JP2015122169A - 全固体電池の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】全固体電池の検査方法における微短絡の有無や微短絡の原因となる潜在的欠陥の有無の判定精度の改善方法の提供。【解決手段】全固体電池の検査方法であって、(i)前記電池を充電した後に、前記電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、前記電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で前記電池を充電し、自己放電させて自己放電による電圧降下量ΔV2を求める工程、(iv)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程、及び(v)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合に、前記電池を不良品と判定する工程を含む、全固体電池の検査方法。【選択図】図1
Description
本発明は、全固体電池の検査方法に関し、より詳細には、微短絡の有無の判定精度を改善した全固体電池の検査方法に関する。
従来、リチウムイオン二次電池やニッケル・水素蓄電池などの二次電池は、正極層及び負極層をセパレータを介して積層し、巻回してなる電極群を容器内に収納し、電解液を含浸させた後、初期充電、及びエージングなどの工程を得て製造されている。かかる二次電池の製造工程において、微短絡を起こしている可能性のある不良な二次電池(不良品)を判定するための検査方法として、特許文献1に、リチウム二次電池を所定環境温度下で所定時間放置後の電圧低下を求め、求めた電圧低下が予め設定された電圧低下基準より大きいときに導電性異物がリチウム二次電池中に存在すると判定することを特徴とする検査方法が提案されている。特許文献2には、一対の電極板の間に検査用電圧を印加しながら検査用電圧の印加に伴って流れる電流を測定し、予め設定した電流と比較して電極群の内部短絡につながる欠陥の判定をすることを特徴とする方法が提案されている特許文献3には、正極板と負極板をセパレータを介して積層して構成した極板群を電槽内に挿入して成る電池の短絡検査方法において、極板群を電槽に挿入する前に極板群を加圧しながら短絡不良を検査することが提案されている。特許文献4には、第1のSOCより低い第2のSOCまで放電し、所定の温度より低い環境温度下で二次電池の微短絡を検出する方法が提案されている。
上記従来技術は、電解質が電解液から成る電解液系二次電池において、金属異物などの導電性異物が電解液中で溶解して負極上に析出することに起因する微短絡を検出する方法である。一方、正極と負極の間に固体電解質層を有する全固体電池では、固体電解質層中に金属異物などの導電性異物が存在する場合に、金属異物は固体電解質に溶解しないため、従来の電解液系二次電池におけるように、金属異物が電解質に溶解して負極上に析出するという現象は起こらない。そのため、従来の電解液系二次電池のための短絡検出方法を全固体電池に適用することはできない。また、全固体電池では、電解質が固体であるため、固体電解質層中に金属異物などの異物が存在すると、異物の周りに応力が生じ、例えば、異物の存在する部位において、電池が外側に凸状に膨らむ。電池の使用中に、振動や電池の変位などによりかかる部位に荷重が加わった場合に、正極と負極の間を絶縁する役割を果たす固体電解質層中に微短絡の原因となるクラックなどの欠陥が発生するおそれがある。従って、製造された全固体電池が市場に流通する前(出荷前)に、全固体電池について、微短絡の有無や、微短絡の原因となる潜在的欠陥の有無を高い精度で判定する検査方法が求められている。
従って、本発明は、微短絡の有無や、微短絡の原因となる潜在的欠陥の有無を高い精度で判定することができる全固体電池の検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、一実施形態において、全固体電池の検査方法であって、
全固体電池の検査方法であって、
(i)電池を充電した後に、電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で電池を充電し、自己放電させて自己放電による電圧降下量ΔV2を求める工程、
(iv)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合に、電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法を提供する。
全固体電池の検査方法であって、
(i)電池を充電した後に、電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で電池を充電し、自己放電させて自己放電による電圧降下量ΔV2を求める工程、
(iv)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合に、電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法を提供する。
本発明は、第2の実施形態において、全固体電池の検査方法であって、
(i)電池を充電した後に、電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、電池に対して定電流定電圧で充放電容量測定を行い、クーロン効率、定電流容量低下量及び定電圧容量低下量を求める工程、
(iv)(a)工程(iii)で求められたクーロン効率が所定の基準値未満であるか否か、もしくは(b)工程(iii)で求められた定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超えるか否か、又は、(c)工程(iii)で求められた定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)クーロン効率が所定の基準値未満である場合、もしくは、定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超える場合、又は、定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超える場合に、電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法を提供する。
(i)電池を充電した後に、電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、電池に対して定電流定電圧で充放電容量測定を行い、クーロン効率、定電流容量低下量及び定電圧容量低下量を求める工程、
(iv)(a)工程(iii)で求められたクーロン効率が所定の基準値未満であるか否か、もしくは(b)工程(iii)で求められた定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超えるか否か、又は、(c)工程(iii)で求められた定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)クーロン効率が所定の基準値未満である場合、もしくは、定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超える場合、又は、定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超える場合に、電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法を提供する。
まず、本発明の検査方法の検査対象である全固体電池について説明する。
本発明の全固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層の間に配置された固体電解質層との積層体を1つ以上含む。当該積層体を1つ又は例えばセパレータを介して2つ以上互いに積層してケースに収容し、密封する。全固体電池の正極層、負極層及び固体電解質層は、それぞれ、正極、負極及び固体電解質としての機能を有する材料から製造されたものであれば特に限定されず、当該技術分野で知られているものを用いることができる。正極層は正極集電体とその上に形成された正極合剤層とを含み、負極層は負極集電体とその上に形成された負極合剤層を含む。正極合剤層は、少なくとも正極活物質を含み、負極合剤層は、少なくとも負極活物質を含む。正極活物質及び負極活物質としては、例えば、全固体リチウム二次電池において使用可能な電極活物質が挙げられる。リチウム二次電池に使用可能な電極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2);ニッケル酸リチウム(LiNiO2);Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3O2(0≦x≦1);マンガン酸リチウム(LiMn2O4);Li1+xMn2−x−yMyO4(MがAl、Mg、Co、Fe、Ni及びZnから選ばれる1種以上であり、0≦x≦0.06、0.03≦y≦0.15)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル;チタン酸リチウム(LixTiOy、0.36≦x≦2、1.8≦y≦3);リン酸金属リチウム(LiMPO4、MはFe、Mn、Co及びNiから選ばれる1種以上);酸化バナジウム(V2O5)、酸化モリブデン(MoO3)などの遷移金属酸化物;硫化チタン(TiS2);グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料;リチウムコバルト窒化物(LiCoN);リチウムシリコン酸化物(LixSiyOz、x+4y−2z=0);リチウム金属(Li);リチウム合金(LiM;MはSn、Si、Al、Ge,Sb、P等から選ばれる1種以上);リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxM;MはSn、Ge及びSbから選ばれる1種以上、又は、NySb;NはIn、Cu及びMnから選ばれる1種以上);これらの誘導体などが挙げられる。ここで、正極活物質及び負極活物質それぞれには、明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位を比較し、貴な電位を示すものを正極活物質として、また、卑な電位を示すものを負極活物質として、組み合わせることで、任意の電圧の電池を構成することができる。
本発明の全固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層の間に配置された固体電解質層との積層体を1つ以上含む。当該積層体を1つ又は例えばセパレータを介して2つ以上互いに積層してケースに収容し、密封する。全固体電池の正極層、負極層及び固体電解質層は、それぞれ、正極、負極及び固体電解質としての機能を有する材料から製造されたものであれば特に限定されず、当該技術分野で知られているものを用いることができる。正極層は正極集電体とその上に形成された正極合剤層とを含み、負極層は負極集電体とその上に形成された負極合剤層を含む。正極合剤層は、少なくとも正極活物質を含み、負極合剤層は、少なくとも負極活物質を含む。正極活物質及び負極活物質としては、例えば、全固体リチウム二次電池において使用可能な電極活物質が挙げられる。リチウム二次電池に使用可能な電極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2);ニッケル酸リチウム(LiNiO2);Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3O2(0≦x≦1);マンガン酸リチウム(LiMn2O4);Li1+xMn2−x−yMyO4(MがAl、Mg、Co、Fe、Ni及びZnから選ばれる1種以上であり、0≦x≦0.06、0.03≦y≦0.15)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル;チタン酸リチウム(LixTiOy、0.36≦x≦2、1.8≦y≦3);リン酸金属リチウム(LiMPO4、MはFe、Mn、Co及びNiから選ばれる1種以上);酸化バナジウム(V2O5)、酸化モリブデン(MoO3)などの遷移金属酸化物;硫化チタン(TiS2);グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料;リチウムコバルト窒化物(LiCoN);リチウムシリコン酸化物(LixSiyOz、x+4y−2z=0);リチウム金属(Li);リチウム合金(LiM;MはSn、Si、Al、Ge,Sb、P等から選ばれる1種以上);リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxM;MはSn、Ge及びSbから選ばれる1種以上、又は、NySb;NはIn、Cu及びMnから選ばれる1種以上);これらの誘導体などが挙げられる。ここで、正極活物質及び負極活物質それぞれには、明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位を比較し、貴な電位を示すものを正極活物質として、また、卑な電位を示すものを負極活物質として、組み合わせることで、任意の電圧の電池を構成することができる。
正極合剤層及び負極合材層は、それぞれ、正極活物質及び負極活物質の他に、電極層へのイオン伝導性付与、導電性付与、可撓性付与等を目的として、それぞれ、固体電解質、導電助剤、バインダー等を含有していてもよい。
固体電解質としては、正極合剤層にイオン伝導性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、固体電解質層を構成する固体電解質として、下記に例示するものが挙げられる。また、バインダーとしては、電極層に可撓性を付与できれば特に限定されず、例えば、固体電解質層を構成するバインダーとして、下記に例示するものが挙げられる。
導電助剤としては、電極層に電子伝導性を付与できれば、特に限定されず、例えば、リチウム二次電池において使用可能なものが挙げられる。具体的には、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF(気相成長炭素繊維)、カーボンナノチューブなどの導電性炭素材料等が挙げられる。
固体電解質としては、正極合剤層にイオン伝導性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、固体電解質層を構成する固体電解質として、下記に例示するものが挙げられる。また、バインダーとしては、電極層に可撓性を付与できれば特に限定されず、例えば、固体電解質層を構成するバインダーとして、下記に例示するものが挙げられる。
導電助剤としては、電極層に電子伝導性を付与できれば、特に限定されず、例えば、リチウム二次電池において使用可能なものが挙げられる。具体的には、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF(気相成長炭素繊維)、カーボンナノチューブなどの導電性炭素材料等が挙げられる。
正極合剤層及び負極合剤層を構成する各成分の比率は特に限定されない。正極合剤層及び負極合剤層の厚さは特に限定されない。正極合剤層及び負極合剤層の厚さは、好ましくは0.1μm以上1000μm以下である。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質としては、例えば、リチウム二次電池に使用可能なものが挙げられる。リチウム二次電池の固体電解質として、具体的には、Li2O−B2O3−P2O5、Li2O−SiO2、Li2O−B2O3、Li2O−B2O3−ZnOなどの酸化物系固体電解質、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−B2S3、Li3PO4−Li2S−Si2S、Li3PO4−Li2S−SiS2、LiPO4−Li2S−SiS、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、Li2S−GeS2、Li2S−Al2S3、Li2S−P2S5(例えばLi2SとP2S5を質量比50:50〜100:0、例えば70:30で含むLi2SとP2S5の混合物)などの硫化物系固体電解質などが挙げられる。
固体電解質層には、固体電解質層の可撓性などの観点から、バインダーが含まれることが好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂、ブタジエンゴム(BR)などのゴム性状樹脂などが挙げられる。
固体電解質層において、固体電解質層を構成する各成分の比率は特に限定されない。固体電解質層の厚さは特に限定されない。固体電解質層は、例えば0.1μm以上1000μm以下、好ましくは0.1μm以上300μm以下の厚さを有する。
正極集電体及び負極集電体は、集電体として機能できるものとして一般的に知られているものであれば特に限定されない。正極集電体の例としては、例えば、ステンレス(SUS)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)などの材料から製造されたものが挙げられる。負極集電体の例としては、例えば、ステンレス(SUS)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)などの材料から製造されたものが挙げられる。正極集電体及び負極集電体の形状は、全固体電池の用途に応じて適宜選択することができ、例えば箔状およびメッシュ状などの形状であることができる。集電体の厚さは、それら集電体の構成材料や、意図する用途などに応じて変えることができ、特に限定されない。正極集電体及び負極集電体の厚さは、典型的には
6μm以上30μm以下である。
6μm以上30μm以下である。
上記の全固体電池は、上述した部材の他に、セパレータ、正極集電体及び負極集電体に接続された正極端子及び負極端子などを有することができる。これらの部材の材質及び形状は、全固体電池の用途に応じて適宜選択することができる。
以下、図面を参照して本発明の全固体電池の検査方法を説明する。
図1は、本発明の全固体電池の検査方法の一実施形態のフローチャートである。本発明の検査方法は、全固体電池に対して実施する。
本発明の検査方法が開始されると、まず、全固体電池を初期充電する(ステップS11)。全固体電池が拘束せずに使用される場合には、拘束圧を加えずに全固体電池を初期充電する。全固体電池が所定の拘束圧が加えられた状態で使用される場合には、使用時の当該所定の拘束圧を加えた状態で全固体電池を初期充電する。
次に、ステップS12にて、全固体電池を自己放電させて、所定時間経過後の自己放電による電圧降下量ΔV1(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V1)を求める。
次に、ステップS13にて、ΔV1が第1の基準値を超えるか否かを判定する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS14)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合には、全固体電池の使用時の拘束圧よりも高い拘束圧を全固体電池に加える(ステップS15)。
次に、全固体電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で全固体電池を充電する(ステップS16)。
次に、全固体電池を自己放電させて、自己放電による電圧降下量ΔV2(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V2)を求める(ステップS17)。
次に、ステップS18にて、電圧降下量ΔV2が第2の基準値を超えるか否かを判定する。電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS14)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合には、微短絡が発生した不良品であると判定し(ステップS19)、検査を終了する。
本発明の上記の第1の実施形態によれば、検査した全固体電池について、ステップS13にて自己放電による電圧降下量ΔV1が第1の基準値を超えた場合であっても、ステップS18にて、電圧降下量ΔV2と第2の基準値とを比較することにより微短絡が発生していないと判定された場合には、検査した全固体電池を良品と判定する。本発明の検査方法の第1の実施形態は、上記のように、電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程と、電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程を含むことによって、微短絡をより高い精度で検出することができる。
図1は、本発明の全固体電池の検査方法の一実施形態のフローチャートである。本発明の検査方法は、全固体電池に対して実施する。
本発明の検査方法が開始されると、まず、全固体電池を初期充電する(ステップS11)。全固体電池が拘束せずに使用される場合には、拘束圧を加えずに全固体電池を初期充電する。全固体電池が所定の拘束圧が加えられた状態で使用される場合には、使用時の当該所定の拘束圧を加えた状態で全固体電池を初期充電する。
次に、ステップS12にて、全固体電池を自己放電させて、所定時間経過後の自己放電による電圧降下量ΔV1(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V1)を求める。
次に、ステップS13にて、ΔV1が第1の基準値を超えるか否かを判定する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS14)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合には、全固体電池の使用時の拘束圧よりも高い拘束圧を全固体電池に加える(ステップS15)。
次に、全固体電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で全固体電池を充電する(ステップS16)。
次に、全固体電池を自己放電させて、自己放電による電圧降下量ΔV2(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V2)を求める(ステップS17)。
次に、ステップS18にて、電圧降下量ΔV2が第2の基準値を超えるか否かを判定する。電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS14)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合には、微短絡が発生した不良品であると判定し(ステップS19)、検査を終了する。
本発明の上記の第1の実施形態によれば、検査した全固体電池について、ステップS13にて自己放電による電圧降下量ΔV1が第1の基準値を超えた場合であっても、ステップS18にて、電圧降下量ΔV2と第2の基準値とを比較することにより微短絡が発生していないと判定された場合には、検査した全固体電池を良品と判定する。本発明の検査方法の第1の実施形態は、上記のように、電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程と、電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程を含むことによって、微短絡をより高い精度で検出することができる。
ステップS11における初期充電及びステップS16における充電は、所定の電圧になるまで行う。ステップS11及びステップS16において、例えば、正極活物質がコバルト酸リチウムで構成され、負極活物質が天然黒鉛で構成される全固体電池の場合、電圧が4Vになるまで充電を行う。ステップS11における充電電圧及びステップS16における充電電圧は、微短絡を検出するために、同じ電圧であることが好ましい。全固体電池を拘束せずに使用する場合には、拘束圧を加えずに全固体電池を初期充電する。全固体電池が所定の拘束圧が加えられた状態で使用される場合には、使用時の当該所定の拘束圧を加えた状態で全固体電池を初期充電する。ステップS11における拘束圧は、好ましくは0MPa〜15MPaであり、ステップS15における拘束圧は、好ましくは10MPa〜200MPaである。全固体電池の場合、固体電解質層中や正極層及び負極層の表面などに導電性異物が存在すると、高い拘束圧を加えることによって、微短絡が顕著になり、自己放電量が増加する。
上記の全固体電池の積層体に対して拘束圧を加える方法としては、例えば、機械的に生成させた圧力を利用して加圧を行う機械加圧法、及びガス圧を利用して加圧を行うガス加圧法が挙げられるが、これらに限定されない。機械加圧法としては、例えば、モーターを駆動し、ボールネジを介して積層体の積層方向に加圧する方法や、モーターを駆動して油圧を介して積層体の積層方向に加圧する方法が挙げられる。所定の圧力まで加圧した後、メカニカルストッパーで稼働部を固定することによりモーターの駆動に伴うエネルギー消費を必要最低限に抑制することができる。ガス加圧法としては、例えば、ガスボンベから加圧ガスを介して積層体を加圧する方法が挙げられる。拘束圧は、微短絡検査ができる程度の圧力にとどめることが好ましい。
ステップS12及びS16における自己放電は、全固体電池を、所定の温度で、所定の時間放置することにより行う。ステップS12及びS16における自己放電は、同じ周囲環境条件(例えば温度、湿度など)で行うことが好ましい。ステップS12及びS16における自己放電は、例えば、全固体電池を、25℃の温度で30時間放置することにより行うことができる。
次に、図2を参照して、本発明の全固体電池の検査方法の別の実施形態(以下、「第2の実施形態」という)を説明する。
検査方法が開始されると、まず、全固体電池を初期充電する(ステップS21)。全固体電池は、使用時の所定の拘束圧を加えた状態で初期充電する。
次に、ステップS22にて、全固体電池を自己放電させて、自己放電による電圧降下量ΔV1(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V1)を求める。
次に、ステップS23にて、ΔV1が第1の基準値を超えるか否かを判定する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS24)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合には、次に、定電流−定電圧(cccv:constant current-constant voltage)で充放電容量測定を行い、クーロン効率ECD(すなわち定電圧(cv)放電容量/定電圧(cv)充電容量)、定電流(cc)容量低下量ΔC1(すなわち定電流(cc)放電容量−初期定電流(cc)放電容量)及び定電圧(cv)容量低下量ΔC2(すなわち定電圧(cv)放電容量−初期定電圧(cv)放電容量)を求める(ステップS25)。
次に、ステップS25で求められた、クーロン効率(ECD)、定電流(cc)容量低下量(ΔC1)及び定電圧(cv)容量低下量(ΔC2)について、ECDが所定の基準値未満であるか否か、もしくは、ΔC1が所定の第1の容量基準値を超えるか否か、又はΔC2が所定の第2の容量基準値を超えるか否かを判定する。ECDが所定の基準値未満である場合、もしくは、ΔC1が所定の第1の容量基準値を超える場合、又はΔC2が所定の第2の容量基準値を超える場合には、電池を不良品と判定し(S27)、検査を終了する。上記以外の場合には、電池を良品と判定し(ステップS24)、検査を終了する。
検査方法が開始されると、まず、全固体電池を初期充電する(ステップS21)。全固体電池は、使用時の所定の拘束圧を加えた状態で初期充電する。
次に、ステップS22にて、全固体電池を自己放電させて、自己放電による電圧降下量ΔV1(すなわち自己放電前に測定された電圧V0と所定時間の自己放電後に測定された電圧V1との差V0−V1)を求める。
次に、ステップS23にて、ΔV1が第1の基準値を超えるか否かを判定する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を以下である場合には、微短絡が発生していない良品と判定し(ステップS24)、検査を終了する。
電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合には、次に、定電流−定電圧(cccv:constant current-constant voltage)で充放電容量測定を行い、クーロン効率ECD(すなわち定電圧(cv)放電容量/定電圧(cv)充電容量)、定電流(cc)容量低下量ΔC1(すなわち定電流(cc)放電容量−初期定電流(cc)放電容量)及び定電圧(cv)容量低下量ΔC2(すなわち定電圧(cv)放電容量−初期定電圧(cv)放電容量)を求める(ステップS25)。
次に、ステップS25で求められた、クーロン効率(ECD)、定電流(cc)容量低下量(ΔC1)及び定電圧(cv)容量低下量(ΔC2)について、ECDが所定の基準値未満であるか否か、もしくは、ΔC1が所定の第1の容量基準値を超えるか否か、又はΔC2が所定の第2の容量基準値を超えるか否かを判定する。ECDが所定の基準値未満である場合、もしくは、ΔC1が所定の第1の容量基準値を超える場合、又はΔC2が所定の第2の容量基準値を超える場合には、電池を不良品と判定し(S27)、検査を終了する。上記以外の場合には、電池を良品と判定し(ステップS24)、検査を終了する。
ここで、ステップS25における充放電容量測定は、まず、充電状態(SOC:State of Charge)0%の電圧まで定電流−定電圧放電する。次に、SOC100%の電圧まで定電流定電圧充電し、再度SOC0%まで定電流−定電圧放電する。充放電容量の値からクーロン効率ECD、定電流容量低下量ΔC1及び定電圧容量低下量ΔC2を算出する。なお、充放電容量測定は、SOC0〜100%の範囲での測定に限らず、測定結果からクーロン効率ECD、定電流容量低下量ΔC1及び定電圧容量低下量ΔC2を算出することができれば、SOC10%〜90%の範囲や、その他の範囲でも実施できる。
ここで、上記の本発明の検査方法の第1及び第2の実施形態におけるΔV1についての「所定の第1の基準値」並びに第2の実施形態におけるΔV2についての「所定の第2の基準値」は、それぞれ、ΔV1及びΔV2を測定した所定時間に対応して、全固体電池に微短絡が発生していると判断される程度の電圧降下量として予め設定された値である。
さらに、上記の本発明の検査方法の第2の実施形態において、ECDについての「所定の基準値」は、電池内部での微短絡による漏れ電流の許容値として予め設定された値である。ΔC1についての「所定の第1の容量基準値」は電池の内部抵抗増加の許容値として予め設定された値である。ΔC2についての「所定の第2の容量基準値」は、Liイオン喪失の許容値として予め設定された値である。ΔC1が第1の容量基準値を超える原因としては、例えば、固体電解質の劣化が挙げられる。ΔC2が第2の容量基準値を超える原因としては、例えば、水分とのLiC6の反応が挙げられる。本発明の検査方法の第2の実施形態は、上記のように、電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程と、電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程を含むことによって、微短絡をより高い精度で検出することができる。微短絡や、それ以外の原因、例えば固体電解質の劣化、水分とのLiC6の反応などの原因による電池の欠陥の有無を高い精度で判定することができる。
図3は、自己放電による電圧降下量ΔV1について予め設定された第1の基準値及び電圧降下量ΔV2について予め設定された第2の基準値の例を、ΔV1及びΔV2と関連して示す。この例は、第1の基準値及び第2の基準値が時間依存性を有する場合の例であり、第1の基準値R1(t)及び第2の基準値R2(t)は、それぞれ、時間の関数として曲線(A)及び(D)で示されている。検査対象の電池が、ΔV1(t)≦R1(t)の放電曲線(B)を示す場合、当該電池は微短絡が発生していない良品であると判定され、ΔV1(t)>R1(t)の放電曲線(C)を示す場合、当該電池は微短絡が発生した不良品であると判定される。検査対象の電池が、ΔV2(t)≦R2(t)の放電曲線(E)を示す場合、当該電池は微短絡が発生していない良品であると判定され、ΔV2(t)>R2(t)の放電曲線(F)を示す場合、当該電池は微短絡が発生した不良品であると判定される。なお、第1の基準値R1(t)及び第2の基準値R2(t)は、予め求めた充電状態SOCと時間と電池容量と電圧の関係から決定することができる。第1の基準値R1(t)及び第2の基準値R2(t)は、正極材料及び負極材料の種類や正極と負極の容量比などの要因で変化するため、第1の基準値R1(t)及び第2の基準値R2(t)の曲線の形状は図3に示されているものに限定されない。ただし、第2の基準値R2(t)>第1の基準値R1(t)の関係を満たす。これは、第2の基準値R2(t)を基準にして上記判定を行う際の固体電解質層の厚みは、電池の拘束圧の増加のために、第1の基準値R1(t)を基準にする場合よりも薄いため、第2の基準値R2(t)を基準にして上記判定を行う際の漏れ電流が第1の基準値R1(t)を基準にする場合よりも増加するからである。
図4(a)は、微短絡が発生していない正常な電池についての充電時及び放電時のSOCに対する電圧特性を模式的に示すグラフ図であり、図4(b)は、微短絡が発生した電池についての充電時及び放電時のSOCに対する電圧特性を模式的に示すグラフ図である。図4(b)に示されているように、微短絡が発生した場合には、微短絡している部位から漏れ電流が流れ、充電した電荷が失われてしまうことで、充放電効率が低下することが判る。
本発明の検査方法により検査された全固体電池は、高い信頼性を有し、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両に搭載されるモーター用の電源として有用である。
Claims (2)
- 全固体電池の検査方法であって、
(i)前記電池を充電した後に、前記電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、前記電池の使用時の拘束圧を超える圧力下で前記電池を充電し、自己放電させて自己放電による電圧降下量ΔV2を求める工程、
(iv)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)電圧降下量ΔV2が所定の第2の基準値を超えた場合に、前記電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法。 - 全固体電池の検査方法であって、
(i)前記電池を充電した後に、前記電池の自己放電による電圧降下量ΔV1を求める工程、
(ii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えるか否かを判定する工程、
(iii)電圧降下量ΔV1が所定の第1の基準値を超えた場合に、前記電池に対して定電流定電圧で充放電容量測定を行い、クーロン効率、定電流容量低下量及び定電圧容量低下量を求める工程、
(iv)(a)工程(iii)で求められたクーロン効率が所定の基準値未満であるか否か、もしくは(b)工程(iii)で求められた定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超えるか否か、又は、(c)工程(iii)で求められた定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超えるか否かを判定する工程、及び
(v)クーロン効率が所定の基準値未満である場合、もしくは、定電流容量低下量が所定の第1の容量基準値を超える場合、又は、定電圧容量低下量が所定の第2の容量基準値を超える場合に、前記電池を不良品と判定する工程、
を含む、全固体電池の検査方法。
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