JP2015017543A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が異なる値で取得されることがあっても、そのクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にある場合には、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定の制御値が設定され、その制御値を用いてエンジン14が再始動される為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。つまり、制御に用いるエンジン停止時のクランク角度Acrを、クランク角度Acr(ECU値)よりも実際の値に近づけることができる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。
【選択図】図7
【解決手段】略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が異なる値で取得されることがあっても、そのクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にある場合には、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定の制御値が設定され、その制御値を用いてエンジン14が再始動される為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。つまり、制御に用いるエンジン停止時のクランク角度Acrを、クランク角度Acr(ECU値)よりも実際の値に近づけることができる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。
【選択図】図7
Description
本発明は、複数の気筒を有する4サイクルのエンジンを備える車両において、そのエンジンを自動停止及び再始動する制御装置に関するものである。
複数の気筒を有する4サイクルのエンジンを自動停止及び再始動する車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された筒内噴射型内燃機関の始動装置がそれである。この特許文献1には、エンジン停止時のクランク角度を検知(記憶)し、再始動の際のクランキング時に、圧縮行程にある気筒へピストン位置に応じた燃料噴射量で噴射を行い、初爆をエンジンの回転に有効に変換できる時期に点火することでエンジンを再始動することが開示されている。
ところで、特許文献1にも記載されているように、エンジン停止時のクランク角度は、ある特定のクランク角度付近に集中し易い。例えば、エンジンの自動停止では、上死点(TDC)からの角度がエンジンの気筒間隔の半分の角度となる位置付近で最も停止し易い。このとき、エンジンの気筒数とクランク角度を検出するクランク角センサの検出間隔とによっては、エンジンの気筒間隔の半分の角度での停止を正しく検出できない場合がある。具体的には、8気筒エンジンで、クランク角センサの検出間隔が6°又は10°である場合、気筒間隔は90°(CA)であり、その半分の角度は45CAとなるが、TDCから45CAで停止しても、その45CAは検出間隔の6°や10°で割り切れず、何れのクランク角センサを用いてもエンジンの気筒間隔の半分の角度を正しく検出することができない(例えば、10°の検出間隔のクランク角センサであれば、検出値は40CA又は50CAとなる)。そうすると、エンジンの自動停止後の再始動の際の制御(例えばクランク角度に応じた燃料噴射量の設定など)が適切に行えない可能性がある。尚、上述したような課題は未公知であり、エンジンの気筒数とクランク角センサの検出間隔とに拘わらず、停止後の(再始動時の)制御を適切に行うことについて未だ提案されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 複数の気筒を有する4サイクルのエンジンを自動停止及び再始動する、車両の制御装置であって、(b) 所定の間隔で検出される信号に基づいて前記エンジンのクランク角度を取得するクランク角度取得部と、(c) 前記クランク角度取得部により取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動に関連する制御値を設定する再始動関連値設定部とを備え、(d) 前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が予め求められた所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、その取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、その所定の停止時クランク角度に応じた一定の前記再始動に関連する制御値を設定することにある。
このようにすれば、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度が異なる値で取得されることがあっても、取得されたエンジン停止時のクランク角度が所定範囲にある場合には一定の制御値を用いてエンジンが再始動される為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。つまり、エンジンの停止位置を、取得されたエンジン停止時のクランク角度よりも実際の値に近づけることができる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。よって、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲外にある場合には、その取得されたエンジン停止時のクランク角度に応じた前記再始動に関連する制御値を設定することにある。このようにすれば、取得されたエンジン停止時のクランク角度が所定範囲外にある場合には、その取得されたエンジン停止時のクランク角度に応じた制御値を用いてエンジンが再始動される為、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動時の燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部を備え、前記燃料噴射量設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、その取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、その所定の停止時クランク角度に応じた一定の燃料噴射量を設定することにある。このようにすれば、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度が異なる値で取得されることがあっても、エンジン再始動時には一定の燃料噴射量を用いる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。
また、第4の発明は、前記第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記エンジンの始動に際して気筒を燃焼させてそのエンジンを回転させる着火始動を行うものであり、前記燃料噴射量設定部は、前記エンジンの再始動時に最初に燃焼させる気筒への燃料噴射量を設定することにある。このようにすれば、着火始動を伴うエンジン再始動時の運転状態が安定する。
また、第5の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記車両は、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた電動機、及びその電動機をそのエンジンと断接するクラッチを備えており、前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動時の前記クラッチの係合時期を設定するクラッチ係合時期設定部を備え、前記クラッチ係合時期設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、その取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、その所定の停止時クランク角度に応じた一定の前記クラッチの係合時期を設定することにある。このようにすれば、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度が異なる値で取得されることがあっても、エンジン再始動時には一定のクラッチの係合時期を用いてクラッチが係合される為、クラッチ制御が安定し、エンジン作動タイミングが一定となり易い。
また、第6の発明は、前記第1の発明乃至第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記所定の停止時クランク角度は、前記クランク角度取得部によって前記所定の間隔で取得される隣接したクランク角度の間となる値であって、前記エンジンの何れかの気筒が、上死点の位置にて停止したときに対応するクランク角度、或いはその上死点から気筒間隔の半分のクランク角度分進んだ位置にて停止したときに対応するクランク角度である。このようにすれば、エンジンが停止し易い停止位置でのクランク角度が、クランク角度取得部により取得することができないクランク角度であるときに、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
本発明において、好適には、前記車両は、エンジンと、そのエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた電動機、及びその電動機をそのエンジンと断接するクラッチを備えている。又、前記車両は、前記電動機と前記駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機を備えている。この変速機は、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備える公知の同期噛合型平行2軸式変速機などの手動変速機、種々の自動変速機(遊星歯車式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機、DCT、CVT等)などである。この自動変速機は、自動変速機単体、流体式伝動装置を有する自動変速機、或いは副変速機を有する自動変速機などにより構成される。又、前記クラッチは、前記エンジンを前記駆動輪から切り離すことができる、湿式或いは乾式の係合装置である。又、前記エンジンは、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジン等の内燃機関である。特に、エンジン始動に際して着火始動を伴う場合の前記エンジンは、各気筒内に燃料を直接噴射する直噴式の4サイクルガソリンエンジンである。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた動力伝達装置12の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。又、図2は、特に、図1のエンジン14の概略構成を説明する図であると共に、車両10における制御系統のうちでエンジン14における出力制御等の為の制御系統の要部を説明する図である。
図1において、車両10は、走行用駆動力源として機能するエンジン14及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。動力伝達装置12は、非回転部材としてのトランスミッションケース20内において、エンジン14側から順番に、エンジン断接用クラッチK0(以下、クラッチK0という)、トルクコンバータ16、及び自動変速機18等を備えている。また、動力伝達装置12は、自動変速機18の出力回転部材である変速機出力軸24に連結されたプロペラシャフト26、そのプロペラシャフト26に連結されたディファレンシャルギヤ28、そのディファレンシャルギヤ28に連結された1対の車軸30等を備えている。トルクコンバータ16のポンプ翼車16aは、クラッチK0を介してエンジン連結軸32と連結されていると共に、直接的に電動機MGと連結されている。トルクコンバータ16のタービン翼車16bは、自動変速機18の入力回転部材である変速機入力軸34と直接的に連結されている。ポンプ翼車16aには、エンジン14(及び/又は電動機MG)によって回転駆動されることにより、自動変速機18の変速制御やクラッチK0の係合解放制御などを実行する為の作動油圧を発生する機械式のオイルポンプ22が連結されている。このように構成された動力伝達装置12は、例えばFR型の車両10に好適に用いられる。動力伝達装置12において、エンジン14の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、クラッチK0が係合された場合に、エンジン14のクランク軸36(図2参照)とクラッチK0とを連結するエンジン連結軸32から、クラッチK0、トルクコンバータ16、自動変速機18、プロペラシャフト26、ディファレンシャルギヤ28、及び1対の車軸30等を順次介して1対の駆動輪38へ伝達される。このように、動力伝達装置12は、エンジン14から駆動輪38までの動力伝達経路を構成する。
自動変速機18は、エンジン14及び電動機MGと駆動輪38との間の動力伝達経路の一部を構成し、走行用駆動力源(エンジン14及び電動機MG)からの動力を駆動輪38側へ伝達する変速機である。自動変速機18は、例えば変速比γ(=変速機入力軸回転速度Nin/変速機出力軸回転速度Nout)が異なる複数の変速段が選択的に成立させられる公知の遊星歯車式多段変速機、或いは変速比γが無段階に連続的に変化させられる公知の無段変速機などである。
電動機MGは、電気エネルギから機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的なエネルギーから電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。電動機MGは、エンジン14に替えて或いはエンジン14に加えて、インバータ42を介して蓄電装置44から供給される電気エネルギにより走行用の動力を発生する。電動機MGは、エンジン14の動力や駆動輪38側から入力される被駆動力を回生により電気エネルギに変換し、その電気エネルギをインバータ42を介して蓄電装置44に蓄積する。電動機MGは、エンジン14と駆動輪38との間の動力伝達経路に設けられて、クラッチK0とトルクコンバータ16との間の動力伝達経路に連結されており、電動機MGとポンプ翼車16aとの間では、相互に動力が伝達される。従って、電動機MGは、クラッチK0を介することなく自動変速機18の変速機入力軸34と動力伝達可能に連結されている。
クラッチK0は、例えば湿式多板型の油圧式摩擦係合装置であり、オイルポンプ22が発生する油圧を元圧とし油圧制御回路40によって係合解放制御される。その係合解放制御においては、例えば油圧制御回路40内のリニヤソレノイドバルブ等の調圧により、クラッチK0のトルク容量(以下、K0トルクという)が変化させられる。クラッチK0の係合状態では、エンジン連結軸32を介してポンプ翼車16aとエンジン14とが一体的に回転させられる。一方で、クラッチK0の解放状態では、エンジン14とポンプ翼車16aとの間の動力伝達が遮断される。すなわち、クラッチK0を解放することでエンジン14と駆動輪38とが切り離される。電動機MGはポンプ翼車16aに連結されているので、クラッチK0は、エンジン14と電動機MGとの間の動力伝達経路に設けられて、その動力伝達経路を断接するクラッチ、すなわち電動機MGをエンジン14と断接するクラッチとしても機能する。
図2において、エンジン14は、例えば複数の気筒(シリンダ)50を有し、それら各気筒50内に燃料を直接噴射する直噴式の公知の4サイクルガソリンエンジンである。このエンジン14は、シリンダヘッドとピストンとの間に設けられた燃焼室52と、燃焼室52の吸気ポートに接続された吸気管54と、燃焼室52の排気ポートに接続された排気管56と、シリンダヘッドに設けられ燃焼室52に燃料Fを直接噴射する燃料噴射装置58と、燃焼室52内の混合気に点火する点火装置60と、燃焼室52の吸気ポートを開放又は閉塞させる吸気弁62と、燃焼室52の排気ポートを開放または閉塞させる排気弁64と、吸気弁62をクランク軸36の回転に同期して往復運動させることにより開閉作動させる吸気弁駆動装置66と、排気弁64をクランク軸36の回転に同期して往復運動させることにより開閉作動させる排気弁駆動装置68とを備えている。
エンジン14の吸気管54内には、電子スロットル弁70が設けられており、その電子スロットル弁70はスロットルアクチュエータ72により開閉作動させられる。このエンジン14では、吸気管54から燃焼室52に吸入される吸入空気に燃料噴射装置58から燃料Fが噴射供給されて混合気が形成され、その混合気が点火装置60により点火されて燃焼する。これにより、エンジン14は駆動され、燃焼後の混合気は排出ガスとして排気管56内へと送り出される。
図3は、吸気弁62の開弁時期VTin及び排気弁64の開弁時期VTexを説明する為の図である。図3において、矢印Aは、吸気弁62の開弁時期VTinすなわち吸気弁62が開いているクランク角度Acrの範囲を示している。又、矢印Bは、排気弁64の開弁時期VTexすなわち排気弁64が開いているクランク角度Acrの範囲を示している。本実施例における開弁時期VTは、弁が開く時点(開弁時点)から弁が閉じる時点(閉弁時点)までの開弁中の期間(開弁期間)であり、開弁時点を示すものではない。
図1,2に戻り、車両10には、例えばクラッチK0の係合解放制御やエンジン14の始動制御などに関連する車両10の制御装置を含む電子制御装置(ECU)90が備えられている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置90は、エンジン14の出力制御、電動機MGの回生制御を含む電動機MGの駆動制御、自動変速機18の変速制御、クラッチK0のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や電動機制御用や油圧制御用等に分けて構成される。電子制御装置90には、図1,2に示すように、各種センサ(例えばクランクポジションセンサ74、タービン回転速度センサ76、出力軸回転速度センサ78、電動機回転速度センサ80、アクセル開度センサ82、スロットルセンサ84、エアフローメータ86、バッテリセンサ88など)による検出値に基づく各種信号(例えばクランク位置を示すクランク角度Acr及びエンジン回転速度Neに対応するクランク速度、タービン回転速度Ntすなわち変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する変速機出力軸回転速度Nout、電動機回転速度Nm、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセル開度θacc、スロットル弁開度θth、吸入空気量Qair、蓄電装置44の充電状態(充電容量)SOCなど)が、それぞれ供給される。電子制御装置90からは、図1,2に示すように、例えばエンジン14の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、電動機MGの作動を制御する為の電動機制御指令信号Sm、クラッチK0や自動変速機18の油圧アクチュエータを制御する為に油圧制御回路40に含まれる電磁弁(ソレノイドバルブ)等を作動させる為の油圧指令信号Spなどが、燃料噴射装置58、点火装置60、スロットルアクチュエータ72等のエンジン制御装置、インバータ42、油圧制御回路40などへそれぞれ出力される。
図4は、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4において、電子制御装置90は、クランク角度取得手段すなわちクランク角度取得部92、及びハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部94を備えている。
クランク角度取得部92は、所定の間隔で検出される信号に基づいてエンジン14のクランク角度Acrを取得する。具体的には、図2に戻り、回転検出用ロータや回転検出用ドラムなどの回転体89が、クランク軸36と同軸心にて一体的に固定されてクランク軸36と共に回転する。また、クランクポジションセンサ74は、例えば回転体89の径方向外周部に円周方向に沿って略等間隔に形成された複数の歯89aと相対する位置に備えられている。このクランクポジションセンサ74としては、例えば電磁ピックアップ式、ホール素子式、MRE(Magnetic Resistance Element:磁気抵抗素子)式などのセンサが採用される。例えば電磁ピックアップ式センサの場合では、回転体89が回転することにより、クランクポジションセンサ74と歯89aとの間のエアギャップが変化する為、回転体89の回転速度に対応して周波数が変化する交流電圧がクランクポジションセンサ74から発生させられる。この交流電圧は、電子制御装置90へ供給され、電子制御装置90にてこの供給された交流電圧が矩形波状のパルス信号Pへ変換される。クランク角度取得部92は、複数の歯89aの間隔に対応する所定の間隔で検出されるパルス信号Pの立ち上がり(或いは立ち下がり)に基づいて、クランク角度Acrをカウントアップ或いはカウントダウンしてクランク角度Acrを取得する。尚、クランク角度Acrの絶対位置を取得する為には、例えば複数の歯89aの何れかを欠損させた回転体89を用いたり、クランク軸36の回転に連動して回転する他の回転部材(例えばカムシャフト)の位置を検出するセンサの信号を用いたりすることが望ましい。
ハイブリッド制御部94は、エンジン14の駆動を制御するエンジン駆動制御部としての機能と、インバータ42を介して電動機MGによる駆動力源又は発電機としての作動を制御する電動機作動制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。例えば、ハイブリッド制御部94は、アクセル開度θaccや車速Vに基づいて運転者による車両10に対する駆動要求量としての要求駆動力Fdtgtを算出する。そして、ハイブリッド制御部94は、伝達損失、補機負荷、自動変速機18の変速比γ、蓄電装置44の充電容量SOC等を考慮して、その要求駆動力Fdtgtが得られる走行用駆動力源(エンジン14及び電動機MG)の出力となるようにその走行用駆動力源を制御する指令信号(エンジン出力制御指令信号Se及び電動機制御指令信号Sm)を出力する。前記駆動要求量としては、駆動輪38における要求駆動力Fdtgt[N]の他に、駆動輪38における要求駆動トルク[Nm]、駆動輪38における要求駆動パワー[W]、変速機出力軸24における要求変速機出力トルク等を用いることもできる。又、駆動要求量として、単にアクセル開度θacc[%]や吸入空気量Qair[g/sec]等を用いることもできる。
具体的には、ハイブリッド制御部94は、例えば要求駆動力Fdtgtが電動機MGの出力のみで賄える範囲の場合には、クラッチK0を解放させた状態で、電動機MGのみを走行用の駆動力源として走行するモータ走行(EV走行)を行う。一方で、ハイブリッド制御部94は、例えば要求駆動力Fdtgtが少なくともエンジン14の出力を用いないと賄えない範囲の場合には、クラッチK0を係合させた状態で、少なくともエンジン14を走行用の駆動力源として走行するエンジン走行すなわちハイブリッド走行(EHV走行)を行う。また、ハイブリッド制御部94は、例えば充電容量SOCや蓄電装置温度から算出された放電可能な電力に基づいて蓄電装置44の放電が制限された為にEV走行できない場合、蓄電装置44の充電が要求された場合、或いはエンジン14やエンジン14に関連する機器の暖機が必要な場合等には、エンジン14を作動させる。
ハイブリッド制御部94は、要求駆動力Fdtgt等に基づいて、エンジン走行中にエンジン14を自動停止したり、そのエンジン停止後にエンジン14を再始動したりして、EV走行とEHV走行とを切り替える。又、ハイブリッド制御部94は、例えば車速Vが零に向かって低下しているアクセルオフの低車速時、ブレーキオンしている車両停止時等の所定の走行状態では、エンジン14を自動停止する所謂アイドリングストップを実行する。ハイブリッド制御部94は、アイドリングストップの実行中に、例えばブレーキオフ、アクセルオン等の所定条件が成立した場合には、エンジン14を再始動する。
ハイブリッド制御部94は、例えば解放されているクラッチK0を係合に向けて制御することで電動機MGによってエンジン14をクランキングしつつ、燃料供給やエンジン点火などを開始してエンジン14を始動する(特に区別しない場合は再始動することも同義とする)。この始動方法では、エンジン始動に必要なトルクであるエンジン始動トルクをエンジン14側へ伝達する為のK0トルクが得られるように、クラッチK0が制御される。上記エンジン始動トルクは、クラッチK0を介してエンジン14側へ流れる分のMGトルクTmに相当することから、その分だけ駆動輪38側へ流れる分のMGトルクTmが減少させられる。その為、この始動方法では、駆動トルクの落ち込みを抑制する為に、要求駆動トルクを満たす為に必要なMGトルクTmに加えて、エンジン始動トルクをエンジン14側へ伝達する為のK0トルクに相当するMGトルク分が増大される(以下、この増大分をK0補償トルク(或いはMG補償トルク)という)。
本実施例のEV走行では、電動機MGが出力することができる最大のMGトルクTmに対して、エンジン始動に備えてMG補償トルクを担保しておく分だけ、EV走行領域が縮小される。見方を換えれば、MG補償トルクを抑制できれば、EV走行領域を拡大することができる。そこで、ハイブリッド制御部94は、クラッチK0を係合に向けて制御する始動方法に加え、エンジン始動に際してエンジン14の気筒を燃焼させてエンジン14を回転させる着火始動を実行する。つまり、ハイブリッド制御部94は、着火始動を行うことによって、エンジン始動トルクの一部を賄う。着火始動によるエンジン始動方法では、例えば膨張行程にて停止しているエンジン14の気筒内(すなわち回転停止中のエンジン14の膨張行程にある気筒内)に燃料を噴射し且つ点火(着火)することでその気筒を燃焼させ、発生した爆発トルクによってピストンを押し下げてクランク軸36を回転させることでエンジン14を始動する。
着火始動にてエンジン始動トルクの一部を賄う場合、停止しているピストンを動かす為に着火始動を行うことが好適である。つまり、着火始動に伴う爆発トルクによって、エンジン始動開始時のエンジン14のフリクショントルクを乗り越えることが、MG補償トルクを抑制することにとって好適である。従って、ハイブリッド制御部94は、EV走行中にエンジン14の再始動が要求された場合には、先ず、着火始動を行ってエンジン14を回転させる。その後、ハイブリッド制御部94は、クラッチK0を係合に向けて制御することで電動機MGによってエンジン回転速度Neを上昇させる。そして、ハイブリッド制御部94は、エンジン回転速度Neが電動機回転速度Nmgと同期した後に、クラッチK0を完全係合してEHV走行へ移行する。尚、エンジン始動時のエンジン14のフリクショントルクは、ポンピングロスに相当するコンプレッショントルクと、摺動抵抗に相当するメカニカルフリクショントルクと、吸気弁駆動装置66及び排気弁駆動装置68のメカニカルフリクショントルクとの合計トルクである。但し、停止しているピストンを動かすときのエンジン始動開始時のエンジン14のフリクショントルクは、エンジン回転速度Neが極めて低速であるので、専ら摺動抵抗や吸気弁駆動装置66等のメカニカルフリクショントルクとなる。
ところで、本実施例のように所定の間隔で検出されるパルス信号Pに基づいてクランク角度Acrを取得する場合、エンジン停止時(すなわちエンジン14が回転停止しているとき)の実際のクランク角度Acr(実位置とも言う)を正しく検出できないことがある。具体的には、8気筒エンジンでは、爆発間隔が90CAであり、半分の角度は45CAとなる為、何れかの気筒がTDCとなる位置或いは45ATDCとなる位置で停止し易い。又、エンジン停止時は、オーバーシュートと逆転とを繰り返すことがある。その為、図5及び図6に示すように、エンジン停止時の実位置が略同じでも、クランク角度取得部92により取得されるクランク角度Acr(ECU値も言う)が異なる場合がある。図5,6は何れも、クランクポジションセンサ74の検出間隔が10°であり、8気筒エンジンにおいて45ATDC近傍の位置でエンジン停止する場合の一例を示している。図5において、ECU値=40CA,50CAでは、エンジン停止時の平均の実位置はほぼ同じとなっている。図6において、停止時挙動Aに示すように、正転のまま45CAでエンジン停止したり、オーバーシュート時に50CAの手前で逆転して45CAでエンジン停止した場合には、実位置=45CAに対して、ECU値=40CAとなる。又、停止時挙動Bに示すように、オーバーシュート時に50CAまでカウントアップし、40CAまで戻らずに45CAでエンジン停止した場合には、実位置=45CAに対して、ECU値=50CAとなる。このように、エンジン停止時の実位置が同じでも、エンジン停止時の挙動の違いで、ECU値が異なる場合がある。
電子制御装置90は、通常、ECU値に基づいてエンジン始動時の燃料噴射量を設定する。ECU値=40CAとECU値=50CAとを比較した場合、設定される燃料噴射量はECU値=40CAの方が少なくされる為、実位置が同じ45CAであるとすると、ECU値=40CAではリーン状態となり、ECU値=50CAではリッチ状態となる。そうすると、エンジン再始動時の運転状態が安定しない恐れがある。又、電子制御装置90は、着火始動ではエンジン起動に合わせてクラッチK0を作動させ、電動機MGのアシストによってエンジン回転速度Neを上昇させる。この際、電子制御装置90は、例えばECU値に基づいてエンジン14の回転開始に合わせたクラッチK0の係合タイミングを設定する。ECU値=40CAとECU値=50CAとを比較した場合、実位置が同じ45CAであるとすると、図6にも示すように、ECU値=40CAでは50CAからのカウントアップとなり、ECU値=50CAでは60CAからのカウントアップとなる為、実際の起動タイミング(回転開始タイミング)が同じでも、次のカウントアップまでの作動時間(すなわち回転開始を検知するタイミング)が異なることになる。そうすると、クラッチK0の係合タイミングが異なり、クラッチK0の制御が安定しない恐れがある。従って、エンジン停止時の実位置がクランク角度取得部92によって取得され得ないクランク角度Acrである場合には、エンジン14の自動停止後の再始動の際の制御が適切に行えない可能性がある。
そこで、電子制御装置90は、図4に示すように、エンジン状態判定手段すなわちエンジン状態判定部96、及び再始動関連値設定手段すなわち再始動関連値設定部98を更に備えている。
エンジン状態判定部96は、例えば再始動を前提とした、エンジン14の停止を要求するエンジン停止要求が有るか否かを判定する。例えば、エンジン状態判定部96は、EHV走行中に要求駆動力Fdtgtが電動機MGの出力のみで賄える範囲となった場合、或いは蓄電装置44の放電制限や蓄電装置44の充電要求やエンジン14等の暖機要求が解除され且つEV走行を行う場合などには、再始動を前提としたエンジン停止要求が有ると判定する。
エンジン状態判定部96によりエンジン停止要求が有ると判定された場合には、ハイブリッド制御部94は、エンジン14に対する燃料噴射及び点火を共に停止し、クランク角度取得部92は、停止しているエンジン14のクランク角度Acrを検出する。
エンジン状態判定部96は、クランク角度取得部92により取得されたエンジン停止時のクランク角度Acr(以下、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)という)が、エンジン14が停止したときの実際のクランク角度Acrとして予め求められた所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にあるか否かを判定する。この所定の停止時クランク角度Acrpreは、隣接したクランク角度Acr(ECU値)の間となる値である。又、この所定の停止時クランク角度Acrpreは、エンジン14が停止し易い実際のクランク角度Acrであって、エンジン14の何れかの気筒が、TDCの位置にて停止したときに対応するクランク角度Acr、或いはTDCから気筒間隔の半分のクランク角度Acr分進んだ位置にて停止したときに対応するクランク角度Acrである。又、所定範囲は、実位置に対して、クランク角度取得部92により取得される可能性のある予め求められたクランク角度Acr(ECU値)である。
具体的には、8気筒エンジンでは、エンジン14の何れかの気筒が、TDCの位置(すなわち90ATDCの位置)、或いは45ATDCの位置で停止し易い。ここで、8気筒エンジンにおいて、何れかの気筒が例えば45ATDCの位置にある場合としては、TDCを基準点とすると、45CA、135CA、225CA、315CA、405CA、495CA、585CA、675CAの8つの位置が存在する。本実施例では、便宜上、これら8つの位置を45CAとして取り扱う。又、同様に、何れかの気筒がTDCの位置にある場合では、便宜上、8つの位置を0CA(或いは90CA)として取り扱う。TDCを基準点としてクランク角度Acrを取得する場合、検出間隔が10CAであると、実位置が0CAではECU値も0CAとなる一方で、実位置が45CAではECU値は40CA或いは50CAとなる。従って、このような場合には、エンジン状態判定部96は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が、所定の停止時クランク角度Acrpreとしての45CAを挟む所定範囲の値としての40CA或いは50CAである否かを判定する。
再始動関連値設定部98は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に基づいて、エンジン14の再始動に関連する制御値を設定する。具体的には、再始動関連値設定部98は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にあると判定された場合には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に拘わらず、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定のエンジン再始動に関連する制御値を設定する。例えば8気筒エンジンにおいて、再始動関連値設定部98は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が40CA或いは50CAである場合には、エンジン停止時のクランク角度Acrを、ECU値(=40CA,50CA)ではなく、45CAとして、その45CAに応じた一定のエンジン再始動に関連する制御値を設定する。一方で、再始動関連値設定部98は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が前記所定範囲外にあると判定された場合(すなわちクランク角度Acr(ECU値)が前記所定範囲にないと判定された場合)には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に応じたエンジン再始動に関連する制御値を設定する。例えば8気筒エンジンにおいて、再始動関連値設定部98は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が40CA或いは50CAでない場合には、エンジン停止時のクランク角度AcrをそのECU値として、そのECU値に応じたエンジン再始動に関連する制御値を設定する。
エンジン再始動に関連する制御値は、例えばエンジン再始動時の燃料噴射量である。又、エンジン再始動に関連する制御値は、例えばエンジン再始動時のクラッチK0の係合時期である。その為、再始動関連値設定部98は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に基づいて、エンジン再始動時の燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定手段すなわち燃料噴射量設定部100、及びエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に基づいて、エンジン再始動時のクラッチK0の係合時期を設定するクラッチ係合時期設定手段すなわちクラッチ係合時期設定部102を備えている。
燃料噴射量設定部100は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にあると判定された場合には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に拘わらず、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定の燃料噴射量を設定する。一方で、燃料噴射量設定部100は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が前記所定範囲外にあると判定された場合には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に応じた燃料噴射量を設定する。この燃料噴射量は、例えばエンジン再始動時に最初に燃焼させる気筒への燃料噴射量である。つまり、燃料噴射量設定部100は、エンジン再始動時に最初に燃焼させる気筒への燃料噴射量を設定する。
クラッチ係合時期設定部102は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にあると判定された場合には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に拘わらず、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定のクラッチK0の係合時期を設定する。一方で、クラッチ係合時期設定部102は、エンジン状態判定部96によりエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が前記所定範囲外にあると判定された場合には、そのエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に応じたクラッチK0の係合時期を設定する。このクラッチK0の係合時期は、例えばエンジン再始動が判断された時点から所定時間経過後の係合開始時点として設定されたり、係合開始から係合完了までの過渡時間として設定される。
図7は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行う為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。又、図7の前提となる車両10の状態は、例えばエンジン14が8気筒エンジンの場合であり、クランクポジションセンサ74の検出間隔が10°の場合である。
図7において、先ず、エンジン状態判定部96に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、例えば再始動を前提としたエンジン停止要求が有るか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はハイブリッド制御部94に対応するS20において、例えばエンジン14に対する燃料噴射及び点火が共に停止させられる。次いで、クランク角度取得部92に対応するS30において、例えばエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が検出される。次いで、エンジン状態判定部96に対応するS40において、例えば上記S30にて検出されたエンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が40CA或いは50CAである否かが判定される。このS40の判断が肯定される場合は再始動関連値設定部98及びハイブリッド制御部94に対応するS50において、例えばエンジン停止時のクランク角度AcrがECU値ではなく45CAとされてその45CAに応じた一定のエンジン再始動に関連する制御値が設定され、以降の制御が実施される。一方で、上記S40の判断が否定される場合は再始動関連値設定部98及びハイブリッド制御部94に対応するS60において、例えばエンジン停止時のクランク角度AcrがECU値とされてそのECU値に応じたエンジン再始動に関連する制御値が設定され、以降の制御が実施される。
上述のように、本実施例によれば、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が異なる値で取得されることがあっても、そのクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にある場合には、再始動関連値設定部98により所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定の制御値が設定され、ハイブリッド制御部94によりその制御値を用いてエンジン14が再始動される為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。つまり、制御に用いるエンジン停止時のクランク角度Acrを、クランク角度Acr(ECU値)よりも実際の値に近づけることができる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。よって、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
また、本実施例によれば、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲外にある場合には、再始動関連値設定部98によりそのクランク角度Acr(ECU値)に応じたエンジン再始動に関連する制御値が設定され、ハイブリッド制御部94によりその制御値を用いてエンジン14が再始動される為、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
また、本実施例によれば、燃料噴射量設定部100は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にある場合には、そのクランク角度Acr(ECU値)に拘わらず、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定の燃料噴射量を設定するので、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、そのクランク角度Acr(ECU値)が異なる値で取得されることがあっても、エンジン再始動時には一定の燃料噴射量を用いる為、エンジン再始動時の運転状態が安定する。
また、本実施例によれば、燃料噴射量設定部100は、エンジン再始動時に最初に燃焼させる気筒への燃料噴射量を設定するので、着火始動を伴うエンジン再始動時の運転状態が安定する。
また、本実施例によれば、クラッチ係合時期設定部102は、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)が所定の停止時クランク角度Acrpreを挟む所定範囲にある場合には、そのクランク角度Acr(ECU値)に拘わらず、所定の停止時クランク角度Acrpreに応じた一定のクラッチK0の係合時期を設定するので、略同じである実際のエンジン停止位置に対して、そのクランク角度Acr(ECU値)が異なる値で取得されることがあっても、エンジン再始動時には一定のクラッチK0の係合時期を用いてクラッチK0が係合される為、クラッチ制御が安定し、エンジン作動タイミングが一定となり易い。
また、本実施例によれば、所定の停止時クランク角度Acrpreは、隣接したクランク角度Acr(ECU値)の間となる値であって、エンジン14の何れかの気筒が、TDCの位置にて停止したときに対応するクランク角度Acr、或いはTDCから気筒間隔の半分のクランク角度Acr分進んだ位置にて停止したときに対応するクランク角度Acrであるので、エンジン14が停止し易い実位置が、クランク角度取得部92により取得することができないクランク角度Acrであるときに、実際のエンジン停止位置に合った再始動を適切に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、エンジン14として8気筒エンジンを例示し、クランクポジションセンサ74の検出間隔として10°を例示し、クランク角度Acrの基準点としてTDCを例示したが、これに限らない。例えば、エンジン14は、4気筒エンジン、6気筒エンジン等であっても、本発明は適用され得る。又、クランクポジションセンサ74の検出間隔は、6°、8°等であっても、本発明は適用され得る。又、クランク角度Acrの基準点は、90ATDC、BDC等であっても、本発明は適用され得る。要は、エンジン14が停止し易い実際のクランク位置(すなわち所定の停止時クランク角度Acrpre)に対して、その実際のクランク位置を挟む2つのクランク角度Acr(ECU値)が存在する場合であれば、本発明は適用され得る。
また、前述の実施例では、エンジン再始動に関連する制御値として、エンジン再始動時の燃料噴射量やクラッチK0の係合時期を例示したが、これに限らない。例えば、エンジン再始動に関連する制御値として、エンジン再始動時の点火時期等も想定される。
また、前述の実施例では、膨張行程にある気筒に対して着火始動を実行し、電動機MGによってエンジン14を始動させたが、これに限らない。例えば、最初に燃焼させる気筒や最初に燃料を噴射する気筒は必ずしも膨張行程にある気筒でなくても良い。又、着火始動にてアシストしつつ、電動機MGとは別に設けられたスタータモータによってエンジン14を始動するものであっても良い。又、着火始動のみでエンジン始動できるのであれば、電動機MG(或いはスタータ)によってエンジン14を始動させる必要はない。又、回転停止状態にあるエンジン14を始動する際に、必ずしも着火始動によってエンジン回転速度Neを零から上昇させる必要はなく、スタータによってエンジン回転速度Neを上昇開始させても良い。
また、前述の実施例において、車両10には、トルクコンバータ16や自動変速機18が設けられていたが、このトルクコンバータ16や自動変速機18は必ずしも設けられなくても良い。又、車両10には、クラッチK0や電動機MGが設けられていたが、エンジン停止時のクランク角度Acr(ECU値)に基づいてエンジン再始動時のクラッチK0の係合時期を設定するという態様を除けば、クラッチK0や電動機MGは必ずしも設けられなくても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
14:エンジン
38:駆動輪
50:気筒(シリンダ)
90:電子制御装置(制御装置)
92:クランク角度取得部
98:再始動関連値設定部
100:燃料噴射量設定部
102:クラッチ係合時期設定部
K0:エンジン断接用クラッチ(クラッチ)
MG:電動機
14:エンジン
38:駆動輪
50:気筒(シリンダ)
90:電子制御装置(制御装置)
92:クランク角度取得部
98:再始動関連値設定部
100:燃料噴射量設定部
102:クラッチ係合時期設定部
K0:エンジン断接用クラッチ(クラッチ)
MG:電動機
Claims (6)
- 複数の気筒を有する4サイクルのエンジンを自動停止及び再始動する、車両の制御装置であって、
所定の間隔で検出される信号に基づいて前記エンジンのクランク角度を取得するクランク角度取得部と、
前記クランク角度取得部により取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動に関連する制御値を設定する再始動関連値設定部とを備え、
前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が予め求められた所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、該取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、該所定の停止時クランク角度に応じた一定の前記再始動に関連する制御値を設定することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲外にある場合には、該取得されたエンジン停止時のクランク角度に応じた前記再始動に関連する制御値を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動時の燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部を備え、
前記燃料噴射量設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、該取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、該所定の停止時クランク角度に応じた一定の燃料噴射量を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。 - 前記エンジンの始動に際して気筒を燃焼させて該エンジンを回転させる着火始動を行うものであり、
前記燃料噴射量設定部は、前記エンジンの再始動時に最初に燃焼させる気筒への燃料噴射量を設定することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。 - 前記車両は、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた電動機、及び該電動機を該エンジンと断接するクラッチを備えており、
前記再始動関連値設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度に基づいて、前記エンジンの再始動時の前記クラッチの係合時期を設定するクラッチ係合時期設定部を備え、
前記クラッチ係合時期設定部は、前記取得されたエンジン停止時のクランク角度が前記所定の停止時クランク角度を挟む所定範囲にある場合には、該取得されたエンジン停止時のクランク角度に拘わらず、該所定の停止時クランク角度に応じた一定の前記クラッチの係合時期を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。 - 前記所定の停止時クランク角度は、前記クランク角度取得部によって前記所定の間隔で取得される隣接したクランク角度の間となる値であって、前記エンジンの何れかの気筒が、上死点の位置にて停止したときに対応するクランク角度、或いは該上死点から気筒間隔の半分のクランク角度分進んだ位置にて停止したときに対応するクランク角度であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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