JP2015094801A - 光学異方素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光配向膜上で光学異方体が配向している光学異方素子を提供する。
【解決手段】前記光学異方素子は、支持体1a上に、感光性基を有する光配向性ポリマーを少なくとも含む光配向膜材料から形成された光配向膜1bと、この光配向膜中の感光性基と反応し得る感光性基を有する化合物と、重合性液晶化合物とを少なくとも含む接着性液晶組成物から形成され、前記光配向膜により配向性が制御された光学異方体1cと、を少なくとも備える光学異方素子10である。
【選択図】図1

Description

本発明は光学異方素子およびその製造方法に関するものである。特に、重合性液晶化合物を光配向膜上で配向させて得られる光学異方素子に関する。
位相差フィルム、光学補償フィルム、光学異方素子の製造方法として、配向膜上で重合性液晶化合物を配向させ、紫外線のような活性エネルギー線を照射して重合性液晶化合物の配向を保持してまま硬化することにより光学異方体を得る方法が挙げられる。このような配向膜上で重合性液晶化合物を配向させその配向を固定した光学異方素子は、薄型の位相差フィルム、光学補償フィルムの製造法として提案されている。
配向膜として、塗膜を形成後、布で表面を擦るラビング処理により作製する方法が挙げられるが、物理的に塗膜表面を擦るため発塵の問題が生じる。更には、全面を均一にラビング処理するため面内で配向方向を変えることが難しく3D−TVに利用されるパターンリターダーを製造する場合には適さない。
光配向法は、感光性の塗膜に偏光紫外線を照射するなどにより、配向膜上で液晶の配向を得る方法である。この光配向法は、発塵が無く、パターン照射することにより面内で配向方向を変えることも可能である。このため、薄型の位相差フィルム、光学補償フィルムやパターンリターダー等の製造方法として挙げられる。
しかしながら、光配向膜上に重合性液晶化合物の配向層を形成した場合、光配向膜と重合性液晶化合物の密着性が低く、容易に剥離してしまうという問題があった。
従来技術の問題を解決するために、特開2005−62424号公報(特許文献1)では、ラビング処理した基材表面をシランカップリング剤で改質し、該表面に液晶化合物含有層を形成する方法が提案されている。また、特開2005−274909号公報(特許文献2)では、ラビング処理した基材表面をイソシアネート化合物で改質し、該表面に液晶化合物含有層を形成する方法が提案されている。
このような問題を解決する方法として、特開2010−151926号公報(特許文献3)では、有機材料からなる基材、光配向膜、及び少なくとも1種以上の重合性液晶化合物を含有する重合性液晶組成物の重合膜が順次積層されてなる光学異性体において、JIS K6768で定義される基材のぬれ張力が光配向膜に用いる光配向膜組成物の表面張力よりも大きくすることにより、製造される光学異性体において、配向膜と重合性液晶化合物の硬化膜との界面における接着性が高く、特にプラスチック基材を用いた場合の接着性を高めた位相差フィルムや光学補償フィルムを提供する方法が提案されている。
特開2005−62424号公報 特開2005−274909号公報 特開2010−151926号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載された方法では、光配向膜表面をシランカップリング剤やイソシアネート化合物で改質する場合、液晶配向能を乱してしまい良好な光学異方素子が得られないという問題がある。また、シランカップリング剤やイソシアネート化合物を塗布する塗布工程が必要であり、塗布に伴う乾燥工程や加熱工程などさらに工程が煩雑となる問題があった。また、特許文献3に記載された方法では、双方のぬれ張力を調整する必要があり、それら材料の組み合わせが限定されてしまう問題がある。
上記問題を鑑みて、本発明の課題は、光配向膜と重合性液晶化合物から形成された配向層との密着性に優れた光学異方体を簡便な方法で提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、光配向膜と、その上に形成された光学異方体とを少なくとも備える光学異方素子において、(i)光配向膜中に反応性を有する感光基が存在した状態するとともに、(ii)光学異方体を形成するための接着性液晶組成物を、重合性液晶化合物と、感光性基含有化合物とで少なくとも構成し、(iii)光配向膜上で、この接着性液晶組成物から光照射により光学異方体(または配向層)を形成させると、(iv)前記接着性液晶組成物が、光配向膜上で配向するとともに、(v)光配向膜の感光性基と感光性基含有化合物の感光性基が結合し、光配向膜と重合性液晶化合物からなる配向層(すなわち光学異方体)が強固に密着した光学異方素子を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、感光性基を有する光配向性ポリマーを少なくとも含む光配向膜材料から形成された光配向膜と、
この光配向膜中の感光性基と反応し得る感光性基を有する化合物と、重合性液晶化合物とを少なくとも含む接着性液晶組成物から形成され、前記光配向膜により配向性が制御された光学異方体と、
を少なくとも備える光学異方素子である。
例えば、感光性基を有する光配向性ポリマーは、液晶性を有していてもよい。
一方で、接着性液晶組成物中の感光性基含有化合物は、重合性液晶化合物と反応し得る反応性基を有していてもよい。また、感光性基含有化合物が、結晶性または液晶性を有していてもよい。
好ましくは、感光性基を有する光配向性ポリマーが、下記化学式(1)〜(3)で示される側鎖:
Figure 2015094801
(化学式(1)および(2)のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す。)
Figure 2015094801
(化学式(3)中、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基,アルキルオキシ基、またはハロゲンを表す)
から選択される少なくとも一種の側鎖を有する感光性側鎖型液晶性ポリマーの少なくとも一種であり;かつ
感光性基含有化合物が、下記化学式(4)〜(6)で示される化合物:
Figure 2015094801
(化学式4および化学式5のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデン基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す。)
Figure 2015094801
(化学式(6)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、rは1〜12の整数を示し、RはH、アルキル基,アルキルオキシ基またはハロゲンを表す。)
から選択される少なくとも一種であってもよい。
例えば、接着性液晶組成物中における重合性液晶化合物と感光性基含有化合物との重量割合が、重合性液晶化合物/感光性基含有化合物=60/40〜98/2であってもよい。
本発明は、光学異方素子を製造する方法も包含し、前記方法は、
支持体に対して、光配向膜材料を含む第1の塗液を塗布し、第1の塗膜を形成する第1塗膜形成工程と、
前記第1の塗膜に対して、直線偏光または斜め非偏光を照射し、光配向性ポリマーが配向した光配向膜を形成する光配向膜形成工程と、
前記光配向膜に対して、感光性基を有する化合物と、重合性液晶化合物とを少なくとも含む接着性液晶組成物を含む第2の塗液を塗布し、第2の塗膜を形成する第2塗膜形成工程と、
前記第2の塗膜に対し、活性エネルギー線を照射して光学異方体を形成する光学異方体形成工程と、
を少なくとも備える光学異方素子の製造方法である。
本発明によれば、光配向膜上に、重合性液晶化合物を配向させている光学異方体において、該光学異方体を形成するための接着性液晶組成物中に光配向膜と反応し得る感光性基を有する化合物を含有させることで、光配向膜と重合性液晶化合物からなる配向層(すなわち光学異方体)が強固に密着した光学異方素子を作製できる。そのため、このような光学異方素子では、光配向膜の表面を改質するための材料塗布工程などの煩雑な製造工程を用いなくとも光学異方素子を得ることができる。また、光配向膜と重合性液晶化合物のぬれ張力を調整することなく、一体性に優れる光学異方素子を得ることができるため、光配向膜と重合性液晶化合物の双方のぬれ張力を調整するために材料が限定されることも無い。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解される。図面は必ずしも一定の縮尺で示されておらず、本発明の原理を示す上で誇張したものになっている。
本発明の光学異方素子の一例を示す模式図である。
本発明の第1の実施形態は光学異方素子であり、光学異方素子は、
光配向膜材料から形成された光配向膜と、
接着性液晶組成物から形成され、前記光配向膜により配向性が制御された光学異方体と、を少なくとも備えている。
例えば、図1に光学異方素子の一例を示す模式図を示す。図1に示すように、光学異方素子10は、光配向膜1bと、この光配向膜1bの上に形成された光学異方体1cとを少なくとも備えている。光配向膜1bは、支持体1a上に形成され、偏光照射などにより誘起された配向性を有している。また、光学異方体1cは、光配向膜1bの配向性に従った配向性を有している。
(光配向膜を形成するための光配向膜材料)
光配向膜は光配向膜材料から形成され、光配向膜材料は、感光性基を有する光配向性ポリマーを少なくとも含んでいる。感光性基は、光異性化、光二量化、光環化、光架橋、光分解、光分解−結合などにより光配向膜に異方性を発現できる基であれば特に限定されず、例えば、カルコン基、クマリン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基(または、それらの誘導体)、桂皮酸基(または、それらの誘導体)などが挙げられる。
また、光配向膜材料は、感光性基を有する光配向性ポリマーに加えて、感光性を調整するために光増感剤を添加してもよい。かかる光増感剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、およびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体; ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、および4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体などの光増感剤が挙げられる。
さらに、塗工性を高めるため、基材への密着性を高めるために配向性を損なわない程度に光配向膜材料に対して、添加剤(例えば、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、レべリング剤など)を加えてもよい。
(感光性基を有する光配向膜を形成するポリマー)
感光性基を有する光配向性ポリマーは、感光性基による異方化によって、光配向膜に異方性を生じるポリマーであれば特に限定されないが、配向性に優れる観点から、液晶性ポリマーであるのが好ましい。例えば、このような配向層を形成するために用いられるポリマーとして、特開平11−189665号公報、特開2002−202409号公報、特開2004−170595号公報、特開2005−232345号などにより本出願人により開示された液晶性ポリマーを用いることができる。
なお、本発明において、液晶性ポリマーとは、材料単独に物理的な外部刺激(加熱、冷却、電場、磁場、せん断の印加等)を与えた時に液晶性を示すか、または溶媒や非液晶性成分との混合により液晶性を発現するポリマーをいう。
具体的には、このような液晶性ポリマーとしては、(i)カルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基(または、それらの誘導体)、桂皮酸基(または、それらの誘導体)などの感光性基と;(ii)液晶性ポリマーのメソゲン成分として多用されているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基と、スペーサー(例えば、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)の(オキシ)アルキレン基など)を介してまたは介さず結合した構造を含む側鎖を有する感光性側鎖型液晶性ポリマーが挙げられる。
なお、側鎖末端にカルボキシル基を有する感光性の側鎖を有し、該側鎖末端のカルボキシル基の水素結合による2量化により剛直な構造を形成し、側鎖自体にメソゲン基を構造に含まなくとも液晶性を発現するポリマーも本発明において感光性側鎖型液晶性ポリマーとして好ましく用いられる。
上記の感光性側鎖型液晶性ポリマーを構成する主鎖としては、上記側鎖をスペーサー(例えば、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)の(オキシ)アルキレン基など)を介して結合した炭化水素、アクリレート、メタクリレート、シロキサン、マレインイミド、N−フェニルマレインイミドなどが挙げられる。これらのポリマーは同一の繰り返し単位からなる単一重合体または構造の異なる側鎖を有する複数の単位からなる共重合体、あるいは感光性基を含む側鎖を有する単位に、感光性基を含まない側鎖を有する単位を液晶性を損なわない程度に配合して得られる共重合体のいずれであってもよい。
好ましい感光性側鎖型液晶性ポリマーとしては、下記の化学式1、2または3で示される側鎖を有するモノマーを用いて形成されるポリマーが例示される。
Figure 2015094801
前記化学式(1)および(2)のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す。
Figure 2015094801
前記化学式(3)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基(例えばC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基),アルキルオキシ基(例えばC1−6アルキルオキシ基、好ましくはC1−4アルキルオキシ基)、またはハロゲン(例えばフッ素原子、塩素原子など)を表す。
また、光配向膜材料は、その配向性を増強させるために、感光性基を有する光配向性ポリマーに加え、必要により下記に記載する低分子化合物(およびその重合触媒)を含んでいてもよい。
低分子化合物としては、メソゲン成分として知られているビフェニル、ターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基を有し、このような置換基と、アリル、アクリレート、メタクリレート、桂皮酸基(またはその誘導体基)などの官能基を、スペーサー(例えば、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)の(オキシ)アルキレン基など)を介して結合した液晶性を有するものが好ましく用いられる。これらの低分子化合物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。
(第1塗膜の形成)
第1塗膜形成工程では、支持体に対して、前記光配向膜材料を適当な溶剤に溶解して調製される第1の塗布液を塗布し、第1の塗膜を形成することができる。
支持体としては、種々の高分子フィルム、ガラスなどの無機物の中から適宜選択して用いられる。例えば、高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ジアセチルセルロースおよびトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマーフィルム、ビスフェノールA・炭酸共重合体などのポリカーボネート系ポリマーフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン・プロピレン共重合体などの直鎖または分枝鎖ポリオレフィンフィルム、ポリアミド系フィルム、イミド系ポリマーフィルム、スルホン系ポリマーフィルムなどが挙げられる。
溶媒(溶剤)としては、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロロベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、プロピレングリコール誘導体(プロピレンモノメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート)などが挙げられ、これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。
塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング、フレキソコーティング、ダイコーティング、バーコーティング、スピンコーティングなどの方法を利用することができる。
なお、塗布後、塗膜を室温下または加熱下(例えば、45〜60℃程度)に放置することにより乾燥(脱溶媒)して、適宜溶剤を揮発させ、第1の塗膜としてもよい。
(光配向膜の形成)
光配向膜形成工程では、第1の塗膜に対して、直線偏光または斜め非偏光を照射し、光配向性ポリマーが配向した光配向膜を形成することができる。この照射により、層中で異方的な光反応が起こり、この異方性により液晶化合物の配向を生じる。この光反応を進めるには、感光性基の部分が反応し得る波長の光の照射を要する。側鎖の種類によっても異なるが、一般に200−500nmであり、中でも250−400nmの有効性が高い場合が多い。
また、光照射時間は、用いる光の種類、感光性基の種類などに応じて適宜決定することができるが、光照射後も、光配向性ポリマー中に、未反応の感光性基が存在すること範囲で選択される。
また、必要に応じて、光を照射した後、加熱工程を行ってもよい。加熱工程を行うことにより、例えば、フィルム内の分子運動により、光反応を起こさなかった重合体の側鎖と低分子材料は、光反応した側鎖と同じ方向に再配向することができる。
(光学異方体を形成するための接着性液晶組成物)
光学異方体は、接着性液晶組成物から形成され、前記光配向膜により配向性が制御されている。接着性液晶組成物は、重合性液晶化合物と、感光性基を有する化合物(感光性基含有化合物)とを少なくとも含んでいる。
(重合性液晶化合物)
本発明において、配向層上で配向させる重合性液晶化合物は、液晶性ポリマーであっても、液晶性モノマーであってもよい。より詳細には、重合性液晶化合物としては、例えば、光や熱により重合する官能基を有する重合性液晶モノマーおよびポリマーや、イソシアネート材料、エポキシ材料などの架橋剤により、液晶性を損なわない程度に架橋構造を導入した液晶性ポリマーが挙げられる。
例えば、重合性液晶化合物としては、メソゲン形成性基で構成されたユニットを有しており、シッフ塩基系、ビフェニル系、ターフェニル系、エステル系、チオエステル系、スチルベン系、トラン系、アゾキシ系、アゾ系、フェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、トリメシン酸系、トリフェニレン系、トルクセン系、フタロシアニン系、ポルフィリン系分子骨格を有する液晶化合物、またはこれら化合物の混合物等が挙げられ、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチック性の液晶相を示す化合物であればいずれでもよい。
前記メソゲン形成性基で構成されたユニットは、液晶ポリマーの主鎖にあってもよく、側鎖にあってもよい。主鎖型液晶ポリマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系の液晶ポリマー、またはこれらの混合物等が挙げられる。また側鎖型液晶性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系等の直鎖状又は環状構造の骨格鎖を有する高分子に側鎖としてメソゲン基が結合した液晶ポリマー、またはこれらの混合物等が挙げられる。
また、重合性液晶化合物は、必要に応じて導入された架橋性基あるいは適宜な架橋剤のブレンドによって、液晶状態あるいは液晶転移温度以下に冷却した状態で、架橋(熱架橋あるいは光架橋)等の手段により配向固定化できる液晶ポリマーでもよい。このような液晶ポリマーは、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチック性の液晶相を示すポリマーであればいずれでもよく、メソゲン形成性基で構成されたユニットを有する限り特に限定されない。
架橋性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、特にアクリロイルオキシ基がより好ましい。
なお、このような重合性液晶化合物は、感光性基を含有していてもよいし、有していなくてもよい。
(感光性基含有化合物)
感光性基含有化合物は、光配向膜に存在する感光性基と反応可能な感光性基を有している。このような感光性基含有化合物は、(i)カルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基(または、それらの誘導体)、桂皮酸基(または、それらの誘導体)などの感光性基を有しており、光配向膜中の感光性基と反応する化合物である。
なお、必要に応じて、感光性基含有化合物は、重合性液晶化合物自体の重合性基と反応し得る反応性基を有していてもよい。更には、重合性液晶化合物の液晶性を損なわないことが望ましく、このような化合物として結晶性または液晶性を有する化合物が好適に用いられる。
例えば、好ましい感光性基含有化合物としては、以下の化学式4、5または6で示される構造を有する化合物が例示される。
Figure 2015094801
前記化学式4および化学式5のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデン基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す。
Figure 2015094801
前記化学式(6)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、rは1〜12の整数を示し、RはH、アルキル基(例えばC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)、アルキルオキシ基(例えばC1−6アルキルオキシ基、好ましくはC1−4アルキルオキシ基)またはハロゲン(例えばフッ素原子、塩素原子など)を表す。
接着性液晶組成物中における重合性液晶化合物と感光性基含有化合物との重量割合は、例えば重合性液晶化合物/感光性基含有化合物=60/40〜98/2であってもよく、好ましくは65/35〜95/5であってもよい。
接着性液晶組成物には、必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤を混合してもよい。光重合開始剤としては、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン(株)製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学(株)製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬(株)製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152又はアデカオプトマーSP−170(以上、全て(株)ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)及びTAZ−104(三和ケミカル社製)など、市販の光重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合させることができる。光増感剤としては、光配向膜において用いられる光増感剤として記載されたものを例示することができる。
また、配向固定を増強させる観点から、接着性液晶組成物は、熱重合開始剤を含んでいてもよい。熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過酸化水素、過硫酸塩、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等が挙げられる。熱重合は、接着性液晶組成物の配向固定を増強できる限り適宜行うことができ、第2の塗膜を形成後、活性エネルギー線を照射する前に行ってもよいし、活性エネルギー線を照射した後に行ってもよい。
このような接着性液晶組成物を光配向層の上で配向させその配向を固定することにより、光配向層上に光学異方体(配向層)を形成できる。
すなわち、感光性基含有化合物の感光性基と、光配向膜中の感光性基とが反応することにより、光配向膜と光学異方体との接着性を向上することが可能になる。このような光配向膜の感光性基と反応し得る感光性基含有化合物と重合性液晶化合物とを組み合わせた接着性液晶組成物から光学異方体(配向層)を形成することにより、光配向膜と光学異方体との界面で双方の感光性基が反応して結合するため強固な密着性を得ることができる。
(第2塗膜の形成)
第2塗膜形成工程では、光配向膜に対して、接着性液晶組成物を適当な溶剤に溶解して調製される第2の塗布液を塗布し、第2の塗膜を形成することができる。
溶媒(溶剤)としては、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロロベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、プロピレングリコール誘導体(プロピレンモノメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート)などが挙げられ、これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。溶剤は、光配向膜を侵さない溶媒であるのが好ましく、例えば、エチレングルコール誘導体、プロピレングリコール誘導体などが好ましい。
塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング、フレキソコーティング、ダイコーティング、バーコーティング、スピンコーティングなどの方法を利用することができる。
第2の塗膜は光配向膜の上に形成されているため、光配向膜上の異方性に従って、重合性液晶化合物を配向させることが可能である。さらに、重合性液晶化合物の等方相転移温度以下、好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜90℃において加熱をすることにより、重合性液晶化合物の配向性を増強することが可能であり、配向性に優れる第2の塗膜を得ることができる。
(光学異方体の形成)
重合性液晶化合物の配向が誘起された第2の塗膜に対し、感光性基を結合させるための活性エネルギー線を照射することにより、液晶化合物の配向が固定するとともに、光配向膜との良好な接着性を有する光学異方体を形成することができる。
活性エネルギー線としては、感光性基の部分が反応し得る波長の光の照射を要する感光性基の種類によっても異なるが、一般に200−500nmであり、中でも250−400nmの有効性が高い場合が多い。このような光(例えば、非偏光紫外線など)により、重合性液晶化合物の配向を固定することも可能である。
以上のようにして、光配向膜の感光性基と、光学異方体を形成する接着性液晶化合物中の感光性基とが反応するため、本発明の光学異方素子では、接着剤を用いることなく光配向膜と光学異方体との界面の密着性を確保した光学異方素子を作製できる。
光学異方素子において、光配向膜の厚みは、例えば0.01〜0.2μm程度であってもよく、好ましくは0.05〜0.1μm程度であってもよい。また、光学異方体層の厚みは、用途に応じて幅広い範囲から選択でき、例えば、0.5〜100μm程度、好ましくは0.8〜50μm程度であってもよく、特に光学補償フィルムとして用いる場合、厚みは、例えば、0.5〜5μm程度であってもよく、好ましくは0.8〜3μm程度であってもよい。
例えば、光学補償フィルムとして用いる場合、光配向膜の厚みと光学異方体層との厚みの割合は、例えば、光配向膜/光学異方体層=5/95〜45/55であってもよく、10/90〜40/60であってもよく、好ましくは20/80〜35/65であってもよい。
さらに、光学異方体は、光配向膜の配向性に応じて配向するため、その配向パターンを容易に調整することが可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。本発明の実施例において用いた材料に関する合成方法を以下に示す。
(化合物1)
4,4’−ビフェニルジオールと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応させ、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニル〕を合成した。更に、塩基性の条件下において、塩化シンナモイルを加え、化学式(7)に示される化合物1を合成した。化合物1は結晶性を有していることが確認された。
Figure 2015094801
(化合物2)
p−クマル酸と6−クロロ−1−ヘキサノールを、アルカリ条件下で加熱することにより、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)桂皮酸を合成した。この生成物にp−トルエンスルホン酸の存在下でメタクリル酸を大過剰加えてエステル化反応させ、化学式(8)で示される化合物2を合成した。化合物2は液晶性を有していることが確認された。
Figure 2015094801
(重合体1)
化合物1をテトラヒドロフラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、56℃で24時間重合することにより感光性の重合体1を得た。この重合体1は液晶性を有していることが確認された。
(重合体2)
化合物2をジオキサン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、70℃で24時間重合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体2は液晶性を有していることが確認された。
〔実施例1〕
重合体1をトルエン/シクロヘキサノン混合溶液に溶解し溶液1を調製した。この溶液1をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を600秒間照射し、光配向膜(厚さ0.2μm)を形成した。なお、高圧水銀灯のスペクトルは、313nmおよび365nmのスペクトルを含んでおり、以下の実施例および比較例において同様である。
一方で、(メタ)アクリレート系重合性液晶化合物(BASF社製、「パリオカラー LC−242」、液晶転移温度65℃、等方相転移温度118℃)を80重量部、化合物1を15重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア907」)5重量部を混合し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートに溶解し溶液2を得た。
前述の光配向膜上に溶液2をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
更に、光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、光学異方体層の剥離状態により評価した。光学異方体層の剥離は観察されず(100/100)、良好な密着性を有していることが確認された。
〔実施例2〕
重合体2をエチレングリコールモノエチルエーテルに溶解し溶液3を調製した。この溶液3をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を10秒間照射し、光配向膜(厚さ0.1μm)を形成した。
次いで、光配向膜上に溶液2をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
更に、光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、光学異方体層の剥離状態により評価した。光学異方体層の剥離は観察されず(100/100)、良好な密着性を有していることが確認された。
〔実施例3〕
重合体1をトルエン/シクロヘキサノン混合溶液に溶解し溶液1を調製した。この溶液1をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を600秒間照射し、光配向膜(厚さ0.2μm)を形成した。
一方で、重合性液晶化合物(BASF社製、「パリオカラー LC−242」、液晶転移温度65℃、等方相転移温度118℃)を90重量部、化合物2を10重量部、光重合開始材(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア907」)5重量部を混合し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートに溶解し溶液4を得た。
前述の光配向膜上に溶液4をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
更に、光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、光学異方体層の剥離状態により評価した。光学異方体層は部分的に剥離が観察されるものの(58/100)、比較例1または比較例2と比較して密着性が改善されていることが確認された。
〔実施例4〕
重合体2をエチレングリコールモノエチルエーテルに溶解し溶液3を調製した。この溶液3をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温(25℃)で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を10秒間照射し、光配向膜(厚さ0.1μm)を形成した。
次いで、光配向膜上に溶液4をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
更に、光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、配向層の剥離状態により評価した。配向層は部分的に剥離が観察されるものの(39/100)、比較例1または比較例2と比較して密着性が改善されていることが確認された。
〔比較例1〕
重合体1をトルエン/シクロヘキサノン混合溶液に溶解し溶液1を調製した。この溶液1をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を600秒間照射し、光配向膜(厚さ0.2μm)を形成した。
一方で、重合性液晶化合物(BASF社製、「パリオカラー LC−242」、液晶転移温度65℃、等方相転移温度118℃)を95重量部、光重合開始材(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア907」)5重量部を混合し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートに溶解し溶液5を得た。
前述の光配向膜上に溶液5をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、光学異方体層の剥離状態により評価した。光学異方体層は完全に剥離され(0/100)、密着しないことが確認された。
〔比較例2〕
重合体2をエチレングリコールモノエチルエーテルに溶解し溶液3を調製した。この溶液3をガラス基板上にスピンコーターで塗工し、室温(25℃)で乾燥した。続いて、この塗膜(第1の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を、グランテラープリズムを用いて直線偏光性に変換した光を10秒間照射し、光配向膜(厚さ0.1μm)を形成した。
一方で、重合性液晶化合物(BASF社製、「パリオカラー LC−242」、液晶転移温度65℃、等方相転移温度118℃)を95重量部、光重合開始材(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア907」)5重量部を混合し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートに溶解し溶液5を得た。
前述の光配向膜上に溶液5をスピンコーターで塗工し、75℃で乾燥後、室温(25℃)まで降温した。続いて、この塗膜(第2の塗膜)に、高圧水銀灯からの光を偏光に変化せずそのまま1200秒間照射し、光学異方体層(厚さ1.2μm)を得た。ここで、この光配向膜上に光学異方体層が積層されているガラス基板を偏光板クロスニコル下で観察すると光学異方体層は配向していることが確認された。
光配向膜と光学異方体層の界面の密着性を確認するため、碁盤目剥離試験を実施した。試験は、JIS K 5400に準拠して実施し、配向層に1mm間隔で碁盤目状に100個のマス目を作製し、次に、粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、瞬時に引き剥がし、光学異方体層の剥離状態により評価した。光学異方体層は完全に剥離され(0/100)、密着しないことが確認された。
以上のように、本発明では、一体性に優れた光学異方素子を簡易的な製造方法で提供できる。そして、本発明の光学異方素子は、薄型の位相差フィルム、光学補償フィルムなどとして好適に用いられる。
以上の通り、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。
1a…支持体
1b…光配向膜
1c…光学異方体
10…光学異方素子

Claims (7)

  1. 感光性基を有する光配向性ポリマーを少なくとも含む光配向膜材料から形成された光配向膜と、
    この光配向膜中の感光性基と反応し得る感光性基を有する化合物と、重合性液晶化合物とを少なくとも含む接着性液晶組成物から形成され、前記光配向膜により配向性が制御された光学異方体と、
    を少なくとも備える光学異方素子。
  2. 請求項1において、感光性基を有する光配向性ポリマーが、液晶性を有している光学異方素子。
  3. 請求項1または2において、感光性基含有化合物が、重合性液晶化合物と反応し得る反応性基を有する光学異方素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、感光性基含有化合物が、結晶性または液晶性を有している光学異方素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、感光性基を有する光配向性ポリマーが、下記化学式(1)〜(3)で示される側鎖:
    Figure 2015094801
    (化学式(1)および(2)のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデンキ基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す)
    Figure 2015094801
    (化学式(3)中、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、RはH、アルキル基,アルキルオキシ基、またはハロゲンを表す)
    から選択される少なくとも一種の側鎖を有する感光性側鎖型液晶性ポリマーの少なくとも一種であり;かつ
    感光性基含有化合物が、下記化学式(4)〜(6)で示される化合物:
    Figure 2015094801
    (化学式4および化学式5のそれぞれの式において、nは1〜12、mは1〜12、pは1〜12の整数をそれぞれ示し、XまたはYは、none、−COO−、−OCO−、−N=N−、−C=C−または−C4−をそれぞれ表し、WおよびWはカルコン基、シンナミリデン基、ビフェニルアクリロイル基、フリルアクリロイル基、ナフチルアクリロイル基、桂皮酸基、ナフチルアクリル酸基もしくはそれらの誘導体を表す。)
    Figure 2015094801
    (化学式(6)において、sは0または1を表し、tは1〜3の整数を表し、rは1〜12の整数を示し、RはH、アルキル基,アルキルオキシ基またはハロゲンを表す。)
    から選択される少なくとも一種である、光学異方素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、接着性液晶組成物中における重合性液晶化合物と感光性基含有化合物との重量割合が、重合性液晶化合物/感光性基含有化合物=60/40〜98/2である光学異方素子。
  7. 支持体に対して、光配向膜材料を含む第1の塗液を塗布し、第1の塗膜を形成する第1塗膜形成工程と、
    前記第1の塗膜に対して、直線偏光または斜め非偏光を照射し、光配向性ポリマーが配向した光配向膜を形成する光配向膜形成工程と、
    前記光配向膜に対して、感光性基を有する化合物と、重合性液晶化合物とを少なくとも含む接着性液晶組成物を含む第2の塗液を塗布し、第2の塗膜を形成する第2塗膜形成工程と、
    前記第2の塗膜に対し、活性エネルギー線を照射して光学異方体を形成する光学異方体形成工程と、
    を少なくとも備える光学異方素子の製造方法。
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