JP2015155287A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドと長孔の内壁との間の隙間に起因するステアリングコラムのガタつきを抑制し、チルト調整またはテレスコ調整を滑らかに行うことができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置は、ステアリングホイールの位置決めを固定または解除する操作レバーと、操作レバーに連動する円柱状のロッドと、ロッドが貫通する長孔を備える金属部材と、を備える。ステアリング装置は、ロッドが挿入される筒状部材であって、端面にロッドの周方向に沿って設けられる溝を備えるスペーサーを備え、スペーサーは、長孔の短手方向で対向する長孔の内壁の両方に接し、長孔に対して摺動可能である。
【選択図】図5

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリングホイールの回転に伴って車輪に舵角を付与するステアリング装置に備えられる、チルト機構およびテレスコ機構が広く知られている。例えば、特許文献1には、車体側ブラケットのチルト長孔とコラム側ブラケットのテレスコ長孔とに挿通している締付けロッドを有する車両用ステアリング装置が記載されている。特許文献1の車両用ステアリング装置は、操作レバーの回動で車体側ブラケットを締め付ける力を解除することでチルト調整およびテレスコ調整を可能にしている。
特開2008−265419号公報
特許文献1に記載されているようなステアリング装置の場合、チルト調整またはテレスコ調整を行うときに締付けロッドがチルト長孔またはテレスコ長孔に対して相対的に摺動できるように、締付けロッドとチルト長孔の内壁またはテレスコ長孔の内壁との間には隙間が生じている。これにより、チルト調整またはテレスコ調整を行うときのステアリングコラムの動作に、当該隙間に起因するガタつきが生じる可能性がある。このため、チルト調整またはテレスコ調整が滑らかに行われない可能性があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ロッドと長孔の内壁との間の隙間に起因するステアリングコラムのガタつきを抑制し、チルト調整またはテレスコ調整を滑らかに行うことができるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るステアリング装置は、ステアリングホイールの位置決めを固定または解除する操作レバーと、前記操作レバーに連動する円柱状のロッドと、前記ロッドが貫通する長孔を備える金属部材と、前記ロッドが挿入される筒状部材であって、端面に前記ロッドの周方向に沿って設けられる溝を備えるスペーサーと、を備え、前記スペーサーは、前記長孔の短手方向で対向する前記長孔の内壁の両方に接し、前記長孔に対して摺動可能であることを特徴とする。
これにより、本発明に係るステアリング装置において、スペーサーは、長孔の短手方向で対向する長孔の内壁の両方に接するので、ロッドを長孔の短手方向の両側から付勢する。このため、長孔におけるロッドの位置は、長孔の短手方向で中央に維持されやすくなる。これにより、ロッドが長孔の内壁に接触する可能性が低減される。また、スペーサーは、溝を備えることで弾性変形しやすくなり、ロッドを過度に付勢する事態を抑制することができる。よって、本発明に係るステアリング装置は、ロッドと長孔の内壁との間の隙間に起因するステアリングコラムのガタつきを抑制し、チルト調整またはテレスコ調整を滑らかに行うことができる。
本発明の望ましい態様として、前記溝は環状であることが好ましい。これにより、スペーサーがロッドに対して回転した場合であっても、ロッドと長孔の内壁とに挟まれて変形する溝の変形量が一定に保たれやすくなる。このため、スペーサーがロッドを付勢する力は一定になりやすくなる。よって、ステアリング装置は、チルト調整またはテレスコ調整をより滑らかに行うことができる。
本発明の望ましい態様として、前記金属部材は、2つであり、それぞれに備えられた前記長孔が対向するように配置され、前記スペーサーは、それぞれの前記長孔に設けられることが好ましい。仮にスペーサーが2つの長孔のうち一方のみに設けられる場合、一方の長孔においてロッドが短手方向の中央に維持されやすくなるが、他方の長孔においてロッドの短手方向の動きは規制されていない。このため、ロッドは、一方の長孔を支点として長孔の短手方向に傾く可能性がある。これにより、操作レバーの先端において、一方の長孔からの距離に応じて増幅されたガタつきが生じる可能性がある。これに対して、ロッドが2つの長孔の両方に設けられている場合、両方の長孔にあるスペーサーがロッドを短手方向の中央に維持しやすくする。よって、ステアリング装置は、チルト調整またはテレスコ調整をより滑らかに行うことができ、かつ操作レバーの先端において大きなガタつきが生じる可能性を抑制することができる。
本発明によれば、ロッドと長孔の内壁との間の隙間に起因するステアリングコラムのガタつきを抑制し、チルト調整またはテレスコ調整を滑らかに行うことができるステアリング装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の構成図である。 図2は、ステアリングコラムの周囲を模式的に示す側面図である。 図3は、ステアリングコラムを車両に取り付ける部分を模式的に示す平面図である。 図4は、ステアリングコラムを車両に取り付ける部分を模式的に示す斜視図である。 図5は、図2におけるA−A’断面を示す図である。 図6は、図5におけるB−B’断面を示す図である。 図7は、本実施形態に係るスペーサーを一方側から見た場合の斜視図である。 図8は、本実施形態に係るスペーサーを他方側から見た場合の斜視図である。 図9は、図7におけるC−C’断面を示す図である。 図10は、図5におけるスペーサーの周囲を拡大して示す図である。 図11は、ロッドが長孔の長手方向の中央付近に位置しているときの本実施形態に係るスペーサーを、アウターコラムのスリット側から見た模式図である。 図12は、変形例に係るスペーサーを一方側から見た場合の斜視図である。 図13は、変形例に係るスペーサーを他方側から見た場合の斜視図である。 図14は、図12におけるE−E’断面を示す図である。 図15は、変形例に係るスペーサーの周囲を拡大して示す断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の構成図である。図2は、ステアリングコラムの周囲を模式的に示す側面図である。図3は、ステアリングコラムを車両に取り付ける部分を模式的に示す平面図である。図4は、ステアリングコラムを車両に取り付ける部分を模式的に示す斜視図である。図1から図4を用いて、本実施形態に係るステアリング装置80の概要を説明する。また、以下の説明において、ステアリング装置80を車両に取り付けた場合の車両の前方は、単に前方と記載され、ステアリング装置80を車両に取り付けた場合の車両の後方は、単に後方と記載される。図2において、前方は、図中の左側であり、後方は、図中の右側である。
(ステアリング装置)
ステアリング装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、ユニバーサルジョイント84と、ロアシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、ピニオンシャフト87と、ステアリングギヤ88と、タイロッド89とを備える。また、ステアリング装置80は、ECU(Electronic Control Unit)90と、トルクセンサ91aとを備える。車速センサ91bは、車両に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU90に入力する。
ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを含む。入力軸82aは、一方の端部がステアリングホイール81に連結され、他方の端部がトルクセンサ91aを介して操舵力アシスト機構83に連結される。出力軸82bは、一方の端部が操舵力アシスト機構83に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント84に連結される。本実施形態では、入力軸82a及び出力軸82bは、SPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の一般的な鋼材等から形成される。
ロアシャフト85は、一方の端部がユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント86に連結される。ピニオンシャフト87は、一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。
ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを含む。ピニオン88aは、ピニオンシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ラックアンドピニオン形式として構成される。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。タイロッド89は、ラック88bに連結される。
操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、電動モータ(モータ)70とを含む。なお、電動モータ70は、いわゆる、ブラシレスモータを例示して説明するが、ブラシ(摺動子)及びコンミテータ(整流子)を備える電動モータであってもよい。減速装置92は、出力軸82bに連結される。電動モータ70は、減速装置92に連結され、かつ、補助操舵トルクを発生させる電動機である。なお、ステアリング装置80は、ステアリングシャフト82と、トルクセンサ91aと、減速装置92とによりステアリングコラムが構成されている。電動モータ70は、ステアリングコラムの出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、本実施形態のステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
図2に示すように、ステアリング装置80は、入力軸82aを回転可能に支持するステアリングコラム50を有する。ステアリングコラム50は、筒状のアウターコラム51と、一部がアウターコラム51に挿入される筒状のインナーコラム54とを有する。アウターコラム51およびインナーコラム54は、例えば、SPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の一般的な鋼材等から形成される金属部材である。例えば、アウターコラム51は、インナーコラム54の後方側に配置されている。なお、アウターコラム51がインナーコラム54の前方側に配置されていてもよい。また、アウターコラム51は、必ずしも筒状でなくてもよく、例えば軸方向に対して直交する平面で切った断面が略U字状等であってもよい。
ステアリング装置80は、車体側部材に固定されてステアリングコラム50を支持するコラムブラケット52を備える。コラムブラケット52は、例えば、SPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の一般的な鋼材等から形成される金属部材である。コラムブラケット52は、車体側部材に固定される取付板部52bと、取付板部52bに一体に形成された側板部52aと、を備えている。コラムブラケット52の側板部52aは、アウターコラム51を両側で対向して配置され、アウターコラム51を締め付けている。
図3、4に示すように、コラムブラケット52の取付板部52bは、車体側部材13に取付けられる左右一対の離脱カプセル11と、樹脂インジェクションで形成された樹脂部材12pによって離脱カプセル11に固定されたカプセル支持部59と、を有する。離脱カプセル11はアルミニウムをダイキャスト成形して形成されている。離脱カプセル11は、カプセル取付孔11hを有し、カプセル取付孔11hに挿入されるボルト等によって車体側部材13に固定されている。衝突時にステアリングコラム50を前方に移動させる力が作用することにより、離脱カプセル11に対してカプセル支持部59が車体前方に摺動して樹脂部材12pが剪断される。これにより、離脱カプセル11による支持が解除され、ステアリングコラム50が車体から離脱することが可能になっている。
図1に示すトルクセンサ91aは、ステアリングホイール81を介して入力軸82aに伝達された運転者の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ91bは、ステアリング装置80が搭載される車両の走行速度(車速)を検出する。ECU90は、電動モータ70と、トルクセンサ91aと、車速センサ91bと電気的に接続される。
(制御ユニット:ECU)
ECU90は、電動モータ70の動作を制御する。また、ECU90は、トルクセンサ91a及び車速センサ91bのそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU90は、トルクセンサ91aから操舵トルクTを取得し、かつ、車速センサ91bから車両の車速信号Vを取得する。ECU90は、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置(例えば車載のバッテリ)99から電力が供給される。ECU90は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU90は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ70へ供給する電力値Xを調節する。ECU90は、電動モータ70から誘起電圧の情報または後述するレゾルバ等のロータの回転の情報を動作情報Yとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操作者(運転者)の操舵力は、入力軸82aを介して操舵力アシスト機構83の減速装置92に伝わる。この時に、ECU90は、入力軸82aに入力された操舵トルクTをトルクセンサ91aから取得し、かつ、車速信号Vを車速センサ91bから取得する。そして、ECU90は、電動モータ70の動作を制御する。電動モータ70が作り出した補助操舵トルクは、減速装置92に伝えられる。
出力軸82bを介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント84を介してロアシャフト85に伝達され、さらにユニバーサルジョイント86を介してピニオンシャフト87に伝達される。ピニオンシャフト87に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ88を介してタイロッド89に伝達され、操舵輪を転舵させる。
図5は、図2におけるA−A’断面を示す図である。図6は、図5におけるB−B’断面を示す図である。図5に示すように、アウターコラム51は、2つのテレスコ調整部31を有する。2つのテレスコ調整部31は、アウターコラム51の外周面から互いに対向するように突出している。また、2つのテレスコ調整部31は、図6に示すように、アウターコラム51の軸方向に長い長孔32をそれぞれ備える。長孔32には、円柱状のロッド30が貫通している。ロッド30は、2つの長孔32を貫通するとともに、側板部52aに設けられた長孔52ahを貫通し、操作レバー53と連結されている。長孔52ahは、長孔32の長手方向とは異なる方向に長い長孔であって、ロッド30の軸方向に対して直交する面方向に長い長孔である。なお、長孔32および長孔52ahは、長孔でなく丸孔であってもよい。
また、アウターコラム51は、外周面のうち2つのテレスコ調整部31の間に設けられるスリット51sを備える。例えば、スリット51sは、インナーコラム54の挿入側の一端を切り欠いて形成されている。
インナーコラム54の外径は、アウターコラム51の内径と略同等の大きさである。アウターコラム51は、スリット51sを有するので、締め付けられると内径が小さくなる。これにより、アウターコラム51が締め付けられている状態では、アウターコラム51がインナーコラム54を覆う部分において、アウターコラム51の内周面とインナーコラム54の外周面とは接触している。このため、アウターコラム51が締め付けられている状態では、アウターコラム54とインナーコラム51との間に摩擦力が生じている。また、アウターコラム51は、長孔32を有するテレスコ調整部31を備えるため、長孔32の長さの範囲でインナーコラム54に対して摺動可能となっている。
操作レバー53が回転させられると、側板部52aに対する締め付け力が緩められ、側板部52aとアウターコラム51の外周面との間の摩擦力がなくなるまたは小さくなる。これにより、チルト位置の調整が可能となる。また、操作レバー53が回転させられると、側板部52aに対する締め付け力が小さくなるので、アウターコラム51のスリット51sの幅が大きくなる。これにより、アウターコラム51がインナーコラム54を締め付ける力がなくなるため、アウターコラム51が摺動する際の摩擦力がなくなる。これにより、操作者は、操作レバー53を回転させた後、ステアリングホイール81を介してアウターコラム51を押し引きすることで、テレスコ位置を調整することができる。
(スペーサー)
ステアリング装置80において、一般的にはテレスコ調整を行うときにロッド30が長孔32に対して相対的に摺動できるように、ロッド30と長孔32の内壁との間には隙間が生じている。当該隙間があることによりロッド30と長孔32の内壁との摩擦がなくなるので、テレスコ調整を行うために必要な力が小さくなる。しかし、当該隙間があることにより、テレスコ調整を行うときのステアリングコラム50の動作に、ガタつきが生じる可能性がある。また、テレスコ調整を行うときロッド30が長孔32の短手方向に傾く余地があるので、操作レバー53の先端において、長孔32からの距離に応じて増幅されたガタつきが生じる可能性がある。
このようなガタつきを抑制するため、本実施形態に係るステアリング装置80は、図5に示すように、ロッド30と長孔32の内壁との間に配置される環状のスペーサー2を備える。例えば本実施形態において、2つある長孔32の両方にスペーサー2が配置されている。スペーサー2の材質は、ポリアセタール等の耐油性が高い合成樹脂であると好ましい。これにより、長孔32の内壁とスペーサー2とが接する部分における摩擦が低減される。なお、スペーサー2の材質は、エラストマー、またはニトリルゴム等の合成ゴムであってもよい。
図7は、本実施形態に係るスペーサーを一方側から見た場合の斜視図である。図8は、本実施形態に係るスペーサーを他方側から見た場合の斜視図である。図9は、図7におけるC−C’断面を示す図である。図10は、図5におけるスペーサーの周囲を拡大して示す図である。図11は、ロッドが長孔の長手方向の中央付近に位置しているときの、図10におけるD−D’断面を示す図である。
図7、8、9に示すように、スペーサー2は、ロッド30が挿入される筒状部材であって、端面にロッド30の周方向に沿って設けられる溝26を備える。スペーサー2は、貫通孔20を備え、貫通孔20にロッド30が挿入されている。図10に示すように、溝26は、ロッド30の軸方向のうちロッド30の端部から中央に向かう方向に開口し、当該開口する部分に対してロッド30の軸方向の反対側で閉じている。溝26は、例えば環状である。以下の説明において、ロッド30の軸方向のうちロッド30の端部から中央に向かう方向は、単にロッド中央方向と記載され、ロッド30の軸方向のうちロッド30の中央から端部に向かう方向は、単にロッド端部方向と記載される。なお、溝26は、必ずしも環状でなくてもよく、ロッド30の周方向に沿って複数に分断されていてもよい。
図9、10に示すように、スペーサー2は、長孔32の内壁に対向する枠部22と、溝26によって枠部22と隔てられたリップ部24と、枠部22とリップ部24とを連結する連結部23と、を備える。スペーサー2が長孔32に取り付けられていない状態において、枠部22、溝26およびリップ部24は、ロッド30の軸方向から見た形状がロッド30と略同心円状である。枠部22の外径は、図9に示すように距離D2で一定である。溝26がロッド中央方向に開口しているので、連結部23は、枠部22のうちロッド端部方向の端部とリップ部24のうちロッド端部方向の端部とを連結している。
図9に示すように、リップ部24は、内径が距離D1で略一定である内周面24aと、ロッド中央方向に向かって内径が漸縮する内周面24bと、を備える。内周面24aは、内周面24bに隣接しており、内周面24bよりもロッド中央方向に配置されている。また、図10に示すロッド30の直径D3は、距離D1よりも大きい。これにより、ロッド30がスペーサー2の貫通孔20に挿入された状態において、内周面24aは、全周でロッド30に接し、内周面24aの内径がロッド30の直径D3に等しくなっている。
スペーサー2の枠部22は、図10に示すように、中径部33の内壁に対向している。中径部33は、長孔32のうちロッド30に直接対向する部分よりも大きい内周を有する。また、中径部33は、長孔32のうちロッド30に直接対向する部分に対してロッド端部方向に配置されている。
長孔32の短手方向で対向する中径部33の内壁同士は、図10に示すように距離D4離れている。スペーサー2が長孔32に取り付けられていない状態において、枠部22の外径は、距離D2で一定である。距離D4は、距離D2よりも小さい。これにより、スペーサー2が長孔32に取り付けられた状態において、スペーサー2は、図11に示すように溝26の形状を変化させて弾性変形し、長孔32の短手方向で対向する中径部33の内壁の両方に接する。また、距離D2は長孔32の長手方向の長さよりも小さい。このため、スペーサー2は、長孔32の長手方向の動きが規制されないので、長孔32に対して摺動可能である。長孔32におけるロッド30の位置が変化するとき、スペーサー2は、ロッド30とともに長孔32における位置を変化させる。
スペーサー2は、長孔32の短手方向で対向する長孔32の内壁の両方に接するので、ロッド30を長孔32の短手方向の両側から付勢する。このため、長孔32におけるロッド30の位置は、長孔32の短手方向で中央に維持されやすくなる。これにより、ロッド30は、長孔32の内壁に接触しにくくなる。また、スペーサー2は、溝26を備えることで弾性変形しやすくなり、ロッド30を過度に付勢する事態を抑制することができる。よって、ステアリング装置80は、ロッド30と長孔32の内壁との間の隙間に起因するステアリングコラム50のガタつきを抑制し、テレスコ調整を滑らかに行うことができる。
また、上述したように溝26は環状である。これにより、スペーサー2がロッド30に対して回転した場合であっても、ロッド30と長孔32の内壁とに挟まれて変形する溝26の変形量が一定に保たれやすくなる。このため、スペーサー2がロッド30を付勢する力は一定になりやすくなる。よって、ステアリング装置80は、テレスコ調整をより滑らかに行うことができる。
図9、10に示すように、スペーサー2は、枠部22から側板部52aの表面と平行な方向に突出するフランジ部21を有する。ロッド30の軸方向から見たフランジ部21の直径は、中径部33の短手方向の大きさよりも大きい。長孔32は、図10に示すように、中径部33よりも大きい内周を有する大径部34を備える。大径部34は、長孔32のうちロッド端部方向の端部に配置されている。フランジ部21は、中径部33と大径部34との間の段差部35に接するように配置される。本実施形態に係るステアリング装置80は、長孔32にスペーサー2を配置したあと、スペーサー2にロッド30を挿入して組み立てられる。スペーサー2がフランジ部21を備えることで、スペーサー2を長孔32に取り付けるときに、フランジ部21を段差部35に接触させて取り付けることができる。これにより、長孔32に取り付けられたスペーサー2の貫通孔20が、ロッド30の軸方向に対して平行になりやすくなる。このため、貫通孔20に対してロッド30を挿入する作業が容易になる。なお、スペーサー2は、フランジ部21を備えていなくてもよい。
また、スペーサー2が筒状であるため、ロッド30は、スペーサー2に挿入されている部分において、スペーサー2によって周方向の全周を覆われている。このため、ロッド30が長孔32の長手方向の端部に位置しているときであっても、ロッド30は、長孔32の長手方向の端部に位置する内壁に対して、スペーサー2を介して対向する。これにより、長孔32におけるロッド30の位置が長孔32の長手方向の端部に向かって勢いよく変化させられた場合であっても、ロッド30とともに長孔32における位置を変化させるスペーサー2が衝撃を緩和する。このため、テレスコ調整時における衝突音の発生が抑制される。
また、本実施形態においてスペーサー2は、互いに離間した2つの長孔32の両方に設けられている。仮にスペーサー2が2つの長孔32のうち一方のみに設けられる場合、一方の長孔32においてロッド30が短手方向の中央に維持されやすくなるが、他方の長孔32においてロッド30の短手方向の動きは規制されていない。このため、ロッド30は、一方の長孔32を支点として長孔32の短手方向に傾くことができる。これにより、操作レバー53の先端において、一方の長孔32からの距離に応じて増幅されたガタつきが生じる可能性がある。これに対して本実施形態においては、ロッド30が2つの長孔32の両方に設けられているので、両方の長孔32においてロッド30が短手方向の中央に維持されやすくなる。よって、ステアリング装置80は、テレスコ調整をより滑らかに行うことができ、かつ操作レバー53の先端において大きなガタつきが生じる可能性を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るスペーサー2は、長孔32に設けられ、かつ長孔52ahに設けられていてもよい。また、スペーサー2は、長孔32に設けられず、長孔52ahに設けられていてもよい。本実施形態に係るスペーサー2が長孔52ahに設けられる場合、ステアリング装置80は、ロッド30と長孔52ahの内壁との間の隙間に起因するステアリングコラム50のガタつきを抑制し、チルト調整を滑らかに行うことができる。
上述したように、本実施形態に係るステアリング装置80は、ステアリングホイール81の位置決めを固定または解除する操作レバー53と、操作レバー53に連動する円柱状のロッド30と、ロッド30が貫通する長孔(長孔32または長孔52ah)を備える金属部材(テレスコ調整部31または側板部52a)と、ロッド30が挿入される筒状部材であって、端面にロッド30の周方向に沿って設けられるスペーサー2と、を備える。スペーサー2は、長孔32の短手方向で対向する長孔32(中径部33)の内壁の両方に接し、長孔32に対して摺動可能である。
これにより、スペーサー2は、長孔(長孔32または長孔52ah)の短手方向で対向する長孔(長孔32または長孔52ah)の内壁の両方に接するので、ロッド30を長孔(長孔32または長孔52ah)の短手方向の両側から付勢する。このため、長孔(長孔32または長孔52ah)におけるロッド30の位置は、長孔(長孔32または長孔52ah)の短手方向で中央に維持されやすくなる。これにより、ロッド30が長孔の内壁(長孔32の内壁または長孔52ahの内壁)に接触する可能性が低減される。また、スペーサー2は、溝26を備えることで弾性変形しやすくなり、ロッド30を過度に付勢する事態を抑制することができる。よって、ステアリング装置80は、ロッド30と長孔の内壁(長孔32の内壁または長孔52ahの内壁)との間の隙間に起因するステアリングコラム50のガタつきを抑制し、チルト調整またはテレスコ調整を滑らかに行うことができる。
また、本実施形態に係るステアリング装置80において、溝26は環状である。これにより、スペーサー2がロッド30に対して回転した場合であっても、ロッド30と長孔(長孔32または長孔52ah)の内壁とに挟まれて変形する溝26の変形量が一定に保たれやすくなる。このため、スペーサー2がロッド30を付勢する力は一定になりやすくなる。よって、ステアリング装置80は、チルト調整またはテレスコ調整をより滑らかに行うことができる。
また、本実施形態に係るステアリング装置80において、金属部材(テレスコ調整部31または側板部52a)は、2つであり、それぞれに備えられた長孔(長孔32または長孔52ah)が対向するように配置され、スペーサー2は、それぞれの長孔(長孔32または長孔52ah)に設けられる。仮にスペーサー2が2つの長孔(2つの長孔32または2つの長孔52ah)のうち一方のみに設けられる場合、一方の長孔(長孔32または長孔52ah)においてロッド30が短手方向の中央に維持されやすくなるが、他方の長孔(長孔32または長孔52ah)においてロッド30の短手方向の動きは規制されていない。このため、ロッド30は、一方の長孔(長孔32または長孔52ah)を支点として長孔(長孔32または長孔52ah)の短手方向に傾く可能性がある。これにより、操作レバー53の先端において、一方の長孔(長孔32または長孔52ah)からの距離に応じて増幅されたガタつきが生じる可能性がある。これに対して、ロッド30が2つの長孔(2つの長孔32または2つの長孔52ah)の両方に設けられている場合、両方の長孔(長孔32または長孔52ah)にあるスペーサー2がロッド30を短手方向の中央に維持しやすくする。よって、ステアリング装置80は、チルト調整またはテレスコ調整をより滑らかに行うことができ、かつ操作レバー53の先端において大きなガタつきが生じる可能性を抑制することができる。
(変形例)
図12は、変形例に係るスペーサーを一方側から見た場合の斜視図である。図13は、変形例に係るスペーサーを他方側から見た場合の斜視図である。図14は、図12におけるE−E’断面を示す図である。図15は、変形例に係るスペーサーの周囲を拡大して示す断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12、13、14に示すように、変形例に係るスペーサー2Aは、ロッド30が挿入される筒状部材であって、端面にロッド30の周方向に沿って設けられる溝26Aを備える。スペーサー2Aは、貫通孔20Aを備え、ロッド30が貫通孔20Aに挿入されている。図15に示すように、溝26Aは、ロッド中央方向に開口し、当該開口する部分に対してロッド30の軸方向の反対側で閉じている。溝26Aは、例えば環状である。
図14、15に示すように、スペーサー2Aは、長孔32の内壁に対向するリップ部24Aと、溝26Aによってリップ部24Aと隔てられた枠部22Aと、リップ部24Aと枠部22Aとを連結する連結部23Aと、を備える。スペーサー2Aが長孔32に取り付けられていない状態において、リップ部24A、溝26Aおよび枠部22Aは、ロッド30の軸方向から見た形状がロッド30と略同心円状である。溝26Aがロッド中央方向に開口しているので、連結部23Aは、リップ部24Aのうちロッド端部方向の端部と枠部22Aのうちロッド端部方向の端部とを連結している。
図14に示すように、枠部22Aの内径は一定である。スペーサー2Aが長孔32に取り付けられていない状態において、枠部22Aの内径はロッド30の直径D3よりも小さい。これにより、ロッド30がスペーサー2Aの貫通孔20Aに挿入された状態において、枠部22Aの内周面は、全周でロッド30に接し、内径がロッド30の直径D3に等しくなっている。
図14に示すように、リップ部24Aは、外径が略一定である外周面24Aaと、ロッド端部方向に向かって外径が漸縮する外周面24Abと、を備える。外周面24Aaは、外周面24Abに隣接しており、外周面24Abよりもロッド中央方向に配置されている。これにより、図15に示すように、外周面24Aaが長孔32の中径部33の内壁に接しているときでも、外周面24Abと中径部33の内壁との間には隙間が生じやすくなる。このため、リップ部24Aが外周面24Abを備えることで、リップ部24Aと中径部33の内壁との接触面積が小さくなる。リップ部24Aと中径部33の内壁との接触面積が小さくなると、スペーサー2Aが長孔32に対して摺動するときの摩擦が低減される。よって、変形例に係るステアリング装置80は、チルト調整またはテレスコ調整をより滑らかに行うことができる。
11 離脱カプセル
11h カプセル取付孔
12p 樹脂部材
2、2A スペーサー
20、20A 貫通孔
21 フランジ部
22、22A 枠部
23、23A 連結部
24、24A リップ部
24a、24b 内周面
24Aa、24Ab 外周面
26、26A 溝
31 テレスコ調整部
32 長孔
33 中径部
34 大径部
50 ステアリングコラム
51 アウターコラム
51s スリット
52 コラムブラケット
52a 側板部
52ah 長孔
52b 取付板部
53 操作レバー
54 インナーコラム
59 カプセル支持部
70 電動モータ
80 ステアリング装置
81 ステアリングホイール
82 ステアリングシャフト
82a 入力軸
82b 出力軸
83 操舵力アシスト機構
84 ユニバーサルジョイント
85 ロアシャフト
86 ユニバーサルジョイント
87 ピニオンシャフト
88 ステアリングギヤ
88a ピニオン
88b ラック
89 タイロッド
90 ECU
91a トルクセンサ
91b 車速センサ
92 減速装置
98 イグニッションスイッチ
99 電源装置

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの位置決めを固定または解除する操作レバーと、
    前記操作レバーに連動する円柱状のロッドと、
    前記ロッドが貫通する長孔を備える金属部材と、
    前記ロッドが挿入される筒状部材であって、端面に前記ロッドの周方向に沿って設けられる溝を備えるスペーサーと、
    を備え、
    前記スペーサーは、前記長孔の短手方向で対向する前記長孔の内壁の両方に接し、前記長孔に対して摺動可能である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記溝は環状である
    ことを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記金属部材は、2つであり、それぞれに備えられた前記長孔が対向するように配置され、
    前記スペーサーは、それぞれの前記長孔に設けられる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のステアリング装置。
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