JP2015100204A - 水平支線点検装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】玉碍子の施設箇所を含む水平支線上を自走させながら水平支線の点検を行うことのできる装置を提供する。【解決手段】 この装置は、非鉛直方向である第1方向に対向して配置された一対の第1車輪部、一対の第1車輪部夫々の第1方向に係る外側に接触して形成された一対の緩衝部、及び一対の緩衝部夫々の第1方向に係る外側に接触して形成された一対の第2車輪部を含む車輪構造部と、車輪構造部を回転駆動するための駆動部と、下方領域を撮像可能な状態で撮像部を固定的に取付可能に構成された撮像部設置部と備える。一対の第1車輪部は、夫々がテーパ形状を有する側面を有し、両側面に水平支線の外側面を接触させることで水平支線を挟持可能に構成されており、一対の緩衝部は、夫々がテーパ形状を有する側面を有し、両側面に玉碍子の外側面を接触させることで玉碍子を挟持可能に構成されている。【選択図】 図1A

Description

本発明は、水平支線上を自走しながら当該水平支線を点検する装置に関する。
配電系統では、電柱に対する配電線の張力が一方向に偏るおそれがある箇所において、かかる張力を緩和する目的で電柱間に水平支線が施設されるのが一般的である。この水平支線は、通常、亜鉛メッキ鋼より線、玉碍子、及び支線バンドで構成される。しかし、この水平支線を構成する鋼より線は、経年によって錆びや劣化が生じ、これが顕著になると断線の危険性も生じるため、定期的に錆びや劣化の状態を把握すべく水平支線を点検することが必要となる。
なお、本明細書では、「水平支線」とは電柱に対する張力を緩和する目的で隣接する2つの電柱間に施設された支線のことを指している。
従来、このような水平支線の点検は、作業員が地上から双眼鏡を用いて目視で行われていた。しかし、例えば都心の大通りを横切るような水平支線においては、自動車が日時往来していることもあり、かかる方法で点検を行うには道路を通行止めにする等の処置が必要となるため、事実上困難であった。
なお、従来、架空送電線を活線状態で点検するために、自走式の点検装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特開2012−257372号公報
本出願人は、水平支線を点検する中で、水平支線の下面よりも上面の位置に錆びや腐食が発生しやすいことを突き止めた。下方から作業員が目視で点検している従来の方法では、このように水平支線の上面に発生している錆びや腐食を見落とすおそれがあることから、本出願人は水平支線の上面を点検する方法の開発を行った。
本出願人は、上記特許文献1と同様の自走式点検装置によって、水平視線上を自走させながら装置上方から水平支線の上面をカメラ等で撮影することで、上記の課題が解決できるとの思いに至った。特に、水平支線を構成する鋼より線は、錆びや腐食による劣化に伴って素線切れを起こす場合があるが、下方からの目視による点検ではこの素線切れまでを確認することができないため、上方からの撮影による点検は有効である。
ところで、水平支線は通電をしない線であるため、絶縁性を担保する観点から、所定の箇所に所定の大きさの玉碍子を施設することが義務付けられている。上記特許文献1に記載の装置によって水平支線上を自走させた場合、玉碍子が施設された箇所の手前までは点検が可能であったが、当該玉碍子と衝突した後、装置を前進させることができないという問題が発生した。
特に、玉碍子の施設箇所においては、玉碍子を水平支線と連結するために水平支線が複雑な形状を示しているため、目視による点検が困難であると共に、当該箇所においても錆びや腐食は発生する可能性があることから、玉碍子の施設箇所においても上方から水平支線を点検したいという要求がある。
本発明は上記の課題に鑑み、玉碍子の施設箇所を含む水平支線上を自走させながら水平支線の点検を行うことのできる装置を提供することを目的とする。
本発明の水平支線点検装置は、
非鉛直方向である第1方向に対向して配置された一対の第1車輪部、一対の前記第1車輪部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の緩衝部、及び一対の前記緩衝部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の第2車輪部を含む車輪構造部と、
前記車輪構造部を回転駆動するための駆動部と、
下方領域を撮像可能な状態で撮像部を固定的に取付可能に構成された撮像部設置部とを備え、
一対の前記第1車輪部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に水平支線の外側面を接触させることで前記水平支線を挟持可能に構成されており、
一対の前記緩衝部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に玉碍子の外側面を接触させることで前記玉碍子を挟持可能に構成されていることを特徴とする。
上記構成の装置は、まず、水平支線上に載置させることで、テーパ形状を有する一対の第1車輪部の両側面に水平支線の外側面を接触させた状態で、水平支線を一対の第1車輪部によって挟持することができる。この状態で駆動部が車輪構造部に対して回転駆動させることで、車輪構造部が回転し、装置が水平支線上を移動することができる。よって、撮像部設置部に撮像部を取り付けた状態で、水平支線上に対して本装置を自走させることで、水平支線の上面を撮像部によって撮影することが可能となる。
更に、この装置は、側面にテーパ形状を有する一対の緩衝部を備えている。よって、装置が水平支線上を自走中に玉碍子の施設箇所に到達すると、一対の緩衝部の両側面に玉碍子の外側面を接触させて玉碍子を一対の緩衝部によって挟持することができる。つまり、本装置によれば、玉碍子の外側面を一対の緩衝部の両側面に接触させながら更に前進することで、玉碍子を乗り越えて進行することが可能となる。
なお、この緩衝部は、玉碍子に接触した際に当該玉碍子を傷つけるおそれがないよう、弾性を有する素材で構成されるのが好ましく、例えば発泡スチロールなどで構成することができる。
ここで、一対の第1車輪部及び一対の緩衝部は、それぞれ錐台形状で構成されることができる。
また、本発明の装置は、上記の構成に加えて、
前記車輪構造部を前記第1方向に係る外側から挟持する筐体を有し、
前記筐体は、一部箇所が開放/締結可能に構成されていることを別の特徴とする。
上記の構成によれば、当該筐体の一部箇所を開放した状態で本装置を水平支線上に載置させて、テーパ形状を有する一対の第1車輪部の両側面に水平支線の外側面を接触させた後で当該筐体の前記箇所を締結することができ、本装置を水平支線上に載置した状態で当該筐体によって水平支線を取り囲むことができるため、万一装置がバランスを崩した場合であっても、水平支線から本装置が地上に落下することが防止される。
なお、この筐体は、締結時において第1方向に見たときに環状を示す構成とすることで、全体の軽量化を図ることができる。そして、筐体の下端位置に駆動部を収容する駆動部設置部を設ける構成とすることで、装置全体の重心を下方に設定でき、水平支線の上に載置した状態での安定性が担保される。
また本発明の装置は、上記の構成に加えて、
前記車輪構造部の、前記第1方向とは異なる非鉛直方向である第2方向に係る外側の位置に配置された、接触又は近接検知用の検知部を有し、
前記駆動部は、前記検知部が接触又は近接を検知すると前記車輪構造部に対する回転駆動の停止又は反転駆動が可能に構成されていることを別の特徴とする。
上記の構成によれば、出発元である第1柱の近傍位置から水平支線上を自走して進行し、到着先である第2柱の外側面又は当該第2柱に施設された設備若しくは備品に検知部が接触又は近接すると、駆動部による回転駆動の停止又は反転駆動が可能となる。
例えば、検知部が上記接触を検知したことをもって駆動部が反転駆動を行うことで、装置を第2柱側から第1柱側に逆走させることが可能となる。これにより、作業員が第1柱側から装置を水平支線上に載置させた後、水平支線上を第1柱側から第2柱側まで自走させて撮影を完了させると、自動的に最初に設置した第1柱側の位置まで戻すことができる。これにより、第2柱側に作業員を配置する必要がなくなり、少ない作業員によって水平支線の点検が可能となる。
また、例えば、検知部が上記接触を検知したことをもって駆動部による車輪構造部に対する回転駆動を停止する構成とすることもできる。この場合、当該電柱間に施設された水平支線の点検と同時に、当該箇所に新たな電線を張る作業の準備を行うことができる。すなわち、本装置の所定の箇所に新たに張る予定の電線の端部を接続させた状態で、作業員が第1柱側から装置を水平支線上に載置させた後、水平支線上を第1柱側から第2柱側まで自走させる。このとき、検知部が第2柱又は当該第2柱に施設された設備若しくは備品に接触又は近接したことを検知すると、駆動部の回転駆動が停止するため、装置は第2柱側にて停止する。このとき、新たに張る予定の電線を第1柱と第2柱の間に這わせることができるので、当該電線を張る作業が効率化される。
また、本発明の装置は、上記の構成に加えて、
前記第1方向とは異なる非鉛直方向である第2方向に離間した位置に、複数組の前記車輪構造部を備え、
前記撮像部設置部は、前記第2方向に離間して配置された複数組の前記車輪構造部の当該離間した位置において、前記撮像部による撮像箇所の直下を少なくとも除く所定の箇所が前記筐体に固定されて配置されていることを別の特徴とする。
かかる構成とすることで、筐体によって撮影を妨げられることなく、撮像部を装置に固定した状態で設置することができる。
なお、本発明の水平支線点検装置は、装置自体に予め撮像部が組み込まれたものとして実現することも可能である。すなわち、このような水平支線点検装置は、
非鉛直方向である第1方向に対向して配置された一対の第1車輪部、一対の前記第1車輪部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の緩衝部、及び一対の前記緩衝部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の第2車輪部を含む車輪構造部と、
前記車輪構造部を回転駆動するための駆動部と、
所定の箇所に固定され、下方を撮影可能に構成された撮像部とを備え、
一対の前記第1車輪部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に水平支線の外側面を接触させることで前記水平支線を挟持可能に構成されており、
一対の前記緩衝部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に玉碍子の外側面を接触させることで前記玉碍子を挟持可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の水平支線点検装置によれば、玉碍子を乗り越えながら水平支線上を自走することができるので、作業員の目視によることなく水平支線全体の劣化点検を簡易に行うことができる。
撮像部を取り付ける前の状態の水平支線点検装置を上面から見たときの模式的平面図である。 撮像部を取り付けた後の状態の水平支線点検装置を上面から見たときの模式的平面図である。 水平支線点検装置を正面から見たときの模式的平面図である。 水平支線点検装置を図2Aと反対側から見たときの模式的平面図である。 水平支線点検装置を側面から見たときの模式的平面図である。 水平支線点検装置を側面から見たときの別の模式的平面図である。 水平支線点検装置の検知部設置部近傍を示す模式的斜視図である。 締結部を解放した状態の水平支線点検装置を示す模式図である。 点検対象となる水平支線を含む配電系統の一部を示す模式図である。 水平支線上に設置した水平支線点検装置を側面から見たときの模式的平面図である。 玉碍子の施設箇所に到達した水平支線点検装置を側面から見たときの模式的平面図である。 玉碍子の施設箇所に到達した水平支線点検装置を正面から見たときの模式的平面図である。 車輪構造部20と車輪構造部30の中間地点に玉碍子が位置している状態における水平支線点検装置を正面から見たときの模式的平面図である。
本発明の水平支線点検装置の構成につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
[構造]
図1A及び図1Bは、水平支線点検装置1を上面から見たときの模式的平面図である。図1Bは、撮像部64が取り付けられている状態の図面であり、図1Aは、撮像部64が取り付けられていない状態の図面である。以下では、図1A及び図1Bに示すXYZ座標系を参照して説明する。
図2Aは、水平支線点検装置1を正面から見たときの模式的平面図であり、より詳細には、水平支線点検装置1を+X方向に見たときの平面図に対応する。また、図2Bは、図2Aとは反対側、すなわち裏面から水平支線点検装置1を−X方向に見たときの平面図に対応する。
本実施形態における水平支線点検装置1は、車輪構造部20と車輪構造部30を有し、車輪構造部20が車輪構造部30に対して+Y方向に所定の離間を有した位置に配置されている。図3Aは、車輪構造部20が存在する位置において、水平支線点検装置1を側面から−Y方向に見たときの模式的平面図であり、図3Bは、車輪構造部30が存在する位置において、水平支線点検装置1を側面から+Y方向に見たときの模式的平面図である。
なお、本実施形態では、水平支線点検装置1が2つの車輪構造部(20,30)を有する構成としているが、3つ以上の車輪構造部を有する構成としても構わない。
車輪構造部20は、X方向に対向して配置された一対の第1車輪部21(21a,21b)を有する。ここでは、第1車輪部21aが第1車輪部21bよりも+X方向に位置しているものとして説明する。なお、このX方向が「第1方向」に対応する。
車輪構造部20は、第1車輪部21aの+X方向に係る外側において第1車輪部21aに接触した緩衝部23aを有し、第1車輪部21bの−X方向に係る外側において第1車輪部21bに接触した緩衝部23bを有する。つまり、第1車輪部21aと第1車輪部21bを併せて「第1車輪部21」と称し、緩衝部23aと緩衝部23bを併せて「緩衝部23」と称するとすれば、車輪構造部20は一対の第1車輪部21の±X方向に係る外側の位置において、±X方向に対向して配置された一対の緩衝部23を有する。
車輪構造部20は、更に緩衝部23aの+X方向に係る外側において緩衝部23aに接触した第2車輪部25aを有し、緩衝部23bの−X方向に係る外側において緩衝部23bに接触した第2車輪部25bを有する。つまり、第2車輪部25aと第2車輪部25bを併せて「第2車輪部25」と称するとすれば、車輪構造部20は一対の緩衝部23のX方向に係る外側の位置において、±X方向に対向して配置された一対の第2車輪部25を有する。
車輪構造部30も、車輪構造部20と同様に構成されている。すなわち、車輪構造部30は、X方向に対向して配置された一対の第1車輪部31(31a,31b)を有する。ここでは、第1車輪部31aが第1車輪部31bよりも+X方向に位置しているものとして説明する。
車輪構造部30は、第1車輪部31aの+X方向に係る外側において第1車輪部31aに接触した緩衝部33aを有し、第1車輪部31bの−X方向に係る外側において第1車輪部31bに接触した緩衝部33bを有する。つまり、車輪構造部30は一対の第1車輪部31(31a,31b)のX方向に係る外側の位置において、±X方向に対向して配置された一対の緩衝部33(33a,33b)を有する。
車輪構造部30は、更に緩衝部33aの+X方向に係る外側において緩衝部33aに接触した第2車輪部35aを有し、緩衝部33bの−X方向に係る外側において緩衝部33bに接触した第2車輪部35bを有する。つまり、車輪構造部30は一対の緩衝部33(33a,33b)の±X方向に係る外側の位置において、±X方向に対向して配置された一対の第2車輪部35(35a,35b)を有する。
第1車輪部(21,31)は、内側の径よりも外側の径が大きく、側面にテーパ形状を有している。本実施形態では、第1車輪部(21,31)がほぼ円錐台形状を示している。このため、X方向に対向する一対の第1車輪部21(21a,21b)、及び第1車輪部31(31a,31b)は、中心位置から離れるに連れて離間d1が拡がるような位置関係となっている。この第1車輪部(21,31)は、例えば汎用的なゴムで構成される。
緩衝部(23,33)は、内側の径よりも外側の径が大きく、側面にテーパ形状を有している。本実施形態では、緩衝部(23,33)がほぼ円錐台形状を示している。このため、X方向に対向する一対の緩衝部23(23a,23b)、及び緩衝部33(33a,33b)は、中心位置から離れるに連れて離間d2が拡がるような位置関係となっている。この緩衝部(23,33)は、玉碍子に接触した際に当該玉碍子を傷つけるおそれがないよう、例えば発泡スチロールなど、弾性を有する素材で構成される。
なお、緩衝部(23,33)は、第1車輪部(21,31)よりも外側に配置されていることから、一対の緩衝部23(23a,23b)の離間d2、及び一対の緩衝部33(33a,33b)の離間d2は、一対の第1車輪部21(21a,21b)の離間d1、及び一対の第1車輪部31(31a,31b)の離間d1よりも長い。
第2車輪部(25,35)は、例えばゴム等の素材で構成された円盤型の部材にて構成される。緩衝部23は第1車輪部21と第2車輪部25の間に挟持され、緩衝部33は第1車輪部31と第2車輪部35の間に挟持される。
水平支線点検装置1は、例えば金属製の筐体60を有しており、この筐体60が車輪構造部20及び車輪構造部30をX方向に挟み込むことで固定している。より詳細には、この筐体60は、車輪固定部61、撮像部設置部62、及び駆動部設置部63を有して構成される。
車輪固定部61は、X方向に見て環状(本実施形態ではほぼ三角環状)を示す一対の車輪固定部61a、61bを有して構成され、これらが、車輪構造部20及び車輪構造部30をX方向に挟持する。図2A、図2Bに示されるように、一対の車輪固定部61a、61bを環状構成とすることで、軽量化が図られている。
撮像部設置部62は、車輪固定部61の上面と連結されており、Y方向に関して車輪構造部20と車輪構造部30の間の位置に設けられている。なお、この撮像部設置部62は、例えばデジタルカメラ等の撮像部64を固定的に設置するための金具を含んでおり、撮像部が取り付けられた際、下方を撮影するに際して障害とならないよう、環状等の枠型で形成される(図1A、図1B参照)。
駆動部設置部63は、車輪固定部61の下方位置において、一対の車輪固定部61(61a,61b)を連結すると共に、内部に駆動部10を収容可能に構成されている。一対の車輪固定部61a、61bを環状構成とした上で、車輪固定部61の下方位置に駆動部10を収容した駆動部設置部63を設けることで、重心を下方位置に設定できるので、本装置1を水平支線の上に載置した状態での安定性が確保される。
車輪固定部61には、歯車65、歯車66が設けられ、駆動部設置部63には歯車67が設けられている。そして、これらの歯車65、歯車66、及び歯車67はベルト68によって連結されており、駆動部設置部63に設けられた駆動部10からの回転駆動が各歯車65,66,67に伝達される。なお、本実施形態では、車輪固定部61には歯車65、歯車66、及び歯車67からなる3つの歯車を含む構成としたが、歯車の数は適宜変更することができる。
水平支線点検装置1は、車輪構造部20の中心を貫通する軸心51、及び車輪構造部30の中心を貫通する軸心52を有する。軸心51は、歯車65と連結されており、この軸心51を介して歯車65の回転を車輪構造部20の各構成要素、すなわち第1車輪部21、緩衝部23、及び第2車輪部25に伝達する。同様に、軸心52は、歯車66と連結されており、この軸心52を介して歯車66の回転を車輪構造部30の各構成要素、すなわち第1車輪部31、緩衝部33、及び第2車輪部35に伝達する。
水平支線点検装置1は、筐体60の上方において、当該筐体60に連結された検知部設置部41を備える。本実施形態では、検知部設置部41は、第2車輪部25bの−X方向の外側、及び車輪構造部20の+Y方向の外側に位置するようにL字型の金属部材で構成されている(図4参照)。なお、第2車輪部25bの−X方向の外側、及び車輪構造部30のY方向の外側に加えて、第2車輪部25aのX方向の外側にも位置するよう、検知部設置部41をコの字型の金属部材で構成してもよい。
そして、車輪構造部20に対して+Y方向に位置する箇所において、検知部設置部41には検知部40が設けられている。この検知部40は、水平支線点検装置1に対して+Y方向の位置に他の物の接触又は近接を検知することのできる所定のセンサを含む構成である。
また、車輪固定部61aには締結部71,72が備えられており、この締結部71,72を解放することで、車輪固定部61aに対して駆動部設置部63との連結を解除することができる(図2A及び図5参照)。
[機能]
以下、水平支線点検装置1の利用方法及びその機能につき説明する。
水平支線点検装置1は、水平支線上に設置した状態で、駆動部10からの回転駆動によって車輪構造部20及び車輪構造部30を回転させて水平支線上を自走させることができる構成である。図6は、点検対象となる水平支線を含む配電系統の一部を示す模式図である。本実施形態では、電柱16(「第1柱」に対応)と電柱17(「第2柱」に対応)の間に施設されている水平支線80が点検対象であり、水平支線点検装置1に対して、電柱16側から電柱17側に向かって水平支線80上を自走させることで、水平支線80の点検を行うことを想定して説明する。なお、この水平支線80には玉碍子15が所定の箇所に施設されている。
作業員は、撮像部設置部62に、下方を撮像可能な状態で撮像部64を設置した後、水平支線点検装置1を水平支線80の高さ位置まで引き上げ、電柱16近傍箇所における水平支線80上にこの装置1を載置する。このとき、検知部設置部41が進行方向(ここでは電柱17側)に位置するように水平支線点検装置1の向きを調整する。ここでは、水平支線点検装置1が水平支線80上を+Y方向に移動する場合を想定して説明する。
図5に示したように、いったん締結部71,72を解放し、この解放部分を介して水平支線80を車輪構造部20,30の下方に位置させ、第1車輪部21,31のテーパ部、すなわち第1車輪部21、31の外側面に水平支線80の外側面を安定的に接触させた後、締結部71,72を締結する。
図7は、水平支線80上に設置した水平支線点検装置1をY方向から見たときの状態を模式的に示す図である。なお、図7では、図3Aにならって車輪構造部20の近傍箇所のみを図示している。
上述したように、第1車輪部21は側面にテーパ形状を有しており、中心位置、すなわち軸心51から離れるに連れて離間d1が拡がっている。第1車輪部31についても同様である。よって、水平支線点検装置1は、水平支線80の外側面が第1車輪部(21,31)の所定の箇所の外側面と接触した状態で、水平支線80上に安定的に設置される。
図7に示すように水平支線80上に水平支線点検装置1を設置した後に、締結部71,72を締結することで、水平支線80が筐体60に取り囲まれることになる。よって、仮に自走時に強風等によって水平支線点検装置1がバランスを崩したとしても、水平支線点検装置1が水平支線80から離脱して地上に落下することが防止される。
図7に示す状態に設置した後、撮像部64によって撮像可能な状態の下で電源スイッチ(不図示)をONにして駆動部10の回転駆動を開始する。すると、駆動部10の回転が、歯車67からベルト68を介して歯車65及び歯車66へと伝達され、軸心51及び軸心52を介して車輪構造部20及び車輪構造部30を回転させる。これにより、第1車輪部(21,31)が水平支線80上で回転し、水平支線点検装置1は自走を開始する。
なお、電源スイッチは、例えば、筐体60のうちの駆動部設置部63の部分に設けることができ、このスイッチが操作されると、その駆動部設置部63の内側に収容されている駆動部10に対して動作開始のための指示信号が与えられる構成とすることができる。
上述したように、撮像部設置部62は撮像部64による下方の撮影の障害とならないよう、枠型で形成されているため、撮像部64によって水平支線80の上面が撮像可能な状態が実現されている。よって、水平支線点検装置1は、水平支線80上を自走しながら、撮像部64の直下に位置する水平支線80の上面を連続的に撮像することができる。
ここで、上述したように、緩衝部23は側面にテーパ形状を有しており、中心位置、すなわち軸心51から離れるに連れて離間d2が拡がっている。緩衝部33についても同様である。よって、水平支線点検装置1は、水平支線80上の所定の箇所に設けられた玉碍子15の施設箇所に到達すると、玉碍子15の外側面が緩衝部(23,33)の所定の箇所の外側面と接触する(図8A参照)。そして、緩衝部23が玉碍子15の外側面上に乗り上げながら回転することで、水平支線点検装置1は引き続き自走が可能となる。
また、上述したように、緩衝部(23,33)は発泡スチロールなどの弾性を有する素材で構成されているため、玉碍子15の外側面と接触しながら水平支線点検装置1が進行方向に自走しても、緩衝部(23,33)と玉碍子15の摩擦によって玉碍子15を傷つけるおそれがない。
なお、図8Bは、玉碍子15の施設箇所に到達した時点における水平支線点検装置1を正面から見たときの模式的平面図であり、理解の容易化のために水平支線点検装置1に隠れている水平支線80及び玉碍子15も重ねて描画している。
その後、水平支線点検装置1は自走を継続すると、玉碍子15は、車輪構造部20と車輪構造部30の中間地点に位置する(図9参照)。このとき、玉碍子15は撮像部64の直下に位置することになり、玉碍子15の上面及び当該箇所に位置する水平支線80の撮像が可能となる。水平支線80は、玉碍子15の近傍において玉碍子15と連結するために複雑な形状を示しており、目視による点検が困難であったが、本装置によれば、かかる箇所も撮像することができるため、確実に点検を行うことができる。
水平支線点検装置1は、更に自走を継続すると、電柱17の近傍箇所に到達する。その後、電柱17自身、もしくは電柱17に付随して施設されたボルト等の設備等に検知部40が接触すると、検知部40は電柱17に到達したことを検知し、その旨の信号を駆動部10に送信する。駆動部10は、この信号を受信すると、回転方向を反転させ、水平支線点検装置1は電柱16の方向に進行方向を反転させて自走を開始する。これにより、作業員は電柱16側に待機しておくことで、水平支線点検装置1を回収することができ、電柱17側に別の作業員を待機させる必要がなく、点検に要する作業員数を減らすことができる。
なお、検知部40は、電柱17自身、もしくは電柱17に付随して施設されたボルト等の設備等に接触したことを検知する構成に限られず、近接したことを検知する構成としても構わない。
[別実施形態]
以下に別実施形態につき説明する。
〈1〉 上述の実施形態では、水平支線点検装置1が、筐体60に設けられた撮像部設置部62にデジタルカメラ等の撮像部64を取り付け可能な構成であるものとして説明した。しかし、水平支線点検装置1自体が、CCDカメラ等の撮像部64を予め備える構成とすることも可能である。この場合、改めてデジタルカメラを取り付ける必要はないので、水平支線点検装置1は撮像部設置部62を必ずしも備える必要はない。
〈2〉 水平支線点検装置1に、逆走モードと停止モードの間でモード切替用のスイッチを設ける構成としても構わない。上述の実施形態では、検知部40が電柱17に到達したことを検知すると、駆動部10が回転方向を反転させることで、電柱16に向かって逆走する構成であるとした。これに対し、モード切替用のスイッチを操作して停止モードに設定されている場合には、検知部40が電柱17を検知した時点で、駆動部10が回転駆動を停止して水平支線点検装置1自体が停止する構成とすることができる。
このモード切替機能を備えることで、水平支線点検装置1を新たな電線を張るときの延線装置としても利用することが可能となる。すなわち、水平支線点検装置1に所定のフックを設け、このフックに新たな電線を取り付けた状態で、停止モード下で電柱16側から水平支線点検装置1を電柱17に向けて自走させる。これにより、電柱17に到達した時点で、水平支線点検装置1は停止し、電柱16と電柱17の間に新たな電線を這わせることができるので、電線を張る作業が効率化される。
特に、新たな電線を張る際に、水平支線点検装置1を水平支線80上に自走させながら新たな電線を電柱16と電柱17の間に這わせることで、水平支線80の点検と同時に新たな電線を這わせる作業が行えるため、極めて効率的な作業が行える。
〈3〉 上述の実施形態では、水平支線点検装置1が検知部40を備える構成であるものとして説明したが、電柱17の近傍に待機させた作業員によって当該電柱17側に到着した水平支線点検装置1を停止させる場合には、必ずしも検知部40を備える必要はない。この場合には、水平支線点検装置1が検知部設置部41を備える必要もない。
1 : 水平支線点検装置
10 : 駆動部
15 : 玉碍子
16 : 電柱
17 : 電柱
20 : 車輪構造部
21(21a,21b) : 第1車輪部
23(23a,23b) : 緩衝部
25(25a,25b) : 第2車輪部
30 : 車輪構造部
31(31a,31b) : 第1車輪部
33(33a,33b) : 緩衝部
35(35a,35b) : 第2車輪部
40 : 検知部
41 : 検知部設置部
51,52 : 軸心
60 : 筐体
61(61a,61b) : 車輪固定部
62 : 撮像部設置部
63 : 駆動部設置部
64 : 撮像部
65,66,67 : 歯車
68 : ベルト
71,72 : 締結部
80 : 水平支線
d1 : 対向する一対の第1車輪部同士の離間
d2 : 対向する一対の緩衝部同士の離間

Claims (5)

  1. 非鉛直方向である第1方向に対向して配置された一対の第1車輪部、一対の前記第1車輪部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の緩衝部、及び一対の前記緩衝部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の第2車輪部を含む車輪構造部と、
    前記車輪構造部を回転駆動するための駆動部と、
    下方領域を撮像可能な状態で撮像部を固定的に取付可能に構成された撮像部設置部と備え、
    一対の前記第1車輪部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に水平支線の外側面を接触させることで前記水平支線を挟持可能に構成されており、
    一対の前記緩衝部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に玉碍子の外側面を接触させることで前記玉碍子を挟持可能に構成されていることを特徴とする水平支線点検装置。
  2. 前記車輪構造部を前記第1方向に係る外側から挟持する筐体を有し、
    前記筐体は、一部箇所が開放/締結可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水平支線点検装置。
  3. 前記車輪構造部の、前記第1方向とは異なる非鉛直方向である第2方向に係る外側の位置に配置された、接触又は近接検知用の検知部を有し、
    前記駆動部は、前記検知部が接触を検知すると前記車輪構造部に対する回転駆動の停止又は反転駆動が可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水平支線点検装置。
  4. 前記第1方向とは異なる非鉛直方向である第2方向に離間した位置に、複数組の前記車輪構造部を備え、
    前記撮像部設置部は、前記第2方向に離間して配置された複数組の前記車輪構造部の当該離間した位置において、前記撮像部による撮像箇所の直下を少なくとも除く所定の箇所が前記筐体に固定されて配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水平支線点検装置。
  5. 非鉛直方向である第1方向に対向して配置された一対の第1車輪部、一対の前記第1車輪部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の緩衝部、及び一対の前記緩衝部のそれぞれの前記第1方向に係る外側に接触して形成された一対の第2車輪部を含む車輪構造部と、
    前記車輪構造部を回転駆動するための駆動部と、
    所定の箇所に固定され、下方を撮影可能に構成された撮像部とを備え、
    一対の前記第1車輪部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に水平支線の外側面を接触させることで前記水平支線を挟持可能に構成されており、
    一対の前記緩衝部は、それぞれが内側の径よりも外側の径が大きくテーパ形状を有する側面を有し、両側面に玉碍子の外側面を接触させることで前記玉碍子を挟持可能に構成されていることを特徴とする水平支線点検装置。
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