JP2015028126A - 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、炭素繊維5〜100質量部、黒鉛10〜100質量部、リン系難燃剤3〜30質量部、フルオロポリマー0.001〜5質量部及び炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸0.03〜0.5質量部を含有することを特徴とする熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明の目的(課題)は、高い熱伝導性と耐衝撃性と高度の難燃性を併せ有する熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品を提供する。
[2]リン系難燃剤が、リン酸エステル化合物またはホスファゼン化合物である上記[1]に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]上記[1]または[2]に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、炭素繊維5〜100質量部、黒鉛10〜100質量部、リン系難燃剤3〜30質量部、フルオロポリマー0.001〜5質量部及び炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸0.03〜0.5質量部を含有することを特徴とする。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、適宜選択して決定すればよいが、粘度平均分子量[Mv]で通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上、より好ましくは18000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
炭素繊維としては、ピッチ系、PAN系(ポリアクリロニトリル系)、レーヨン系等のいずれをも使用できるが、ピッチ系の炭素繊維が、耐衝撃性と熱伝導性の点から好ましい。炭素繊維の平均繊維径は20μm以下が好ましく、流動性、耐衝撃性、寸法安定性、外観のバランスから、5〜8μmの範囲が最も好ましい。平均繊維径が20μmを超えると寸法安定性、耐衝撃性のバランスが低下するため、好ましくない。
また、組成物中での、平均繊維長が0.1〜2mmの範囲にあることが、耐衝撃性、寸法安定性、熱伝導性、外観のバランスの点から好ましい。
表面処理剤の量は、炭素繊維100質量部に対して、0.5〜15質量部の範囲であることが好ましく、1〜10質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は黒鉛を含有する。
黒鉛としては、特に限定されず、種々の黒鉛を用いることができ、天然の黒鉛、人工的に作製された黒鉛のいずれを使用してもよい。例えば、天然鱗片状黒鉛、天然土状黒鉛等の天然黒鉛;石油コークス、石油ピッチ或いは無定形炭素等を、高温で熱処理した人造黒鉛;これら天然黒鉛または人造黒鉛を強酸に浸漬し、さらに過酸化水素、塩酸等の酸化剤を添加して処理し、次いで水洗後、急速加熱して、原料黒鉛のC軸方向に膨張させた膨張黒鉛(または、膨張化黒鉛);等を用いることが出来る。
これらは一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
またその形状にも制限はなく、鱗状、鱗片状、塊状、フレーク状、繊維状、球状等が挙げられる。
膨張黒鉛または、膨張化黒鉛の場合は、平均粒径が50〜500μmであることが好ましく、100〜500μmがより好ましい。熱分解黒鉛の場合は、平均粒径が10〜100μmであることが好ましく、15〜90μmがより好ましい。このような黒鉛を使用することにより、熱伝導性が良好になる傾向にある。
黒鉛のD50平均粒径は、35μm以上であることがより好ましく、50μm超、さらに70μm超であることが好ましく、100μm超、さらには200μm超であることが特に好ましく、300μm超であることが最も好ましい。また、その上限は、好ましくは1000μm以下であり、800μm以下であることがより好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、600μm以下であることが特に好ましい。
なお、D50平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときの積算累積容量%が50%であるD50平均粒径である。
また、炭素繊維と黒鉛の含有量の比は、炭素繊維/黒鉛の質量比で1以上であることが好ましく、より好ましく1.2以上、さらに好ましくは1.3以上であり、好ましくは7以下であり、より好ましくは6以下であり、5以下であることがさらに好ましい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、リン系難燃剤を、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、3〜30質量部含有する。このようにリン系難燃剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、流動性を十分に改良することができ、30質量部以下とすることにより、機械的強度を良好に保つことができる。
上記一般式(1)で表されるリン酸エステル化合物は、kが異なる数を有する化合物の混合物であってもよく、かかるkが異なる縮合リン酸エステルの混合物の場合は、kはそれらの混合物の平均値となる。kは、通常0〜5の整数であり、異なるk数を有する化合物の混合物の場合は、平均のk数は好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.6〜1.5、さらに好ましくは0.8〜1.2、特に好ましくは0.95〜1.15の範囲である。
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステル類;
レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(RDP)、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート(RDX)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(BDP)、ビフェニルビス−ジフェニルホスフェート等の縮合リン酸エステル類;
等が挙げられる。
前記一般式(2)及び(3)で表されるホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホスファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1−6アルキルC6−20アリールオキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6−20アリールC1−10アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン等が例示できる。
これらのうち、好ましくは、環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン、C6−20アリールオキシC1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)である。
このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。
このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10,000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。
このような架橋ホスファゼン化合物としては、下記一般式(4)に示す架橋構造、例えば、4,4’−スルホニルジフェニレン(すなわち、ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、滴下防止剤としてフルオロポリマーを含有する。
フルオロポリマーとしては、例えば、フルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体である。具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルアルキルビニルエーテル共重合樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このフルオロエチレン樹脂としては、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
なお、フルオロポリマーは、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸を含有する。炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸は、好ましくは炭素数10〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸であり、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。これらの中では、ステアリン酸またはベヘン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
有機脂肪族カルボン酸は、1種を単独で含有してもよく、2種以上含有していてもよい。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、上記した以外の各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;
ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)は、これを含有することにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性を向上させることができので好ましい。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂を含有する場合は、ポリカーボネート樹脂及びその他の樹脂の合計100質量部中の、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
樹脂添加剤としては、例えば、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、ガラス繊維、紫外線吸収剤、染顔料(カーボンブラックを含む)、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維、黒鉛、リン系難燃剤、フルオロポリマー及び炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。二軸混練押出機を使用する場合は、炭素繊維はサイドフィードすることが好ましい。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットは、各種の成形法で成形して成形品とされる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して成形品にすることもできる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
以下の実施例及び比較例に使用した各原料成分は、以下の表1のとおりである。
上記表1に記載した各成分を、下記の表3〜4に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、炭素繊維はサイドフィードして、溶融混練させてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られたペレットを100℃で4時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、278℃、荷重160kgfの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:0.01cm3/sec)を測定して、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
上記ペレットを100℃、5時間乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所社製「J55−60H」)を用い、シリンダー設定温度270〜290℃、金型温度100℃、射出時間2秒、成形サイクル40秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
得られたISO多目的試験片を使用し、切削加工にてノッチ有の試験片も準備した。
得られた試験片を用い、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ有とノッチ無シャルピー耐衝撃強度(単位:kJ/m2)をそれぞれ測定した。
上記ISO試験片(4mm)を用い、ISO規格527−1及びISO527−2に準拠して、引張弾性率(単位:MPa)、引張強度(単位:MPa)、破壊点呼び歪(単位:%)を測定した。
ISO178に準拠して、上記ISO試験片(4mm)を用い、23℃において、曲げ弾性率(単位:MPa)と曲げ応力(単位:MPa)を測定した。
上記で得られたISO多目的試験片を用い、ISO75−1&2に従い、荷重1.80MPaの条件(A法)にて測定を行った。なお、表中、「DTUL」と表記する。
上記で得られたISO多目的試験片(4mm)を0.15〜0.5mm厚のスライス状に切削し、これを試料として、(株)アイフェイズ製温度波熱分析装置「ai−Phase Mobile1」を使用し、MD方向(成形時の樹脂流れ方向)及び厚み方向について、測定した。
上記ペレットを100℃、5時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼所製「J55−60H」)にて、シリンダー設定温度340℃、金型温度120℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm×幅13mmで、厚さが1.2mm及び1.5mmのUL試験用試験片2種を成形した。
得られた試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から燃焼性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の燃焼性を有するためには、以下の表2に示す基準を満たすことが必要となる。
以上の評価結果を、以下の表3に示した。
Claims (3)
- ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、炭素繊維5〜100質量部、黒鉛10〜100質量部、リン系難燃剤3〜30質量部、フルオロポリマー0.001〜5質量部及び炭素数が10〜22の有機脂肪族カルボン酸0.03〜0.5質量部を含有することを特徴とする熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
- リン系難燃剤が、リン酸エステル化合物またはホスファゼン化合物である請求項1に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
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