JP2015129902A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】急速且つ均一な加熱及び乾燥を可能にする定着装置を提供する。
【解決手段】高周波誘電制御回路100と、前記高周波誘電制御回路100により制御される高周波誘電電源回路101と、前記高周波誘電電源回路101が接続された導電性回転体105と、前記導電性回転体105を覆う高誘電体部材106と、導電性回転体103と、を有する。高周波誘電電源回路101は、導電性回転体103と導電性回転体105に高周波の交流の電圧を印加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に、電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置におけるシート部材の画像定着や乾燥に関する。
画像形成装置の技術分野においては、電子写真方式やインクジェット方式など種々の方式でシート部材に画像を形成した後段で、形成した画像を定着させるための工程を行うことがよく行われている。その際、シート部材をローラにより加圧するとともに何らかの手段により加熱するとよい。溶融したトナーやインクがシート部材の繊維に絡み、さらにシート部材が冷却されると、形成した画像をシート部材にしっかりと定着させることができる。
従来の定着装置の多くはハロゲンランプをローラ内部に設け、ハロゲンランプを発光させることでハロゲンランプから発せられる光でローラを加熱し、狙いの温度に達したことをローラ表面に設けた温度センサで確認後、トナーやインクが塗布されたシートを通すことでローラの熱と加圧力によってトナーやインクを溶融させシート部材の繊維と絡め、冷却することで溶融したトナーやインクが固形化することでシート部材への定着を可能にしていた。
しかし、従来のハロゲンランプを利用した定着方式では狙いの温度に達するまでの時間(立ち上がり時間)が長く、プリンタを使用する上で、プリンタの立ち上がり時間に対するユーザーの不満や時間当たりの消費電力(TEC値)の増大に繋がっていた。
また、今日ではインクジェットも高速化が望まれているが、インクには多くの水分が含まれているために渇きが不十分な場合、裏にじみや大量に印刷物を積んだ際に下画像が次の画像の裏面に張り付くなどの課題が生じる。そのため、今日ではインクを乾燥させるための乾燥装置が必要とされている。
このようなハロゲンランプを用いて加熱を行う方式に対して、特許文献1や特許文献2では、高周波誘電の原理を用いて加熱を行う方式が開示されている。特許文献1と特許文献2は、高周波誘電加熱を行う定着装置の先行技術例である。特許文献1に開示された定着装置においては、従来のようなハロゲンランプの発光によるローラやベルトの加熱とは異なり、電極に高周波電力を印加することにより加熱を行う。
一般的に言って、高周波誘電加熱には、急速且つ均一な加熱や乾燥が可能という利点がある。しかしながら、特許文献1や特許文献2では、高周波電力を棒状電極に印加することによりシート部材上のトナーやインクを直接加熱しようとしている。ところが、トナーは、高周波電力を印加しても自己発熱しない可能性があることが実験により判明した。また、インクを乾燥させる場合においても、インクの種類やインク量、膜厚や面積などの要因で乾燥効率が低下するという問題点がある。
本発明は、画像形成装置の定着装置において、加熱対象を直接高周波誘電により加熱する方式の問題点を克服した上で、急速且つ均一な加熱及び乾燥を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一態様は、高周波誘電制御回路と、前記高周波誘電制御回路により制御される高周波誘電電源回路と、前記高周波誘電電源回路が接続された第1の導電性回転体と、前記第1の導電性回転体を覆う高誘電体部材と、前記第1の導電性回転体に対向する位置に設けられ、前記高周波誘電電源回路が接続された第2の導電性回転体と、を有し、前記高周波誘電電源回路は、前記第1及び第2の導電性回転体に高周波の電圧を印加することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置の定着装置において、急速且つ均一な加熱及び乾燥が可能となる。
実施形態で利用する高周波誘電の原理を説明するための概念図である。 本発明による第1の実施形態の定着装置の構成を示す図である。 本発明による第2の実施形態の定着装置の構成を示す図である。 本発明による第3の実施形態の定着装置の構成を示す図である。 本発明による第4の実施形態の定着装置の構成を示す図である。 上記実施形態において用いることができる多層化された発熱層の構成を示す図である。
以下に説明する本発明による実施形態は、高周波誘電加熱を利用することで画像形成装置の立ち上がり時間を圧縮し、プリンタの立ち上げを瞬時に行なうオンデマンド定着を可能にする。また、画像形成装置の立ち上がり時間を圧縮することでユーザーの不満解消や時間当たりの消費電力(TEC値)の低減につなげることを可能にする。なお、高周波誘電加熱の利用に際しては、本来加熱対象としたいトナーやインクを直接的に加熱することはせず、後述する構成により間接的に加熱する。以下、まずは高周波誘電加熱の原理について簡単に述べる。
図1に、本実施形態で利用する高周波誘電の原理を説明するための概念図を示す。
高周波誘電加熱は、導電性よりも誘電性が優位な物質である誘電体に用いられる加熱方式である。誘電体の内部には、自由電子はあまり含まれていないがその代わり、分子の両側に陽陰等量の電荷を持ったたくさんのダイポール(双極子)が含まれている(図1(A),(B))。
ダイポールは、外から加えられる電気力線の方向が変わるにつれて、その平均位置を変えないで配列の軸方向を変えようとする(図1(C))。しかしながら、電界の極性変化に対して、ダイポールの振動が追いつかないと、その差が誘電体損失となり、誘電損により発熱する。したがって、誘電体の振動しやすさが加熱の効率に影響する。
なお、誘電加熱は、高周波のみならずマイクロ波でも同様に可能である。本明細書では、「高周波誘電」と言った場合、マイクロ波による誘電も含むこととする。
高周波誘電加熱のメリットは、加熱対象である誘電体を数秒のオーダーで高速に、且つ、均一に加熱できることである。ハロゲンヒータなどの外部加熱方式では中心部への熱移動は、被加熱物自体の熱伝導による。このため外側の温度は上がっても中心部がなかなか昇温せず、内部の昇温に長時間を要する。これに対して、加熱対象自体が発熱するので、熱伝導の時間を必要としないため短時間で均一に加熱することができる。
このような高周波誘電加熱を、本実施形態では以下に示す構成によりインクを直接加熱するのではなく間接的に加熱する。
<第1の実施形態>
トナーやインクを塗布したシート部材に定着させるためにはトナーを溶融させ、インクを乾燥させるために熱と加圧が必要である。そこで、図2に示すように本実施形態は熱源として、高誘電体部材106と導電性ローラ105、高周波誘電電源回路101、導電性対向ローラ103を有する。他に、シート部材121を搬送するためのシート部材搬送ローラ対120や余剰トナーを整除するためのクリーニング機構122なども有する。発熱の基本原理は上述しているためここでは割愛し、具体的動作について述べる。
まず、本定着装置が搭載されたシステムはシート部材121の搬送が開始される前に高周波誘電制御回路100に対し、システムから印刷開始信号が送信される。高周波誘電制御回路100は、高周波誘電電源回路101をONさせ、予め設定された狙いの値になるように高周波電源の交流電圧と周波数を制御し、回転電極をかえして導電性ローラ105に印加する。
本定着装置はトナーやインクを塗布したシート部材121に熱を加えるために定着装置を発熱させる必要がある。そこで、本実施形態においては、高周波誘電制御回路100と高周波誘電電源回路101が、回転電極102,104を介して接続された導電性ローラ105と導電性対向ローラ103の間に位置した高誘電体部材106に対し交流電界を加える。その結果、導電性ローラ105の周囲を覆う高誘電体部材106中の分子ダイポールが高周波で交流電界を印加することで高速で振動させられ、衝突・振動・摩擦などが生じ発熱を生じる。
尚、本交流電源回路には対向電極からの戻り電流や高誘電体部材106表面上に設けられた温度センサにより、交流電界の電圧、電流や周波数を常に監視し、異常温度の防止や狙いの温度に対する高誘電体の発熱温度の維持管理、更にはシート部材が通過時の材料や厚みの違いによる温度の変動を一定にする制御を可能にする機能も設けられている。
次に定着装置が狙いの温度に達すると高周波誘電制御回路100からシステムに対し、シート部材121の定着準備が整った意を示す信号を送信する。本信号を受けたシステムは、作像機能で作られたトナーやインクが塗布されたシート部材121の搬送を開始する。シート部材121は、シート部材搬送ローラ対120の作用により本定着装置まで搬送される。シート部材121上のトナーは、高誘電体部材106の発熱と導電性対向ローラ103と導電性ローラ105との加圧力で溶融される。また、インクは乾燥されシート部材121に定着させることができる。
定着後のシート部材121は再びシート部材搬送ローラ対120でシステムの排紙装置に排出され一連の定着動作は終了となる。この時、本定着装置はシート部材121が定着装置を抜けたことをセンサが確認する。高周波誘電制御回路100が高周波誘電電源回路101に停止信号を送信し、高周波電源出力を停止させる。
尚、この時、連続でシート部材の搬送が実施されている場合は、定着装置の発熱温度が下がるのを防止するために高周波電源出力はそのまま継続とする。
また、本実施形態中で導電性ローラ105と記載されているが、ここでいう導電性ローラとは剛性を持った金属(例えば、鉄、銅、アルミニュウム、など)や導電性樹脂更に樹脂表面に金属コートされた部材を示す。更にここでいう高誘電体部材の材料としては、比誘電率の高い物質が好ましい。
以上に述べた本実施形態によると、上記高周波誘電加熱のメリットで述べたような理由により定着装置において急速且つ均一な加熱及び乾燥が可能になるので、オンデマンド印刷のニーズに応えることができる。また、時間当たりの消費電力も抑えられる。その一方で、シート部材上のインクやトナーを直接加熱しようとする構成とは異なり、ゲル状部材が封入された高誘電体部材106が瞬時に昇温することにより加熱を行うため、インクであれば、インクの種類や量、膜圧や面積などにより昇温効率が左右されることがない。また、高周波誘電加熱をトナーに対して行うことは難しいが、本実施形態の構成によれば高周波誘電加熱が、トナーに対して加熱を行う定着装置にも適用が可能になる。
また、図2に示す定着装置においては、発熱構造体(高誘電体部材106+導電性ローラ105+導電性対向ローラ103)の他に、シールドカバー108の開閉においてインターロック機能が設けられている。本実施形態が高周波誘電加熱を利用するため、電磁波の漏れが発生し、人体への影響やシステム自体の誤動作などが懸念される。そこで、シート部材121の出入り口以外は導電性部材のシールドカバー108で定着装置全体を覆い高周波誘電電源回路101のFGなどと接続することでシールドを実施し、極力電磁波の漏れを防止している。
尚、電磁波の漏れを防止するために本定着装置を実装したシステムはメンテナンス時にシールドカバー108やシステム筐体カバーを開ける際には、これらのカバーの開閉をセンサで検知し、電磁波の漏れを防止するために高周波誘電電源回路101の出力をソフトをはじめハード的(高周波誘電電源回路の制御電源をOFFなど)にもOFFする機能を有している。
尚、ここで言う高周波とは国際電気通信連合(ITU)により電波をエネルギー源として産業・科学・医療に利用するために指定された周波数帯のISMバンド(Industry-Science-Medical)内の10KHz〜30GHzの範囲をいう。尚、実用化時には一般的に、産業用として使用されている周波数は13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、24.125GHzを使用することが好ましい。
以上に述べた構成によれば、電磁波の影響を回避することができる。
<第2の実施形態>
図3を参照して、上記実施形態の変形例(第2の実施形態)を説明する。
通常、発熱量を多くすることと、熱変形を防止するために誘電体としては、高い比誘電率と、高い誘電正接の値を示す水を中心とした液体やゲル状の材料の使用などが考えられる。しかしながら、これらの材料を使用すると、発熱することで蒸散してしまう。
そこで、蒸散させないことを狙いとし、低誘電体部材107で、これらの誘電体を覆う。例えば図3に示すようにシリコンゴムやテフロン(登録商標)など交流電界で発生する電磁波を通過させる材料により構成される低誘電体部材107を使用する。例えば、シリコンゴムやテフロンを円筒の袋状に加工し、中に高誘電体部材106を注入し、導電性ローラ105に筒状に接着固定する。
また、シリコンゴムや他のゴム部材やテフロンを筒状に発泡させ、発泡した穴中に液体やゲル状の高誘電体部材106に注入または含浸させ、後加工でローラの両端部からの液漏れが発生しないように溶着させ、その後、導電性ローラ105に接着固定するなどの方法でも良い。
以上のようにゴム部材やテフロン部材を使用し、液やゲル状にした高誘電体部材106を注入することで対向位置に設けられた導電性対向ローラ103との接触時に圧力で変形し、ニップ幅を確保することが可能となり、トナーやインクを塗布したシート部材121を定着する際に有効となる。また、高誘電体の蒸散も防ぐことが可能になる。
<第3の実施形態>
図4を参照して、上記実施形態のさらに別の変形例(第3の実施形態)を説明する。
上記第1又は第2の実施形態は、ニップ幅の確保に限界がある。ニップ幅が小さいことで、交流電界の通過幅が少なく、発熱する高誘電体の体積も小さいことから高速への対応は厳しい。そこで、本実施形態は、高誘電体と対向電極をベルト形状にすることで高誘電体と対向電極との接触している面積と体積を大きくとる。そのため、高誘電体の発熱面積を確保できることから高速への対応が可能になる。
具体的構成及び動作に対し下記以降に説明を加える。
トナーやインクを塗布したシート部材に定着させるためにはトナーを溶融させる必要がある。また、インクを乾燥させるためにも熱と加圧が必要である。図4に示すように本実施形態は熱源として、導電性ローラ103a,105aと高誘電体ベルト106a、高周波電源回路101、導電性対向ベルト103bを有する。発熱の基本原理は上述しているためここでは割愛し、具体的動作について述べる。
まず、本定着装置が搭載されたシステムはシート部材121の搬送が開始される前に高周波誘電制御回路100に対し、システムから印刷開始信号が送信される。高周波誘電制御回路100は、高周波誘電電源回路101をONさせ、予め設定された狙いの値になるように高周波電源の交流電圧と周波数を制御し、回転電極をかえして導電性ローラ103a,105aに印加する。
ここで、本定着装置はトナーやインクを塗布したシート部材121に熱を加えるために定着装置を発熱させる必要がある。そこで、高周波誘電制御回路100と高周波誘電電源回路101は、回転電極をかえして接続された導電性ローラ105aとローラと接触するように取り付けられた高誘電体ベルト106aと導電性対向ベルト103bに対し交流電界を加える。その結果、導電性ローラ105aの周囲を覆う高誘電体中の分子ダイポールが高周波で交流電界を印加することで高速で振動させ、衝突・振動・摩擦などを生じさせることで発熱が生じる。
さらに、本実施形態においては、図4に示すように、複数の固定電極109を高誘電体ベルト106aの内側に設ける。このため、高周波誘電電源回路101により交流電界が印加されることにより、急速且つ一様な発熱が生じる。
尚、本交流電源回路には導電性対向ベルト103bと接触している導電性ローラ103aからの戻り電流や高誘電体ベルト106aの表面上に設けられた温度センサにより、交流電界の電圧、電流や周波数を常に監視し、異常温度の防止や狙いの温度に対する高誘電体の発熱温度の維持管理、更にはシート部材121が通過時の材料や厚みの違いによる温度の変動を一定にする制御を可能にする機能も設けられている。
次に定着装置が狙いの温度に達すると高周波誘電制御回路100からシステムに対し、シート部材121の定着準備が整った意を示す信号を送信する。本信号を受けたシステムは作像機能で作られたトナーやインクが塗布されたシート部材121の搬送を開始し、シート部材搬送ローラ対120を通じて本定着装置まで搬送され、高誘電体ベルト106aの発熱と導電性対向ベルト103bと高誘電体ベルト106aとの加圧力でトナーを溶融させることができる。また、インクは乾燥されシート部材121に定着させることができる。
定着後のシート部材121は再びシート部材搬送ローラ対120でシステムの排紙装置に排出され一連の定着動作は終了となる。この時、本定着装置はシート部材121が定着装置を抜けたことをセンサで確認する。そして、高周波誘電制御回路100から高周波誘電電源回路101に停止信号を送信し、高周波電源出力を停止させる。尚、この時、連続でシート部材121の搬送が実施されている場合は、定着装置の発熱温度が下がるのを防止するために高周波電源出力はそのまま継続とする。
以上に述べた本実施形態によると、上述した各実施形態よりもさらなるニップ幅が得られる。そのため、シート部材に加える単位時間あたりの熱量を増大させることができ、さらなる高速化が可能になる。
尚、第1の実施形態や第3の実施形態において高誘電体部材106の対向位置にあるローラ(図2の導電性対向ローラ103)やベルト(図4の導電性対向ベルト103b)において無垢の金属で実施した場合、高誘電体ローラやベルトとの圧力によりシート部材121に塗布されたトナーやインクが金属表面に部分的に張り付いたりなどしてシート部材表面の画像剥離を起こしてしまう。
そこで、シート部材121のトナーやインク塗布面と接触する部材に電磁波を通過させる離型性材料(例えばシリコンやテフロンなど)の表面加工を施すことが好ましい。そうすることで、トナーやインク塗布面と接触する部材とトナーやインクの接着力よりトナーやインク剤がシート部材121との接着する力の方が強度が増し、トナーやインクの剥離が防止できる。図4に、このような離型性材料107aを高誘電体ベルト106aに表面加工した例を示す。なお、この離型性材料107aを表面加工する技術的思想は、第1、第2の実施形態における高誘電体部材106や低誘電体部材107にも適用することができる。
<第4の実施形態>
図5を参照して、上記実施形態のさらに別の変形例(第4の実施形態)を説明する。第3の実施形態は、高誘電体と対向電極をベルト形状にすることでニップ部を大きく取り、シート部材と接触する発熱面積を確保することによって高速化への対応を可能にしている。しかしながら、この第3の実施形態の構造では、高誘電体ベルト106aと導電性対向ベルト103bが接触していることから、インクやトナーが塗布されたシート部材が搬送されてくると、シート部材の材料によっては、インクやトナーがシート表面に溶融し固定される前に画像がベルトに接触し、インクやトナーによる画像を傷つけたり、壊してしまう危険性がある。
そこで、本実施形態では、図5に示すように導電性対向ベルト103bを稼動させるユニット(本説明では上ユニットという)を上下に可動させる上流側ステッピングモータ140a、下流側ステッピングモータ140b、上ユニット可動用ネジ部141、ネジ加工が施されたブラケット142に加えて、さらに、上流側と下流側にホームポジション位置を確認するセンサ143を備えるように構成する。また、この構成により、上ユニットの傾きを上流、下流側と可変できる機構にする。
そうすることで、シート部材やインクの種類によっては、上流側を下ユニット(高誘電体ベルト106aを稼動させるユニットをいう)との隙間を大きくすることで交流電界の強度を弱めることができ、徐々に下流側に行くことで高い熱を画像上のインクやトナーに加えることが可能となり、徐々に乾燥や延展が可能になり画像を傷つけたり、壊してしまう危険性が少なくなる。また、上ユニットを上流側、下流側の両方を下ユニットに対し隙間を可変することで交流電界の強度を可変することができ、徐々にインクやトナーに熱を加えることが可能となり、インクやトナー、シート種に応じた加熱が可能となる。
具体的構成及び動作に対し下記以降に説明を加える。
トナーやインクを塗布したシート部材に定着させるためにはトナーを溶融させる必要がある。また、インクを乾燥させるためにも熱と加圧が必要である。図5に示すように本実施形態は熱源として、導電性ローラ103a,105aと高誘電体ベルト106a、高周波誘電電源回路101、導電性対向ベルト103bを有する。発熱の基本原理は上述しているためここでは割愛し、具体的動作について述べる。
まず、本定着装置が搭載されたシステムはシート部材121の搬送が開始される前に高周波誘電制御回路100に対し、システムから印刷開始信号が送信されると同時に導電性対向ベルト103bを有する上ユニットの駆動制御回路(図示はなし)にシートやインクやトナー情報などを送信すると上ユニットの駆動制御回路は予めROM内に納められた前記情報に基づく上ユニットと下ユニット(導電性ローラ103a,105aと高誘電体ベルト106aを有するユニット)の隙間情報と印加する交流電界の強さを調整する電圧情報を発生させ、電圧情報は高周波誘電制御回路100に送信し、高周波誘電電源回路100に交流電界の値をセットする。
隙間情報は、ギャップ調整用の上流、下流側ステッピングモータ140をホームポジション位置から駆動するためのドライバー回路と前記隙間情報に基づいてステッピングモータ140の回転数を制御する制御回路に送信される。その後、上流、下流側に設けられた上ユニット稼動用ネジ部141をステッピングモータ140を回転させることで、取り付け角度が自由に変化するネジ加工されたブラケット142を返して上ユニットの上流側と下流側の隙間をそれぞれ可変させる。なお、「ステッピングモータ140」とは、上流側か下流側かを特定しないこと、若しくは、両方を指すことを意図したステッピングモータの呼び方である。
次に、高周波誘電制御回路100は、高周波誘電電源回路101をONさせ、前記、電圧情報に基づいて設定された狙いの値になるように高周波電源の交流電圧と周波数をセットする。次に、本定着装置はトナーやインクを塗布したシート部材121に熱を加えるために定着装置を発熱させる必要があるので、高周波誘電制御回路100と高周波誘電電源回路101は、回転電極をかえして接続された導電性ローラ105aとローラと接触するように取り付けられた高誘電体ベルト106aと導電性対向ベルト103bに対し交流電界を加える。その結果、導電性ローラ105aの周囲を覆う高誘電体中の分子ダイポールが高周波で交流電界を印加することで高速で振動させ、衝突・振動・摩擦などを生じさせることで発熱が生じる。
さらに、本実施形態においては、図5に示すように、複数の固定電極109を高誘電体ベルト106aの内側に設ける。このため、高周波誘電電源回路101により交流電界が印加されることにより、急速且つ一様な発熱が生じる。また、本実施例では図4、図5とも複数の固定電極を高誘電体ベルト106aの内側に設けているが、本実施例は、固定電極幅を細分化し、集約させることでさまざまな乾燥距離に対応できるようにしたもので、乾燥距離が固定されているようなら一枚板の電極でも可能である。
尚、本交流電源回路には導電性対向ベルト103bと接触している導電性ローラ103aからの戻り電流や高誘電体ベルト106aの表面上に設けられた温度センサにより、交流電界の電圧、電流や周波数を常に監視し、異常温度の防止や狙いの温度に対する高誘電体の発熱温度の維持管理、更にはシート部材121が通過時の材料や厚みの違いによる温度の変動を一定にする制御を可能にする機能も設けられている。
次に、定着装置が狙いの温度に達すると高周波誘電制御回路100からシステムに対し、シート部材121の定着準備が整った意を示す信号を送信すると、同時に上ユニットと下ユニットを上下の駆動ギヤ144をかえして回転を開始する。尚、この時、上ユニットと下ユニットが完全に接触しない場合は消費電力を抑えるために下ユニットのみ回転し、上ユニットは回転しないこともある。本信号を受けたシステムは作像機能で作られたトナーやインクが塗布されたシート部材121の搬送を開始し、シート部材搬送ローラ対120を通じて本定着装置まで搬送され、高誘電体ベルト106aの発熱と導電性対向ベルト103bと高誘電体ベルト106aが接触している場合は、加圧力でトナーを溶融させることができる。また、インクは乾燥されシート部材121に定着させることができる。
定着後のシート部材121は再びシート部材搬送ローラ対120でシステムの排紙装置に排出され一連の定着動作は終了となる。この時、本定着装置はシート部材121が定着装置を抜けたことをセンサで確認する。そして、高周波誘電制御回路100から高周波誘電電源回路101に停止信号を送信し、高周波電源出力を停止させると同時に定着ユニット(上ユニット、下ユニットと駆動、制御回路からなる)の可動を停止させる。
また、この時、上ユニット可動用ネジ部141を、ステッピングモータ140を回転させることで、取り付け角度が自由に変化するネジ加工されたブラケット142を返して上ユニットの上流側と下流側の隙間を狭める方向にそれぞれ可動させ、ホームポジション位置まで復帰させる。尚、この時、連続でシート部材121の搬送が実施されている場合は、定着装置の発熱温度が下がるのを防止するために高周波電源出力や定着ユニットの隙間はそのまま継続とする。
以上に述べた本実施形態によると、上述した各実施形態よりもさらなる交流電界の強さや印刷物に影響を調整が得られる。そのため、シート部材に加える最適乾燥が可能となる。
尚、第1の実施形態や第3の実施形態において高誘電体部材106の対向位置にあるロ−ラ(図2の導電性対向ローラ103)やベルト(図4、図5の導電性対向ベルト103b)において無垢の金属で実施した場合、高誘電体コーラやベルトとの圧力によりシート部材121に塗布されたトナーやインクが金属表面に部分的に張り付いたりなどしてシート部材表面の画像剥離を起こしてしまう。
そこで、シート部材121のトナーやインク塗方面と接触する部材に電磁波を通過させる離型性材料(例えばシリコンやテフロンなど)の表面加工を施すことが好ましい。そうすることで、トナーやインク塗布面と接触する部材とトナーやインクの接着力よりトナーやインク剤がシート部材121との接着する力の方が強度が増し、トナーやインクの剥離が防止できる。図6に、このような離型性材料107aを高誘電体ベルト106aに表面加工した例を示す。なお、この離型性材料107aを表面加工する技術的思想は、第1、第2の実施形態における高誘電体部材106や低誘電体部材107にも適応することができる。
上述した第2の実施形態の説明においては、高誘電体を蒸散させないように低誘電体部材で高誘電体を覆い、発熱層を多層化することについて述べた。しかしながら、装置の大きさや形状によっては、本定着や乾燥を行うユニットを大きくできない場合などが考えられる。特に、図4、図5で示すベルト形状などにする際には、発熱層をなるべく薄く加工する必要がある。
そこで、図6に示すようにゴム部材やテフロン部材をフィルム状にし、フィルム間に接着層を設け、貼り合わせることで多層化することによって、任意の径状を得るようにする。尚、この時、接着層においては昇温や昇温調節を狙いとし、高誘電体の接着剤(酢酸ビニル系、ウレタン系、ビニル系、ビニルウレタン系材料など)を使用することが望ましい。
更に、昇温の加速や調節をするために、一般的に誘電加熱における発熱量は、下記の式で計算できると言われている。
P=1/1.8*10-10*ε′r・tanδ・f・E2(W/m3
P:熱量(W/m3
ε′r・tanδ:損失係数
f:周波数(Hz)
E:電界強度(V/cm)
以上のことから、熱量は周波数に比例し、また、損失係数に比例する。
このことから、物質の損失係数は、下記式のようになる。
ε′′r=ε′r・tanδ
ε′′r:誘電損失
ε′r :比誘電率
tanδ:誘電正接
以上のことから、比誘電率や誘電正接が異なる部材(誘電加熱促進部材)を接着剤に添加する。そうすることで、さらなる昇温や昇温調節が期待できる。例えば、ABS、PC、PA6、PVC、PE、PEEK、LCP、POM、PES、PEI、PBT、PPS、PSFなどの樹脂、NaCl(塩化ナトリウム)、カーボン粉末やセラミック系粉末などを加える。
100 高周波誘電制御回路
101 高周波誘電電源回路
102 回転電極
103 導電性対向ローラ
104 回転電極
105 導電性ローラ
106 高誘電体部材
107 低誘電体部材
108 シールドカバー
120 シート部材搬送ローラ対
121 シート部材
122 クリーニング機構
103a 導電性ローラ
103b 導電性対向ベルト
105a 導電性ローラ
106a 高誘電体ベルト
107a 離型性材料
140a 上流側ステッピングモータ(ギャップ調整モータ)
140b 下流側ステッピングモータ(ギャップ調整モータ)
141 上ユニット可動用ネジ部
特許第4515175号公報 特開2008−129540号公報

Claims (7)

  1. 高周波誘電制御回路と、
    前記高周波誘電制御回路により制御される高周波誘電電源回路と、
    前記高周波誘電電源回路が接続された第1の導電性回転体と、
    前記第1の導電性回転体を覆う高誘電体部材と、
    前記第1の導電性回転体に対向する位置に設けられ、前記高周波誘電電源回路が接続された第2の導電性回転体と、を有し、
    前記高周波誘電電源回路は、前記第1及び第2の導電性回転体に高周波の電圧を印加することを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1の導電性回転体を、更に電磁波を通す部材で覆い外周を多層化したことを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1の導電性回転体を複数設け、
    前記高誘電体部材がベルト状であり、複数の前記第1の導電性回転体に架橋されており、
    複数の前記第1の導電性回転体との間に固定電極を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 定着装置を覆うシールドカバーの開閉においてインターロック機能を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. シート部材のトナーやインク塗布面と接触する部材に離型性材料での表面加工を行なうことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. さらに、前記第1の導電性回転体と前記第2の導電性回転体の隙間を、任意に可変できる機構を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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