JP2015185902A - モデム装置および通信システム - Google Patents

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幹男 水谷
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雄二 満永
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Abstract

【課題】従来方式との互換性を保ちつつ、通信速度の向上、および、長距離回線における安定した通信を実現することができるモデム装置を提供すること。【解決手段】親機30と子機とが接続されたネットワークにおける親機30であって、子機に向けて、ポーリング信号を送信する低速送信部31と、子機から低速信号を受信する低速受信部32と、低速信号よりも高速で伝送される高速信号を子機から受信する高速受信部33とを具備し、高速受信部33は、受信した高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部33aを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、長距離のマルチドロップ回線などに用いられるモデム装置および通信システムに関するものである。
電話交換網以外のメタリック専用線において、親機用モデム装置を有する親機(以下、「親機」と記載)が、子機用モデム装置を有する複数の子機(以下、「子機」と記載)と通信を行うために、マルチドロップ方式の通信形態が採用されている(例えば、特許文献1を参照)。
図1は、マルチドロップ方式におけるネットワークの構成図である。図1に示されるように、マルチドロップ方式のネットワークにおいて、1台の親機1に対し、複数台の子機2−1〜2−N(Nは、2以上の整数。例えば、Nは、数十から百。)が接続されている。このネットワークにおいて、子機は、親機の至近距離に位置する場合もあれば、親機から25km以上離れた位置にある場合もある。
マルチドロップ方式では、通常時、親機が特定子機に向けてポーリング(Polling)信号を送信し、親機から送信されたポーリング信号によって許可された子機(つまり、特定子機)のみが、親機に向けて上り信号を送信する。したがって、通常時には、複数の子機が同時に信号を送信することはなく、信号同士が衝突することはない。
しかしながら、緊急時には、子機は、親機から送信されるポーリング信号を待たずに、緊急性を有する情報を上り信号として送信する場合がある。例えば、電力系専用線において、子機は、停電等の緊急性を有する情報を上り信号として送信する場合がある。このような緊急時にポーリング信号を待たずに送信する上り信号を緊急信号と呼ぶ。
図2は、マルチドロップ方式での上り信号の送信シーケンスの一例を示す図である。図2(a)は、通常時の上り信号の送信シーケンスを示し、図2(b)は、緊急時の上り信号のシーケンス図を示す。
図2(a)では、親機は子機2に向けてポーリング信号を送信し、そのポーリング信号によって許可された子機2が親機に向けて上り信号を送信する。
図2(b)では、親機が、子機1に向けてポーリング信号を送信し、そのポーリング信号によって許可された子機1が上り信号を送信する際に、子機2は、ポーリング信号と子機1の上り信号の間に割り込んで、緊急信号を送信する。
図2(b)に例示するような緊急信号を送信する場合、子機2は、親機のポーリング信号、または、緊急信号を発信する子機以外の子機の上り信号と緊急信号とが衝突することを避ける必要がある。そのために、所謂衝突回避の規定が親機と子機との間に存在する。
衝突回避の規定では、親機および子機の受信部が持つキャリア検出機能が使用される。モデム装置を制御する制御部は、受信部のキャリア検出がONの間(つまり、受信部がキャリアを検出している間)は、信号を送信させないように送信部を制御する。
そして、制御部は、受信部のキャリア検出がOFFになった時(つまり、受信部がキャリアを検出しなくなった時)、OFFになったタイミングからある一定区間をおいて信号を送信するように送信部を制御する。
ここで、送信信号のうち、緊急信号は、通常の応答よりも優先して送信しなければならない。そこで、衝突回避の規定では、緊急信号と通常の信号に対して、それぞれ異なる送信タイミングが規定されている。
図3は、従来の信号の送信方式における衝突回避の例を説明する図である。図3(a)は、子機が緊急信号を送信する例であり、図3(b)は、子機が通常の応答信号を送信する例である。
図3(a)に示すように、送信部が緊急信号を送信する場合、制御部は、受信部がポーリング信号を検出している区間が終了し、キャリア検出がOFFになったタイミングから時間ta(20ms<ta<80ms)をおいて、緊急信号を送信する。一方、図3(b)に示すように、送信部が通常の応答信号を送信する場合、制御部は、キャリア検出がOFFになったタイミングから時間tb(tb>100ms)をおいて、通常の応答信号を送信する。
図3に示すように、衝突回避の規定では、緊急信号を送信する場合と通常の応答信号を送信する場合で、キャリア検出がOFFになったタイミングから信号が送信されるまでの時間が異なっている。この規定により、緊急信号と通常の応答信号が衝突することを避けることができ、また、緊急信号が通常の応答信号よりも優先的に送信することができる。
ただし、複数の子機が同時に緊急信号を出す場合もある。このような場合に信号が衝突することを回避するため、CSMA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)などのアルゴリズムが採用される。
この衝突回避の規定の安定運用にあたっては、モデム装置の受信部が有するキャリア検出機能の性能、特にダイナミックレンジが重要な要素となる。例えば、電力会社等が有するメタリック専用線では、親機−子機間の距離は、最大で25km程度であるため、遠距離に位置する子機が送信する信号には、60dB以上の減衰が起こることを想定したキャリア検出機能が必要である。
そのため、電話交換網では、キャリア検出機能のダイナミックレンジは、40dBで十分であるが、メタリック専用線等のマルチドロップ回線では、60dB以上の減衰を想定し、キャリア検出機能には、ダイナミックレンジがより広く規定された規格が採用されている。
また、従来の長距離マルチドロップ回線のモデムでは、変調方式として、信号の減衰に強い周波数変調である周波数シフトキーイング(Frequency Shift Keying:FSK)方式が採用されている。
図4は、親機1および子機2を備える従来の通信システムを示す概念図である。図4に示すように、親機1は、低速送信部11および低速受信部12を有する。子機2も、親機1と同様、低速送信部21および低速受信部22を有する。例えば、低速送信部および低速受信部は、それぞれ、情報の伝送速度が比較的低速(例えば、1200bps)であるFSK方式を採用する送信部および受信部である。
図5は、FSK方式を採用する親機1の主要な構成要素を示す図である。図5に示す親機1は、低速送信部11、低速受信部12以外にも、制御部13を備える。
低速送信部11は、FSK送信部11aを有する。FSK送信部11aは、制御部13から受け取った送信データにFSK変調を行い、送信信号を生成する。FSK送信部11aは、生成した送信信号を送信する。
低速受信部12は、A/D変換部12a、AGC(Automatic Gain Control)12b、FSK復調部12cを備える。A/D変換部12aは、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、AGC12bへ出力する。AGC12bは、A/D変換部12aから受け取ったデジタル信号の利得を増幅し、FSK復調部12cへ出力する。
FSK復調部12cは、AGC12bから受け取った信号にFSK復調を行い、復調したデータを制御部13へ出力する。また、FSK復調部12cは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部13へ出力する。
制御部13は、受信した信号の信号処理を行うとともに、キャリア検出の結果に基づき、信号の送信処理を制御する。なお、図5には、親機1の低速送信部11、および、低速受信部12の構成を示したが、子機2の低速送信部21、および、低速受信部22の構成も同様の構成を備える。
このようなFSK方式のモデム装置は、長距離の回線における信号の減衰に強いことが知られている。特に、このモデム装置は、信号波形の上限および下限が大幅にクランプした波形でも、ビット誤りが発生することなく、正確に受信することができる。
すなわち、モデム装置に入力されるアナログ波形がモデム内のA/D変換器の許容する上限値を大幅に上回っても、あるいは、下限値を大幅に下回っても、ビット誤りが発生しない。このような特性から、FSK方式のモデムを採用する場合、60dBのダイナミックレンジが実現できる。
一方、図5に示すFSK方式のモデムは、通信速度が遅いという問題がある。具体的には、4kHzから7kHzの周波数帯域幅を使用するFSK方式のモデムの通信速度は、1200bpsが限界である。
近年、マルチドロップ回線では、通信速度の向上が必要となってきている。例えば、マルチドロップ回線の電力系専用線を有する電力会社は、各家庭で発電される電力を把握する必要があるため、各家庭の子機2から電力会社の親機1へ送信される情報量が増加している。
例えば、1個の親機1に対して、100個の子機2が接続するマルチドロップ回線において、親機1および子機2がFSK方式を採用する場合を想定する。また、1つの子機2に対する親機1からのポーリング信号のサイズが120ビットであり、各子機2が256バイト(2048ビット)の情報を親機1に送信する場合を想定する。
この場合、FSK方式の通信速度が1200bpsであるから、1つの子機2に対して親機1がポーリング信号を送信するには0.1秒の時間がかかる。また、2048ビットの情報を子機2が親機1に送信する場合、子機2から親機1へ送信する、ヘッダー等を加えた電文の情報量は2280ビットとなるので、1.9秒の時間を要する。
すなわち、1つの子機2が256バイト(2048ビット)の情報を親機1に送信するためには、約2秒の時間がかかる。そのため、親機1が、100個の子機2から情報を受信するためには、約200秒の時間を要することになる。
現在、子機2から親機1へは、1000バイト近いサイズの情報量を送信することが必要と考えられているため、高速通信ができるモデム装置の採用が望まれる。例えば、上述のマルチドロップ回線において、各子機2が1000バイトの情報を親機1に送信する場合、親機1が100個の子機2から約200秒の時間で情報を受信するためには、通信速度が4800bps以上でなければならない。また、今後の更なる拡張を考慮すると、通信速度は、9600bps以上が必要とされる。
特開2010−161558号公報
ところが、電力会社のメタリック専用線等のマルチドロップ回線において使用可能な帯域は、電波法の規定により10kHz以下、そして、電話交換網に漏洩しない4kHz以上と限られている。この帯域で9600bps以上の通信速度を実現させるためには、位相変調方式である4相PSK(Quadrature Phase Shift Keying : QPSK)方式、または、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation : QAM)方式等の多値変調方式を採用する必要がある。
通信速度の向上のために、PSKまたはQAM方式を採用する場合、信号波形の上限および下限が20%クランプされると、その信号波形の歪みが位相情報に影響を与えるため、ビット誤りが生じる。そのため、PSK変調またはQAM方式を採用する場合、40dB程度のダイナミックレンジが限界である。つまり、通信速度の向上のためにPSKまたはQAM方式を採用する場合、60dB以上のダイナミックレンジを実現できない。
また親機1が、遠く離れた位置にある子機2と、PSKまたはQAM方式による高速通信を行うためには、子機2は、FSK方式による低速通信の場合と同じパワーの信号を送信する必要がある。この場合、親機1から近い位置にある子機2が同じパワーの信号を送信すると、親機1がその信号を受信する際にオーバーフロウが発生し、信号波形に歪みが生じてしまう。
さらに、高速通信を行うため、PSKまたはQAM方式を新たに採用することとすると、親機1は、FSK方式を採用した従来型の子機2と通信ができなくなるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来方式との互換性を保ちつつ、通信速度の向上、および、長距離回線における安定した通信を実現することができるモデム装置、および、通信システムを提供することを目的とする。
本発明に係るモデム装置は、親機と子機とが接続されたネットワークにおいて前記親機として機能するモデム装置であって、前記子機に向けて、ポーリング信号を送信する低速送信部と、前記子機から低速信号を受信する低速受信部と、前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を前記子機から受信する高速受信部と、を具備し、前記高速受信部は、受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有する、という構成を採る。
本発明に係る通信システムは、モデム装置である親機と子機とを備える通信システムであって、前記親機は、前記子機に向けて、ポーリング信号を送信する低速送信部と、前記子機から低速信号を受信する低速受信部と、前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を前記子機から受信する高速受信部と、を具備し、前記高速受信部は、受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有し、前記子機は、前記ポーリング信号を受信する低速受信部と、前記親機に向けて低速信号を送信する低速送信部と、前記親機に向けて高速信号を送信する高速送信部と、を具備する。
本発明に係るモデム装置は、ポーリング信号を送信する低速送信部と、低速信号を受信する低速受信部と、前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を受信する高速受信部と、を具備し、前記高速受信部が、受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有するモデム装置である親機と、前記親機とネットワークを介して接続された子機として機能するモデム装置とを備える通信システムにおける、前記子機として機能するモデム装置であって、前記ポーリング信号を受信する低速受信部と、前記親機に向けて低速信号を送信する低速送信部と、前記親機に向けて高速信号を送信する高速送信部と、を具備する。
本発明によれば、従来方式との互換性を保ちつつ、通信速度の向上、および、長距離回線における安定した通信を実現することができる。
マルチドロップ方式におけるネットワークの構成図 マルチドロップ方式での上り信号の送信シーケンスの一例を示す図 従来の信号の送信方式における衝突回避の例を説明する図 親機および子機を備える従来の通信システムを示す概念図 FSK方式を採用する親機の主要な構成要素を示す図 本発明の実施形態1に係る通信システムの構成の一例を示す図 本発明の実施形態1に係る親機の主要な構成要素の一例を示す図 本発明の実施形態1に係る子機の主要な構成要素の一例を示す図 本発明の実施形態1における子機が新たに設置された場合に行われる初期設定処理の一例を示すシーケンス図 本発明の実施形態1における子機の信号送信タイミングの一例を示す図 本発明の実施形態1における増幅・減衰量記憶部に記憶される増幅・減衰量の決定方法の一例を示す図 本発明の実施形態1に係る子機と従来型の子機とが混在しているシステムの運用の一例を示すシーケンス図 本発明の実施形態2に係る親機の主要な構成要素の一例を示す図 本発明の実施形態2における増幅・減衰処理の一例を示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態は一例であり、本発明はこの実施形態により限定されるものではない。
(実施形態1)
図6は、本発明の実施形態1に係る通信システムの構成の一例を示す図である。この通信システムは、親機30および子機40を備える。親機30および子機40は、デジタル信号をアナログ信号に変調し、アナログ信号をデジタル信号に復調するモデム装置である。なお、ここでは、子機40が1台のみ示されているが、子機40は複数台あってもよい。
図6に示すように、発信側である親機30は、低速送信部31、低速受信部32、高速受信部33を有する。着信側である子機40は、低速送信部41、低速受信部42、高速送信部43を有する。図4と図6を比較して明らかなように、本発明の実施形態1に係る親機30は、高速受信部33を有し、子機40は高速送信部43を有することを特徴とする。
ここで、低速送信部31、41、低速受信部32、42は、FSK方式による通信を行い、高速受信部33および高速送信部43は、PSK/QAM方式による通信を行う。例えば、低速送信部および低速受信部は、それぞれ、情報の伝送速度が比較的低速(例えば、1200bps)であるFSK方式を採用する送信部および受信部である。また、例えば、高速送信部および高速受信部は、それぞれ、情報の伝送速度がFSK方式よりも高速(例えば、9600bps)であるPSK/QAM方式を採用する送信部および受信部である。
詳細については後述するが、親機30が有する低速送信部31および低速受信部32は、それぞれ、図4に示したような従来のFSK方式の低速送信部11および低速受信部12と同様の機能を有する。
また、子機40が有する低速送信部41および低速受信部42は、それぞれ、図4に示したような従来のFSK方式の低速送信部21および低速受信部22と同様の機能を有する。この構成により、本発明の実施形態1に係る親機30および子機40は、従来のFSK方式の親機1および子機2と互換性を持つことができる。
図7は、本発明の実施形態1に係る親機30の主要な構成要素の一例を示す図である。親機30は、低速送信部31、低速受信部32、高速受信部33に加えて、制御部34を備える。
低速送信部31は、FSK送信部31aを有する。FSK送信部31aは、制御部34から受け取った送信データにFSK変調を行い、送信信号を生成する。FSK送信部31aは、生成した送信信号を送信する。
また、低速送信部31は、子機40に対してポーリング信号を送信する。ポーリング信号は、子機40に対して低速応答信号の送信を許可する低速応答用ポーリング信号、または、子機40に対して高速応答信号の送信を許可する高速応答用ポーリング信号の2つのいずれかである。ここで、高速応答信号とは、低速応答信号よりも高速で伝送される信号である。
低速受信部32は、A/D変換部32a、AGC(Automatic Gain Control)32b、FSK復調部32cを有する。A/D変換部32aは、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、AGC32bへ出力する。AGC32bは、A/D変換部32aから受け取ったデジタル信号の利得を増幅し、FSK復調部32cへ出力する。
FSK復調部32cは、AGC32bから受け取った信号にFSK復調を行い、復調したデータを制御部34へ出力する。また、FSK復調部32cは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部34へ出力する。
また、低速受信部32は、子機40が送信する低速応答信号および子機40が送信する緊急信号を受信し、データに復調する処理を行う。また、低速受信部32は、子機40が送信する低速応答信号および子機40が送信する緊急信号のキャリア検出を行う。ここで、緊急信号は、低速応答信号と同様の速度、かつ、高速応答信号よりも低速で伝送される信号である。
高速受信部33は、増幅・減衰部33a、A/D変換部33b、AGC33c、PSK/QAM復調部33d、増幅・減衰量記憶部33eを有する。
増幅・減衰部33aは、増幅・減衰量記憶部33eに記憶された増幅・減衰量の設定情報に従って、受信したアナログ信号を増幅または減衰させる処理を行い、増幅または減衰が施されたアナログ信号をA/D変換部33bへ出力する。
A/D変換部33bは、増幅・減衰部33aから受け取ったアナログ信号をデジタル信号に変換し、AGC33cへ出力する。AGC33cは、A/D変換部33bから受け取ったデジタル信号の利得を増幅し、PSK/QAM復調部33dへ出力する。
PSK/QAM復調部33dは、AGC33cから受け取った信号にPSK復調またはQAM復調を行い、復調したデータを制御部34へ出力する。また、PSK/QAM復調部33dは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部34へ出力する。
増幅・減衰量記憶部33eは、増幅・減衰部33aにおいて用いられる増幅・減衰量の設定情報を記憶する。この設定情報は、子機40が新たに導入される場合などの初期設定時に、子機40から受信する信号の信号レベルに応じて適切な値に設定される。
増幅・減衰量記憶部33eは、このようにして設定された増幅・減衰量を子機40の識別情報ごとに記憶しておく。増幅・減衰部33aは、実際の通信の際に、制御部34の指示に従って、送信元の子機40に対応する設定値を増幅・減衰量記憶部33eから読み出す。子機40の初期設定時における親機30と子機40の詳細な動作、および、増幅・減衰量の決定方法については、後述する。
高速受信部33は、子機40が送信する高速応答信号を受信し、データに復調する処理を行う。その際に、増幅・減衰部33aは、PSK/QAM復調部33dにおいて誤りが発生しないように、増幅・減衰量記憶部33eによって記憶された増幅・減衰量に従って、受信したアナログ信号を増幅または減衰させる。
制御部34は、受信した信号の信号処理や、ポーリング信号の送信処理を制御するとともに、キャリア検出の結果に基づき、信号の送信処理を制御する。また、制御部34は、子機40に対応する増幅・減衰量を増幅・減衰量記憶部33eから読み出すように増幅・減衰部33aに指示する。さらに、制御部34は、子機40が新たに設置される場合の初期設定処理を行う。この初期設定処理については後に詳しく説明する。
以上のように、増幅・減衰部33aが受信したアナログ信号を増幅または減衰させることによって、親機30は、親機30からさまざまな距離にある子機40との通信を安定して行うことができる。
また、親機30が、低速送信部31、低速受信部32、高速送信部33を備えることにより、従来のFSK方式のモデム装置との互換性を保ちつつ、通信速度を向上させることができる。
図8は、本発明の実施形態1に係る子機40の主要な構成要素の一例を示す図である。子機40は、低速送信部41、低速受信部42、高速送信部43に加えて、制御部44を備える。
低速送信部41は、FSK送信部41aを有する。FSK送信部41aは、制御部44から受け取った送信データにFSK変調を行い、送信信号を生成する。FSK送信部41aは、生成した送信信号を送信する。
低速送信部41は、親機30が送信する低速応答用ポーリング信号への応答として、低速応答信号を送信する。また、低速送信部41は、親機30からのポーリング信号とは関係なく、緊急時に緊急信号を送信する。
低速受信部42は、A/D変換部42a、AGC42b、FSK復調部42cを有する。A/D変換部42aは、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換し、AGC42bへ出力する。AGC42bは、A/D変換部42aから受け取ったデジタル信号の利得を増幅し、FSK復調部42cへ出力する。
FSK復調部42cは、AGC42bから受け取った信号のFSK復調を行い、復調したデータを制御部44へ出力する。また、FSK復調部42cは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部44へ出力する。
なお、低速受信部42は、親機30が送信する低速応答用ポーリング信号、または、親機30が送信する高速応答用ポーリング信号を受信し、復調する処理も行う。また、低速受信部42は、親機30が送信するポーリング信号、他の子機40が送信する低速応答信号、および、他の子機40が送信する緊急信号のキャリア検出を行う。
高速送信部43は、PSK/QAM送信部43aを有する。PSK/QAM送信部43aは、制御部44から受け取った送信データにPSK変調またはQAM変調を行い、送信信号を生成する。PSK/QAM送信部43aは、生成した信号を送信する。PSK/QAM送信部43aは、親機30が送信する高速応答用ポーリング信号への応答として、高速応答信号を送信する。
制御部44は、受信した信号の信号処理を行うとともに、キャリア検出の結果に基づき、信号の送信処理を制御する。
以上のように、子機40が、低速送信部41、低速受信部42、高速送信部43を備えることにより、従来のFSK方式のモデム装置との互換性を保ちつつ、通信速度を向上させることができる。
次に、子機40が新たに設置される場合などに親機30により行われる初期設定処理について説明する。図9は、本発明の実施形態1における子機40が新たに設置される場合に行われる初期設定処理の一例を示すシーケンス図である。
図9において、子機40が新たに設置された場合、ST1にて、子機40は新たに設置されたことを示す新規設置通知を親機30に対して送信する。新規設置通知は、子機40が有する低速送信部41によって通知される。
親機30は、子機40から新規設置通知を受信した場合、ST2にて、受信した信号が新規設置通知であることの確認を行い、その確認ができた場合に高速信号要求を子機40に対して送信する。高速信号要求は、親機30が有する低速送信部31によって送信される。なお、子機40から受信する高速信号を増幅または減衰させる際の増幅・減衰量は、予め設定される。この設定は、親機30の制御部34からの指示により行われる。
そして、子機40は、親機30から高速信号要求を受信した場合、ST3にて、高速信号を親機30に送信する。高速信号は、子機40が有する高速送信部43によって送信される。
続いて、親機30は、子機40から送信された高速信号の検出を行う。そして、検出が失敗した場合には、ST4にて、受信した高速信号を増幅または減衰させる際の増幅・減衰量を変更するとともに、再度、高速信号要求を子機40に対して送信する。なお、検出の失敗の判定、および、増幅・減衰量の変更の指示は、親機30の制御部34により行われる。
子機40は、親機30から再度、高速信号要求を受信した場合、ST5にて、再度、高速信号を親機30に対して送信する。親機30は、子機40から送信された高速信号を正常に受信できるまで、増幅・減衰量を変更しながら高速信号要求を繰り返し送信する。一方、子機40は、親機30が高速信号を受信可能になるまで、親機30に対して高速信号を繰り返し送信する。
そして、親機30は、高速信号の受信に成功した場合、ST6にて、受信成功の通知を子機40に対して送信する。受信成功の通知は、親機30が有する低速送信部31によって送信される。
そして、親機30は、子機40からの高速信号の受信が成功した場合、その受信の際に設定されていた増幅・減衰量を、その子機40の子機の識別情報と共に増幅・減衰量記憶部33eに記憶する。この処理は、親機30の制御部34からの設定指示により行われる。
子機40は、親機30から受信成功の通知を受け取った場合、ST7にて、その通知に対する応答を低速送信部41から送信する。
このような初期設定処理により、親機30は、通常の通信において子機40から高速信号を受信した場合に、増幅・減衰量記憶部33eに記憶された増幅・減衰量に基づいて、高速信号を増幅または減衰させることができる。
なお、上記初期設定処理において送受信される信号は、既に設置されている子機40が送受信する信号と衝突しないようにすることが必要である。そのため、既に設置されている全ての子機に対して、親機30が初期設定処理を行う旨を通知し、新たに設置された子機40を除く全ての子機が通信を停止している間に、親機30と新たに設置された子機40との間で上記初期設定処理が実行される。
あるいは、上記初期設定処理は、新たに設置される子機40を除く全ての子機に対して初期設定処理を行う旨の通知を行うことなく、実行されてもよい。
具体的には、子機40がST1の信号(つまり、「新規設置通知」)を送信するためのタイミング(時間スロット)を用意することによって、既に設置されている子機40に通信を能動的に停止させることなく、初期設定処理が実行されてもよい。
図10は、子機40の信号送信タイミングの一例を示す図である。図10(a)は、子機40が緊急信号を送信するタイミングの一例である。図10(b)は、子機40が新規設置通知を送信するタイミングの一例である。図10(c)は、子機40が通常の応答を送信するタイミングの一例である。図10(a)および図10(c)に示すタイミングは、図3(a)および図3(b)に示すタイミングと同様である。
図10(a)に示すように、子機40の低速送信部41は、低速受信部42がポーリング信号を検出している区間が終了し、キャリア検出がOFFになったタイミングから時間ta(20ms<ta<80ms)をおいて、緊急信号を送信する。
また、図10(b)に示すように、新たに設置される子機40の低速送信部41が新規設置通知を送信する場合、低速受信部42がポーリング信号を検出している区間が終了し、キャリア検出がOFFになったタイミングからtb(80ms<tb<100ms)をおいて、新規設置通知を送信する。
さらに、図10(c)に示すように、子機40の低速送信部41が通常の応答を送信する場合、キャリア検出がOFFになったタイミングから時間tc(tc>100ms)をおいて、通常の応答信号を送信する。
このように、子機40が新規設置通知を送信するタイミング(時間スロット)を、緊急信号を送信するタイミングと通常の応答信号を送信するタイミングの間に用意することによって、新たに設置される子機40が送信する新規設置通知が、既に設置されている子機40が送信する緊急信号および通常の応答信号と衝突することを効果的に回避できる。また、緊急信号を新規設置通知および通常の応答信号より優先して送信できる。
なお、新規設置通知が一旦親機30に受信された後は、親機30による通信制御により、初期設定処理において親機30と通信する子機40が指定されるため、信号の衝突は回避される。
また、図3に示した従来の子機の緊急信号を送信するタイミングと通常の応答信号を送信するタイミングはそれぞれ、図10に示した子機40の緊急信号を送信するタイミングと通常の応答信号を送信するタイミングと同様である。
このため、従来の子機と本発明の実施形態1に係る子機40が混在するネットワークにおいても、子機40が送信する新規設置通知が、従来の子機が送信する緊急信号および通常の応答信号と衝突することを効果的に回避できる。
次に、増幅・減衰量記憶部33eに記憶される増幅・減衰量の決定方法について説明する。図11は、増幅・減衰量記憶部33eに記憶される増幅・減衰量の決定方法の一例を示す図である。図11の例では、子機A〜子機Eの5台の子機40が、親機30からの距離がそれぞれ異なる位置に設置されている。
図11(a)は、子機A〜子機Eの5台の子機40が設置されたネットワーク構成を示している。図11(b)は、図11(a)に示す5台の子機40の識別情報、親機30との距離、減衰量、および、増幅・減衰量記憶部33eに記憶される増幅・減衰量の対応関係を示している。
ここで、減衰量は、各子機A〜Eが送信する信号が親機30によって受信された時の減衰量を示している。例えば、親機30から1km離れた位置に設置された子機Aが送信する信号は、親機30によって受信された場合、26dB減衰する。
また、親機30から7km離れた位置に設置された子機Bが送信する信号は、親機30によって受信された場合、41dB減衰する。親機30から10km離れた位置に設置された子機Cが送信する信号は、親機30によって受信された場合、57dB減衰する。
さらに、親機30から13km離れた位置に設置された子機Dが送信する信号は、親機30によって受信された場合、62dB減衰する。そして、親機30から25km離れた位置に設置された子機Eが送信する信号は、親機30によって受信された場合、85dB減衰する。
また、増幅・減衰量の数値は、増幅・減衰量記憶部33eに記憶される増幅・減衰量を示す。増幅・減衰量の数値は、各子機A〜Eが送信する信号が親機30によって受信された場合の減衰量に基づいて決定される。
子機Aの場合、親機30からの距離が1kmと小さく、親機30によって受信された場合の減衰量が26dBと比較的小さい。そのため、子機Aが送信する信号を親機30が受信した場合、親機30は、子機Aから受信した信号を減衰させ、ダイナミックレンジを抑える必要がある。
そのため、親機30は、初期設定処理において、子機Aからの受信が成功した際の増幅・減衰量、すなわち、図11(b)の例では−20dBを子機Aに対する増幅・減衰量として増幅・減衰量記憶部33eに記憶する。
子機B〜Eの場合、親機30からの距離がそれぞれ7km、10km、13kmであり、親機30によって受信された時の信号は、それぞれ41dB、57dB、62dB減衰される。
つまり、子機B〜Eが送信する信号を親機30が受信した場合、親機30は、増幅・減衰部33aによって信号を減衰させる必要はない。この場合、初期設定処理において、子機B〜Eからの受信が成功した際の増幅・減衰量は0dBである。したがって、親機30は、子機B〜Eから受信した信号に対する増幅・減衰量として、0dBの値を増幅・減衰量記憶部33eに記憶する。
子機Eの場合、親機30からの距離が25kmと大きく、親機30によって受信された場合の減衰量が85dBと比較的大きい。そのため、子機Eが送信する信号を親機30が受信した場合、親機30は、子機Eから受信した信号を増幅させ、ダイナミックレンジの範囲内にする必要がある。
そのため、親機30は、初期設定処理において、子機Eからの受信が成功した際の増幅・減衰量、すなわち、図11(b)の例では20dBを子機Eに対する増幅・減衰量として増幅・減衰量記憶部33eに記憶する。
以上のように、各子機40に対し増幅・減衰量が設定されることによって、各子機40と親機30との距離が様々であっても、親機30は、各子機から送信される高速応答信号を受信する場合に、その高速応答信号をダイナミックレンジの範囲内に抑えることができる。これにより、親機30は、高速応答信号を誤りなく復調できる。
次に、本発明の実施形態1に係る子機FとFSK方式を採用した従来型の子機G、Hとが混在しているシステムの運用について説明する。図12は、本発明の実施形態1に係る子機40の構成を有する子機Fと従来型の子機2の構成を有する子機G、Hとが混在しているシステムの運用の一例を示すシーケンス図である。ここで、子機Hは、親機30からのポーリング信号を待たずに緊急信号を送信している。
図12のST10にて、親機30の低速送信部31は、子機Fに対して、高速応答用ポーリング信号を送信する。そして、ST11にて、高速応答用ポーリング信号を受信した子機Fの高速送信部43は、高速応答信号を送信する。
そして、親機30の高速受信部33は、子機Fからの高速応答信号を受信する。その際、親機30の増幅・減衰部33aは、高速応答用ポーリング信号の送信先である子機Fの識別情報に対応する増幅・減衰量を増幅・減衰量記憶部33eから読み出し、受信した高速応答信号の増幅または減衰を行う。
ST12にて、親機30の低速送信部31は、子機Gに対して低速応答用ポーリング信号を送信する。そして、低速応答用ポーリング信号を受信した子機Gの低速送信部21は、ST13にて、低速応答信号を送信し、親機30の低速受信部32は、子機Gからの低速応答信号を受信する。
ST14にて、親機30の低速送信部31は、再び、子機Fに対して、高速応答用ポーリング信号を送信する。その際、子機Hは、親機30が送信した高速応答用ポーリング信号のキャリア検出を行っている。
そして、子機Hの低速送信部21は、ST15にて、高速応答用ポーリング信号の検出が終了した後、図10(a)に示したタイミングで、緊急信号を送信する。
また、子機Fの高速送信部43は、ST16にて、親機30が送信した高速応答用ポーリング信号を受信した後、緊急信号が検出されなくなった場合に、高速応答信号を送信する。
このように、親機30が従来のFSK方式の低速通信を実施するための低速送信部31、低速受信部32、および、高速受信部33を有していることによって、図12に示すような、低速通信および高速通信の両方が可能になっている。
また、親機30は、高速通信を実施している間、つまり、高速受信部33を動作させている間も、緊急信号を受信するために、低速受信部32を同時に動作させている。そして、高速受信部33が受信する高速応答信号と、低速受信部32が受信する緊急信号とが、制御部34により選択的に利用される。これにより、図12に示すように、高速通信中に緊急信号の割り込みがある場合でも、緊急信号の受信が可能になる。
(実施形態2)
実施形態1では、親機30は、子機40ごとに増幅・減衰量を設定し、受信した高速応答信号の送信元の子機40に対応する増幅・減衰量に基づいて、増幅・減衰部33aが高速応答信号を増幅・減衰させていた。
本実施形態2では、親機が、2つの受信系統を有し、その一方の入力ラインに増幅・減衰部を設け、他方の入力ラインに増幅・減衰部を設けない場合について説明する。この構成により、送信元の子機40ごとに増幅・減衰量を設定する必要なくなり、親機における信号の受信処理を簡略化できる。
図13は、本発明の実施形態2に係る親機50の主要な構成要素の一例を示す図である。図13において、図7と同じ構成には同じ番号を付して、その説明を省略する。
図13に示す親機50は、図7に示す親機30と、高速受信部51、および、制御部55が異なる。なお、本発明の実施形態2に係る子機は、実施形態1に係る子機40と同様のものである。
高速受信部51は、2つの受信系統52、53を有し、受信系統53の入力ラインにのみ、増幅・減衰部54が設けられている。
受信系統52は、A/D変換部52a、AGC52b、PSK/QAM復調部52cを有する。受信系統53は、A/D変換部53a、AGC53b、PSK/QAM復調部53cを有する。
A/D変換部52aおよびA/D変換部53aは、図7に示したA/D変換部33bと同様のものである。AGC52bおよびAGC53bは、図7に示したAGC33cと同様のものである。
PSK/QAM復調部52cは、AGC52bから受け取った信号にPSK復調またはQAM復調を行い、復調したデータを制御部55へ出力する。また、PSK/QAM復調部52cは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部55へ出力する。
同様に、PSK/QAM復調部53cは、AGC53bから受け取った信号にPSK復調またはQAM復調を行い、復調したデータを制御部55へ出力する。また、PSK/QAM復調部53cは、受信した信号のキャリア検出を行い、キャリア検出の結果を制御部55へ出力する。
ここで、受信系統52は、前段に増幅・減衰部を設けない。したがって、受信系統52は、減衰を行わないで、高速応答信号の復調処理を行う。
受信系統53は、前段に増幅・減衰部54を設ける。増幅・減衰部54は、受信した高速応答信号に対して、所定量(例えば、−30dB)の減衰を行う。受信系統53は、増幅・減衰部54にて減衰された高速応答信号の復調処理を行う。
制御部55は、受信した信号の信号処理や、ポーリング信号の送信処理を制御するとともに、キャリア検出の結果に基づき、信号の送信処理を制御する。なお、実施形態2は、実施形態1と異なり、子機40ごとに増幅・減衰量を設定する必要がないので、制御部55は、増幅・減衰量を設定するための処理機能を有さない点で、実施形態1に係る親機30の制御部34とは異なる。
図14は、本発明の実施形態2における増幅・減衰処理の一例を示す図である。図14には、図11(a)に示したシステム構成における増幅・減衰処理の一例が示されている。また、この例では、増幅・減衰部54は、30dBの減衰を行う。
図14は、図11(a)に示す5台の子機40の識別情報、親機30との距離、減衰量、PSK/QAM復調部52cからの出力データ、および、PSK/QAM復調部53cからの出力データを示している。
PSK/QAM復調部52c、および、PSK/QAM復調部53cからの出力データは、それぞれ、増幅・減衰部によって減衰させない信号の復調結果と、増幅・減衰部54によって減衰させた信号の復調結果を示す。
子機Aおよび子機Bの場合、親機からの距離がそれぞれ1km、7kmと小さく、親機50によって受信された信号の減衰量がそれぞれ26dB、41dBと比較的小さい。
そのため、子機Aおよび子機Bが送信する信号を親機50が受信した場合、増幅・減衰部によって減衰させない場合には、ダイナミックレンジに抑えることができないため、PSK/QAM復調部52cの復調結果に誤りが生じる。一方、増幅・減衰部54によって30dB減衰させる場合には、ダイナミックレンジに抑えることができるため、PSK/QAM復調部53cの復調結果に誤りが生じない。
子機Cの場合、親機50によって受信された信号の減衰量が57dBとなる。そのため、子機Cが送信する信号を親機50が受信した場合、増幅・減衰部によって減衰させない場合でも、ダイナミックレンジの範囲内に収まるので、PSK/QAM復調部52cの復調結果に誤りが生じない。
また、子機Cが送信する信号を親機50が受信した場合、増幅・減衰部54によって信号を30dB減衰させた場合でも、ダイナミックレンジの範囲内に収まるので、PSK/QAM復調部53cの復調結果にも誤りが生じない。
子機Dおよび子機Eの場合、親機50からの距離がそれぞれ13km、25kmと大きく、親機50によって受信された信号の減衰量がそれぞれ62dB、85dBと比較的大きい。
そのため、子機Dおよび子機Eが送信する信号を親機50が受信し、その信号を増幅・減衰部によって減衰させない場合、ダイナミックレンジに収まるので、PSK/QAM復調部52cの復調結果に誤りが生じない。一方、増幅・減衰部54によって信号を30dB減衰させてしまうと、ダイナミックレンジに収まらないので、PSK/QAM復調部53cの復調結果に誤りが生じる。
図13に示すように、親機50が2つの受信系統52、53を有し、一方にのみ、所定量の減衰を行う増幅・減衰部54を設けることによって、いずれかの受信系統52、53において誤りのない復調信号を得つつ、親機における信号の受信処理を簡略化することができる。
なお、図14の数値例は、あくまで一例であり、本発明はこれに限定されない。親機50の受信性能、ダイナミックレンジ、子機の位置、および、子機の数に応じて、増幅・減衰部に設定される一定量の減衰量は変更されてもよい。
また、図13において、親機50は、2つの受信系統52、53を有し、それらのうち一方にのみ、一定量の減衰を行う増幅・減衰部54を設けることによって、2つの復調結果を得ることとしたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、親機50が3つ以上の受信系統を有し、それぞれに異なる減衰量の減衰を行う増幅・減衰部を設けてもよい。この場合、受信系統の数に対応する数の復調結果が得られるため、その中から誤りのない復調結果を選択することができる。
また、図13においては、増幅・減衰部54が所定量の減衰のみを行うこととしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、子機の位置に応じて、増幅・減衰部54が所定量の増幅を行ってもよい。あるいは、親機50が3つ以上の受信系統を有し、それぞれの入力ラインに所定量の減衰または増幅のいずれかを行う増幅・減衰部54を設けるようにしてもよい。
以上説明したように、実施形態2に係る親機50によると、受信した高速応答信号に対して減衰を行わない高速応答信号の復調処理の結果と、減衰を行った高速応答信号の復調処理の結果を得ることができる。
そして、親機50は、2つの受信系統52、53から出力された2つの復調結果のうちから正常な復調結果を選択することにより、通信を適切に行うことができる。
また、実施形態2に係る親機50は、実施形態1に係る親機30と比べて、各子機に対応する減衰量を記憶する必要がなく、親機50の構成が簡略化されるという利点がある。
なお、本実施形態1および2では、高速送信部および高速受信部は、それぞれ、情報の伝送速度がFSK方式よりも高速であるPSK/QAM方式を採用する送信部および受信部として説明したが、本発明はこれに限定されない。高速送信部および高速受信部に採用される方式は、情報の伝送速度がFSK方式などの低速の変調方式よりも高速である様々な方式であってもよい。
なお、本実施形態で説明したモデム装置の各構成部は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現される。
本発明にかかるモデム装置は、長距離のマルチドロップ回線などに用いるのに好適である。
1,30,50 親機
11,21,31,41 低速送信部
11a,31a,41a FSK送信部
12,22,32,42 低速受信部
12a,32a、33b,42a,52a,53a A/D変換部
12b,32b,33c,42b,52b,53b AGC
12c,32c,42c FSK復調部
13,34,44,55 制御部
2−1〜2−N,40 子機
33,51 高速受信部
33a,54 増幅・減衰部
33d,52c,53c PSK/QAM復調部
33e 増幅・減衰量記憶部
43 高速送信部
43a PSK/QAM送信部
52,53 受信系統

Claims (10)

  1. 親機と子機とが接続されたネットワークにおいて前記親機として機能するモデム装置であって、
    前記子機に向けて、ポーリング信号を送信する低速送信部と、
    前記子機から低速信号を受信する低速受信部と、
    前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を前記子機から受信する高速受信部と、 を具備し、
    前記高速受信部は、
    受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有する、
    モデム装置。
  2. 前記低速受信部は、前記高速受信部が前記高速信号を受信する間、前記高速受信部と同時に動作し、前記低速信号と前記高速信号とは選択的に利用される、
    請求項1に記載のモデム装置。
  3. 前記高速受信部は、
    前記ネットワーク上の各子機に対応する増幅量または減衰量を記憶する増幅・減衰量記憶部を更に有し、
    前記増幅・減衰部は、前記増幅量または減衰量の中から前記高速信号の送信元の子機に対応する増幅量または減衰量を読み出し、読み出した前記増幅量または減衰量に基づいて前記高速信号の増幅または減衰を行う、
    請求項1または2に記載のモデム装置。
  4. 前記子機が前記ネットワークに接続された場合、前記子機により送信された信号に基づいて前記子機に対応する増幅量または減衰量を決定する制御部をさらに備え、前記増幅・減衰量記憶部は、前記制御部により決定された増幅量または減衰量を前記子機の識別情報と共に記憶する、
    請求項3に記載のモデム装置。
  5. 前記高速受信部は、複数の受信系統を有し、
    前記増幅・減衰部は、前記複数の受信系統のうちの1つの受信系統の入力ラインに接続され、前記高速信号を所定の減衰量だけ減衰させる、または、所定の増幅量だけ増幅させる、
    請求項1または2に記載のモデム装置。
  6. 前記低速送信部は、周波数シフトキーイング(frequency shift keying :FSK)方式の変調を行い、
    前記低速受信部は、FSK方式の復調を行い、
    前記高速受信部は、位相シフトキーイング(phase shift keying:PSK)方式または、直交振幅変調(quadrature amplitude modulation:QAM)方式の復調を行う、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のモデム装置。
  7. 前記低速信号は、前記ポーリング信号に応じて送信された低速応答信号、および、前記低速応答信号に優先して送信される緊急信号を含む請求項1から6のいずれか1項に記載のモデム装置。
  8. 前記子機が設置された場合に、前記ネットワークを介して前記子機により新規設置通知が送信されるタイミングは、前記緊急信号が送信されるタイミングより後で、前記低速応答信号が送信されるタイミングより前である、
    請求項7に記載のモデム装置。
  9. モデム装置である親機と子機とを備える通信システムであって、
    前記親機は、
    前記子機に向けて、ポーリング信号を送信する低速送信部と、
    前記子機から低速信号を受信する低速受信部と、
    前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を前記子機から受信する高速受信部と、
    を具備し、
    前記高速受信部は、
    受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有し、
    前記子機は、
    前記ポーリング信号を受信する低速受信部と、
    前記親機に向けて低速信号を送信する低速送信部と、
    前記親機に向けて高速信号を送信する高速送信部と、
    を具備する通信システム。
  10. ポーリング信号を送信する低速送信部と、低速信号を受信する低速受信部と、前記低速信号よりも高速で伝送される高速信号を受信する高速受信部と、を具備し、前記高速受信部が、受信した前記高速信号を増幅または減衰させる増幅・減衰部を有するモデム装置である親機と、前記親機とネットワークを介して接続された子機として機能するモデム装置とを備える通信システムにおける、前記子機として機能するモデム装置であって、
    前記ポーリング信号を受信する低速受信部と、
    前記親機に向けて低速信号を送信する低速送信部と、
    前記親機に向けて高速信号を送信する高速送信部と、
    を具備するモデム装置。

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