JP2014533763A - 熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施形態において、グラフトアクリル系共重合体(A);芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B);およびポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)を含む、熱可塑性樹脂を提供する。前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、5〜25重量%のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含むことができる。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた成形品に関するものである。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂は、耐衝撃性および加工性に優れており、機械的強度、熱変形温度、光沢度などが良好で、電気・電子部品、事務用機器などに広範囲に使用されている。しかし、LCD、PDPテレビ、オーディオなどのような高級家電用ハウジングに使用される場合、射出成形や使用中にスクラッチが発生しやすく、また、高級質感のカラーの発現が困難で、製品価値が低下する問題がある。
これを解決するために、ABS樹脂の射出品の表面にウレタンなどで塗装を含めたUVコーティング処理をしたり、スクラッチ特性に優れたアクリル系樹脂をコーティングしたりしてきた。しかし、このような作業は、追加的な後加工工程の追加により、作業の複雑性や不良率の増加などの生産性が低下する問題と、塗装による環境汚染問題が伴っている。
耐候性に優れるASA樹脂は、建築資材用、自動車外装用途などに多様に使用される汎用性樹脂であるものの、耐スクラッチ特性に優れておらず、これと共に、不透明な樹脂の特性により着色性の限界を持つ。
一方、ABS/PMMA樹脂は、透明性に優れていて、高着色、高光沢のカラー感の発現や、PMMA処方による高い耐スクラッチ特性により無塗装用途の家電ハウジングに使用できるが、耐候性が低下するという欠点がある。
本発明の一実施形態は、耐候性および耐スクラッチ特性に優れる透明な熱可塑性樹脂組成物を提供する。
本発明の他の実施形態は、前記熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品を提供する。
本発明の一実施形態は、グラフトアクリル系共重合体(A);芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B);およびポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)を含み、前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、5〜25重量%のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含む、熱可塑性樹脂組成物を提供する。
前記熱可塑性樹脂組成物は、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)50〜200重量部を含むことができる。
前記熱可塑性樹脂組成物は、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、前記ポリアルキル(メタ)アクリレート(C)50〜300重量部を含むことができる。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)および前記ポリアルキル(メタ)アクリレート(C)の含有量の比は、6:4〜3:7であってもよい。
前記グラフトアクリル系共重合体(A)は、アクリル系ゴム状重合体に、前記芳香族ビニル系単量体、前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体またはこれらの組み合わせがグラフト重合された共重合体、またはこれらの2種以上の組み合わせであってもよい。
前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体は、シアン化ビニル化合物を含み、該シアン化ビニル化合物は、前記アクリル系ゴム状重合体にグラフト重合される単量体総量中、20〜30重量%の含有量で含むことができる。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合体、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体、またはスチレン、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体であってもよい。
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)は、C1〜C10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであって、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはこれらの組み合わせの重合体であってもよい。
前記熱可塑性樹脂組成物は、染料、顔料、難燃剤、充填剤、安定剤、滑剤、抗菌剤、離型剤またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことができる。
本発明の他の実施形態は、前記熱可塑性樹脂組成物を用いて製造された、成形品を提供する。
前記成形品は、ASTM D1003の基準によるヘイズ(haze)値が5〜20であってもよい。
その他の本発明の態様の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
本発明によれば、前記熱可塑性樹脂組成物は、耐候性および耐スクラッチ特性に優れ、かつ、高い透明特性を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、これは例として提示されるものであり、これによって本発明が制限されるわけではなく、本発明は後述する特許請求の範囲の範疇によってのみ定義される。
本明細書において、特別な言及がない限り、「置換」とは、化合物中の水素原子が、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C2〜C20のアルキニル基、C1〜C20のアルコキシ基、C6〜C30のアリール基、C6〜C30のアリールオキシ基、C3〜C30のシクロアルキル基、C3〜C30のシクロアルケニル基、C3〜C30のシクロアルキニル基、またはこれらの組み合わせの置換基で置換されることを意味する。
本明細書において、特別な言及がない限り、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の両方を含むことを意味する。また、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、「アクリル酸アルキルエステル」および「メタクリル酸アルキルエステル」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステル」および「メタクリル酸エステル」の両方を含むことを意味する。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、(A)グラフトアクリル系共重合体、(B)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体、および(C)ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂を含む。前記熱可塑性樹脂組成物は、グラフトアクリル系共重合体を含む汎用樹脂組成物であって、建築資材用、自動車用外装用などの多様な用途への適用が容易であると共に、透明性を確保し、耐スクラッチ特性を向上させたものである。以下、前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる各成分について、具体的に説明する。
(A)グラフトアクリル系共重合体
前記グラフトアクリル系共重合体(A)は、アクリル系ゴム状重合体に、芳香族ビニル系単量体および/または前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体をグラフト重合させた共重合体である。好ましくは、前記アクリル系ゴム状重合体がコアを形成し、前記芳香族ビニル系単量体および/または前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体が前記コアにグラフト重合されながらシェルを形成し、前記グラフトアクリル系共重合体(A)はコア−シェル構造を形成することができる。
前記アクリル系ゴム状重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸エステルまたはこれらの組み合わせなどを含んで重合されたものであってもよい。前記アルキルは、C1〜C10のアルキルであってもよい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、前記(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリレートなどのアクリル系単量体が挙げられるが、これらに限定されない。
前記アクリル系ゴム状重合体は、実現しようとする物性によって、単一層、二重層またはこれらの組み合わせを含むコア構造を有することができる。具体的には、前記アクリル系ゴム状重合体は、前記アクリル系単量体を含む単一層のゴムコアを含むことができる。または、前記アクリル系ゴム状重合体は、前記アクリル系単量体および芳香族ビニル化合物を含む内部層と、前記アクリル系単量体を含む外部層とを有する二重層のゴムコアを含むことができる。二重層のゴムコアを使用することで、耐候性、耐衝撃性などを維持しながら、着色性と光沢性をより向上させることができ、例えば、光学特性の側面で優れた効果を得るために、アクリル系単量体およびビニル化合物を含む内部層を有する二重層のゴムコアを含むアクリル系ゴム状重合体を使用することができる。
前述のように、前記二重層のゴムコアは、内部層と外部層とから構成できる。例えば、前記内部層は、アクリル酸アルキルエステル化合物および芳香族ビニル化合物を含み、前記外部層は、アクリル酸アルキルエステル化合物を含む。
前記アクリル酸アルキルエステル化合物は、C1〜C10のアルキルアクリレートであってもよく、例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレートなど、またはこれらの組み合わせを使用することができる。
前記芳香族ビニル化合物は、スチレン、C1〜C10のアルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレンなど、またはこれらの組み合わせを使用することができる。前記アルキル置換スチレンの例としては、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
前記内部層は、具体的には、前記アクリル酸アルキルエステル化合物および前記芳香族ビニル化合物の共重合体であってもよい。前記内部層のアクリル酸アルキルエステル化合物および芳香族ビニル化合物の重量比が95:5〜80:20であってもよく、この範囲の重量比で含まれると、所定の用途に適した耐候性、耐衝撃性、光沢および着色性の側面の性能の組み合わせを得ることができる。
他の実施形態において、前記内部層および外部層の重量比は、20:80〜70:30であってもよい。前記範囲の重量比であれば、所定の用途に適した物性バランスを得ることができる。
前記アクリル系ゴム状重合体は、前記単一層のゴムコアを含むアクリル系共重合体と、前記二重層のゴムコアを含むアクリル系共重合体とを混合して使用することもできる。例えば、前記単一層のゴムコアを含むアクリル系共重合体および前記二重層のゴムコアを含むアクリル系共重合体は、20:80〜80:20の重量比で混合されてもよく、25:75〜75:25の重量比で混合されると好ましい。前記比率範囲内で混合されると、アクリル系熱可塑性樹脂組成物は着色性に優れる。
前記アクリル系ゴム状重合体にグラフト重合される単量体は、芳香族ビニル系単量体および/または前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体を含む。前述のように、好ましくは、前記芳香族ビニル系単量体および/または前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体は、前記アクリル系ゴム状重合体にグラフト重合されてシェルを形成することができる。
前記芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、C1〜C10のアルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレンなど、またはこれらの組み合わせを使用することができる。前記アルキル置換スチレンの例としては、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体として、シアン化ビニル化合物、ヘテロ環化合物などが用いられる。
前記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなど、またはこれらの組み合わせが用いられる。
前記ヘテロ環化合物としては、無水マレイン酸、アルキルまたはフェニルN−置換マレイミドなど、またはこれらの組み合わせが用いられる。
前記芳香族ビニル系単量体および/または前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体として、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、ヘテロ環化合物など、またはこれらの組み合わせを使用することができ、これらのうち、好ましくは、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物の混合物または共重合体を使用することができる。前記芳香族ビニル化合物および前記シアン化ビニル化合物は、60〜90重量%および10〜40重量%になると好ましい。例えば、前記アクリル系ゴム状重合体にグラフト重合される単量体総量中、前記シアン化ビニル化合物の含有量が20〜30重量%であると好ましい。
前記グラフトアクリル系共重合体(A)は、コア構造を形成できるアクリル系ゴム状重合体70〜30重量%、およびシェル構造を形成できるグラフト重合可能な重合体30〜70重量%を含むことができ、具体的には60〜40重量%のゴムコアおよび40〜60重量%のシェルを含むグラフトアクリル系共重合体(A)であってもよい。前記グラフトアクリル系共重合体(A)が前記含有量範囲内となると、前記熱可塑性樹脂組成物は着色性に優れる。
前記ゴムの平均粒径は、0.07〜0.30umであってもよい。前記アクリル系ゴム状重合体は、ゴムの平均粒径と異なるアクリル系ゴム状重合体を混合したバイモーダル(bi−modal)形態で使用されてもよい。例えば、ゴムの平均粒径0.4〜0.7μmの大粒径のアクリル系ゴム状重合体と、ゴムの平均粒径0.1〜0.3μmの小粒径のアクリル系ゴム状重合体とを混合して使用することができる。このように、大粒径/小粒径のアクリル系ゴム状重合体が混在したバイモーダル(bi−modal)形態で使用すると、大粒径のゴム粒子は衝撃を直接的に吸収する役割を果たし、小粒径のゴム粒子は大粒径ゴムの間ごとに衝撃を分散させる役割を果たすことで、ゴムの粒径を1つの種類でのみ使用するユニモーダル(uni−modal)タイプに比べて、実用的な衝撃を改善することができる。
前記グラフトアクリル系共重合体(A)は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊状重合の方法で製造できる。
(B)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物の共重合体である。
前記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、C1〜C10のアルキル置換スチレン、ハロゲン置換スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンまたはこれらの組み合わせを使用することができる。前記アルキル置換スチレンの具体例としては、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどが挙げられる。
前記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルまたはこれらの組み合わせが用いられる。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)の具体例としては、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合体;α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体;またはスチレン、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体が挙げられ、好ましくは、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合体が挙げられる。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、芳香族ビニル系化合物およびシアン化ビニル系化合物と共に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをさらに含んで重合されたものであってもよい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素原子数1〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレートなど、またはこれらの組み合わせが使用可能であるが、これらに制限されるわけではない。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)内に含まれているシアン化ビニル化合物から誘導されるユニット(unit)の含有量を比較的に低下させて、透明性の特性を実現することができるが、耐薬品性などの他の物性の側面と相補的な関係(trade−off)にあるため、適当な含有量範囲で含まれなければならない。前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、5〜25重量%のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含むことができる。例えば、前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体は、15〜20重量%のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含むことができる。前記範囲を満足するシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含む熱可塑性樹脂組成物は、全体含有量中、シアン化ビニル化合物から誘導されるユニットの含有量が比較的に低く含まれることによって、透明性の特性を確保することができる。例えば、前記範囲を満足する含有量のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含む芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)を含む熱可塑性樹脂組成物は、5〜20のヘイズ(haze)値を有するように実現できる。
前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、重量平均分子量が60,000〜150,000の範囲を有することができる。
前記熱可塑性樹脂組成物は、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、50〜200重量部の含有量の芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)を含むことができる。
(C)ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)は、加水分解に強く、熱可塑性樹脂組成物の耐スクラッチ性を向上させることができる。
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)は、アルキル(メタ)アクリレートを含む原料単量体を、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などの公知の重合法によって重合して得られる。
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)の単量体であるアルキル(メタ)アクリレートは、C1〜C10のアルキル基を有するものであって、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
この時、前記アルキル(メタ)アクリレートは、前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)の総量に対して、50重量%以上含まれると好ましく、具体的には80〜99重量%で含まれると好ましい。前記含有量で含まれると、得られる成形品の耐熱性が向上され、前述したグラフトアクリル系共重合体(A)および芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)との分子間相互作用が増加して親和性が向上されるため、耐加水分解性および耐スクラッチ性が改善される。
前記原料単量体は、前記アルキル(メタ)アクリレートのほか、ビニル系単量体をさらに含むことができる。前記ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル単量体などを使用することができ、これらを単独または混合して使用することができる。
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)は、重量平均分子量が10,000〜200,000g/molの範囲を有することができ、具体的には15,000〜150,000g/molの範囲を有することができる。ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)の重量平均分子量が前記範囲内の場合、前述したグラフトアクリル系共重合体(A)および芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)との相溶性に優れ、耐加水分解性、耐スクラッチ性、加工性などに優れる。
前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)との含有量の比を調節し、前記熱可塑性樹脂組成物の透明性の特性を維持しながら、耐スクラッチ特性および耐候性のバランスを調節することができる。例えば、前記熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)およびポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)の重量比は、6:4〜3:7であることができ、好ましくは6:4〜4:6である。
前記熱可塑性樹脂組成物は、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、50〜300重量部の含有量でポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂を含むことができる。ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂を前記範囲以内で使用すると、加工性、耐加水分解性、耐スクラッチ性などに優れる。
(D)その他の添加剤
前記熱可塑性樹脂組成物は、射出成形性および物性バランスなどをさらに付与するために、追加的な添加剤(D)をさらに含むことができる。
例えば、前記熱可塑性樹脂組成物は、染料、顔料、難燃剤、充填剤、安定剤、滑剤、抗菌剤、離型剤などの添加剤をさらに含むことができ、これらは単独または2種以上を混合して使用可能である。
前記添加剤(D)は、前記熱可塑性樹脂組成物の物性を阻害しない範囲内で適切に含まれるとよく、具体的には、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、40重量部以下で含まれてもよく、より具体的には0.1〜30重量部で含まれると好ましい。
以上、前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる各構成成分について説明し、各構成成分の例示的な含有量を記載したが、最終的に実現しようとする熱可塑性樹脂組成物の物性によって、各構成成分の内在的な固有の特徴を考慮して適切に加減した含有量によって、熱可塑性樹脂組成物を実現することができる。
前記熱可塑性樹脂組成物は、樹脂組成物を製造する公知の方法で製造することができる。例えば、一実施形態にかかる構成成分とその他の添加剤を同時に混合した後に、押出機内で溶融押出して、ペレット形態で製造することができる。
他の実施形態によれば、前述した熱可塑性樹脂組成物を成形して製造した成形品を提供する。前記成形品は、具体的には、機械的物性、熱的特性および成形性が要求される、サイズが大きいか、複雑な構造であるか、厚さの薄い成形品が挙げられ、より具体的には、自動車外装材などが挙げられる。
以下、本発明の好ましい実施例を記載する。ただし、下記の実施例は本発明の好ましい一実施形態に過ぎず、本発明が下記の実施例によって限定されるものではない。
下記の実施例の熱可塑性樹脂組成物の製造に使用される各構成成分は次の通りである。
(A−1)グラフトアクリル系共重合体:
ブチルアクリレートおよびスチレンが共重合された内部コアと、ブチルアクリレートゴムからなる外部コアとで構成された二重コア構造のブチルアクリレートゴム50重量部に対して、アクリロニトリル33重量%およびスチレン67重量%からなる単量体混合物50重量部を、グラフト乳化重合して製造された二重コア−シェル形態の、グラフトASA樹脂。
(A−2)(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分が含まれているコア−シェル構造のグラフトMABS樹脂:
メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体であり、コア−シェル構造であり、シェルは、内郭シェルと外郭シェルとからなり、組成としては、ブタジエンゴム55重量部、メチルメタクリレート33重量部、アクリロニトリル3重量部、スチレン9重量部からなる、グラフトMABS樹脂。
(B−1)スチレン−アクリロニトリル共重合体:
アクリロニトリル含有量が20重量%およびスチレン含有量が80重量%であり、重量平均分子量が100,000である、SAN樹脂。
(B−2)メチルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体:
アクリロニトリル含有量が20重量%、スチレン含有量が65重量%、およびメタクリレート含有量が15重量%であり、重量平均分子量が100,000である、MSAN樹脂。
(B−3)スチレン−アクリロニトリル共重合体:
アクリロニトリル含有量が15重量%およびスチレン含有量が85重量%であり、重量平均分子量が120,000である、SAN樹脂。
(B−4)スチレン−アクリロニトリル共重合体:
アクリロニトリル含有量が32重量%およびスチレン含有量が68重量%であり、重量平均分子量が120,000である、SAN樹脂。
(B−5)アルファメチルスチレン−アクリロニトリル共重合体:
アクリロニトリル含有量が30重量%およびアルファメチルスチレン含有量が70重量%であり、重量平均分子量が120,000である、SAN樹脂。
(C)ポリメチルメタクリレート:
メチルメタクリレートからなる、重量平均分子量が110,000である、PMMA樹脂。
実施例1〜6および比較例1〜5
前記言及された構成成分を用いて、下記の表1に示す組成により、各実施例1〜6および比較例1〜7による熱可塑性樹脂組成物を製造した。
下記の表1に示す組成の各熱可塑性樹脂組成物にその他の添加剤を投入し、押出/加工して、ペレット形態の熱可塑性樹脂を製造した。押出は、L/D=29、直径45mmの二軸押出機を用いており、バレル温度は230℃に設定した。製造されたペレットを80℃で2時間乾燥後、6oz射出成形機を用いて、シリンダ温度240℃、金型温度60℃に設定して、物性試験片および9cm×5cm×0.2cmの大きさの耐スクラッチ性、光学特性および耐候性測定用試験片を製造した。
試験例1:機械的物性の測定
前記製造された物性試験片は、下記の方法で物性を測定し、その結果を下記の表2に示した。
(1)透過率およびヘイズ(haze):ASTM D1003の基準によって測定した。
(2)BSP(Ball type Scratch Profile)幅:Cheil methodに準じて、直径0.7mmの、先端が円球形状のタングステンカーバイドスタイラス(stylus)を用いて、それぞれ300g、500gおよび1000gの荷重を付与し、75mm/minの速度で試験片にスクラッチを付与した後、表面粗度測定器(surface profiler)を用いて、照度の観測およびスクラッチ幅(scratch width)の測定を行った。
(3)鉛筆硬度:硬度に応じた鉛筆で500gの重りを載せて、10mm/sの速度で5回鉛筆を押してスクラッチが発生しない時の硬度値(JIS K5401で定める鉛筆および鉛筆硬度測定)
(4)耐候性:SAE J1960に基づいて測定(3,000時間、ΔE)
前記実施例1〜6において、いずれも優れたヘイズ特性および耐スクラッチ特性を示している。これに対して、比較例3以外の比較例は、透明性およびヘイズの特性が非常に低下したことを確認することができ、比較例3は、透明性およびヘイズの特性を満足するものの、耐候性が大きく低下して物性バランスを維持することができなかった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。そのため、以上に述べた実施形態は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。

Claims (11)

  1. グラフトアクリル系共重合体(A);
    芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B);および
    ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)を含み、
    前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)は、5〜25重量%のシアン化ビニル化合物から誘導されるユニットを含むことを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)50〜200重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記グラフトアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、前記ポリアルキル(メタ)アクリレート(C)50〜300重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)および前記ポリアルキル(メタ)アクリレート(C)の含有量の比が、6:4〜3:7であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記グラフトアクリル系共重合体(A)が、アクリル系ゴム状重合体に、前記芳香族ビニル系単量体、前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体またはこれらの組み合わせがグラフト重合されてなる共重合体、またはこれらの2種以上の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体が、シアン化ビニル化合物を含み、前記シアン化ビニル化合物が、前記アクリル系ゴム状重合体にグラフト重合される単量体総量中、20〜30重量%の含有量で含まれていることを特徴とする、請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体(B)が、スチレンおよびアクリロニトリルの共重合体、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体、またはスチレン、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリルの共重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂(C)が、C1〜C10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであって、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはこれらの組み合わせの重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物が、染料、顔料、難燃剤、充填剤、安定剤、滑剤、抗菌剤、離型剤またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて製造されたことを特徴とする、成形品。
  11. ASTM D1003の基準によるヘイズ(haze)値が、5〜20であることを特徴とする、請求項10に記載の成形品。
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