JP2015114270A - 騒音評価装置及び騒音評価方法 - Google Patents

騒音評価装置及び騒音評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の騒音評価装置は、騒音測定対象物が発する騒音の評価に必要な精度の高い情報を容易に取得することができる。
【解決手段】騒音測定対象物500の外表面501の一部を覆って外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間Amを形成する防音箱1と、測定空間Am内の内部騒音レベルLiを測定する内部騒音測定部3と、外表面501の表面振動値vを測定する振動測定部4と、所定の測定位置Xにおける外部騒音レベルLoを測定する外部騒音測定部5と、を備え、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を算出する第一騒音評価値算出部17と、外表面501から内部騒音測定部3に直接伝搬される騒音レベルを理論騒音レベルLtとして算出する理論騒音レベル算出部19と、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率を算出する第二騒音評価値算出部20と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音評価装置及び騒音評価方法に関する。
コンプレッサや蒸気タービン等のプラント機器は、そのプラント機器から発せられる機械の音が周囲に対して騒音となってしまう場合がある。そこで、プラント機器の周囲において、プラント機器から発せられている騒音レベルを適切に測定して把握する必要がある。
ところが、プラント機器の周囲で測定される騒音レベルは、周囲環境からの騒音やプラント機器以外の機械部品から発せられる騒音の影響を受けるため、これが測定誤差の原因となることがある。そのため、プラント機器自体が発している騒音を正確に測定する測定方法や測定装置が必要となってくる。このような騒音の測定方法としては、特定の方向からの音を測定する音響インテンシティ法や音響カメラ法等が挙げられる。
また、騒音の測定装置として、例えば、特許文献1では、集音器としてパラボラアンテナが取り付けられた評価点用マイクと、複数の参照信号用マイクとを用いる測定装置が開示されている。この測定装置では、パラボラアンテナが取り付けられた評価点用マイクによって対象としている特定の方向から騒音を効率的に捉えることができる。さらに、この測定装置は、目的とする音源からの騒音以外の騒音の発生場所である暗騒音源がある程度既知の場合に、暗騒音源に参照用マイクを設置してその場所の騒音を測定することで、特定の方向以外の暗騒音源の騒音を除去することができ、対象とする特定の方向からの騒音を測定することができる。
特開2000−346757号公報
ところが、上述したような測定装置では、騒音測定対象物であるプラント機器以外から発せられた騒音のうち、プラント機器で反射した騒音もプラント機器が発した騒音として測定されてしまう。そのため、このような測定装置で測定された結果は、プラント機器単体から発せられた騒音を測定した結果としては精度が十分とは言えない。また、このような測定装置では、測定した騒音を抑えるためにどのような騒音対策を施すことが有効か分からず、効果的な騒音対策を施すことが難しい。即ち、騒音測定対象物に有効な騒音対策等を施すための評価に必要な高い精度の騒音に関する情報を取得することが難しいという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、騒音測定対象物が発する騒音の評価に必要な精度の高い騒音に関する情報を容易に取得することが可能な騒音評価装置及び騒音評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様における騒音評価装置は、騒音の測定対象となる騒音測定対象物に取り付けられ、前記騒音測定対象物の外表面の一部を覆って外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間を形成する防音箱と、前記防音箱に取り付けられ、前記測定空間内の騒音の騒音レベルを内部騒音レベルとして測定する内部騒音測定部と、前記防音箱に取り付けられ、前記外表面の振動の特性を表面振動値として前記測定空間内で測定する振動測定部と、前記防音箱の外部の所定の測定位置における騒音の騒音レベルを外部騒音レベルとして測定する外部騒音測定部と、前記内部騒音レベル、前記表面振動値及び前記外部騒音レベルに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う騒音評価制御部と、を備え、前記騒音評価制御部は、前記外部騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第一騒音評価値として算出して出力する第一騒音評価値算出部と、前記表面振動値に基づいて、前記外表面から直接伝搬される騒音の騒音レベルを理論騒音レベルとして算出する理論騒音レベル算出部と、前記理論騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第二騒音評価値として算出して出力する第二騒音評価値算出部と、を有する。
このような構成の騒音評価装置によれば、防音箱によって騒音測定対象物の外部の周囲環境からの騒音を排除することができる。そのため、騒音測定対象物から発せられた騒音を内部騒音測定部によって高い精度で測定することができる。
また、外部騒音レベルを測定することで、騒音測定対象物から発せられた騒音に周囲環境からの騒音を含めて測定することができる。そして、第一騒音評価値算出部によって、測定位置において測定される騒音が騒音測定対象物から発せられる騒音による影響をどの程度受けているのかを示す精度の高い情報を取得することができる。
さらに、表面振動値を測定することで、内部騒音測定部で測定した騒音に対応した外表面の振動を測定することができる。そして、第二騒音評価値算出部によって、理論騒音レベルと、内部騒音レベルとの比率を第二騒音評価値として算出することで、外表面の振動から理論上生じる騒音レベルと実際に測定された騒音レベルとを比較することができる。そのため、騒音測定対象物から発せられて実際に測定された騒音の騒音レベルが、理論上の騒音レベルに近いか否かの情報を取得することができる。したがって、騒音測定対象物の外表面の振動の騒音への変換されやすさ示す精度の高い情報を取得することができる。
また、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記防音箱の内部に設けられ、所定の吸音率を有する吸音部材を備え、前記騒音評価制御部が、前記防音箱の形状と前記吸音部材の吸音率とに基づいて、前記測定空間で少なくとも一度は反射した騒音の騒音レベルを拡散音騒音レベルとして算出する拡散音算出部と、前記拡散音騒音レベルと前記内部騒音レベルとの差分を放射音騒音レベルとして算出する放射音算出部と、を有し、前記第一騒音評価値算出部は、前記内部騒音レベルとして前記放射音騒音レベルを用いて、前記第一騒音評価値を算出してもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、吸音部材によって、騒音測定対象物から発せられた放射音が測定空間内で反射することを抑え、内部騒音測定部で測定される拡散音の騒音レベルを低減することができる。そして、内部騒音レベルと拡散音騒音レベルとの差分を算出することで、内部騒音測定部で測定された内部騒音レベルから吸音部材によって除去しきれなかった拡散音による騒音レベルの成分を取り除くことができる。したがって、騒音測定対象物から直接発せられた騒音の騒音レベルを高い精度で取得することができる。これにより、騒音測定対象物が発する騒音の評価に必要な情報をより精度の高い情報として取得することができる。
さらに、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記防音箱が、前記外表面に対して弾性部材を介して接して取り付けられていてもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、防音箱と外表面との間に隙間を設けることなく密着して取り付けることができる。これにより、防音箱と外表面によって形成される測定空間を周囲環境から隔離した空間とすることが容易にできる。これにより、周囲環境からの騒音の影響を十分に抑えて、測定空間内の騒音の測定を高い精度で実施することができる。
また、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記振動測定部が、前記防音箱からの振動の伝搬を抑制する防振部を介して、前記防音箱に取り付けられていてもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、振動測定部に防音箱の振動が伝搬してしまうことを抑えることができる。振動測定部が騒音測定対象物の外表面の振動を測定する場合、防音箱に取り付けられることで振動測定部には騒音測定対象物の振動が伝搬されてしまう。ところが、防振部によって振動測定部が支持されていることで、防音箱から伝搬される振動を吸収して、振動測定部自体が振動してしまうことを抑えることができる。これにより、騒音測定対象物の外表面の振動を振動測定部によって高い精度で測定することが容易にできる。
さらに、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記騒音評価制御部が、前記第一騒音評価値が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定する第一騒音判定部を有していてもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、測定位置において測定される騒音が騒音測定対象物から発せられる騒音による影響を大きく受けているか否かを判定することができる。したがって、測定位置における騒音レベルが騒音測定対象物から発せられる騒音によって大きくなっていることを判定することができる。つまり、測定位置が騒音測定対象物から発せられる騒音によって保証すべき基準を超えた騒音レベルとなっていることを容易に判定することができる。これにより、測定位置の騒音レベルが低減するように騒音対策を行うことだけで、無駄な騒音対策を行うことなく騒音測定対象物に対して効果的な騒音対策を施すことができる。
また、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記騒音評価制御部が、前記第二騒音評価値が予め定めた第二基準比率を超えているか否かを判定する第二騒音判定部を有していてもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、騒音測定対象物の外表面の振動が騒音に変換されやすい状態であるか否かを判定することができる。したがって、騒音測定対象物に対して騒音対策が必要か否かを容易に判断することができる。
さらに、本発明の他の態様における騒音評価装置は、前記騒音評価制御部が、前記外部騒音測定部によって複数の前記測定位置で測定された外部騒音レベルに基づいて前記第一騒音評価値算出部によって算出された複数の前記第一騒音評価値と、複数の前記測定位置の位置情報とを対応づけて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された複数の前記第一騒音評価値に基づいて、対応する複数の前記測定位置の位置情報に順位付けを行う順位付与部と、を有していてもよい。
このような構成の騒音評価装置によれば、記憶部で記憶された第一騒音評価値に基づいて、順位付与部で複数の測定位置の位置情報に順位づけをすることで、騒音測定対象物から発せられる騒音による影響を受けている順に測定位置の位置情報を順位付けすることができる。即ち、騒音測定対象物から発せられる騒音の寄与率が大きく影響を受けている測定位置を容易に判別することができる。したがって、騒音対策が必要な順に測定位置に優先順位をつけることができ、複数の測定位置の中でより騒音対策が必要な場所から騒音対策を行うことができる。
また、本発明の第二の態様における騒音評価方法は騒音の測定対象となる騒音測定対象物に防音箱を取り付け、前記騒音測定対象物の外表面の一部を覆って外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間を形成する測定空間形成工程と、前記測定空間内の騒音の騒音レベルを内部騒音レベルとして測定する内部騒音測定工程と、前記外表面の振動の特性を表面振動値として前記測定空間内で測定する振動測定工程と、前記測定空間の外部の所定の測定位置における騒音の騒音レベルを外部騒音レベルとして測定する外部騒音測定工程と、前記内部騒音レベル、前記表面振動値及び前記外部騒音レベルに基づいて、騒音評価に関する処理を行う騒音評価処理工程と、を備え、前記騒音評価処理工程は、前記外部騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第一騒音評価値として算出して出力する第一騒音評価値算出工程と、前記表面振動値に基づいて、前記外表面から直接伝搬される騒音の騒音レベルを理論騒音レベルとして算出する理論騒音レベル算出工程と、前記理論騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第二騒音評価値として算出して出力する第二騒音評価値算出工程と、を有する。
さらに、本発明の他の態様における騒音評価方法は、前記防音箱の内部に所定の吸音率を有する吸音部材を設ける吸音部材取り付け工程を備え、前記騒音評価処理工程が、前記防音箱の形状と前記吸音部材の吸音率とに基づいて、前記測定空間で少なくとも一度は反射した騒音の騒音レベルを拡散音騒音レベルとして算出する拡散音算出工程と、前記拡散音騒音レベルと前記内部騒音レベルとの差分を放射音騒音レベルとして算出する放射音算出工程と、を有し、前記第一騒音評価値算出工程は、前記内部騒音レベルとして前記放射音騒音レベルを用いて、前記第一騒音評価値を算出してもよい。
また、本発明の他の態様における騒音評価方法は、前記騒音評価処理工程が、前記第一騒音評価値が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定する第一騒音判定工程を有していてもよい。
さらに、本発明の他の態様における騒音評価方法は、前記騒音評価処理工程が、前記第二騒音評価値が予め定めた第二基準比率を超えているか否かを判定する第二騒音判定工程を有していてもよい。
また、本発明の他の態様における騒音評価方法は、前記騒音評価処理工程が、前記外部騒音測定工程によって複数の前記測定位置で測定された複数の外部騒音レベルに基づいて前記第一騒音評価値算出工程によって算出された複数の前記第一騒音評価値と、複数の前記測定位置の位置情報とを対応づけて記憶する記憶工程と、前記記憶工程に記憶された複数の前記第一騒音評価値に基づいて、対応する複数の前記測定位置の位置情報に順位付けを行う順位付与工程と、を有していてもよい。
本発明の騒音評価装置によれば、第一騒音評価値と第二騒音評価値とを算出することで、騒音測定対象物が発する騒音の評価に必要な精度の高い騒音に関する情報を容易に取得する。
本発明の第一実施形態における騒音評価装置を示す模式図である。 本発明の第一実施形態における騒音評価装置の動作フローの一例を示す工程図である。 本発明の第一実施形態における騒音評価装置の動作フローの一例を示す工程図である。 本発明の第一実施形態における騒音評価装置の動作フローの一例を示す工程図である。 本発明の第二実施形態における騒音評価装置を示す模式図である。 本発明の第二実施形態における騒音評価装置の動作フローの一例を示す工程図である。
《第一実施形態》
以下、本発明における第一実施形態について図1から図4を参照して説明する。
図1に示すように、第一実施形態の騒音評価装置100は、騒音の測定対象となる騒音測定対象物500から発せられる騒音を測定し、対策が必要なものか否かを評価するための評価値を求めることで騒音の評価を可能とする装置である。ここでいう騒音とは、騒音測定対象物500から発せられる音のうち、所定の基準を超える生活環境等を阻害する音をいう。騒音評価装置100の騒音測定対象物500は、本実施形態では、例えば、ガスタービンや遠心圧縮機である。
第一実施形態の騒音評価装置100は、騒音測定対象物500の外表面501に取り付けられる防音箱1と、防音箱1の内部に設けられる吸音部材2と、を備える。騒音評価装置100は、防音箱1の内部の空間の騒音の騒音レベルを測定する内部騒音測定部3と、防音箱1内で外表面501の振動を測定する振動測定部4と、防音箱1の外部の空間における所定の測定位置Xの騒音の騒音レベルを測定する外部騒音測定部5とを備える。騒音評価装置100は、内部騒音測定部3、振動測定部4、及び外部騒音測定部5部のそれぞれの測定結果に基づいて騒音評価に関する制御処理を行う騒音評価制御部101を備える。
防音箱1は、騒音測定対象物500の外表面501に弾性部材1aを介して接して取り付けられる。防音箱1は、外表面501の一部を覆うことで、周囲環境である外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間Amを形成する。防音箱1は、外部からの騒音の伝搬をほとんど遮蔽する遮音性を有する材料で形成されている。本実施形態の防音箱1は、騒音評価装置100を使用するオペレータによって予め定められた形状として、一つの面が開放された矩形箱状を有している。この防音箱1は、騒音測定対象物500の外表面501の形状に対応するように開口部分が形成されている。即ち、防音箱1は、外表面501との間に弾性部材1aを介して密着するように取り付けられることで、開放されている面側が閉塞されて測定空間Amを形成する。
弾性部材1aは、防音箱1の開口部分の外周と外表面501との間に配置される。即ち、本実施形態の弾性部材1aは、防音箱1を騒音測定対象物500の外表面501に対して隙間なく密着させる。弾性部材1aは、例えば、ゴム材や樹脂材料が用いられる。本実施形態の弾性部材1aは、パッキン類のようなシール構造を有しており、防音箱1の開口部分の外周と外表面501との間で変形することで、防音箱1と外表面501とを隙間なく密着させる。
吸音部材2は、防音箱1の内部に設けられ、測定空間Amの騒音の反射を低減する。吸音部材2は、オペレータに予め知られている所定の吸音率αを有する材料である。本実施形態の吸音部材2は、測定空間Amの騒音を吸収または透過させて減衰させるシート状の材料である。吸音部材2は、防音箱1の測定空間Amを形成する内壁面に隙間なく張り合わされて取り付けられている。吸音部材2としては、例えば、グラスウールや軟質ポリウレタンフォーム等が挙げられる。
内部騒音測定部3は、防音箱1に取り付けられ、測定空間Am内の騒音の大きさである騒音レベルを内部騒音レベルLiとして測定する。内部騒音測定部3は、測定した内部騒音レベルLiの情報を騒音評価制御部101に出力する。ここでいう騒音レベルとは、音の大きさである音圧レベルの中でも、人間が聴いた場合に近づけて周波数補正を行ったものであって、騒音の大きさを表す値である。本実施形態の内部騒音測定部3は、集音用のマイクロフォンを有する騒音計である。内部騒音測定部3は、マイクロフォンが測定空間Am内に配置されるように、本体が防音箱1の開口部分と対向する側の壁面の一部を貫通して、防音箱1に一体に取り付けられている。
振動測定部4は、防音箱1に取り付けられ、外表面501の振動の特性を表面振動値vとして測定空間Am内で測定する。振動測定部4は、外表面501の振動の特性として振動の加速度や、速度や、変位を測定する。振動測定部4は、測定した表面振動値vの情報を騒音評価制御部101に出力する。本実施形態の振動測定部4は、外表面501の振動速度を測定する非接触式の振動計である。振動測定部4は、防音箱1の開口部分で開放されている外表面501の振動を測定可能なように、本体が防音箱1の開口部分と対向する側の壁面の一部を貫通して一体に取り付けられている。
外部騒音測定部5は、防音箱1の外部の所定の測定位置Xにおける騒音の大きさである騒音レベルを外部騒音レベルLoとして測定する。具体的には、外部騒音測定部5は、防音箱1の外部の周囲環境においてオペレータによって予め定められた位置である防音箱1が設置されている場所から離れた測定位置Xに設置される。即ち、外部騒音測定部5が測定する外部騒音レベルLoは、騒音測定対象物500から発せられる騒音だけでなく、騒音測定対象物500の周囲環境における騒音も含んだ騒音の大きさである。外部騒音測定部5は、測定した外部騒音レベルLoの情報を騒音評価制御部101に出力する。
本実施形態の外部騒音測定部5は、内部騒音測定部3と同じ型の騒音計である。本実施形態における所定の測定位置Xは、騒音測定対象物500から発せられる騒音の騒音レベルが予め定められた基準に収まっていることを保証すべき位置である騒音保証点である。
騒音評価制御部101は、入力された内部騒音レベルLi、表面振動値v及び外部騒音レベルLoに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う。具体的には、本実施形態の騒音評価制御部101は、内部騒音レベルLi、表面振動値v及び外部騒音レベルLoに基づいて、騒音評価に必要な評価値を算出し、算出した評価値を判定することで騒音測定対象物500からの騒音を評価する。第一実施形態の騒音評価制御部101は、オペレータによって手動で操作されて情報が入力される手動入力部11と、内部騒音測定部3から内部騒音レベルLiの情報が入力される内部騒音レベル入力部12と、振動測定部4から表面振動値vの情報が入力される表面振動値入力部13と、外部騒音測定部5から外部騒音レベルLoの情報が入力される外部騒音レベル入力部14とを有する。騒音評価制御部101は、手動入力部11で入力された情報に基づいて測定空間Am内で少なくとも一度は反射した音の騒音レベルを算出する拡散音算出部15と、拡散音算出部15で算出した騒音レベルと内部騒音レベルLiとの差分を算出する放射音算出部16とを有する。騒音評価制御部101は、外部騒音レベルLoに対する内部騒音レベルLiの比率を算出する第一騒音評価値算出部17と、第一騒音評価値算出部17の算出結果が予め定めた基準値を超えているか否かを判定する第一騒音判定部18とを有する。騒音評価制御部101は、表面振動値入力部13に入力された表面振動値vの情報に基づいて、外表面501から伝搬される騒音の騒音レベルを算出する理論騒音レベル算出部19を有する。騒音評価制御部101は、理論騒音レベル算出部19で算出した騒音レベルに対する内部騒音レベルLiの比率を算出する第二騒音評価値算出部20と、第二騒音評価値算出部20の算出結果が予め定めた基準値を超えているか否かを判定する第二騒音判定部21と、第一騒音判定部18の判定結果及び第二騒音判定部21の判定結果を出力する出力部22とを有する。
手動入力部11は、オペレータによって、防音箱1の形状や吸音部材2の吸音率α等の情報が入力される。具体的には、本実施形態の手動入力部11に入力される防音箱1の形状の情報とは、予め定められた防音箱1の形状からオペレータが計算した測定空間Amに面する防音箱1の内壁面の表面積Sの情報である。また、本実施形態の手動入力部11に入力される吸音率αの情報は、吸音部材2の材質によって予め決定されている吸音の程度を示す指数の情報である。手動入力部11は、入力されたこれらの情報を拡散音算出部15に送る。
内部騒音レベル入力部12には、内部騒音測定部3によって測定空間Am内で測定された内部騒音レベルLiの情報が入力される。内部騒音レベル入力部12は、入力された内部騒音レベルLiの情報を放射音算出部16に送る。
外部騒音レベル入力部14には、外部騒音測定部5によって測定位置Xで測定された外部騒音レベルLoの情報が入力される。外部騒音レベル入力部14は、入力された外部騒音レベルLoの情報を第一騒音評価値算出部17に送る。
拡散音算出部15は、手動入力部11で入力された情報に基づいて測定空間Amで少なくとも一度は反射した騒音である拡散音の騒音レベルを拡散音騒音レベルLdとして算出する。本実施形態でいう拡散音とは、騒音測定対象物500から測定空間Amに発せられた騒音が測定空間Amに面する防音箱1の内壁面等で一回以上反射した音である。拡散音算出部15は、算出した拡散音騒音レベルLdを放射音算出部16に送る。本実施形態の拡散音算出部15では、以下(1)式に基づいて、手動入力部11で入力された防音箱1の表面積Sと吸音部材2の吸音率αとの情報から拡散音騒音レベルLdが理論的に算出される。即ち、拡散音算出部15は、実際に内部騒音測定部3によって測定した測定空間Am内の内部騒音レベルLiではなく、防音箱1の表面積Sと吸音部材2の吸音率αとに基づいて推定される仮想の拡散音の騒音レベルを算出する。
Ld=6−10logαS…(式1)
放射音算出部16は、拡散音算出部15で算出した拡散音騒音レベルLdと内部騒音レベル入力部12に入力された内部騒音レベルLiとの差分を、放射音の騒音レベルである放射音騒音レベルLrとして算出する。本実施形態でいう放射音とは、騒音測定対象物500の外表面501から内部騒音測定部3に直接伝搬される騒音である。即ち、放射音とは、内部騒音測定部3によって測定された測定空間Am内の騒音のうち、拡散音を除いた騒音である。放射音算出部16は、算出した放射音騒音レベルLrを第一騒音評価値算出部17に送る。本実施形態の放射音算出部16では、以下(2)式に基づいて、放射音騒音レベルLrが内部騒音レベルLiと拡散音騒音レベルLdとの差分として算出される。
Lr=Li−Ld…(式2)
第一騒音評価値算出部17は、外部騒音レベルLoに対する内部騒音レベルLiの比率を第一騒音評価値E1として算出する。即ち、第一騒音評価値算出部17は、測定位置Xの外部騒音レベルLoに対して放射音騒音レベルLrが与えている寄与度を算出する。したがって、第一騒音評価値E1が大きいということは、測定位置Xでの騒音レベルは騒音測定対象物500からの騒音によって大きくなっており、騒音測定対象物500からの騒音の影響が大きいことを示している。逆に、第一騒音評価値E1が小さいということは、測定位置Xでの騒音レベルは周囲環境からの騒音によって大きくなっており、騒音測定対象物500からの騒音の影響が小さいことを示している。第一騒音評価値算出部17は、算出した第一騒音評価値E1の情報を第一騒音判定部18に送る。
本実施形態の第一騒音評価値算出部17は、測定空間Amの騒音の大きさである内部騒音レベルLiの中でも、拡散音を除いた放射音の大きさである放射音騒音レベルLrを用いる。つまり、第一騒音評価値算出部17は、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する。具体的には、第一騒音評価値算出部17では、以下(3)式に基づいて、第一騒音評価値E1が算出される。
E1=Lr/Lo…(式3)
第一騒音判定部18は、第一騒音評価値算出部17の算出結果である第一騒音評価値E1が、予め定めた基準値である第一基準比率を超えているか否かを判定する。第一騒音判定部18は、判定結果の情報を出力部22に送る。
第一基準比率は、オペレータによって予め定められた値であり、測定位置Xにおける放射音騒音レベルLrの寄与度としての上限値である。即ち、本実施形態の第一騒音判定部18では、測定位置Xでの騒音レベルに対して騒音測定対象物500からの騒音が与える影響が予め定めた値よりも大きいか否かを判定する。具体的には、第一騒音評価値E1が第一基準比率を超えている場合、第一騒音判定部18は、測定した騒音測定対象物500の外表面501から発せられている騒音は、測定位置Xにおいて大きな影響を与えていると判定する。逆に、第一騒音評価値E1が第一基準比率を超えていない場合、第一騒音判定部18は、測定した騒音測定対象物500の外表面501から発せられている騒音は、測定位置Xにおいて大きな影響を与えていないと判定する。
理論騒音レベル算出部19は、表面振動値入力部13に入力された表面振動値vの情報に基づいて、外表面501から内部騒音測定部3に直接伝搬される騒音の騒音レベルを算出する。即ち、理論騒音レベル算出部19は、外表面501の振動が最も効率的に騒音に変換された場合の、理論上の騒音である理論騒音の大きさである理論騒音レベルLtを算出する。理論騒音レベル算出部19は、算出した理論騒音レベルLtの情報を第二騒音評価値算出部20に送る。
具体的には、本実施形態の理論騒音レベル算出部19は、外表面501の振動速度である表面振動値vから理論騒音の強さである理論音響パワーPtを、以下(4)式に基づいて算出する。
Pt=Nρcv…(式4)
ここで、上述した理論音響パワーPtの単位は[W]であり、これを騒音レベルの単位[dB]に換算することで、理論騒音レベルLtを求めることができる。
なお、ここで用いられるρcは、空気の特性インピーダンスであり、およそ400[Pa/s・m]である。
また、Nは、振動から音への変化のしやすさを示す指標である音響放射効率である。例えば、騒音測定対象物500が平板の場合、コインシデンス周波数以上であれば、音響放射効率は1に近づき、理論上振動はほぼ全て音に変換される。一方、コインシデンス周波数以下であれば、音響放射効率は1を下回る。音響放射効率が小さくなればなるほど、振動はほとんど音に変換されない。したがって、例えば、上述した理論音響パワーPtを求める場合は、理論上振動がほぼ全て騒音に変換された場合の騒音レベルであるため、この場合の音響放射効率は1となる。
さらに、コインシデンス周波数とは、騒音測定対象物500が平板の場合、騒音測定対象物500の寸法、材料によって決定される値である。本実施形態のコインシデンス周波数は、例えば、騒音測定対象物500の外表面501を構成する部材の板厚や、外表面501を構成する材料のヤング率や密度によって決定される。
第二騒音評価値算出部20は、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率に基づいて、音響放射効率の比率を第二騒音評価値E2として算出する第二騒音評価値算出部20は、算出した第二騒音評価値E2を第二騒音判定部21に送る。
本実施形態の第二騒音評価値算出部20は、測定空間Amの騒音の大きさである内部騒音レベルLiの中でも、拡散音を除いた放射音の大きさである放射音騒音レベルLrを用いる。つまり、第二騒音評価値算出部20は、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率を算出することで得られる音響放射効率の比率を第二騒音評価値E2として算出する。第二騒音評価値算出部20では、理論騒音レベルLtの音響放射効率が1であるために、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率を算出することで放射音騒音レベルLrの音響放射効率が算出される。具体的には、第二騒音評価値算出部20では、以下(5)式に基づいて、第二騒音評価値E2が算出される。
E2=Lr/Lo…(式5)
第二騒音判定部21は、第二騒音評価値算出部20の算出結果である第二騒音評価値E2が、予め定めた基準値である第二基準比率を超えているか否かを判定する。第二騒音判定部21は、判定結果を出力部22に送る。
第二基準比率は、オペレータによって予め定められた値であり、防音箱1が取り付けられた騒音測定対象物500の外表面501における音響放射効率としての上限値である。即ち、本実施形態の第二騒音判定部21では、振動を測定した外表面501の音響放射効率が第二基準比率を超えているか否かを判定することで、測定している外表面501の振動が騒音に変換されやすいか否かを判定する。具体的には、第二騒音評価値E2が第二基準比率を超えている場合、第二騒音判定部21は、音響放射効率が1に対して第二基準比率を上回って近いため、測定した騒音測定対象物500の外表面501の振動が騒音として変換されている変換率が高いと判定する。逆に、第二騒音評価値E2が第二基準比率を超えていない場合、第二騒音判定部21は、音響放射効率が1に対して第二基準比率を下回って離れているため、測定した騒音測定対象物500の外表面501の振動が騒音として変換されている変換率が低いと判定する。
出力部22は、第一騒音判定部18及び第二騒音判定部21のそれぞれの判定結果をオペレータに対して出力する。本実施形態の出力部22は、第一騒音判定部18の判定結果と第二騒音判定部21の判定結果とを別々に表示させて出力する表示ディスプレイを有している。
次に、以上で説明した騒音評価装置100を用いた騒音評価方法について図2から図4に示す工程図に沿って説明する。
図2から図4は、騒音評価方法における騒音評価装置100を用いた動作フローの一例を占めす。なお、この動作フローの説明においては、図1を共に参照する。
図2に示すように、オペレータは、騒音測定対象物500に防音箱1を取り付ける前に、取り付ける防音箱1の形状に関する情報やこの防音箱1の内部に設けられる吸音部材2の情報を手動入力部11に入力する(手動入力工程S101)。具体的には、オペレータは、取り付ける防音箱1の形状から、防音箱1の内壁面の表面積Sを予め計算しておき、手動入力部11に防音箱1の形状に関する情報として入力する。また、オペレータは、防音箱1の内部に設ける吸音部材2の材料によって予め決まっている吸音率αを手動入力部11に吸音部材2の情報として入力する。オペレータによって防音箱1の表面積Sや吸音部材2の吸音率αの情報が入力された手動入力部11は、これらの情報を拡散音算出部15に送る。
これらの情報を受け取ると騒音評価制御部101は、表面振動値vに基づいて騒音評価に関する制御処理を行う(騒音評価処理工程S10)。具体的には、拡散音算出部15は、測定空間Amで少なくとも一度は反射した騒音である拡散音の騒音レベルを拡散音騒音レベルLdとして算出する(拡散音算出工程S102)。本実施形態の拡散音算出部15は、防音箱1の表面積Sと吸音部材2の吸音率αの情報から拡散音騒音レベルLdを算出する。拡散音算出部15は、算出した拡散音騒音レベルLdを放射音算出部16に送る。
オペレータによって手動入力部11への入力が終了すると、図3に示すように、オペレータは、防音箱1を騒音測定対象物500の外表面501の一部を覆うように取り付け、防音箱1の内壁面と外表面501とによって囲われて外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間Amを形成する(測定空間形成工程S201S201)。具体的には、本実施形態では、オペレータは、内壁面に吸音部材2が貼り付けれ、内部騒音測定部3である騒音計と、振動測定部4である振動速度計とが設けられた防音箱1を、騒音を測定したい騒音測定対象物500の外表面501に固定する。防音箱1を固定する場合に、防音箱1の開口部分と外表面501との間に弾性部材1aが挟み込まれて配置される。そして、弾性部材1aを変形させながら、防音箱1の開口部分及び外表面501の両方に弾性部材1aが密着した状態で防音箱1は固定される。
防音箱1を外表面501に固定後に、内部騒音測定部3によって測定空間Am内の騒音の騒音レベルが内部騒音レベルLiとして測定される(内部騒音測定工程S202)。内部騒音測定部3は、測定した内部騒音レベルLiを情報として騒音評価制御部101の内部騒音レベル入力部12に出力する。
内部騒音レベルLiの情報が入力されると、騒音評価制御部101は、内部騒音レベルLiに基づいて騒音評価に関する制御処理を行う(騒音評価処理工程S10)。具体的には、内部騒音レベル入力部12は放射音算出部16にこの内部騒音レベルLiの情報を送る。
拡散音騒音レベルLd及び内部騒音レベルLiの情報が入力されると、騒音評価に関する処理として、放射音算出部16は、拡散音算出部15で算出した拡散音騒音レベルLdと内部騒音レベル入力部12に入力された内部騒音レベルLiとの差分を、放射音の騒音レベルである放射音騒音レベルLrとして算出する(放射音算出工程S203)。放射音算出部16は、算出した放射音騒音レベルLrの情報を第一騒音評価値算出部17と第二騒音評価値算出部20にそれぞれ送る。
防音箱1を外表面501に固定後に、騒音計である外部騒音測定部5によって防音箱1の外部の所定の測定位置Xにおける騒音の大きさである騒音レベルを外部騒音レベルLoとして測定する(外部騒音測定工程S302)。外部騒音測定部5は、測定した外部騒音レベルLoを情報として騒音評価制御部101の外部騒音レベル入力部14に出力する。
外部騒音レベルLoが入力されると、騒音評価制御部101は、外部騒音レベルLoに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う(騒音評価処理工程S10)。具体的には、外部騒音レベル入力部14は第一騒音評価値算出部17にこの外部騒音レベルLoの情報を送る。
外部騒音レベルLoと内部騒音レベルLiから算出された放射音騒音レベルLrとを受け取ると、騒音評価に関する処理として、第一騒音評価値算出部17は、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する(第一騒音評価値算出工程S304)。本実施形態の第一騒音評価値算出部17は、内部騒音レベルLiのうち、内部騒音レベルLiから算出した放射音騒音レベルLrを用いる。即ち、第一騒音評価値算出部17は、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する。第一騒音評価値算出部17は、算出した第一騒音評価値E1の情報を第一騒音判定部18に送る。
なお、第一騒音評価値E1を算出する場合に、放射音騒音レベルLrを用いずに内部騒音レベルLiをそのまま用いるときは、内部騒音レベル入力部12から第一騒音評価値算出部17に内部騒音レベルLiの情報が直接入力される。
第一騒音評価値算出部17から第一騒音評価値E1を受け取ると、騒音評価に関する処理として、第一騒音判定部18は、第一騒音評価値E1が予め定めた基準値である第一基準比率を超えているか否かを判定する(第一騒音判定工程S305)。第一騒音判定部18は、判定結果の情報を出力部22に送る。
第一騒音判定部18から判定結果の情報を受け取ると、騒音評価に関する処理として、出力部22は、表示ディスプレイを介してオペレータに判定結果を表示して出力する(出力工程S306)。
防音箱1を外表面501に固定後に、図4に示すように、振動測定部4によって外表面501の振動の特性が表面振動値vとして測定空間Am内で測定される(振動測定工程S402)。本実施形態では、表面振動値vとして振動速度を測定する。振動測定部4は、測定した表面振動値vを情報として騒音評価制御部101の表面振動値入力部13に出力する。
表面振動値vが入力されると、騒音評価制御部101は、外部騒音レベルLoに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う(騒音評価処理工程S10)。具体的には、表面振動値入力部13は理論騒音レベル算出部19にこの表面振動値vの情報を送る。
理論騒音レベルLtが入力されると、騒音評価に関する処理として、理論騒音レベル算出部19は、表面振動値vの情報に基づいて、外表面501から内部騒音測定部3に直接伝搬される騒音の騒音レベルを算出する(理論騒音レベル算出工程S403)。本実施形態の理論騒音レベル算出部19は、外表面501の振動の振動速度である表面振動値vから理論騒音の強さである理論音響パワーPtを算出して換算し、理論騒音レベルLtを求める。理論騒音レベル算出部19は、算出した理論騒音レベルLtの情報を第二騒音評価値算出部20に送る。
理論騒音レベルLtと内部騒音レベルLiから算出された放射音騒音レベルLrとを受け取ると、騒音評価に関する処理として、第二騒音評価値算出部20は、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率を第二騒音評価値E2として算出する(第二騒音評価値算出工程S404)。本実施形態の第二騒音評価値算出部20は、内部騒音レベルLiのうち、内部騒音レベルLiから算出した放射音騒音レベルLrを用いる。即ち、第二騒音評価値算出部20は、理論騒音レベルLtに対する放射音騒音レベルLrの比率を第二騒音評価値E2として算出する。第二騒音評価値算出部20は、算出した第二騒音評価値E2の情報を第二騒音判定部21に送る。
なお、第二騒音評価値E2を算出する場合に、放射音騒音レベルLrを用いずに内部騒音レベルLiをそのまま用いるときは、内部騒音レベル入力部12から第二騒音評価値算出部20に内部騒音レベルLiの情報が直接送られる。
第二騒音評価値算出部20から第二騒音評価値E2を受け取ると、騒音評価に関する処理として、第二騒音判定部21は、第二騒音評価値E2が予め定めた基準値である第二基準比率を超えているか否かを判定する(第二騒音判定工程S405)。第二騒音判定部21は、判定結果の情報を出力部22に送る。
第二騒音判定部21から判定結果の情報を受け取ると、騒音評価に関する処理として、出力部22は、表示ディスプレイを介してオペレータに判定結果を表示して出力する(出力工程S406)。
オペレータは、出力部22に表示された第一騒音判定部18から判定結果に基づいて、測定位置Xが騒音測定対象物500から発せられる騒音の影響が大きいか否かを確認する。そして、オペレータは、第一騒音判定部18から判定結果が第一基準比率を超えているとの判定結果であった場合には、測定位置Xの外部騒音レベルLoが低下するよう騒音測定対象物500に対して騒音対策を施す。逆に、オペレータは、第一騒音判定部18から判定結果が第一基準比率を超えていないとの判定結果であった場合には、測定位置Xの外部騒音レベルLoを低下させる必要がないものとして騒音対策を施さない。
また、オペレータは、出力部22に表示された第二騒音判定部21から判定結果に基づいて、測定した騒音測定対象物500の外表面501の振動が騒音に変換されやすいか否かを確認する。そして、オペレータは、第二騒音判定部21から判定結果が第二基準比率を超えているとの判定結果であった場合には、騒音測定対象物500の配管等の設計変更しやすい部分の材料を変更したり、板厚を変更したりすることで、コインシデンス周波数を変化させて騒音対策を施す。逆に、オペレータは、第二騒音判定部21から判定結果が第二基準比率を超えていないとの判定結果であった場合には、騒音測定対象物500に対して騒音対策を施さない。
上記のような騒音評価装置100又は騒音評価方法によれば、防音箱1によって形成された測定空間Am内で内部騒音レベルLiを内部騒音測定部3により測定することで、騒音測定対象物500の周囲環境からの騒音を排除することができる。そのため、騒音測定対象物500から発せられた騒音を内部騒音測定部3によって高い精度で測定することができる。
また、防音箱1の内部に形成された測定空間Amの外部の周囲環境における測定位置Xで外部騒音レベルLoを外部騒音測定部5により測定することで、騒音測定対象物500から発せられた騒音に周囲環境からの騒音を含めて測定することができる。そして、第一騒音評価値算出部17によって外部騒音レベルLoに対する内部騒音レベルLiのうちの放射音騒音レベルLrの比率である第一騒音評価値E1を算出することで、測定位置Xにおいて測定される騒音が騒音測定対象物500から発せられる騒音による影響をどの程度受けているのかを示す精度の高い情報を取得することができる。
さらに、内部騒音測定部3と同じように測定空間Am内で外表面501の振動速度を表面振動値vとして振動測定部4により測定することで、内部騒音測定部3で測定した騒音に対応した外表面501の振動を測定することができる。そして、理論騒音レベル算出部19によって、この振動から理論上生じる騒音の大きさである理論騒音レベルLtを算出することができる。第二騒音評価値算出部20によって、理論騒音レベルLtと、内部騒音レベルLiのうちの放射音騒音レベルLrとの比率である音響放射効率を第二騒音評価値E2として算出することで、理論上外表面501の振動から生じる騒音レベルと実際に測定された騒音レベルとを比較することができる。そのため、騒音測定対象物500から発せられて実際に測定された騒音の騒音レベルである内部騒音レベルLiが、理論上の騒音レベルである理論騒音レベルLtに近いか否かの情報を取得することができる。内部騒音レベルLiが理論騒音レベルLtに近ければ近いほど、騒音測定対象物500の外表面501の振動が騒音として変換されてしまう状態であることを表している。したがって、騒音測定対象物500の外表面501の振動の騒音への変換されやすさ示す精度の高い情報を取得することができる。これらにより、第一騒音評価値E1と第二騒音評価値E2との二つの騒音測定対象物500が発する騒音の評価に必要な精度の高い騒音に関する情報を容易に取得することができる。
また、防音箱1の内部に吸音部材2を設けることで、騒音測定対象物500から発せられた放射音が測定空間Am内で反射することを抑え、内部騒音測定部3で測定される拡散音の騒音レベルを低減することができる。そして、拡散音算出部15によって測定空間Am内の拡散音の騒音レベルを理論的に拡散音騒音レベルLdとして算出し、放射音算出部16で算出した内部騒音レベルLiと拡散音騒音レベルLdとの差分を算出することで、内部騒音測定部3で測定された内部騒音レベルLiから吸音部材2によって除去しきれなかった拡散音による騒音レベルの成分を取り除くことができる。したがって、騒音測定対象物500から直接発せられた騒音の騒音レベルを高い精度で取得することができる。これにより、騒音測定対象物500が発する騒音の評価に必要な騒音に関する情報をより精度の高い情報として取得することができる。
さらに、弾性部材1aを介して騒音測定対象物500の外表面501に防音箱1を接して取り付けることで、防音箱1と外表面501との間に隙間を設けることなく密着して取り付けることができる。これにより、防音箱1と外表面501によって形成される測定空間Amを周囲環境から隔離した空間とすることが容易にできる。これにより、周囲環境からの騒音の影響を十分に抑えて、測定空間Am内の内部騒音測定部3による騒音の測定を高い精度で実施することができる。
また、第一騒音判定部18によって、第一騒音評価値E1が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定することで、測定位置Xにおいて測定される騒音が騒音測定対象物500から発せられる騒音による影響を大きく受けているか否かを判定することができる。したがって、測定位置Xにおける騒音レベルが騒音測定対象物500から発せられる騒音によって大きくなっていることを判定することができる。つまり、測定位置Xが騒音測定対象物500から発せられる騒音によって保証すべき基準を超えた騒音レベルとなっていることを容易に判定することができる。これにより、測定位置Xの騒音レベルが低減するように騒音対策を行うことだけで、無駄な騒音対策を行うことなく騒音測定対象物500に対して効果的な騒音対策を施すことができる。
さらに、第二騒音判定部21によって、第二騒音評価値E2が予め定めた第二基準比率を超えているか否かを判定することで、騒音測定対象物500の外表面501の振動が騒音に変換されやすい状態であるか否かを判定することができる。したがって、騒音測定対象物500に対して騒音対策が必要か否かを容易に判断することができる。そして、騒音対策が必要と判断された場合であっても、騒音測定対象物500に対して材料を変えてヤング率や密度を変更したり、板厚を変更したりすることでコインシデンス周波数を調整するような設計変更することで、騒音測定対象物500に対してより効果的な騒音対策を施すことができる。
また、第二騒音評価値E2として音響放射効率を算出して判定することで、オペレータはコインシデンス周波数を変更するような設計変更をすることで、その設計変更が騒音対策として有効であったか否かを判定することができる。音響放射効率は、コインシデンス周波数によって決定される値であるが、コインシデンス周波数は騒音測定対象物500の板厚、ヤング率及び密度により決定される値である。したがって、例えば、騒音測定対象物500の材質を変更したり、部分的に板厚を変更したりする等の三つのパラメータを変更するような設計変更をし、音響放射効率である第二騒音評価値E2を算出して判定することで、その設計変更が騒音対策として有効であったか否かを容易に判定することができる。これにより、効果的な騒音対策を三つのパラメータを変更するだけの容易な設計変更より行うことができる。
さらに、第一騒音判定部18と第二騒音判定部21とを有することで、外部騒音測定部5で騒音を測定した測定位置Xの騒音レベルを低減するために騒音対策が必要か否かを判定しつつ、騒音測定対象物500に対して効果的な騒音対策を容易に行うことができる。
《第二実施形態》
次に、図5及び図6を参照して第二実施形態の騒音評価装置200について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の騒音評価装置200は、振動測定部4が防振部6を介して防音箱1に取り付けられている点と外部騒音測定部5によって騒音を測定する測定位置Xが複数である点とについて、第一実施形態と相違する。
即ち、第二実施形態の騒音評価装置200は、外部騒音レベルLoを測定するごとに測定位置Xを変更し、複数の測定位置Xnにおいて外部騒音レベルLoを測定する。騒音評価装置200は、図5に示すように、防音箱1内で振動測定部4に伝達される振動を抑制して取り付ける防振部6と、複数の測定位置Xnで測定された外部騒音レベルLoに基づいて騒音評価に関する制御処理を行う騒音評価制御部201とを有している。
第二実施形態では、一例として三ケ所の測定位置Xである測定位置Xa、測定位置Xb及び測定位置Xcにおいて外部騒音測定部5が外部騒音レベルLoを測定する場合を説明する。
防振部6は、測定空間Am内で防音箱1からの振動の伝搬を抑制して振動測定部4を取り付けている。本実施形態の防振部6は、ばねを介して振動測定部4に対して弾性力を作用させて支持する弾性支持部61と、弾性支持部61にかかる力を減衰させるよう振動測定部4を支持する減衰支持部62とを有する。具体的には、本実施形態の防振部6は、例えば、振動測定部4及び防振部6を併せた共振周波数が、人間の可聴範囲である20Hz以下に設定されることで、それ以上の周波数の振動の伝達を抑える構造である。
弾性支持部61は、防音箱1の内壁面に固定され、ばねを介して振動測定部4を支持している。本実施形態の弾性支持部61は、サスペンションのような弾性変形することで、振動測定部4へ防音箱1から振動測定部4に伝達される振動を吸収する。
減衰支持部62は、弾性部材1aと並列して、防音箱1の内壁面に固定され、振動測定部4を支持している。減衰支持部62は、弾性支持部61にかかる力を減衰している。本実施形態の減衰支持部62は、例えば、オイルダンパである。
第二実施形態おける騒音評価制御部201は、複数の測定位置Xnで測定された外部騒音レベルLoの情報が入力され、複数の測定位置Xnにおける第一騒音評価値E1を判定する。本実施形態の騒音評価制御部201は、複数の外部騒音レベルLo及び測定位置Xnの位置情報が入力される外部騒音レベル入力部14aと、複数の外部騒音レベルLoごとに第一騒音評価値E1を算出する第一騒音評価値算出部17aと、複数の第一騒音評価値E1を判定する第一騒音判定部18aと、複数の第一騒音評価値E1と複数の測定位置Xnの位置情報とを対応づけて記憶する記憶部23と、記憶部23で記憶した情報に基づいて位置情報に順位付けを行う順位付与部24とを有する。
なお、第二実施形態の第二騒音評価値算出部20a及び第二騒音判定部21aは、情報を記憶部23に送る。また、出力部22aは記憶部23から送られた情報をオペレータに出力する。その他の構成については第一実施形態の騒音評価制御部101と同様である。
外部騒音レベル入力部14aは、外部騒音測定部5によって複数の測定位置Xnで測定された外部騒音レベルLoの情報と、測定した測定位置Xnの位置情報が入力される。具体的には、第二実施形態の外部騒音レベル入力部14aは、外部騒音測定部5が外部騒音レベルLoを測定すると、測定した外部騒音レベルLoの情報と測定した時の測定位置Xnの位置情報が入力される。例えば、測定位置Xaで外部騒音測定部5が測定を実施すると、測定位置Xaの外部騒音レベルLoと、測定位置Xaの位置情報とが外部騒音レベル入力部14aに入力される。そして、異なる測定位置Xb及び測定位置Xcについても、同様の情報が外部騒音レベル入力部14aに入力される。外部騒音レベル入力部14aは、入力される毎に外部騒音レベルLoの情報を第一騒音評価値算出部17aに送るとともに、測定位置Xの位置情報を記憶部23に送る。
第一騒音評価値算出部17aは、受け取った複数の外部騒音レベルLoの情報ごとに、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する。第二実施形態の第一騒音評価値算出部17aは、第一実施形態と同様に、測定空間Amの騒音の大きさである内部騒音レベルLiの中でも、拡散音を除いた放射音の大きさである放射音騒音レベルLrを用いる。つまり、第一騒音評価値算出部17aは、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する。第一騒音評価値算出部17aは、算出した第一騒音評価値E1の情報を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。例えば、第一騒音評価値算出部17aは、測定位置Xaの外部騒音レベルLoの情報を受けると、測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1を算出し、その情報を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。第一騒音評価値算出部17aは、測定位置Xb及び測定位置Xcについても、同様にそれぞれ第一騒音評価値E1を算出し、それぞれの情報を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。
第一騒音判定部18aは、第一騒音評価値算出部17aの算出結果である第一騒音表値を受け取るごとに、第一騒音表値が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定する。第二実施形態における第一基準比率は、測定位置Xnに関わらず、一定の値がオペレータによって予め定められている。第一騒音判定部18aは、判定結果の情報を出力部22及び記憶部23に送る。例えば、第一騒音判定部18aは、測定位置Xaの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1が第一基準比率を超えているか否かを判定し、判定結果を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。同様に、測定位置Xbの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1及び測定位置Xcの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1についても、第一基準比率と比較して超えているか否かを判定し、それぞれの判定結果を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。
第二実施形態の第二騒音評価値算出部20aは、算出した第二騒音評価値E2を第二騒音判定部21aとともに記憶部23に送る。
第二実施形態の第二騒音判定部21aは、判定結果の情報を出力部22aではなく記憶部23に送る。
記憶部23は、外部騒音測定部5によって複数の測定位置Xnで測定された外部騒音レベルLoに基づいて第一騒音評価値算出部17aによって算出された複数の第一騒音評価値E1の情報と、それぞれの第一騒音評価値E1の判定結果の情報と、複数の測定位置Xnの位置情報と、を対応づけて記憶する。さらに、本実施形態の記憶部23は、第二騒音評価値算出部20aによって算出された第二騒音評価値E2の情報及び第二騒音評価値E2の判定結果の情報も、複数の測定位置Xnの位置情報に対応づけて記憶する。
具体的には、本実施形態の記憶部23は、測定位置Xnの位置情報を受け取ると、受け取った位置情報に対応する第一騒音評価値E1の情報と、この第一騒音評価値E1に対する第一騒音判定部18aの判定結果とが送られ、これらの複数の情報を測定位置Xnの位置情報に関連付けて記憶する。また、記憶部23は、関連付けて記憶された情報に併せて、第二騒音評価値E2の情報及び第二騒音評価値E2の判定結果の情報が記憶する。
例えば、測定位置Xaで外部騒音レベルLoが測定された場合、記憶部23には、外部騒音レベル入力部14aから測定位置Xaの位置情報が送られて記憶される。記憶部23には、測定位置Xaの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1が第一騒音評価値算出部17aから送られ、測定位置Xaの位置情報に関連付けて記憶される。記憶部23には、測定位置Xaの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1の判定結果が第一騒音判定部18aから送られ、測定位置Xaの位置情報に関連付けて記憶される。加えて、記憶部23には、測定位置Xaに関わらず、全ての測定位置Xnの位置情報に対して同じ第二騒音評価値E2の情報及び第二騒音評価値E2の判定結果の情報が送られ、これらの情報を記憶する。
順位付与部24は、記憶部23に記憶された複数の測定位置Xnの第一騒音評価値E1に基づいて、対応する複数の測定位置Xnの位置情報に順位付けを行う。本実施形態の順位付与部24は、複数の測定位置Xnにごとに算出された音響放射効率である第一騒音評価値E1をそれぞれ比較し、第一騒音評価値E1が大きい順に順位付けを行う。順位付与部24は、順位付けした結果を出力部22aに送る。例えば、測定位置Xaの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1が0.4、測定位置Xbの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1が0.8、測定位置Xcの外部騒音レベルLoに対応する第一騒音評価値E1が0.6である場合、順位付与部24は、測定位置Xbの位置情報から順に測定位置Xcの位置情報、測定位置Xaの位置情報と順位付けを行い、この順位付けの結果を出力部22aに送る。
出力部22aは、第一騒音評価値E1及び第二騒音評価値E2と、第一騒音判定部18a及び第二騒音判定部21のそれぞれの判定結果とを順位付けされた測定位置Xnの位置情報とともにオペレータに対して出力する。本実施形態の出力部22aは、第一騒音評価値E1と、第二騒音評価値E2と、第一騒音判定部18aの判定結果と、第二騒音判定部21aの判定結果との情報を順位付けされた測定位置Xの位置情報とともに表示させて出力する表示ディスプレイを有している。
次に、以上で説明した騒音評価装置200を用いた騒音評価方法について図6に示す工程図に沿って説明する。
図6は、第二実施形態の騒音評価方法における騒音評価装置200を用いた動作フローの一例を占めす。また、この動作フローの説明においては、図5を共に参照する。なお、第二騒音評価値E2を算出する動作フローは第一実施形態の図4に占めす動作フロート同様である。
図5に示すように、防音箱1を外表面501に固定後に、外部騒音測定部5によって防音箱1の外部の所定の複数の測定位置Xnの一つである測定位置Xaにおける騒音の大きさである騒音レベルを外部騒音レベルLoとして測定する(外部騒音測定工程S502)。外部騒音測定部5は、測定した測定位置Xaにおける外部騒音レベルLoを情報として騒音評価制御部201の外部騒音レベル入力部14aに出力する。
測定位置Xaにおける外部騒音レベルLoが入力されると、騒音評価制御部201は、外部騒音レベルLoに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う(騒音評価処理工程S20)。外部騒音レベル入力部14aは第一騒音評価値算出部17a及び記憶部23に、この外部騒音レベルLoの情報を送る。
測定位置Xaにおける外部騒音レベルLoと内部騒音レベルLiから算出された放射音騒音レベルLrとを受け取ると、騒音評価に関する処理として、第一騒音評価値算出部17aは、測定位置Xaにおける外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を第一騒音評価値E1として算出する(第一騒音評価値算出工程S504)。本実施形態の第一騒音評価値算出部17aは、内部騒音レベルLiの代わりに、内部騒音レベルLiから算出した放射音騒音レベルLrを用いる。即ち、第一騒音評価値算出部17aは、外部騒音レベルLoに対する放射音騒音レベルLrの比率を測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1として算出する。第一騒音評価値算出部17aは、算出した測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1を第一騒音判定部18a及び記憶部23に送る。
第一騒音評価値算出部17aから測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1を受け取ると、騒音評価に関する処理として、第一騒音判定部18aは、測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1が第一基準比率を超えているか否かを判定する(第一騒音判定工程S505)。第一騒音判定部18aは、判定結果の情報を出力部22a及び記憶部23に送る。
外部騒音レベル入力部14aから測定位置Xaの位置情報を受け取ると、騒音評価に関する処理として、記憶部23は、この位置情報を記憶する。その後、第一騒音評価値算出部17aから測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1の情報を受け取ると、記憶部23は、測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1の情報を測定位置Xaの位置情報に対応づけて記憶する。さらに、第一騒音判定部18aから判定結果の情報を受け取ると、記憶部23は、測定位置Xaにおける第一騒音評価値E1に対する第一騒音判定部18aの判定結果の情報を測定位置Xaの位置情報に対応づけて記憶する。加えて、第二騒音評価値算出部20aで算出された第二騒音評価値E2の情報と、第二騒音判定部21での判定結果の情報とを測定位置Xaの位置情報に対応づけて記憶する(記憶工程S506)。
記憶部23に一カ所目の測定位置Xaにおける外部騒音測定部5に測定結果に基づく情報が記憶されると、オペレータは測定位置Xnの位置情報の数が所定の数に足りているかを確認する(測定位置数確認工程S507)。所定の数に足りていない場合、他の測定位置Xbや測定位置Xcに外部騒音測定部5を移動させる(測定位置変更工程S508)。その後、他の測定位置Xbや測定位置Xcの騒音レベルの測定を再び行う。具体的には、本実施形態では、測定位置Xnが三ケ所であるため所定の数は3である。そのため、オペレータは、測定位置Xaから測定位置Xbに外部騒音測定部5を移動させて、測定位置Xbの外部騒音レベルLoを測定する。同様の工程を繰り返して測定位置Xbの外部騒音レベルLoに基づく情報が記憶部23に記憶されると、測定位置Xcの外部騒音レベルLoに対しても同様の工程が実施される。
複数の所定の測定位置Xnで外部騒音レベルLoが測定され、複数の外部騒音レベルLoに基づく情報が記憶部23に記憶されると、騒音評価に関する処理として、順位付与部24によって第一騒音評価値E1に基づいて、対応する複数の測定位置Xnの位置情報に順位付けが行われる(順位付与工程S509)。本実施形態では、順位付与部24で複数の測定位置Xnにごとに算出された音響放射効率である第一騒音評価値E1をそれぞれ比較し、第一騒音評価値E1が大きい順に順位付けを行う。順位付与部24は、順位付けした結果として、第一騒音評価値E1の大きい順に順位付けされた複数の測定位置Xnの位置情報に対応する第二騒音評価値E2の情報と、第一騒音判定部18a及び第二騒音判定部21の判定結果の情報とを出力部22aに送る。
順位付与部24からの情報を受け取ると、騒音評価に関する処理として、出力部22aは、第一騒音評価値E1の情報、第二騒音評価値E2の情報、第一騒音判定部18aの判定結果の情報、及び第二騒音判定部21の判定結果の情報を順位付けされた位置情報とともにオペレータに対して出力する(出力工程S510)。
第二実施形態では、出力部22aで第一騒音評価値E1の情報、第二騒音評価値E2の情報、第一騒音判定部18aの判定結果の情報、及び第二騒音判定部21の判定結果の情報を順位付けされた測定位置Xnの位置情報とともに表示させて出力する表示ディスプレイを有している。
上記のような騒音評価装置200又は騒音評価方法によれば、記憶部23によって複数の所定の測定位置Xnで測定された外部騒音レベルLoに基づいて算出した騒音評価のための情報である第一騒音評価値E1の情報と、第二騒音評価値E2の情報と、第一騒音判定部18aの判定結果の情報と、第二騒音判定部21の判定結果の情報とを測定位置Xの位置情報と対応づけて記憶させることで、複数の測定位置Xnで測定した結果を、測定位置Xnごとの情報として管理できる。そして、記憶部23で記憶された第一騒音評価値E1に基づいて、順位付与部24で複数の測定位置Xnの位置情報に順位づけをすることで、騒音測定対象物500から発せられる騒音による影響を受けている順に複数の測定位置Xnの位置情報を順位付けすることができる。即ち、騒音測定対象物500から発せられる騒音の寄与率が高く、大きな影響を受けている測定位置Xnを容易に判別することができる。したがって、騒音対策が必要な順に測定位置Xnに優先順位をつけることができ、複数の測定位置Xnの中でより騒音対策が必要な場所から騒音対策を行うことができる。
また、防振部6を介して防音箱1に振動測定部4を取り付けることで、振動測定部4に防音箱1の振動が伝搬してしまうことを抑えることができる。振動測定部4が騒音測定対象物500の外表面501の振動を測定する場合、防音箱1に取り付けられることで振動測定部4には騒音測定対象物500の振動が伝搬されてしまう。特に、内部騒音レベルLiを高い精度で測定しようとした場合、弾性部材1a等を介して防音箱1を外表面501に密着させるように接して取り付けるため、外表面501の振動が直接防音箱1に伝搬されてしまう。その結果、防音箱1が大きく振動してしまい、振動測定部4で測定した結果に外表面501の振動以外の防音箱1の振動が含まれてしまう。ところが、防振部6の弾性支持部61と減衰支持部62とによって振動測定部4が支持されていることで、防音箱1から伝搬される振動を吸収して、振動測定部4自体が振動してしまうことを抑えることができる。これにより、騒音測定対象物500の外表面501の振動を振動測定部4によって高い精度で測定することが容易にできる。
なお、本実施形態では、一つの外部騒音測定部5で複数の測定位置Xnの騒音レベルを測定したが、これに限定されるものではない。即ち、複数の外部騒音測定部5を有し、複数の測定位置Xnに対してそれぞれ外部騒音測定部5を配置して測定しても良い。
また、防振部6は、本実施形態に限定されるものではなく、防音箱1から伝達される振動が抑制できれば良い。例えば、防振箱の振動を検出して、逆位相の振動を起こすことで防音箱1から伝達される振動を抑制する構造としてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、吸音部材2は本実施形態のようにシート状をなしたものに限定されるものではない。即ち、所定の吸音率αを有していればよく、一定の周波数の騒音を打消すような装置であってもよい。また、共鳴を利用し吸音部材2と同等の作用をもたらすものであってもよい。
さらに、防音箱1は、本実施形態のように外表面501側がすべて開放されている構造に限定されるものではなく、一部に穴が開いており、外表面501の一部のみが開放される構造であってもよい。
また、出力部22、22aは、本実施形態のようにディスプレイに表示させて出力するものに限定されるものではなく、音声等によってオペレータに報知させて出力してもよい。
500…騒音測定対象物 501…外表面 100、200…騒音評価装置 1…防音箱 1a…弾性部材 Am…測定空間 2…吸音部材 3…内部騒音測定部 4…振動測定部 5…外部騒音測定部 X…測定位置 101、201…騒音評価制御部 11…手動入力部 12…内部騒音レベル入力部 Li…内部騒音レベル 13…表面振動値入力部 v…表面振動値 14、14a…外部騒音レベル入力部 Lo…外部騒音レベル 15…拡散音算出部 S…表面積 α…吸音率 Ld…拡散音騒音レベル 16…放射音算出部 Lr…放射音騒音レベル 17、17a…第一騒音評価値算出部 E1…第一騒音評価値 18、18a…第一騒音判定部 19…理論騒音レベル算出部 Lt…理論騒音レベル Pt…理論音響パワー 20、20a…第二騒音評価値算出部 E2…第二騒音評価値 21、21a…第二騒音判定部 22、22a…出力部 S101…手動入力工程 S10、S20…騒音評価処理工程 S102…拡散音算出工程 S201…測定空間形成工程 S202…内部騒音測定工程 S203…放射音算出工程 S302、S502…外部騒音測定工程 S304、S504…第一騒音評価値算出工程 S305、S505…第一騒音判定工程 S306、S406、S510…出力工程 S402…振動測定工程 S403…理論騒音レベル算出工程 S404…第二騒音評価値算出工程 S405…第二騒音判定工程 6…防振部 61…弾性支持部 62…減衰支持部 23…記憶部 24…順位付与部 S506…記憶工程 S507…測定位置数確認工程 S508…測定位置変更工程 S509…順位付与工程

Claims (12)

  1. 騒音の測定対象となる騒音測定対象物に取り付けられ、前記騒音測定対象物の外表面の一部を覆って外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間を形成する防音箱と、
    前記防音箱に取り付けられ、前記測定空間内の騒音の騒音レベルを内部騒音レベルとして測定する内部騒音測定部と、
    前記防音箱に取り付けられ、前記外表面の振動の特性を表面振動値として前記測定空間内で測定する振動測定部と、
    前記防音箱の外部の所定の測定位置における騒音の騒音レベルを外部騒音レベルとして測定する外部騒音測定部と、
    前記内部騒音レベル、前記表面振動値及び前記外部騒音レベルに基づいて、騒音評価に関する制御処理を行う騒音評価制御部と、を備え、
    前記騒音評価制御部は、
    前記外部騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第一騒音評価値として算出して出力する第一騒音評価値算出部と、
    前記表面振動値に基づいて、前記外表面から直接伝搬される騒音の騒音レベルを理論騒音レベルとして算出する理論騒音レベル算出部と、
    前記理論騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第二騒音評価値として算出して出力する第二騒音評価値算出部と、を有する騒音評価装置。
  2. 前記防音箱の内部に設けられ、所定の吸音率を有する吸音部材を備え、
    前記騒音評価制御部は、
    前記防音箱の形状と前記吸音部材の吸音率とに基づいて、前記測定空間で少なくとも一度は反射した騒音の騒音レベルを拡散音騒音レベルとして算出する拡散音算出部と、
    前記拡散音騒音レベルと前記内部騒音レベルとの差分を放射音騒音レベルとして算出する放射音算出部と、を有し、
    前記第一騒音評価値算出部は、前記内部騒音レベルとして前記放射音騒音レベルを用いて、前記第一騒音評価値を算出する請求項1に記載の騒音評価装置。
  3. 前記防音箱は、前記外表面に対して弾性部材を介して接して取り付けられる請求項1又は請求項2に記載の騒音評価装置。
  4. 前記振動測定部は、前記防音箱からの振動の伝搬を抑制する防振部を介して、前記防音箱に取り付けられる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の騒音評価装置。
  5. 前記騒音評価制御部は、
    前記第一騒音評価値が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定する第一騒音判定部を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の騒音評価装置。
  6. 前記騒音評価制御部は、
    前記第二騒音評価値が予め定めた第二基準比率を超えているか否かを判定する第二騒音判定部を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の騒音評価装置。
  7. 前記騒音評価制御部は、
    前記外部騒音測定部によって複数の前記測定位置で測定された外部騒音レベルに基づいて前記第一騒音評価値算出部によって算出された複数の前記第一騒音評価値と、複数の前記測定位置の位置情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された複数の前記第一騒音評価値に基づいて、対応する複数の前記測定位置の位置情報に順位付けを行う順位付与部と、を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の騒音評価装置。
  8. 騒音の測定対象となる騒音測定対象物に防音箱を取り付け、前記騒音測定対象物の外表面の一部を覆って外部からの騒音の伝搬が抑制された測定空間を形成する測定空間形成工程と、
    前記測定空間内の騒音の騒音レベルを内部騒音レベルとして測定する内部騒音測定工程と、
    前記外表面の振動の特性を表面振動値として前記測定空間内で測定する振動測定工程と、
    前記測定空間の外部の所定の測定位置における騒音の騒音レベルを外部騒音レベルとして測定する外部騒音測定工程と、
    前記内部騒音レベル、前記表面振動値及び前記外部騒音レベルに基づいて、騒音評価に関する処理を行う騒音評価処理工程と、を備え、
    前記騒音評価処理工程は、
    前記外部騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第一騒音評価値として算出して出力する第一騒音評価値算出工程と、
    前記表面振動値に基づいて、前記外表面から直接伝搬される騒音の騒音レベルを理論騒音レベルとして算出する理論騒音レベル算出工程と、
    前記理論騒音レベルに対する前記内部騒音レベルの比率を第二騒音評価値として算出して出力する第二騒音評価値算出工程と、を有する騒音評価方法。
  9. 前記防音箱の内部に所定の吸音率を有する吸音部材を設け、
    前記騒音評価処理工程は、
    前記防音箱の形状と前記吸音部材の吸音率とに基づいて、前記測定空間で少なくとも一度は反射した騒音の騒音レベルを拡散音騒音レベルとして算出する拡散音算出工程と、
    前記拡散音騒音レベルと前記内部騒音レベルとの差分を放射音騒音レベルとして算出する放射音算出工程と、を有し、
    前記第一騒音評価値算出工程は、前記内部騒音レベルとして前記放射音騒音レベルを用いて、前記第一騒音評価値を算出する請求項8に記載の騒音評価方法。
  10. 前記騒音評価処理工程は、
    前記第一騒音評価値が予め定めた第一基準比率を超えているか否かを判定する第一騒音判定工程を有する請求項8または請求項9に記載の騒音評価方法。
  11. 前記騒音評価処理工程は、
    前記第二騒音評価値が予め定めた第二基準比率を超えているか否かを判定する第二騒音判定工程を有する請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の騒音評価方法。
  12. 前記騒音評価処理工程は、
    前記外部騒音測定工程によって複数の前記測定位置で測定された複数の外部騒音レベルに基づいて前記第一騒音評価値算出工程によって算出された複数の前記第一騒音評価値と、複数の前記測定位置の位置情報とを対応づけて記憶する記憶工程と、
    前記記憶工程に記憶された複数の前記第一騒音評価値に基づいて、対応する複数の前記測定位置の位置情報に順位付けを行う順位付与工程と、を有する請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の騒音評価方法。
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