JP2015175802A - 花粉検出具、花粉検出用塗布剤および花粉検出方法 - Google Patents

花粉検出具、花粉検出用塗布剤および花粉検出方法 Download PDF

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純一 内田
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Abstract

【課題】小型安価な花粉検出具、花粉検出用塗布剤、花粉検出方法を提供する。
【解決手段】テープ状の基材と、基材の表裏両面に設けた粘着剤層と、表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層とを有する。基材は、PETフイルムからなる。花粉染色剤層は、花粉染色剤をゼリー状にして塗布する。花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、花粉の細胞壁又は花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する。花粉染色液をスプレー容器に収納して花粉検出用塗布剤とする。テープ状の花粉検出具又は花粉検出用塗布剤を塗布した場所を、所定時間、空間にさらして飛散する花粉を前記花粉染色剤層に固定し、花粉染色剤層にある染色用色素にて花粉を染色して、花粉を検出する。色の濃さで飛散量の多い少ないを知る。
【選択図】図1

Description

本発明は、花粉、特に人体にアレルギーを引き起こす花粉が飛散する時期にその飛散量を把握するために用いる花粉検出具、花粉検出用塗布剤および花粉検出方法に関する。
近年、花粉症他のアレルギー性患者の増大等に伴い、室内環境の改善に対する意識が高まり、また大気中を飛散する花粉の飛散量についての関心が高まっている。
室内に設ける空気清浄機やエアコン等の製品に関連して、それらが使用される環境に存在するホコリ・花粉・タバコの煙といった微粒子を高感度で感知することが要求されている。
花粉を感知するためのセンサ装置で、花粉とそれ以外の微粒子を識別するためにレーザを利用する装置も知られている(特許文献1)。
特許文献1に開示される装置は、レーザと2つの光検出器を用いる。まず測定したい気体にレーザ光を照射し、照射したレーザ光に対して偏光の垂直成分と水平成分の2つの散乱光を検出し、その出力から、花粉かあるいはそれ以外かを識別する。散乱される光の偏光状態の違いから花粉とそれ以外の微粒子の識別を行っている。
特開2004−125602号公報
従来の花粉検出のための装置は、その性能が一般家庭で使用するには機能が多く高額であり、また装置として大型になる。
本発明は、小型安価な花粉検出具、花粉検出用塗布剤、花粉検出方法を提供することを目的とする。
本発明の花粉検出具は、テープ状の基材と、基材の表裏両面に設けた粘着剤層と、表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層とを有する。基材は、PETフイルムからなる。花粉染色剤層は、花粉染色剤をゼリー状にして塗布する。花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、花粉の細胞壁又は花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する。花粉染色液をスプレー容器に収納して花粉検出用塗布剤とする。テープ状の花粉検出具又は花粉検出用塗布剤を塗布した場所を、所定時間、空間にさらして飛散する花粉を前記花粉染色剤層に固定し、花粉染色剤層にある染色用色素にて花粉を染色して、花粉を検出する。色の濃さの違いにより飛散量の多い少ないを知る。
本発明によれば、簡易な構成でありながら、花粉を感知することができる花粉検出具、花粉検出用塗布剤及び花粉検出方法を実現することができる。
特に、本発明の花粉検出具、花粉検出方法によれば、空気中に浮遊する花粉量を視覚的にモニタすることができるので、外出時に当該花粉検出具を装着しておけば、どの程度の花粉に曝されたかが判るという利点がある。
図1は、テープ状の花粉検出具の構造を示す断面図である。
《花粉、花粉染色剤、花粉染色液について》
花粉は、本明細書にあっては、花粉症(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、頭重感などのアレルギー症状)を引き起こす原因となる花粉をいい、特に、スギ花粉、ヒノキ花粉、イネ花粉などが、近年の日本においては、問題となっている。
花粉染色剤または花粉染色液は、花粉細胞のうちのいずれかの部分(例えば、細胞質、細胞壁、核酸、アレルゲンとなるタンパク質、など)を染色する染色用色素を有する液体である。
《花粉検出具の調整例》
以下、テープ状の花粉検出具について、図1を参照しつつ、説明する。
図1は、テープ状の花粉検出具の長手方向についての断面構造を描いたものである。図1に示すように、基材10の表側、裏側の両側に粘着剤(表側粘着剤層11、裏側粘着剤層12)を設けて、表側粘着剤層11の上側に花粉染色剤層13を設けた構造を有する。
《両面粘着テープ》
粘着剤として綜研化学社製SKダイン1717(硬化剤コロネートL55E、1.0 部配合)を使用し、20μm厚さになるように両面離型紙上で38μm厚の離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布して乾燥させ両面粘着テープとした。
《花粉染色剤層》 ゼラチン7重量部、水42重量部を混ぜ、1時間放置する。
上記液体にグリセリン50重量部、フェノール1重量部、0.1%ゲンチアナバイオレット溶液1mlを加え、ウォーターバスを使用し50度に加熱しながらガラス棒で攪拌した。
これによりゼリー状の染色剤が得られる。得られたゼリー状の染色剤を両面粘着テープの片側に50μm厚さになるように塗布して花粉染色剤層を設けた。乾燥させ、テープ状の花粉検出具を得た。
《花粉検出具の用い方》
テープ状の花粉検出具は、巻き取った状態のテープとして使用者に提供し、使用者が使用する際に適切な長さに挟みなどで切って衣服やかばんの一部に貼り付けて用いる。空気中に花粉検出具をさらすことで空中に飛散する花粉を固定し、花粉細胞を花粉染色剤が染色する。その結果として、テープ状の花粉検出具の表面の色が変化する。使用者は、その色の変わり具合(色の濃さ)を見て、花粉の飛散状況を知り、それを頼りに、マスクの交換、薬の服用、目薬の点眼などの対策を講じることが可能となる。
なお、テープ状の花粉検出具は、巻いた状態で使用者に提供する代わりに、一回の使用の長さを予め個別包装して使用者に提供してもよい。
《粘着剤の他の実施例》
本発明において、粘着剤層に用いる粘着剤は特に限定されるものではなく、例えば、従来のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン粘着剤等を適宜使用することができる。
《染色用色素》
染色用色素を用いて花粉細胞等を染色することにより、その発色状態や発色量(色の濃さ)を観察する。染色用色素は、検出対象である細胞(特に、その細胞壁、またはアレルゲンであるタンパク質そのもの)に作用して発色するものであれば特に限定されない。染色用色素の代表例としては、核酸、細胞壁、タンパク質を染色する染色液が挙げられる。
上述の調整例では、染色用色素を、ゲンチアナバイオレットとしたが、限定的なものではない。染色用色素としては、クリスタルバイオレット、塩基性フクシン、DAPIエオシン、メチレンブルー、ナイルブルー、ナイルレッドなどが挙げられる。
ゲンチアナバイオレットは、クリスタルバイオレットと同様に、トリフェニルメタン色素の一種である。
クリスタルバイオレットは適正な媒染剤(ヨウ素ヨウ化カリウム溶液)を用いることにより、グラム染色でのグラム陽性を染色する色素として用いられる。
塩基性フクシンは、コラーゲン、平滑筋、ミトコンドリアなどの染色に用いる色素である。
DAPIエオシンは、細胞質、細胞膜、一部の細胞外構造をピンクや赤に染める色素である。
メチレンブルーは、ギムザ染色に用いられる色素である。
ナイルブルーは、細胞核を青色に染める色素である。
ナイルレッドは、生体内で中性脂質との親和性が高く、脂肪滴に取り込まれて蛍光を発する色素である。
《花粉の性質》
本発明では、花粉の性質を利用することにより、花粉を効率的に識別する。花粉の性質は以下のとおりである。
大きさは20ミクロン〜50ミクロンで、単細胞であるため染色液により染色される。
また、花粉は生命体であるので、生物を染色する多くの染色用色素により染色されることができる。この点において、PM2.5などの粒子が無機質であり染色用色素によっては染色されないこととは異なる。
《テープの製造方法》
本発明のテープの製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なテープの製造方法を採用することができる。
テープに成形加工する方法としては、両面を離型処理した支持体に、ロールコーターやナイフコーターのような通常の塗布コーターで、花粉染色剤、粘着剤、基材樹脂、粘着剤の順に積層し乾燥して、これをロール状に巻き取ることで、テープとすることができる。
また、工程紙を用いて、それぞれの層を別々に離型処理面に塗布して各層を別個に形成し、最終的に4層を順に転写することによりテープとすることもできる。
各層は、このように、それぞれ塗布し乾燥した後に積層することができるが、ダイコーター等で4層を同時に積層することもできる。
また、押出成形することができる場合には押出ラミネーション、多層共押出成形を用いテープを製造することもできる。
層の厚みは、基材層は30〜40μmが好ましく、粘着剤層は2〜30μmが好ましく、花粉染色剤層は10〜50μm程度が好ましい。
《テープ形状以外の変形実施例としてのスプレー塗布》
上述したテープ形状の花粉検出具では、ゼリー状の花粉染色剤を塗布して乾燥させたが、スプレー容器に詰めた液体として使用者に提供して、使用者は、適宜様々な場所にスプレーして塗布することとする変形実施例が可能である。塗布する対象物としては、家庭の家の窓ガラス、メガネ、花粉対策用のゴーグル、衣服の一部、かばんの一部などが考えられる。霧吹きの要領で塗布するので、花粉染色剤の粘性が大きすぎては吹き出すことができない。しかし、粘性が小さすぎては、窓ガラスやメガネなどに塗布した後、垂れて流れてしまい、役に立たないので、少なくとも塗布後の状態において適正な粘性を持つものとする。スプレー容器内にあっては粘性が小さく、スプレー容器外に出た状態で粘性が大きくなるものであってもよい。たとえば、空気に触れることで粘性が大きくなる物質を混在させることによりこのことが実現できる。
また、この場合のスプレー容器の大きさは、窓ガラスに塗布するためのものは、比較的大きなものとすることができるが、メガネに塗布するためのスプレー容器は、手のひらに包み込めるほどの小さいものが適している。
《スプレー塗布の場合の用い方》 メガネやゴーグルにスプレー塗布する場合には、花粉の飛散量が増えることで使用者の視野が変化するので、花粉量の変化にいち早く気づき、薬の服用などの対応することが可能になる。
家庭の窓ガラスに塗布する場合には、室外側に塗布する部分と、室内側に塗布する部分とを設けることで、室内外の花粉の有無の違いを比較することができる。
《テープ形状の花粉検出具とスプレー塗布の場合とに共通する用い方》
気象庁にあっては、非常に多い、多い、やや多い、少ない、という基準を1平方センチメートルあたりの花粉数の50個、30個、10個という区切りに基づいて定めている。また、例年に比べて多い、少ないという基準に関しては、過去10年の平均値と比較して、200%、150%、110%、90%、70%、50%という区切りに基づいて定めている。さらに、環境庁にあっても観測システムを構築する取り組みを見せている。
そのような公的な調査結果と、この花粉検出具を用いる個人のデータ取りとを連結させて統計を取ることで、さらに精度の高い花粉検出をすることが可能である。例えば、色の濃さについて携帯電話のカメラなどで写真を撮って、色の濃さのデータを蓄積する。くしゃみが出た、鼻水が出た、目がかゆくなったなどの症状の記録と共に記録を続けて、好適なデータと連結させていけば、花粉症の患者が自ら自己管理をするためのツールとすることが可能となる。
本発明のいくつかの実施例について説明したが、変形実施例をも含めて、特許請求の範囲に記載されたものの均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[付記1]
テープ状の基材と、
該基材の表に設けた表側粘着剤層と、
前記基材の裏に設けた裏側粘着剤層と、
前記表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層と
を有する花粉検出具。
[付記2]
前記基材は、PETフイルムからなる
事を特徴とする付記1記載の花粉検出具。
[付記3]
前記花粉染色剤層は、
花粉染色剤をゼリー状にして塗布したもの
であることを特徴とする付記1記載の花粉検出具。
[付記4]
前記花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、
花粉の細胞壁を染色する染色用色素を有する
ことを特徴とする付記1記載の花粉検出具。
[付記5]
前記花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、
花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する
ことを特徴とする付記1記載の花粉検出具。
[付記6]
花粉染色液をスプレー容器に収納してなる
花粉検出用塗布剤。
[付記7]
前記花粉染色液は、
花粉の細胞壁を染色する染色用色素を有する
ことを特徴とする付記6記載の花粉検出用塗布剤。
[付記8]
前記花粉染色液は、
花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する
ことを特徴とする付記6記載の花粉検出用塗布剤。
[付記9]
テープ状の基材と、該基材の表に設けた表側粘着剤層と、前記基材の裏に設けた裏側粘着剤層と、前記表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層とを有する花粉検出具を、所定時間、空間にさらして飛散する花粉を前記花粉染色剤層に固定する花粉固定工程と、
該花粉固定工程にて固定した花粉を、前記花粉染色剤層にある染色用色素にて染色する染色工程と
を有する花粉検出方法。
[付記10]
花粉染色液をスプレー容器に収納してなる花粉検出用塗布剤を、花粉検出を所望する場所に塗布する塗布工程と、
該塗布工程にて塗布した花粉検出用塗布剤を所定時間放置して、空間に飛散する花粉を前記花粉検出用塗布剤に固定する花粉固定工程と、
該花粉固定工程にて固定した花粉を、前記花粉検出用塗布剤に含まれる染色用色素にて染色する染色工程と
を有する花粉検出方法。
小型安価な花粉検出具、花粉検出用塗布剤、花粉検出方法として利用できる。
10 基材
11 表側粘着剤層
12 裏側粘着剤層
13 花粉染色剤層

Claims (10)

  1. テープ状の基材と、
    該基材の表に設けた表側粘着剤層と、
    前記基材の裏に設けた裏側粘着剤層と、
    前記表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層と
    を有する花粉検出具。
  2. 前記基材は、PETフイルムからなる
    事を特徴とする請求項1記載の花粉検出具。
  3. 前記花粉染色剤層は、
    花粉染色剤をゼリー状にして塗布したもの
    であることを特徴とする請求項1記載の花粉検出具。
  4. 前記花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、
    花粉の細胞壁を染色する染色用色素を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の花粉検出具。
  5. 前記花粉染色剤層を構成する花粉染色剤は、
    花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の花粉検出具。
  6. 花粉染色液をスプレー容器に収納してなる
    花粉検出用塗布剤。
  7. 前記花粉染色液は、
    花粉の細胞壁を染色する染色用色素を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の花粉検出用塗布剤。
  8. 前記花粉染色液は、
    花粉症の原因となるアレルゲンを染色する染色用色素を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の花粉検出用塗布剤。
  9. テープ状の基材と、該基材の表に設けた表側粘着剤層と、前記基材の裏に設けた裏側粘着剤層と、前記表側粘着剤層の上に設けた花粉染色剤層とを有する花粉検出具を、所定時間、空間にさらして飛散する花粉を前記花粉染色剤層に固定する花粉固定工程と、
    該花粉固定工程にて固定した花粉を、前記花粉染色剤層にある染色用色素にて染色する染色工程と
    を有する花粉検出方法。
  10. 花粉染色液をスプレー容器に収納してなる花粉検出用塗布剤を、花粉検出を所望する場所に塗布する塗布工程と、
    該塗布工程にて塗布した花粉検出用塗布剤を所定時間放置して、空間に飛散する花粉を前記花粉検出用塗布剤に固定する花粉固定工程と、
    該花粉固定工程にて固定した花粉を、前記花粉検出用塗布剤に含まれる染色用色素にて染色する染色工程と
    を有する花粉検出方法。
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