JP2015121008A - 機能紙および機能紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れた機能紙および機能紙の製造方法を提供する。
【解決手段】ナノファイバーnfを含有する紙1であって、ナノファイバーnfよりも繊維幅が太い繊維Fからなる紙基材2を有しており、紙基材2の厚さ方向において、ナノファイバーnfの含有量が紙基材2における他の層よりも多いナノファイバー含有層3を有している。ナノファイバー含有層3は密度が高くなるので、紙基材2単体の場合に比べて、紙のガスバリア性を高くすることができる。しかも、ナノファイバーnfが機械的処理により形成されたものであるので、ナノファイバーnfによって紙基材2内部の空隙を効果的に塞ぐことができる。さらに、ナノファイバーnf製造時に高価な薬品を使用しないので、ナノファイバーnfを歩留まり良く製造でき廃液処理も容易になるので、製造設備を簡素化でき製造コストも低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機能紙および機能紙の製造方法に関する。さらに詳しくは、ガスバリア性に優れた機能紙およびかかる機能紙の製造方法に関する。
現在、様々な食品や薬剤などの製品が真空包装されたりまたは不活性ガスとともに密封包装されたりして提供されている。このように製品を真空包装や密封包装するのは、製品を密封することにより、酸素と触れることによる製品の変質や劣化を防ぐためである。
かかる真空包装や密封包装には、酸素透過性の低いシート(ガスバリア性を有するシート)が使用されている。かかるシートでは、紙やプラスチック等の素材からなる基材の表面にガスバリア層を設けて、シートのガスバリア特性を向上させている。例えば、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム等からなるガスバリア層を有するシートが開発されている。
しかしながら、ガスバリア層としてアルミ箔を使用すると、アルミ箔と基材との分離が難しくリサイクル性が悪化し、使用後に廃棄する際は不燃物として処理しなければならない等の問題がある。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムが積層された積層材料では、充分なガスバリア性能が得られない場合があるという問題がある。
近年、ガスバリア層の素材としてセルロースナノファイバーを使用する技術が開発されている。例えば、特許文献1,2などでは、セルロースナノファイバーを樹脂などに混合して混合材料を形成し、この混合材料を基材の表面に塗布することによってガスバリア層を形成している。かかるガスバリア層の場合、ガスバリア層自体が可燃物で形成されているので、基材が紙や樹脂などの可燃物によって形成されていれば、包装容器などを可燃物として処理することができるから、包装容器などの廃棄処理などが容易になる。
特表2011−40547号公報 特表2011−118520号公報 特開2009−57552号公報 特開2012−201785号公報 特開2012−11651号公報 特開2012−76231号公報 特表2011−118360号公報
ところで、包装容器のリサイクル性を考慮すれば、基材が紙で形成されている場合、ガスバリア層はセルロースナノファイバーのみから形成することが望ましい。
現状では、セルロースナノファイバーのみからなるガスバリア層を、樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニル等)の表面に設けて、十分なガスバリア性を有するシートが形成できた例はある(特許文献1〜6参照)。
しかし、紙製の基材にセルロースナノファイバーのみでガスバリア層を形成した場合では、実用に耐えうるガスバリア性能を有するものは得られていないのが実情である(特許文献2、7参照)。
本発明は上記事情に鑑み、ガスバリア性に優れた機能紙および機能紙の製造方法を提供することを目的とする。
(機能紙)
第1発明の機能紙は、機械的処理により形成されたナノファイバーを含有する紙であって、前記ナノファイバーよりも繊維幅が太い繊維からなる紙基材を有しており、該紙基材の厚さ方向において、前記ナノファイバーの含有量が紙基材における他の層よりも多いナノファイバー含有層を有していることを特徴とする。
第2発明の機能紙は、第1発明において、前記ナノファイバー含有層が、前記紙基材を形成する繊維間の隙間に前記ナノファイバーが配置された層であることを特徴とする。
第3発明の機能紙は、第1発明において、前記ナノファイバー含有層が、前記ナノファイバーによって前記紙基材の表面に形成された層であることを特徴とする。
第4発明の機能紙は、第1発明において、前記ナノファイバー含有層が、前記紙基材を形成する繊維間の隙間に前記ナノファイバーが配置された内部層と、前記ナノファイバーによって前記紙基材の表面に形成された表層と、を有していることを特徴とする。
第5発明の機能紙は、第1、第2、第3または第4発明において、前記ナノファイバー含有層が、前記紙基材に前記ナノファイバーを含有するナノファイバー含有液を浸透させて形成されたものであることを特徴とする。
(機能紙の製造方法)
第6発明の機能紙の製造方法は、機械的処理により形成されたナノファイバーを含有する紙の製造方法であって、紙基材に、前記ナノファイバーを含有するナノファイバー含有液を浸透させることを特徴とする。
(機能紙)
第1発明によれば、ナノファイバー含有層は密度が高くなるので、紙基材単体の場合に比べて、紙のガスバリア性を高くすることができる。また、ナノファイバーが機械的処理により形成されたものであるので、繊維幅や繊維長にある程度の分布を有している。このため、化学的処理により形成されたナノファイバーによってナノファイバー含有層を形成する場合に比べて、ナノファイバーによって紙基材内部の空隙を効果的に塞ぐことができる。さらに、ナノファイバー製造時に高価な薬品を使用しないので、ナノファイバーを歩留まり良く製造でき廃液処理も容易になるので、製造設備を簡素化でき製造コストも低減できる。
第2発明によれば、ナノファイバー含有層が形成されていても、紙基材の表面の状態を通常の紙基材の状態に近いものとすることができる。つまり、紙基材の風合いや外観を維持しやすくなる。
第3発明によれば、ナノファイバー含有層によって紙基材の表面が覆われた状態になるので、ガスバリア性を高くすることができる。
第4発明によれば、内部層によって紙基材内部の空隙を塞ぎつつ表層によって紙基材の表面を覆うので、ガスバリア性を高くすることができる。
第5発明によれば、紙基材にナノファイバー含有層を効果的に形成することができる。しかも、ナノファイバー含有液中のナノファイバー濃度を調整すれば、紙のガスバリア性を調整することができる。
(機能紙の製造方法)
第6発明によれば、紙基材にナノファイバー含有層を効果的に形成することができる。しかも、ナノファイバー含有液中のナノファイバー濃度を調整すれば、紙のガスバリア性を調整することができる。
本実施形態の機能紙1の概略説明図である。 ナノファイバー含有層3の形態が異なる機能紙1の概略説明図である。 基材2にナノファイバー含有層3を形成する方法の一例を示した図である。
つぎに、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の機能紙1は、繊維Fからなる紙基材2を備えたものであり、紙基材2にナノファイバーnfの含有量が他の部分よりも多い層3(以下ナノファイバー含有層3という)が形成されている。
なお、紙基材2は、ナノファイバー含有層3以外の部分にもナノファイバーnfを含有していてもよいし、ナノファイバー含有層3のみにナノファイバーnfが含有されていてもよいのは、いうまでもない。
(紙基材2)
図1に示すように、紙基材2は、パルプなどのセルロースを主たる構成成分とする繊維Fによって形成されたものである。この紙基材2はとくに限定されず、上述した繊維Fが絡み合って形成された集合体であればよい。例えば、濾紙や和紙、包装用紙、板紙、段ボール原紙、ラミネート紙などを挙げることができる。
なお、紙基材2を構成する繊維Fは、その繊維幅や繊維長はとくに限定されないが、通常は、後述するナノファイバーnfよりも繊維幅が太いものである。例えば、繊維幅が1〜100μm程度、繊維長は0.1〜10mm程度、好ましくは、繊維幅は10〜40μm程度、繊維長は0.15〜5mm程度の繊維Fを使用して形成された紙基材2であれば、ナノファイバー含有層3を形成した際のガスバリア性を向上させることができる。
(ナノファイバー含有層3)
この紙基材2は、その厚さ方向において、ナノファイバー含有層3を備えている。このナノファイバー含有層3は、セルロースを主たる構成成分とするナノファイバーnfが紙基材2における他の層(つまりナノファイバー含有層3以外部分)よりも多く含有されている層である。
このナノファイバー含有層3では、紙基材2の繊維F同士はもちろん、ナノファイバーnfと紙基材2の繊維Fおよび/またはナノファイバーnf同士が水素結合によって連結されている。そして、ナノファイバーnfによって、紙基材2の繊維F間に形成された隙間が塞がれた状態となっている。
このナノファイバー含有層3に含有されるナノファイバーnfは、機械的処理により得られるナノファイバーnfである。機械的処理により得られるナノファイバーnfは、その繊維幅や繊維長はとくに限定されないが、繊維径約10〜500nmかつ繊維長約500μm以下のものを含んでいる。つまり、ナノファイバー含有層3に含有されるナノファイバーnfは、化学的処理により得られるナノファイバーに比べて、繊維径が大きく繊維長の長いナノファイバーを含んでいる。言い換えれば、ナノファイバー含有層3に含有されるナノファイバーnfは、機械的処理により得られるナノファイバーnfであるので、化学的処理により得られるナノファイバーに比べて、様々な繊維径や繊維長のナノファイバーを含んでいるのである。
なお、このような性質を有するナノファイバーであれば、生物由来のバクテリアセルロースを用いても良い。バクテリアセルロースを用いる場合には、バクテリアセルロースの解繊時間を制御することにより、繊維長の長いナノファイバーと繊維長の短いナノファイバーが混在するナノファイバーを生成することが可能となる。
このため、ナノファイバー含有層3では、紙基材2の繊維Fに単にナノファイバーnfが結合するだけでなく、繊維長の長いナノファイバーnfが紙基材2の繊維F間の隙間を架橋するなどの状況が生じている。そして、繊維長の長いナノファイバーnfに繊維長の短いナノファイバーnfが結合する状況(つまりナノファイバーnf同士の結合)も生じているので、ナノファイバーnfによって紙基材2内部の空隙を効果的に塞ぐことができるのである。
(ナノファイバーの製造方法)
ナノファイバー含有層3に含有されるナノファイバーnfは、原料となる繊維を機械的処理によって微細化処理したものである。原料となる繊維を微細化処理する方法はとくに限定されないが、例えば、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機などを使用して、パルプ繊維をナノファイバーnfとすることができる。
なお、ナノファイバーnfの原料となる繊維は、パルプ繊維や木粉、植物残渣、製紙残渣のように、セルロースを主たる構成成分とする繊維であればよく、とくに限定されない。
(ナノファイバー含有層3の形態)
なお、ナノファイバー含有層3は、上述したように、紙基材2を形成する繊維F間の隙間にナノファイバーnfが配置された層のみから形成されたもの(図2(A)参照)に限らない。例えば、ナノファイバーnfのみからなる膜が紙基材2の表面を覆うように形成されてナノファイバー含有層3を形成していてもよい(図2(B)参照)。かかるナノファイバー含有層3が形成された場合、ナノファイバー含有層3によって紙基材2の表面が覆われているので、機能紙1のガスバリア性を高くすることができるという利点が得られる。
一方、図1および図2(A)のように、紙基材2を形成する繊維F間の隙間にナノファイバーnfが配置された層のみでナノファイバー含有層3が形成されている場合には、ナノファイバー含有層3が形成されていても、紙基材2の表面の状態を通常の紙基材2の状態に近いものとすることができる。つまり、紙基材2の風合いや外観を維持しやすくなるので、紙基材2の風合いや外観を活かした機能紙1とすることができるという利点が得られる。
もちろん、ナノファイバー含有層3は、両方の層から構成されたものであってもよい(図2(C)参照)。つまり、ナノファイバー含有層3が、紙基材2を形成する繊維F間の隙間にナノファイバーnfが配置された内部層3aと、ナノファイバーnfによって紙基材2の表面に形成された表層3bと、を有していてもよい。この場合、内部層3aによって紙基材2内部の空隙を塞ぎつつ、表層3bによって紙基材2の表面を覆うことができるので、機能紙1のガスバリア性をさらに高くすることができるという利点が得られる。
(機能紙1の製造方法)
上述したような機能紙1は、以下の方法で製造することができる。
まず、上記方法で形成したナノファイバーnfを水に分散させて、分散液DEを形成する。上述したようなナノファイバーnfを使用して分散液DEを調製する場合には、分散液DEの固形分濃度(つまりナノファイバーnfの濃度)は、機能紙のガスバリア性や、形成するナノファイバー含有層の構造に合わせて、調整すればよい。しかし、固形分濃度が0.01重量%よりも少なくなると、ガスバリア性を発揮させるために必要となるナノファイバー分散液の量が多くなり処理が困難になる一方、固形分濃度が2重量%よりも多くなると紙基材2に分散液を浸透させることが難しくなる。したがって、分散液DEの固形分濃度は、0.01〜2重量%が好ましい。そして、ナノファイバーnfを結合させやすくことを考慮すれば、ナノファイバーnfの濃度は、分散液を吸引などの方法を採用しなくても紙基材2に透過させる(水分を通過させる)ことができるものであって、濃い方が好ましい。例えば、0.05〜2重量%が好ましく、加工性を考慮すれば、0.05〜1重量%がより好ましく、0.1〜0.75重量%がさらに好ましい。
分散液DEを調製すると、紙基材2を水平に配置して、その上面に分散液DEを供給する。すると、分散液DEは、その自重によって紙基材2の上面から下面に向かって流れて、紙基材2に浸透し透過する。
このとき、分散液DE中のナノファイバーnfも紙基材2を透過しようとするが、一部のナノファイバーnfは紙基材2の繊維Fに付着してその位置に留まる。また、一部のナノファイバーnfは、紙基材2の繊維Fに既に付着しているナノファイバーnfに付着してその位置に留まる。
上記のごとき現象が繰り返されると、紙基材2の繊維F間の隙間や紙基材2の繊維Fの上にはナノファイバーnfが堆積する。すると、紙基材2の繊維F間(または繊維F上)に堆積したナノファイバーnfによって、繊維F間の隙間が塞がれる。なお、ここでいう「隙間が塞がれる」には、隙間が完全に塞がれてしまう状態と、隙間はあるものの元の状態よりは隙間が小さくなっている状態、の両方が含まれる。
やがて、全ての分散液DEが紙基材2を通過すると、ナノファイバーnfが付着した紙基材2(以下、担持紙という)を乾燥して、機能紙1が製造される。
この乾燥の際に、紙基材2の繊維Fやナノファイバーnfから水分が抜けて収縮するとともに、繊維Fとナノファイバーnfとが接触している部分では、水素結合によりナノファイバーnfと繊維Fの結合が生じる。同様に、ナノファイバーnf同士が接触している部分では、水素結合によりナノファイバーnf同士の結合が生じる。そして、紙基材2の繊維Fおよびナノファイバーnfの収縮と、両者間の水素結合やナノファイバーnf同士間の水素結合によって、紙基材2に当初存在していた隙間が塞がれる。
一方、担持紙において、ナノファイバーnfは、紙基材2の厚さ方向に均一に存在するのではなく、分散液DEが供給された側(つまり上面側)にナノファイバーnfの含有量が多い層が形成される。このため、担持紙を乾燥することによって、紙基材2において、ナノファイバーnfの含有量が多い層をナノファイバー含有層3とすることができるのである。
そして、乾燥の際に、ナノファイバーnfの含有量が少ない部分では、紙基材2中の隙間は、当初存在していた隙間と同等または若干狭くなっている程度であるが、ナノファイバー含有層3における隙間は、紙基材2に当初存在していた繊維F間の隙間よりも非常に狭い隙間または隙間が完全に塞がれた状態になる。このため、ナノファイバー含有層3は密度が高くなり気体の通過を遮断するガスバリア層として機能することになるから、紙基材2単体の場合に比べて、機能紙1のガスバリア性を高くすることができるのである。
しかも、ナノファイバーnfとして、上述したように機械的処理により形成されたものを使用しているので、繊維幅や繊維長はある程度の分布を有している。このため、化学的処理により形成されたナノファイバーを固形分とする分散液DEを使用する場合に比べて、ナノファイバー含有層3を形成した際に、ナノファイバーnfによって紙基材2内部の空隙を効果的に塞ぐことができる。
さらに、上述したような機械的処理によりナノファイバーnfを製造すれば、ナノファイバー製造時に高価な薬品を使用しないので、ナノファイバーnfを歩留まり良く製造でき廃液処理も容易になるので、機能紙1の製造設備を簡素化でき、機能紙1の製造コストも低減できる。
なお、本明細書では、「紙基材2に分散液DEを浸透」とは、「紙基材2に分散液DEが滲み込む」状態と「紙基材2を分散液DEが透過する」状態の両方を状態を含んでいる。
(紙基材2の保持方法)
なお、分散液DEを紙基材2に浸透させる際に、紙基材2を保持する方法はとくに限定されない。例えば、図3に示すように、紙基材2を中空な一対のシリンダS1,S2に挟んでもよい。この場合、シリンダS2内の空間に分散液DEを入れれば、紙基材2において、一対のシリンダS1,S2によって囲まれた領域に分散液DEを通過させることができるので、その領域にナノファイバー含有層3を形成することができる。
(吸引による浸透)
また、上記例では、分散液DEの自重によって分散液DEを紙基材2に浸透させる場合を説明した。分散液DEの自重によって分散液DEを紙基材2に浸透させる場合、つまり、分散液DEを紙基材2によって濾過するような状態で浸透させる場合には、分散液DE中のナノファイバーnf同士の結合や積層、また、ナノファイバーnfと紙基材2を形成する繊維Fの結合等をさせやすくなる。
しかし、紙基材2の下面から分散液DEを吸引して、強制的に分散液DEを紙基材2に浸透させてもよい。この場合、自重では浸透時間が長時間を要する分散液DE(固形分濃度が高い分散液)であっても、紙基材2に短時間で浸透させることができる。すると、機能紙1のガスバリア性能や形成されるナノファイバー含有層3の構造の自由度を高くすることができる。
さらに、吸引によって浸透させれば、同じ固形分濃度の分散液DEでも、吸引力を調整すれば浸透時間を変化させることができる。すると、分散液DEの固形分濃度だけでなく吸引力を調整することでも、機能紙のガスバリア性能や、形成するナノファイバー含有層3の構造を調整することが可能となる。
(乾燥方法)
担持紙を乾燥する方法はとくに限定されず、熱を加えながら乾燥する公知の方法等を採用することができる。例えば、熱風による乾燥(送風乾燥)、熱ロール、ホットプレスなどを使用することができる。
例えば、担持紙を濾紙に挟んで水分を濾紙に吸収させる。そして、担持紙の水分量がある程度減少すると、濾紙を取り外して(または濾紙に挟んだまま)、アイロンなどによって熱プレス乾燥すれば、機能紙1とすることができる。
なお、乾燥時間はとくに限定されず、担持紙の状態や機能紙1の要求性能などに合わせて適宜決定すればよい。例えば、ガスバリア性(酸素遮断性)を発揮させるのであれば、乾燥後の紙の水分量が0〜10%程度となるように乾燥を行えばよい。
本発明の機能紙のガスバリア性を確認した。
実験では、ナノファイバーを水に分散させた溶液(固形分濃度0.04重量%)を、図3に示すような方法で、基材となる濾紙に浸透させて担持紙を形成した後(担持紙形成工程)、この担持紙を乾燥して機能紙を製造した。
(ナノファイバーの製造方法)
ナノファイバーは、パルプを石臼式摩砕機(増幸産業株式会社製、商品名:スーパーマスコロイダー、型番:MKZA10-15J)を使用して摩砕処理することによって製造した。
摩砕は、予備摩砕と本摩砕を行った。
まず、目の粗い砥石 (型番:MKE10-46)での予備摩砕を3回実施した。予備摩砕は接触運転で実施し、処理時の電流値は約18 Aであった。予備摩砕の後、目の細かい砥石 (MKGC10-80)での本摩砕を3回実施した。本摩砕は接触運転で実施し、処理時の電流値は約24 Aであった。
このとき製造されたナノファイバーには、繊維径約10〜500nmのものが含まれており、繊維長は約500μm以下のものが含まれていた。
(乾燥方法)
担持紙の乾燥は、担持紙を濾紙に挟んで水分を濾紙に吸収させた後(約5分間)、濾紙を取り外して、アイロンによって熱を加えながら約1分間加圧(熱プレス)した。乾燥後の紙の水分量は8%程度であった。
(酸素透過度の測定)
上記の方法によって製造された機能紙について、ガス透過度試験機(GTRテック(株):型番GTR−11AET)によって酸素透過度を測定すると、10ml/m・day・atmであり、酸素に対する十分なガスバリア性を示すことが確認された。
実施例2では、分散液DEの濃度と付与量、付与方法を変化させて、ガスバリア性の変化を確認した。
実験は、ナノファイバーを水に分散させた溶液の固形分濃度(ナノファイバー濃度)を変化させたこと、および、付与量を変化させたこと、および、付与方法を変化させた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
実験では、ナノファイバー濃度を、0.01、0.2、0.5重量%とした。
付与量(担持紙に担持させるナノファイバーの量)は、5、10、15、20g/mとした。なお、付与量は、ナノファイバー濃度とナノファイバー分散液の量によって調整した。
付与方法は、実施例1と同様の方法と、吸引して溶液を担持紙に透過させる方法の2つの方法を行った。なお、吸引には、真空ポンプ(佐藤真空株式会社製:オイルロータリーバキュームポンプ TSW−50)を使用した。
結果を表1に示す。
なお、酸素透過度の値は、ml/m・day・atmである。
実験結果より、付与量が同じでも、ナノファイバー濃度を濃くするにしたがってガスバリア性が向上していくことが確認できる。
また、ナノファイバー濃度が同じでも、付与量を大きくすることによってガスバリア性が向上することが確認できる。
つまり、ナノファイバー濃度と付与量を調整すれば、ガスバリア性を調整できることが確認された。
しかも、付与方法は、同じナノファイバー濃度かつ同じ付与量の場合には、吸引するよりも濾過した方が、ガスバリア性が高くできることも確認できた。
そして、濾紙などでは、酸素透過度は10ml/m・day・atmオーダーであるが、ナノファイバー濃度が0.01重量%や付与量が5g/mであっても、ナノファイバー層を形成すれば、酸素透過度を10ml/m・day・atmオーダー以下に低下させることができることが確認された。

Figure 2015121008
以上の結果より、ナノファイバー濃度や付与量を多くすることによって、紙のガスバリア性を高くできることが確認できた。
しかも、ナノファイバー濃度や付与量、付与方法を変えることによって、機能紙のガスバリア性を調整できることも確認できた。
本発明の機能紙は、食品や薬剤を包装する包装容器の素材に適している。
1 機能紙
2 紙基材
3 ナノファイバー含有層
3a 内部層
3b 表層
F 繊維
nf ナノファイバー

Claims (6)

  1. 機械的処理により形成されたナノファイバーを含有する紙であって、
    前記ナノファイバーよりも繊維幅が太い繊維からなる紙基材を有しており、
    該紙基材の厚さ方向において、前記ナノファイバーの含有量が紙基材における他の層よりも多いナノファイバー含有層を有している
    ことを特徴とする機能紙。
  2. 前記ナノファイバー含有層が、
    前記紙基材を形成する繊維間の隙間に前記ナノファイバーが配置された層である
    ことを特徴とする請求項1記載の機能紙。
  3. 前記ナノファイバー含有層が、
    前記ナノファイバーによって前記紙基材の表面に形成された層である
    ことを特徴とする請求項1記載の機能紙。
  4. 前記ナノファイバー含有層が、
    前記紙基材を形成する繊維間の隙間に前記ナノファイバーが配置された内部層と、
    前記ナノファイバーによって前記紙基材の表面に形成された表層と、を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の機能紙。
  5. 前記ナノファイバー含有層が、前記紙基材に前記ナノファイバーを含有するナノファイバー含有液を浸透させて形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の機能紙。
  6. 機械的処理により形成されたナノファイバーを含有する紙の製造方法であって、
    紙基材に、前記ナノファイバーを含有するナノファイバー含有液を浸透させる
    ことを特徴とする機能紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018143095A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 大王製紙株式会社 水解性シート及び当該水解性シートの製造方法

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WO2018143095A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 大王製紙株式会社 水解性シート及び当該水解性シートの製造方法
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