JP2015144079A - 非水電解質二次電池用セパレータ並びに非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用セパレータ並びに非水電解質二次電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温サイクル、高温保存の耐久性、エネルギー密度、負荷特性に優れた非水電解質二次電池用セパレータとそれを用いて作製した非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】 正極と、負極と、この両極間に配置されたセパレータと、非水電解質と、これらを収容するラミネート外装材とを備えた非水電解液二次電池用セパレータであって、アッセンブリ前の前記セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層が形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池のセパレータに関するもので、さらに詳細には高エネルギー密度、高耐久性に優れる非水電解質二次電池およびその製造方法に関する。
近年のモバイル家電製品の高機能化や小型軽量化に伴い、それらに搭載される電源として、高いエネルギー密度を達成しうるリチウムイオン二次電池が注目されている。特に小型軽量化の観点から、電池の外装材として、アルミニウムなどの金属製の電池缶に替えて、ラミネートフィルムを用いたリチウムイオン二次電池が多く採用されている。
金属製の電池缶を用いた電池は、その堅牢な缶により正極や負極やセパレータなどの電池内の部材が固定されるため、充放電に伴う正負極活物質の体積変化においても一定の正極負極間距離を保持することができるために、良好な充放電サイクルを達成する。一方、ラミネートフィルムを用いたリチウムイオン二次電池では、正極や負極やセパレータなどの電池内の部材が固定されないために、充放電に伴う正負極活物質の体積変化によって正極負極間距離が部分的に変化するため、電流密度が集中する部位が生じることで良好な充放電サイクルを維持することが困難であった。
そこで近年、これらの問題を解決する方法としてゲル状高分子固体電解質を用いる方法が開発され、実用化されている。特許文献1では、ポリフッ化ビニリデン等の個体電解質を、リチウム塩を含む溶媒に溶解させた電解質溶液を電極活物質層上に塗布および含浸させて、乾燥等により溶媒を除去することでゲル状固体電解質層を電極活物質層上に形成する方法が開示されている。本方法によると、ゲル状固体電解質層によって正極や負極及びセパレータが接着されることで良好な充放電サイクルを達成する。高いエネルギー密度を達成するためには、充放電反応に作用する活物質を電極活物質層により多く充填する必要があり、より多くの活物質を充填するためには、電極活物質層の空孔率を小さく、電極活物質層の厚みを分厚くする必要がある。しかしながら本方法では、高分子を含む電解質溶液の粘度が高いために、空孔率の小さな電極活物質層や分厚い電極活物質層に対しては電極活物質層深部への電解質溶液の含浸が困難である。
前記問題を解決する方法として、特許文献2では、重合前のプレポリマーを電解質溶液に溶解させて、電解質溶液を電極活物質層に含浸させた後にプレポリマーを重合することで、ゲル状固体電解質層を電極活物質層上に形成する方法が開示されている。本方法によると、ゲル状固体電解質層によって正極と負極及びセパレータが接着されることにより、良好な充放電サイクルを達成する。且つ、重合前のプレポリマーを電解質溶液に溶解させているため、電解質溶液の粘度が低いために、空孔率の小さな電極活物質層や分厚い電極活物質層に対しても速やかに電解質溶液が含浸する。即ち、高エネルギー密度を達成し得る。しかしながら、ゲル状個体電解質は全個体電解質に対してイオン伝導性が優れているが、液体有機電解質と比較すればイオン伝導性は劣る。即ち本方法では金属製の電池缶の液体有機電解質を用いた電池と比較すると負荷特性に劣る。特に、分厚い電極活物質層においては、電極活物質層内部の空隙のイオン伝導性が低くなると、電極活物質層表面と深部でのイオン濃度勾配が大きくなり、負極電極活物質層表面に金属リチウムが析出する危険性が高まる。
前記問題点を解決する方法として、特許文献3〜9が提案されている。これらの提案によると、セパレータ上に、熱可塑性樹脂からなる多孔性の接着層を設け、正極とセパレータと負極を捲回した素子を電解液と共にラミネートパックに入れた後に、ロールプレスもしくは熱プレスすることで正極と負極及びセパレータを接着する。電極活物質層の空孔内部の電解質は液体有機電解質であるため、空孔率の小さな電極活物質層や分厚い電極活物質層を用いた場合においても負荷特性は良好である。しかしながら、ロールプレスでは長期間の接着性の保持は困難であり、熱プレスで熱可塑性樹脂からなる接着層を接着するためには熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で熱プレスする必要がある。熱プレス温度が高い場合、容易に正極と負極とセパレータを接着することができるが、電解質塩が分解して電解質濃度が低下し、電極結着剤の弛緩が生じて、電極の電子伝導のマトリックスの抵抗が増加し、大電流放電等の特性が初期から低下する。これを改良するために、熱可塑性樹脂をコポリマー化するなどして熱可塑性樹脂の軟化点を低下させることで、低温で接着する方法が考えられる。しかし、この場合は、低温で接着した接着層は熱安定性に乏しく、高温サイクル試験や高温保存試験における耐久性が乏しいという問題があった。すなわち、初期の特性には改善はみられるが、充放電サイクルが経過したり、長期保存を行った後では、接着部分が溶解し、電極活物質層内部の空隙のイオン伝導性が低くなって、電極活物質層表面と深部でのイオン濃度勾配が大きくなり、電流分布の不均一化を招く問題があった。さらに、分解物が電極反応の抵抗を大きくする悪影響も無視できなかった。その結果、充分な寿命特性が得られなかった。また、この傾向は電池温度の上昇によって、加速されるため、通常の使用には適用できなかった。
特開平11−195433号公報 特開平10−74526号公報 特開2001−118558号公報 特開2001−7420号公報 特開2001−276316号公報 特開2002−309623号公報 特開2002−332139号公報 特開2003−132951号公報 特開2008−71730号公報
本発明は前記問題点を解消し、製造時に、電解質塩の分解や電極結着剤の弛緩による電池特性を劣化させることなく、使用時にも、長期にわたり、電解質を均一に保持する効果を得ようとするものであり、高エネルギー密度及び高耐久性に優れた非水電解質二次電池が提供できる。
本発明は、非水電解質二次電池に用いるセパレータに関するもので、アッセンブリ前の前記セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層を形成することにより、電極とセパレータを接着するための熱プレス温度を下げることを可能にしたものである。
そして、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 正極集電体上に正極活物質層が形成されている正極板と、負極集電体上に負極活物質層が形成されている負極板と、これら両極板の間に配置されたセパレータと、非水電解質と、ラミネート外装材とを備えた非水電解質二次電池に用いるセパレータであって、アッセンブリ前の前記セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層が形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池用セパレータ。
〔2〕 前記セパレータの接着層が、フッ素樹脂に対して50重量%以上の炭酸エチレンを含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
〔3〕 前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のセパレータを用いて作製された非水電解質二次電池。
〔4〕非水電解質二次電池の製造方法であって、少なくとも正極と負極のうち一方の電極と前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のセパレータを90℃以下の熱プレスによって接着する工程を含むことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
本発明によれば、アッセンブリ前の非水電解質二次電池用セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層が形成されていることを特徴とするため、フッ素樹脂と炭酸エチレンの相互作用により、フッ素樹脂の軟化温度が低下する。従って、電極とセパレータを接着するための熱プレス温度を下げることが可能となる。これにより、活物質結着剤の弛緩や電解質塩の分解を抑制できることで、電池のエネルギー密度が増大し高エネルギー密度の非水電解質二次電池を提供することができる。
また、電解液注液後、炭酸エチレンは電解液中に溶解するため、フッ素樹脂と炭酸エチレンの相互作用が解消され、接着後のフッ素樹脂の軟化点は高くなる。これらの相乗作用により、従来、製造時に問題となっていた電解質塩の分解や電極結着剤の弛緩による初期からの電池特性の低下を防止するとともに、従来、それを抑制しようとした場合に問題となっていた、高温サイクル特性の低下をも合わせて抑制することも可能になった。その結果、本発明で作製した非水電解質二次電池は、高温保存、高温サイクルにおいてもセパレータの接着層の熱安定性は高く電極板とセパレータが長期にわたり強固に接着する。従って、長寿命な非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明のセパレータの模式的断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。 図2に示した電池素子のA−B線に沿った模式的断面図である。
本発明は、正極集電体上に正極活物質層が形成されている正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成されている負極と、これら両電極の間に配置されたセパレータと、非水電解質と、ラミネート外装材とを備えた非水電解質二次電池であって、セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層が形成されていることを特徴とするセパレータと、それを用いた非水電解質二次電池である。
以下、図面を用いて本発明の非水電解質二次電池の一実施形態でのラミネート型電池の一例より具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明の非水電解質二次電池用セパレータは多孔質膜の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂からなる接着層を形成することを特徴とする。図1には、セパレータの多孔質膜1の両面に接着層を形成した本発明の非水電解質二次電池用セパレータの一構成例の断面模式図を示す。
本発明の前記セパレータの多孔質膜に用いられる材料は、正極と負極とを隔離、絶縁するものを意味し、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース等、電池のセパレータとして用いられている公知のものを多孔質膜として用いることができる。また、これらの材料が複数種積層、あるいは、混合されたものでも良い。
本発明の前記セパレータの接着層は、炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物であることを特徴とする。そして、炭酸エチレンはフッ素樹脂に対して50重量%以上含むことが好ましい。炭酸エチレンの含有量がフッ素樹脂に対して50重量%以上と多くすることで、フッ素樹脂と炭酸エチレンが相分離し、フッ素樹脂が多孔質化を促進する。従って、正負極間のイオン伝導が良好になるために、負荷特性が向上する。
本発明で用いられる前記フッ素樹脂としては、樹脂中にフッ素を含むことを特徴とするのであり、具体的には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体あるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとクロロトリフルオロエチレンを使用することができる。
本発明の前記セパレータの接着層の形成は、炭酸エチレンと前記フッ素樹脂を含む溶液を前記多孔質膜上に塗布した後に乾燥させる方法が挙げられる。塗布方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、スクリーンコーテング法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
前記溶液の溶媒としては、炭酸エチレンとフッ素系樹脂を共に溶解することが可能であればよく、好ましくは沸点が低い溶媒であればよいが、例示するとジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらを単一で用いても、混合溶媒として用いても良い。
本発明の前記セパレータの接着層の厚みは、セパレータと電極を接着できる厚さであれば良く、通常は0.5μm以上あればよく、電池全体の厚みを小さくするためには、20μm以下であることが好ましい。これにより、電池全体の厚みを小さくすることができれば、電池のエネルギー密度を増加させることができる。
本発明の非水電解質二次電池の一構成例の分解斜視図を図2に示す。また、図3に図2に示した電池素子のA−B線に沿った模式的断面図を示す。
この非水電解質二次電池は、正極集電体1上に正極活物質層2が形成されてなる正極板8と、負極集電体5上に負極活物質層4が形成されてなる負極板9との間にセパレータ3が挟まれてなる発電素体10がラミネート外装材6とホットメルト材7によって外部環境と隔離されるように構成される。
本実施形態においては、正極板8及び負極板9を、本発明のセパレータ3を介して密着させた後、長手方向に捲回して発電素体10を作製する。
ここで、正極端子11、負極端子12は、発電素体の電圧をラミネート外装材の外部から取り出すために設置される。正極端子11は正極満充電電位においても溶解しない材料が好ましく、具体的にはステンレス、アルミニウム等が挙げられる。負極端子12は負極充電電位においてリチウムと合金化しない材料が好ましい。具体的には、ニッケルまたは銅またはアルミニウム等が挙げられる。
次に、本発明の非水電解質二次電池の構成部材の一例を説明する。
本発明に用いられる前記正極板8は、例えばアルミニウム箔等の金属箔からなる正極集電体1上に、正極活物質と結着剤と溶剤との混合物を塗布、乾燥して正極活物質層2が形成されている。
前記正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiNi1/2Mn1/2O2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiMn2O4、Li[Ni1/2Mn3/2]O4、LiV2O4、LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4などが挙げられるが、これに限定されない。
前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体あるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素系高分子、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられるが、これに限定されない。
前記溶剤は、前記結着剤を溶解もしくは分散可能であればよく、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、水などが用いられるが、これに限定されない。
本発明に用いられる前記負極板9は、例えば銅箔等の金属箔からなる負極集電体5上に、負極活物質と結着剤と溶剤との混合物を塗布、乾燥して負極活物質層4が形成されている。
前記負極活物質としては、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイトなどの炭素材料や、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2 、Li4Ti5O12,Si,Al,Snなどが挙げられるが、これに限定されない。
前記負極活物質に用いる結着剤と溶剤は、正極に用いたものと同様のものを用いることができる。
前記のようにして作製された発電素体10を用いて、本発明の非水電解質二次電池は、以下のように作製される。
前記発電素体10をラミネート外装材6で挟み込み、4辺のうち1辺を残して熱シールでラミネート外装材どうしを融着する。この時、正極端子11と負極端子12の一部がラミネート外装材の外側に出るようにしなければならない。熱シールで融着していない1辺から電解液を注液した後、残りの1辺を融着することで発電素体10を外部環境と隔離する。その後、熱シールしたものをラミネート外装材のまま熱プレスを行うことにより電極とセパレータを接着して本発明の非水電解質二次電池が作製される。熱プレスの温度は、セパレータと電極を接着できる温度以上で90℃以下の温度で行うことが好ましい。セパレータと電極を接着できる温度は、電極、セパレータ及び接着剤の種類によって違ってくるが、通常は60℃以上であれば接着することができる。
本発明に用いられる前記電解液は少なくとも、有機溶媒とリチウム塩の混合溶液が用いられる。
前記有機溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネートあるいはビニルエチレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記リチウム塩としては、通常の電池電解液に用いられるリチウム塩を使用することができる。具体的には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2CF3)2)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2CF3)3)、四フッ化アルミン酸リチウム(LiAlCl4)あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF6)などが挙げられる。これらのリチウム塩は、一種類で使用してもよく、二種類以上組み合わせて使用してもよい。これらのリチウム塩は前記有機溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
本発明に用いられる前記ラミネート外装材6とは、電解液、水のバリアー性が要求されるために、例えばアルミニウムからなる金属箔層を中央に配してその外側に、耐電解液性、機械的強度の要求を満たすポリエチレンテレフタレート、熱溶着性ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、伸延処理したポリアミド(ナイロン)等の樹脂、あるいはこれらの2種以上の樹脂を共重合させた樹脂層を設け、内側に熱溶着性とリードとの短絡防止性の要求を満たすポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、これらの共重合体からなる外装ケースが好ましい。
本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[実施例1]
正極の作製
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを3重量部、結着剤としてフッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体を4重量部、N−メチル−2−ピロリドン43重量部、とを混錬分散させてスラリーを作製した。このスラリーを、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体1の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮して正極板8を作製した。この正極活物質層2の片面の厚みは60μmであった。その後、正極板8に正極端子11を取り付けた。
負極の作製
次に、負極活物質として黒鉛粉末を100重量部、結着剤としてフッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体を8重量部、N−メチル−2−ピロリドン70重量部、とを混錬分散させてスラリーを作製した。このスラリーを、厚さ15μmの帯状の銅箔からなる負極集電体5の両面に均一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮して負極板9を作製した。この負極活物質層4の片面の厚みは45μmであった。その後、負極板9に負極端子12を取り付けた。
電解液の作製
リチウム塩として六フッ化リン酸リチウムを15重量部、溶剤としてエチレンカーボネートを30重量部、ジエチルカーボネートを70重量部、とを混合して得た電解質溶液E1を作製した。
接着層を有するセパレータの作成
炭酸エチレン50重量部、ポリフッ化ビニリデン50重量部、テトラヒドロフラン100重量部を混合、60℃で加熱し完全に溶解させた。この溶解物を、ポリエチレンから成る厚み20μmの微多孔膜の両面に塗布し、室温にて乾燥した。この接着層の片面の厚みは2μmであった。
発電素体の作製
以上のようにして作製した正極板及び負極板を、セパレータ3を介して密着させた後、長手方向に捲回し、発電素体10を作製した。
ラミネート外装材へのパック工程
30μm厚のナイロンフィルムと30μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層されて成るラミネート外装材6で前記の方法で作製した発電素体10を挟み、1辺はこの後の電解液を注入するために熱融着せず、3辺のみを熱融着した。
電解液注液工程
前記パック工程において熱融着しなかった1辺から前記電解液E1を注入した後、熱融着していないラミネート外装材の開口部を熱融着した。その後、電極活物質層へ電解液を十分に含浸させる目的で12時間放置した。
熱プレス工程
以上のように作製した密封体を鋼板に挟んで1.0MPaの圧力の下、70℃で3分間加熱することで、本例の非水電解質二次電池を得た。
[実施例2]
セパレータの接着層のフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体に変更したこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[実施例3]
接着層に含まれる炭酸エチレン量がフッ素樹脂に対して50重量部に変更したこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[実施例4]
接着層に含まれる炭酸エチレン量がフッ素樹脂に対して60重量部に変更したこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[実施例5]
接着層に含まれる炭酸エチレン量がフッ素樹脂に対して80重量部に変更したこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[実施例6]
熱プレスを90℃で行ったこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例1]
セパレータの接着層に炭酸エチレンを混合しなかったこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例2]
セパレータの接着層のフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体に変更したこと以外は、前記比較例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例3]
熱プレスを120℃で行ったこと以外は、前記比較例2と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例4]
接着層に含まれる炭酸エチレン量がフッ素樹脂に対して40重量部に変更したこと以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例5]
接着層の厚みを20μmに変更した以外は、前記実施例1と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
[比較例6]
熱プレスを100℃で行ったこと以外は、前記実施例2と同様の操作により、本例の非水電解質二次電池を得た。
得られた実施例1〜6及び比較例1〜6の各二次電池について、熱プレス後に電池を解体して、セパレータと電極の接着性を確認した。得られた結果を表1に示す。ここで、接着性の判断は剥離強度の測定によって行った。剥離強度の測定は、JISK−6854に準拠しT形剥離試験にて測定した。剥離強度が5g/cm以下を×、それ以上を○と評価した。なお、比較例1および2はセパレータと電極の接着が確認されなかったため、これ以降の試験は行っていない。
Figure 2015144079
得られた実施例1〜6及び比較例3〜6の各二次電池について、23℃で、180mAの電流量で上限電圧4.2Vまで定電流定電圧法で10時間充電した後、180mAの電流量で2.75Vまで定電流放電を行い、このときの放電容量を初回放電容量とした。
その後、同様に450mAの電流量での定電流定電圧法で5時間充電した後、2700mAの電流量で2.75Vまで定電流放電した時の放電容量を3C放電容量とした。3C放電容量を初回放電容量で割った値に100を掛けた値を3C放電容量維持率とした。
得られた実施例1〜6及び比較例3〜6の各二次電池について、23℃で、900mAの電流量で上限電圧4.2Vまで定電流定電圧法で1.5時間充電した後、900mAの電流量で2.75Vまで定電流放電を行う充放電を500サイクル実施した。500サイクル後を初回放電容量で割った値に100を掛けた値を500サイクル後の維持率とした。
得られた実施例1〜6及び比較例3〜6の各二次電池について、60℃で、900mAの電流量で上限電圧4.2Vまで定電流定電圧法で1.5時間充電した後、900mAの電流量で2.75Vまで定電流放電を行う充放電を500サイクル実施した。500サイクル後を初回放電容量で割った値に100を掛けた値を60℃サイクル後の維持率とした。
得られた実施例1〜6及び比較例3〜6の各二次電池について、前記初回放電容量、3C容量維持率、500サイクル後の維持率及び60℃サイクル後の維持率を表2に示す。
Figure 2015144079
表1に示すように、実施例1,2及び比較例1〜3を比較すると、フッ素樹脂と炭酸エチレンを混合した接着層を設けることで、80℃における熱プレス温度においてもセパレータと電極の接着が認められた。120℃で熱プレスすることで炭酸エチレンを混合しなくても接着することはできるが(比較例3)、表2に示すように、高温で接着したセルは実施例1、2と比較して、セル特性が劣る。即ち、炭酸エチレンとフッ素樹脂を混合した接着層を有する本発明のセパレータはエネルギー密度、負荷特性、寿命特性、熱特性等のセル特性を向上させるために有効であることを確認した。
実施例1,3,4,5と比較例4のセルは、接着層に混合する炭酸エチレン量を変えたセパレータを用いている。表2に示すように、フッ素樹脂に対して40重量%の炭酸エチレン量のセパレータを用いたセルは他のセルに比べて特に3C放電維持率が低い。これは、炭酸エチレン量が少ないことで炭酸エチレンと炭酸エチレン及びフッ素樹脂からなる混合層との相分離が生じておらず、フッ素樹脂の多孔質体が形成されていないためにイオン伝導が低下したことが起因する。即ち、接着層に含まれる炭酸エチレン量がフッ素樹脂に対して50重量%以上である本発明は、負荷特性を向上させるために有効であることを確認した。
実施例2,6及び比較例6のセルは、接着時の熱プレス温度が異なる。表2に示すように、熱プレス温度が100℃である比較例6は、その他のセルに比べて初回放電容量が低い。これは、100℃の熱プレス温度によって電極バインダーポリマーの弛緩や電解質塩の熱分解が生じることに起因する。即ち、90℃以下の熱プレス温度でセパレータと電極を接着する本発明は、エネルギー密度を増加させるために有効であることを確認した。
1 正極集電体
2 正極活物質層
3 セパレータ
4 負極活物質層
5 負極集電帯
6 ラミネート外装材
7 ホットメルト材
8 正極板
9 負極板
10発電素体
11正極端子
12負極端子
13多孔質膜
14接着層

Claims (4)

  1. 正極集電体上に正極活物質層が形成されている正極板と、負極集電体上に負極活物質層が形成されている負極板と、これら両極板の間に配置されたセパレータと、非水電解質と、ラミネート外装材とを備えた非水電解質二次電池に用いるセパレータであって、アッセンブリ前の前記セパレータ表面の少なくとも一方の面に炭酸エチレンとフッ素樹脂の混合物により成る接着層が形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池用セパレータ。
  2. 前記セパレータの接着層が、フッ素樹脂に対して50重量%以上の炭酸エチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用セパレータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のセパレータを用いて作製された非水電解質二次電池。
  4. 非水電解質二次電池の製造方法であって、少なくとも正極と負極のうち一方の電極と請求項1又は請求項2に記載のセパレータを90℃以下の熱プレスによって接着する工程を含むことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。

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