JP2015167341A - マルチプロジェクションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】操作者の手間をより軽減することができるマルチプロジェクションシステムを提供する。【解決手段】複数のプロジェクター1からそれぞれ個別に発せられる所定の信号を受信するLANコネクタと、その信号の受信結果に基づいてプロジェクター1の台数を特定する台数特定手段、台数の特定結果に基づいて、複数のプロジェクター1に対してそれぞれ投写させる位置判別用画像を決定する決定手段、及び複数の前記プロジェクター1に対してそれぞれ決定した位置判別用画像を出力する手段として機能する画像信号分配装置30とを設けた。【選択図】図3

Description

本発明は、画像投写領域における互いに異なる投写位置に対してそれぞれ分割画像を個別に投写して大きな画像を得るための複数のプロジェクターを備えるマルチプロジェクションシステムに関するものである。
近年、画像処理技術や投写技術の進歩に伴って、マルチプロジェクションシステムが広く用いられるようになってきた。巨大スクリーンやビルディングの壁などといった大面積の画像投写領域をマトリクス状に区画し、複数のプロジェクターによってそれぞれの区画に分割画像を個別に投写することで、1つの大きな画像を映し出すシステムである。
かかるマルチプロジェクションシステムとしては、特許文献1に記載のものが知られている。このマルチプロジェクションシステムにおける複数のプロジェクターはそれぞれ、自らによって投写された分割画像をその周囲領域とともに撮像する撮像手段を具備している。そして、分割画像としての所定の位置判別用画像を投写しながら、その位置判別用画像及びその周囲領域を撮像した結果に基づいて、自らの投写位置についてマトリクスにおけるどの区画であるのかを特定する。例えば、自らによって投写された位置判別用画像の右側及び下側にそれぞれ他のプロジェクターによって投写された位置判別用画像が存在するのに対し、左側及び上側には他のプロジェクターによって投写された位置判別用画像が存在しないとする。この場合には、自らの投写位置についてマトリクスにおける左上角の区画であると特定する。かかる構成において、作業者は、複数のプロジェクターによって投写される画像をそれぞれ参照しながらそれぞれのプロジェクターの投写位置を調整した後、それぞれのプロジェクターの投写位置をシステムに自動認識させることが可能になる。これにより、作業者の手間を軽減することができる。
しかしながら、このマルチプロジェクションシステムにおいては、個々のプロジェクターに対し、互いに異なる位置判別用画像を投写させるための設定操作を行う必要があり、その設定操作に手間を要してしまうという問題がある。具体的には、複数のプロジェクターに対しては、自らによって投写されている位置判別用画像と、その周囲に存在する他の位置判別用画像とを判別させる必要がある。このため、複数のプロジェクターに対して互いに異なる位置判別用画像を投写させなければならず、操作者はそのための設定操作を個々のプロジェクターに対して個別に行う必要がある。かかる設定操作に手間を要してしまうことから、投写位置を自動認識させることによる手間の軽減効果が低下してしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、操作者の手間をより軽減することができるマルチプロジェクションシステムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、画像投写領域における互いに異なる投写位置に対してそれぞれ分割画像を個別に投写して大きな画像を得るための複数のプロジェクターと、それらプロジェクターによってそれぞれ投写された分割画像をその周囲領域とともに個別に撮像する複数の撮像手段と、複数の前記プロジェクターによって前記画像投写領域における互いに異なる投写位置に投写された前記位置判別用画像をそれぞれ前記周囲領域とともに撮像して得た複数の撮像情報に基づいて、複数の前記プロジェクターのうち、少なくとも一部の前記プロジェクターの投写位置を特定する投写位置特定手段とを備えるマルチプロジェクションシステムにおいて、複数の前記プロジェクターからそれぞれ個別に発せられる所定の信号を受信する受信手段と、前記受信手段による受信結果に基づいて前記プロジェクターの台数を特定する台数特定手段と、前記台数特定手段による特定結果に基づいて、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ投写させる前記位置判別用画像を決定する決定手段と、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ前記決定手段によって決定された前記位置判別用画像を投写させるための処理を実施する投写用処理実行手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、操作者の手間をより軽減することができるという優れた効果がある。
実施形態に係るマルチプロジェクションシステムの要部構成を示す要部構成図。 同マルチプロジェクションシステムにおけるプロジェクターの電気回路を示すブロック図。 同マルチプロジェクションシステムにおけるLANケーブルの接続状態を説明するための説明図。 スクリーン上における投写区画と位置判別用画像との関係を説明するための模式図。 スクリーン上における分割画像の重なり領域の第1例を説明するための模式図。 位置判別用画像とその周辺投写態様との関係を説明するための模式図。 同マルチプロジェクションシステムの画像信号分配装置によって実施される投写位置特定処理の処理フローを示すフローチャート。 同プロジェクターの制御部によって実施される態様特定処理の処理フローを示すフローチャート。 スクリーン上における分割画像の重なり領域の第2例を説明するための模式図。 変形例に係るマルチプロジェクションシステムにおける通信ケーブルの接続状態を説明するための説明図。 同マルチプロジェクションシステムのプロジェクターの制御部によって実施される位置特定処理の第1処理フローを示すフローチャート。 同位置特定処理の第2処理フローを示すフローチャート。 教室の黒板を画像投写対象物とした場合における位置判別用画像とその周辺投写態様との関係を説明するための模式図。 実施例に係るMPシステムの画像信号分配装置及びプロジェクターが共同して実施する地色特定処理のうち、プロジェクターが担当する処理内容の各工程を示すフローチャート。
以下、本発明を適用したマルチプロジェクションシステム(以下、MPシステムという)の一実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係るMPシステムの要部構成を示す要部構成図である。このMPシステムは、9台のプロジェクター1と、画像信号分配装置30と、画像信号出力装置40とを備えている。なお、プロジェクター1の台数は、2台以上であれば、9台に限定されるものではない。
同図では、画像投写領域としてのスクリーン20の投写面を3区画×3区画のマトリクスに区画して、それぞれの区画に対して互いに異なるプロジェクター1によって分割画像を投写する例が示されている。なお、マトリクスの態様は、3区画×3区画に限られるものではない。
画像信号出力装置40は、画像信号分配装置30に対して、図示のような馬及び騎手の動画を投写するための映像信号を出力する。この映像信号は、画像信号分配装置40により、マトリクスにおける個々の区画にそれぞれ分割動画を投写するための複数の分割映像信号に変換されて、9台のプロジェクター1にそれぞれ出力される。9台のプロジェクター1は、画像信号分配装置40から送られてくる分割映像信号に基づく動画を、それぞれ自らに対応する区画に投写する。これにより、スクリーン20には、複数の分割動画の組み合わせによる1つの大きな動画(馬及び騎手の動画)が投写される。
なお、個々のプロジェクター1に対して分割映像信号を出力する代わりに、オリジナルの映像信号を出力してもよい。この場合、プロジェクター1に対して、映像信号を、自らの投写位置(投写区画)に対応する分割動画を表示するための分割映像信号に変換するための処理を実施させればよい。但し、かかる処理を実施するための回路を個々のプロジェクター1に搭載すると、画像信号分配装置40で映像信号を分割映像信号に変換する構成に比べて、MPシステムのコストを増加させてしまう。よって、コスト面からすると画像信号分配装置40を用いる方が有利である。
画像信号分配装置30は、ハードディスクなどの記憶装置を具備している。この記憶装置は、プロジェクター1の投写位置についてマトリクスにおけるどの区画であるのかを判別するための位置判別用画像のデータである判別画像データとして、互いに異なる位置判別用画像を投写するための複数のものを記憶している。位置判別用画像データとしては、単色矩形ベタ画像などを例示することができる。この場合、例えば、複数の色にそれぞれ対応する単色矩形ベタ画像を個別に表示させるための複数の判別画像データが記憶回路に記憶されている。位置判別用画像としては、互いに異なる色の単色矩形ベタ画像の他に、互いに模様や形状が異なるものを採用してもよい。
画像信号分配装置30と9台のプロジェクター1とをそれぞれ個別に結ぶ線は、映像信号ケーブルを示しており、それぞれの一端がプロジェクター1の映像用端子(後述する図2の14)に接続されている。
図2は、実施形態に係るMPシステムにおけるプロジェクター1の電気回路を示すブロック図である。プロジェクター1は、映像処理部2、スケーラ3、制御部4、メモリー5、操作部6、ドライブ回路7、表示素子8、光源9、投影光学系10、カメラ11、投影画像解析回路部12、通信用端子13、映像用端子14などを有している。そして、映像用端子14に入力された映像信号に基づいて、スクリーン20に静止画や動画を投写する。
画像信号出力装置(40)から出力された映像信号は、プロジェクター1の映像用端子14に入力された後、映像信号処理部2に送られる。映像信号処理部2は、受け取った映像信号を映像デジタル信号に変換してスケーラ3に出力する。スケーラ3は、映像デジタル信号の内容に基づいて画像の縦及び横の画素数を判定し、プロジェクター1の出力画素数のアスペクト比に対して入力映像を最適表示になるように自動でスケーリングを行う。ドライブ回路7は、スケーラ3によってスケーリングされた映像デジタル信号及びその同期信号に基づいて表示素子8を駆動する。液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)などの表示素子8は、スケーリングされた映像を表示しながら、その映像によって光源10からの光を変調する。投射レンズを具備する投影光学系10は、表示素子8に表示される映像をスクリーン20に拡大投写する。スクリーン20に投写された映像や画像については、撮像手段としてのカメラ11によって撮像することが可能である。
マイクロコントローラ(マイコン)等からなる制御部4は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM(リードオンリーメモリー)、RAM(ランダムアクセスメモリー)などの演算回路および記憶回路を備えている。そして、プロジェクター1の全般的な制御を実施したり、各種の設定及び比較を行うための処理を実施したりする。
操作部6は、プロジェクター1の本体に設けられた操作パネル上のキー入力部やリモコン送信機のキー入力部などで構成されており、プロジェクター1の各種設定や選択を行うためのメニュー画面を表示させるメニューキーを具備している。また、プロジェクター1の映像用端子14には、前述した映像信号ケーブルの一端が接続され、その映像信号ケーブルの他端は画像信号分配装置30の映像出力ユニット(後述する図3の31)に接続されている。また、通信用端子13には、制御信号などの各種の信号を通信するための通信ケーブルたるLANケーブルの一端が接続され、そのLANケーブルの他端は図示しないLAN HUBに接続されている。
図3は、実施形態に係るMPシステムにおけるLANケーブルの接続状態を説明するための説明図である。9台のプロジェクター1はそれぞれ、個別のLANケーブルによってLAN HUB60に接続されている。このような接続により、9台のプロジェクター1はそれぞれ、LAN HUB60を介して画像信号分配装置30と通信することができるようになっている。なお、LANケーブルを用いた有線通信に代えて、無線LANなどを利用した無線通信を採用してもよい。この場合、作業者によるLANケーブルの配線作業を不要にして作業性を向上させることができる。
画像信号分配装置30は、所定のタイミングで、映像出力ユニット31を介して9台のプロジェクター1に対して互いに異なる判別画像データを送信する。これにより、スクリーンのマトリクスにおける各区画には、それぞれ互いに異なる位置判別用画像が投写される。各区画に投写された位置判別用画像やその周囲領域は、図2に示されるプロジェクター1の制御部4に制御されるカメラ11によって撮像され、その画像情報がプロジェクター1の撮影画像解析回路部12に送られる。撮影画像解析回路12は、受け取った画像情報に基づいて、位置判別用画像の周囲における画像投写態様を特定し、その結果を制御部4に出力する。なお、周囲投写態様の詳細については後に説明する。
制御部4によって生成された各種のデータを記憶するメモリー5は、不揮発性メモリーなどで構成され、プロジェクター1の電源が切られた後にも、記憶データを保持し続けることが可能である。なお、後述する変形例に係るMPシステムのプロジェクターでは、後述する態様特定処理によって特定された投写位置(投写区画)の情報も、メモリー5に格納される。
3区画×3区画のマトリクスに区画されているスクリーン20上では、区画の境界において、互いの区画の分割画像における端部が重なり合っている。それぞれの分割画像の端を区画間の境界線にピタリと一致させるようにプロジェクター1の投影位置を調整することが困難であることから、隣接区画における2つの分割画像の端部同士を互いに重ねるようにしているのである。図3において、濃い太線で示されている領域が、2つの分割画像の端部同士を重ねている領域である。
図4は、スクリーン20上における投写区画と位置判別用画像P1との関係を説明するための模式図である。図示のように、位置判別用画像P1は、3区画×3区画のマトリクスにおける各区画よりも少しだけ大きなサイズでスクリーン20上に投写される。このため、位置判別用画像P1の上端部は、上側の隣接区画の中に少しだけはみ出ている。また、位置判別用画像P1の右端部は、右側の隣接区画の中に少しだけはみ出ている。また、位置判別用画像P1の下端部は、下側の隣接区画の中に少しだけはみ出ている。また、位置判別用画像P1の左端部は、左側の隣接区画の中に少しだけはみ出ている。なお、スクリーン20の上端部、右端部、下端部、左端部にはそれぞれ、区画されない余白部が設けられている。また、位置判別用画像P1について説明したが、動画や静止画を映し出すための分割画像も、位置判別用画像P1と同様に、周縁部が隣接区画にはみ出す。
図5は、スクリーン20上における分割画像の重なり領域を説明するための模式図である。同図において、ハッチングを施されている領域が隣接する区画間の分割画像同士が重なり合う重複領域である。この重複領域は、図示のように、隣接する区画の境界線を跨ぐ領域になる。
図6は、位置判別用画像とその周辺投写態様との関係を説明するための模式図である。同図では、位置判別用画像として、単色矩形ベタ画像を採用した例が示されている。9台のプロジェクター1が互いに異なる区画に対してそれぞれ互いに異なる色の位置判別用画像を投写すると、区画によっては、その位置判別用画像の端部が、隣接区画の位置判別用画像の端部に重なる。3区画×3区画のマトリクスにおける中心区画に着目すると、この中心区画には、茶色の位置判別用画像が投写されている。その位置判別用画像の中央部の色はオリジナル通りの茶色になっているが、周縁部の色は隣接区画の位置判別用画像の色と重なって混色になっている。同図における赤茶混色領域の上端が茶色の位置判別用画像の上端であるので、その上端よりも上側の領域が、茶色の位置判別用画像の上側の領域である。この上側の領域には、中心区画に対して上側から隣接する区画に投写された位置判別用画像のオリジナルの色部である赤色部が投写されている。
同図において、青茶混色領域の右端が茶色の位置判別用画像の右端であるので、その右端よりも右側の領域が、茶色の位置判別用画像の右側の領域である。この右側の領域には、中心区画に対して右側から隣接する区画に投写された位置判別用画像のオリジナルの色部である青色部が投写されている。また、茶緑混色領域の下端が茶色の位置判別用画像の下端であるので、その下端よりも下側の領域が、茶色の位置判別用画像の下側の領域である。この下側の領域には、中心区画に対して下側から隣接する区画に投写された位置判別用画像のオリジナルの色部である緑色部が投写されている。また、茶黄混色領域の左端が茶色の位置判別用画像の左端であるので、その左端よりも左側の領域が、茶色の位置判別用画像の左側の領域である。この左側の領域には、中心区画に対して左側から隣接する区画に投写された位置判別用画像のオリジナルの色部である黄色部が投写されている。
なお、マトリクス内の上端、右端、下端、左端に存在している区画では、上、右、下、左に隣接区画が存在していない代わりに、白色の余白が存在している。よって、位置判別用画像の上側の領域が白色になる区画は、マトリクス内の上端部、即ち、1行目に位置していることになる。また、位置判別用画像の右側の領域が白色になる区画は、マトリクス内の右端部、即ち、最終列に位置していることになる。また、位置判別用画像の下側の領域が白色になる区画は、マトリクス内の下端部、即ち、最終行に位置していることになる。また、位置判別用画像の左側の領域が白色になる区画は、マトリクス内の左端、即ち、1列目に位置していることになる。
図2において、プロジェクター1の撮影画像解析回路部12は、カメラ11によって位置判別用画像及びその周囲領域を撮像して得られた画像情報に基づいて、茶色の位置判別用画像の上側、右側、下側、左側の色を特定する。そして、上側、右側、下側、左側の色の情報を順に並べたデータを、周囲投写態様データとして構築して制御部4に出力する。例えば、図6における茶色の位置判別用画像を投写しているプロジェクター1では、撮影画像解析回路部12が、「赤、青、緑、黄、茶」という周囲投写態様データを構築して制御部4に出力する。この周囲投写態様データにおける最後の「茶」は、周囲領域ではなくて区画中央に表示される位置判別用画像のオリジナルの色である。水色の位置判別用画像を投写しているプロジェクター1では、撮影画像解析回路部12が、「黄、緑、白、白、水」という周囲投写態様データを構築して制御部4に出力する。
図7は、画像信号分配装置30によって実施される投写位置特定処理の処理フローを示すフローチャートである。画像信号分配装置30は、操作者によって投写位置特定命令がなされたことに基づいて、この投写位置特定処理を開始する。そして、複数のプロジェクター1に対して互いに異なる判別画像データを出力して、マトリクスの各区画にそれぞれ互いに異なる色の位置判別用画像を投写させる(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。
なお、投写位置特定手段としての画像信号分配装置30は、投写位置特定処理の開始前に、識別情報としてのプロトコルデータを、受信手段としての通信用端子13によって取得して全てのプロジェクター1の台数を特定している。具体的には、画像信号分配装置30は、投写位置特定処理を開始する前に、LANケーブルを介して複数のプロジェクター1からプロトコル信号を取得している。「所定の信号」としてのプロトコル信号は、個々のプロジェクター1にそれぞれ固有のものであることから、受信したプロトコル信号の数は、プロジェクター1の台数を示している。このため、画像信号分配装置30は、プロトコル信号に基づいて、予め自らに接続されているプロジェクター1の台数を特定しているのである。
上記S1の工程においては、ハードディスクに記憶している例えば50個の判別画像データの中から、各プロジェクター1にそれぞれ個別に対応する台数分の判別画像データを優先順位の高い順から読み込んで、それぞれのプロジェクター1に出力する。即ち、画像信号分配装置30は、プロトコル信号の受信結果に基づいてプロジェクターの台数を特定する台数特定手段として機能している。また、台数の特定結果に基づいて、複数のプロジェクター1に対してそれぞれ投写させる位置判別用画像を決定する決定手段としても機能している。そして、映像出力ユニット31に設けられている複数の映像出力端子のうち、番号の若いものから優先した台数分の映像出力端子に、互いに異なる判別画像データを出力する。実施形態に係るMPシステムでは、映像出力ユニット31における番号の若い端子から順に、プロジェクター1への映像信号ケーブルを接続するという取り決めがなされているからである。画像信号分配装置30は、判別画像データの出力を開始した時点では、何番の映像出力端子にどのプロジェクター1が接続されているのかについて、画像信号分配装置30は把握していないが、後述するS12の工程で把握することができる。
判別画像データを出力した後、画像信号分配装置30は、LAN有線通信により、それぞれのプロジェクター1に対して態様特定命令信号を送信する(S2)。それぞれのプロジェクター1は、このとき既に判別画像データに基づく位置判別用画像を自らに対応する区画に投写している。そして、態様特定命令信号を受信したことに基づいて、後述する態様特定処理を実施して、周囲投写態様を特定する。そして、LAN有線通信により、周囲特定態様データを自らのプロトコル信号とともに画像信号分配装置30に送信する。
画像信号分配装置30は、全てのプロジェクター1から周囲特定態様データが送られてくると(S3でY)、それぞれのプロジェクター1に対する判別画像データの出力を停止した後(S4)、データ記憶処理を実施する(S5)。これにより、それぞれのプロジェクター1について、プロトコルデータと周囲特定態様データとの組み合わせ(以下、データ組という)を格納したデータテーブルを記憶装置に記憶する。その後、列数特定処理を実施する(S6)。この列数特定処理では、データテーブルにおける全て(図6の例では9個)のデータ組のうち、下側の領域に対応する色情報が白になっているデータ組の数、あるいは、上側の領域に対応する色情報が白になっているデータ組の数を特定する。そして、その結果を列数として記憶する。なお、図6の例では列数が「3」として記憶される。
次に、画像信号分配装置30は、行数特定処理を実施する(S7)。この行数特定処理では、データテーブルにおける全てのデータ組のうち、右側の領域に対応する色情報が白になっているデータ組の数、あるいは、左側の領域に対応する色情報が白になっているデータ組の数を特定する。そして、その結果を行数として記憶する。なお、図6の例では行数が「3」として記憶される。
その後、画像信号分配装置30は、注目行を最終行に設定する(S8)。例えば、図6の例では、注目行を最終行としての3行目(下段)に設定する。そして、行内投写機位置特定処理を実施する(S9)。この行内投写機位置特定処理では、データテーブルに基づいて、注目行における各列の区画の位置判別用画像をそれぞれ投写しているプロジェクター1のプロトコルを特定することで、そのプロジェクター1の投写位置(投写区画)を特定する。具体的には、まず、複数のデータ組の中から、注目行の1列目の区画に対応するデータ組を特定する。より詳しくは、左側の領域に対応する色情報が白になっており、且つ、下側の領域に対応する色情報が注目行の1列目に対応する色になっているデータ組を特定し、そのデータ組に投写位置情報(注目行の1列目の区画)を追記する。このとき、下側の領域に対応する色情報は、例えば注目行が最終行であれば、余白の白である。また、注目行が最終列+1行であれば、下側の領域に対応する色情報は、最終行の1列目の区画に対する投写を担当しているプロジェクター1の周囲投写態様データにおける末尾の色(位置判別用画像の色)であり、これは既に特定されている。このようにして注目行の1列目の区画に対応するデータ組を特定してそのデータ組に投写位置情報を追記したら、次に、注目行の2列目の区画に対応するデータ組を特定してそのデータ組に投写位置情報(注目行の2列目の区画)を追記する。具体的には、左側の領域に対応する色情報が直前に特定されたデータ組の周囲投写態様データにおける末尾の色になっており、且つ、下側の領域に対応する色情報が注目行の2列目に対応する色になっているデータ組を特定する。このとき、下側の領域に対応する色情報は、例えば注目行が最終行であれば、余白の白である。また、注目行が最終列+1行であれば、最終行の2列目の区画に対する投写を担当しているプロジェクター1の周囲投写態様データにおける末尾の色(位置判別用画像の色)であり、これは既に特定されている。このようなデータ組の特定と、データ組に対する投写位置情報の追記とを、注目行の最終列の区画まで実施する。
行内投写機位置特定処理を終えた画像信号分配装置30は、次に、マトリクスにおける全ての行について行内投写機位置特定処理を実施したか否かを判定する(S10)。そして、実施していない場合には(S10でN)、注目行を1つ上の行にシフトさせた後(S11)、その注目行について行内投写機特定処理を実施する。一方、マトリクスにおける全ての行について行内投写機位置特定処理を実施している場合には(S10でY)、データテーブルにおける各データ組に対して、それぞれ端子番号のデータを追加する。そして、そのデータテーブルを、各機のプロトコルと投写位置と端子番号とを示すデータとしてハードディスクに記憶する(S12)。前述した端子番号は、映像出力ユニット31の複数の映像出力端子にそれぞれ付与された番号であり、それぞれのプロジェクター1に個別に対応するものである。この端子番号については、次のようにして特定する。即ち、上述したS1の工程において、画像信号分配装置30は、何番の映像出力端子に対して何色の判別画像データを出力したのかを示す端子色情報を予め記憶している。そして、データテーブルの各データ組についてそれぞれ、その周囲投写態様データの末尾の色を特定し、その色に対応する映像出力端子の番号を前述した端子色情報から特定する。
図8は、プロジェクター1の制御部4によって実施される態様特定処理の処理フローを示すフローチャートである。制御部4は、画像信号分配装置30から態様特定命令信号が送られてくると(S21でY)、撮像処理を実施して、カメラ11で撮像された位置判別用画像及びその周囲領域の画像情報を取得する(S22)。そして、その画像情報に基づいて周囲投写態様を特定した後(S23)、周囲投写態様データを画像信号分配装置30に送信する(S24)。
以上のように、このMPシステムにおいては、画像信号分配装置30が複数のプロジェクター1から送られてくるID情報信号に基づいて、プロジェクター1の台数を特定する。そして、その台数分のプロジェクター1に対して互いに異なる位置判別用画像を表示させるように、それぞれのプロジェクター1に投写させる位置判別用画像を決定し、その決定結果の通りの投写がなされるための処理を実施する。具体的には、上記S1の工程で、映像出力ユニット31に設けられている複数の映像出力端子のうち、番号の若いものから優先した台数分の映像出力端子に、互いに異なる判別画像データを出力する処理である。この処理を実施することにより、従来では操作者が個々のプロジェクター1に対して個別に実施していた互いに異なる位置判別用画像を投写させるための設定操作を不要にすることで、従来に比べて操作者の手間をより軽減することができる。
図6を用いて、スクリーン20の投写面を3区画×3区画のマトリクスに区画する例について説明したが、実施形態に係るMPシステムでは、次のような投写も可能である。即ち、図9に示されるように、横長のスクリーン20を1区画×9区画のマトリクスに区画して、それぞれの区画に互いに異なる分割画像を投写することも可能である。この場合、1列目の区画では、位置判別用画像の周囲のうち、右側の領域だけに隣接区画の位置判別用画像が写し出されることになり、このようになるのは1列目の区画だけである。また、9列目の区画では、位置判別用画像の周囲のうち、左側の領域だけに隣接区画の位置判別用画像が写し出されることになり、このようになるのは9列目の区画だけである。ところが、2、3、4、5、6、7、8列目の区画はそれぞれ、右側の領域、及び左側の領域だけに隣接区画の位置判別用画像が写し出されることになる。従来のMPシステムのように、単純に周囲領域における位置判別用画像の有無だけで投写位置を特定するものでは、それら7つの区画において、互いに周囲投写態様データが同じものになってしまう。「無し(上側の領域)、有り(右側の領域)、無し(下側の領域)、有り(左側の領域)」という周囲投写態様データである。このため、それら7つの区画について投写位置を特定することができなくなる。従来のMPシステムでは、このように、画像投写領域を縦又は横に4つ以上に区画する場合に、一部の区画について投写位置を特定することができなくなってしまう。
一方、実施形態に係るMPシステムでは、周囲投写態様データとして、単純に周囲領域における位置判別用画像の有無を示したものではなく、周囲の位置判別用画像の特徴である色を示したものを構築する。これにより、画像投写領域を縦又は横に4つ以上に区画する場合であっても、全ての区画で周囲投写態様データを異ならせて、それぞれの区画の位置(投写位置)を特定することができる。例えば、図9に示される例では、2列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、桃(右側の領域)、白(下側の領域)、紫(左側の領域)、赤(中央)」というものになる。また、3列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、黄(右側の領域)、白(下側の領域)、赤(左側の領域)、赤(中央)」というものになる。また、4列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、茶(右側の領域)、白(下側の領域)、桃(左側の領域)、黄(中央)」というものになる。また、5列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、青(右側の領域)、白(下側の領域)、黄(左側の領域)、茶(中央)」というものになる。また、6列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、水色(右側の領域)、白(下側の領域)、茶(左側の領域)、青(中央)」というものになる。また、7列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、緑(右側の領域)、白(下側の領域)、青(左側の領域)、水色(中央)」というものになる。また、8列目の周囲投写態様データが「白(上側の領域)、橙(右側の領域)、白(下側の領域)、水色(左側の領域)、緑(中央)」というものになる。このように、全ての周囲投写態様データが互いに異なるものになる。よって、画像投写領域を縦又は横に4つ以上に区画する場合であっても、全てのプロジェクターについてそれぞれ投写位置を特定することができる。
次に、実施形態に係るMPシステムにおける一部の構成を変更した変形例に係るMPシステムについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、変形例に係るMPシステムの構成は、実施形態と同様である。
変形例に係るMPシステムは、画像信号分配装置を備えておらず、画像信号出力装置40の映像出力ユニットに、複数のプロジェクター1からの映像信号ケーブルがそれぞれ接続されている。そして、画像信号出力装置40は、複数のプロジェクター1に対してそれぞれ、オリジナルの映像信号を出力する。各プロジェクター1は、画像信号出力装置40から送られてくる映像信号を、それぞれ自らの投写位置に対応する分割動画を投写するための分割映像信号に変換して、その分割画像をスクリーン20に投写する。
複数のプロジェクター1はそれぞれ、互いに異なる位置判別用画像を投写するための複数の判別画像データを制御部4の記憶回路に記憶している。それぞれのプロジェクターは、操作部6に対して、操作者によって位置特定命令信号が入力されると、制御部4は、後述する位置特定処理を開始する。そして、記憶回路に記憶している複数の判別画像データのうち、任意の判別画像データに基づく画像信号を映像処理部2に出力する。これにより、スクリーン20のマトリクスにおける何れかの区画に、位置判別用画像を投写する。投写された位置判別用画像やその周囲領域は、制御部4に制御されるカメラ11によって撮像され、その画像情報が撮影画像解析回路部12に送られる。撮影画像解析回路12は、受け取った画像情報に基づいて、位置判別用画像の周囲における画像投写態様を示す周囲投写態様を特定し、その結果を制御部4に出力する。
図10は、変形例に係るMPシステムにおける通信ケーブルの接続状態を説明するための説明図である。プロジェクター1の通信用端子13には、制御信号などの各種の信号を通信するための通信ケーブルの一端が接続され、その通信ケーブルの他端は図示しない通信HUBに接続されている。9台のプロジェクター1はそれぞれ、個別の通信ケーブルによって通信HUB50に接続されている。このような接続により、9台のプロジェクター1は、互いに通信HUB50を介して相互に通信することができるようになっている。なお、通信ケーブル及び通信HUB50を用いた有線通信に代えて、無線通信を採用してもよい。この場合、作業者による通信ケーブルの配線作業を不要にして作業性を向上させることができる。
9台のプロジェクター1のうち、何れか1台のプロジェクター1の操作部6に対して操作者によって位置特定命令信号が入力されると、そのプロジェクター1は、通信ケーブルによる有線通信を利用して、他のプロジェクター1に対して位置特定命令信号を送信する。これにより、9台のプロジェクター1がそれぞれ、ほぼ同時に位置特定処理を開始する。
図11は、制御部4によって実施される位置特定処理の第1処理フローを示すフローチャートである。制御部4は、位置特定処理を開始すると、まず、記憶回路に記憶している複数の判別画像データの1つを用いて、青色の位置判別用画像を投写した後(S31)、撮像処理を実施して位置判別用画像やその周囲の画像情報を得る(S32)。次に、画像情報に基づいて、位置判別用画像の左側の領域、右側の領域について白色であるか否かを判定する(S33)。つまり、自らの投写位置について、マトリクスの左下角であるか否かを判定する。なお、S31でプロジェクター1に投写させる位置判別用画像は、青色でなくてもよい。
このMPシステムでは、マトリクスの左下角の区画を投写位置とするプロジェクターをマスター機とし、このマスター機によって全てのプロジェクター1についてそれぞれ投写位置を特定するようになっている。以下、マスター機以外のプロジェクター1を、スレイブ機という。上記S33の工程で白色であると判定したプロジェクター1がマスター機であり、マスター機はS34以降の処理フローを実行する。これに対し、上記S33の工程で白色でないと判定したプロジェクター1はスレイブ機であり、スレイブ機はS43以降の処理フローを実行する。
マスター機は、位置判別用画像の右側の領域、又は下側の領域の少なくとも何れか1つが青色であるか否かを判定する(S34)。即ち、上側の区画、又は右側の区画の少なくとも何れか1つに対してスレイブ機によって青色の位置判別用画像が投写されているか否かを判定する。何れの区画にも青色の位置判別用画像が投写されていない場合(S34でN)には、投写を実行しているプロジェクター1がマスター機だけであって、必要な数のプロジェクター1のセッティングが済んでいないとみなす。そこで、マスター機は、各スレイブ機(S41)に対して終了信号を送信した後(S41)、終了フラグをONにしてから(S42)、処理フローを第2処理フローに進める。
一方、上側の区画又は右側の区画の少なくとも何れか1つの領域に対してスレイブ機によって青色の位置判別用画像が投写されている場合には(S34でY)、マスター機は自らをマスター機として設定するためにマスターフラグをONにする(S35)。そして、各スレイブ機に対して、「所定の信号」としてのID情報信号と、自らをマスター機であると知らしめるためのマスター信号との組み合わせを送信した後(S36)、各スレイブ機からそれぞれ送られてくるID情報信号の受信を待機する(S37)。その後、全てのスレイブ機からのID情報信号を受信すると(S37でY)、受信数に対して自らの台数である1を加算した結果を台数として特定する(S38)。このようにして台数を特定した台数特定手段としてのマスター機は、次に、データテーブル構築処理を実施する(S39)。そして、このデータテーブル構築処理で、ID情報と、周囲特定態様データと、投写位置との組み合わせを台数分だけ羅列したデータテーブルを構築する。この時点では、全てのプロジェクター1についてそれぞれ判明しているのはID情報だけであるので、周囲特定態様データや投写位置については、デフォルトのデータを入力しておく。
このようにしてデータテーブルを構築したマスター機は、次に、色指示処理を実施する(S40)。そして、この色指示処理において、記憶回路に記憶している例えば50色の色情報の中から、各スレイブ機にそれぞれ個別に対応する台数分の色情報を優先順位の高い順から選択して、その色情報に対応する色指示信号を、その色情報に対応するスレイブ機に送信する。それぞれの色は、位置判別用画像の色に対応しており、各スレイブ機は指示された色の位置判別用画像を投写することになる。また、マスター機は、後述するS50で、スレイブ機とは異なる色の位置判別用画像を投写する。よって、マスター機の制御部4は、複数のプロジェクター1に対してそれぞれ投写させる位置判別用画像を決定する決定手段として機能している。色指示処理を終えたマスター機は、次に、処理フローを後述する第2処理フローに進める。
一方、スレイブ機は、上記S33の工程の後に、マスター機から送られてくるID情報及びマスター信号を待機する(S43)。そして、それらの信号を受信すると(S43でY)、次にマスター機から送られてくる終了信号の受信の有無を確認し(S44)、受信した場合には(S44でY)、終了フラグをONにした後(S42)、処理フローを第2処理フローに進める。これに対し、終了信号を受信しない場合には(S44でN)、マスター機に自らのID情報を送信した後(S45)、マスター機から送られてくる色指示信号の受信を待機する(S46)。そして、色指示信号を受信すると(S46でY)、指示された色に対応する判別画像データを記憶回路から読み込んで、その色の位置判別用画像を投写する(S47)。その後、処理フローを第2処理フローに進める。
図12は、制御部4によって実施される位置特定処理の第2処理フローを示すフローチャートである。処理フローを第2処理フローに進めたマスター機の制御部4は、終了フラグについてONであるか否かを判定し(S48)、ONである場合には(S48でY)、位置特定処理を終了する。これに対し、ONでない場合には、自らについてマスター機であることを確認した後(S49でY)、各スレイブ機とは異なる色に対応する判別画像データを記憶回路から読み込んで、その色の位置判別用画像を投写する(S50)。次に、撮像処理を実施して、その位置判別用画像や周囲領域の画像情報を得た後(S51)、その画像情報に基づいて周囲投写態様を特定する(S52)。そして、各スレイブ機からそれぞれ周囲投写態様データが送られてくると、位置判別用画像の投写を停止した後(S54)、バッチ処理を実施する(S55)。このバッチ処理は、図7におけるS6からS12までのフローと同様のフローを実行するものであり、これにより、自らを含む全てのプロジェクター1の周囲投写態様や投写位置のデータをデータテーブルに入力する。その後、各スレイブ機に投写位置情報をそれぞれ個別に送信した後(S56)、自らの投写位置情報をデータテーブルとは別に記憶回路に記憶する(S57)。そして、マスターフラグをOFFした後に(S58)、位置特定処理を終了する。
一方、処理フローを第2処理フローに進めたスレイブ機の制御部4は、終了フラグについてONであるか否かを判定し(S48)、ONである場合には(S48でY)、位置特定処理を終了する。これに対し、ONでない場合には、自らについてスレイブ機であることを確認した後(S49でN)、撮像処理を実施して、自らによって投写されている位置判別用画像及びその周辺領域の画像情報を得る(S59)。そして、画像情報に基づいて周囲投写態様を特定した後(S60)、周囲投写態様データを自らのID情報とともにマスター機に送信する(S61)。その後、位置判別用画像の投写を停止させた後(S62)、マスター機から自らの投写位置を示す投写位置情報が送られてくると(S63でY)、それを記憶回路に記憶してから(S64)、位置特定処理を終了する。その後、通常の投写の際には、記憶回路に記憶している投写位置に基づいて、画像信号出力装置40から送られてくる映像信号を、自らの投写位置に対応する分割動画を投写するための分割映像信号に変換して、その分割画像をスクリーン20に投写する。
かかる構成の変形例に係るMPシステムにおいても、実施形態に係るMPシステムと同様に、画像投写領域を縦又は横に4つ以上に区画する場合であっても、全てのプロジェクターについてそれぞれ投写位置を特定することができる。また、実施形態に係るMPシステムとは異なり、画像信号分配装置が不要になることから、システム全体のセッティング作業を簡素化することができる。これに対し、実施形態に係るMPシステムは、画像信号分配装置30が必要になるものの、複数のプロジェクター1では、映像信号を分割映像信号に変換する必要がなく、且つ、複数の判別画像データを記憶しておく必要もない。このため、複数のプロジェクター1の低コスト化を図ることができる。
次に、実施形態に係るMPシステムに、より特徴的な構成を付加した実施例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るMPシステムの構成は、実施形態と同様である。
実施形態に係るMPシステムでは、画像投写対象物として白色のスクリーン20を用いることが前提になっているが、ビルの壁や黒板など、白色ではない画像投写対象物を用いたとする。すると、位置判別用画像が投影されない余白の領域を認識することができずに、各プロジェクター1の投写位置を特定することができなくなるおそれがある。
図13は、教室の黒板を画像投写対象物とした場合における位置判別用画像とその周辺投写態様との関係を説明するための模式図である。教室で用いられる黒板70は、その名とは異なり、実際には緑色を呈している。このため、図示のように、黒板70の9つの区画に対して互いに異なる単色の位置判別用画像が投写された場合において、それら位置別用画像の色は全て、オリジナルの単色ではなく、緑色との混色になる。また、板周縁部の余白は、図示のように緑色になる。1行目の3つの区画よりも上側の余白が白色でないことから、実施形態に係るMPシステムでは、それら3つの区画をそれぞれ1行目の区画であると認識することができない。また、3行目の3つの区画よりも下側の余白が白色でないことから、それら3つの区画をそれぞれ3行目の区画であると認識することができない。同様に、1列目の3つの区画をそれぞれ1列目の区画であると認識することができず、更に、3列目の3つの区画をそれぞれ3列目の区画であると認識することができない。
そこで、実施例に係るMPシステムの画像信号分配装置30は、9台のプロジェクター1にそれぞれ個別に投写させる位置判別用画像を決定するのに先立って、画像投写対象物の地肌の色を特定するための地色特定処理をプロジェクター1と共同で実施する。この地色特定処理に携わるのは、9台のプロジェクター1のうちの1台である。画像信号分配装置30は、まず、9台のプロジェクター1のうち、1台に対して、地色特定命令信号を送信する。この地色特定命令信号を受信したプロジェクター1の制御部4は、カメラ11に黒板70の分割領域を撮像させ、撮影画像解析回路部12がその撮像結果に基づいて、黒板70の地色を特定する。この特定結果は、制御部4を介して、画像信号分配装置30に送られる。
図14は、画像信号分配装置30及びプロジェクター1が共同して実施する地色特定処理のうち、プロジェクター1が担当する処理内容の各工程を示すフローチャートである。プロジェクター1の制御部4は、画像信号分配装置30から地色特定命令信号が送られてくると(S1でY)、黒板70の全領域のうち、そのプロジェクター1の投写対象となっている分割領域をカメラ11に撮像させる(S2)。そして、プロジェクター1の撮影画像解析回路部12は、撮像によって得られた画像データについて黒板70の地肌色(地肌の色)の判別が可能なデータであるか否かを判定する(S3)。黒板70が暗い環境下におかれているなどすると、画像データに基づいて黒板70の地肌色を判別することができないからである。地肌色の判別が可能な画像データである場合には(S3でY)、撮影画像解析回路部12は、画像データに基づいて地肌色を特定した後、その地肌色の情報を、制御部4はを介して画像信号分配装置30に送信する(S4)。
一方、画像信号分配装置30は、前記画像データについて地肌色の判別が困難なデータであると判定した場合には(S3でN)、制御部4にその旨の結果を送信する。すると、制御部4は、メモリー5に予め記憶されている画像データに基づいて、映像処理部2に映像信号を出力して、黒板70の分割領域に青色の地肌特定用画像を投写させた後(S5)、カメラ11にその地色特定幼画像を撮像させる(S6)。その後、撮影画像解析回路部12は、撮像によって得られた画像データに基づいて、黒板70の地肌色について青色であるか否かを判定し(S7)、青色である場合には(S7でY)、制御部4に青色である旨の情報を送信する。すると、制御部4は、メモリー5に予め記憶されている画像データに基づいて、映像処理部2に映像信号を出力して、黒板70の分割領域に赤色の地肌特定用画像を投写させた後(S10)、カメラ11にその地色特定幼画像を撮像させる(S11)。この後、撮影画像解析回路部12は、撮像によって得られた画像データに基づいて、黒板70の地肌色について赤色であるか否かを判定し(S12)、赤色である場合には(S12でY)、地肌色を白色であると特定し(S13)、その特定結果を、制御部4を介して画像信号分配装置30に送信する(S4)。
また一方、上記S7の工程で地肌色について青色でないと判定するか(S7でN)、あるいは、上記S12の工程で地肌色について赤色でないと判定するかした(S12でN)撮影画像解析回路部12は、地肌色と青色又は赤色との色差を解析する(S8)。そして、その色差に基づいて地肌色を特定した後(S9)、その特定結果を、制御部4を介して画像信号分配装置30に送信する(S4)。
プロジェクター1の制御部4から送られてくる地肌色の情報を受信した画像信号分配装置30は、9台のプロジェクター1に対してそれぞれ互いに異なる色の位置判別用画像を投写させるための処理を実施する。その後、それぞれのプロジェクター1から周囲特定態様データが送られてくると、上述した列数特定処理、凝集特定処理、及び行内投写機位置特定処理を続けて実施する。その際、それらの処理において、余白の色について白色として扱う代わりに、制御部4から送られてきた地肌色として扱う。これにより、画像投写対象物の地色が白色でない場合であっても、各プロジェクター1の投写位置を正しく特定することができる。
なお、実施例に係るMPシステムにおいては、画像信号分配装置30とプロジェクター1とが共同して地色特定処理を実施するので、それらの組み合わせが地色特定手段として機能しているが、画像信号分配装置30だけを地色特定手段として機能させてもよい。この場合、プロジェクター1から送られてくる撮影画像データに基づいて、画像信号分配装置30に対して地肌色を特定させるようにすればよい。地色特定用画像の画像データをメモリー5に記憶させたり、画像データに基づいて地肌色を判定する処理を実施させたりする構成を省略できる分だけ、プロジェクター1の構成の簡素化を図ることが可能である。
9台のプロジェクター1のぞれぞれは、メモリー5内に色合い補正用テーブルを記憶している。この色合い補正用テーブルは、画像投写対象物の地肌の色が白色でない場合に、画像投写対象物に投写される分割画像の色合いを地肌の色が白色である場合と同様のものにするように、地肌の色に基づいて出力画像の色合いを補正するためのものである。各プロジェクター1の制御部4は、画像信号分配装置30から地肌色信号が送られてくると、画像データに対してその地肌色に対応する色合いの補正を色合い補正用テーブルに基づいて実施しながら、補正後の画像データに基づく画像を投写させる。入力された画像データに対し、色合い補正テーブルを適用して色レベルを変換することで色合いを調節するのである。システム全体としては、画像投写対象物の地肌色にかかわらず、白いスクリーンに投影(ソース機器から出力している画像の色合い)したときと同じような色合いの投影像を得ることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
画像投写領域(例えばスクリーン20の投写面)における互いに異なる投写位置(例えばマトリクス内の区画)に対してそれぞれ分割画像を個別に投写して大きな画像を得るための複数のプロジェクター(例えばプロジェクター1)と、それらプロジェクターによってそれぞれ投写された分割画像をその周囲領域とともに個別に撮像する複数の撮像手段(例えばカメラ11)と、複数の前記プロジェクターによって前記画像投写領域における互いに異なる投写位置に投写された前記位置判別用画像をそれぞれ前記周囲領域とともに撮像して得た複数の撮像情報に基づいて、複数の前記プロジェクターのうち、少なくとも一部の前記プロジェクターの投写位置を特定する投写位置特定手段(例えば画像信号分配装置30又は制御部4)とを備えるマルチプロジェクションシステムにおいて、複数の前記プロジェクターからそれぞれ個別に発せられる所定の信号(例えばプロトコル信号又はID情報信号)を受信する受信手段(例えば通信用端子13)と、前記受信手段による受信結果に基づいて前記プロジェクターの台数を特定する台数特定手段(例えば画像信号分配装置30又は制御部4)と、前記台数特定手段による特定結果に基づいて、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ投写させる前記位置判別用画像を決定する決定手段(例えば画像信号分配装置30又は制御部4)と、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ前記決定手段によって決定された前記位置判別用画像を投写させるための処理を実施する投写用処理実行手段(例えば画像信号分配装置30又は制御部4)とを設けたことを特徴とするものである。
かかる構成においては、個々のプロジェクターから送られてくる所定の信号に基づいてプロジェクターの台数を特定し、それぞれのプロジェクターに投写させる位置判別用画像を決定し、その決定結果の通りの投写がなされるための処理を実施する。例えば、実施形態のように、個々のプロジェクターに対して互いに異なる位置判別用画像を投写させるための映像信号を出力したり、変形例のように、個々のプロジェクターに対して互いに異なる色指示信号を送信したりする処理である。この処理を実施することにより、従来では操作者が個々のプロジェクターに対して個別に実施していた互いに異なる位置判別用画像を投写させるための設定操作を不要にすることで、従来に比べて操作者の手間をより軽減することができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、複数の前記プロジェクターに対して互いに異なる前記位置判別用画像を投写画像として決定する処理を実施するように前記決定手段を構成し、且つ、複数の前記撮像情報と、前記決定手段による決定結果とに基づいて、全ての前記プロジェクターについてそれぞれ投写位置を特定する処理を実施するように、前記投写位置特定手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成においては、複数のプロジェクターが互いに異なる位置判別用画像を互いに異なる投写位置に投写する。これにより、複数のプロジェクターにそれぞれ個別に対応する複数の周囲投写態様のデータとして、注目している位置判別用画像の周囲領域における他の位置判別用画像の有無を単純に示したものではなく、次のようなものを取得する。即ち、他の位置判別用画像の有無に加えて、有る場合には、色や形などといったその位置判別用画像の固有の特徴を示した周囲投写態様のデータである。これにより、画像投写領域を縦又は横に4つ以上に区画する場合であっても、全ての区画で周囲投写態様のデータを異ならせて、それぞれの投写位置を特定することができる。
[態様C]
態様C(例えば変形例)は、態様A又はBにおいて、前記投写位置特定手段(例えば制御部4)、前記受信手段(例えば通信用端子13)、及び前記台数特定手段(例えば制御部4)を複数の前記プロジェクターにそれぞれ設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、複数のプロジェクターとは別に、画像信号分配装置を設ける必要がなくなることから、システム全体のセッティング作業を簡素化することができる。
[態様D]
態様D(例えば実施形態)は、態様A又はBにおいて、前記投写位置特定手段(例えば画像信号分配装置30)、前記受信手段(例えば画像信号分配装置30のLANコネクタ)、及び前記台数特定手段(例えば画像信号分配装置30)を、それぞれ複数の前記プロジェクターとは別体として設けたことを特徴とするものである。かかる構成においては、複数のプロジェクターで映像信号を分割映像信号に変換する必要がなく、且つ、複数の判別画像データを記憶しておく必要もないため、複数のプロジェクターの低コスト化を図ることができる。
[態様E]
態様E(例えば実施例)は、態様A〜Dの何れかにおいて、前記決定手段による決定がなされるのに先立って、複数の前記撮像手段における少なくとも何れか1つに対して前記分割領域を撮像させ、撮像結果に基づいて前記分割領域の地肌の色を特定する地色特定手段(例えばプロジェクター1及び画像信号分配装置30)を設け、前記地色特定手段による特定結果と、前記複数の撮像情報とに基づいて、少なくとも一部の前記プロジェクターの投写位置を特定する処理を実施するように、前記投写位置特定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、画像投写対象物の地色が白色でない場合であっても、各プロジェクターの投写位置を正しく特定することができる。
[態様F]
態様Fは、態様Eにおいて、前記撮像結果に基づく前記地肌の色の判別が困難である場合には、前記撮像結果に対応する前記分割領域に地色特定用画像を投写するための処理を実施した後、前記撮像手段によって撮像された前記地色特定用画像とオリジナルの前記地色特定用画像との色差に基づいて前記地肌の色を特定する処理を実施するように、前記地色特定手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、画像投写対象物が暗い環境下におかれている場合であっても、画像投写対象物の地肌色を正しく特定することができる。
[態様G]
態様Gは、態様E又はFにおいて、前記地色特定手段によって特定された前記地肌の色に基づいて、複数の前記プロジェクターによってそれぞれ投写される前記分割画像の色合いを補正する色合い補正手段を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、画像投写対象物の地肌色にかかわらず、白スクリーンに投影したときと同じような色合いの投影像を得ることができる。
1:プロジェクター(地色特定手段の一部)
4:制御部(変形例における投写位置特定手段、台数特定手段、決定手段、投写用処理実行手段)
11:カメラ(撮像手段)
13:通信用端子(実施形態における受信手段)
20:スクリーン(画像投写領域)
30:画像信号分配装置(実施形態における投写位置特定手段、台数特定手段、決定手段、投写用処理実行手段、実施例における地色特定手段の一部)
特開2008−187362号公報

Claims (7)

  1. 画像投写領域における互いに異なる投写位置に対してそれぞれ分割画像を個別に投写して大きな画像を得るための複数のプロジェクターと、それらプロジェクターによってそれぞれ投写された分割画像をその周囲領域とともに個別に撮像する複数の撮像手段と、複数の前記プロジェクターによって前記画像投写領域における互いに異なる投写位置に投写された前記位置判別用画像をそれぞれ前記周囲領域とともに撮像して得た複数の撮像情報に基づいて、複数の前記プロジェクターのうち、少なくとも一部の前記プロジェクターの投写位置を特定する投写位置特定手段とを備えるマルチプロジェクションシステムにおいて、
    複数の前記プロジェクターからそれぞれ個別に発せられる所定の信号を受信する受信手段と、前記受信手段による受信結果に基づいて前記プロジェクターの台数を特定する台数特定手段と、前記台数特定手段による特定結果に基づいて、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ投写させる前記位置判別用画像を決定する決定手段と、複数の前記プロジェクターに対してそれぞれ前記決定手段によって決定された前記位置判別用画像を投写させるための処理を実施する投写用処理実行手段とを設けたことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  2. 請求項1のマルチプロジェクションシステムにおいて、
    複数の前記プロジェクターに対して互いに異なる前記位置判別用画像を投写画像として決定する処理を実施するように前記決定手段を構成し、
    複数の前記撮像情報と、前記決定手段による決定結果とに基づいて、全ての前記プロジェクターについてそれぞれ投写位置を特定する処理を実施するように、前記投写位置特定手段を構成したことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  3. 請求項1又は2のマルチプロジェクションシステムにおいて、
    前記投写位置特定手段、前記受信手段、及び前記台数特定手段を複数の前記プロジェクターにそれぞれ設けたことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  4. 請求項1又は2のマルチプロジェクションシステムにおいて、
    前記投写位置特定手段、前記受信手段、及び前記台数特定手段を、それぞれ複数の前記プロジェクターとは別体として設けたことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  5. 請求項1乃至4の何れかのマルチプロジェクションシステムにおいて、
    前記決定手段による決定がなされるのに先立って、複数の前記撮像手段における少なくとも何れか1つに対して前記分割領域を撮像させ、撮像結果に基づいて前記分割領域の地肌の色を特定する地色特定手段を設け、
    前記地色特定手段による特定結果と、前記複数の撮像情報とに基づいて、少なくとも一部の前記プロジェクターの投写位置を特定する処理を実施するように、前記投写位置特定手段を構成したことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  6. 請求項5のマルチプロジェクションシステムにおいて、
    前記撮像結果に基づく前記地肌の色の判別が困難である場合には、前記撮像結果に対応する前記分割領域に地色特定用画像を投写するための処理を実施した後、前記撮像手段によって撮像された前記地色特定用画像とオリジナルの前記地色特定用画像との色差に基づいて前記地肌の色を特定する処理を実施するように、前記地色特定手段を構成したことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  7. 請求項5又は6のマルチプロジェクションシステムにおいて、
    前記地色特定手段によって特定された前記地肌の色に基づいて、複数の前記プロジェクターによってそれぞれ投写される前記分割画像の色合いを補正する色合い補正手段を設けたことを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
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