JP2015137272A - 新規のペプチド及び疾患の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)に関連した新規のペプチドを提供する。
【解決手段】以下の特徴を有するペプチド
(I)hproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体と、hBNPのC末端尾部に結合する抗体とを用いたサンドイッチアッセイで検出される。及び
(II)血液中のhBNP分解機構に対してhBNPよりも耐性を有する。
並びに、検体中に存在する当該ペプチドを測定して心疾患等のhBNPの増減を指標とする疾患を検出する。
【選択図】図2
【解決手段】以下の特徴を有するペプチド
(I)hproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体と、hBNPのC末端尾部に結合する抗体とを用いたサンドイッチアッセイで検出される。及び
(II)血液中のhBNP分解機構に対してhBNPよりも耐性を有する。
並びに、検体中に存在する当該ペプチドを測定して心疾患等のhBNPの増減を指標とする疾患を検出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドに関連する新規のペプチドに関する。
BNPはブタの脳から最初に単離された(非特許文献1)ことから、脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain Natriuretic Peptide:BNP)と命名された。しかし、ヒトにおいて、BNPは心臓で合成・分泌されることが示唆され、(非特許文献2)、心臓より単離・同定された(非特許文献3)。従って、脳(brain)という単語はB型に変更され、現在ではBNPはB型ナトリウム利尿ペプチドを意味する。
BNPは血中を循環し、強力な心血管性及び腎性作用を発揮する。ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(以下、hBNPとする)は32アミノ酸残基からなり、hBNPの前駆体であるヒトプロB型ナトリウム利尿ペプチド(以下、hproBNPとする)のアミノ酸配列77−108位に相当する。hBNPは、2つのシステイン残基の間のジスルフィド結合によって閉じている17アミノ酸からなる環状部、9アミノ酸からなるN末端尾部及び6アミノ酸からなるC末端尾部からなる。また、血中でhBNPをインキュベートすると、N末端の2アミノ酸残基が脱離し、hBNP(3−32)が生じることが知られている(非特許文献4)。hBNP(3−32)は、hBNPのアミノ酸配列3−32位に相当し、hproBNPのアミノ酸配列の79−108位に相当するペプチドである。さらに、心疾患患者の血液中には、hBNPやhBNP(3−32)のみならず、hBNP(4−32)やhBNP(5−32)(それぞれhBNPのアミノ酸配列の4−32位、5−32位に相当するペプチド)などの、hproBNPから派生した様々な分子が存在することが確認されている(特許文献1)。
現在、サンドイッチアッセイで用いられている2つの抗hBNP抗体の認識部位は、それぞれhBNPの環状部、C末端尾部である。このようなサンドイッチアッセイを用いた場合、hBNPのみならず、hBNPと同じ環状部及びC末端尾部を有する分子すべてが区別なく検出される(以下、該サンドイッチアッセイで検出される分子の総称をhBNP分子群とする)。
Nature 332,78−81(1988)
Biochem.Biophys.Res.Commun.159,1427−1434(1989)
FEBS Lett.259,341−345(1990)
Clin Chim Acta 316:129−135(2002)
本発明は、hBNPに関連した新規のペプチドを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題に関し鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)以下の特徴を有するペプチド。
(I)hproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体と、hBNPのC末端尾部に結合する抗体とを用いたサンドイッチアッセイで検出される。及び
(II)血液中のhBNP分解機構に対してhBNPよりも耐性を有する。
(2)検体中に存在する(1)に記載のペプチドを測定することを特徴とする、hBNPの増減を指標とする疾患の検出方法。
(1)以下の特徴を有するペプチド。
(I)hproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体と、hBNPのC末端尾部に結合する抗体とを用いたサンドイッチアッセイで検出される。及び
(II)血液中のhBNP分解機構に対してhBNPよりも耐性を有する。
(2)検体中に存在する(1)に記載のペプチドを測定することを特徴とする、hBNPの増減を指標とする疾患の検出方法。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のペプチドは、いくつかの心疾患患者の血液検体中に見出された。該ペプチドは、hproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体(以下、hBNP特異抗体とする)と、hBNPのC末端尾部に結合する抗体を用いたサンドイッチアッセイで検出されるペプチドである。また該ペプチドは、血液中のhBNP分解機構に対してhBNPよりも耐性を有する、即ち分解されにくいという特徴を有する。
心疾患患者の血液検体中のhBNP分子群濃度とhBNP濃度(hBNP特異抗体とhBNPのC末端尾部に結合する抗体を用いたサンドイッチアッセイで検出されるもの)を測定したところ、hBNP分子群濃度に対するhBNP濃度の割合が大きい血液検体と小さい血液検体の2つのグループに分類されることを見出した(以下、それぞれをグループ1、グループ2とする)。当初、グループ1のhBNP分子群濃度に対するhBNP濃度の割合が大きいのは、血液検体中のhBNP分解活性が低下しているため、hBNPの残存量が大きいからだと考えた。そこで、市販のhBNPを心疾患患者の血液検体に添加し、一定時間経過後ごとにhBNP濃度を測定したところ、hBNP濃度の減少はグループ1とグループ2で大きな差はなかった。すなわち、グループ1の血液検体のhBNP分解活性が特別に低下しているわけではないことがわかった。
よって、グループ2の血液検体には従来のhBNPが存在するが、グループ1の血液検体には従来のhBNPに加えて本発明の新規なペプチドが存在し、その分だけ高い値を示したと考えられる。
この本発明のペプチドは、hBNP特異抗体とhBNPのC末端尾部に結合する抗体を用いたサンドイッチアッセイで検出することができるため、hBNPそのものであるとも考えられた。しかし、hBNPは血液中で非常に分解されやすいのに対して、本発明のペプチドは血液中で分解されにくいため、hBNPそのものではなく、亜型のhBNPであると考えられる。
本発明はさらに、検体中に存在する該ペプチドを測定しhBNPの増減を指標とする疾患を検出する方法を提供する。hBNPの増減を指標とする疾患とは、高血圧、心疾患、腎疾患などが挙げられ、特に心疾患に有用であることが期待される。概ペプチドの測定は、ELISAや質量分析等の各種手法により行なえばよい。検体としては血液等が挙げられる。
本発明は、BNPに関連する新規のペプチドである。本発明は高血圧や心機能・腎機能の診断など、hBNPの増減を指標とする疾病の診断に有用であることが期待される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例により限定されるものではない。
[実施例1]hBNP特異抗体の単離
hBNP特異抗体を以下の方法で単離した。
hBNP特異抗体を以下の方法で単離した。
(1)免疫用コンジュゲ−ト液の作製
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、業者にペプチド合成を依頼して得た。該ペプチドフラグメント溶液(10mg/ml、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で溶解したもの)と、マレイミド活性化KLH溶液(10mg/ml、PBSで溶解したもの)を、体積比1:1で混和し、室温で2時間撹拌して反応させた。その後、反応液をPBSに対して2日間4℃で透析することにより、免疫用コンジュゲート液を得た。
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、業者にペプチド合成を依頼して得た。該ペプチドフラグメント溶液(10mg/ml、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で溶解したもの)と、マレイミド活性化KLH溶液(10mg/ml、PBSで溶解したもの)を、体積比1:1で混和し、室温で2時間撹拌して反応させた。その後、反応液をPBSに対して2日間4℃で透析することにより、免疫用コンジュゲート液を得た。
(2)免疫
上述の免疫用コンジュゲート液(1mg/ml)とフロイントの完全アジュバントを等量ずつ混合して乳濁液とし、これをマウス(雌、6週令)の腹腔内に0.1mlずつ1週間間隔で計4回注射した。マウス1匹1回当たりのコンジュゲ−ト投与量は50μgであった。更に最終免疫の1週間後に、ブ−スタ−として免疫用コンジュゲート液をPBSで0.5mg/mlに希釈したもの(0.1ml)を腹腔内に投与した。
上述の免疫用コンジュゲート液(1mg/ml)とフロイントの完全アジュバントを等量ずつ混合して乳濁液とし、これをマウス(雌、6週令)の腹腔内に0.1mlずつ1週間間隔で計4回注射した。マウス1匹1回当たりのコンジュゲ−ト投与量は50μgであった。更に最終免疫の1週間後に、ブ−スタ−として免疫用コンジュゲート液をPBSで0.5mg/mlに希釈したもの(0.1ml)を腹腔内に投与した。
(3)細胞融合
ブ−スタ−免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出し、その細胞を赤血球溶解バッファーにて赤血球を破壊した。残った細胞をE−RDF培地に懸濁して細胞融合に用いる脾リンパ球とした。次に同じくE−RDF培地に懸濁したミエローマ細胞0.4×107個を脾リンパ球1.6×107個と混合し、遠心(1000rpm、5分)後、上清を除去した。細胞沈殿物をマンニトール緩衝液(250mM マンニトール、100mM 塩化カルシウム、100mM 塩化マグネシウム)に懸濁し、電気的細胞融合を行なった。電気的細胞融合を行なった細胞懸濁液をHAT培地(100μM ヒポキサンチン、0.4μM アミノプテリン、16μM チミジンを含むGIT培地)200mlに懸濁し、384ウエル細胞培養プレ−ト10枚の各ウエルに0.05mlずつ分注した。約7日後にはハイブリド−マの増殖が認められた。
ブ−スタ−免疫から3日後にマウスの脾臓を摘出し、その細胞を赤血球溶解バッファーにて赤血球を破壊した。残った細胞をE−RDF培地に懸濁して細胞融合に用いる脾リンパ球とした。次に同じくE−RDF培地に懸濁したミエローマ細胞0.4×107個を脾リンパ球1.6×107個と混合し、遠心(1000rpm、5分)後、上清を除去した。細胞沈殿物をマンニトール緩衝液(250mM マンニトール、100mM 塩化カルシウム、100mM 塩化マグネシウム)に懸濁し、電気的細胞融合を行なった。電気的細胞融合を行なった細胞懸濁液をHAT培地(100μM ヒポキサンチン、0.4μM アミノプテリン、16μM チミジンを含むGIT培地)200mlに懸濁し、384ウエル細胞培養プレ−ト10枚の各ウエルに0.05mlずつ分注した。約7日後にはハイブリド−マの増殖が認められた。
(4)スクリーニング
得られたハイブリドーマから定法により抗体を得た。該抗体をELISAプレートに0.1μg/ウェルで固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、hBNP(Sigma−Aldrich社、Brain Natriuretic Peptide−32 human)を1ng/mLの濃度で調整し、当該溶液100μLをウェルに添加して反応させた。ウェルを洗浄後、hBNPのC末端尾部を認識する抗体BC23−11(特開2011−122957号公報)のアルカリ性フォスファターゼ標識体をウェルに添加して反応させた。反応後、定法に従いアルカリ性フォスファターゼ活性を測定することで該抗体とhBNPとの結合を観察した。該抗体とhproBNPまたはhBNP(3−32)との結合は、hBNPの代わりにhproBNP(HyTest社、Human recombinant proBNP glycosylated)またはhBNP(3−32)(業者によるペプチド合成により取得)を使用した上記測定方法を用いて観察した。結果を図1に示す。該抗体はhproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体(hBNP特異抗体)であることが明らかとなった。
得られたハイブリドーマから定法により抗体を得た。該抗体をELISAプレートに0.1μg/ウェルで固定化し、1重量%スキムミルクでブロッキングした。ウェルを洗浄後、hBNP(Sigma−Aldrich社、Brain Natriuretic Peptide−32 human)を1ng/mLの濃度で調整し、当該溶液100μLをウェルに添加して反応させた。ウェルを洗浄後、hBNPのC末端尾部を認識する抗体BC23−11(特開2011−122957号公報)のアルカリ性フォスファターゼ標識体をウェルに添加して反応させた。反応後、定法に従いアルカリ性フォスファターゼ活性を測定することで該抗体とhBNPとの結合を観察した。該抗体とhproBNPまたはhBNP(3−32)との結合は、hBNPの代わりにhproBNP(HyTest社、Human recombinant proBNP glycosylated)またはhBNP(3−32)(業者によるペプチド合成により取得)を使用した上記測定方法を用いて観察した。結果を図1に示す。該抗体はhproBNP及びhBNP(3−32)には結合しないがhBNPには結合する抗体(hBNP特異抗体)であることが明らかとなった。
[実施例2] hBNP分子群及びhBNPの測定
免疫測定装置として市販の全自動エンザイムイムノアッセイ装置(AIA−2000、東ソー社製)を用い、1ステップサンドイッチ法によりhBNP分子群及びhBNPの測定を行った。hBNP分子群の測定は、市販の免疫測定用試薬であるEテスト「TOSOH」II(BNP)(東ソー社製)を使用した。hBNPの測定は、実施例1で得られたhBNP特異抗体と、BC23−11を用いた免疫測定試薬を使用した。より具体的には、該免疫測定試薬には、水不溶性の担体に固定化したhBNP特異抗体と、アルカリ性フォスファターゼを標識したBC23−11を含む。
免疫測定装置として市販の全自動エンザイムイムノアッセイ装置(AIA−2000、東ソー社製)を用い、1ステップサンドイッチ法によりhBNP分子群及びhBNPの測定を行った。hBNP分子群の測定は、市販の免疫測定用試薬であるEテスト「TOSOH」II(BNP)(東ソー社製)を使用した。hBNPの測定は、実施例1で得られたhBNP特異抗体と、BC23−11を用いた免疫測定試薬を使用した。より具体的には、該免疫測定試薬には、水不溶性の担体に固定化したhBNP特異抗体と、アルカリ性フォスファターゼを標識したBC23−11を含む。
免疫測定試薬に血液検体(採血から室温で90分以上経過したもの)を添加し、定法に従い上述の装置でアルカリ性フォスファターゼ活性を測定した。なお、上記のようなサンドイッチ免疫測定において、予め既知濃度のhBNPを含む標準品を用いてその活性強度とhBNP濃度による標準曲線を作成しておけば、hBNP未知の試料の活性強度を測定することにより、そのhBNP濃度を標準曲線より算出することができる。
各血液検体のhBNP分子群濃度とhBNP濃度を測定した結果を図2に示す。hBNP分子群濃度に対するhBNP濃度の割合が大きい血液検体(グループ1)と小さい血液検体(グループ2)の2つのグループに分類されることがわかった。
[実施例3]血液検体のhBNP分解活性の測定
実施例2で分類された2つのグループの中から、それぞれ無作為に3つの血液検体を選択した。各血液検体800μlに20ng/mlのhBNP(Sigma−Aldrich社、Brain Natriuretic Peptide−32 human)を42μl添加した。添加0分後、30分後、60分後、90分後に、実施例2と同様の免疫測定により、hBNP濃度を測定した。結果を図3に示す。いずれの血液検体も同様に、hBNP濃度は時間経過とともに減少した。すなわち、血液検体によるhBNPの分解活性の差はないことがわかった。つまり、グループ1の血液検体中のhBNPは、従来のhBNPのみならず、血液中で分解されにくい亜型のhBNPを含むと考えられる。
実施例2で分類された2つのグループの中から、それぞれ無作為に3つの血液検体を選択した。各血液検体800μlに20ng/mlのhBNP(Sigma−Aldrich社、Brain Natriuretic Peptide−32 human)を42μl添加した。添加0分後、30分後、60分後、90分後に、実施例2と同様の免疫測定により、hBNP濃度を測定した。結果を図3に示す。いずれの血液検体も同様に、hBNP濃度は時間経過とともに減少した。すなわち、血液検体によるhBNPの分解活性の差はないことがわかった。つまり、グループ1の血液検体中のhBNPは、従来のhBNPのみならず、血液中で分解されにくい亜型のhBNPを含むと考えられる。
Claims (2)
- 以下の特徴を有するペプチド。
(I)ヒトプロB型ナトリウム利尿ペプチド及びヒトB型ナトリウム利尿ペプチドのアミノ酸配列3−32位に相当するペプチドには結合しないがヒトB型ナトリウム利尿ペプチドには結合する抗体と、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドのC末端尾部に結合する抗体とを用いたサンドイッチアッセイで検出される。及び
(II)血液中のヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの分解機構に対して、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドよりも耐性を有する。 - 検体中に存在する請求項1に記載のペプチドを測定することを特徴とする、ヒトB型ナトリウム利尿ペプチドの増減を指標とする疾患の検出方法。
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2014
- 2014-01-24 JP JP2014011433A patent/JP2015137272A/ja active Pending
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