JP2015055005A - オーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器 Download PDF

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Junya Kaneda
潤也 金田
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明 吉成
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Yukio Yanokura
幸夫 矢野倉
豊田 哲也
Tetsuya Toyoda
哲也 豊田
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Abstract

【課題】酸化性酸の存在下において優れた耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:9.0〜13.0%、Cr:18.0〜20.0%、N:0.1%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、Cr当量/Ni当量比が1.45以上1.80以下であり、オーステナイト相が単結晶組織であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
【選択図】図3

Description

本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器に関する。
従来より、原子力発電施設に備えられる、原子炉炉心部材、配管等の各種設備機器や、それらの支持部品、締結部品等の材質としては、SUS304系、SUS316系等のオーステナイト系ステンレス鋼が多用されている。オーステナイト系ステンレス鋼は、良好な機械的性質や加工性を有し、クロムの含有比率が高く、耐食性にも優れた特性を有する材料として知られている。
しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は、炭素含有量が高い場合に700℃前後の温度領域に加熱・保持されると鋭敏化を起こす可能性があり、その後、ある特定の条件の下で粒界腐食や粒界型応力腐食割れ(Intergranular Stress Corrosion Cracking;IGSCC)を生じ易くなる性質がある。また、長期に亘って放射線照射を受ける環境では、累積照射量の増大にしたがって、照射誘起応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking;IASCC)が誘起されることが知られている。すなわち、オーステナイト系ステンレス鋼は、中性子照射下において、この照射誘起応力腐食割れが誘起され、粒界割れに対する感受性がより増大するという特性を有している。
そこで、原子炉内等の中性子照射下で用い得る鋼材として、腐食の根本要因となる粒界の存在をなくし、粒界腐食や粒界割れ発生のポテンシャルを減じた単結晶の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、安定な組織を有し、耐食性、耐応力腐食割れ性及び機械的特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供する技術として、C量が0.02%以下で、オーステナイト単相又はフェライト相がオーステナイト母相中に10体積%以下であり、オーステナイトの母相はサブ結晶粒からなり、さらに対応方位関係からのずれが小さく規則度が高い結晶粒界の単結晶からなるオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
また、特許文献2には、安定な組織を有し、耐応力腐食割れ性、強度及び照射脆化に優れた単結晶オーステナイト系ステンレス鋼を提供する技術として、オーステナイト系ステンレス単結晶鋼に、溶体化処理により均一化を図った後、再結晶化温度以下の温度範囲で冷間加工または熱間加工を施し、さらに再結晶化温度以下の温度範囲で時効熱処理により析出物を分散せしめるとともに、歪み取り焼鈍された単結晶ステンレス鋼が開示されている。
さらに、特許文献3には、安定な組織を有するとともに靭性及び耐照射応力腐食割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供する技術として、重量で、C0.1%以下、Si1%以下、Mn2%以下、Ni9〜15%、Cr10〜18.5%及びMo1〜3%を含み、Feが65.433%以上であるオーステナイト鋼において、当該鋼は全オーステナイト相を有し、当該オーステナイト相が単結晶であることを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイト鋼や、重量で、C0.1%以下、Si1%以下、Mn2%以下、Ni9〜15%、Cr10〜18.5%及びTi1%以下又はNb1.5%以下を含み、Feが65.433%以上であるオーステナイト鋼において、当該鋼は単結晶の全オーステナイト相からなることを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイト鋼が記載されている。
特開平11−080905号公報 特開平10−204586号公報 特許第2574917号公報
原子力発電で使用された使用済み燃料の回収と再燃料化等を行う原子燃料再処理施設においては、使用済み燃料に含まれている再利用可能なウラン(U)やプルトニウム(Pu)を、分離及び回収し、ウラン燃料やMOX(Mixed Oxide)燃料の原料を生産する。再処理では、せん断された使用済み燃料は、硝酸に溶解された後、溶媒抽出によって、ウラン、プルトニウム、核分裂生成物等に分離される。そして、分離されたウランやプルトニウムは、濃縮、脱硝処理、加熱処理等の工程を経て、ウラン燃料やMOX燃料の原料である酸化物粉末の形態に変換され、核分裂生成物や超ウラン元素等を含む放射性廃液は、濃縮・減容された後、ガラス固化されて、高レベル放射性廃棄物として処分される。
このように、再処理の過程では、酸化性酸である硝酸を取り扱う工程が多く存在する。特に、溶媒抽出工程において発生する廃液は、硝酸と共に、核分裂反応生成物や超ウラン元素といった化学種を含有し、それらの中には腐食を促進するものも含まれているため、高い腐食性を示すことが知られている。このような放射性廃液に、設備機器の主要材料であるステンレス鋼が晒されると腐食が促進され、過不動態域にまで及ぶような環境では粒界侵食を伴う腐食が支配的になってくる。そのため、高腐食環境でステンレス鋼を使用する場合は、脱粒を伴うような腐食減肉やメタルフローに沿って腐食が進展するいわゆるトンネル腐食の発生を考慮する必要がある。
特許文献1に記載されるオーステナイト系ステンレス鋼単結晶によれば、原子燃料再処理施設のような酸化性環境下で使用する部材が提供されるとされている。しかしながら、特許文献1に開示されるオーステナイト系ステンレス鋼単結晶(表1のNo.1及びNo.2参照)は、溶接性を低下させる窒素の含有率が高いため、設備機器の材料としての適用範囲は限定的である。
他方、特許文献2に開示されるステンレス鋼は、オーステナイト相を安定化させるNiを高い比率で含有すると共に、その多くは、Moを含有するSUS316系のステンレス鋼である(表1のNo.S2〜S8参照)。また、特許文献3に開示されるオーステナイト系ステンレス鋼は、Mo又はNbを含有している(第1表のNo.3〜No.13参照)。しかしながら、Niの含有率が高い場合には、ピット状の全面腐食が発生し易くなったり、MoやNbの含有率が高い場合には、粒界腐食が促進されたりするおそれがある。
そこで、これら元素の含有率が低減された組成でありながら、高濃度の酸化性酸の存在が想定され粒界侵食が支配的となるような環境においても優れた耐食性を示す単結晶組織のステンレス鋼が求められている。
したがって、本発明の課題は、酸化性酸の存在下において優れた耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:9.0〜13.0%、Cr:18.0〜20.0%、N:0.1%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、Cr当量/Ni当量比が1.45以上1.80以下であり、オーステナイト相が単結晶組織であることを特徴とする。
また、本発明に係る放射性廃液処理設備機器は、前記オーステナイト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、酸化性酸の存在下において優れた耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器を提供することができる。
単結晶製造装置の一例を示す概略断面図である。 放射性廃液処理設備機器の一例を表す模式図である。(a)は放射性廃液を内包し濃縮・減容する装置の部分断面図、(b)は(a)におけるA領域の部分拡大断面図である。 実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼の腐食度を表す図である。
以下に本発明の一実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼及びそれを用いた放射性廃液処理設備機器について詳細に説明する。
本実施形態に係るステンレス鋼は、少なくとも、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)を含有してなるFe−Cr−Ni系のオーステナイト系ステンレス鋼であり、主相がオーステナイトの単結晶組織からなる結晶構造を有している。
一般に、オーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性、加工性、溶接性等に優れた特性を有する鋼種として知られ、各種プラント設備から産業機器に至る種々の用途に用いられている。本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、これらの特性に加え、特に、酸化性酸に曝露されることにより発生する腐食に対しても耐食性を有し、腐食減肉やトンネル腐食の発生が低減された特殊鋼である。
以下、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の元素組成について説明する。
クロム(Cr)は、主に、ステンレス鋼に不動態皮膜を形成し、耐食性の向上に寄与すると共に、強度や耐熱性等の向上に寄与する成分である。Crは、フェライト相の形成元素であるため、Crの含有率が過度に高いと、フェライト相が析出し易くなり、単結晶組織であるオーステナイト相が得難くなる。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Crの含有率は、18.0質量%以上20.0質量%以下の範囲、好ましくは18.0質量%以上19.5質量%以下の範囲とする。
ニッケル(Ni)は、主に、靭性、強度や耐熱性の向上に寄与する成分である。また、オーステナイト相の形成元素であるため、単結晶組織であるオーステナイト相の安定形成に資する成分である。また、非酸化性酸による活性態領域における腐食に対して耐性を向上させる作用を有している。但し、Niの含有率が過度に高いと、オーステナイト系ステンレス鋼の表面にピット状の腐食が生じ易くなる。また、ステンレス鋼材の原料費が高価となる傾向がある。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Niの含有率は、9.0質量%以上13.0質量%以下の範囲、好ましくは9.0質量%以上11.0質量%以下の範囲とする。
マンガン(Mn)は、主に、脱酸剤又は脱硫剤として添加される他、機械的特性や加工性や靭性の向上に寄与する成分である。また、オーステナイト相の形成元素であるため、単結晶組織であるオーステナイト相の安定形成に資する成分である。また、Niと比較してステンレス鋼材の原料費を安価にできる傾向がある。但し、耐食性の観点では、有利ではないため、本実施形態に係るステンレス鋼においては、Mnは、添加された脱酸剤又は脱硫剤に由来する含有率に抑えることが好ましい。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Mnの含有比率は、2.0質量%以下の範囲、好ましくは0.5質量%以上1.5質量%以下の範囲とする。
炭素(C)は、クロム炭化物の形成により耐食性の低下を招く他、加工性や溶接性を低下させる成分である。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Cの含有率は、0.02質量%以下の範囲とする。但し、Cは、低含有率の範囲では、強度の向上に寄与するため、Cの含有率は、0.002質量%以上0.02質量%以下の範囲としてもよい。なお、炭化物の形成は、Ti、Nb又はTa等の炭化物を安定形成し得る元素を添加することにより低減することができる。
珪素(Si)は、主に、脱酸剤として添加される他、耐熱性の向上に寄与する成分である。また、硝酸等の酸化性酸による過不動態域における腐食に対して耐性を付与する効果や、溶接時の湯流れを改善する効果がある。但し、Siは、フェライト相の形成元素であるため、Siの含有率が過度に高いと、フェライト相が析出し易くなり、単結晶組織であるオーステナイト相が得難くなる。したがって、本実施形態に係るステンレス鋼においては、Siは、添加された脱酸剤に由来する含有率に抑えることが好ましい。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Siの含有率は、1.0質量%以下の範囲、好ましくは0.2質量%以上0.8質量%以下の範囲とする。
窒素(N)は、クロム窒化物の形成により耐食性の低下を招く他、加工性や溶接性を低下させる成分である。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Nの含有率は、0.1質量%以下の範囲、好ましくは0.05質量%以下の範囲とする。このように、Nの含有率を0.1質量%以下の範囲とすることによって、溶接性が良好なオーステナイト系ステンレス鋼とすることができ、放射性廃液処理設備機器における適用範囲が拡大する。特に、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、単結晶として形成する大きさに限りがあるため、放射性廃液処理設備機器における小型部材としての利用が想定される。このような部材間の溶接が高頻度で要求される用途においても、溶接性が良好であるため、放射性廃液処理設備機器の局所の耐食性を向上させることができる。但し、Nは、低含有率の範囲では、孔食に対する耐性の向上に寄与するため、積極的な添加が妨げられるものではなく、0.001質量%以上0.1質量%以下の範囲としてもよい。
モリブデン(Mo)は、一般には、非酸化性酸による活性態領域における腐食に対して耐性を向上させる作用を有し、高温下における強度の向上に寄与する成分である。しかしながら、酸化性酸による過不動態域における腐食に対する耐食性の低下を招く成分である。そのため、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Moは、不可避的に混入し得る不純物として含有が制限され、積極的な添加は行わないものとする。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Moの含有率は、好ましくは0.2質量%以下の範囲、より好ましくは0.1質量%以下の範囲とする。
ニオブ(Nb)は、一般には、靭性の向上に寄与し、炭化物や窒化物を安定形成して耐食性を向上させる作用を有する成分である。しかしながら、酸化性酸による過不動態域における腐食に対する耐食性の低下を招く成分である。そのため、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Nbは、不可避的に混入し得る不純物として含有が制限され、積極的な添加は行わないものとする。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Nbの含有率は、好ましくは0.1質量%以下の範囲、より好ましくは0.05質量%以下の範囲とする。
リン(P)は、ステンレス鋼の原料のフェロクロム等から不可避的に混入する不純物であり、主に、腐食の要因となる成分である。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Pの含有率は、好ましくは0.015質量%以下の範囲とする。但し、Pは、溶接時の湯流れを改善する効果を有するため、積極的な添加が妨げられるものではない。
硫黄(S)は、ステンレス鋼の原料のフェロニッケル等から不可避的に混入する不純物であり、鉄と化合して硫化鉄を生成し、主に、割れや腐食の要因となる成分である。
よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、Sの含有率は、好ましくは0.015質量%以下の範囲とする。但し、Sは、溶接時における溶込み深さを増大させる効果を有するため、積極的な添加が妨げられるものではない。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、前記の含有率で表わされる元素組成を有し、この元素組成の残部が、主に、鉄(Fe)からなる。なお、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、製造に使用した原料又は製造工程中において使用した機器若しくは副原料に起因する他の不可避的不純物を微量含有することが許容される。他の不純物としては、前記のMo、Nb、P、Sの他、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属や、Ti、V、Co、Cu、Zn、Zr、Ag、Cd、W、Ce、Nd等の金属や、B、Al、Ga、Sn、As、Sb、Te、Cl、Br、O、Ar等の他の典型元素が例示されるが、その元素種は一般的に低濃度で存在するため特に制限を設けるほどのものではない。本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、不可避的不純物の含有率は、0.5重量%以下とする。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、主相であるオーステナイト相が実質的には単結晶組織からなり、常温において、単結晶のオーステナイト相の単相、又は、単結晶のオーステナイト相を含む複相の金属組織を有している。主相のオーステナイト相の単結晶組織は、前記の元素組成及び元素の含有率を制御することによって実現され、主相のオーステナイト相内に結晶粒界が存在しなくなることによって、粒界腐食の発生が低減される。そのため、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、高濃度の酸化性酸の存在が想定され粒界腐食が支配的となるような環境においても優れた耐食性を示すものとなる。
一般に、オーステナイト系ステンレス鋼では、その元素組成によっては、オーステナイト相を母相としてフェライト相が析出することがある。しかしながら、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼では、オーステナイト相が単結晶組織として安定形成される元素組成とされているため、フェライト相は、析出したとしても、母相のオーステナイト相中に分散して点在する島状の分布となる。そのため、オーステナイト相とフェライト相との相境界は、短線分且つ不連続的な形状となって、相境界を起点とする腐食や割れは、連続的には進展し難くなり、腐食溶出が抑制される。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼において、析出するフェライト相の断面面積率は、10%以下、好ましくは3%以下とする。本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の元素組成では、鋳鋼材におけるフェライト相の断面面積率は、通常10%以下となる。この断面面積率は、固溶化処理を行うことによって、析出相を固溶化させることで、さらに低下させることができる。固溶化処理は、鋳鋼材を1050〜1150℃程度の温度範囲まで加熱して所定時間保持した後、急冷することにより行えばよい。
このように析出するフェライト相の断面面積率を10%以下とすることによって、腐食溶出が生じ易いフェライト相の影響を抑制することができる。
なお、フェライト相の断面面積率は、点算法を用いて計測される、ステンレス鋼の全断面積に対する面積比率であり、JIS G 0555 附属書1の方法に準じて求められる値である。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼においては、主相であるオーステナイト相の単結晶組織を安定的に形成するために、特に、Cr等のフェライト形成元素とNi等のオーステナイト形成元素の比率が所定範囲内に制限された元素組成とする。具体的には、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼において、Cr当量/Ni当量比は、1.45以上1.80以下、好ましくは1.55以上1.80以下の範囲とする。
Cr当量/Ni当量比が1.80を超えると、オーステナイト形成元素が充分な比率で確保されないことになるため、単結晶組織からなるオーステナイト相を形成することが困難となる。また、Cr当量/Ni当量比が1.45未満であると、一般的な濃度範囲にあるNiに対するCrの比率が過度に小さくなるため、不動態皮膜の形成が損なわれ、耐食性が劣化するおそれがある。したがって、Cr当量/Ni当量比が1.45以上1.80以下の範囲とすることによって、オーステナイト相が単結晶組織からなり、且つ不動態皮膜の作用による耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼とすることができる。
なお、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、主にFe、Cr及びNiにより組成され、C、Si、Mo、Nb、N、Mn等の含有率が制限されているため、Fe、Cr及びNiを除く元素の含有率は比較的小さい値となる。そこで、前記のCr当量/Ni当量比の具体的な数値としては、Cr当量としてCrのみの含有率(濃度)、Ni当量としてNiのみの含有率(濃度)を用いて算出される数値を採用している。しかしながら、各元素の含有率の条件が満たされている場合には、前記のCr当量/Ni当量比の具体的な数値は、他の方法により推定されるCr当量及びNi当量から算出される比の値に変換することが許容される。
他の方法としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼における合金組織の状態を化学組成に基づいて予測するシェフラ(Schaeffler)の組織図、窒素の組成が考慮されたディロン(DeLong)の組織図等を用いる方法がある。シェフラの組織図では、Cr以外のフェライト形成元素と、Ni以外のオーステナイト形成元素のそれぞれが考慮されて、Cr当量(%)及びNi当量(%)は、
Cr当量=%Cr+%Mo+1.5%Si+0.5×%Nb・・・(数式1)
Ni当量=%Ni+30×%C+30×%N+0.5×%Mn・・・(数式2)、
の各式にしたがって与えられる。よって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼のCr当量/Ni当量比をこのような方法で算出される値に変換することができ、例えば、シェフラの組織図における数値に換算すると、好ましいCr当量/Ni当量比の範囲は、約1.41〜約1.75程度となる。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法としては、ブリッジマン法、タンマン法、チョクラルスキー法、浮遊帯域溶融法等の一般的な方位制御鋳造法を用いることができるが、種結晶の選択を行うセレクタを併用した単結晶鋳造法が好ましい方法である。
図1は、単結晶製造装置の一例を示す概略断面図である。
単結晶製造装置10は、溶湯を垂直下方向に引き下げることにより、ステンレス鋼の凝固を垂直方向に方向制御してステンレス鋼単結晶を鋳造する装置であり、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造に好適である。
この単結晶製造装置10は、図1に示すように、主に、鋳型3、セレクタ5及びスタータ6を備える本体4と、水冷チル9と、鋳型加熱炉8と、から構成されている。
本体4の上部に備えられる鋳型3には、鋳造されるオーステナイト系ステンレス鋼の形状に応じた略円柱形状の型が内部に形成され、その下方に備えられるセレクタ5には、鋳型3とスタータ6とを連通し、つづら折れ状に複数回屈曲した型が内部に形成されている。また、本体4の最下部に備えられるスタータ6には、種結晶を成長させる空間が内部に形成されている。
水冷チル9は、本体4を載置する天板部を有し、天板部と熱交換する水が循環する冷媒流路を内部に有しており、昇降自在とされている。
また、本体4は、水冷チル9の天板部に固定されると共に、その外周が鋳型加熱炉8に覆われており、本体4は、鋳型加熱炉8に対して垂直方向に相対運動可能とされている。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の単結晶の製造に際しては、本体4は、鋳型加熱炉8により所定温度に加熱し、鋳型加熱炉8の上端に形成されている鋳込口7より、溶湯1を、本体4に鋳込む。溶湯1は、所定の元素組成に調整された本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の地金を、溶解炉2において融点以上に加熱して溶融させたものであり、その加熱温度は、例えば、1500〜1600℃とする。溶解炉2は、例えば、高周波溶解炉等である。
鋳込まれた溶湯1は、スタータ6において、水冷チル9によって冷却されて多数の結晶を生成する。そこで、本体4を、所定の結晶成長速度が保たれるように所定速度で引き下げながら、溶湯1を徐々に凝固させることによって、セレクタ5により成長する結晶を一つに絞りつつ、成長方向が垂直方向に制御された単結晶を鋳型3内で鋳造して、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の単結晶を製造する。なお、引き下げの速度は、単結晶を適切に成長させるために、100cm/h以下とすることが好ましい。
鋳造された本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、単結晶のオーステナイト相と共に他の析出相を含む複相の金属組織となることがある。よって、鋳造されたステンレス鋼は、析出相を固溶化させるために、固溶化処理に供することが好ましい。固溶化処理は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下において、例えば、加熱温度を1050〜1150℃とし、一定時間保持した後、放冷又は冷却することにより行えばよい。
このような固溶化処理を行うことによって、析出したフェライト相が母相のオーステナイト相に再固溶するため、より単相に近いオーステナイト相の単結晶組織を得ることができ、フェライト相の断面面積率を3%以下程度にできる。
以上の本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼によれば、硝酸等の酸化性酸が高濃度で存在する環境下において、優れた耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼鋼材が提供される。特に、粒界侵食が支配的となって生じる腐食減肉やトンネル腐食の発生が低減し、且つ溶接性が良好な鋼材が提供される。
本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、このように円柱形状を有するステンレス鋼単結晶として製造する場合には、通常、外径50mm以下までの大きさの単結晶鋼材として製造することができる。
したがって、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、原子燃料再処理施設に設置される放射性廃液処理設備機器、原子炉炉内に設置される設備機器、化学プラントに設置される設備機器等の部品又は部材を構成するための高耐食性ステンレス鋼材としての応用が可能であり、その優れた耐食性等の特性に基づいて、設備機器の信頼性を向上させ、設備機器寿命を長期化させることができる。
設備機器としては、容器、配管、弁、ポンプ、計装品等が挙げられる。また、各種支持板、支持具、締結具等の部品又は部材や、大型構造材の一部又は小型構造材としても応用し得る。本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、特に、硝酸等の酸化性酸の接触がある環境下において使用される部品又は部材の材料として好適に用いられ、このような部品又は部材としては、例えば、放射性廃液を内包する容器等に設置される温度計に付帯する温度計保護管キャップ、温度計保護管支持具等がある。
図2は、放射性廃液処理設備機器の一例を表す模式図である。(a)は放射性廃液を内包し濃縮・減容する装置の部分断面図、(b)は(a)におけるA領域の部分拡大断面図である。
原子燃料再処理施設における再処理の過程では、溶媒抽出工程から発生する放射性廃液は、図2(a)に示すような放射性廃液を内包し濃縮・減容する装置(廃液濃縮・減容装置20)を用いて蒸発濃縮され、廃棄液の容積が縮小される。
廃液濃縮・減容装置20の下部は、加熱ジャケット21により覆われており、廃液濃縮・減容装置20の内部には、図示しないコイル型の加熱管等が備えられている。処理される放射性廃液は、廃液供給口210から供給され、加熱ジャケット21や装置内の加熱管により加熱されて蒸発・濃縮が行われる。そして、蒸発・濃縮が終了すると、放射性廃液は、廃液排出口211より後工程へ移送される。
廃液濃縮・減容装置20の内部には、装置内の温度を測定する温度計が備えられており、温度計33はステンレス鋼製の温度計保護管30によって放射性廃液から隔離され、腐食や汚染から保護されている。温度計保護管30は、温度計保護管支持具40によって廃液濃縮・減容装置20の内部に固定支持されており、その先端には、図2(b)に示すような有底円筒形状の温度計保護管キャップ31が取り付けられている。温度計保護管キャップ31は、温度計保護管30の一部を構成する保護管管体32と、溶接部301を介して溶接で接合された構造を有している。従来、温度計保護管キャップ31は、薄肉であれば板材又は管材を塑性加工して製造する方法がとられる場合もあるが、一般的にはステンレス鋼の棒材又は鍛鋼材から削り出して製造する方法がとられる。
温度計保護管キャップ31や温度計保護管支持具40は、高濃度の酸化性酸を含む放射性廃液に接する部材である。このような温度計保護管キャップ31や温度計保護管支持具40を本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼単結晶で製造することによって、腐食の進行を抑制することが可能となり、設備機器の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
はじめに、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼を製造し、その金属組織の結晶性を確認した。
オーステナイト系ステンレス鋼は、元素組成がそれぞれ異なる計6種(No.1〜No.6)を、前記の製造装置10を用いた方向制御鋳造法によって製造した。
オーステナイト系ステンレス鋼の製造には、図1に示す単結晶製造装置10を用い、各元素組成のオーステナイト系ステンレス鋼それぞれにつき、鋳型加熱炉8による鋳型温度を1560℃として、鋳込み温度1560℃で、鋳込みを行った。鋳込んだ溶湯1は、1560℃で5分間保持した後、鋳型3が鋳型加熱炉8の外部に引き下げられるまで、水冷チル9を本体4と共に50cm/hの速度で降下させて、溶湯1を一方向凝固させた。なお、このとき鋳型加熱炉8による鋳型温度は、凝固が完了するまで1560℃に維持した。
製造されたオーステナイト系ステンレス鋼(No.1〜No.6)の元素組成の分析値を、次の表1に示す。なお、No.7は、日本高圧力技術協会 核燃料再処理設備規格 材料規格(HPIS C 108)に定めるオーステナイト系ステンレス鋼「R−SUS304ULC」である。このR−SUS304ULCは、方向制御されていない多結晶組織からなる。また、この表1において、各元素の数値は、元素の含有率[質量%]であり、Cr/Niの数値は、Cr元素濃度/Ni元素濃度比を算出した数値である。
Figure 2015055005
製造された各オーステナイト系ステンレス鋼について、王水法によるマクロエッチング(JIS G 0553参照)及びX線背面反射ラウエ法を用いて、金属組織の構造を確認した。その結果、No.1〜No.5については、単結晶組織からなるオーステナイトの主相が形成されていることが確認された。しかしながら、No.6については、主相のオーステナイト相の単結晶は得られなかった。
したがって、オーステナイト相を単結晶化し、主相が単結晶組織であるオーステナイト系ステンレス鋼を得るためには、オーステナイト形成元素の組成比率が一定程度以上あることを要し、Cr元素濃度/Ni元素濃度比で1.80以下を達成している必要があることが確認された。
次に、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を、Coriou試験に基づいて評価した。Coriou試験は、高濃度の熱硝酸に対する耐食性を評価する腐食試験のひとつである。
供試材は、製造されたオーステナイト系ステンレス鋼(No.1〜No.6)及びR−SUS304ULC(No.7)を、アルゴンガス雰囲気の下で固溶化処理することによって製造した。なお、固溶化処理の温度は1050℃、処理の時間は2時間とした。そして、これらの各供試材から12mm×8mm×2mmの試験片を3個ずつ切り出し、そのそれぞれについて表面を順に#600まで研磨した。なお、試験片寸法は、鋳造方向の直行面の断面積が12mm×8mmであり、鋳造方向厚さが2mmである。No.7については、圧延方向に垂直に試験片が採取されている。
また、腐食性試験液としては、8mol/Lの硝酸溶液に、Cr6+濃度が1g/Lとなるように無水クロム酸を溶解して調製した溶液を用いた。
Coriou試験は、3個の各試験片を、沸騰させた腐食性試験液に浸漬し、沸騰させた状態の24時間浸漬を1サイクルとして、計4サイクルの試験を行った。このとき各サイクル後には、各試験片について重量測定とマイクロスコープによる外観観察とを行い、測定された腐食重量減量に基づいて腐食度を算出した。
図3は、実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼の腐食度を表す図である。
図3における縦軸は、腐食度[g/m・h](単位面積・時間当たりの腐食重量減量)である。浸漬試験では、供試材によっては、サイクルを経るにしたがって腐食度の増大が認められたため、腐食度が略一定に落ち着いた4サイクル目について、3個の試験片の平均腐食度を算出し、図3に示した。
図3に示すように、多結晶組織からなる比較例のNo.7では、供試材中で最も高い腐食度が認められた。外観観察の結果、No.7の表面は、脱粒による凹凸が発生しており、粒界腐食が進行していることが確認された。また、単結晶化できなかった比較例のNo.6では、No.7程ではないが、比較的高い腐食度が認められた。No.6は、一方向に方向制御され、粒径が大きい結晶組織を有してはいるものの、単結晶組織に至っていないため、粒界腐食が一定程度進行していることが確認された。
これに対して、主相のオーステナイト相が単結晶組織からなる実施例のNo.1〜No.4では、腐食度が低く抑えられており、単結晶化による耐食性の向上が明確に認められた。外観観察の結果、No.1〜No.4の表面は、比較的平滑であることが確認された。
その一方で、主相のオーステナイト相が単結晶組織からなるがCr元素濃度/Ni元素濃度比が小さい比較例のNo.5では、No.6程ではないが、比較的高い腐食度が認められた。外観観察の結果、No.5の表面では、ピット状の全面腐食が高数密度で発生していることが確認された。この形態の腐食の要因は、No.5が、高いNi元素濃度である点にあると考えられた。よって、全面腐食を含む腐食に対する耐食性を保持させる上では、Cr元素濃度/Ni元素濃度比としては、1.45以上の数値が確保されていることが必要であることが確認された。
したがって、以上の結果から、実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼(No.1〜No.4)は、所定の元素組成を備えることによって、単結晶組織からなる主相を適切に形成する性質を有していることが確認された。また、特に、粒界侵食を伴う酸化性酸による腐食に対する耐食性に優れた特性を有しており、腐食減肉やトンネル腐食の発生を低減した耐食性構造材として有効であることが確認された。
次に、実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼を用いて、放射性廃液処理設備の温度計保護管の管端への使用を想定したキャップを製造した。
被加工鋼材としては、元素組成を表1のNo.3と同等とし、前記の製造装置10を用いた方向制御鋳造法によって製造した、外径40mm、長さ200mmの円柱形状のオーステナイト系ステンレス鋼単結晶を用いた。
キャップは、この被加工鋼材に機械加工を実施し、外径34mmの有底円筒形状に削り出すことによって製造した。また、このとき被加工鋼材の残材から引張試験片を計2本採取し、23±5℃において引張試験に供した。
その結果、被加工鋼材としたオーステナイト系ステンレス鋼単結晶の0.2%耐力は、195MPaであり、引張強さは、492MPaであり、伸びは、42%であった。
すなわち、以上の機械的性質は、JIS G 4303に規定されるステンレス鋼棒のSUS304Lの規格、耐力は、175N/mm以上、引張強さは、480N/mm以上、伸びは、40%以上の条件、及び、JIS G 5121に規定されるステンレス鋼鋳鋼品のSCS19の規格、0.2%耐力は、185N/mm以上、引張強さは、390N/mm以上、伸びは、33%以上の条件をいずれも満足するものであった。
続いて、製造したキャップを、保護管管体とTIG(Tungsten Inert Gas)溶接によって接合し、溶接性を評価した。
保護管管体としては、R−SUS304ULC製の管材を使用し、溶接性の評価は、浸透探傷試験によった。
その結果、溶接部において割れの発生は認められなかった。
以上の機械加工、引張試験及び浸透探傷試験の結果から、本実施形態に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、良好な加工性及び溶接性を有し、機械的性質にも優れていることが認められた。
したがって、高濃度の酸化性酸との接触が起こり得る放射性廃液処理設備機器の部品又は部材としての応用に適した鋼材であり、耐食性の向上が求められる部品又は部材への適用範囲の拡大に寄与し得る鋼材であることが確認された。
1 溶湯
2 溶解炉
3 鋳型
4 本体
5 セレクタ
6 スタータ
7 鋳込口
8 鋳型加熱炉
9 水冷チル
10 単結晶製造装置
20 廃液濃縮・減容装置
21 加熱ジャケット
30 温度計保護管
31 温度計保護管キャップ
32 保護管管体
33 温度計
40 温度計保護管支持具
210 廃液供給口
211 廃液排出口
301 溶接部

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:9.0〜13.0%、Cr:18.0〜20.0%、N:0.1%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、
    Cr当量/Ni当量比が1.45以上1.80以下であり、
    オーステナイト相が単結晶組織である
    ことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 質量%で、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Mo:0.2%以下、Nb:0.1%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 質量%で、Ni:9.0〜11.0%、Cr:18.0〜19.5%である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  4. 質量%で、Mo:0.1%以下、Nb:0.05%以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  5. 前記オーステナイト相において、フェライト相が島状に分布し、
    前記フェライト相の断面面積率が10%以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼を用いた
    ことを特徴とする放射性廃液処理設備機器。
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