JP2015170761A - 光電変換素子および光電変換モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持基板上に、少なくとも導電層、多孔性半導体層、触媒層、対極導電層およびこれらの空隙に充填されたキャリア輸送材料を有する光電変換素子であって、前記多孔性半導体層は増感色素が吸着され半導体微粒子からなる複数の層で構成され、前記複数の層は、少なくとも最も受光面に近い側に位置する近位層と最も受光面から遠い側に位置する遠位層とを含み、前記複数の層のそれぞれを構成する半導体微粒子の平均粒径は互いに異なり、前記遠位層を構成する半導体微粒子の平均粒径は、前記近位層を構成する半導体微粒子の平均粒径より大きく、前記遠位層は前記近位層の全てを覆い、前記多孔性半導体層を前記支持基板に対して水平に投影したとき、前記遠位層の端部が前記近位層の端部より外側に形成される突出幅dは0.5mm以上であることを特徴とする、光電変換素子。
【選択図】図1
Description
上記近位層と上記遠位層との間に、さらに中間層を有し、上記中間層は、上記支持基板に対する水平投影面積が上記近位層と等しく、粒径が50nm以上の半導体微粒子を10重量%以上50重量%以下含み、かつ、厚さが5μm以上10μm以下であることが好ましい。
上記近位層の厚さは0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。
図1は、本発明の光電変換素子の構成の一つの例を示す断面図である。図1に示す光電変換素子では、導電性基板11上に多孔性半導体層3と対極12とが順に設けられており、多孔性半導体層3と対極12との間にはキャリア輸送材料が充填されてキャリア輸送層8が形成されている。導電性基板11は、支持基板1とその上に形成された導電層2とからなる。多孔性半導体層3は増感色素が吸着され半導体微粒子からなる複数の層で構成され、該複数の層は、最も受光面に近い側に位置する近位層3aと、最も受光面から遠い側に位置する遠位層3bとを含んでいる。また、遠位層3bは近位層3aの全てを覆い、多孔性半導体層3を支持基板1に対して水平に投影したとき、遠位層3bの端部が近位層3aの端部より外側に形成される突出幅をdで表す。対極12では、対極導電層5と触媒層4とがカバー体6に順に形成されており、触媒層4が多孔性半導体層3と対向している。また、多孔性半導体層3とキャリア輸送層8とは封止部7により封止されている。
支持基板1は、図1および図2に示す光電変換素子の受光面の少なくとも一部を構成する。そのため、支持基板1のうち光電変換素子の受光面となる部分は、光透過性を有する材料からなることが好ましい。光透過性を有する材料は、少なくとも後述の増感色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であれば良く、必ずしも全ての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。
導電層2は、図1および図2に示す光電変換素子の受光面の少なくとも一部を構成する。そのため、導電層2のうち光電変換素子の受光面となる部分は、光透過性および導電性を有する材料からなることが好ましい。ただし、導電層は、支持基板と同じく、少なくとも後述の増感色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であれば良く、必ずしも全ての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。
多孔性半導体層3は、増感色素が吸着され半導体微粒子からなる複数の層で構成されたものである。
多孔性半導体層3には、好ましくは、増感色素が吸着されている。増感色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つものを用いることができる。有機色素では、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。なお、金属錯体色素の場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属が用いられ、フタロシアニン系色素、ルテニウム系金属錯体色素などが好ましく用いられる。
触媒層4を構成する材料としては、例えば、白金およびカーボンのうちの少なくとも一方を用いることが好ましい。白金としては、スパッタ、塩化白金酸の熱分解、電着などの方法によって導電層が被覆された支持基板上に膜を形成させたものなどを用いることが好ましい。カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブおよびフラーレンのうちの少なくとも1種を用いることが好ましい。
対極導電層5は、電子を収集するとともに、光電変換素子を直列接続して光電変換モジュールを製造するときに隣り合う光電変換素子同士を電気的に接続させるための電極としても機能する。また、光が対極12側から入射する場合、対極導電層5は透光性を有する必要がある。
カバー体6は、キャリア輸送材料の揮発を防止し、光電変換素子内への水などの浸入を防止する。
キャリア輸送層8としては、電子、ホール、イオンを輸送できるものであればどのようなものでも用いることができる。キャリア輸送材料の好適な材料としては、たとえば、液体電解質、固体電解質、ゲル電解質または溶融塩ゲル電解質などを用いることができる。
封止部7は、キャリア輸送材料の揮発を防止し、光電変換素子内への水などの浸入を防止する。それだけでなく、封止部7は、支持基板1に作用する応力(衝撃)を吸収し、光電変換素子の長期使用時には支持基板1に作用する撓みなどを吸収する。
<導電性基板の形成>
まず、導電層2が支持基板1上に形成されてなる導電性基板11を準備する。たとえば、市販の導電性基板を準備しても良いし、スパッタリング法または熱CVD法などの方法によって導電層2を支持基板1上に形成しても良い。
導電性基板11上に多孔性半導体層3を形成する。多孔性半導体層は、例えば、導電性基板上に半導体微粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および/または焼成する方法で形成することができる。以下、この方法を詳細に説明する。
増感色素を含有した液体に多孔性半導体層を浸漬して、該多孔性半導体層表面に増感色素を吸着させる。多孔性半導体層の表面に増感色素を吸着させる前に、多孔性半導体層の表面を活性化するための処理を必要に応じて行ってもよい。増感色素を含有した液体に多孔性半導体層を浸漬する工程において、温度、圧力、浸漬時間は必要に応じて変えることができる。浸漬は、1回または複数回行ってもよい。また、浸漬の工程の後、適宜乾燥を行ってもよい。
対極12を製造する。たとえば、スパッタリング法または熱CVD法などの方法によって対極導電層5をカバー体6上に形成することが好ましい。白金からなる触媒層4を形成する場合には、蒸着法またはスパッタ法などのPVD法により触媒層4を対極導電層5上に形成しても良いし、塩化白金酸の熱分解または電着などにより触媒層4を対極導電層5上に形成しても良い。カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブまたはフラーレンなどのカーボン材料からなる触媒層4を形成する場合には、任意の溶媒に分散してペースト状にしたカーボンをスクリーン印刷法などにより対極導電層5上に塗布することが好ましい。
キャリア輸送材料を充填する。たとえば、導電性基板11に形成された多孔性半導体層の周囲を取り囲むようにして封止部7を配置する。導電性基板11に形成された多孔性半導体層と対極12の触媒層4とが向かい合うようにして導電性基板11と対極12とを配置し、導電性基板11と対極12とを封止部7により固定する。その後、導電性基板11または対極12に予め形成された孔から封止部7で取り囲まれた領域へキャリア輸送材料を注入してから、その孔を塞ぐ。これにより、光電変換素子が製造される。
図3は、本発明の光電変換モジュールの構成の一例を示す断面図である。図3に示す光電変換モジュールでは2つ以上の本実施形態の光電変換素子が直列に接続されている。隣り合う光電変換素子のうち、一方の光電変換素子の対極導電層5と他方の光電変換素子の導電層2とが電気的に接続されている。このように図3に示す光電変換モジュールは、本実施形態の光電変換素子を含んでいるので、高い耐久性を有する光電変換モジュールを提供することができる。
まず、幅30mm×長さ30mm×厚さ1mmの導電性基板11(日本板硝子株式会社製のSnO2膜付ガラス板)を準備した。導電性基板11では、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)からなる導電層2がガラスからなる支持基板1上に形成されている。
遠位層を幅7mm×長さ7mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機とを用いて形成して、突出幅dを1.0mmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光電変換素子を製造した。
遠位層を幅8mm×長さ8mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機とを用いて形成して、突出幅dを1.5mmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光電変換素子を製造した。
平均粒径110nmのペーストを作成して遠位層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光電変換素子を製造した。
平均粒径250nmのペーストを作成して遠位層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の光電変換素子を製造した。
遠位層を厚さが24μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の光電変換素子を製造した。
遠位層を厚さが42μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の光電変換素子を製造した。
近位層と遠位層との間に中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の光電変換素子を製造した。具体的には、幅5mm×長さ5mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機とを用いて、平均粒径が20nmの市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名:T/SP)を用いて実施例1と同様にして近位層を形成した後、平均粒径20nmの酸化チタン粒子と、粒径50nmの酸化チタン粒子とからなる酸化チタンペーストを近位層上に塗布し、室温で1時間、レベリングを行なった。ここで、使用した酸化チタンペーストに含まれる酸化チタン粒子中、粒径50nmの酸化チタン粒子の割合は10重量%であった。得られた塗膜を80℃に設定したオーブンで20分間乾燥した後、500℃に設定した焼成炉を用いて空気中で60分間焼成した。これにより、厚さが5μm程度の多孔性半導体層の中間層を得た。
中間層を厚さが7μmとなるように形成した以外は、実施例8と同様にして、実施例9の光電変換素子を製造した。
中間層を厚さが10μmとなるように形成した以外は、実施例8と同様にして、実施例10の光電変換素子を製造した。
[光電変換モジュールの作製]
先ず、表面に導電層2が形成された導電性基板11(日本板硝子社製、商品名:SnO2膜付ガラス:縦60mm×横37mm)を用意し、導電性基板11表面のSnO2膜をレーザースクライブにより縦方向に平行にスクライブライン13を形成することで、導電層2を切断した。スクライブライン13は支持基板1であるガラス基板上に合計3箇所形成した。形成されたスクライブライン13の幅は30μmである。
遠位層を形成する際に、幅5mm×長さ5mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機とを用いて、突出幅dを0mmとした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光電変換素子を製造した。
遠位層を平均粒径20nmのペーストを用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の光電変換素子を製造した。
遠位層を厚さが6μmとなるように形成した以外は、実施例1と同様にしてに、比較例3の光電変換素子を製造した。
JIS C8938に記載の方法に準拠して、実施例1〜11および比較例1〜3で得られた光電変換素子および光電変換モジュールを、85℃の温度下で1000時間放置することで、これらに熱ストレスを与えた。そして、光電変換素子および光電変換モジュールの製造直後における光電変換効率と、熱ストレスを与えた後における光電変換効率とを測定した。
Claims (5)
- 支持基板上に、少なくとも導電層、多孔性半導体層、触媒層、対極導電層およびこれらの空隙に充填されたキャリア輸送材料を有する光電変換素子であって、
前記多孔性半導体層は増感色素が吸着され半導体微粒子からなる複数の層で構成され、
前記複数の層は、少なくとも最も受光面に近い側に位置する近位層と最も受光面から遠い側に位置する遠位層とを含み、
前記複数の層のそれぞれを構成する半導体微粒子の平均粒径は互いに異なり、
前記遠位層を構成する半導体微粒子の平均粒径は、前記近位層を構成する半導体微粒子の平均粒径より大きく、
前記遠位層は前記近位層の全てを覆い、前記多孔性半導体層を前記支持基板に対して水平に投影したとき、前記遠位層の端部が前記近位層の端部より外側に形成される突出幅dは0.5mm以上であることを特徴とする、光電変換素子。 - 前記遠位層を構成する半導体微粒子の平均粒径は100nm以上500nm以下であり、
前記遠位層を構成する半導体微粒子の粒径の最小値は、前記多孔性半導体層中の他の層を構成する半導体微粒子の粒径の最大値よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記遠位層の厚さは10μm以上40μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記近位層と前記遠位層との間に、さらに中間層を有し、
前記中間層は、前記支持基板に対する水平投影面積が前記近位層と等しく、粒径が50nm以上の半導体微粒子を10重量%以上50重量%以下含み、かつ、厚さが5μm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。 - 2つ以上の光電変換素子が直列に接続されている光電変換モジュールであって、
前記光電変換素子の少なくとも1つが、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子であり、隣接する光電変換素子のうち一方の光電変換素子の対極導電層と他方の光電変換素子の導電層とが電気的に接続されている、光電変換モジュール。
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