以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。また、本明細書では色表示に関して、黄色をY、マゼンタ色をM、シアン色をC、黒色をK、赤色をR、緑色をG、青色をB、CMYの混色により生成された黒色をPkとして表すものとする。
<第1実施形態>
図1に、本実施形態に係る画像形成装置10の要部斜視図を示す。
画像形成装置10には、装置上部に原稿読取部12が設けられ、原稿読取部12の下方に画像形成部14が配置されている。原稿読取部12は、後述する光学系50と原稿カバー16内の原稿搬送部18を含んで構成される。原稿搬送部18は、原稿カバー16に設けられている原稿台16A上に載せられた原稿20を順に引き込んで、後述する搬送原稿読取ガラス78上に搬送する。そして、原稿読取部12は光学系50により、搬送原稿読取ガラス78上に搬送された原稿20に記録された画像を原画像情報として読み込む。その後、原稿搬送部18は、画像の読み込みが終了した原稿20を原稿カバー16に設けられている排出台16B上に排出する。
また、画像形成装置10には、利用者による各種の指示操作を受け付け、画像形成装置10の各種情報を表示する操作表示部22が設けられている。操作表示部22は、ソフトウェアプログラムによって操作の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ24、テンキーやスタートボタンなどのハードウェアキー26等が設けられている。
一方、画像形成部14は、記録媒体の種別やサイズ毎に分類されて各用紙収容部28に収容された記録媒体に、例えば電子写真方式により原画像情報に基づいた画像を形成する。
画像形成装置10の画像形成部14は、例えば、CMYKの色毎に、トナー像を保持する感光体、感光体を帯電するための帯電装置、帯電した感光体上を画像に応じた光で露光し、感光体上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体上に形成された静電潜像をトナー現像する現像装置を備えると共に、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置及び記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着装置等を含んで構成される。
原画像情報が画像形成部14に入力されると、例えば画像形成部14では、帯電装置に帯電バイアスが印加され、CMYKの色毎に設けられた感光体の表面が帯電されると共に、原画像情報がそれぞれCMYK各色の画像情報に分解された後、各色の画像情報に基づいた変調信号がCMYKの色毎に設けられた露光装置に出力される。
そして、露光装置が、入力された変調信号に従って変調されたレーザ光線をCMYKの色毎に設けられた感光体に出力すると、感光体にはCMYK各色の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
その後、感光体の回転により、各感光体に形成された静電潜像が回転体ドラムに対向して配置された現像装置に到達すると、静電潜像が画像情報に対応した各色のトナーにより現像され、CMYK色のトナー像がそれぞれ形成される。
そして、感光体と、感光体と対向する位置に配置された転写装置とにより形成される間隙に記録媒体が搬送されると、感光体のCMYK各色のトナー像が記録媒体上で重なり合うタイミングで色毎の転写装置から転写バイアスが印加され、記録媒体に原画像情報に対応したトナー像が転写される。そして、記録媒体に転写されたトナー像は定着装置で加熱溶融され、記録媒体に定着される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、感光体のトナー像を記録媒体に直接転写しているが、これに限らず、感光体のトナー像を、一旦中間転写ベルトに転写してから、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体に転写するようにしてもよい。
以上により、原稿読取部12で読み込んだ原稿20に記録された画像に対応した画像が記録媒体に形成され、画像形成動作が終了する。
なお、画像形成部14は、図示しないネットワークに接続されたコンピュータ等の端末装置から原画像情報を受信して、原画像情報に対応した画像を記録媒体に形成するようにしてもよい。
次に、画像形成装置10における原稿読取部12の動作について詳細に説明する。
図2は、原稿読取部12の要部構成を示した概略側面図であり、原稿搬送部18は、原稿20が配置される原稿台16Aと、原稿20を搬送する原稿搬送路56と、画像を読み取った後の原稿20が排出される排出台16Bを含んで構成される。
また、原稿搬送路56は、主搬送部60と反転部62とを含んで構成される。主搬送部60はU字状に湾曲し、主搬送部60の経路上に、ピックアップロール64、フィードロール66、プリレジストロール68、レジストロール70、アウトロール72、及び排出ロール74が設けられている。
ピックアップロール64は、原稿20の読み込みの際に下降し、回転して原稿台16Aに配置される原稿20を主搬送部60に引き込む。
フィードロール66は、ピックアップロール64により引き込まれた原稿20のうち、上部に位置する原稿だけを取り出す。
プリレジストロール68は、フィードロール66から送られた原稿20を一時停止させ、主搬送部60に対して斜行しないよう斜行補正を行う。
レジストロール70は、プリレジストロール68から送られた原稿20を一時停止させ、光学系50での原稿読取タイミングと、原稿20の搬送タイミングとの同期をとる。
そして、光学系50により読み取りが行われた原稿20は、アウトロール72及び排出ロール74により排出台16Bに排出される。
反転部62は、一端がアウトロール72と排出ロール74との間で主搬送部60に接続され、他端がプリレジストロール68で主搬送部60に接続されている。
反転部62の一端側には反転ゲート76が設けられており、原稿20の裏面に記録された画像を読み取る場合には、原稿20の後端が排出ロール74に到達した際に排出ロール74を逆回転させると共に、主搬送部60に原稿20が侵入しないように反転ゲート76を下方に移動して、原稿20が反転部62に導かれるようにする。
一方、原稿20に形成された画像は、原稿搬送部18と光学系50との境界に設けられた搬送原稿読取ガラス78を介して、光学系50により読み取られる。
ここで、光学系50はフルレートキャリッジ80、ハーフレートキャリッジ82、レンズ84、及び光電変換部86を含んで構成される。
フルレートキャリッジ80は、光源88と、第1ミラー90とを含んで構成され、原稿20の副走査方向(図2において左側から右側)をスキャン方向として、フルレートキャリッジ80の移動範囲の上方に設けられたプラテンガラス52の端部に相当する位置Fまで移動する。
光源88は、副走査方向と交差する主走査方向に延びる、例えばLED光源等のランプである。
ハーフレートキャリッジ82は、第2ミラー92及び第3ミラー94を有し、フルレートキャリッジ80の移動に追従して、プラテンガラス52の中央に相当する位置Hまで移動する。
なお、原稿台16Aに原稿20が置かれた場合には、フルレートキャリッジ80及びハーフレートキャリッジ82はスキャン方向に移動せず、搬送原稿読取ガラス78の下方に位置し、主搬送部60を搬送される原稿20に記録された画像を搬送原稿読取ガラス78を介して読み取る。
一方、プラテンガラス52に原稿20が置かれた場合には、フルレートキャリッジ80及びハーフレートキャリッジ82がスキャン方向に移動し、原稿20に記録された画像をプラテンガラス52を介して読み取る。
レンズ84は、プラテンガラス52に置かれた原稿20、又は搬送原稿読取ガラス78を通過する原稿20に対して光源88が照射した光の反射光を、第1ミラー90、第2ミラー92、及び第3ミラー94を介して受光し、反射光を光電変換部86に集束させる。
また、搬送原稿読取ガラス78に近接する位置には、光源88が照射した光を反射する基準白色板98が設けられている。基準白色板98は光を反射する反射面が白色に塗布されている。
光電変換部86は、レンズ84によって集束された原稿20からの反射光を受光し、RGBそれぞれのフィルタが設けられたフォトダイオードを用いてA/D変換を実施し、例えば、画像の画素毎にRGBそれぞれ8ビット(256階調)で表された画像データ(以下、濃度ともいう)に変換して、この画像データを原画像情報として、制御部150及び画像形成部14に出力する。なお、画像データの階調数は8ビットに限定されず、他の階調数を用いるようにしてもよい。
本実施形態における画像形成装置10では、原稿読取部12で原稿20に形成された画像の色をできるだけ忠実に読み込むようにするため、例えば、画像形成部14によって予め定めた濃度を有する被評価画像を記録媒体に形成して、これを原稿20として原稿読取部12で読み取り、読み取った被評価画像の濃度と、本来の被評価画像の濃度である目標値とを比較することで、原稿読取部12の読取精度を評価する、という読取評価機能を備えている。
被評価画像は、画像の色再現特性を評価するため、予め定めた濃度を有する被評価画像(以下、パッチ画像という)や、面内での濃度が不均一となる面内むらを評価するため、原稿20のほぼ全面に単一色且つ同一濃度の画像が分布し、所謂均一濃度画像と言われる被評価画像(以下、ベタ画像という)、及び画像の濃度変化に対する応答性を評価するため、連続的に濃度が変化した被評価画像(以下、階調画像)等が用いられる。
また、画像形成装置10が形成する被評価画像の色には、トナー色として使用される単一の色材の色(1次色)である例えばY、M、C、K、2種類の1次色の色材を組み合わせて表現される色(2次色)である例えばR、G、B、及び、3種類の1次色の色材を組み合わせて表現される色(3次色)である、例えばCMY各色のトナーの混色により生成されたPkがある。
こうした被評価画像においては、印刷やコピー等でユーザが扱う画像とは異なり、その目的が原稿読取部12の読取精度の評価にあることから、被評価画像の色の種類や濃度パターンは限定的なものが用いられる。本実施形態における画像形成装置10では、例えばC、M、Y、K、R、G、B、Pkのいずれか1色の被評価画像が用いられ、濃度についても検査用として予め定めた濃度が用いられるものとする。
図3は、画像形成装置10の画像評価処理に関する機能的な構成を示したブロック図であり、制御部150、分解部110、特定部112、選択部114、変換部116、及び出力部118を含んで構成されている。
分解部110は、原稿読取部12で読み取った被評価画像の色を、RGB色空間における成分色であるRGBの各濃度に分解して、RGBデータとして特定部112へ出力する。なお、原稿読取部12で読み取った被評価画像のRGB各成分色の濃度を被評価画像の読取値という。なお、本実施形態では、被評価画像の色をRGB色空間における成分色に分解するようにしたが、RGB色空間以外の色空間の成分色に分解するようにしてもよい。
特定部112は、分解部110で得られた被評価画像の読取値に基づいて、C、M、Y、K、R、G、B、Pkの中から被評価画像の画像色を特定する。
選択部114は、特定部112で特定された被評価画像の画像色毎に予め定められている色味を決定する色味決定成分色を選択し、色味決定成分色の濃度から得られる被評価画像の画像色の濃度に応じて、被評価画像の読取値のうち、よりSN比が高い色、すなわち、例えば測色計を用いて被評価画像のRGB値を測色した実測値(以下、被評価画像の実測値という)と比較して、より被評価画像の実測値に近い被評価画像の読取値を示す色(以下、基準色という)を選択すると共に、RGB色空間において基準色以外の成分色を補正対象色として選択する。
なお、特定部112で特定された被評価画像の画像色と色味決定成分色との関係及び基準色の具体的な選択方法については後ほど説明する。
変換部116は、選択部114で選択された基準色の濃度に基づいて、補正対象色の濃度を補正し、被評価画像の読取値を補正する前と比較して、より被評価画像の実測値に近づけるようにする。そして、この補正済みの被評価画像の読取値を、例えば1976年にCIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)によって定められたLAB色空間(以下、CIELAB色空間という)に変換して、明度L*に関する成分と、色相及び彩度に関する成分であるa*、b*で表す。なお、補正済みの被評価画像の読取値をCIELAB色空間に変換した際のL*、a*、b*を評価用表色値という。
出力部118は、変換部116で得た評価用表色値と被評価画像の実測値に対するCIELAB色空間の表色値(以下、目標表色値という)との比較結果を、例えば画像形成部14に出力する。
画像形成部14では、出力部118から出力された比較結果により、評価用表色値と目標表色値との差異が原稿読取部12の調整を必要とする値として予め定めた閾値以上であると通知された場合に、例えば、操作表示部22のディスプレイ24に「搬送原稿読取ガラスを清掃してください」等のメッセージを表示して、利用者に原稿読取部12の保守点検を促すようにする。
制御部150は、分解部110、特定部112、選択部114、変換部116、及び出力部118の各部で実施される処理を制御する。
次に、特定部112、選択部114、及び変換部116で実施される処理について更に説明する。
特定部112では、例えば特許文献2に記載された第1の色変換処理、第1の色領域特定処理、及び第2の色領域特定処理を実施して、被評価画像の画像色を特定する。
これら特定部112で実施される各処理の詳細は特許文献2を参照とするが、要約すれば、まず第1の色変換処理では、被評価画像の読取値に、例えば予めメモリ等に記憶された色変換パラメータP_ALLを作用させてCIELAB色空間へ変換する。ここで色変換パラメータP_ALLは、CIELAB色空間の全域における、RGB色空間におけるRGB各成分色の濃度とCIELAB色空間におけるL*、a*、b*の各色成分の表色値との対応関係が定義された変換テーブルである。つまり、第1の色変換処理では、CIELAB色空間におけるすべての色について共通の色変換パラメータP_ALLを用いて色変換を実施する。
第1の色領域特定処理及び第2の色領域特定処理では、第1の色変換処理でCIELAB色空間に変換された評価用表色値に基づいて、被評価画像の読取値が表す被評価画像の画像色を特定する。この際、評価用表色値から被評価画像の彩度が予め定めた閾値T1以上か否かを判断し、被評価画像の彩度が閾値T1以上である場合には、第1の色領域特定処理にて、CMYRGB各色に対応したCIELAB色空間における各々の表色値と評価用表色値とを比較して、最も近い表色値を有する色を被評価画像の画像色として特定する。
一方、被評価画像の彩度が閾値T1未満である場合には、CMYRGBPk各色のCIELAB色空間における表色値が接近しているため、第1の色領域特定処理だけでは被評価画像の画像色を特定し難いとの理由から、第2の色領域特定処理を実施する。第2の色領域特定処理では、色変換パラメータP_ALLとは異なる変換パラメータを用いて被評価画像の読取値をCIELAB色空間に変換した後、変換後の表色値を予め実験的に求められているCMYK各色の予測表色値と各々比較して、最も色差の相違が少ない色の予測表色値を選択し、当該予測表色値との色差の相違の程度に基づいて、被評価画像の画像色を特定する。
選択部114では、特定部112で特定した被評価画像の画像色に対して、予め定めた色味決定成分色を選択した後、色味決定成分色の濃度から得られた被評価画像の画像色の濃度に応じて、基準色及び補正対象色を選択する。
まず、色味決定成分色の選択について説明する。
例えば、被評価画像の画像色がYの場合にこれを光電変換部86で読み取ると、Yの色味はYの補色であるBの濃度に依存する一方、Bの濃度の変化に比べてR及びGの濃度の変化がYの色味に与える影響は無視できる程度であり、むしろR及びGの濃度誤差がYの色味に対してノイズ成分として作用することが知られている。この傾向はCやMといった他の1次色でも同様であることが知られている。
従って、選択部114では、特定部112が被評価画像の画像色をCMYといった補色を有する1次色に特定した場合、その補色を色味決定成分色として選択する。具体的には、被評価画像の画像色がCの場合には色味決定成分色はR、被評価画像の画像色がMの場合には色味決定成分色はG、被評価画像の画像色がYの場合には色味決定成分色はBを選択するようにする。
なお、特定部112が被評価画像の画像色をRGBといった2次色に特定した場合の色味決定成分色は次のようにして選択する。
画像形成部14で2次色の被評価画像を形成する場合、例えば、1次色である各トナーを1色ずつ順に記録媒体上に重ねるように転写するため、最も後から重ね合わせられた表層に位置する1次色の補色を色味決定成分色として選択する。具体的には、例えばY、Mの順に重ね合わせられたRの場合にはMの補色であるGを、C、Yの順に重ね合わせられたGの場合にはYの補色であるBを、M、Cの順に重ね合わせられたBの場合にはCの補色であるRを色味決定成分色として選択する。なお、この1次色の重ね合わせ順は画像形成部14の設計時に予め定められるものであり、定められた1次色の重ね合わせ順が変更されることはない。
被評価画像の画像色が3次色である場合にも、被評価画像の画像色が2次色の場合の色味決定成分色の選択方法と同様に、3次色を構成する1次色のうち表層に位置する1次色の補色を色味決定成分色として選択すればよい。
次に、基準色及び補正対象色の選択について説明する。
図4は被評価画像の画像色がYの場合のRGB色空間におけるB成分の濃度及びR成分の濃度を示したグラフであり、縦軸はYの濃度、横軸はYの濃度に応じたB成分及びR成分の光電変換部86における内部信号値を表している。この内部信号値がA/D変換されて、B成分の濃度及びR成分の濃度として表される。
ここで、被評価画像の画像色Yの濃度について考察すると、被評価画像の画像色Yの濃度が例えば1.6以上の値になると、濃度が1.6未満の場合に比べて被評価画像の画像色Yの濃度の読取精度が悪くなる傾向が見られる。この際、色味決定成分色Bの濃度に含まれるノイズ量を測定してみると、被評価画像の画像色Yの濃度が1.6未満の場合の色味決定成分色Bの濃度に含まれるノイズ量に比べて多くなっていた。すなわち、被評価画像の画像色がYの場合、Yの濃度が高くなるに従って、色味決定成分色BのSN比が低く(悪く)なることがわかった。
一方、被評価画像の画像色Yに対する色味決定成分色B以外のRGB成分色、例えばRのSN比について見てみると、画像色Yの濃度が高くなるに従って、色味決定成分BのSN比に比べて高く(良く)なっていた。
そこで、被評価画像の画像色の濃度の読取精度が低下し始める濃度以上を飽和領域、それ以外の領域を非飽和領域とすると、被評価画像の画像色Yの濃度が飽和領域に含まれる場合には、被評価画像の画像色Yの非補色であり、SN比がより高いRを基準色として選択する。一方、色味決定成分色Bの濃度から、被評価画像の画像色Yの濃度が非飽和領域に含まれる場合には、被評価画像の画像色Yの補色であり、SN比がより高いBを基準色として選択する。
なお、上記の例では、被評価画像の画像色Yの濃度が飽和領域に含まれる場合、Rを基準色としたが、この際、GのSN比もBのSN比に比べて良い傾向が見られることから、R及びGを基準色として選択してもよい。
また、被評価画像の画像色がY以外の他の1次色の場合も、被評価画像の画像色がYの場合と同様にして基準色を選択すればよい。
次に、被評価画像の画像色が2次色以上の場合における基準色の選択方法について説明する。ここでは一例として、被評価画像の画像色をGとして説明するが、他の2次色以上の色であっても同様の方法が用いられる。
被評価画像の画像色Gの濃度について考察すると、被評価画像の画像色Gの濃度が飽和領域に含まれる場合、最も表層に重ね合わせられた一次色の補色、すなわち選択部114で選択された色味決定成分色BのSN比は、色味決定成分色以外の他のRGB成分色(R、G)のSN比に比べて悪くなる。一方、被評価画像の画像色Gの濃度が非飽和領域に含まれる場合、色味決定成分色と、色味決定成分色以外の他のRGB成分色のSN比は同程度となる。
従って、被評価画像の画像色Gの濃度が飽和領域に含まれる場合には、画像色Gを構成する表層の1次色Yの非補色であり、SN比がより高いR及びGを基準色として選択する。一方、被評価画像の画像色Gの濃度が非飽和領域に含まれる場合には、SN比による優劣がつけられないため、RGB各成分色を基準色として選択する。
なお、基準色が選択されれば、必然的にRGB色空間のうち基準色以外の成分色が補正対象色として選択する。すなわち、RGB色空間における成分色のうち、基準色よりSN比が悪い成分色、更に換言すれば、成分色の濃度に対するノイズ量の割合が、基準色の濃度に対するノイズ量の割合より多い成分色が補正対象色として選択される。ただし、RGB各成分色が基準色として選択されている場合には、RGB各成分色共に、成分色の濃度に対するノイズ量の割合が多いものとして捉え、基準色RGB各成分色をそのまま補正対象色として選択する。
変換部116では、選択部114で選択した基準色の濃度に基づいて被評価画像の読取値を被評価画像の実測値に近づけるように、すなわち、補正対象色の読取値に含まれるノイズ量を低減させるように補正した後、特定部112で用いた色変換パラメータP_ALLとは異なる色変換パラメータを用いて、補正後の被評価画像の読取値をCIELAB色空間へ変換する。
このようにして補正した被評価画像の読取値を、被評価画像の画像色毎に用意された予め定めた色変換パラメータP_INDIVによりCIELAB色空間へ変換する。この色変換パラメータP_INDIVは色変換パラメータP_ALLと異なり、より精度よく補正済みの被評価画像の読取値をCIELAB色空間へ変換するように、実験等の結果に基づき被評価画像の画像色毎にパラメータを最適化した色変換パラメータである。
次に、図5に、本実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を表したブロック図を示す。
画像形成装置10の制御部150は、例えばコンピュータ100として構成される。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、及び入出力インターフェース(I/O)105がバス106を介して各々接続された構成であり、I/O105にはネットワーク通信I/F(Interface)8、原稿読取部12、画像形成部14、及び操作表示部22がそれぞれ接続されている。
ネットワーク通信I/F8は、画像形成装置10と図示しないネットワークで接続された、例えばコンピュータやスキャナ等の装置と相互にデータ通信を行うためのインターフェースである。なお、ネットワーク通信I/F8に接続されるネットワークの形態は特に限定されず、有線ネットワークであっても無線ネットワークであってもよい。
原稿読取部12は、原稿搬送部18及び光学系50に接続される。原稿搬送部18には、原稿台16A上に載せられた原稿20を順に引き込んで搬送原稿読取ガラス78上に搬送してから排出台16Bに排出するまでの動作に関わる、例えば図示しないモータや搬送路上に設けられたピックアップロール64等の各種ロール等が含まれる。光学系50には、例えば光電変換部86や光源88等の、搬送原稿読取ガラス78上に搬送された被評価画像を読み込むために必要な各種部材が含まれる。
画像形成部14は、例えば感光体や帯電装置等の、記録媒体に画像を形成するために必要な各種部材が含まれる。
操作表示部22は、例えばディスプレイ24やハードウェアキー26等の、利用者による操作の受付や、画像形成装置10に関する各種情報を表示するために必要な各種部材が含まれる。
次に、本実施形態に係る画像処理を実行する際の原稿読取部12の作用について説明する。
図6は、この際にCPU100により実行される画像処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはROM102の予め定められた領域に予め記憶されており、例えば、利用者による操作表示部22の操作により、被評価画像が形成された原稿20を読み取って原稿読取部12の読取評価機能を実施するよう指示された場合等にCPU100により実行される。
なお、画像処理プログラムは、ROM102に予めインストールされて提供される形態に限らず、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
なお、以下では被評価画像の画像色がYであるパッチ画像を例にして本実施形態に係る画像処理プログラムの処理を説明するが、被評価画像の画像色はY以外の他の1次色であっても、また2次色以上の色であってもよい。
まず、ステップS100では、原稿搬送部18の図示しないモータを駆動させ、被評価画像が形成された原稿20を搬送原稿読取ガラス78上に搬送すると共に、原稿20へ光源88から光を照射して、その反射光を光電変換部86で受光し、スキャン分解能に従って被評価画像の読取値を取得する。
ステップS105では、例えば不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている色変換パラメータP_ALLを読み込み、色変換パラメータP_ALLを用いて、被評価画像の読取値をCIELAB色空間へ変換して、被評価画像の読取値に対応した評価用表色値を得る。ここで色変換パラメータP_ALLは、CIELAB色空間の全域における、RGB色空間におけるRGB各成分色の濃度とCIELAB色空間におけるL*、a*、b*の各色成分の表色値との対応関係が定義された変換テーブルである。つまり、本ステップでは、CIELAB色空間におけるすべての色について共通の色変換パラメータP_ALLを用いて色変換を実施する。
そして、CIELAB色空間に変換された評価用表色値に基づいて、被評価画像の読取値が表す被評価画像の画像色を特定する。この際、例えば不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている閾値T1を読み出し、評価用表色値から被評価画像の彩度が予め定めた閾値T1以上か否かを判断する。被評価画像の彩度が閾値T1以上である場合には、CMYRGB各色に対応したCIELAB色空間における各々の表色値と評価用表色値とを比較して、評価用表色値に最も近い表色値を有する色を被評価画像の画像色として特定する。
一方、被評価画像の彩度が閾値T1未満である場合には、CMYRGBPk各色のCIELAB色空間における表色値が接近しているため、前述した方法では被評価画像の画像色を特定し難いとの理由から、色変換パラメータP_ALLとは異なる、例えば不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている変換パラメータを用いて被評価画像の読取値をCIELAB色空間に変換した後、変換後の表色値を予め実験的に求められているCMYK各色の予測表色値と各々比較して、最も色差の相違が少ない色の予測表色値を選択し、当該予測表色値との色差の相違の程度に基づいて、被評価画像の画像色を特定する。
なお、本ステップにおける処理は、特許文献2に記載された第1の色変換処理、第1の色領域特定処理、及び第2の色領域特定処理に従って実施される。
ステップS110では、ステップS105で特定した被評価画像の画像色に基づいて、色味決定成分色テーブルを参照して色味決定成分色を取得する。この色味決定成分色テーブルは、前述した説明に従って被評価画像の画像色に対する色味決定成分色を規定したテーブルであり、例えば、不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている。この場合、色味決定成分色としてBが取得される。
ステップS115では、ステップS105で特定した被評価画像の画像色の濃度が飽和領域に含まれるか否かを判定する。
そのため、まず、ステップS110で取得した色味決定成分色の濃度から、被評価画像の画像色毎に予め用意された被評価画像濃度テーブルを参照して、被評価画像の画像色の濃度を取得する。被評価画像濃度テーブルは、被評価画像の画像色毎に色味決定成分色の濃度に対するその被評価画像の画像色の濃度が記載されたテーブルであり、当該対応は原稿読取部12の実機による実験や原稿読取部12の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により定められ、例えば、不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている。
そして、取得した被評価画像の画像色の濃度を、例えば、不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている濃度飽和閾値と比較して、被評価画像の画像色の濃度が濃度飽和閾値以上である場合に、被評価画像の画像色の濃度が飽和領域に含まれるものであると判定し、被評価画像の画像色の濃度が濃度飽和閾値未満である場合に、被評価画像の画像色の濃度が非飽和領域に含まれるものであると判定する。なお、濃度飽和閾値は被評価画像の画像色毎に定められた閾値であり、この場合、画像色Yに対する濃度飽和閾値と比較する。
そして、被評価画像の画像色Yの濃度が飽和領域に含まれるものであると判定した場合にはステップS120へ移行し、そうでない場合はステップS125へ移行する。
ステップS120では、ステップS115で被評価画像の画像色Yの濃度が飽和領域に含まれるものであると判定されたことから、ステップS100で読み取った被評価画像の読取値のうち、被評価画像の画像色Yの非補色であるRの濃度に基づいてG及びBの濃度を補正し、被評価画像の読取値を被評価画像の実測値に近づけるようにする。これは既に説明したように、被評価画像の画像色Yの濃度が飽和領域に含まれる場合、色味決定成分色BのSN比が被評価画像の画像色Yの非補色であるRのSN比よりも悪いためである。
具体的には、例えば、色決定成分色の濃度に基づいて、被評価画像の画像色毎に予め用意された補正テーブルを参照して被評価画像の読取値を補正する。補正テーブルは、基準色(この場合、R)の濃度から想定される被評価画像の画像色の濃度に対応した補正対象色の濃度(この場合、G及びB)が規定されたテーブルであり、原稿読取部12の実機による実験や原稿読取部12の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により定められ、例えば、不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている。
補正テーブルに規定されている補正値は、できるだけノイズ成分を除去するように定めた値であるため、補正テーブルを用いて被評価画像の読取値を補正した後の被評価画像の読取値は補正前の被評価画像の読取値に比べて、より被評価画像の実測値に近づいたものとなる。
以上のように補正テーブルに従いBの濃度を補正し、得られた補正後の被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
なお、上記の例では基準色であるRの濃度は補正しなかったが、例えば補正テーブルに基準色の補正値も規定しておき、Rの濃度も補正するようにしてもよい。また、基準色は1色に限られず、R及びGを基準色として、色味決定成分色Bの濃度を補正するようにしてもよい。
また、このステップS120における処理を、「被評価画像の画像色の非補色を用いた補正処理」と称する。
ステップS125では、ステップS115で被評価画像の画像色Yの濃度が非飽和領域に含まれるものであると判定されたことから、ステップS100で読み取った被評価画像の読取値のうち、色味決定成分色Bの濃度に基づいてR及びGの濃度を補正し、被評価画像の読取値を被評価画像の実測値に近づけるようにする。これは既に説明したように、被評価画像の画像色Yの濃度が非飽和領域に含まれる場合、色味決定成分色BのSN比がR及びGのSN比よりも良いためである。
具体的には、ステップS120と同様に、被評価画像の画像色Yに応じた補正テーブルを用いて、色味決定成分色Bの濃度からR及びGの濃度を補正し、得られた補正後の被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
なお、このステップS120における処理を、「被評価画像の画像色の補色を用いた補正処理」と称する。
ステップS130では、ステップS120又はステップS125でRAM103の予め定めた領域に記憶された補正済みの被評価画像の読取値を読み出し、特許文献2に記載された第2の色変換処理を実施して、補正済みの被評価画像の読取値をCIELAB色空間に変換して評価用表色値を得る。この第2の色変換処理の際に用いられる被評価画像の画像色毎に用意された色変換パラメータP_INDIVは、例えば、不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている。
ステップS135では、ステップS130で得た評価用表色値と、例えば不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている被評価画像の画像色毎に定められた目標表色値とを比較して、例えば操作表示部22のディスプレイ24に比較結果を表示するよう制御する。なお、比較結果の通知方法はこれに限られず、例えば、操作表示部22にスピーカー等の音声出力装置が含まれる場合には音声で通知する方法や、画像形成部14を制御して記録媒体に比較結果を表示する方法、更には、ネットワーク通信I/F8を介して、図示しないネットワークに接続されている端末装置に比較結果を送信し、当該端末装置の利用者へ通知するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る画像処理では、被評価画像の画像色の補色である色味決定成分色の濃度から被評価画像の濃度が飽和領域に含まれるか否かを判定し、その判定結果に応じて、被評価画像の読取値をより被評価画像の実測値に近づけるように、被評価画像の読取値の補正方法を切り替えている。
従って、被評価画像の濃度に応じて、被評価画像の読取値を補正する方法を切り替えない場合と比較して、精度よく被評価画像の評価が行われる。
なお、被評価画像の画像色が例えば2次色Gである場合に、ステップS120では、被評価画像の画像色Gの表層に位置する1次色Yの非補色であるR及びGの濃度に基づいてBの濃度を補正し、被評価画像の読取値を被評価画像の実測値に近づけるようにする。これは既に説明したように、被評価画像の画像色Gの濃度が飽和領域に含まれる場合、色味決定成分色BのSN比が被評価画像の画像色Yの非補色であるR及びGのSN比よりも悪いためである。
なお、この場合、Bの濃度だけでなく、R及びGの濃度も補正テーブルに従って補正するようにしてもよい。
一方、ステップS125では、RGB各々の色の濃度を補正テーブルに従って補正して、被評価画像の読取値を被評価画像の実測値に近づけるようにする。
これは既に説明したように、被評価画像の画像色Gの濃度が非飽和領域に含まれる場合、色味決定成分色Bと、それ以外のRGB成分色の色であるR及びGのSN比が同程度となり、RGB各成分色の濃度を補正した方が、より被評価画像の実測値に近づくと考えられるからである。
なお、被評価画像の画像色が例えば3次色である場合であっても、被評価画像の画像色が2次色である場合と同様に処理すればよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では被評価画像がパッチ画像の場合について説明したが、本実施形態では、ベタ画像に対して画像処理を実施する際の原稿読取部12の作用について説明する。なお、ベタ画像は、例えば原稿読取部12により原稿20を読み取る際に生じる面内むらの評価等に用いられる。
原稿読取部12でベタ画像を読み込んだ場合、原稿読取部12に入り込む外部光によって生ずるフレア等により、例えば図7のようにベタ画像の濃度が濃度の測定位置によって変化する場合がある。こうしたベタ画像の濃度に対して第1実施形態に係る画像処理を実施した場合、ベタ画像の濃度が飽和領域に含まれるか否かの境界を表す閾値TH0を境にして、閾値TH0以上の濃度を有する測定点と閾値TH0未満の濃度を有する測定点とに適用される被評価画像の読取値の補正方法が切り替えられる。
すなわち、閾値TH0を境にして、同一の被評価画像に対して異なる被評価画像の読取値の補正が実施されることから、被評価画像の画像色が精度よく評価されない場合が考えられる。そこで、本実施形態は、同一の被評価画像に対して同じ補正方法を適用するようにしたものである。
図8は、ベタ画像に対して画像処理を実行する際にCPU100により実行される画像処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはROM102の予め定められた領域に予め記憶されており、例えば、利用者による操作表示部22の操作により、ベタ画像が形成された原稿20を読み取って原稿読取部12の読取評価機能を実施するよう指示された場合等にCPU100により実行される。
なお、本実施形態における被評価画像の画像色は1次色、2次色、及び3次色の何れであってもよい。
本実施形態におけるフローチャートが図6の第1実施形態におけるフローチャートと異なる点は、ステップS112及びステップS116〜S119の処理が追加された点であり、その他の処理は第1実施形態におけるフローチャートに示す処理と同様である。
この場合、ステップS115で、ステップS105で特定した被評価画像の画像色の濃度が飽和領域に含まれると判断された場合にはステップS116に移行し、ステップS116において、被評価画像の画像色の濃度が飽和領域に含まれると判断された判断回数を表す変数Mを1増加して、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
一方、ステップS115で、ステップS105で特定した被評価画像の画像色の濃度が非飽和領域に含まれると判断された場合にはステップS117に移行し、ステップS117において、被評価画像の画像色の濃度が非飽和領域に含まれると判断された判断回数を表す変数Nを1増加して、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
なお、変数M及びNは、例えばステップS100を実施する以前に予め0に初期化されているものとする。
ステップS118では、全ての測定点における被評価画像の読取値毎にステップS115の処理を実施したか否かを判定する。否定判定の場合には、ステップS112に移行し、次の測定点における被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた場所から読み出して、ステップS115〜S118の処理を繰り返し実行する。一方、肯定判定の場合には、ステップS119へ移行する。
ステップS119では、ステップS116でRAM103に記憶した変数MとステップS117でRAM103に記憶した変数Nとを比較して、変数Mが変数N以上か否かを判定する。変数Mが変数N以上の場合、すなわち被評価画像の濃度が飽和領域に含まれるものと判定された測定点の数が、非飽和領域に含まれるものと判定された測定点の数以上の場合には、ステップS120に移行して、全ての測定点における被評価画像の読取値に対して、既に第1実施形態で説明した被評価画像の画像色の非補色を用いた補正を実施する。
一方、変数Mが変数N未満の場合、すなわち被評価画像の濃度が飽和領域に含まれるものと判定された測定点の数が、非飽和領域に含まれるものと判定された測定点の数未満の場合には、ステップS125に移行して、全ての測定点における被評価画像の読取値に対して、既に第1実施形態で説明した被評価画像の画像色の補色を用いた補正を実施する。
このように、本実施形態に係る画像処理では、被評価画像の面内むらにより被評価画像の濃度が飽和領域及び非飽和領域のいずれの領域にも含まれる場合であっても、被評価画像の読取値の補正方法を固定することで、被評価画像の画像色を精度よく評価する。
<第3実施形態>
第1実施形態では被評価画像がパッチ画像、第2実施形態では被評価画像がベタ画像の場合について説明したが、本実施形態では、階調画像に対して画像処理を実施する際の原稿読取部12の作用について説明する。なお、階調画像は、例えば原稿読取部12による原稿20を読み取る際の濃度の分解能の評価等に用いられる。
原稿読取部12で階調画像を読み込んだ場合、例えば図9のように被評価画像の濃度が測定位置に対して連続的に変化する。
ここで、閾値TH0以上を飽和領域、閾値TH0未満を非飽和領域とした場合、こうした階調画像の濃度に対して第1実施形態に係る画像処理を実施すると、閾値TH0を境にして、閾値TH0以上の濃度を有する測定点と閾値TH0未満の濃度を有する測定点とに適用される被評価画像の読取値の補正方法が切り替えられ、補正方法が切り替わる不連続点では被評価画像の画像色が精度よく評価されない場合が考えられる。
そこで、本実施形態は、閾値TH0を境とした補正方法の切り替えに伴う評価対象の不連続性の度合いを緩和する。
図10は、階調画像に対して画像処理を実行する際にCPU100により実行される画像処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはROM102の予め定められた領域に予め記憶されており、例えば、利用者による操作表示部22の操作により、階調画像が形成された原稿20を読み取って原稿読取部12の読取評価機能を実施するよう指示された場合等にCPU100により実行される。
なお、本実施形態における被評価画像の画像色は1次色、2次色、及び3次色の何れであってもよい。
本実施形態におけるフローチャートが図6の第1実施形態におけるフローチャートと異なる点は、ステップS150〜S165の処理が追加された点であり、その他の処理は第1実施形態におけるフローチャートに示す処理と同様である。
本実施形態ではステップS110で色味決定成分色を取得した後、ステップS150において、被評価画像の画像色の濃度が、閾値TH0未満の閾値TH2以上且つ閾値TH0を超える閾値TH1以下の範囲(以下、評価調整範囲という)に含まれるか否かを判定する。
そのために、まず、被評価画像の画像色毎に予め用意された被評価画像濃度テーブルを参照して、ステップS110で取得した色味決定成分色の濃度から被評価画像の画像色の濃度を取得する。
次に、取得した被評価画像の画像色の濃度と、例えば不揮発性メモリ104の予め定めた領域に予め記憶されている閾値TH1及び閾値TH2とを各々比較することで、被評価画像の画像色の濃度が評価調整範囲に含まれているか否かを判定する。そして当該判定が肯定判定の場合にはステップS120へ移行し、否定判定の場合にはステップS115へ移行する。
ステップS115に移行した場合、すなわち被評価画像の画像色の濃度が評価調整範囲外の濃度である測定点における被評価画像の読取値に対しては、第1実施形態と同様の処理により補正方法の切り替えを実施する。
一方、ステップS120に移行した場合、すなわち被評価画像の画像色の濃度が評価調整範囲内の濃度である測定点における被評価画像の読取値に対しては、第1実施形態において説明した処理に従って、被評価画像の画像色の非補色を用いた被評価画像の読取値の補正を実施し、補正済みの被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
更に、ステップS125では、被評価画像の画像色の濃度が評価調整範囲内の濃度である測定点における被評価画像の読取値に対して、第1実施形態において説明した処理に従って、被評価画像の画像色の補色を用いた被評価画像の読取値の補正を実施し、補正済みの被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた領域に記憶する。
そして、ステップS155において、ステップS120でRAM103に記憶した、被評価画像の画像色の非補色を用いた補正処理を実施した被評価画像の読取値と、ステップS125でRAM103に記憶した、被評価画像の画像色の補色を用いた補正処理を実施した被評価画像の読取値とを読み出す。そして、測定点毎に各々の補正済みの被評価画像の読取値の加重平均を算出し、この加重平均値をその測定点における補正済みの被評価画像の読取値とする。
すなわち、本処理において、閾値TH0を境にした補正方法の切り替えに伴う、補正済み被評価画像の読取値の不連続性の度合いを緩和するようにしている。
なお、加重平均の算出に際して、ステップS120で取得した補正済みの被評価画像の読取値及びステップS125で取得した補正済みの被評価画像の読取値に重みづける重みの大きさに限定はなく、補正済み被評価画像の読取値の不連続性の度合いが緩和されるように設定すればよい。また、加重平均以外の算出方法を用いて補正済みの被評価画像の読取値を算出するようにしてもよい。
ステップS160では、全ての測定点における被評価画像の読取値毎にステップS150の処理を実施したか否かを判定する。否定判定の場合には、ステップS165に移行し、次の測定点における被評価画像の読取値を、例えばRAM103の予め定めた場所から読み出して、ステップS150に移行する。一方、肯定判定の場合には、ステップS130へ移行する。
このように、本実施形態に係る画像処理では、被評価画像の濃度が飽和領域と非飽和領域の境界近傍である評価調整範囲に含まれる測定点における被評価画像の読取値に対して、被評価画像の画像色の非補色を用いた補正処理と被評価画像の画像色の補色を用いた補正処理をそれぞれ実施して、各々の補正方法による補正結果の加重平均をとることで、被評価画像の画像色を精度よく評価するようにした。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本実施形態では、一連の画像処理をソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば当該処理をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
この場合の形態例としては、例えば、制御部150が実行する処理に対応した機能デバイスを作成して用いる形態がある。この場合は、本実施形態の場合と比較して、処理の高速化が期待される。