JP2015014691A - 表示制御装置 - Google Patents

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Hiroshi Nagata
宏 永田
吉親 佐藤
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Abstract

【課題】機構の複雑化やコストの増加を回避しつつ色ズレによる映像品質の低下を抑制する。
【解決手段】
複数の光源(20R、20G、20B)と、前記複数の光源から照射される照射光の各々(21R、21G、21B)を被投射面(40)において走査する走査手段(30)とを備えた表示装置(1)を制御する表示制御装置(100)は、前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限手段(103)と、前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御手段(109)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示制御装置の技術分野に関する。
映像の色ズレを抑制する装置が、従来各種提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1に開示された画像表示装置によれば、MEMSミラーに入射する異なる色のレーザビームの位置ズレが、例えば組み立て時、温度変化時、衝撃発生時等において検出され、ソフト的に又はハード的にこの位置ズレが補正される。
特許文献2には、レーザ光の色ズレをホログラムで補正する技術が開示されている。
特許文献3には、投射型のカラープロジェクタにおいて、三色のレーザ光のうち少なくとも一のレーザ光のスポット径を他のレーザ光のスポット径と異ならしめることによって、色ズレを抑制する技術が開示されている。
特開2012−145755号公報 特開2009−122455号公報 特開2008−216456号公報
色ズレを防止する手法は、ハードウェア的な手法とソフトウェア的な手法とに大別される。
ここで、特許文献1に開示されるハードウェア的な色ズレ防止措置や、特許文献2に開示されたホログラム素子を使用した色ズレ防止措置等を含む前者においては、機構の複雑化とコストの増加が避け難い問題となる。特に、光源とMEMSミラー等の走査手段とがモジュール化されている場合、ハードウェア的な色ズレ防止措置を講じること自体が難しい。
また、特許文献3に開示されるようにスポット径を変える技術思想は、元よりズレ量が大きい場合には全く機能しない。更には、スポット径が変わると、光の重複しない領域が増えるので、色ズレがより悪化する可能性が高い。
このような観点からすると、ソフトウェア的な色ズレ防止手法は比較的有効である。ところで、特許文献1に開示されるソフトウェア的な色ズレ防止措置は、ラインバッファからのデータの読み出しタイミングを調整するものである。即ち、色ズレは、読み出しタイミングがライン単位で調整されることによって抑制される。
しかしながら、実際の色ズレは、製造段階や組み付け段階で個別に生じ得るものであり、必ずしもライン単位で生じるものではない。即ち、この手法では、一画素分の大きさを単位として色ズレを解消することはできるが、一画素分の大きさ未満の色ズレについては、解消することができない。即ち、色ズレ防止効果が必ずしも十分でない。従って、色ズレによる映像品質の低下を十分に抑制することができない。
即ち、従来の技術には、機構の複雑化やコストの増加を回避しつつ、色ズレによる映像品質の低下を抑制することが困難であるという技術的問題点がある。本発明は、例えば、このような技術的問題点に鑑みてなされたものであり、機構の複雑化やコストの増加を回避しつつ映像品質の低下を抑制可能な表示制御装置を提供することを、解決すべき課題の少なくとも一つとする。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載された表示制御装置は、複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置を制御する表示制御装置であって、前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御手段とを備える。
上述した課題を解決するため、請求項8に記載された表示制御方法は、複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置における表示制御方法であって、前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限工程と、前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御工程とを備える。
上述した課題を解決するため、請求項9に記載されたコンピュータプログラムは、コンピュータシステムを請求項1から7のいずれか一項に記載された表示制御装置として機能させることを特徴とする。
上述した課題を解決するため、請求項10に記載された記録媒体は、請求項9に記載されたコンピュータプログラムが記録されることを特徴とする。
本発明の第1実施例に係る映像表示装置のブロック図である。 図1の映像表示装置における光源制御部のブロック図である。 図2の制御装置における帯域制限部のブロック図である。 図1の映像表示装置におけるレーザ光の走査軌跡を例示する図である。 図1の映像表示装置において生じる色ズレの概念図である。 表示される映像における色ズレを例示する図である。 映像信号にフィルタ処理が施された図6の映像を例示する図である。 図3の帯域制限部におけるフィルタ係数とフィルタ特性との関係を例示する図である。 本発明の第2実施例に係る光源制御部のブロック図である。 本発明の第3実施例に係る光源制御部のブロック図である。 本発明の第4実施例に係る光源制御部のブロック図である。
<表示制御装置の実施形態>
本発明の表示制御装置に係る実施形態は、複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置を制御する表示制御装置であって、前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御手段とを備える。
本発明の表示制御装置に係る実施形態は、表示装置を内部又は外部から制御する装置である。表示装置は、例えば、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクション表示装置等を含む。
本発明の表示制御装置に係る実施形態によれば、走査手段を介して光源からの照射光が投射される被投射面に、例えばディジタルフィルタ等の帯域制限手段により帯域制限がなされた映像信号に基づいた映像が表示される。映像信号に帯域制限が施されることによって、本来被投射面に表示されるべき元映像において、その制限される周波数帯域に相当する部分の解像度を作為的に低下させることができる。別言すれば、帯域制限手段により、映像は相対的に、所謂「ぼかし」の掛かった状態となる。その結果、被投射面に表示される映像において、色ズレは相対的に目立たなくなる。
即ち、本発明の表示制御装置に係る実施形態によれば、被投射面において光源からの照射光が一点に集光しない構成(即ち、ハードウェア的に大なり小なり色ズレを含む構成)において、機構の複雑化やコストの増加を回避しつつ、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
尚、帯域制限手段は、例えば、ディジタルフィルタとして構築されたローパスフィルタである。例えば、映像のエッジ部分は相対的に空間周波数が高く、一方で色ズレが比較的に目立つ部分である。従って、ローパスフィルタのフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数)を、このエッジ部分に相当する周波数よりも低周波側の周波数帯域として設定しておけば、比較的色ズレの目立ち易いエッジ部分を、効果的にぼかすことができる。
また、帯域制限手段がディジタルフィルタとして構成される場合、フィルタ係数の制御により所望のフィルタ特性を実現することができる。従って、光源及び走査手段を含む表示装置において、製造段階或いは組み付け段階で多様に生じ得る色ズレに対し、より効果的な帯域制限を行うことが可能である。
表示制御装置に係る実施形態の一の態様では、前記被投射面における前記複数の光源相互間の光路のズレ量に基づいて前記帯域制限の度合いを制御する帯域制御手段を更に備える。
この態様によれば、帯域制御手段により複数の光源から照射される照射光の光路のズレ量に基づいて帯域制限の度合いが制御される。即ち、光路のズレ量の大小が、帯域制限の度合いの大小に夫々対応するように帯域制限手段が制御される。従って、この態様によれば、色ズレによる映像品質の低下を効率的に抑制することができる。
尚、光路のズレ量とは、即ち色ズレの度合いであり、被投射面における各光の集光位置のズレ量である。このズレ量は、例えば光源及び走査手段の製造段階或いは組み付け段階で生じるものであり、少なくともその初期値については、予め実験的に、経験的に又は理論的に把握することができ、帯域制御手段の制御情報として与えておくことができる。また、ある特定の条件下で定期的に又は不定期に係る光路のズレ量を計測し、帯域制御手段の制御情報を適宜更新することもできる。
尚、帯域制御手段が参照する光路のズレ量は、必ずしも光路のズレ量の絶対値でなくてよい。例えば、画素単位で生じる比較的大きな光路のズレは、ラインバッファの読み出しタイミングを調整すること等によって相殺することができる。従って、帯域制御手段は、好適な一形態として、ラインバッファの読み出しタイミングの調整によって解消することのできないズレ量についてのみ、帯域制限の度合いの決定に利用してもよい。
帯域制御手段を備える実施形態の一態様では、前記複数の照射光の各々は、前記被投射面において垂直走査方向と水平走査方向とに走査され、前記光路のズレ量は、前記垂直走査方向における光路のズレ量である。
表示装置における光源からの照射光の走査方向(即ち、被投射面上における照射光の投射方向)は、投射面に二次元の映像を表示する場合においては、好適には垂直走査方向と水平走査方向とから構成される。このような構成においては、水平走査方向の色ズレよりも垂直走査方向の色ズレの方が目立ち易い。この態様によれば、垂直走査方向の光路のズレ量に基づいて帯域制限の度合いが制御されるため、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
帯域制御手段を備える実施形態の他の態様では、前記表示装置は、少なくとも三以上の前記光源を含み、前記光路のズレ量は、基準となる光源の照射光に対する他の光源の照射光の光路のズレ量として定義され、前記帯域制御手段は、前記光路のズレ量に相対的重み付けを付与すると共に、該付与された重み付けを考慮して前記帯域制限の度合いを制御する。
走査手段を介して光源からの照射光を被投射面に投射する構成においては、被投射面における、基準光との相対的位置関係として光路のズレ量を定めることができる。例えば、複数の光源が赤、緑、青の三原色の光源である場合、最も輝度の高い緑の光を基準として、他色の光路のズレ量が定義されてもよい。
ここで、このように定義される光路のズレ量は少なくとも二つ存在するが、他色の光についても、輝度の高低があり、上述の例では、青よりも赤の方が同一条件での輝度が高い。色ズレは、輝度が高い方が目立ち易いから、この場合、青の色ズレよりも赤の色ズレが優先された方が、映像品質の低下抑制には効果的であると言える。
この態様によれば、光路のズレ量に相対的重み付けが付与され、この付与された重み付けを考慮して帯域制限の度合いが制御される。従って、色ズレによる映像品質の低下を効率的且つ効果的に抑制することができる。
本発明の表示制御装置に係る実施形態の他の態様では、前記帯域制御手段は、前記映像の空間周波数、前記映像の視距離、前記被投射面における前記映像の大きさ、前記被投射面における前記映像のアスペクト比及び前記映像の投射距離のうち少なくとも一つに基づいて前記帯域制限の度合いを決定する。
色ズレによる映像品質の低下を抑制するにあたり、上述した光路のズレ量に応じた帯域制限は有効である。しかしながら、色ズレそのものを修正せずに映像品質の低下を抑制する技術思想においては、光路のズレ量以外にも、映像品質の低下を抑制するための要素が存在する。
この態様によれば、映像の空間周波数、視距離、映像の大きさ、アスペクト比及び投射距離のうち少なくとも一つに基づいて帯域制限の度合いが決定される。従って、色ズレが映像品質に与える影響を効果的に緩和し、もって映像品質の低下を効果的に抑制することができる。
本発明の表示制御装置に係る実施形態の他の態様では、前記光源は、レーザ又はLEDである。
レーザ及びLED(Light Emitting Diode)は、表示装置の光源として適当である。
本発明の表示制御装置に係る実施形態の他の態様では、前記走査手段は、MEMSミラーである。
走査手段をMEMS(Micro Electro Mechanical System)により構築したMEMSミラーは、装置の小型化や低コスト化に有効である。また、MEMSミラーは一般的に、水平走査方向において双方向走査される。従って、ラインバッファからの読み出しタイミングの調整により対象できない色ズレの範囲が広い。即ち、表示制御装置に係る実施形態の効果が顕著に現れ易い。
<映像表示方法の実施形態>
本発明の映像表示方法に係る実施形態は、複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置における表示制御方法であって、前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限工程と、前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御工程とを備える。
<コンピュータプログラムの実施形態>
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、コンピュータシステムを、上記いずれかの表示制御装置の実施形態として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体或いはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等コンピュータシステムに着脱可能な固体型記憶装置から、当該コンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、例えば、通信手段等を介してコンピュータシステムにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の表示制御装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
また、上述した本発明の表示制御装置に係る実施形態が採り得る各種態様に応じて、コンピュータプログラムに係る実施形態も各種態様を採ることができる。
<記録媒体の実施形態>
本発明の記録媒体に係る実施形態は、コンピュータプログラムに係る実施形態が記録される。
本発明の記録媒体に係る実施形態によれば、コンピュータシステムに装着又は接続することによって、或いはコンピュータシステムに備わる又は接続された然るべき読取装置に挿入することによって、記録している本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態を、コンピュータシステムに読み込ませて実行させることができ、上述した本発明の表示制御装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
<第1実施例>
<実施例の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施例に係る映像表示装置1の構成について説明する。ここに、図1は、映像表示装置1のブロック図である。
図1において、映像表示装置1は、制御装置10、光源20、MEMSミラー30及び表示面40を備えた、本発明に係る「表示装置」の一例である。映像表示装置1は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ装置、ヘッドアップディスプレイ装置或いはプロジェクション表示装置等の投射型表示装置である。映像表示装置1では、光源20から照射される後述するレーザ光21R、21G、21Bが、MEMSミラー30において反射され、表示面40に投射されることによって映像が表示される。
尚、映像表示装置1は、本発明に係る表示装置が採り得る実践的態様の一例であって、例えば、本発明に係る表示装置の実践的態様は、本発明に係る表示装置の概念を逸脱しない範囲で如何様にも変更され得る。
制御装置10は、光源制御部100及びミラー制御部200並びにこれらの動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)、記憶装置としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えた、本発明に係る「表示制御装置」の一例である。
制御装置10のROMには、光源制御部100及びミラー制御部200を駆動するための駆動制御プログラムが格納されている。この駆動制御プログラムは、本発明に係る「コンピュータプログラム」の一例である。また、ROMは、本発明に係る「記録媒体」の一例である。
尚、ROMは不揮発性記憶装置であるから、本実施例において、駆動制御プログラムは予め制御部110に備わることになるが、この制御プログラムは、RAM若しくはハードディスク或いは制御装置10に備わり得る他の揮発性記憶装置に書き込まれていてもよい。この場合、駆動制御プログラムのアップデート及びメンテナンス等が比較的簡便になされ得る。また、この駆動制御プログラムをネットワークで配信する、或いは駆動制御プログラムが記録された記録媒体を配布する等の措置を講じることも可能となる。
光源制御部100は、光源20の駆動状態を制御する制御ユニットである。光源制御部100の詳細な構成については、図2を参照して後述する。
ミラー制御部200は、MEMSミラー30の駆動状態を制御する制御ユニットである。ミラー制御部200は、水平波形生成部、水平D/Aコンバータ、パワーアンプ、クロック生成部、垂直D/Aコンバータ及び垂直波形生成部等を備える。尚、ミラー制御部200の構成は、公知のMEMSミラーの制御装置を適用することができる。従って、ここではその詳細は省略する。ミラー制御部200は、例えば、下記の如くに動作する構成となっている。
水平波形生成部は、上述した水平走査方向にMEMSミラー30を掃引するための水平駆動信号を生成する。この水平波形生成部から供給される水平駆動信号は、水平D/AコンバータにおいてD/A変換され、パワーアンプにより増幅される。パワーアンプを通過した水平駆動信号はMEMSミラー30に供給され、この水平駆動信号によりMEMSミラー30は水平走査方向に駆動される。
垂直波形生成部は、上述した垂直走査方向にMEMSミラー30を掃引するための垂直駆動信号を生成する。この垂直波形生成部から供給される垂直駆動信号は、垂直D/AコンバータにおいてD/A変換され、パワーアンプにより増幅される。パワーアンプを通過した垂直駆動信号はMEMSミラー30に供給され、この垂直駆動信号によりMEMSミラー30は垂直走査方向に駆動される。
クロック生成部は、所定周期でクロック信号を生成可能に構成される。例えば、この所定周期は10ns程度に設定される。生成されたクロック信号は、垂直D/Aコンバータに供給される。尚、クロック生成部で生成された基本周期のクロック信号は、分周器により所望の周期のクロック信号に変換されてもよい。
光源20は、赤、緑、青の各色に夫々対応する光源20R、20G及び20Bを含むレーザ光源であり、MEMSミラー30に対して赤、緑、青の各色に夫々対応するレーザ光21R、21G及び21Bを照射可能に構成されている。
MEMSミラー30は、各光源から照射されるレーザ光を反射して表示面40に投射するスキャニングミラーであり、本発明に係る「走査手段」の一例である。MEMSミラー30は、MEMS(微小電気機械システム)として構成されており、ミラー制御部200によりその動作状態が制御される構成となっている。
MEMSミラー30は、鏡面として機能するシリコン基板に、ピエゾ素子(圧電素子)によるピエゾ抵抗が形成された構成を有している。ピエゾ素子としては、圧電効果を有するものを広く使用可能であり、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミクスを使用することができる。このピエゾ抵抗は、MEMSミラー30に印加される駆動電圧に応じて、その圧電効果により捩れを生じる。この捩れによりMEMSミラー30の鏡面の光源20に対する角度が変化する。即ち、所定の走査方向への走査が実現される。
一方、ピエゾ抵抗の電気抵抗値は、この捩れの度合いに応じて変化する。MEMSミラー30は、この電気抵抗値(即ち、捩れ角)に応じた電気信号をMEMS位置信号として取り出し可能に構成されている。尚、ピエゾ素子に生じる捩れの方向は、MEMSミラー30で反射する反射光(即ち、各光源のレーザ光)の走査方向であり、本実施例に係るMEMSミラー30は、垂直走査軸周りに生じる捩れに対応する垂直走査方向と、水平走査軸周りに生じる捩れに対応する水平走査方向との二つの走査方向に駆動される。
MEMSミラー30は、垂直走査方向については鋸歯状波又は三角波である垂直駆動信号により駆動され、水平走査方向については正弦波である水平駆動信号により共振駆動される。尚、MEMSミラー30として例示される、本発明の走査手段に係る基本的構成や基本的駆動方法については公知である。従って、本実施例では、説明の煩雑化を防ぐ目的からその詳細についての説明を省略する。
表示面40は、MEMSミラー30により走査された各色のレーザ光が投射される、映像表示用のディスプレイ装置である。但し、表示面40は、直視型の表示装置と異なり、表示場所や表示エリアが予めハードウェア上の仕様として固定されない表示装置である。即ち、表示面40に表示される映像を構成する各画素の位置は、MEMSミラー30の動作によって実現し得る範囲で自由に定められ得る。
ここで、図2を参照し、光源制御部100の構成について説明する。ここに、図2は、光源制御部100のブロック図である。
図2において、フレームバッファ101、補間処理部102、帯域制限部103、オフセット設定部104、読み出し制御部105、タイミング生成部106、補間情報生成部107、LPF強度設定部108及び光源駆動部109を備える。
フレームバッファ101は、映像信号入力端子(符号省略)から入力される、表示面40に投射すべき映像に関する、赤、緑、青の三色に対応する映像信号を蓄積可能に構成されたバッファである。
読み出し制御部105は、フレームバッファ101に蓄積された映像信号の中から複数画素分の映像信号を読み出し可能に構成されたプロセッサである。尚、映像信号が読み出される画素は、各色について相互に異なったものとすることができる。
補間処理部102は、補間中心の周辺に位置する各画素の映像信号に対し、表示面40上のレーザ光の走査位置に応じて設定される補間係数を乗じ、元々の映像信号にこれら補間用の映像信号を加算することによって補間処理を実行可能に構成されたプロセッサである。
補間情報生成部107は、上述した補間係数及び補間処理部102における補間位置を設定可能に構成されたプロセッサである。
尚、補間処理としては、例えば、バイリニア補間、バイキュービック補間、Bスプライン補間、Lanzos3補間等公知の各種補間処理が使用される。また、入力映像と出力映像との間で画素数やライン数が異なっている場合、即ち、解像度変換が必要となる場合には、その拡大率や縮小率を考慮した補間位置情報から補間係数が生成されてもよい。但し、本発明に係る表示制御装置の効果を説明する上では、この種の補間処理は必ずしも必要でない。
帯域制限部103は、補間処理部102から出力された映像信号に対し帯域制限処理を実行可能に構成された、本発明に係る「帯域制限手段」の一例たるディジタルLPF(ローパスフィルタ)である。尚、補間処理部102が、Bスプライン補間やLanzos3補間のように帯域制限特性を有する補間処理を行う構成を採る場合、補間処理と帯域制限処理とが併せて行われてもよい。帯域制限部103において帯域制限処理が施された映像信号は、光源駆動部109に入力される。
ここで、図3を参照し、帯域制限部103の構成について説明する。ここに、図3は、帯域制限部103のブロック図である。
図3において、帯域制限部103は、3タップのLPFであり、ラインメモリ1031及び1032、乗算器1033、1034及び1035並びに加算器1036から構成される。各ラインメモリは、水平走査方向一ライン分の画素信号(即ち、映像信号)を記憶するメモリである。乗算器1033、1034及び1035は、入力信号に夫々フィルタ係数a、b及びcを乗じる乗算器であり、フィルタ係数a、b、cの総和は1.0である。
図3において、乗算器1034に入力される画素信号Pbが、帯域制限処理の対象となる対象画素の映像信号であり、乗算器1033に入力される画素信号Paが対象画素の上の画素(即ち、対象画素よりも早い時間に信号入力された画素)の映像信号であり、乗算器1035に入力される画素信号Pcが対象画素の下の画素(即ち、対象画素よりも遅い時間に信号入力された画素)の映像信号である。尚、帯域制限処理が行われない場合、フィルタ係数bは1.0とされ、フィルタ係数a及びcは0.0とされる。
尚、図示のLPFは3タップのLPFであるが、タップ数はより多くてもよい。例えば、帯域制限部103は、5タップのLPFであってもよい。この場合、3タップのLPFと較べて回路規模は大きくなるが、フィルタ特性の自由度がより拡大する。
図2に戻り、LPF強度設定部108は、帯域制限部103の上述したフィルタ係数a、b及びcを設定可能に構成された、本発明に係る「帯域制御手段」の一例たるプロセッサである。
光源駆動部109は、帯域制限部103から出力される映像信号に応じて、光源20に備わる赤、緑、青の各色の光源の特性に応じた電圧及び電流設定を行い、光源20を駆動する駆動信号を生成するプロセッサである。光源20は、この駆動信号により駆動制御される。光源駆動部109は、本発明に係る「駆動制御手段」の一例である。
タイミング生成部106は、読み出し制御部105がフレームバッファ101から映像信号を読み出す読み出しタイミングや、補間情報生成部107における補間位置の決定に必要な補間タイミング等の各種タイミングを生成可能に構成されたプロセッサである。タイミング生成部106は、位置情報入力端子(符号省略)から、MEMSミラー30の位置(即ち、捩れ角)に関する上述したMEMS位置信号を受け取り、これらのタイミングを生成する構成となっている。
補足すると、光源20及びMEMSミラー30を含む投射型の映像表示装置1では、光源駆動部109から供給される駆動信号に対応する映像と、MEMSミラー30の水平走査方向及び垂直走査方向の捩れ角の位置関係が、2次元映像を表示面40に表示するために必要な関係になければならない。このため、タイミング生成部106では、入力されるMEMS位置信号に応じて各種のタイミングが生成される。例えば、上述した読み出し制御部105は、タイミング生成部106により生成される読み出しタイミングに従って、フレームバッファ101から映像信号を読み出すことができる。
オフセット設定部104は、光路ズレ情報入力端子(符号省略)から入力される、後述する光路ズレ情報に基づいて、フレームバッファ101から映像信号を読み出す水平走査方向ラインのオフセット量を決定する。このオフセット量は、基準色に対する他色の相対的オフセット量である。尚、本実施例では、基準色は緑であるとする。
一方、光路ズレ情報は、上述したLPF強度設定部108にも入力される。LPF強度設定部108は、入力される光路ズレ情報に基づいて、帯域制限部103における帯域制限の度合いを決定し、帯域制限部103のフィルタ特性を制御する。尚、帯域制限の度合いは、上述したフィルタ係数a、b及びcにより決定される。
<実施例の動作>
次に、実施例の動作について説明する。
<MEMSミラー30の基本動作>
始めに、図4を参照し、MEMSミラー30の基本動作について説明する。ここに、図4は、投射面40に対するレーザ光の走査軌跡を説明する図である。
図4において、表示面40が格子状に表現されており、格子を構成する複数の矩形領域の一つ一つが画素Pである。尚、上述したように、投射型の表示装置において、表示面上の画素位置は表示面のハードウェア仕様として固定されていないため、実際には、各色に相当するレーザ光の集光位置が画素の位置である。
図4において、太い矢線で表現される軌跡が、光源20の基準色たる緑色に対応するレーザ光21Gの走査軌跡である。MEMSミラー30による光走査は、MEMSミラー30が、水平走査方向に共振駆動されることから、CRTやLCD等の一般的な表示モニタにおける光走査と異なり、所謂両側スキャン方式を採る。即ち、映像表示装置1において、レーザ光21Gは、往路(例えば、図中左側から右側)においても復路(例えば、図中右側から左側)においても走査される。
次に、図5を参照して、表示面40上に生じる色ズレについて説明する。ここに、図5は、色ズレの概念図である。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号又は名称を付与してその説明を適宜省略することとする。
図5において、光源20Gに対応するレーザ光21Gに加え、光源20Rに対応するレーザ光21Rの走査軌跡(破線矢線参照)が示される。図示の通り、これらの間には、垂直走査方向に1画素分の色ズレが生じている(図中白丸参照)。この色ズレは、例えば映像表示装置1の製造段階或いは組み付け段階等において生じる各レーザ光の光路のズレ(光路ズレ)によって生じる、一種の個体差である。尚、光路のズレとは、光軸のズレと言い換えてもよい。
ここで、レーザ光相互間の垂直走査方向の光路ズレの絶対値は、場合により数十画素分に達することもあるが、表示面40に投射される映像の品質に影響を与える、表示面上の色ズレは、両側スキャン方式を採用する映像表示装置1において最大で1画素である。それ以上の色ズレについては、上述したフレームバッファ101から映像信号を読み出す際に、垂直走査方向に画素単位で読み出しラインを画素単位でオフセットさせれば済むためである。例えば、垂直走査方向の光路ズレが20.5画素分生じている場合、20画素分だけ読み出しラインをオフセットさせれば、実際の色ズレは0.5画素分で済む。実施例に係る帯域制限部103による映像信号の帯域制限は、この最大1画素分生じる微小な色ズレによる映像品質の低下を抑制するものである。
<帯域制限処理の効果>
次に、図6及び図7を参照し、帯域制限部103による帯域制限処理の効果について説明する。ここに、図6は、色ズレが生じた映像を例示する図であり、図7は、映像信号に帯域制限処理が施された図6の映像を例示する図である。
図6において、(a)は、色ズレが生じていない映像(即ち、本来表示されるべき元映像)である。これに対して(b)は、垂直走査方向にx(x<1)画素分の色ズレが生じた状態を例示する図であり、(c)は、垂直走査方向にy(x<y<1)画素分の色ズレが生じた状態を例示するである。尚、図6(b)及び図6(c)に例示される映像は、既に補間処理部102による補間処理がなされた状態を示している。
尚、先述したように、投射型の映像表示装置1では、各色のレーザ光の集光位置が画素の位置であるから、色ズレは、基準色に対する相対的な集光位置のズレとして定義することができる。ここで、一般的に緑は赤及び青と較べて輝度成分が大きいため、基準色として適当である。図6(b)、図6(c)は、例えば、緑と青との間に色ズレが無く(尚、上述したように、この場合にも光路ズレは必ずしもゼロでない)、緑と赤との間に上記x又はy画素分の色ズレが生じている状態を示している。図示の通り、色ズレが大きい程、映像の品質は低下する。
図7には、図6に例示される各映像に関する映像信号に対し、帯域制限部103による帯域制限処理が講じられた状態が示される。尚、色ズレの生じていない映像に対応する図6(a)と図7(a)とは同じである。
図7(b)及び図7(c)は、いずれも映像信号に帯域制限処理が施された映像を示すが、x(x<1)画素分の色ズレが生じた映像に対応する図7(b)よりも、y(x<y<1)画素分の色ズレが生じた映像に対応する図7(c)の方が、帯域制限の度合いが大きい。即ち、図7(c)に例示される映像は、図7(b)に例示される映像と較べて、映像の境界部分の解像度が低下しており、視覚的によりぼかしの掛かった状態となっている。
このように、本実施例では、色ズレの大小、即ち光路ズレ量の大小に基づいて帯域制限の度合いが制御される。このように、相対的に大きい色ズレに対して相対的に帯域制限の度合を大きくすることによって、色ズレが映像に与える影響を緩和することができる。即ち、本実施例によれば、色ズレによる映像品質の低下が好適に抑制される。
また、色ズレの影響を緩和することのみを考えた場合、帯域制限の度合いは大きい方がよいが、図示の通り、帯域制限の度合いを大きくすると、映像の解像度が低下して、別の意味で映像の品質の低下が生じ得る。そこで、色ズレの度合いに応じて帯域制限の度合いを変化させることにより、映像品質の低下が好適に抑制されるのである。
<帯域制限部103の動作>
次に、図8を参照し、帯域制限部103のフィルタ特性について説明する。ここに、図8は、帯域制限部103におけるフィルタ係数とフィルタ特性との関係を例示する図である。
図8において、縦軸は信号通過量(dB)であり、横軸は周波数指標値である。周波数指標値は、サンプリング周波数の1/2の周波数を1.0として規格化した値である。即ち、サンプリング定理から、周波数指標値が1.0のポイントは、表示すべき映像の最大周波数に相当する。
図8(a)は、フィルタ係数b=0.875、a=c=0.0625の場合のフィルタ特性を例示する。このフィルタ特性では、全周波数域で50%(−3.0dB)以上の通過量が確保される。即ち、図8(a)は、帯域制限の度合いが小さい場合のフィルタ特性に対応する。
図8(b)は、フィルタ係数b=0.750、a=c=0.125の場合のフィルタ特性を例示する。このフィルタ特性では、周波数指標値0.6付近にカットオフ周波数が設定されており、中高周波帯域が制限される。
図8(c)は、フィルタ係数b=0.500、a=c=0.250の場合のフィルタ特性を例示する。このフィルタ特性では、周波数指標値0.35付近にカットオフ周波数が設定されており、中高周波帯域が大きく制限される。即ち、図8(c)は、帯域制限の度合いが大きい場合のフィルタ特性に対応する。また、図8(a)及び図8(c)との対比の上では、図8(b)は、帯域制限の度合いが中程度のフィルタ特性に対応すると言える。
このように、帯域制限部103では、LPF強度設定部108が設定するフィルタ係数a、b及びcにより、映像信号の帯域制限の度合いを変化させることができる。従って、図7に例示された如き、色ズレの度合いに応じた帯域制限処理が可能となるのである。
<LPF強度設定部108の動作>
次に、LPF強度設定部108の動作について説明する。
始めに、MEMSミラー30が静止しており、MEMSミラー30と被投射面たる表示面40とが正対している状態における、レーザ光21R、21G、21Bの各光の垂直走査方向の位置を、夫々POSv_R、POSv_G、POSv_Bとする。
次に、基準色たるレーザ光21Gの光束の中心位置からレーザ光21Rの光束の中心位置までの距離を、暫定光路ズレ量POSvd_Rtmp、レーザ光21Gの光束の中心位置からレーザ光21Bの光束の中心位置までの距離を暫定光路ズレ量POSvd_Btmpとすると、下記(1)及び(2)式が成立する。
POSvd_Rtmp=POSv_R−POSv_G・・・(1)
POSvd_Btmp=POSv_B−POSv_G・・・(2)
例えば、MEMSミラー30の映像表示能力が、水平走査方向に1280画素、垂直走査方向に720ライン(720画素分のライン)である場合において、
POSv_G=360.0
POSv_R=363.0
POSv_B=365.9
であった場合、
POSvd_Rtmp=3.0
POSvd_Btmp=5.9
となる。
ここで、暫定光路ズレ量と表現するのは、先述したように、両側スキャン方式を採用する映像表示装置1において、各レーザ光の光路ズレの最大値は1画素となるからである。即ち、例えば、1.9画素分、垂直走査方向上側に生じた光路ズレは、0.1画素分、垂直走査方向下側に生じた光路ズレと等しく扱うことができるのである。この点を考慮して、最終的な光路ズレ量を定義すると、レーザ光21Gとレーザ光21Rとの間の光路ズレ量POSvd_R、レーザ光21Gとレーザ光21Bとの間の光路ズレ量POSvd_Bは、夫々下記(3)及び(4)式により表される。
POSvd_R=ABS(ABS(POSv_R−POSv_G)−2n)…(3)
POSvd_B=ABS(ABS(POSv_B−POSv_G)−2n)…(4)
ここで、ABSは絶対値を表し、nは各値を最小とし得る自然数又はゼロである。
LPF強度設定部108は、上記(3)及び(4)式により定義される光路ズレ量に基づいて、帯域制限部103における帯域制限の度合いを決定する。具体的には、上述したフィルタ係数a、b、cを決定する。
尚、光路ズレ量に基づいたフィルタ係数の決定方法は、光路ズレ量の大小がフィルタ係数bの小大及びフィルタ係数a、cの大小に夫々対応する(言い換えれば、光路ズレ量の大小が帯域制限の度合いの大小に対応する)限りにおいて限定されない。
例えば、帯域制限部103におけるカットオフ周波数の最大値及び最小値を決定しておき、光路ズレ量を複数段階に分割して、光路ズレ量の大小がカットオフ周波数の低高に夫々対応するように、分割された段階に応じてカットオフ周波数が割り当てられていてもよい。尚、カットオフ周波数の最高値とは、好適には帯域制限無し(フィルタ係数b=1.0)の場合のカットオフ周波数である。
ところで、基準光であるレーザ光21Gに対する相対的ズレ量として光路ズレ量を定義すると、光路ズレ量は、レーザ光21Rに対応する値と、レーザ光21Bに対応する値との二種類決定される。これらの光路ズレ量に相関はないから、双方を効果的に抑制する帯域制限処理を施すことは難しい。そこで、LPF強度設定部108は、二つの光路ズレ量に対して重み付けを付与すると共に、当該付与された重み付けを考慮して最終的なフィルタ係数を決定する構成となっている。
ここで、最も単純且つ有効な重み付けの付与態様の一つは、基準光以外の他色光のうち一方に帯域制限の度合いを整合させることである。即ち、この場合、一方に付与される重みが100%、他方に付与される重みが0%に相当する。ここで特に、赤と青とを較べた場合、レーザ光21Bの輝度成分は、レーザ光21Rと較べて小さい。即ち、赤色の色ズレの方が、青色の色ズレよりも目立ち易い。従って、この場合、レーザ光21Rの光路ズレ量たるPOSvd_Rに基づいてフィルタ係数を決定することができる。
一般的には、重み係数をk(0<k<1)とすると、下記(5)式のようにフィルタ係数決定用の光路ズレ量POSvd’を定義することもできる。
POSvd’=POSvd_R×k+POSvd_B×(1−k)・・・(5)
尚、LPF強度設定部108が帯域制限の度合い(本実施例ではフィルタ係数と一義的な関係にある)を決定するにあたって参照する上述の光路ズレ量は、上述したように、予め光路ズレ情報として光路ズレ情報入力端子から入力される。
ここで、光源20の光路ズレが製造段階或いは組み付け段階で生じ得る性質のものである点に鑑みれば、光路ズレ情報は、映像表示装置1の初期設定情報として与えておくこともできる。一方で、上述した暫定光路ズレ量が、MEMSミラー30と表示面40とが正対関係にある場合の集光位置のズレ量に起因する点に鑑みれば、動作条件や動作環境が変化する毎に、暫定光路ズレ量の計測が行われ、光路ズレ情報が適宜更新される構成とされてもよい。このようにすれば、温度変化や経時変化による光路ズレ量の変化に適応することが容易にして可能となる。尚、この場合、映像表示装置1が暫定光路ズレ量の計測手段を備える必要があるが、この種の計測手段は例えばフォトディテクタ等を利用した公知の計測手段を好適に適用することができる。
<第2実施例>
第1実施例では、帯域制限部103の帯域制限の度合いに対応するフィルタ係数が、LPF強度設定部111により、上述した光路ズレ情報に基づいて決定された。しかしながら、表示面40に生じる色ズレそのものを調整せずに映像の品質低下を抑制する技術思想を有する本発明の表示制御装置の概念においては、光路ズレ情報以外にも、帯域制限の度合いを決定するにあたっての参照要素が存在し得る。このような趣旨に沿った本発明の第2実施例について、図9を参照して説明する。ここに、図9は、第2実施例に係る光源制御部110のブロック図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図9において、光源制御部110は、LPF強度設定部108に替えて、LPF強度設定部111を備える点において、第1実施例に係る光源制御部100と相違する。
LPF強度設定部111は、帯域制御情報入力端子(符号省略)から入力される帯域制御情報に基づいて帯域制限部103における帯域制限の度合い(即ち、フィルタ係数)を決定する構成となっている。
ここで、帯域制御情報入力端子から入力される帯域制御情報としては、投射面サイズ、視距離、アスペクト比等を使用することができる。
<投射面サイズに応じた帯域制限処理>
各レーザ光の投射面である表示面40の画面サイズが大きければ、その分、色ズレは目立つ。従って、表示面40の画面サイズの大小に応じて、帯域制限の度合いを夫々大小に制御することによって、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
尚、映像表示装置1において表示面40の構成が変化することは殆どないから、この場合の帯域制御情報(画面サイズ)は、予め初期設定情報として与えておくことができる。即ち、この場合、基準となる画面サイズに対する帯域制限の度合い(即ち、基準の度合い)が定められており、表示面40と当該基準となる画面サイズとの大小関係に応じて、この基準の度合いが大小に補正されてもよい。
<視距離に応じた帯域制限処理>
視距離とは、映像表示装置1を利用する利用者と表示面40との物理的な距離である。視距離が短ければ、その分だけ利用者は映像を精細に認識することができる。必然的に、視距離が短ければ色ズレが目立つことになる。
従って、視距離の大小に応じて、帯域制限の度合いを夫々小大に制御することによって、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
尚、映像表示装置1と利用者との距離たる視距離は、その都度利用環境に応じて変化し得る。従って、この場合、視距離を外部から参照情報として入力する構成とされてもよい。また、視距離を計測する手段を設け、初期設定として計測された視距離を帯域制御情報として入力する構成とされてもよい。
尚、この場合、基準となる視距離に対する帯域制限の度合い(即ち、基準の度合い)が定められており、実際の視距離に応じて、この基準の度合いが大小に補正されてもよい。
<アスペクト比に応じた帯域制限処理>
MEMSミラー30においては、垂直走査位置(捩れ角)と水平走査位置(捩れ角)とを独立して制御することができる。従って、元映像に対してアスペクト比を異ならしめた映像を表示面40に投射することが容易にして可能である。
ここで、アスペクト比の変更に伴って映像が相対的に垂直走査方向に拡大された場合、例えば、16:9のアスペクト比が16:18に変更された場合、表示面40の画面サイズが例え小さくとも、垂直走査方向に生じる色ズレは相対的に目立つ結果となる。反対に、アスペクト比の変更に伴って映像が相対的に垂直走査方向に縮小された場合、例えば、16:9のアスペクト比が16:4に変更された場合、表示面40の画面サイズが例え大きくとも、垂直走査方向に生じる色ズレは相対的に目立たない結果となる。
従って、表示面40のアスペクト比に応じて帯域制限の度合いを制御することによって、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
<第3実施例>
第2実施例と同様の趣旨に基づいた第3実施例について、図10を参照して説明する。ここに、図10は、第3実施例に係る光源制御部120のブロック図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図10において、光源制御部120は、映像解析部121を備え、またLPF強度設定部108に替えてLPF強度設定部122を備える点において、第1実施例に係る光源制御部100と相違する。
映像解析部121は、映像信号入力端子から入力される映像信号に基づいて、映像の空間周波数を解析するプロセッサである。LPF強度設定部122は、映像解析部121により解析された空間周波数に基づいて帯域制限部103における帯域制限の度合い(即ち、フィルタ係数)を制御する。
表示面40における色ズレは、投射される映像における色の境界部分、特に白と黒との境界部分において目立ち易い。また、赤、緑、青の三原色の輝度成分の高い画素と低い画素との境界においても、色ズレは目立ち易い。
ここで、このような色ズレの相対的に目立つ境界部分では、映像の空間周波数が高くなる。従って、空間周波数の高低に応じて帯域制限の度合いを夫々大小に制御することによって、色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
尚、空間周波数を解析する方法については公知の各種手法を適用可能である。例えば、映像解析部121は、垂直走査方向において対象画素と隣接する周辺画素について、映像信号を一次微分処理し、その絶対値に基づいて空間周波数の強度を算出してもよい。
<第4実施例>
次に、第2及び第3実施例と同様の趣旨に基づいた第4実施例について、図11を参照して説明する。ここに、図11は、第4実施例に係る光源制御部130のブロック図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図10において、光源制御部130は、投射距離計測部131を備え、またLPF強度設定部108に替えてLPF強度設定部132を備える点において、第1実施例に係る光源制御部100と相違する。
投射距離計測部131は、帯域制御情報入力端子(符号省略)から入力される、帯域制御情報としての投射角又は最大捩れ角に基づいて、MEMSミラー30から表示面40までのレーザ光の投射距離を計測するプロセッサである。LPF強度設定部132は、投射距離計測部131により計測された投射距離に基づいて帯域制限部103における帯域制限の度合い(即ち、フィルタ係数)を制御する。
本実施例における投射距離とは、MEMSミラー30から表示面40までの距離である。投射距離が変化すると、表示面40における色ズレの規模も変化する。具体的には、投射距離が大きくなると、色ズレの規模も大きくなる。
ところで、第1実施例において(3)式及び(4)式を参照して説明した光路ズレ量は、MEMSミラー30と表示面40とが正対している状態を前提としている。しかしながら、実際には、MEMSミラー30は、レーザ光の走査過程で水平走査方向の捩れ角θhや垂直走査方向の捩れ角θvが変化する。
これら捩れ角が0°〜90°の範囲においては、捩れ角が増大する程、MEMSミラー30から表示面40までの距離(投射距離)が大きくなり、結果として色ズレも大きくなる。このような問題は、システム側で糸巻き補正等の補正措置が講じられたとしても、基本的には変わらずに生じ得る。また、投射距離と色ズレとの関係は、表示面40に対してレーザ光が斜め方向から投射された場合も同様に生じ得る。
そこで、本実施例では、帯域制御情報としてMEMSミラー30の投射角や最大捩れ角の情報が入力され、これらの情報を基に投射距離計測部131において投射距離が計測或いは算出される。また、帯域制限部103のフィルタ係数は、計測或いは算出された投射距離に基づいて決定される。尚、この帯域制御情報としての投射角はMEMSミラー30の駆動制御量としてミラー制御部200が把握している。また、最大捩れ角は、MEMSミラー30に固有の値である。
従って、本実施例によれば、投射距離に起因して生じる色ズレによる映像品質の低下を好適に抑制することができる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…映像表示装置、10…制御装置、20…光源、30…MEMSミラー、40…表示免、100…光源制御部、103…帯域制限部、108…LPF強度設定部108、200…ミラー制御部。

Claims (10)

  1. 複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置を制御する表示制御装置であって、
    前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、
    前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御手段と
    を備える表示制御装置。
  2. 前記被投射面における前記複数の光源相互間の光路のズレ量に基づいて前記帯域制限の度合いを制御する帯域制御手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記複数の照射光の各々は、前記被投射面において垂直走査方向と水平走査方向とに走査され、
    前記光路のズレ量は、前記垂直走査方向における光路のズレ量である
    ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
  4. 前記表示装置は、少なくとも三以上の前記光源を含み、
    前記光路のズレ量は、基準となる光源の照射光に対する他の光源の照射光の光路のズレ量として定義され、
    前記帯域制御手段は、前記光路のズレ量に相対的重み付けを付与すると共に、該付与された重み付けを考慮して前記帯域制限の度合いを制御する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示制御装置。
  5. 前記帯域制御手段は、前記映像の空間周波数、前記映像の視距離、前記被投射面における前記映像の大きさ、前記被投射面における前記映像のアスペクト比及び前記映像の投射距離のうち少なくとも一つに基づいて前記帯域制限の度合いを決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  6. 前記光源は、レーザ又はLEDである
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  7. 前記走査手段は、MEMSミラーである
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  8. 複数の光源と、前記複数の光源から照射される照射光の各々を被投射面において走査する走査手段とを備えた表示装置における表示制御方法であって、
    前記被投射面に表示すべき映像に関する映像信号の帯域制限を行う帯域制限工程と、
    前記帯域制限がなされた映像信号に基づいて前記光源の駆動状態を制御する駆動制御工程と
    を備える映像表示方法。
  9. コンピュータシステムを、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させる
    ことを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 請求項9に記載のコンピュータプログラムが記録される
    ことを特徴とする記録媒体。
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