし、LD及びLEDを混在させたものであっても良い。
LDチップ1001の5つの発光点1002から発生した各レーザ光L0は、ロッド状レンズ50によってコリメートされ、入射端221に入射する。
ロッド状レンズ50の紙面に対して手前側には、0.4mmピッチで光ファイバー21が5本、配置されている。
光ファイバー21は、コア径200μm、クラッド径240μm、開口数NA=0.22の石英製の光ファイバーである。
固定持具60は、0.4mmピッチの溝が切られており、入射端221を固定し、光ファイバー21のピッチ間隔が保持されている。
なお、本実施形態では、断面が円形の光ファイバー21を導光部材として用いているが、断面が円形に限らず、正三角形、平行四辺形(正方形・長方形を含む)、及び正六角形など様々な形状を採用しても良い。この光ファイバー21の一端の集まりは、入射端221となっている。
また、光ファイバー21の他端は、フェルール70に形成された3つの貫通孔に嵌挿された光ファイバー21の他端の集まりである出射端222を形成している。なお、フェルール70の材質は特に限定されず、例えばステンレス・スティールである。
次に、LDチップ1001の3つの発光点1002から発生した3つのレーザ光L0は、3本の光ファイバー21を介してフェルール70の中央の出射端222に導光される。
また、LDチップ1001の残りの2つの発光点1002から発生した2つのレーザ光L0は、それぞれ1本の光ファイバー21を介してフェルール70の両端の出射端222に導光される。
次に、出射端222から出射した各レーザ光L0は、第1レンズ32を介して三角柱状発光体44に、第2レンズ33を介して楕円筒状発光体43に、第3レンズ34を介して直方体状発光体42のそれぞれに分散して照射される。
直方体状発光体42の大きさは、横×縦×高さ=2mm×1mm×1mm程度である。
また、楕円筒状発光体43は、長径×短径×高さ=2mm×1mm×1mm程度である。
さらに、三角柱状発光体44は、三角形の底辺×三角形の高さ×厚み=1mm×1.5mm×1mm程度である。
また、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれは、上述したように、単一種の蛍光体のみで構成されていても良いし、複数種の蛍光体で構成されていても良い。
また、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれは、単一種又は複数種の蛍光体を適当な分散媒に分散させて構成しても良い。分散媒は固体が好ましいが、光透過性のある直方体状の容器に蛍光体を封じ込めるような場合には、分散媒を液体としても良い。
分散媒としては、透光性の樹脂材料が好ましく、シリコーン樹脂が例示できる。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、重量比で10:1程度とする。なお、分散媒は、シリコーン樹脂に限定されず、無機ガラス材料をはじめとするガラス材料であってもよいし、有機・無機ハイブリッド材料であっても良い。
直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれの材料は、上述したサイアロン蛍光体が好ましい。
また、蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を例示することができる。
次に、本実施形態のロービーム用照明装置150は、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する断面が円形状の反射鏡90を備えており、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44が、上述した光反射凹面の内部に配置されている。
さらに、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、反射鏡90の光反射凹面の内部に直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
また、ロービーム用照明装置150は、投影レンズ100を備えている。投影レンズ100は、反射鏡90の開口部に設けられている。
次に、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44から発生したインコヒーレント光L1は、反射鏡90によって反射され、投影レンズ100を通ってロービーム用照明装置150の前方に進む。
以上のように、ロービーム用照明装置150では、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれに、各レーザ光L0が分散して照射されるため、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれに含まれる蛍光体の全体に亘って低エネルギー状態の電子が高エネルギー状態に効率良く励起する。
よって、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれからムラなくインコヒーレント光L1が発生するので、ロービームに要求される配光特性を実現することができる。
すなわち、複数の光ファイバー21を用いて、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれとLDチップ1001とを光学的に結合しているので、発光点1002からの光の利用効率の低下を抑えることができる。
また、複数の光ファイバー21を用いて、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれとLDチップ1001とを光学的に結合しているので、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43及び三角柱状発光体44のそれぞれの小型化が実現できる。
また、ロービームに要求される配光パターンを考慮して、楕円筒状発光体43に対応する励起光源を最もハイパワーとし、3W程度としている。一方、直方体状発光体42及び三角柱状発光体44に対応する励起光源は、それぞれ1W程度としている。
これにより、各励起光源の光出力を異ならせることによって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を異ならせることができる。
よって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を適宜調整することにより、ロービームに要求される配光特性を実現することができる。
以上によれば、励起光源からの励起光の利用効率の低下を抑えつつ、ロービームに要求される配光特性を実現し、かつ小型のロービーム用照明装置150を提供することができる。
次に、後述する実験結果によれば、単純計算で1Wのレーザ光源1つ当たりの、円筒状発光体40から発光するインコヒーレント光L1の光束は、約150lm(ルーメン)程度である。
そこで、直方体状発光体42、楕円筒状発光体43、及び三角柱状発光体44についても同程度であると仮定してロービーム用照明装置150の光束を概算した結果を示す。
まず、5個の発光点1002(5.0W)によるインコヒーレント光L1の光束は、750×0.9=675lm程度となる。ここで、LDチップ101に対する光ファイバー21の光結合効率は90%と仮定した。
これは、後述する高出力の白色LEDの400〜500lm程度よりも大きい値であり、700〜1500lmの光束を実現するハロゲンランプに近い値であることが分かる。
以上によれば、高光束を実現することができるロービーム用照明装置150を提供することができる。
〔8.レンズ状曲面の選定方法〕
次に、図8(a)〜(f)に基づき、導光部材からの出射光の照射範囲とレンズ状曲面の選定方法との関係について説明する。
まず、図8(a)に示すようにLDチップ101(先端部の大きな直方体の上にある小さな直方体)を水平に設置した時、LDチップ101から放射されるレーザ光L0は、縦(鉛直方向)に長く、横(水平方向)に短い楕円錐状となる光出射傾向を示す。
すなわち、LDチップ101から放射されるレーザ光L0は、縦横比(アスペクト比)が非常に大きい(例えば、水平方向で5度、垂直方向で30度)。
一方、図8(b)に示すように直方体状発光体42は、鉛直方向に短く、水平方向に長い直方体形状である。
そうすると、直方体状発光体42の発光効率を高くするためには、縦に長い楕円錐状に広がるレーザ光L0を、鉛直方向に短く水平方向に長いレーザ光L0に変換する光学部品等が必要となる。
次に、導光部材として上述した円錐台状集光部材24を採用したときの光出射傾向につい説明する。
まず、図8(c)に示す状態は、凸レンズ状曲面(分散照射部,凸面を有する凸レンズ)30が存在しない場合の円錐台状集光部材24の出射光の光出射傾向のパターンとして、光照射面242(図4(b)参照、以下同様)の水平方向の幅が比較的大きくレーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より大きい場合を示している。
このような場合としては、直方体状発光体42の水平方向の幅よりも光照射面242の水平方向の幅が大きい場合などが好例である。
また、光照射面242の水平方向の幅が直方体状発光体42の水平方向の幅よりも小さい場合でも、円錐台状集光部材24の形状によっては、レーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より大きくなる場合が生じうる。
例えば、光照射面242が平坦な面で構成されている場合、光照射面242から出射されるレーザ光L0は、通常平行光であることはあり得ず、若干なりとも拡がって出射される。また、導光部材として光ファイバー21を用いる場合でも、光ファイバー21は全反射を利用していることから、やはり若干なりとも拡がって出射される。
よって、光照射面242の水平方向の幅と直方体状発光体42の水平方向の幅の大小関係のみならず、光照射面242から直方体状発光体42までの距離が離れていれば(離して直方体状発光体42を設置すれば)、レーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より大きくなり得る。
次に、図8(e)に示す状態は、凹レンズ状曲面(分散照射部,凹面を有する凹レンズ)31が存在しない場合の円錐台状集光部材24の出射光の光出射傾向のパターンとして、光照射面242の水平方向の幅が比較的小さくレーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の幅より小さい場合を示している。
このような場合としては、直方体状発光体42の水平方向の幅よりも光照射面242の水平方向の幅が極端に小さい場合などが好例である。
また、直方体状発光体42の水平方向の幅よりも光照射面242の水平方向の幅が極端に小さくなくても、直方体状発光体42の水平方向の幅が光照射面242の水平方向の幅と同程度の大きさである場合に円錐台状集光部材24の光学設計を工夫することによって光照射面242から出射されるレーザ光L0がほぼ平行光となった場合などにも、レーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より小さくなり得る。
ここで、図8(d)に示す凸レンズ状曲面30は、鉛直方向(紙面の表裏方向)に軸を持ち、凸部を直方体状発光体42側に向けた凸レンズ状曲面であり、レーザ光L0の直方体状発光体42に対する水平方向の拡がりを小さくする機能を有する。
よって、図8(c)に示すようにレーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より大きい場合は、円錐台状集光部材24と、直方体状発光体42の間に、凸レンズ状曲面30を設ければ良い。
一方、図8(f)に示す凹レンズ状曲面31は、鉛直方向に軸を持ち、凹部を直方体状発光体42側に向けた凹レンズ状曲面であり、レーザ光L0の直方体状発光体42に対する水平方向の拡がりを大きくする機能を有する。
よって、図8(e)に示すようにレーザ光L0の水平方向の拡がりが、直方体状発光体42の水平方向の幅より小さい場合は、円錐台状集光部材24と、直方体状発光体42の間に、凹レンズ状曲面31を設ければ良い。
なお、上述した例の他、発光部の形状に応じて、任意の軸を持つ凹面及び凸面を有する複合レンズ状曲面、任意の軸を持つ凸面及び凸面を有する複合レンズ状曲面、任意の軸を持つ凹面及び凹面を有する複合レンズ状曲面などを採用しても良い。
これにより、発光部の形状に応じて適切なレンズ状曲面(又は複合レンズ状曲面)を採用することで、光学系全体の部品点数を少なくし、光学系全体のサイズを小さくしつつ、発光部の形状に応じて発光部の発光効率を高めることができる。
その他、GRINレンズ(Gradient Index lens:屈折率勾配変化型レンズ)を光照射面242(図4(b)参照)に接合させても良い。
なお、GRINレンズは、レンズが凸又は凹の形状をしていなくても、レンズ内部の屈折率勾配によってレンズ作用が生じるレンズである。
よって、GRINレンズを用いれば、例えば、GRINレンズの端面を平面としたままでレンズ作用を生じさせることができるので、GRINレンズの端面に直方体状発光体42を隙間無く接合させることができる。
これにより、発光部に照射されないレーザ光L0を低減できるので、直方体状発光体42の発光効率をより向上させることができる。
〔9.発光装置の配光特性について〕
次に、1チップ1ストライプの半導体レーザ(発振波長は、405nm)であるLDチップ11を10個用いて発光装置(以下、試作例という)を試作し、実験を行った。それぞれのLDチップ11の光出力は、1.0W、動作電圧は、5V、電流は0.6Aである。また、発光部として円筒状発光体40を採用した。
さらに、各LDチップ11からのレーザ光L0のすべては、円筒状発光体40に直接照射されるものとして光結合効率を100%程度とする。
この試作例にて、配光特性について調べたところ、円筒状発光体40からは1500lm(ルーメン)程度の光束が放射された。
また、このときの円筒状発光体40の輝度は、57.2Mcd/m2(メガカンデラ毎平方メートル)程度であった。
この実験結果より、単純計算で、LDチップ11の1個当たりの光束は、約150lmであるから、例えば、14個以上のLDチップ11を用いれば、円筒状発光体40は、約2000lmを超えることが可能であると分かる。
また、17個のLDチップ11を用いれば、現実には光の放射は等方的ではないため正確な値の算出は困難であるが、発光点から等方的に光が放射されるとして、単純計算で、光度(単位立体角当たりの光束)=150×17(lm)/4π≒2550(lm)/4/3.14≒203(cd)であり、実効口径面積を2.98mm2程度、光学系の透過率を0.7とすると、輝度≒203(cd)/0.7/2.98(mm2)≒97.3(cd/mm2)≒97(Mcd/m2)程度となることが分かる。
なお、LDチップ11の数を調整して同様な実験を行ったところ、実際に、円筒状発光体40及び直方体状発光体42は、2000lmを超える高光束、100Mcd/m2を超える高輝度の実現が可能であることが分かった(このような高輝度・高光束の発光装置のことを以下、単に「レーザ照明」という)。
〔10.発光装置と従来のランプとの配光特性の比較〕
次に、図9〜図10(c)に基づき、上述したレーザ照明と従来のランプとの配光特性の比較結果について説明する。
図9は、自動車用のヘッドランプに必要なレンズ直径をランプの種類で比較した様子を示す図である。
図9に示すように市販のハロゲンランプの輝度は、25Mcd/m2(メガカンデラ毎平方メートル)程度であり、HIDランプの輝度は、80Mcd/m2程度である。
一方、上述したレーザ照明では、100Mcd/m2程度の高輝度の実現が可能なので、図9に示すように、ハロゲンランプの4倍程度、HIDランプを超える高輝度を実現することができることが分かる。
すなわち、円筒状発光体40(又は直方体状発光体42)が発生するインコヒーレント光L1の輝度は、80Mcd/m2以上であることが好ましい。
また、ハロゲンランプは、通常自動車のハイビーム用のヘッドランプに用いられているが、レーザ照明では、例えば、上述した円筒状発光体40(又は直方体状発光体42)を用いることによって、ハロゲンランプよりも口面積サイズの小さい円筒状発光体40(又は直方体状発光体42)でもハロゲンランプの4倍程度の高輝度を実現できるので、ハイビーム用のヘッドランプの前方に設置するレンズの面積を1/4に縮小することが可能である。
なお、ハロゲンランプの発光フィラメントのサイズは、横×縦×高さ=5mm×1.5mm×1.5mm程度である。
次に、図10(a)は、ランプの種類でその性能を比較した図であり、図10(b)は、従来の自動車用ヘッドランプの外観構成の一例を示す図であり、図10(c)は、レーザ照明を用いた場合の自動車用ヘッドランプの外観構成の一例を示す図である。
まず、図10(a)に示すように、市販の高出力の白色LEDの光束は、1モジュールあたり400〜500lm程度が上限であり、車載用のハロゲンランプの光束は、700〜1500lm程度(普通乗用車用のハロゲンランプで通常1000lm程度)であり、HIDランプの光束は、3200lm程度である。
ただし、HIDランプはその構造・形状から3200lm全ての光束を全て前照灯の照射光に利用することが困難である。実効的には2000lm以下の光束しか利用できていないとされる。また、光学系の設計が困難であるという問題点がある。
一方、実施例のレーザ照明では、2000lmを超える高光束の実現が可能なので、白色LEDの4〜5倍程度、ハロゲンランプを超えHIDランプに近い高光束(実効的にはHIDランプを超える高光束)を実現することができる。
すなわち、円筒状発光体40(又は直方体状発光体42)が発生するインコヒーレント光L1の光束が1500lm以上、3200lm以下であることが好ましい。
また、白色LEDは、通常自動車のロービーム用のヘッドランプに用いられているが、実施例のレーザ照明によれば、例えば、1灯で白色LEDの4〜5灯分の高光束を実現することができる。
以上の検討結果から図10(b)が、従来のヘッドランプの大きさを示しているものとすると、実施例のレーザ照明によれば、例えば、図10(c)に示すように、ハイビーム用及びロービーム用のヘッドランプのそれぞれは、1灯ずつで済み、また、ハイビーム用及びロービーム用のヘッドランプの前方に設置されるレンズの面積もかなり小さくすることが可能である。
また、図10(a)に示すように、レーザ照明では、継続使用による寿命が10000時間程度であり、白色LEDと同程度の長寿命となっている。
よって、高輝度・高光束かつ長寿命を実現できる発光装置110、発光装置120、発光装置140などを提供することができる。
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
本発明の発光装置は、前記課題を解決するために、励起光を発生する励起光源と、励起光が照射されることにより光を発生する複数の発光部と、前記励起光源から発生した励起光を前記複数の発光部のそれぞれに導光する導光部と、前記複数の発光部のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する反射鏡とを備えており、前記複数の発光部が、前記光反射凹面の内部に配置されていることを特徴とする。
前記構成によれば、励起光源は、励起光を発生するようになっている。
また、前記構成によれば、発光部は、複数存在しており、それぞれの発光部は、励起光が照射されることにより光を発生するようになっている。よって、これらの発光部は、少なくとも励起光が照射されることにより光を発生する蛍光体を含んでいる。
また、前記構成によれば、導光部は、励起光源から発生した励起光を前記複数の発光部のそれぞれに導光するようになっている。
ところで、従来のハロゲンランプ・HIDランプ(以下、単に「ランプ光源」という)を用いた車両用前照灯では、ランプ光源そのもののサイズが大きく、また、ランプ光源からの発熱を外部に逃がすための放熱部を、ランプ光源の近傍に直接設置する必要があるため、例えば、車両用前照灯内部の、特にレンズと反射鏡からなる一光学系内の所望の位置に、複数のランプ光源を設置することが困難であった。
本発明の発光装置では、上述したように、励起光源と複数の発光部とを別々の構成要素とし、これらを、導光部を介して光学的に結合しているので、励起光源のサイズと、複数の発光部のサイズとは無関係となる。よって、発光部のそれぞれのサイズを小さくすることが可能である。
また、このように発光部のサイズを小さくすることが可能なため、発光装置自体の小型化が可能となると共に、小型化した発光装置内に複数の発光部を備えることが可能となる。
よって、上述した白色LEDに光学系を設けた複数の光源装置(発光装置)によって、所望の配光特性を実現する車両用前照灯のように、所望の配光特性を実現するために発光装置を複数使用する必要が無く、単一の発光装置をそのまま車両用前照灯として用いれば良いので、車両用前照灯全体が複雑化して大型化し、重量の増大や、コストアップを招いてしまうということは無い。
また、前記構成によれば、複数の発光部のそれぞれから発生した光を反射する光反射凹面を有する反射鏡を備えており、複数の発光部が、光反射凹面の内部に配置されている。
さらに、これらの複数の発光部の形状、サイズ、配列状態、輝度、光束などの各要素を適宜変更することで、所望の配光特性を実現することが可能となる。
よって、光反射凹面の内部に複数の発光部を配置するという簡単な構成で所望の配光特性を実現することが可能となる。
以上より、簡単な構成で所望の配光特性を実現する発光装置を提供することができる。
ここで、「複数の発光部のそれぞれに導光する」するとは、励起光源から発生した励起光が導光されない発光部が生じないように、励起光を複数の発光部のそれぞれに導光することを意味する。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記複数の発光部のうち、少なくとも1つの発光部の形状が、他の発光部の形状と異なっていても良い。
前記構成によれば、各発光部の形状を異ならせることによって、各発光部が発生する光の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインの形状などの、各発光部からの光の配光パターンを異ならせることができる。
よって、複数の発光部のそれぞれの各発光部の形状を適宜調整することにより、所望の配光パターンを実現することができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記複数の発光部のうち、少なくとも1つの発光部のサイズが、他の発光部のサイズと異なっていても良い。
ところで、ある発光部のサイズが点光源とみなせる程小さい場合、その発光部からは、発光部の形状による影響を受けない等方的な光が発生する。
一方、ある発光部のサイズが点光源とみなせない程の大きさを持つ場合、その発光部からの光は、発光部の形状による影響を受けた、前記等方的な光よりも対称性の低い配光パターンの光が発生する。
よって、前記構成によれば、各発光部のサイズを異ならせることによって、各発光部の配光パターンを異ならせることができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記複数の発光部が、水平方向に沿って配列されていても良い。
前記構成によれば、水平方向に沿って配列された複数の発光部により、水平方向長い照射範囲を有する光を配光することができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記複数の発光部のそれぞれの形状、サイズ、及び配置が、自動車用のロービームの配光特性に合せて設定されていても良い。
前記構成によれば、単体で、自動車用のロービームの配光特性を実現できる発光装置を提供することができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記励起光源が複数存在しており、前記導光部は、励起光を反射する光反射側面で囲まれた囲繞構造を有していると共に、一端から入射した励起光を、前記囲繞構造により他端に導光する少なくとも1つの導光部材を含んでいても良い。
ところで、前記従来の車両用前照灯では、光学系の複雑化に伴い、光源から発する励起光の利用効率が低下してしまうという問題点がある。
しかしながら、前記構成によれば、導光部は、励起光を反射する光反射側面で囲まれた囲繞構造を有していると共に、一端から入射した励起光を、前記囲繞構造により、他端に導光するようになっている。
よって、励起光を反射する光反射側面で囲まれた囲繞構造により、励起光が逃げるのを防ぐことができるので、励起光の利用効率の低下を防止しつつ、励起光源から発生した励起光を、複数の発光部のそれぞれに導光させることが可能となる。
また、前記構成によれば、発光部から発生する光を適宜変換するための導光部以外の光学系(例えば、反射鏡又はレンズ等)を、励起光源と複数の発光部との光学的結合と無関係な要素とすることができる。
よって、導光部以外の光学系が、励起光源と複数の発光部との光学的結合に影響しないので、その分だけ励起光の利用効率の低下を防止することができる。
さらに、前記構成によれば、少なくとも1つの導光部材を用いるという簡便な方法で、励起光の利用効率の低下を防止しつつ、複数の励起光源と複数の発光部とを光学的に結合することができる。
ここで、「複数の励起光源」は、LD又はLEDのみで構成しても良いし、LD及びLEDを混在させたものであっても良い。
また、「囲繞」とは、励起光源から発生する励起光の光路の周囲を取り囲むことである。
次に、「囲繞構造により他端に導光する」場合には、光反射側面に1回だけ反射して他端に導光する場合、光反射側面に複数回反射して他端に導光する場合、光反射側面に1回も反射することなく他端に導光する場合のいずれの場合も含まれる。
本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記少なくとも1つの導光部材には、導光される励起光の光路を分割する分岐が存在していても良い。
前記構成によれば、複数の発光部の数よりも導光部材の数が少ない場合でも、光学的に結合されない発光部の数だけ、導光部材を分岐させることで、光学的に結合されない発光部が生じないようにすることができる。
なお、導光部材を分岐させる方法には、1つの導光部材だけ分岐させる方法の他、2以上の導光部材をそれぞれ分岐させる方法が含まれる。
また、1つの導光部材では、導光される励起光の光路を2分割しても良いし、3以上分割しても良い。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記励起光源のいずれかの光出力が、他の励起光源の光出力と異なっていても良い。
前記構成によれば、各励起光源の光出力を異ならせることによって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を異ならせることができる。
よって、複数の発光部のそれぞれの光束や輝度を適宜調整することにより、所望の配光特性を実現することができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記少なくとも1つの導光部材の、前記他端の断面積は、前記一端の断面積よりも小さくなっていても良い。
前記構成によれば、囲繞構造により、少なくとも1つの導光部材の一端から入射した励起光を、前記一端の断面積よりも小さい断面積を有する導光部材の他端に導光する、すなわち、励起光を、少なくとも1つの導光部材の他端に集光させることができる。
よって、少なくとも1つの導光部材の他端の断面積を小さくすることにより、その導光部材に対応する発光部のさらなる小型化が可能となる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記導光部は、前記少なくとも1つの導光部材によって導光された励起光を前記複数の発光部のいずれかに分散して照射する分散照射部を備えていても良い。
前記構成によれば、分散照射部から対応する発光部に励起光が分散して照射されるため、発光部に含まれる蛍光体の全体に亘って低エネルギー状態の電子が高エネルギー状態に効率良く励起する。
よって、その発光部からムラなくインコヒーレントな光が発生するので、発光部の高輝度化を実現することができる。
また、前記構成によれば、励起光を発光部の一点に集中して照射せず、分散照射部を介して発光部に分散して照射するので、励起光が同一点に集中して照射されることによって発光部が劣化してしまうことを防止することができる。
ここで、「分散して照射」とは、発光部の一部をピンポイントで励起しないように励起光を、発光部が劣化しない程度の強度で所定の光照射領域の全体に亘って照射することである。なお、発光部が劣化しない程度の強度であれば、励起光が照射される際の光強度分布の強弱はある程度はあっても良い。
なお、「光の分散」は、1つの光からプリズムなどで複数の色相を持つ複数の光に分離することを意味する場合があるが、本願明細書では、このような意味で「分散」という用語を用いないこととする。
また、「分散して照射」は、励起光の照射範囲のサイズと発光部のサイズとが同程度の場合のように照射範囲の照射面積をほぼ一定に保ちつつ、発光部に励起光を照射しても良く、励起光の照射範囲のサイズよりも発光部のサイズが大きい場合のように照射範囲の照射面積を拡げつつ発光部に励起光を照射しても良い。また、励起光の照射範囲のサイズよりも発光部のサイズが小さい場合のように照射範囲の照射面積を縮小しつつ発光部に励起光を照射しても良い。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記分散照射部は、前記複数の発光部のうちのいずれかに対して凹面を有する凹レンズ状曲面であっても良い。
前記構成によれば、前記分散照射部を、複数の発光部のうちのいずれかに対して凹面を有する凹レンズ状曲面で構成すれば、励起光の拡がりが、その発光部のサイズよりも小さくなる場合であっても、その発光部のサイズに合せて、励起光を分散させて発光部に照射させることができる。
よって、その発光部のサイズに合せて励起光が分散して照射されるようにすることができる。
また、本発明の発光装置は、前記構成に加えて、前記分散照射部は、前記複数の発光部のうちのいずれかに対して凸面を有する凸レンズ状曲面であっても良い。
前記構成によれば、前記分散照射部を、複数の発光部のうちのいずれかに対して凸面を有する凸レンズ状曲面で構成すれば、励起光の拡がりが、その発光部のサイズよりも大きくなる場合であっても、その発光部のサイズに合せて、励起光を分散させて発光部に照射させることができる。
よって、その発光部のサイズに合せて励起光が分散して照射されるようにすることができる。
また、本発明の照明装置は、前記構成に加えて、前記発光装置のいずれかを備えていることが好ましい。
これにより、簡単な構成で所望の配光特性を実現する照明装置を提供することができる。
また、本発明の車両用前照灯は、前記構成に加えて、前記発光装置のいずれかを備えていることが好ましい。
これにより、簡単な構成で所望の配光特性を実現する車両用前照灯を提供することができる。
本発明のレーザ照明装置(発光装置)は、複数の蛍光体発光部(発光部)と、前記蛍光体発光部それぞれに励起光を導光するために一端に蛍光体発光部が光学的に結合された導光部材と、前記導光部材の他端に半導体レーザからなる励起光源とを有し、前記複数の蛍光体発光部が一光学系内(自装置内)に納められていることを特徴とする。
ここで前記導光部材は、蛍光体発光部と励起光源を一対一に結合させても良く、複数の蛍光体発光部に対して一つの励起光源が結合される様、途中で分岐させてもよい。結果として、励起光源は一つでも複数でもよい。
すなわち、本発明のレーザ照明装置は、励起光源と蛍光体発光部とを導光部材を用いることによって空間的に分離して設置できるようにし、かつ、蛍光体発光部の大きさを小さくできることを利用して、小型光学系内の最適箇所に複数の蛍光体発光部を設置するものである。
これにより、例えば、自動車のすれ違い用前照灯等のように複雑な配光特性を要求される照明装置に対して、複数の光学系を組合せることなく、単一の小型光学系一つであっても最適な配光特性を実現できるようになる。
以上より、光源から放射される光の利用効率を上げ、かつ小型・軽量な発光装置であっても複雑な配光特性を実現できるレーザ照明装置を提供することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。