JP2015114180A - 放射能汚染水の処理具とそれを使用した放射能汚染水の処理方法 - Google Patents

放射能汚染水の処理具とそれを使用した放射能汚染水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性物質汚染水を離隔操作で安全に処理する処理具と処理方法を提供する。【解決手段】透水性袋体2の中に吸水性樹脂3を収納した吸水体1に放射能汚染水を吸収、ゲル化させた状態で、回収、移送、あるいは保管する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射能汚染水の処理具とそれを使用した放射能汚染水の処理方法に係わり、更に詳しくは、直接人の手を介さず、離隔操作で、放射能汚染水を処理できる放射能汚染水の処理具とそれを使用した放射能汚染水の処理方法に関するものである。
東京電力福島の原発事故現場では、大量の放射性液体廃棄物を収容した大型タンクが、場内に多数設置されている一方、他の原子力発電所では日常の一般作業で、少量ではあるが、場内随所で、機器ドレン廃液、床ドレン廃液、化学廃液、洗濯廃液等が排出され、日々蓄積され、それらは建屋内、タンク及びサブドレンピット等に貯蔵されている。
これら場内随所で発生する小規模汚染水は、新聞紙、ウエス、スポンジ、クッキングペーパー等に吸収させて回収して、ドラム缶や樹脂製小型容器等の簡易容器に収納して一時保管し、適宜、焼却処分しているのが現状であるが、これら新聞紙、ウエス、スポンジ、クッキングペーパー等の材料では吸収できる絶対量が少ないために、汚染水を効率よく迅速に回収することが出来ず、しかも簡易容器に収納するまでの間に、吸収した汚染水がしたたり落ちて新たな二次汚染を引き起こす問題も起こしている。
また簡易容器に一時保管、仮置き保管された汚染水は、金属製容器の腐食が原因で漏水事故も発生している。またコンクリート製の容器でも、地震による漏水事故が危惧されており、容器の保管、管理費用が多額なものになっているのが実情である。
また更に、保管したこれらの汚染水は、更に何工程かを経て最終処分に至るが、各工程で容器から取出す作業もあり、この際、汚染水が飛散したり、したたり落ちたりする事故もあり、現場作業者には極めて危険な作業となっている。
また放射性汚染水、洗浄水の浄化、濾過は、ゼオライトやプルシアンブルー、ホウ素化合物等を活用して放射性物質の吸着、凝集、沈殿分離や濾過分離等で行われているが、濾過や洗浄で発生する濃縮汚染水は作業員が迂闊に近寄れず、触れず、近寄ることなく、簡単に処理できない問題がある。
今後の事故対策作業では、これら小規模の放射性汚染水の収集、運搬が各所で発生し現場作業の困難が予測されている。
そのためには、安全、簡便、迅速、かつハンドリング性の良い、汚染水の回収、運搬、保管、最終処理方法が必要とされる。特に高濃度汚染水にあっては、作業員が近寄ることなく、離れた場所から安全かつ簡便に処理することが絶対条件である。
放射能汚染水の処理に関する公知文献としては特許文献1、特許文献2が存在する。
特許文献1は、汚染水に含まれる放射性物質を除去する方法の発明である。
特許文献2の発明は、汚染水の除染処理に関する発明である。
これら2件の発明は、いずれも大量に発生した汚染水の除染に関わる発明であり、前記した問題点の解決を示唆する文献は存在しないのが現状である。
特開2013−40868 特開2013−120097
本発明はかかる問題を解決するためになされたもので、その第一の目的は、放射能汚染水を焼却処分等の最終処分に至るまで、汚染水を外にまき散らすことなく、また漏水を発生させることも無く、安全、確実、かつ簡便に、放射能汚染水を回収、搬送、および保管、および焼却処理するための放射能汚染水の処理具と処理方法を提供することである。また第二の目的は、作業者が直接放射能汚染水に触ることなく、離れた場所から効率よく、安全、迅速、処理するための放射能汚染水の処理具と処理方法を提供することである。
本発明者は前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の知見を得るに至った。
すなわち吸水性樹脂に放射能汚染水を吸収させた時、吸収された汚染水はゲル化するために、吊下げても、水のようにしたたり落ちることも無く、加圧しても外に染み出ることが無く、また高温の焼却炉に直接投入しても、水蒸気爆発が発生して、汚染水を周囲環境に飛散させることも無く焼却できることに着目して、吸水性樹脂のこの性質を利用すれば、放射能汚染水を安全、確実、かつ簡便に、回収、運搬、移し替え、保管および焼却できることに思い至り、本発明に至ったものである。
本発明の課題を解決することが出来る放射能汚染水の処理具は下記の構成からなる。
すなわち、本発明放射能汚染水処理用具は、放射能汚染水から離れた場所から離隔操作で当該汚染水を吸収して回収して、移送あるいは保管に使用する放射能汚染水処理用具であって、透水性袋体の中に吸水性樹脂を収納してなる構造で、当該吸水性樹脂で放射能汚染水を吸収して、当該汚染水をゲル化した状態で回収、移送、あるいは保管、あるいは更に、焼却炉に投入することを特徴とするもので、これによって当該汚染水を外にまき散らすことなく安全に回収、運搬、あるいは保管することが出来る。また更に、安全に焼却処理できる。
前記離隔操作の機構は、アームの先端部に取付けた引掛け具を、前記透水性袋体に形成した持手に差込んで、引掛けて吊上げ、および差込んだ引掛け具を前記持手から外して前記アームから取り外す機構であって、当該引掛け具の差込み、取外しとアームの操作を放射能汚染水から離れた場所から行う機構が、本発明の目的のためには、最も簡便で好適である。
これによって、放射性汚染水を直接さわることなく、離れた安全な場所から、前記放射能汚染水処理用具の取出し、運搬、容器収納、仮置き一時保管、焼却炉投入等の作業を遠隔操作で簡単に行うことが出来る。
前記持手の形成に特別に制約はなく、たとえば前記透水性袋体の一部に、直接、前記引掛け具を差込む孔を明けてシート状の持手を形成してもよいし、あるいは紐あるいは帯の両端を透水性袋体に固定して、紐状、帯状の持手を形成してもよいし、あるいはリング状の紐、帯を透水性袋体に固定してリング状持手を形成しても良いし、少なくとも引掛け具を差込んで吊上げに耐える強度を持つものであればいかなる形状、構造でもよい。
持手の材料は、焼却炉に投入して燃焼できるものが必要で、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロン、クレモナ等の化学繊維、マニラ、木綿、ジュート、パーム、サイザル、ヘンプロープ等の天然繊維系の材料が好適である。
前記放射能汚染水処理用具の透水性袋体は、それ自体が透水性である不織布や織布等の他に、ビニール等の非透水性シートに多数の小穴を設けて通水できるようにした構造でもよい。
不織布は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミド等のスパンボンド法、水流交絡法等により製造したもの等を好適に使用できる。
織布は、ビスコース法レーヨン等の再生繊維、酢酸セルロース繊維等の半合成繊維、ポリ
アミド、ポリエステル、アクリル等の合成繊維を素材として製造したもの等を好適に使用できる。
透水性袋体は、長期保存のためには、必要に応じて、吸水樹脂の紫外線劣化(分子崩壊)を防御するために耐紫外線加工することも有効である。
吸水性樹脂は、カルボキシル基、水酸基、エーテル基、アミド基等の親水性の官能基を有する高分子であり、澱粉にアクリル酸塩をグラフト重合させた澱粉系、カルボキシセルロースにアクリル酸塩をグラフト重合させたセルロース系、アクリル酸・ビニルアルコール共重合体、アクリル酸重合体、アクリル酸・アクリルアミド重合体、ポリエチレンオキサイド変性物等の合成系のものが適時使用できるが、前記透水性袋と同じく、使用後の後処理が容易な、加熱焼却、溶融されやすいことが必要であるので、熱可塑性樹脂系の材料が最も好適に使用できる。また吸水性樹脂の使用形態は、微粉体、シート、顆粒、繊維、あるいはペレット状に加工して使用できる。
本発明の放射能汚染水処理用具は、吸水前は扁平であるが、吸水後、体積比で10〜20倍に膨張して、立体的な厚みのある構造に変化する。小さな体積の吸水樹脂で多量の水を効率よく回収できる。
吸収された汚染水はゲル化しており、水が外に流れ出ることも無く、また加圧しても水のしみだしは起こらない。一旦ゲル化したものは、安全に運搬、保管、焼却炉投入ができる。
また前記離隔操作の機構として、前記放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にして、アームの先端部に取付けた電磁石のスイッチをONにして、電磁力で前記放射能汚染水処理用具を吸引して吊上げ、および電磁石のスイッチをOFFにして吸引した前記放射能汚染水処理用具を離して、前記アームから取り外す機構であって、前記放射能汚染水処理用具の吸着、取外しとアームの操作を放射能汚染水から離れた場所から行う機構も、本発明の目的のためには、最も簡便で好適な機構である。これによって放射性汚染水を直接さわることなく、離れた安全な場所から、前記放射能汚染水処理用具の取出し、運搬、容器収納、仮置き一時保管、焼却炉投入等の作業を遠隔操作で簡単に行うことが出来る。
前記放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にするためには、フェライトや磁性金属等の磁性材料の粉末を前記放射能汚染水処理用具の吸水性樹脂あるいは透水性袋体の中に混合する方法、あるいは透水性袋体の表面に塗布、コーティング、あるいは磁性体のシートを貼着する等の方法が好適である。
本発明の水を吸収した吸水性樹脂は、ゲル化した水の塊であり、焼却炉に投入することは、焼却炉に水の塊を投入して急冷することを意味する。
焼却炉は、急激に蒸発潜熱を奪われて炉内の温度が急激に低下して、炉の連続操業に支障が生ずる。
従って、その弊害をなくすために放射能汚染水処理用具は小型化することが好ましい。
焼却炉の発熱容量との兼ね合いもあるが、吸水樹脂の吸水量の制御(吸水前5g〜20g好ましくは10g、吸水後20〜400g好ましくは120gが好適)を行い、焼却炉投入時の温度低下を生じないように計量することが好ましい。また汚染水には海水が含まれており、塩化物で加熱炉の耐火煉瓦が損傷されるので、一度に多量の塩化物を発生させないために、吸水体は小型化することが好ましい。
焼却炉の温度低下を抑制するためには、前記放射能汚染水処理用具の中に、焼却時の蒸発潜熱補償と焼却炉の設定温度まで昇温させるに必要な熱量を補償できる固形燃料を加えることが有効である。
固形燃料としては、石炭粉、粉末固形油、石油由来や自然由来のバイオ系の燃焼物、あるいは金属の酸化反応を利用するたとえばテルミット剤等の発熱反応剤も有効であるが、最も好ましい燃料は、燃焼消失して固形残渣を出さない固形燃料である。固形残渣は、固形の放射能汚染物質が残ることになる。
本発明放射能汚染水処理用具が最も威力を発揮するのは、小さな汚染水のプール、あるいは随所に散在する水たまりからの汚染水の回収である。
前記した本発明放射能汚染水処理用具は、全ての場合において、放射能汚染水の回収から始まる。
吸水性樹脂に吸水させて回収した汚染水はゲル化しており、ゲル化状態が保存されている限り、外に汚染水が染み出ることも無く、また圧力が付加されても、汚染水が染み出ることも無く、安全に取り扱いが出来る。
本発明放射能汚染水処理用具を使用した汚染水の回収処理、搬送処理を利用する汚染水の諸々の処理方法は、全て本発明に包含される。
本発明の放射能汚染水処理用具を使用すると、汚染水回収後、保管容器に収納して安全に保管できる。
本発明の放射能汚染水処理用具は、自然乾燥等で吸水性樹脂の架橋構造を破壊せずに脱水した場合、再び吸水性樹脂として再利用できるので、最終処理を焼却でなく別の処理に供することも可能であり、そのための搬送、保管を安全に行うことが出来る。
汚染水を吸収してゲル化した本発明放射能汚染水処理用具の保管容器(コンテナバッグ)として下記の構造が好適である。
すなわち、本発明に好適なコンテナバッグは、外袋と内袋の二重袋構造で、内、外の袋はいずれも柔軟素材で構成され、使用前は薄く、小さく、畳むことができる構造で、軽量で、収納に場所を取らない利点がある。
吸水した放射能汚染水処理用具は、この内袋の中に収納されることになる。
外袋の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のベース素材に耐紫外線加工された素材を用い、内袋は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリル等の耐久性や耐切創性のある合成繊維を素材とし、鋭利な瓦礫等の混入物から保護するために、あるいは収納中、移動中、保管中に外部からの破壊応力を吸収して保護するために、内袋の内外両面をクッション材で挟んだ構造が好適である。
内袋の開口側、つまり吸水した放射能汚染水処理用具を入れる開口側は、開け閉め自在なチャック封止出来る構造が好適である。この気密封止構造によって、不測の事故で収納した吸水体の中のゲル化した汚染水が周囲環境への飛散と自然蒸発を防止することが出来、長期間の一時保管を可能にする。
コンテナバッグ外袋の外側には搬送用吊りベルトを取付け、吊りベルトを遠隔操作で吊り上げて次の工程に搬送する。
また前記コンテナバッグは、外袋あるいは内袋の内外面のいずれか、最も好ましくは外袋の内面に、放射能遮蔽材の層を設けて、吸水層に吸水された汚染水から放出される放射能を遮蔽あるいは低減させる構造が好ましい。
放射能遮蔽材の層は放射能遮蔽効果のある硫酸バリウムをコーティングしたり、あるいはタングステンの粉末をコーティングすることで形成できる。
本発明は下記の効果を有する。
1 放射能汚染水を吸収した本発明放射能汚染水処理用具から汚染水の染み出しがないので汚染水の回収、運搬、仮置き一時保管、投入、焼却の対策作業が安全にできる。
2 吸水ゲル化した本発明放射能汚染水処理用具に紐、帯状等の簡単な持手を取付け、簡易治具で引っ掛け安全な距離から取り出し、搬送が容易にできる。
3 電磁力により吸着、取り出し、運搬が、直接さわることなく離隔して安全にできる。
4 汚染水専用焼却炉の温度を低下させることなく、高温を維持して安定焼却できる。
5 海水を含む汚染水でも、焼却炉の耐火煉瓦を損傷させることなく焼却できる。
6 本発明放射能汚染水処理用具に可燃物を添加することで、高温安定焼却を維持ができる。
7 仮置き一時保管において、柔軟性容器で、使用前はたたんで収納できるので、保管に必要な場所をあまり必要としない。また剛性容器に比し地震等の衝撃損壊がない。
8 ゲル状で保管のため、液体の状態で保管する場合に比して、漏水の恐れがない。
9 コンテナバッグは、開け閉め自在なチャック封止出来るので、放射能汚染物の周囲環境への飛散を防止できる。また吸水ゲル水分の自然蒸発を抑えてゲル状態を長期間保持できる。
10 コンテナバッグは、放射線低減膜材を内面にコーティングしているので、汚染水の放射線を低減化して近接で安全に取り扱うことができる。
11 コンテナバッグに収納した吸水体は適時必要量だけ簡易に取り出し、適時焼却できる。
12 内袋の内外両面にクッション材をはさんだサンドイッチ構造により耐切創性が高い。
13 外袋の耐紫外線加工で、吸水樹脂の紫外線劣化を防御し、長期間吸水ゲル状態を持続できる。
本発明を図面で説明する。
図1〜8は、本発明放射能汚染水処理用具の説明図、図9は、本発明コンテナバッグの説明
図である。
図1は、本発明放射能汚染水処理用具の持手の構造と吸水前、吸水後の膨張状態を説明す
る図である。
図2〜5は、本発明放射能汚染水処理用具を吊上げる時の持手の構造を説明する図である。
図6は、本発明放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にした時の構造を説明する図である。
図7は、本発明放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にした時の吸水前の状態を説明する図
である。
図8は、図7の吸水後の膨張状態を説明する図である。
図1で、本発明放射能汚染水処理用具は、透水性袋体2の中に吸水性樹脂3が収納された構造になっている。
放射能汚染水は、透水性袋体2を通過して吸水性樹脂3に吸収される。
吸水性樹脂3は、吸水前は1から2mm程度の厚さのものが、自重の約10〜20倍の水を吸収して、厚さが30〜40mm程度まで膨張する。
吸収された汚染水は吸水性樹脂と結合してゲル化しており、吸水体から水滴がしたたり落
ちることはなく、また吸水膨張した吸水性樹脂に多少の圧力を加えても汚染水が外に染み出ることは無く、また多段に積み重ねても下段の吸水性樹脂から汚染水が染み出ることも無い。
吸水膨張後のゲル化した汚染水は袋外に漏水せず、運搬容器への収納や保管、取り出し作業で、汚染水が外に染み出ることはなく、また焼却炉へ直接投下しても、水蒸気爆発することはなく、安全に作業を行うことが出来る。
本発明放射能汚染水処理用具は、最終的には焼却炉に投入して焼却する。
ゲル化した本発明放射能汚染水処理用具を焼却炉に投入するとき、焼却炉の温度が急激に
低下しないように、本発明放射能汚染水処理用具は、小型化され、吸水前5g〜20g好ましくは10g、吸水後20〜400g好ましくは120gになるように大きさを調整されている。
また汚染水には海水が含まれており、塩化物で加熱炉の耐火煉瓦が損傷されるので、一度に多量の塩化物を発生させないために、本発明放射能汚染水処理用具は小型化されている。
焼却炉の温度低下を抑制するためには、焼却炉の焼却温度、炉の加熱容量等に鑑みて、必要に応じて、前記吸水体の中に、焼却時の蒸発潜熱と焼却温度まで昇温させるのに必要な熱量を補償するために固形燃料が添加される。固形燃料としては、石炭粉、粉末固形油、石油由来や自然由来のバイオ系の燃焼物、或いは金属の酸化反応を利用するたとえばテルミット剤等の発熱反応剤が添加される。最も好ましいのは燃焼、ガス化して消失する固形燃料が好ましい。たとえば樹脂系燃料が好適である。
なお本発明吸水体は、ゲル化した汚染水は、放射性物質の外への染み出しが無いので、必要に応じて自然乾燥あるいは強制乾燥して脱水して焼却炉に投入しても良い。水分だけ選択的に蒸発させて急速脱水させる方法として、マイクロ波又はマイクロ波と真空の組み合わせを利用した加熱が効率的である。
図1〜5は、本発明放射能汚染水処理用具を、離れた場所から離隔操作で吊上げるための持手の構造の説明図である。
図1の持手は、紐の両端をそれぞれ透水性袋体2の二つの孔に差し込んで、それぞれ孔から抜けないように端を結んで紐状持手4を形成したものである。
図2は、透水性袋体2の一つの孔に紐の両端を差込んで、孔から抜けないように両端を結んで紐状持手4を形成したものである。
(A)は紐状持手4が一つの場合、(B)は二つの場合である。
図3は対角線の位置の二つの孔に差し込む場合で、(A)は紐状持手4が一つの場合、(B)は二つの場合である。
図4は、透水性袋体2に直接孔を明けてシート状持手5を形成した場合であり、(A)、(B)は孔の形状と大きさが異なる場合の説明図である。
図5は、透水性袋体2の一つの孔に、抜けないようにリングを嵌め込んでリング状持手6を形成したものである。
図1〜6で説明した持手に引掛けて本発明放射能汚染水処理用具を吊上げて離隔操作するためのアームと引掛け機構の構造は、本発明の目的のためには、たとえば汚染水から安全距離以上の長さのアームの先に、先の曲がった鉤状の引掛け機構図15、図16を取付けた構造が好適である。
図6は本発明放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にするための構造を説明する図であり、(A)は、フェライト粉、鉄粉等の粉末状磁性感材料7を吸水樹脂3に混ぜ込んで磁気吸着性にしたものである。(B)は、磁性感材料のシート8を張りつけて磁気吸着性にしたものである。
図7は、図6の(A)の構造の吸水前の断面構造を説明する図である。図8は、図6の(A)の構造の吸水、膨張後の断面構造を説明する図である。
図9は、本発明コンテナバッグの説明図である。
コンテナバッグ11は、内袋9、外袋16の二重袋構造で、内袋9の内面には内側クッ
ション材13が、外面には、外側クッション材14が張られている。
内袋9の開口側には、開け閉め自在のチャック12がついており、内袋に収容した、吸水した放射能汚染水処理用具が突発事故で周囲環境に飛び出さないように、又吸水した放射能汚染水処理用具から水分の蒸発を抑制する構造になっている。
外袋16にも開け閉め自在のチャック12がついている。
外袋16の内面全体に、硫酸バリウム等の放射能低減膜材15がコーティングされてり、外袋16のチャック12を閉じた時には、外袋の内面全体が放射能低減膜材15で密閉された構造になり、内袋9に収容した、汚染水を吸水した放射能汚染水処理用具からの放射能を遮蔽する構造になっている。
図1の構造の放射性液体廃棄物吸収体を用いてテストを行った。
吸収体の寸法:80mm×80mm×2mm厚さ
透水性カバー:材質ポリエステルの繊維を用いた不織布
厚さ1mm2枚あわせ袋体
吸水性樹脂:白色粉末状のポリアクリル酸重合体 重量10g
紐状持手:材質ポリプロピレン 長さ200mm×直径3mm
疑似放射性物質含有水:汚泥粒子を、0.02質量%含む水を使用
疑似放射性物質含有水1000mlを前記吸水性樹脂に吸水させた。
吸水前重量:10g
吸水後重量:120g
ゲル化した吸水体を運搬しても、水の漏出は全く認められなかった。
ゲル化した吸水体に10kgの圧力を加えても、水の漏出は全く認められなかった。
730〜830℃の焼却炉に投下した時、水蒸気爆発が発生することは無く、水が飛散することは全く認められなかった。
焼却炉で焼却後、重量測定した。
焼却炉で加熱焼却後の重量:計測下限値以下(計測不可)
焼却後、透水性カバー、吸水性高分子層、手提げ紐共、燃焼ガス化されて定量下限値以下
の灰分が検出されたにすぎず、ほぼ完ぺきに消失させることが出来た。
本願発明方法は、放射性物質を含む水を吸収ゲル化させた後、汚染水を外に漏出させることなく安全に運搬でき、また高温の焼却炉に投入しても、水蒸気爆発が発生して汚染水を飛散させることもなく、ほぼ完ぺきに燃焼消失させて、安全に焼却処分できることが確認できた。
放射性物質汚染水や放射性汚染物洗浄水、放射性液体廃棄物の他に重金属汚染水、VOC汚染水、食品加工廃液汚染水、塗料や樹脂製造廃液、その他の複合汚染水の濾過処理による濃縮汚染水の処理をリアルタイムで回収、運搬、仮置き一時保管、焼却処理できる。また紐状の持手の効用により作業員が簡便な治具で放射性物質に近接することなく適距離を置いて安全に処理できるので原子力発電所の補修作業や原子力発電所の事故等で広く使用されることが期待できる。
本発明放射能汚染水処理用具の構造と、吸水前、吸水後の膨張状態を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具の持手の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具の持手の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具持手の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具の持手の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にした時の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にした時の吸水前の状態を説明する図である。 図7の吸水後の膨張状態を説明する図である。 本発明コンテナバッグの説明図である。 本発明放射能汚染水処理用具を持ち上げる時に使用する用具の構造を説明する図である。 本発明放射能汚染水処理用具を持ち上げる時に使用する用具の使用状況を説明する図である。
1 吸水体
2 透水性袋体
3 吸水樹脂
4 紐状持手
5 シート状持手
6 リング状持手
7 磁性感材料
8 磁性感材料シート
9 内袋
10 コンテナバッグ
11 チャック
12 内側クッション材
13 外側クッション材
14 放射線低減膜材
15 外袋
16 吊りベルト
17 引っ掛け棒


Claims (14)

  1. 放射能汚染水から離れた場所から離隔操作で該汚染水を吸収して回収して、移送あるいは保管に使用する放射能汚染水処理用具であって、該放射能汚染水処理用具は、透水性袋体の中に吸水性樹脂を収納してなる構造で、該吸水性樹脂で該汚染水を吸収して、該汚染水をゲル化した状態で回収、移送、あるいは保管することを特徴とする放射能汚染水の処理具。
  2. 放射能汚染水から離れた場所から離隔操作で該汚染水の回収、移送、および焼却炉に投入して焼却処理する放射能汚染水処理用具であって、該放射能汚染水処理用具は、透水性袋体の中に吸水性樹脂を収納してなる構造であって、該吸水性樹脂で該汚染水を吸収して、該汚染水をゲル化した状態で回収、移送および焼却炉に投入することを特徴とする放射能汚染水の処理具。
  3. 前記離隔操作の機構が、アームの先端部に取付けた引掛け具を、前記透水性袋体に形成した持手に差込んで、引掛けて吊上げ、および差込んだ引掛け具を前記持手から外して前記アームから取り外す機構であって、該引掛け具の差込み、取外しとアームの操作を放射能汚染水から離れた場所から行う機構であることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに1項に記載の放射能汚染水の処理具。
  4. 前記離隔操作の機構が、前記放射能汚染水処理用具を磁気吸着性にして、アームの先端部に取付けた電磁石のスイッチをONにして、電磁力で前記放射能汚染水処理用具を吸引して吊上げ、および電磁石のスイッチをOFFにして吸引した前記放射能汚染水処理用具を前記アームから取り外す機構であって、前記放射能汚染水処理用具の吸着、取外しとアームの操作を放射能汚染水から離れた場所から行う機構であることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに1項に記載の放射能汚染水の処理具。
  5. 前記放射能汚染水処理用具の中に、少なくとも焼却時の蒸発潜熱と焼却炉の設定温度までの昇温に必要な熱量を補償する熱量を有する固形燃料を加えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射能汚染水の処理具。
  6. 前記固形燃料が、燃焼消失性固形燃料であることを特徴とする請求項5に記載の放射能汚染水の処理具。
  7. 放射能汚染水処理用具に放射能汚染水を吸収させて回収し、該汚染水を回収した放射能汚染水処理用具を搬送あるいはコンテナバッグに保管する工程を備えてなる放射能汚染水の処理方法において、該放射能汚染水処理用具を透水性袋体の中に吸水性樹脂を収納した構造にして、該放射能汚染水は該吸水樹脂に吸収させ、ゲル化させた状態で搬送あるいは保管することを特徴とする放射能汚染水の処理方法。
  8. 放射能汚染水処理用具に放射能汚染水を吸収させて回収し、該汚染水を吸収した放射能
    汚染水処理用具を焼却炉に搬送して焼却炉に投入する工程を備えてなる放射能汚染水の処理方法において、該放射能汚染水処理用具を透水性袋体の中に吸水性樹脂を収納した構造にして、該放射能汚染水は該吸水樹脂に吸収させ、ゲル化させた状態で焼却炉に投入することを特徴とする放射能汚染水の処理方法。
  9. 前記放射能汚染水を放射能汚染水処理用具に吸収させて回収する工程、汚染水を吸収した放射能汚染水処理用具を搬送、保管する工程を遠隔操作で行うことを特徴とする請求項7に記載の放射能汚染水の処理方法。
  10. 放射能汚染水処理用具に放射能汚染水を吸収させて回収する工程、該汚染水を吸収した放射能汚染水処理用具を焼却炉に搬送して焼却炉に投入する工程を遠隔操作で行うことを特徴とする請求項8に記載の放射能汚染水の処理方法。
  11. 前記コンテナバッグは、柔軟性のある外袋の中に内袋が収納され、該内袋の開口部に封止機構を有してなると共に、該外袋の外側に搬送用吊りベルトを取付けた構造からなることを特徴とする請求項7に記載の放射能汚染水の処理方法。
  12. 前記内袋の内外両面にクッション材をはさんでなることを特徴とする請求項11に記載の放射能汚染水の処理方法。
  13. 前記コンテナバッグの外袋あるいは内袋の内外面のいずれかに、放射能遮蔽材の層を設けてなることを特徴とする請求項11あるいは12のいずれか1項に記載の放射能汚染水の処理方法。
  14. 前記コンテナバッグの外袋を耐紫外線加工された柔軟剤で形成してなることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の放射能汚染水の処理方法。

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