JP2015146253A - 積層体およびタッチパネル用導電性パターン基材 - Google Patents

積層体およびタッチパネル用導電性パターン基材 Download PDF

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Kojiro Okawa
川 晃次郎 大
田 達 也 吉
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田 達 也 吉
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Takuma Kudo
藤 卓 磨 工
邨 翔 太 西
Shota Nishimura
邨 翔 太 西
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Yoshimasa Ogawa
川 善 正 小
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Abstract

【課題】シート抵抗が低い透明導電層を有する積層体を提供する。
【解決手段】積層体は、支持体と、支持体の一方の側の面に形成されたITOからなる透明導電層と、を備えている。積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをIn−Plane測定で測定した場合の、透明導電層のITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、透明導電層のITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上となっている。
【選択図】図10

Description

本発明は、積層体およびタッチパネル用導電性パターン基材に関する。
導電性を有しながら透光性を示す透明導電層、例えばインジウム錫酸化物(以下、ITO)からなる透明導電層は、液晶表示装置や有機EL表示装置における透明電極や、タッチパネルセンサにおける検出用の透明導電パターンなどとして利用されている。
透明電極や透明導電パターンの特性を高めるため、透明導電層のシート抵抗を低くすることが期待されている。ITOからなる透明導電層のシート抵抗は、ITOが結晶化されている場合の方が、アモルファス状態の場合に比べ、低くなることが知られている。このような特性を考慮して、特許文献1においては、基材上に形成されたITO層に対してアニール処理を施し、これによって、ITO層の結晶化を促進することが提案されている。
特開2003−16858号公報
ところで、ITO層のシート抵抗は、ITO層の厚みを大きくするほど低くすることが可能である。しかしながら、ITO層の厚みを大きくしてしまうと、ITO層の透光性が劣化してしまったり、ITO層に色味が生じたりしてしまう。従って、一般にITO層の厚みは数十nm程度になっている。このような薄膜状のITO層においてそのシート抵抗を低くするためには、単にITO層の結晶化を促すだけでは足りず、ITO層に対する更なる改善が必要であると考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る、積層体およびタッチパネル用導電性パターン基材を提供することを目的とする。
本発明は、支持体と、当該支持体の一方の側の面に形成されたITOからなる透明導電層と、を備えた積層体であって、当該積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークの測定をIn−Plane測定で実施した場合の、前記透明導電層のITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、当該透明導電層のITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上である、積層体である。
例えば、本発明の積層体において、前記透明導電層中の酸化スズと酸化インジウムスズとの重量比が、93:7である。
例えば、本発明の積層体において、前記支持体は、1または複数の層を含んでおり、当該支持体の前記透明導電層と接する層が、ポリシロキサンを含んでいる
本発明は、上記記載の積層体を加工することによって得られる、タッチパネル用導電性パターン基材である。
本発明によれば、積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークの測定をIn−Plane測定で実施した場合の、透明導電層のITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、透明導電層のITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上となっている。これによって、シート抵抗の低い透明導電層を実現し得る。
図1は、本発明の第1の実施の形態における積層体を示す断面図。 図2は、図1の積層体を作製するために用いられる支持体を示す断面図。 図3は、図1の積層体の変形例を示す断面図。 図4は、図3の積層体を作製するために用いられる支持体を示す断面図。 図5Aは、図2に示す支持体の製造方法を説明するための図。 図5Bは、図2に示す支持体の製造方法を説明するための図。 図6は、図3に示す積層体を加工することにより得られるタッチパネル用導電性パターン基材を示す平面図。 図7は、図6の導電性パターン基材の、線VII−VIIに沿った断面図。 図8は、ITOの結晶構造を示す図。 図9は、サンプル5の積層体から得られた回折ピークを示す図。 図10は、各サンプルの積層体におけるPITO(222)/PITO(400)と、透明導電層のシート抵抗と、の関係を示す図。 図11は、各サンプルの積層体におけるPITO(222)/PITO(400)と、各サンプルの支持体の表面自由エネルギーと、の関係を示す図。
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、積層体10は、支持体11と、支持体11の一方の側の面11aに設けられた第1透明導電層16aと、を含んでいる。まず、支持体11について説明し、その後、第1透明導電層16aについて説明する。
(支持体)
支持体11は、図1および図2に示すように、基材12と、基材12の一方の側の面12aに順に設けられた第1ハードコート層13a、および第1インデックスマッチング層14aと、を含んでいる。以下、基材12、第1ハードコート層13a、および第1インデックスマッチング層14aについてそれぞれ説明する。
(基材)
基材12としては、十分な透光性を有するフィルムやガラスが用いられる。基材12に用いられるフィルムを構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。基材12の厚みは、例えば25〜200μmの範囲内となっている。
(ハードコート層)
第1ハードコート層13aは、擦り傷を防止するという目的や、層間の界面に低分子重合体(オリゴマー)が析出して白く濁ってみえることを防ぐという目的のために設けられる層である。第1ハードコート層13aとしては、例えばアクリル樹脂などが用いられる。なお図1および図2に示すように、第1ハードコート層13aと同一の材料から構成された第2ハードコート層13bが、基材12の他方の面12bにさらに設けられていてもよい。ハードコート層13a,13bの厚みは、例えば0.1〜10μmの範囲内となっている。
(インデックスマッチング層)
第1インデックスマッチング層14aは、積層体10における光の透過率や反射率を調整するという目的のために、基材12と第1透明導電層16aとの間に設けられる層である。本実施の形態では、第1インデックスマッチング層14aは、基材12を構成する材料よりも高い屈折率を有する材料から構成される第1高屈折率層を含んでいる。また、本実施の形態の第1インデックスマッチング層14aは、第1高屈折率層と第1透明導電層16aとの間に、基材12を構成する材料よりも低い屈折率を有する材料から構成される第1低屈折率層を含んでいる。
第1低屈折率層を構成する材料としては、例えば酸化珪素やフッ化マグネシウムが用いられる。第1高屈折率層を構成する材料としては、例えば酸化ニオブやジルコニウムが用いられる。第1高屈折率層および第1低屈折率層の厚みは、所望の透過率や反射率が達成されるよう、用いられる材料に応じて適宜設定される。
なお本実施の形態においては、上述の第1インデックスマッチング層14aが積層体10に含まれている例について説明するが、しかしながら、第1インデックスマッチング層14aは必ずしも設けられていなくてもよい。同様に、ハードコート層13a,13bも、必要に応じて任意に設けられる層である。従って、基材12の一方の側の面12aや第1ハードコート層13aの一方の側の面に直接的に接するよう第1透明導電層16aが設けられることもある。さらに、基材12やハードコート層13a,13b、第1インデックスマッチング層14aが、酸素等を含むいわゆるアウトガスを発生させる材料で構成される場合には、アウトガスによって第1透明導電層16aのITOの結晶化が阻害されることを防止するために、基材12、ハードコート層13a,13bないし第1インデックスマッチング層14aの一方の側の面にアウトガスを遮断するバリア層が設けられてもよい。バリア層を構成する材料としては、例えばシリカが用いられる。
(透明導電層)
第1透明導電層16aを構成する材料としては、導電性を有しながら透光性を示す材料が用いられ、本実施の形態では、インジウム錫酸化物(ITO)が用いられる。ここでITOとは、89〜99重量%のインジウムと、1〜11重量%の錫と、0.5重量%以下のその他の添加元素または不可避の不純物と、を含む金属酸化物を意味している。第1透明導電層16aの厚みは、例えば18〜50nmの範囲内となっている。
ところで一般に、ITOからなる透明導電層は、その厚みを大きくすることなくそのシート抵抗が低くなるように形成されることが期待されている。この点に関して、本件発明者らが鋭意研究を重ねた結果、透明導電層の成膜条件や、透明導電層が形成される支持体の構成等によって、透明導電層のシート抵抗が異なることを見出した。原因について調べるべく、ITOからなる第1透明導電層16aの結晶構造を調べた結果、後述する実施例において示されるように、第1透明導電層16aのITO結晶の所定の結晶面の比率が十分に高ければ、第1透明導電層16aのシート抵抗が十分に低くなる、ということを見出した。
具体的には、ITOの結晶構造は、図8に示すようなビックスバイト(Bixbyte)構造であり、積層体10の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークの測定をIn−Plane測定で実施すると、第1透明導電層16aのITO結晶の(222)面や(400)面、(440)面等に基づく回折ピークが表れる。ここで、In−Plane測定とは、積層体10の第1透明導電層16aの表面すれすれにX線を入射させ、この際に生じるX線の回折を観察することによって、第1透明導電層16aのITO結晶の結晶面を測定する方法である。この方法においては、第1透明導電層16aの法線方向に平行に広がる結晶面の方位が測定される。In−Plane測定によれば、従来一般に用いられてきたθ/2θ測定に比べて、基材12や第1ハードコート層13a、第1インデックスマッチング層14aに起因する信号を抑制することができるので、第1透明導電層16aの表面の結晶情報を感度良く測定することができる。
そして、本件発明者らの研究の成果によれば、上述のIn−Plane測定を実施することにより得られた第1透明導電層16aのITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、第1透明導電層16aのITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が十分に高ければ第1透明導電層16aのシート抵抗が十分に低くなる。そして、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上であれば、第1透明導電層16aのシート抵抗は、タッチパネル用導電性パターン基材としての実用上十分な程度に低くなる、具体的には140Ω/□以下になる、ということが見出された。
なお、第1透明導電層16aのITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さPITO(222)が高くなるようにITO結晶の配向性を制御する方法としては、特に限定されないが、本件発明者らが試行錯誤を重ねた結果、次のような方法が採用され得ることが知見された。すなわち、後述する実施例によって支持されるように、支持体11の一方の側の表面11aにおける表面自由エネルギーを十分に高めることで、当該表面11aに形成される第1透明導電層16aのITO結晶の配向性を、PITO(222)/PITO(400)が十分に高くなるように制御し得る、というものである。具体的には、当該表面11aにおける表面自由エネルギーを60mJ/m以上とすることで、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上、より好ましくは3.8以上、さらに好ましくは4.4以上となるように、ITOの結晶の配向性を制御し得る。
支持体11の表面における表面自由エネルギーを高める方法としては、特には限定されないが、例えば、支持体11の表面にプラズマ処理を施したり、支持体11の最表層をポリシロキサンを含む材料で構成する、という方法が採用され得る。ここで、支持体11の表面にプラズマ処理を施したり、支持体11の最表層をポリシロキサンを含む材料で構成することによって当該表面における表面自由エネルギーを高めることが可能な理由については、特に限定されないが、例えば、次のような理由が考えられる。すなわち、支持体11の表面にプラズマ処理が施されることにより、支持体11中のOH基が支持体11の表面に露出されることとなる。また、支持体11の最表層がポリシロキサンを含む材料で構成されることにより、支持体11の表面にOH基が存在することとなる。そして、支持体11の表面におけるOH基の存在が当該表面における表面自由エネルギーを高めることに寄与する、というものである。
なお、支持体11の表面における表面自由エネルギーについては、支持体11の表面における水接触角、ジヨードメタン接触角、およびエチレングリコール接触角等を用いて調べることが可能である。
その他、第1透明導電層16aを構成するために用いられる材料なども、第1透明導電層16aのITO結晶の配向性に影響を及ぼすものと考えられる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは、はじめに、上述の支持体11を製造する方法および支持体11を用いて積層体10を製造する方法について説明する。次に、積層体10を加工することにより得られるタッチパネル用導電性パターン基材の製造方法について説明する。
支持体の製造方法
はじめに、図5Aに示すように、基材12を用意する。次に、図5Bに示すように、アクリル樹脂を含む塗工液を、コーターを用いて基材12の両側に塗工する。これによって、基材12の両側にハードコート層13a,13bが形成される。次に、有機樹脂および有機樹脂内に分散された高屈折率材料の粒子、例えばジルコニウムの粒子を含む塗工液を、コーターを用いて第1ハードコート層13a上に塗工する。これによって、第1ハードコート層13a上に第1高屈折率層が形成される。その後、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子、例えば酸化珪素の粒子を含む塗布液を、コーターを用いて第1高屈折率層上に塗工する。これによって、第1高屈折率層上に第1低屈折率層が形成される。このようにして、第1ハードコート層13a上に第1インデックスマッチング層14aが形成され、図2に示す支持体11を得ることができる。
積層体の製造方法
次に、本実施の形態では、第1透明導電層16aが形成される支持体11の一方の表面11aの表面自由エネルギーを高めるため、第1インデックスマッチング層14a上にプラズマ処理を施す。続いて、スパッタリング法などの真空成膜法を用いて、第1インデックスマッチング層14a上に第1透明導電層16aを形成する。本実施の形態では、酸化スズと酸化インジウムスズとの重量比が93:7(92.5:7.5〜93.5:6.5の範囲内)のターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、第1透明導電層16aを形成する。その後、第1透明導電層16a中のITOの結晶化をさらに進行させるため、第1透明導電層16aに対してアニール処理を施してもよい。このようにして、図1に示す積層体10を得ることができる。
タッチパネル用導電性パターン基材の製造方法
次に、積層体10の用途の一例として、積層体10を加工することにより得られるタッチパネル用導電性パターン基材について説明する。タッチパネル用導電性パターン基材60は、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどの表示パネルの観察者側に設けられ、人体などの被検出体の接触位置を検出するための透明導電パターンなどを含むセンサである。タッチパネル用導電性パターン基材60としては、被検出体からの圧力に基づいてタッチ箇所を検出する抵抗膜方式のタッチパネルセンサや、人体などの被検出体からの静電気に基づいてタッチ箇所を検出する静電容量方式のタッチパネルセンサなど様々なタイプのものが知られているが、ここでは、積層体10をパターニングすることによって静電容量方式のタッチパネルセンサとしてのタッチパネル用導電性パターン基材60を形成する例について、図6および図7を参照して説明する。図6は、タッチパネル用導電性パターン基材60を示す平面図であり、図7は、図6に示すタッチパネル用導電性パターン基材60の線VII−VIIに沿った断面図である。なお図6および図7においては、図4に示す基材12の一方の側および他方の側に配置されたインデックスマッチング層14a,14bを含む支持体11を用いて作製された積層体10であって、図3に示すように支持体11の一方の側および他方の側に配置された透明導電層16a,16bを含む積層体10を用いることにより、タッチパネルセンサ60が作製されている。
図6に示すように、タッチパネル用導電性パターン基材60は、指などの外部導体の接近に起因する静電容量の変化を検出するための透明導電パターン62a,62bを備えている。透明導電パターン62a,62bは、基材12の一方の側に配置され、図6の横方向に延びる第1透明導電パターン62aと、基材12の他方の側に配置され、図6の縦方向に延びる第2透明導電パターン62bと、からなっている。なお図6において、下側に設けられた第2透明導電パターン62bが点線で表されている。図7に示すように、各透明導電パターン62a,62bは、積層体10の透明導電層16a,16bをパターニングすることにより得られるものである。透明導電層16a,16bをパターニングする方法としては、例えばフォトリソグラフィー法が用いられる。
また図6に示すように、タッチパネル用導電性パターン基材60は、各透明導電パターン62a,62bに接続された取出パターン64a,64bと、各取出パターン64a,64bに接続され、各透明導電パターン62a,62bからの信号を外部へ取り出すための端子部65a,65bと、をさらに有していてもよい。これら取出パターン64a,64bおよび端子部65a,65bは、タッチパネル用導電性パターン基材60のうち表示パネルからの映像光が通過しない領域、いわゆる額縁領域に配置されている。このため、取出パターン64a,64bおよび端子部65a,65bを構成する材料が透明性を有する必要はない。従って、取出パターン64a,64bおよび端子部65a,65bは一般に、透明導電パターン62a,62bを構成する透明導電性材料よりも高い電気伝導率を有する金属材料から構成される。
このような取出パターン64a,64bおよび端子部65a,65bを形成する方法が特に限られることはなく、フォトリソグラフィー法や印刷法が適宜用いられる。例えば、はじめに積層体10の透明導電層16上に金属材料層(図示せず)を形成し、次に、フォトリソグラフィー法を用いて金属材料層および透明導電層16a,16bを順次または同時にエッチングすることにより、取出パターン64a,64bおよび端子部65a,65bと透明導電パターン62a,62bとが形成されてもよい。この場合、図7に示すように、取出パターン64a,64bとインデックスマッチング層14a,14bとの間に透明導電パターン62a,62bが介在されていてもよい。これによって、透明導電パターン62a,62bからの信号を取り出す際の電気抵抗をより小さくすることができる。なお、表示パネルからの映像光が通過する領域にある透明導電パターン62a,62b上に残っている金属材料層を取り除くためのエッチングにおいては、エッチング液として、金属材料層のみを選択的に溶解させるエッチング液が用いられる。
本実施の形態によれば、タッチパネル用導電性パターン基材60は、積層体10の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークの測定をIn−Plane測定で実施した場合の、透明導電層16a,16bのITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、透明導電層16a,16bのITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上であるという積層体10を加工することにより作製されている。これにより、シート抵抗が十分に低い、具体的には、140Ω/□以下、より好ましくは130Ω/□以下の、透明導電パターン62a,62bを有するタッチパネル用導電性パターン基材60を得ることが可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
様々な作成条件下において、積層体のサンプル1〜7を作製した。以下では、まず、積層体のサンプル1〜7を作製するために用意された支持体のサンプル1〜7について説明し、次に、各支持体を用いて作製された積層体のサンプル1〜7について説明する。
(支持体)
基材12と、基材12の一方の側に順に設けられた第1ハードコート層13aおよび第1インデックスマッチング層14aと、を備えた支持体11のサンプル1〜
を作製した。第1インデックスマッチング層14aは、第1ハードコート層13a上に形成された第1高屈折率層と、第1高屈折率層上に形成された第1低屈折率層と、から構成された。各支持体11の最表層となる第1低屈折率層は、第1高屈折率層上に、以下の材料を含む塗工液を塗工することにより形成された。塗工液の塗工は、ミカサ社製スピンコーターを用いて行われた。
[サンプル1]アルコキシ金属系材料((株)日板研究所製:セラミカG-90 A, B)
[サンプル2]シリコーン系材料(信越化学(株)製:KS-3601 / CAT-PL-56)
[サンプル3]シラザン系材料(AZ ELECTRONIC MATERIALS製:NL-120A-20)
[サンプル4]有機−無機ハイブリット系材料(JSR(株)製:グラスカHPC7506A)
[サンプル5]シロキサン系材料(コルコート(株)製:コルコートN-103X)
[サンプル6]シロキサン系材料(コルコート(株)製:コルコートPX)
[サンプル7]シロキサン系材料(コルコート(株)製:コルコートSS-C1)
〔評価1 支持体の表面自由エネルギー〕
続いて、このようにして得られた各支持体11の第1低屈折率層の表面11aにおける水接触角、ジヨードメタン接触角、および、エチレングリコール接触角を測定し、当該表面11aにおける表面自由エネルギーを測定した。各接触角の測定条件および表面自由エネルギーの測定・解析条件を、以下に示す。
<接触角の測定条件>
測定装置:共和界面科学株式会社製接触角計
水、ジヨードメタン及びエチレングリコールの滴下量:1.0マイクロリットル
<表面自由エネルギーの測定・解析条件>
表面自由エネルギーの測定解析に使用されたソフトウェア:KYOWA interFAce Measurement and Analysis System(FAMAS)
表面自由エネルギー理論名:Owens-Wendt
このようにして測定された各支持体11の表面11aにおける表面自由エネルギーは、以下の通りであった。
<表面自由エネルギー>
[サンプル1]62.1mJ/m
[サンプル2]25.3mJ/m
[サンプル3]19.3mJ/m
[サンプル4]26.2mJ/m
[サンプル5]63.2mJ/m
[サンプル6]62.0mJ/m
[サンプル7]66.0mJ/m
(積層体)
続いて、各支持体11の表面11a上にスパッタリング法によって第1透明導電層16aを形成し、積層体10のサンプル1〜7を形成した。各積層体10の第1透明導電層16aの厚さは、30nm程度であった。各積層体10の第1透明導電層16aの形成に用いられたターゲット中の酸化スズと酸化インジウムスズとの重量比は、以下の通りであった。
<重量比(酸化スズ:酸化インジウムスズ)>
[サンプル1]95:5
[サンプル2]93:7
[サンプル3]90:10
[サンプル4]93:7
[サンプル5]93:7
[サンプル6]93:7
[サンプル7]93:7
〔評価2 透明導電層のシート抵抗〕
このようにして得られた各積層体10の第1透明導電層16aのシート抵抗の測定を行った。シート抵抗の測定条件を、以下に示す。
<測定条件>
測定装置:三菱化学(株)製ロレスター
測定方法:4端子法
このようにして測定された各積層体10の第1透明導電層16aのシート抵抗は、以下の通りであった。
<測定結果>
[サンプル1]159Ω/□
[サンプル2]140Ω/□
[サンプル3]169Ω/□
[サンプル4]140Ω/□
[サンプル5]125Ω/□
[サンプル6]128Ω/□
[サンプル7]129Ω/□
〔評価3 回折ピーク〕
その後、各積層体10の一方の側の面にX線を入射させ、第1透明導電層16aに含まれるITO結晶の回折ピークを測定した。測定は、厚みが30nm程度の透明導電層についても精度よくITO結晶の回折ピークが得られるよう、以下の条件で行われた。
測定装置:リガク製SmartLab
測定方法:In−Plane測定
X線:管電圧45kV、管電流200mA
測定範囲:10°〜70°
スキャン軸:2θχ/φ
入射角ω:0.43°
固定角2θ:0.43°
図9に、積層体のサンプル5において得られた回折ピークを示す。図9において、縦軸は、検出された回折X線の強度(cps:count per sec.)を表しており、横軸は、固定角2θを表している。
図9において、2θ=30.5°近傍の回折ピークは、ITO結晶の(222)面に基づく回折ピークである。2θ=35°近傍の回折ピークは、ITO結晶の(400)面に基づく回折ピークである。
このようにして測定された各積層体10の第1透明導電層16aの、PITO(222)/PITO(400)は、以下の通りであった。
[サンプル1]2.8
[サンプル2]3.0
[サンプル3]2.9
[サンプル4]3.3
[サンプル5]4.4
[サンプル6]3.8
[サンプル7]3.6
図10に、各積層体10の第1透明導電層16aにおけるPITO(222)/PITO(400)とシート抵抗との関係を示す。図10において、縦軸は、PITO(222)/PITO(400)を表しており、横軸は、第1透明導電層16aのシート抵抗(Ω/□)を表している。図10から分かるように、PITO(222)/PITO(400)が十分に高ければ、透明導電層のシート抵抗が十分に低くなることが分かる。そして、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上の場合、当該表面に形成される透明導電層のシート抵抗は、実用上十分な程度に低減された。すなわち、140Ω/□以下、より具体的には130Ω/□以下に低減された。また、PITO(222)/PITO(400)がより高い場合、例えば3.8以上の場合、より好ましくは4.4以上の場合、当該表面に形成される透明導電層のシート抵抗がさらに低減された。
また、図11に、支持体11のサンプル1〜7の表面11aにおける表面自由エネルギーと、当該表面11aに形成された第1透明導電層16aのPITO(222)/PITO(400)と、の関係を示す。図11において、縦軸は、PITO(222)/PITO(400)を表しており、横軸は、シート抵抗値を表している。図11から分かるように、支持体の表面における表面自由エネルギーが十分に高ければ、当該表面に形成される透明導電層のPITO(222)/PITO(400)が十分に高くなることが分かる。そして、表面自由エネギーが60mJ/m以上の場合、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上になった。
10 積層体
11 支持体
12 基材
13 ハードコート層
14 インデックスマッチング層
16 透明導電層
60 タッチパネルセンサ
62 透明導電パターン
64 取出パターン
65 端子部

Claims (5)

  1. 支持体と、
    当該支持体の一方の側の面に形成されたITOからなる透明導電層と、
    を備えた積層体であって、
    当該積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークの測定をIn−Plane測定で実施した場合の、前記透明導電層のITO結晶の(222)面に基づく回折ピークの高さをPITO(222)とし、当該透明導電層のITO結晶の(400)面に基づく回折ピークの高さをPITO(400)とするとき、PITO(222)/PITO(400)が3.6以上である、積層体。
  2. 前記透明導電層中の酸化スズと酸化インジウムスズとの重量比が、93:7である
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記支持体は、1または複数の層を含んでおり、
    当該支持体の前記透明導電層と接する層が、ポリシロキサンを含んでいる、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 当該積層体は、タッチパネル用導電性パターン基材を作製するために用いられる積層体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 請求項1に記載の積層体を加工することによって得られる、タッチパネル用導電性パターン基材。
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