JP2015138593A - 放射線管及び放射線発生装置 - Google Patents

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典孝 浮世
和宏 三道
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和宏 三道
斎藤 理一
Riichi Saito
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Abstract

【課題】 放射線管のターゲットと、放射線管の周囲に配置された冷却媒体とが接触することによる、ターゲット及び冷却媒体の損傷を防止する。【解決手段】 ターゲットを囲むように、前記開口部に配置され、前記ターゲットから放出された放射線の一部を遮蔽する遮蔽体を有する放射線管であって、前記遮蔽体は、前記ターゲットに連通する通路を有し、前記通路の端部は、蓋体により塞がれ、前記蓋体は、前記遮蔽体に圧接されて接合されていることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、医療機器分野や産業機器分野における、非破壊検査装置等に適用できる放射線管及びそれを備えた放射線発生装置に関する。
放射線管は、電子源から放出される電子を高電圧で加速してターゲットに照射することにより、放射線を発生させる。放射線の発生効率は極めて低く、投入電力の大部分はターゲットにおいて熱となる。この熱によりターゲットは高温になるため、ターゲットの熱損傷を防ぐ放熱構造が必要となる。
特許文献1では、ターゲット層を支持する透過基板に、放射線遮蔽体を接合した透過型放射線管が開示されている。遮蔽体の少なくとも一部が冷却媒体と接した構造をとることにより、ターゲットで発生した熱を遮蔽体に伝え、遮蔽体を介して冷却媒体に放熱することができる。
また、特許文献2には、ターゲット材が設置された構造物の凹部に、X線を透過する蓋を付け、凹部内を真空や不活性ガス等の非酸化雰囲気として、ターゲットの酸化を防止したターゲットアセンブリが開示されている。
特開2012−124099号公報 米国特許第7831021号明細書
遮蔽体の開口に蓋を接合する際に、接着剤を使用した場合は、接着剤が冷却媒体としての電気絶縁油に接触する。このとき、接着剤が絶縁油との化学反応により劣化することによって、蓋の気密性が低下する。そして、高温のターゲットと絶縁油とが接触することにより、絶縁油の劣化や変質が発生して絶縁耐圧が低下するとともに、ターゲットの酸化をもたらす。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ターゲットに接合された遮蔽体に密閉された空間を設けた放射線管において、密閉空間の気密性低下に伴う絶縁油の劣化や変質、更にターゲットの酸化を防止することにある。
本発明の放射線管は、開口部を有する外囲器と、前記外囲器の内部に配置された電子源と、前記電子源から放出された電子の照射により放射線を発生するターゲットと、前記ターゲットを囲むように、前記開口部に配置され、前記ターゲットから放出された放射線の一部を遮蔽する遮蔽体とからなる放射線管であって、前記遮蔽体は、前記ターゲットに連通する通路を有し、前記通路の端部は、蓋体により塞がれ、前記蓋体は、前記遮蔽体に圧接されて接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、冷却媒体の劣化や変質を防止すると同時に、ターゲットの酸化も防止することができるため、長時間にわたり安定的に放射線出力が可能な放射線管を提供することができる。
本発明に係る放射線管の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係るアノードの構成を模式的に示す模式図である。 本発明に係るアノードの他の構成を模式的に示す模式図である。 本発明に係る放射線発生装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る放射線撮影システムの構成を模式的に示すブロック図である。
本実施形態の放射線管の構成について説明する。本実施形態で用いる放射線は、X線であるが、中性子線や陽子線等の他の放射線にも適用可能である。
図1は、放射線管1の断面図、図2(a)は、アノード4の拡大断面図、図2(b)は、アノード4を蓋体9側から見た平面図である。
放射線管1は、外囲器3の内部に電子源2を備え、外囲器3の開口部にアノード4を配設している。電子源2とアノード4とは対向配置され、両者間には、30kV乃至150kVの加速電圧が印加される。電子源2から放出された電子が、アノード4を構成する透過型ターゲット(以下、ターゲット)7に衝突することにより、対向面側から放射線を発生する。即ち、放射線管1は、透過型放射線管である。
電子源2としては、熱陰極型電子源、冷陰極型電子源が用いられる。電子源2は、外囲器3を貫通するように配置した端子6を介して、外部の駆動回路と電気的に接続され、電子放出量及び電子放出のオン・オフ状態が制御される。
アノード4は、ターゲット7と遮蔽体8と蓋体9と押え板10から構成されている。ターゲット7は、放射線透過性の支持基板(以下、基板)7aとターゲット層7bとから構成され、電子線5がターゲット層7bに照射されることで放射線が発生する。基板7aは、放射線の透過性が高く、熱伝導が良く、真空封止に耐える強度を有する。基板7aとしては、放射線の透過率がアルミニウムよりも小さく、熱伝導率がタングステンよりも大きい、ダイヤモンド、窒化アルミ、窒化ケイ素が用いられる。ダイヤモンドは、他の材料に比べて熱伝導性が極めて大きく、放射線の透過性も高く、強度も優れているので、より好ましい。基板7aの厚さは、上記の機能を満足するように、0.3mm以上2mm以下が好ましい。
ターゲット層7bには、通常、原子番号26以上の金属材料を用いることができる。より好適には、熱伝導率が大きく融点が高いものほど良い。具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウム等の金属材料、又はこれらの合金材料を好適に用いることができる。ターゲット層7bの厚さは、ターゲット層7bへの電子の浸入長との関係から、1μm以上15μm以下が好ましい。基板7aへのターゲット層7bの形成は、スパッタ、蒸着、スクリーン印刷等により行なわれる。また、別の方法としては、圧延や研磨により所定の厚さのターゲット層7bを別途作製し、基板7aに高温高圧下で拡散接合することによりターゲットとすることも可能である。
遮蔽体8は、基板7aの外周を取り囲み、放射線放出側(放射線放出管1の外側)に突出して配置される。遮蔽体8は、ターゲット7に連通する通路を有しており、通路の電子源2側の端部又は端部から所定位置にターゲット7が接合されている。また、通路の電子源2側と対向する側の端部は、蓋体9により塞がれている。ターゲット7よりも電子源2側の通路は、電子線5をターゲット層7bに導くための電子通過路となり、対向側は、放射線を放射線管1の外部に導くための放射線通過路となる。ターゲット層7bから全方位に放出される放射線のうち不要な(一部の)放射線は遮蔽体8により遮蔽される。即ち、照射領域が制限された放射線が、放射線通過路を通って、蓋体9を透過し、外部に放出される。
遮蔽体8は、また、放熱体としての機能を有する。電子線5がターゲット7に照射されることで発生した熱は、遮蔽体8を通じて外部へ放熱される。遮蔽体8を構成する材料は、放射線の遮蔽部材としての観点からは放射線の吸収率が高いものが好ましく、放熱体としての観点からは熱伝導率の高いものが好ましい。例えば、タンタル、モリブデン等の金属材料を用いることができる。また、これらの放射線吸収率の高い材料を内側に用い、熱伝導率の高い材料(例えば銅やアルミ)を外側に用いて、2層構成として通路を形成することも可能である。
遮蔽体8と基板7aとの接合は、ろう付け等により行なわれる。接合に当たっては、外囲器3の内部を真空状態に維持できるような接合状態とすることが重要である。ターゲット7と遮蔽体と8は、基板7aの側面部又は周縁部の少なくとも何れかで、全周にわたって気密性を保った状態で接合されている。
蓋体9は、遮蔽体8と押え板10との間に配置され、当接部11において、遮蔽体8と当接している。押え板10は、蓋体9を遮蔽体8へ押し付け、当接部11において蓋体9を圧接しており、圧接により蓋体9と遮蔽体8間の気密性が保たれる。蓋体9と遮蔽体8と基板7aとで密閉空間を形成している。密閉空間の雰囲気は、必要に応じて、大気雰囲気、真空雰囲気、ArやN2等の非酸化雰囲気等より適宜選択させる。蓋体9を設けることで、高温となるターゲット7を放射線管1の外部環境と分離することができる。そのため、ターゲット7へのパーティクルの付着による汚染を防ぐことができる。また、ターゲット7と冷却媒体が直接接触しないため、冷却媒体及びターゲット7の双方のダメージを防ぐことができる。蓋体9の材料としては、ダイヤモンド、ガラス、ベリリウム、アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム等の放射線吸収率の低い材料が好ましい。また、基板としての強度を有し、且つ放射線の吸収を少なくするため、蓋体9の厚みは、50μm以上5mm以下が適当である。又、押え板10を構成する材料は、放射線を遮蔽する材料である、タンタル、タングステン、鉛、モリブデン等の金属材料を用いることができる。
押さえ板10を加圧することにより、蓋体9は遮蔽体8に圧接される。図2(a)、(b)に示すように、押え板10をボルト30にて遮蔽体8に固定し、ボルトによる加圧で蓋体9を変形させ圧接している。又、図3(a)に示すように、遮蔽体8に、めねじが形成され、押え板10がおねじとして作用し、ねじ込みよる加圧で蓋体9を変形させ圧接することもできる。又、図3(c)、(d)に示すように、遮蔽体8に押え板10をかしめて蓋体9を圧接することもできる。さらに、当接部11に対応する遮蔽体8及び押え板10の少なくともいずれかに、先の尖ったエッジ部が形成されていても良い。このエッジ部が蓋体9にくいこみ気密性を向上させる。
外囲器3は、ガラスやセラミックス等で構成され、放射線管1の内部は真空排気(減圧)されて、1×10−4Pa以下の真空度の空間となっている。冷陰極型電子源等の場合は、1×10−6Pa以下の真空度とするのがより好ましい。放射線管1内の真空度の維持の為に、ゲッタ(不図示)を外囲器3内部に配置してもよい。
次に、図4を用いて、本実施形態の放射線発生装置20について説明する。放射線発生装置20は、放射線管1と、これを内部に収容する収納容器22とを備え、収納容器22の余剰空間には冷却媒体として絶縁性流体23が満たされている。また、収納容器22には、放射線管1から放射される放射線を、外部に取り出すための放射線放出窓(以下、放出窓)21を備えている。収納容器22の内部には、回路基板や絶縁トランス等から構成される駆動回路24を設けても良い。駆動回路24から、放射線管1に放射線の発生を制御する所定の電圧信号が印加される。収納容器22は、容器としての十分な強度を有していれば良く、金属やプラスチックス材料等から構成される。放出窓21には、ガラス、アルミニウム、ベリリウム等が用いられる。絶縁性流体23は、電気絶縁性が高く、冷却能力が高く、熱による変質の少ない絶縁性液体が好ましく、例えば、シリコーン油、トランス油、フッ素系オイル等の電気絶縁油、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の絶縁性液体が用いられる。
従来の蓋体9を接着剤にて遮蔽体8に接着する方法では、接着部に接する絶縁性流体23として使用される電気絶縁油のケミカルアタック及びターゲットより発生する熱により接着剤劣化が進行する。結果、蓋体9と遮蔽体8間の気密性が低下してターゲット7へのパーティクル付着による汚染が生じる。また、高温となるターゲット7と電気絶縁油が直接接触し、電気絶縁油の分解が発生し、耐圧低下へと到る。本発明のように、蓋体9を当接部11に圧接させる形態であれば、蓋の気密性も悪化しない為、電気絶縁油の劣化や変質、更にターゲットの酸化を防止することができる。
次に、図5を用いて、本実施形態に係る放射線撮影システムの構成を説明する。放射線発生装置20は、必要に応じて、その放射線放出窓21部分に設けられた可動絞りユニット25を備えている。可動絞りユニット25は、放射線発生装置20から照射される放射線26の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット25として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置32は、放射線発生装置20と放射線検出装置31とを連携制御する。駆動回路24は、システム制御装置32による制御の下に、放射線管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置20から放出される放射線26の放出状態が制御される。放射線発生装置20から放出された放射線26は、被検体34を透過して検出器36で検出される。検出器36は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部35に出力する。信号処理部35は、システム制御装置32による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置32に出力する。システム制御装置32は、処理された画像信号に基づいて、表示装置33に画像を表示させるための表示信号を表示装置33に出力する。表示装置33は、表示信号に基づく画像を、被検体34の撮影画像としてスクリーンに表示する。
放射線の代表例はX線であり、本発明に係るX線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図1、図2に示す構成の放射線管1を作製した。作製方法を以下に示す。
ターゲット7を作製するために、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の合成ダイヤモンド基板を基板7aとして用意し、予め、UV−オゾンアッシャにより、表面の有機物を除去した。このダイヤモンド基板の一方の面上に、スパッタ法によりターゲット層7bとして直径3mm、厚さ6μmのタングステン膜を、メタルマスクを使用して形成した。尚、タングステン膜のパターン形成は、フォトリソグラフィを使用してもよいし、印刷法等を使用してもよい。
続いて、遮蔽体8とターゲット7をろう付けにより一体化した。遮蔽体8は、材料としてタングステンを使用し、機械加工で図2(a)に示すような形状に加工した。また、ターゲット7には、ろう付けのために側面周囲にチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成した。遮蔽体8の保持部9にターゲット7と銀、銅、チタンからなるろう材をセットして、850℃で焼成することで一体化した。
次に、ターゲット7と一体になった遮蔽体8を、含浸型の熱陰極を有する電子源2と対向させて、電子線5がターゲット7に照射できるように位置決めし、真空封止した。この際、外囲器3内にはゲッタ(不図示)も配置した。
最後に、図2(b)に示すように押え板10を使用して遮蔽体8の放射線放出側の開口端に蓋体9を圧接した。蓋体9としては、厚さ1mmで径が16mmのアルミニウム製のものを使用した。押え板10をボルト30にて遮蔽体8へ締込み、蓋体9を遮蔽体8との当接部11にて圧接した。遮蔽体8の開口の内径が12mmであり、当接部11は2mm幅で圧接した。これにより、接合材10が蓋体9と遮蔽体8とターゲット7とにより囲まれる密閉空間に入りこむことなく蓋体9と遮蔽体8とを接合することができた。
このようにして作製した放射線管1を、図3に示す放射線発生装置20内に電気絶縁油を封入して、長時間連続使用した場合、蓋の気密性も悪化しなかった。よって、電気絶縁油の分解が抑制され耐圧低下も発生せず安定して放射線を発生させることができた。
(実施例2)
本実施例の放射線管は、アノード部が図3(a)、(b)に示した形状とした以外は実施例1と同様にして作製した。遮蔽体8の開口内側の径が16mmであり、開口内側にピッチ2mmで、めねじを形成した。外径16mmの押え板10側の外周部にピッチ2mmで、おねじを形成した。めねじとおねじとが合わされることにより、厚さ1mmで径が16mmのアルミニウム製蓋体9を厚さを0.8mmまで潰して圧接した。さらに、この蓋体9と遮蔽体8の、当接部11に対応する部分に先の尖ったエッジを形成した。本例においても、実施例1と同様に、安定して放射線を発生させることができた。
1 放射線管
2 電子源
3 外囲器
7 ターゲット
8 遮蔽体
9 蓋体
10 押え板

Claims (7)

  1. 開口部を有する外囲器と、
    前記外囲器の内部に配置された電子源と、
    前記電子源から放出された電子の照射により放射線を発生するターゲットと、
    前記ターゲットを囲むように、前記開口部に配置され、前記ターゲットから放出された放射線の一部を遮蔽する遮蔽体とからなる放射線管であって、
    前記遮蔽体は、前記ターゲットに連通する通路を有し、
    前記通路の端部は、蓋体により塞がれ、
    前記蓋体は、前記遮蔽体に圧接されて接合されていることを特徴とする放射線管。
  2. 前記蓋体の外周部に配置された押え板を有し、
    前記蓋体は、前記押え板と前記遮蔽体との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の放射線管。
  3. 前記押え板と前記遮蔽体とは、ねじ留めされていることを特徴とする請求項2記載の放射線管。
  4. 前記押え板は、放射線を遮蔽する材料から構成されることを特徴とする請求項2に記載の放射線管。
  5. 前記遮蔽体及び前記押え板の少なくともいずれかは、前記蓋体と当接する部分に、エッジ部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線管。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線管と、
    前記放射線管を内部に収容する収納容器とを備え、
    前記収納容器の内部の余剰空間が冷却媒体で満たされていることを特徴とする放射線発生装置。
  7. 請求項6に記載の放射線発生装置と、
    前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
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