JP2015131004A - 治療用樹脂シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 傷口を湿潤環境に保つ湿潤療法に好適に用いることができ、しかも、より使用品質の高い治療用樹脂シートを提供する。
【解決手段】 治療用樹脂シート10は、少なくとも一方の表面13aが鏡面とされ10μm以上1mm以下の厚さtを有する樹脂シート13と、この樹脂シート13に設けられた複数の貫通孔15とを備える。この治療用樹脂シート10によれば、鏡面とされた一方の表面13aで傷口11を覆うことより、一方の表面13aと肌12とが良好に密着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、治療用樹脂シートに関する。
傷口の治療法として、傷口を乾燥させずに湿潤環境下で傷口を治す方法(以下、「湿潤療法」と称する)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1には、一般に市販されている食品包装用のラップフィルムで傷口を覆い、傷口を湿潤環境に保つことが記載される。しかし、食品包装用のラップフィルムは、安価に入手できる反面、プラスチック製であるため肌に密着しにくく、肌の動きに追従しにくい。また、ラップフィルムで単に傷口を覆うと、傷口から出てくる体液がラップフィルムの下に溜まってしまう。このため、体液を透過させる孔をラップフィルムに治療の度に開ける必要がある。
一方、この湿潤療法に用いる専用の被覆用品も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、排液孔付きフイルムを備えるドレッシングフイルムが開示される。このドレッシングフイルムでは、排液孔付きフイルムに吸収体を重ね、創傷の浸出液をフイルムの排液孔を経て吸収体に吸収させ、浸出液を排出しつつ創傷を湿潤環境に保つ。
ところで、湿潤療法が普及する中、より使用品質の高い被覆用品が要望されている。具体的には、肌に対する密着性がより高く、しかも、より良好に体液が排出される技術が要望されている。しかし、フイルムに排液孔を単に設けた特許文献1の技術では、密着性の向上や排液性の向上に限界がある。
[online]、インターネット<URL:http://www.koseikan.jp/visit/medical_column/list/detail/column_739.html>
登録実用3142660号公報
そこで、本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、湿潤療法に好適に用いることができ、しかも、より使用品質の高い治療用樹脂シートを提供することにある。
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、傷口を湿潤環境に保つ治療用樹脂シートであって、少なくとも一方の表面が鏡面とされ10μm以上1mm以下の厚さを有する樹脂シートと、樹脂シートに設けられた複数の貫通孔と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明は、上記(1)の構成において、貫通孔の直径が0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする。
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の構成において、貫通孔が、樹脂シートの単位面積当たりに設けられる貫通孔の総面積を単位面積で割って求められる開口率が0.5%以上50%以下となるように形成されていることを特徴とする。
(4)本発明は、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、樹脂シートが、シリコーンゴムからなることを特徴とする。
(5)本発明は、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、樹脂シートが30以上98以下のショアA硬度(JIS K7311)を有することを特徴とする。
(6)本発明は、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、樹脂シートが傷口に触れる面と反対側の面に、傷口から出てくる体液を吸収する吸収シートを有することを特徴とする。
本発明によれば、湿潤療法に好適に用いることができ、しかも、より使用品質の高い治療用樹脂シートを提供することができる。
本発明に係る実施形態の治療用樹脂シートの斜視図である。 治療用樹脂シートの他の実施例を示す分解斜視図である。 図2のA矢視図であり、樹脂シートの平面図である。 図2のB矢視図であり、樹脂シートの平面図である。 (a)は図1のC−C線断面図、(b)は(a)のD部拡大図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(治療用樹脂シート10の構成)
まず、治療用樹脂シート10の構成を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の治療用樹脂シート10は、傷口11を覆うように肌12に貼付され、傷口11を含む患部を湿潤環境に保つ樹脂シート13と、この樹脂シート13に設けられた複数の貫通孔15とを備える。なお、治療用樹脂シート10は、褥瘡(一般に床ずれと称される)など、湿潤療法で治療可能な各種の傷口に適用可能である。
また、図2に示すように、治療用樹脂シート10は、樹脂シート13の表面のうち、傷口11(図1参照)に触れる面(一方の表面13a)側に、使用前に剥離される保護シート16を備えるものでもよい。さらに、治療用樹脂シート10は、樹脂シート13の表面のうち、傷口11(図1参照)に触れる面と反対側の面(他方の表面13b)に、傷口11から出てくる体液を吸収する吸収シート17(例えば、ガーゼなど)を備えるものでもよい。
(樹脂シート13の構成)
次に、樹脂シート13の構成を図3及び図4に基づいて説明する。
図3に示すように、樹脂シート13は、この例では、略長方形状に形成される。樹脂シート13の構成材料としては、柔軟性、粘着性、透明性、耐水性などに優れるシリコーンゴムが好適である。
なお、樹脂シート13の形状は、この例に格別に限られるものではなく、略長方形状の他、略正方形状や略円形状など各種の形状から選択可能である。また、樹脂シート13は、ロール状に巻き取られた長尺のシートでもよく、その場合、傷口11(図1参照)の大きさや傷口11の位置(体の部位)などに合わせて、樹脂シート13を適宜切断して用いることができる。
樹脂シート13の少なくとも一方の表面13aは、鏡面とされる。
鏡面とは、JIS B0601-2001に準拠して測定する表面粗さの値が、算術平均粗さRaで0.1μm以下、最大高さ粗さRzで1.0μm以下の面状態である。
本発明の樹脂シートは、従来公知のカレンダー成形、押出成形などの各種成形方法や、流延法、バーコート法、コンマコート法、ブレードコータ法などの各種コーティング方法により、金属製または樹脂製の薄板状基板へ塗布することにより得られる。また、樹脂製の長尺フィルム上へ連続して塗布し、巻取ることにより長尺の樹脂シートを得ることもできる。
より具体的には、樹脂シートの表面を鏡面にする場合、算術平均粗さRaで0.1μm以下、最大高さ粗さRzで1.0μm以下の面状態を有するPETフィルムやOPPフィルム上に樹脂組成物をシート状に塗布し、その表面を転写させればよい。樹脂シートの表面をマット面とする場合、所望の粗さにマット加工したPETフィルムやOPPフィルム上に樹脂組成物をシート状に塗布し、その表面を転写させればよい。
図4に示すように、樹脂シート13の他方の表面13bは、鏡面又は鏡面以外の面のいずれでも差し支えない。ここでは、他方の表面13bを面の粗さが大きいマット面とした例を示す。この場合、鏡面とされた一方の表面13aと、マット面とされた他方の表面13bとが密着しにくくなる。このため、樹脂シート13を貼付する際、一方の表面13aと他方の表面13bとが密着してしまうことを防ぐことができ、樹脂シート13の貼付が容易になるという効果が得られる。
樹脂シート13の厚さt(図1参照)は、10μm以上1mm以下の範囲から設定することが好適である。また、高い透明性が樹脂シート13に要求される場合、厚さt(図1参照)は、できるだけ薄く設定することが好適である。
樹脂シート13の硬度は、肌12(図1参照)に対する樹脂シート13の密着性、追従性を考慮すると、30以上98以下の範囲、望ましくは、30以上80以下の範囲から設定することが好適である。ここで、「硬度」は、JIS K7311に準拠して測定されるショアA硬度である。この樹脂シート13の硬度は、樹脂シート13が使用される傷口11の位置(体の部位)などに応じて設定することができる。
(貫通孔15の構成)
次に、貫通孔15の構成を図5に基づいて説明する。
図5(a)及び(b)に示すように、貫通孔15は、樹脂シート13を厚さ方向に貫通する孔であり、傷口11からの体液を一方の表面13a側から他方の表面13b側に透過させる(矢印(1))。この例では、複数の貫通孔15を樹脂シート13の全体に亘ってピッチPで格子点状に配列した構成を示すが、複数の貫通孔15の配列は、樹脂シート13に要求される仕様に応じて任意に変更可能である。
貫通孔15の直径dは、排液性や、樹脂シート13の実使用上の引裂強度を考慮すると、0.5mm以上5mm以下の範囲から設定することが好適である。
また、貫通孔15の開口率についても、排液性や、樹脂シート13の実使用上の引裂強度を考慮すると、0.5%以上50%以下の範囲から設定することが好適である。ここで、「開口率」は、樹脂シート13の単位面積当たりに設けられる貫通孔15の総面積を単位面積で割って求められる割合(=(単位面積当たりの貫通孔15の総面積/単位面積)×100)である。
(複数の貫通孔15の実施例)
複数の貫通孔15の実施例1〜3を表1に示す。実施例1〜3は、100mm四方の樹脂シート13に複数の貫通孔15を設けたものであり、表1では、実施例1〜3それぞれの貫通孔15の直径d、1個の貫通孔15の開口面積、ピッチP、貫通孔15の数、開口総面積及び開口率を示している。
Figure 2015131004
表1に示すように、実施例1では、100mm四方の樹脂シート13において、直径1mmの貫通孔15をピッチ10mmで100個配置する。この場合、開口総面積が78.5mmとなり、開口率が0.8%の樹脂シート13が得られる。
実施例2では、100mm四方の樹脂シート13において、直径2mmの貫通孔15をピッチ20mmで30個配置する。この場合、実施例1に比べて貫通孔15の1個当たりの開口面積が大きくなるが、貫通孔15の個数を少なくすることで、実施例1と同程度の開口率(0.9%)の樹脂シート13が得られる。
実施例3では、100mm四方の樹脂シート13において、直径2mmの貫通孔15をピッチ10mmで100個配置する。この場合、実施例1,2よりも大きな開口率(3.1%)の樹脂シート13が得られる。
上記実施例1〜3から分かるように、開口率は、貫通孔15の直径d、ピッチP、個数を適宜設定することにより、樹脂シート13に要求される排液性や引裂強度に応じて任意に調整することができる。
(実施形態の効果)
以上、説明した治療用樹脂シート10の効果について述べる。
治療用樹脂シート10によれば、鏡面とされた一方の表面13aで傷口11を覆うことより、一方の表面13aと肌12とが良好に密着する。
また、一方の表面13aの肌12への密着性が高まることから、傷口11から出てくる体液が樹脂シート13の周縁から外に染み出たり、樹脂シート13が肌12から浮いて樹脂シート13の下に体液が溜まり易くなったりすることを防止できる。その結果、貫通孔15を介して体液をより良好に排出することができる。加えて、傷口11に触れる一方の表面13aを鏡面とすることで、樹脂シート13の透明性が高まるため、傷口11の状態が見易くなる効果も得られる。
さらに、樹脂シート13をシリコーンゴムで構成することにより、肌12への密着性及び追従性において、より優れた治療用樹脂シート10を提供することができる。
加えて、傷口11に触れる面(一方の表面13a)とは反対側の面(他方の表面13b)に吸収シート17を設けることによって、傷口11からの体液が複数の貫通孔15を介して吸収シート17に吸収される。これにより、より衛生的な治療用樹脂シート10を提供することができる。
したがって、本実施形態によれば、傷口11を湿潤環境に保つ湿潤療法に好適に用いることができ、しかも、使用品質及び衛生性に優れる治療用樹脂シート10を提供することができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 治療用樹脂シート
11 傷口
12 肌
13 樹脂シート
13a 一方の表面(傷口に触れる面)
13b 他方の表面(傷口に触れる面とは反対側の面)
15 貫通孔
17 吸収シート
t 厚さ
d 直径

Claims (6)

  1. 傷口を湿潤環境に保つ治療用樹脂シートであって、
    少なくとも一方の表面が鏡面とされ10μm以上1mm以下の厚さを有する樹脂シートと、
    前記樹脂シートに設けられた複数の貫通孔と、を備えることを特徴とする治療用樹脂シート。
  2. 前記貫通孔の直径が0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の治療用樹脂シート。
  3. 前記貫通孔が、前記樹脂シートの単位面積当たりに設けられる前記貫通孔の総面積を前記単位面積で割って求められる開口率が0.5%以上50%以下となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用樹脂シート。
  4. 前記樹脂シートが、シリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の治療用樹脂シート。
  5. 前記樹脂シートが30以上98以下のショアA硬度(JIS K7311)を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の治療用樹脂シート。
  6. 前記樹脂シートが傷口に触れる面とは反対側の面に、傷口から出てくる体液を吸収する吸収シートを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の治療用樹脂シート。
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