JP2014513596A - 円錐形の第1のねじ部及び円筒形の第2のねじ部を有する歯科インプラント - Google Patents

円錐形の第1のねじ部及び円筒形の第2のねじ部を有する歯科インプラント Download PDF

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Abstract

本発明は、円錐形の第1のねじ部及び円筒形の第2のねじ部を有する、歯科インプラントであって、第1のねじ部は漸大するねじ山を有し、第2のねじ部は細目ねじ山を有し、細目ねじ山のねじ終端には周方向溝があり、該インプラントは、円錐形リセスに配置される六角穴付き頭を歯頚側端に有する、歯科インプラントに関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、円錐形である第1のねじ部及び円筒形である第2のねじ部を有する歯科インプラントであって、第1のねじ部は漸大するねじ山を有し、第2のねじ部は細目ねじ山を有し、周溝が細目ねじ山のねじ端に設けられている、歯科インプラントに関する。さらに、本発明は、歯科インプラントを含むキットに関する。
歯科インプラントは、歯及び/又は歯根が損傷又は罹患している場合に使用される人工歯根である。これらのインプラントは、螺旋状又は円筒形の設計を有しており、失った歯に代わって顎骨に埋め込まれる。インプラントは、骨と融合するため、原則的に患者自身の歯根と同じ機能を呈する。その後の治療過程において、インプラントを使用して、歯科補綴物であるクラウン又はブリッジを位置決めすることができる。
歯科インプラントの上部構造において、骨に挿入されるインプラント体と上部構造部とが区別されており、この上部構造部を用いて、クラウン又は補綴物用保持構造がインプラント体に取り付けられる。この場合、インプラント体及び上部構造部が分離している単部品インプラント又は多部品インプラントが区別される。しかしながら、歯科補綴物に対する結合部材(クラウン用の基台、補綴物の固定用の球頭アンカー)がインプラント体と単部品に加工されているインプラントシステムもある。
歯科インプラントは、およそ40年間にわたって歯科において使用されており、長年にわたり、様々な材料がこれらのインプラントの製造に特に有利であることが見出されている。そのため、例えば、セラミック製又は金属製のインプラントが使用されている。インプラントのうち、組織に挿入される部分は、高純度チタンから作製されるが、この理由は、二酸化チタンからなるその表面不動態化酸化層が特に生体適合性であるとともに骨とのしっかりとした結合を形成するからである。このようにして最適なオッセオインテグレーションを確実にすることができる。チタン製のインプラントは、生物学的に中性であり、喉又は口腔内でいかなるアレルギー反応又は異物反応も引き起こさない。
インプラント用の補綴物又はインプラント自体はセラミックから作製することもできるが、この場合は、酸化ジルコニウムセラミックが好ましい材料である。このセラミックインプラント又はセラミック補綴物は、高強度酸化ジルコニウムセラミックから作製され、高強度酸化ジルコニウムセラミックは、極めて高い破壊強度を有し、これまでの有効な経験によれば、高度に生体適合性でもある。さらに、高強度酸化ジルコニウムセラミックは、本来の歯の色(灰色ではなく白色)によりいっそう近似しているという利点を有しており、このことは、特に審美歯科において有利であり得る。
数多くのインプラント構造が従来技術に記載されている。例えば、独国特許出願公開第102009027044号が、一方が上部構造シャフト部分として、他方が歯根シャフト部分として設計されている2つのシャフト部分を有する、多部分から成る歯インプラントを開示している。シャフト部分は、インプラント−アバットメント連結によってともに接合されており、一方のシャフト部分が、他方のシャフト部分の対応する軸方向リセスに係合する軸方向突起を有するように設計されている。
さらに、国際公開第2007031562号が、歯根シャフト部分と上部構造シャフト部分との間の結合の幾何学的形状に基づき、2つの部材の結合が耐捩れ性であることを確実にする、多部分から成る歯インプラントを記載している。歯根シャフト部分の表面と上部構造シャフト部分の表面とが互いに接触することにより、向き合ったシール面間に規定距離が確保されることで、シール面間に配置されたシール部材の規定圧縮が引き起こされる。
歯科インプラントのアバットメント(上部構造の土台とも呼ばれる)が、保持ねじによってインプラントに適用される。顎骨内に埋め込まれるインプラントの傾斜位置は、アバットメントによって補正することができる。しかしながら、この場合、アバットメントねじ(保持ねじ)を締めるか又は緩めるときにアバットメント及びインプラントの捩れを防止するために、アバットメントがインプラントに対して耐捩れ性であるように設計されることを確実にする必要がある。アバットメントねじ(保持ねじ)はまた、しっかりと着座すべきであるが、この理由は、そうでなければ上部構造が緩む可能性があるからである。アバットメントは通常、アバットメントねじによってインプラントにねじ込まれ、トルクレンチを使用して規定トルクで締め付けられる。補助に使用されるねじドライバー工具及びアバットメントねじは、従来の六角ねじドライバー又は先端が平坦なねじドライバーである。ジョイント部品の形態で存在するか又は別個のユニットとして存在する、インプラント及びアバットメントが、従来技術において記載されている。そのようなインプラントシステムは、例えば、独国特許出願公開第10200600566号、独国特許出願公開第19803172号、独国特許出願公開第102006005147号又は欧州特許出願公開第0801544号に記載されている。
さらに、米国特許出願公開第2004/101808号が、インプラントが丸みを帯びた根尖側端を有する円錐(conical)形状を有するように、インプラントと上部構造との間に二重回転防止設計を有するインプラントシステムを記載している。米国特許第6,402,515号は、冠状(coronal)締結部と、骨内での歯科インプラントの融合を高める単純な漸大するねじ山とを有するインプラントを記載している。さらに、米国特許出願公開第2004/219488号は、二条ねじに続く、いわゆるマイクロねじ山を記載している。このマイクロねじ山は複数の小さな螺旋状溝を含んでいる。
国際公開第2004/098442号が、ねじのピッチの方向に延びる溝状リセスが比較的粗いねじと重なるとともにマイクロねじ山を形成して、歯科インプラントと骨組織との間の接触面積を増加させる、ねじ込み歯科インプラントを開示している。ねじ付きピン自体がこの場合、本質的に円筒形であり、ねじ山は漸大するようには設計されていない。
従来技術において開示されている歯科インプラントの1つの不利益は、それらの歯科インプラントが細菌に対して確実な障壁を形成せず、そのため、穴及び/又は顎骨又は口腔の様々な感染症の可能性が存在することである。さらに、インプラントの融合時間が非常に長い可能性があり(1段階アプローチ又は2段階アプローチ)、そのため、患者は、長時間にわたる、自身の生活の質の大幅な制限を覚悟せねばならない。
したがって、本発明が基礎としている課題は、従来技術の不利益又は欠点を有しない歯科インプラントを提供することである。
この課題は独立請求項によって解決される。有利な実施形態が従属請求項から得られる。
本発明は、最小限に円錐形であることが好ましい第1のねじ部及び円筒形である第2のねじ部を有する歯科インプラントであって、第1のねじ部は、丸みを帯びた根尖側端から始まって段階的に大きくなっている漸大するねじ山を有し、第2のねじ部は、漸大するねじ山につながる細目ねじ山を有する、歯科インプラントに関する。細目ねじ山のねじ端には周溝もあり、そのため、インプラントは、円錐形リセスに配置される六角穴付き頭を歯頚側端に有する。従来技術の不利益を有しないとともに顎骨内への長期持続的な統合を可能にする歯科インプラントを提供することができることは、全く驚くべきことであった。第1のねじ部は、最小限に円錐形であるように設計されることが好ましく、そのため、円錐形部分が最小限に抑えられることによって、歯根の形状を模し、これがさらに、インプラントの導入を大幅に単純化する。インプラントは、種々の長さ、特に、3mm〜20mm、好ましくは5mm〜18mm、特に好ましくは5mm〜15mmに設計されることが好ましいものとすることができる。インプラントの直径もまた様々に設計することができ、1mm〜10mm、好ましくは2mm〜8mm、特に好ましくは3mm〜6mmの直径が有利である。顎骨に容易にねじ込まれるインプラントを提供することができることもまた、全く驚くべきことであった。
上記インプラントは歯科補綴物を受け止める(receive)機能を果たし、これによって例えば咀嚼機能を回復することができる。顎骨の骨ポケット内にインプラントを最適に取り付けることを可能にするために、上記インプラントには、根尖側端において漸大しているねじ山が設けられている。漸大するねじ山は、マイクロねじ山又は細目ねじ山につながるように根尖側端から歯頚側端に向かって大きくなっている多条ねじ(例えば、二条の自己切削ねじ)であることが好ましい。細目ねじ山もまた、多条ねじ(例えば、三条のねじ)として具現することができる。
米国特許第6,402,515号から既に知られている漸大するねじ山は、インプラントの丸みを帯びた根尖側端から段階的に大きくなっており、骨内での歯科インプラントの融合を著しく高めている。特に根尖側方向に連続的に増加しているねじ山深さにより、負荷の適用が、より可縮性の海綿状骨質にシフトする。さらに、ねじ山の底部輪郭もまた、横力を完全に骨内へガイドし、したがって、皮質骨の最適な負荷軽減に役立つことが見出されている。円錐形状に設計されている漸大する第1のねじ部は、0.001度〜10度の円錐度(conicity)を有することが好ましい。円錐形の第1のねじ部の長さは、好ましくは1mm〜10mm、好ましくは2.5mm〜7.5mm、特に好ましくは4mm〜5mmである。
これらの技術的設計に起因して、1つのタイプだけのインプラントを使用して全ての治療インプラント指標をカバーするとともに、種々の骨状態下で密着する骨とインプラントとの高まった一次安定性を達成することが可能である。理想的な一次安定性により、一次安定性から二次安定性への、またその後の最終的なオッセオインテグレーションへの移行段階時にインプラントが動く危険性が減るため、癒合に関するリスクがこのインプラントによって減ることは、全く驚くべきことであった。
上記インプラントはまた、漸大するねじ山の後に継ぎ目なく続く細目ねじ山を有する。細目ねじ山が存在する第2のねじ部は円筒形設計を有する。本発明の意味における細目ねじ山は、特に、第1のねじ部のねじ山よりも小さなねじ山輪郭を有するねじ山を示している。細目ねじ山は特により小さなねじピッチを有する。特にメートルねじの場合、ねじのピッチはねじ山深さを指す、すなわち、ねじ軸に沿った2つのねじ段間の距離、すなわち、換言すれば、ねじの一回転によって進む軸方向距離を指す。驚くべきことに、細目ねじ山としての第2のねじ部の円筒形設計により、骨の融合が高まるとともに骨の吸収も防止され、それによって、インプラントの歯頚側端における結合組織の成長が促されることが見出された。皮質骨は、多くの場合に結果として骨の破壊を生じるリモデリングプロセスによる、インプラント体におけるストレスピークに強く反応する。インプラントの漸大する多条ねじは具体的には、インプラントの歯頚側領域において、細目ねじ山、特に三条の多条ねじ(三条ねじとも呼ばれる)になっている。この設計により緻密骨の部位においてより大きな表面積がもたらされること、また、力がインプラントから骨に均一に伝わることは、全く驚くべきことであった。これにより、リモデリングプロセスが阻止され、骨が安定したままとなる。緻密骨は、特に、骨の外側境界層(緻密骨、緻密質)を指し、この外側境界層は骨梁になっており、外側が骨膜によって覆われている。
しかしながら、漸大する多条ねじにより一次安定性が高まり、これは、歯科インプラントにかかる連続負荷及び/又は早期負荷にとって特に重要である。インプラントの一次安定性は、迅速なオッセオインテグレーションにとって、また、多くの場合、首尾よいその後のオッセオインテグレーションにとっても重要な判定基準である。円錐形のインプラントに加えて、骨組織内での優れた均一な固着が、漸大するねじ山によって達成される。漸大するねじ山設計により、ねじ山の厚さは頂部に向かって増している。癒合プロセスが力の調和した均一な分散によって速まり、このため、インプラントに即時負荷を行うことが可能になることは、全く驚くべきことであった。漸大するねじ山に起因して、挿入されたインプラントの微小移動もまた大幅に防止され、そのため、その癒合及び骨の統合が促進される。第2のねじ部とは対照的に、第1のねじ部は円錐形状を有しており、第1のねじ部が真っ直ぐなキャビティにねじ込まれたときに、この円錐形状により、円筒形状に比べてその一次安定性が著しく増し、そのため、歯頚側領域内に完全な適合がもたらされる。
関連技術において開示されているインプラントの場合、高い一次安定性は通常、円錐形のインプラント体によって達成されるが、これらのインプラント体は、様々な骨構造において力の不適切な分布をもたらす。本発明によるインプラントの場合、それぞれの骨構造に適した形状同士が互いに接合する。予測可能に圧縮することができるこの海綿状組織では、インプラント(インプラントの第1のねじ部)は円錐形であり、一方、(第2のねじ部における)歯頚側領域ではインプラントは円筒形である。インプラントの設計に起因して作用力が様々な骨組織に導入されること、また、in situの骨が温存されることは、全く驚くべきことであった。
この歯科インプラントは、根尖側端が丸みを帯びていることが好ましく、この根尖側端により、インプラントにねじ込む際に解剖学的構造(例えば、洞底、鼻底、下顎神経又は粘膜)が外傷を受けることが防止される。
歯科インプラントは、円錐形リセスに配置される六角穴付き頭を歯頚側端に有する。六角穴付き頭により、対応する保持ねじによって、上部構造をインプラントに接続することができる。そのような上部構造と、上部構造を締結する手段とが、例えば、国際公開第2007/022655号及び国際公開第2007/022654号に記載されている。
上部構造は、六角頭ねじとして設計されている接続部を有することが好ましく、この接続部もまた円錐形であり、完全嵌合によりリセスに挿入されることが好ましい。上部構造を締結する機能を果たす保持ねじが上部構造内に延びており、したがって、上部構造を歯科インプラントにねじ込むことができる。ここでは保持ねじにある肩部が上部構造の肩部上に支持されることが好ましく、そのため、保持ねじがねじ込まれる際に上部構造及び歯科インプラントが締め付けられて固定される。
上部構造はまた、溝付きに設計することができ、これらの溝により、様々な部分にスナップオン技術を用いることが可能になる。例えば、仮のクラウン又はインプレッションは、スナップオン技術によって容易に固定することができる。
上部構造に対する安定した結合が特にインプラントの歯頚側端側の円錐形リセスに起因して確立されることは、全く驚くべきことであった。上部構造は、容易に、任意の他の工具を使用することなく、リセスに挿入することができる。さらに、インプラントと上部構造との間の冷間溶接が特に円錐形リセスに起因して達成される。本発明の意味における冷間溶接は、同じ材料からなる主に金属加工物を室温でともに接合することができる作業を特に指し、そのため、この結合は「通常の」溶接の結合と非常に近似している。冷間溶接を用いる根拠は、インプラントのリセスと上部構造の外側との間の接触表面が、摩擦が最も極度に限定的である結果、接触部のいかなる動きも防止する機械的抵抗(摩擦)をもたらすことである。インプラント及び上部構造の材料の高品質、好ましくは滑らかな表面に起因して、非常に多くの金属原子が2つの界面において接触し、互いの間さえもの引き合う力がそれらを結合させて安定した原子格子を形成する。
この密接結合に起因して以下の2つの利点が達成される:
第1に、微量の液体、すなわち、微細菌の侵入の危険性が減ること(そうでなければ、微細菌は通常、微小亀裂を通じて、また、唾液の毛管作用により、インプラント体に浸透するであろう)、また、第2に、インプラント上部構造とインプラントとの間の微小移動の危険性が減ることである。
これらの利点により、いわゆるポンプ作用(微小移動)に起因して、細菌が栄養分の一定供給を有する危険性が減る。そうでなければ、細菌は、代謝プロセスにおいて永久的に毒素を分泌する。これらの毒素は、強い口臭を引き起こすとともに、歯肉及び骨において炎症プロセスを引き起こし、また、インプラント周囲炎の部分的な原因となり、及び/又はインプラント周囲炎を誘発する可能性がある。
漸大するねじ山は、円錐ねじになる別個の円筒形の細目ねじ山を有することが有利である。驚くべきことに細菌の侵入及び感染の発症を防止することができる周溝が、細目ねじ山のねじ端にある。周溝は、本発明の意味においてねじ端強化材とも呼ぶことができる。インプラントの想定される破壊作用及び弱化の危険性をねじ端の強化により防止することができることは、全く驚くべきことであった。ねじ端強化材は、移行部におけるインプラント歯頚側端から内部円錐まで好ましい距離でねじ端にもたらされ、インプラント上部構造応力の機械的強化に寄与し、特に余分な軸方向応力の場合にインプラントに作用する咀嚼力に起因する、インプラントに対する損傷を防止することが可能になる。
さらに、これにより、インプラントと上部構造との間の微小移動が防止される。一方で、これにより、正確な印象をとることが可能になるとともに、その後のケア及び治療における精度も増し、その一方で、これにより、インプラントの上部構造の長期安定性が確保される。特に周溝に起因して、インプラントの使用継続時間を著しく長くすることができることは、全く驚くべきことであった。さらに、周溝は、インプラント及び/又はインプラントの周囲の骨組織を微生物感染から有効に保護する。
インプラントはチタンから作製されることが好ましい。本発明に意味において、チタンは、周期表4族に属する金属元素である。インプラントは、冷間加工したチタン(特に純チタン)4種から作製されることが好ましい。純チタンは、生物学的に中性であるとともにアレルギー反応又は異物反応を引き起こさないことが見出されている。このことは、チタンが骨と直接分子結合することに特に起因し、これは他の材料には当てはまらない。さらに、チタンの生体不活性特性と、骨へのインプラントの迅速な統合とを、チタン表面を粗くすることによって高めることができることが見出されている。表面は、エッチング及び/又はサンドブラスト処理することができることが好ましい。インプラントの表面は、酸化ジルコニウムによって完全にブラスト処理するとともに酸腐食させることが好ましい。シミュレート体液を用いた実験において、インプラント表面上へのバイオアパタイト(リン酸カルシウム)の付着が立証されている。これは、結合においてその後の緊密な固着の観点から好ましい材料の高い生体適合性を示す。
チタンの表面は、表面処理によって著しく拡大しており、インプラント上への骨形成原細胞の付着が増加することによって最適なオッセオインテグレーションが達成される。周囲の骨とのインプラントの統合及び/又は均質かつ安定した結合は、このようにして、考えられ得る最短の時間量で達成することができる。0.5Ra〜5.0Ra、好ましくは1.0Ra〜4.0Ra、特に好ましくは1.6Ra〜3.2Raの表面粗さが特に好ましいことが見出されている。好ましい粗さが、インプラントに対する骨組織の統合及び/又は結合を高めるだけでなく、成長因子、又は、表面に対する融合を高める他の作用物質を適用することを可能にすることは、全く驚くべきことであった。例えば、表面は、生体学的に活性な分子が適用されるナノ構造を有することができる。これらは抗菌性効果も有することができ、そのため、感染を防止することができる。マイクロ粗さ及びナノ粗さ構造化インプラント表面は、インプラント体のオッセオインテグレーションを高めるとともに促進させるため、特に好ましい。骨細胞の付着のための理想的な表面幾何形状は、表面の好ましい構造化により提供することができる。同時に、骨芽細胞が表面上に定着する際に導かれる(骨伝導(osseoconduction))。通常、このようにしてインプラントの水平な肩部表面が骨基質によって囲まれることさえも可能であり、そのため、軟質組織が支持され、インプラントの予測可能性が促される。
ここ数年のうちに、埋込みの予測可能性に関して、生物学的幅径を考慮することが望ましいことが見出されている。インプラントの生物学的幅径は1.9mm〜2.8mmであることが好ましい。好ましいインプラントの生物学的幅径は、インプラントの隆線下挿入における本来の歯槽骨膜の生物学的幅径と同じである。細菌に対する最適な自然の保護障壁がこのようにして形成されることは、全く驚くべきことであった。さらに、これにより、インプラント周囲炎に対して有効な保護も達成される。インプラントの歯頚側端における結合組織被膜の生物学的幅径は、従来技術において約1.5mm〜3.5mmに及ぶ。好ましい生物学的幅径は、軟質組織の生物学的幅径を考慮するものであり、これには審美的かつ機能的な観点から実質的な利点が伴う。本発明の意味における生物学的幅径は、骨境界線とインプラントの縁又は上部構造の縁との間の距離を特に示す。
好ましい実施形態では、上部構造を伴っていない歯科インプラントが適所に融合すべきであることが有利である場合があり、そのため、その開口を閉じることが有利である。そのようにするために、例えば、六角皿頭及びねじ山を有するロックねじを用いることができ、このロックねじが歯科インプラントのねじに挿入される。これにより、インプラントをしっかりと閉鎖して特に汚染を防止することが可能になる。
インプラントが根尖側端に切削溝を有することが好ましい。インプラントは、少なくとも1つ、特に2つの切削溝を有することが好ましく、この切削溝は、骨を受けて回転に対して骨を固定する機能を果たす。切削溝は、骨の削り屑のための逃げ溝として機能することが好ましい。さらに、特に二条の自己切削ねじを使用することによってねじ切り装置の使用を排除することに起因して、切削溝により、短縮した作業時間を達成することができる。インプラントは容易かつ好都合に最終位置にねじ込まれ、さらに必要とされるものはなく、これにより、インプラント術者の作業が大幅に単純化する。
歯頚側端におけるリセスが、20度〜40度、好ましくは25度〜35度、特に好ましくは29度〜31度の円錐度を有することが好ましい。驚くべきことに、歯科インプラントと上部構造との特に安定したプレス嵌めを20度〜40度の円錐度によって達成することができることが見出された。インプラント又は上部構造の揺動とインプラント又は上部構造に対する損傷とを、これらの2つの部材の最適な嵌合により特に良好に防止することができる。
好ましい円錐度に起因して、上部構造とインプラントとの間の複雑かつ特別な結合部材を回避することも可能である。これは、インプラントのコストを減らすだけでなく、そのサイズも縮小し、この縮小がさらに、周囲の骨組織の融合を大幅に速める。このインプラントは、円錐度と、複雑な結合部材がないことに起因して、様々な上部構造に汎用することができる。さらに、実験によれば、25度〜35度の円錐度を有することによって、結合部が最適にシールされて微細生物の侵入を防止し、このため、感染を防止することが可能になることが示されている。さらに、インプラントを大量生産プロセスによって製造することができるとともに材料廃棄物がほとんどないことから、29度〜31度の円錐度が特に有利である。好ましい円錐度に起因して、インプラントは、歯の寸法をシミュレートすることができることから骨内へのインプラントの融合を速める材料厚を有する。さらに、インプラントは、結果として生じる圧力に対する感度が低く、そのため、長期の耐用年数が確保される。インプラントの歯頚側端のリセスが30度±0.4度(0.01度〜10度、好ましくは0.2度〜8度、特に好ましくは0.5度〜7度)の円錐度を有することも好ましい。
この円錐角の構成は、患者の口内におけるインプラント上部構造の早期の試行段階であっても、急峻な円錐角が円錐形のセルフロック作用を既に有しているため、より急峻な円錐角と比較して、インプレッションポストにも当てはまるように、これらの人工装具を用いて患者を治療する歯科医に通常の不利益を与えないことから有利である。そうでなければ、これらの不利益により、患者にとって不快であるとともに、治療中の歯科医にとって、非常に多大な努力及びコスト集約的な、時間を消費する労力に関連付けられる、インプラントにおける上部構造部の望ましくない妨害が生じる。これらの不利益は、インプラントの好ましい実施形態によって解消することができる。
好ましい円錐角によりこれを防止し、この好ましい円錐角は、特に円錐形のセルフロック作用が、患者の口内にインプラント上部構造を再位置決めした後でしか達成されず、また、最終的に、人工ねじをNcmの所定トルクで締め付けた後でしか達成されないように選択される。
好ましい実施形態では、面取りされた内向き表面が、歯頚側端側に向かって細目ねじ山の後に続いている。このようにして、骨の融合を高めるとともにその吸収を防止することができる。
さらに、本発明は、歯科インプラントと、インプレッションポストと、インプレッションねじと、カバーねじとを含む、歯科インプラントキットに関する。カバーねじは、癒合段階時にインプラントを覆う機能を有する。インプラントポストは特に、口内の口腔状態のネガ印象をとる機能を果たし、したがって、正確なインプレッションを作製することを可能にする。これはインプラントねじと併せてしかインプラント内で用いることができない。インプレッションポストはまた、短い六角頭に起因して末広がり自立型インプラントとともに用いることができることが有利である。
ここで本発明を例として以下で示すが、本発明はそれらの例に限定されない。
インプラントの側面図である。 インプラントの断面図である。 インプラントの上面図である。 漸大するねじ山の図である。 細目ねじ山の図である。 周溝の拡大図である。
図中の特徴部は全て、本明細書において示されている好ましい装具に関して開示されているとともに特許請求の範囲に記載されているだけでなく、個々の特徴部としても開示されている。図によるこれらの開示されている特徴部は、ポジ及びネガ双方の特徴部とすることができる。したがって、本明細書に記載されている、図中の各個々の特徴部(ポジ及びネガの特徴部)、又は図の説明において開示されている各特徴部は、特許請求の範囲の記載の他の好ましい特徴部と組み合わせ可能なものとして開示されている。
図1はインプラントの側面図を示し、図2はインプラントの断面図を示し、図3はインプラントを上から見た図を示す。インプラント1が、純チタン(例えば、冷間加工したチタン4種)から作製されるとともに丸みを帯びた根尖側端2を有することが好ましい。根尖側端2上に構成されている漸大するねじ山3Aを有する第1のねじ部3の後に、細目ねじ山5A(マイクロねじ山とも呼ばれる)を有する第2のねじ部5が続いている。第1のねじ部3は特に最小限の円錐度を有しており、第2のねじ部5は円筒形であるように設計されている。この例示的な実施形態では、漸大するねじ山3Aは二条の自己切削ねじであり、この二条ねじは、根尖側端2から、細目ねじ山5A(例えば、三条の多条ねじ)が続いている他方の歯頚側端4に向かって大きくなっていることが好ましい。歯頚側端4側で、細目ねじ山5Aが周溝6につながっている。第1のねじ部3はまた、根尖側端2に向かってテーパーになっている円錐形状を有しており、そのため、インプラント1の一次安定性が増す。さらに、インプラント1が導入される顎骨に対する連結が、第2のねじ部5の円筒形状によって高まる。インプラントはまた、切削溝7、例えば、結果として生じる骨の削り屑の逃げ溝としての機能も果たす2つの溝を根尖側領域2に有する。図2はまた、インプラントが、ねじが連結されることが好ましい内腔10を有する円錐形リセス9に配置される六角穴付き頭8を歯頚側端4に有することを示す。これは、インプラントが特にねじ付き内腔10を有することが好ましいことを意味する。特に円錐形リセス9に起因して、保持ねじ又は上部構造の単純な締結が可能である。
図4及び図5は、第1のねじ部及び第2のねじ部のねじの詳細を示す。円錐形設計を有する第1のねじ部は漸大するねじ山3Aを有しており、この漸大するねじ山3Aは例えば三条の多条ねじとすることができる。しかしながら、漸大するねじ山3Aにつながる、第2のねじ部のねじは、細目ねじ山5Aであり、この細目ねじ山5Aも二条ねじとすることができる。
図6は、周溝の拡大を示す。驚くべきことに顎骨内の内腔に細菌が侵入することを防止する周溝6が、インプラント1の歯頚側端4に位置している。内向き面取り部11が歯頚側端4の細目ねじ山5Aにつながる場合が有利であり得る。しかしながら、インプラント1の融合を大幅に速めることができ、危険な感染も同様にこの面取り部に起因した溝によって防止することができる。
図は、本発明の好ましい実施形態を示し、そこに示されている特徴部は、本発明の他の実施形態と組み合わせることもできる。
1 インプラント
2 根尖側端
3 第1のねじ部
3A 漸大するねじ山
4 歯頚側端
5 第2のねじ部
5A 細目ねじ山
6 周溝/ねじ端強化材
7 切削溝
8 六角穴付き頭
9 リセス
10 内腔
11 面取り部

Claims (10)

  1. 円錐形の第1のねじ部(3)及び円筒形の第2のねじ部(5)を有する、歯科インプラントであって、前記第1のねじ部(3)は、丸みを帯びた根尖側端(2)から始まって段階的に大きくなっている漸大するねじ山(3A)を有し、前記第2のねじ部(5)は、前記漸大するねじ山(3A)につながる細目ねじ山(5A)を有し、該細目ねじ山(5A)のねじ端には周溝(6)があり、該インプラント(1)は、円錐形リセス(9)に配置される六角穴付き頭(8)を歯頚側端(4)に有する、歯科インプラント。
  2. 請求項1に記載の歯科インプラントであって、該インプラント(1)はチタンから作製される、請求項1に記載の歯科インプラント。
  3. 請求項1又は2に記載の歯科インプラントであって、該インプラント(1)の表面はエッチング及び/又はサンドブラスト処理される、請求項1又は2に記載の歯科インプラント。
  4. 表面の粗さは、0.5Ra〜4.0Ra、若しくは1.0Ra〜4.0Ra、若しくは1.6Ra〜3.2Raに及ぶ、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科インプラントであって、該インプラント(1)の生物学的幅径は1.9mm〜2.8mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科インプラントであって、該インプラント(1)は前記根尖側端(2)に切削溝(7)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  7. 前記歯頚側端の前記リセスは、20度〜40度、若しくは25度〜35度、若しくは29度〜31度の円錐度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  8. 内向き面取り部(11)が、前記歯頚側端(4)側に向かって前記細目ねじ山(5A)の後に続く、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科インプラントであって、該インプラントはねじ付き内腔(10)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科インプラント。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯科インプラントと、インプレッションポストと、インプレッションねじと、カバーねじとを含む、歯科インプラントキット。
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