JP2015187202A - 繊維強化複合材、繊維強化複合材の製造方法および繊維強化複合材の固定方法 - Google Patents
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しかしながら、繊維強化複合材は、高強度、高弾性であるが故に、ネジや鋲等を貫通させると割れやすいという問題がある。近年は、繊維強化複合材を他の部材に固定する場合、効率化のために、下穴を開けずに直接タッピングビス、ドリルビス等で固定する方法が多用されており、このような場合、特に割れ等の欠陥が発生しやすく、問題となっていた。また、繊維強化複合材は、熱膨張率が他の材料、例えば金属などと大きく異なるため、他の材質の材料に固定すると、温度変化により固定部に局所的な応力が発生し、破損を生じることが多いという問題もある。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記低密度領域は、固定部材を貫通させるための領域であることを特徴とする[1]に記載の繊維強化複合材。
[3]前記強化繊維は、繊維径が20μm以下であり、ガラス転移温度が210℃以上であり、弾性率が50GPa以上である繊維から構成されることを特徴とする[1]または[2]に記載の繊維強化複合材。
[4]前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の含有質量比率は、前記成形加工シートの全領域において略一定であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[5]前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の含有質量比率は、0.2:1〜10:1であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[6]前記繊維強化複合材は凹凸構造を有し、凸部の最高点が低密度領域に属することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[7]前記低密度領域が、前記繊維強化複合材中で非連続領域として形成されることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[8]前記強化繊維は、ガラス繊維または炭素繊維であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[9]前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ナイロン、ポリプロピレン、またはポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[10]前記低密度領域には、さらに貫通孔が設けられていることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
[11]前記低密度領域と前記貫通孔の合計面積は、前記貫通孔の面積に対して1倍より大きく4倍以下であることを特徴とする[10]に記載の繊維強化複合材。
[12]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを製造する工程と、前記不織布シートを、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形する工程を含み、前記加熱加圧成形する工程は、前記不織布シートの固定部材を貫通させようとする領域を平均圧力よりも低圧で加圧する工程を含むことを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
[13]前記加熱加圧成形する工程は、凹部を有する金型を、前記不織布シートに押し当ててプレス加工をする工程を含むことを特徴とする[12]に記載の繊維強化複合材の製造方法。
[14]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを製造する工程と、前記不織布シートを複数枚積層して、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形する工程を含み、前記加熱加圧成形する工程は、固定部材を貫通させようとする領域の前記不織布シートの積層枚数を減らすことにより、低密度領域とすることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
[15]前記固定部材を貫通させようとする領域の面積が前記不織布シートの全面積の0.001〜15%であることを特徴とする[12]〜[14]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
[16]前記加熱加圧成形する工程は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとした場合に、Tg〜Tg+100℃に加熱する工程を含むことを特徴とする[12]〜[15]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
[17][12]〜[16]のいずれか1項に記載の製造方法により製造された繊維強化複合材。
[18][1]〜[11]および[17]のいずれか1項に記載の繊維強化複合材を、固定部材を用いて固定対象部材に固定する固定方法であって、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させて、前記固定対象部材と前記繊維強化複合材を固定することを特徴とする固定方法。
[19]前記固定部材を貫通させる低密度領域の面積は、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させた際に形成される貫通孔の面積に対して、1倍より大きく4倍以下であることを特徴とする[18]に記載の固定方法。
[20]前記固定部材を貫通させる低密度領域の面積は、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させた際に形成される貫通孔の面積に対して0.5〜1倍であることを特徴とする[18]に記載の固定方法。
[21]前記固定部材を貫通させた後に、前記繊維強化複合材に低密度領域が残存しないことを特徴とする[18]に記載の固定方法。
[22][19]に記載の固定方法により得られる、前記固定対象部材に固定化された繊維強化複合材。
[23][20]に記載の固定方法により得られる、前記固定対象部材に固定化された繊維強化複合材。
本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化複合材であって、低密度領域と高密度領域を有する繊維強化複合材に関する。ここで、低密度領域の密度をPとし、高密度領域の密度をQとすると、1.5P<Qである。また、繊維強化複合材の全面積に対して、低密度領域が占める割合は0.001〜15%である。
なお、密度とは、一定領域の質量を該領域の体積で割った値を示し、低密度領域とはその密度が平均密度よりも10%以上低い領域をいう。一方、高密度領域とは低密度領域以外の領域をいう。本発明では、低密度領域の密度(P)と、高密度領域の密度(Q)は、1.5P<Qの関係となる。
また、低密度領域の面積は、繊維強化複合材の全面積に対して0.001〜15%であり、低密度領域は局所的かつ限定的に設けられている。このため、本発明の繊維強化複合材は、十分な強度を発揮することができる。加えて、本発明の繊維強化複合材は、固定部材を用いて繊維強化複合材を固定対象部材に固定する際であっても、破損等が生じることがない。これは、低密度領域に含まれる空隙が固定部材の貫入体積を吸収することと、貫入による破壊、亀裂の進行を妨げるためであると考えられる。また、低密度領域は適度に変形することにより、有効接触面積を拡大し、固定具からの応力を分散することもできる。
通常、十分な強度を有する繊維強化複合材は、固定部材を貫通させる際に、応力が高密度領域の局所に集中し、振動等で亀裂が生じることが多い。しかし、本発明では、低密度領域を局所的かつ限定的に設けているため、固定部材を貫通させる際の破損の発生を抑制することができる。また、本発明では、固定部材を用いて固定する際のハンドリング性が良好であり、本発明の繊維強化複合材と固定対象部材を容易に固定することができる。
高密度領域および低密度領域が占める割合を上記範囲内とすることにより、繊維強化複合材は、十分な強度を発揮し得ることに加えて、固定部材を用いて繊維強化複合材を固定対象部材に固定する際の破損等が抑制される。
この場合、繊維強化複合材の低密度領域と貫通孔の合計面積は、貫通孔の面積に対して1倍より大きく4倍以下であることが好ましく、1.05〜4倍であることがより好ましく、1.2〜3.5倍であることがさらに好ましい。
本発明で用いる強化繊維は、繊維強化複合材の強度を高めるために機能する。強化繊維は、繊維径が20μm以下であり、ガラス転移温度が210℃以上であり、弾性率が50GPa以上である繊維から構成されることが好ましい。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等の炭素繊維を用いることができる。中でも、工業規模における生産性及び機械特性の観点から、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維にはEガラス、Sガラス等の種類があるが、その種類については特に限定されない。一般的に入手が容易なEガラスを用いるのが効率的である。
本発明の繊維強化複合材に使用する熱可塑性樹脂は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、強化繊維の交点に結着点を形成する。熱可塑性樹脂は、加熱加圧成形前は、繊維状であり、加熱加圧処理を行うことにより、溶融しマトリックス状となる。このように繊維状の熱可塑性樹脂を用いることにより、加熱加圧成形時間を短縮することができ、効率よく繊維強化複合材を成形することができる。
また、熱可塑性繊維のASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量は30ds前後であることが好ましく、非常に発煙量が少ない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
なお、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、上述した強化繊維のガラス転移温度よりも低いことが必要である。これにより、繊維強化複合材を加熱加圧処理した際に、主に高密度領域の熱可塑性樹脂のみを溶融することができ、繊維強化複合材の強度を高めることができる。
一般的に、熱可塑性樹脂としてスーパーエンプラ樹脂を用いた場合、スーパーエンプラ樹脂は溶融粘度が高いため、射出成形等の方法では強化繊維を多量に配合すると、強化繊維を均一に分散させることが難しく、強化繊維の配合比率には限界がある。しかし、本発明の繊維強化複合材では、必要とされる強度に応じて比較的自由に強化繊維とマトリックス樹脂繊維との比率を設定することができる。
本発明の繊維強化複合材は、バインダー成分をさらに含むことが好ましい。バインダー成分は、繊維強化複合材の全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化複合材を得ることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点が140℃以下のものが好ましく、120℃以下ものがより好ましい。また、特公平1−30926号公報に記載のような変性ポリエステル樹脂を使用してもよい。変性ポリエステル樹脂の具体例として、特に、ユニチカ社製商品名「メルティ4000」(繊維全てが共重合ポリエチレンテレフタレートである繊維)が好ましく挙げられる。また、上記芯鞘構造のバインダー繊維としては、ユニチカ社製商品名「メルティ4080」や、クラレ社製商品名「N−720」等が好適に使用できる。
本発明の繊維強化複合材の製造方法は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを製造する工程と、不織布シートを、熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形する工程を含む。さらに、加熱加圧成形する工程は、不織布シートの0.001〜15%の領域を、平均圧力よりも低圧で加圧する工程を含む。
本発明では、金型の凹部の形状を様々な形状とすることにより、低密度領域の形状を自在に変更することができ、低密度領域の面積も0.001〜15%の範囲内において適宜変更することができる。
本発明は、繊維強化複合材を、固定部材を用いて固定対象部材に固定する固定方法に関する。本発明の固定方法においては、固定部材を繊維強化複合材の低密度領域に貫通させて、固定対象部材と繊維強化複合材を固定する。
一方、繊維強化複合材には、あらかじめ下穴が設けられていてもよい。本発明の固定方法は、あらかじめ設けられた下穴に固定部材を貫通させる工程を含んでいてもよい。
繊維径が6μmであり、繊維長が18mmのガラス繊維(ガラス転移温度300℃以上、弾性率80GPa)40部、繊維径15μmのポリエーテルイミド(PEI)繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長12mm)50部、鞘部に変性PET(融点110℃)、芯部にPET繊維を使用した芯鞘バインダー繊維(クラレ製 N−720)10部を水中に投入した。水の量は、投入した繊維の重量に対し200倍となるとした(繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに、分散剤として「エマノーン3199」(花王株式会社、商品名)を繊維100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを調製した。
上記繊維スラリーから湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより表1に示すバインダー量で目付けが450g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、30cm角で6枚積層したのち、厚さ30mmの30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5(a=28.5cm、b=30cm)のような配置で8個あけたものを片面に当てて、もう一方の面には30cm角のアルミ板を当てて、圧力2MPa、温度280℃で加熱加圧処理をした後、冷却し、繊維強化複合材を作製した。
高密度領域の密度は1.3g/cm3であり、低密度領域の密度は0.43g/cm3であった。また、低密度領域の面積の合計は、1.55cm2であり、繊維強化複合材の全面積(900cm2)に対して0.17%であった。なお、高密度領域の厚さは2mmであり、低密度領域の厚さは6mmであった。
この低密度領域をもつ、30cm角の繊維強化複合材を、1.5cm角のアルミ角パイプで作った外寸30cm角のアルミ枠の上に重ね、繊維強化複合材の八箇所の低密度領域の中心を貫通するように、それぞれ3mm径のタッピングビスをねじ込んでアルミ枠に固定した。
この不織布シートを、30cm角で3枚、30cm角のシートに4隅と各辺中央に図5のような配置で直径5mmの孔を8個あけたものを3枚、計6枚を積層したのち両面に30cm角のアルミ板を当てて、圧力2MPa、温度280℃で加熱加圧処理をした後、冷却し、繊維強化複合材を作製した。
高密度領域の密度は1.3g/cm3であり、低密度領域の密度は0.65g/cm3であった。また、低密度領域の面積の合計は、1.55cm2であり、繊維強化複合材の全面積(900cm2)に対して0.17%であった。なお、高密度領域の厚さは2mmであり、低密度領域の厚さは4mmであった。
この繊維強化複合材を、実施例1と同様にアルミ枠に固定した。
実施例1のポリエーテルイミド繊維をポリカーボネート繊維に換えた以外は実施例1と同様にアルミ枠に固定した繊維強化複合材を作製した。
繊維長6mm、繊維径7μm、弾性率240GPaの炭素繊維(東邦テナックス製HT110)(ガラス転移温度300℃以上)40部、繊維径15μmのポリエーテルイミド(PEI)繊維(Fiber Innovation Technology社製、繊維長12mm)50部、鞘部に変性PET(融点110℃)、芯部にPET繊維を使用した芯鞘バインダー繊維(クラレ製 N−720)10部を水中に投入した。水の量は、投入した繊維の重量に対し200倍となるとした(繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに、分散剤として「エマノーン3199」(花王株式会社、商品名)を繊維100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを調製した。
上記繊維スラリーから湿式抄紙法でウエットウエブを形成し、180℃で加熱乾燥することにより表1に示すバインダー量で目付けが450g/m2である不織布を作製した。
この不織布を、30cm角で6枚積層したのち、厚さ30mmの30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ2mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものを片面に当てて、もう一方の面には30cm角のアルミ板を当てて、圧力10MPa、温度280℃で加熱加圧処理をした後、冷却し、繊維強化複合材を作製した。
高密度領域の密度は1.5g/cm3であり、低密度領域の密度は0.75g/cm3であった。また、低密度領域の面積の合計は、1.55cm2であり、繊維強化複合材の全面積(900cm2)に対して0.17%であった。なお、高密度領域の厚さは2mmであり、低密度領域の厚さは6mmであった。
この低密度領域をもつ、30cm角の繊維強化複合材を、1.5cm角のアルミ角パイプで作った外寸30cm角のアルミ枠の上に重ね、繊維強化複合材の8箇所の低密度領域の中心を貫通するように、それぞれ3mm径のタッピングビスをねじ込んでアルミ枠に固定した。
実施例1の30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものに換えて、穴のない30cm角のアルミ板用いた以外は、実施例1と同様に、低密度領域のない繊維強化複合材を作製し、実施例1のタッピングビスと同じ位置にタッピングビスをネジ込んでアルミ枠に固定したものを作製した。
実施例1の30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものに換えて、穴のない30cm角のアルミ板用い、圧力を0.5MPaに換えた以外は、比較例1と同様に、全体が低密度(0.65g/cm3)の厚さ4mmの繊維強化複合材を作製し、実施例1のタッピングビスと同じ位置にタッピングビスをネジ込んでアルミ枠に固定したものを作製した。
実施例3の30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものに換えて、穴のない30cm角のアルミ板用いた以外は、実施例1と同様に、低密度領域のない繊維強化複合材を作製し、実施例1のタッピングビスと同じ位置にタッピングビスをネジ込んでアルミ枠に固定したものを作製した。
実施例4の30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものに換えて、穴のない30cm角のアルミ板用いた以外は、実施例4と同様に、低密度領域のない繊維強化複合材(密度1.5g/cm3)を作製し、実施例1のタッピングビスと同じ位置にタッピングビスをネジ込んでアルミ枠に固定したものを作製した。
実施例4の30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ4mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたものに換えて、30cm角のアルミ板に直径5mm、深さ0.7mmの穴を4隅と各辺中央に図5のような配置で8個あけたアルミ板用いた以外は、実施例4と同様に、高密度領域の密度は1.5g/cm3であり、低密度領域の密度は1.1g/cm3である繊維強化複合材を作製し、実施例1のタッピングビスと同じ位置にタッピングビスをネジ込んでアルミ枠に固定したものを作製した。
<固定時の破損の状態>
固定箇所すなわち、タッピングビスをねじ込んだ箇所に、亀裂破損が無いかを10倍のルーペを通して目視観察し、以下の基準で評価した。
○:繊維強化複合材に破損はなかった。
△:繊維強化複合材にひび割れが生じた。
×:繊維強化複合材が割れた。
アルミ枠に固定した繊維強化複合材をアルミ枠が下側になるようにコンクリートの床に水平に置き、枠の中央垂直上方30cmの高さから直径3cmの鉄球を自然落下させて、亀裂、破損がないかを10倍のルーペを用いて目視観察し、以下の基準で評価した。
○:亀裂破損は認められなかった。
△:固定部周辺に亀裂破損が認められた。
×:繊維強化複合材に亀裂破損が認められた。
12 低密度領域
13 切り欠け部
14 高密度領域
20 固定部材
30 固定対象部材
40 穴
Claims (23)
- 強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化複合材であって、前記繊維強化複合材は、低密度領域と高密度領域を有し、前記低密度領域の密度をPとし、前記高密度領域の密度をQとすると、1.5P<Qであり、前記繊維強化複合材の全面積に対して、前記低密度領域が占める割合は0.001〜15%であることを特徴とする繊維強化複合材。
- 前記低密度領域は、固定部材を貫通させるための領域であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材。
- 前記強化繊維は、繊維径が20μm以下であり、ガラス転移温度が210℃以上であり、弾性率が50GPa以上である繊維から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化複合材。
- 前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の含有質量比率は、前記成形加工シートの全領域において略一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の含有質量比率は、0.2:1〜10:1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記繊維強化複合材は凹凸構造を有し、凸部の最高点が低密度領域に属することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記低密度領域が、前記繊維強化複合材中で非連続領域として形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記強化繊維は、ガラス繊維または炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ナイロン、ポリプロピレン、またはポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記低密度領域には、さらに貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維強化複合材。
- 前記低密度領域と前記貫通孔の合計面積は、前記貫通孔の面積に対して1倍より大きく4倍以下であることを特徴とする請求項10に記載の繊維強化複合材。
- 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを製造する工程と、前記不織布シートを、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形する工程を含み、前記加熱加圧成形する工程は、前記不織布シートの固定部材を貫通させようとする領域を平均圧力よりも低圧で加圧する工程を含むことを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
- 前記加熱加圧成形する工程は、凹部を有する金型を、前記不織布シートに押し当ててプレス加工をする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の繊維強化複合材の製造方法。
- 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維を混合し、乾式不織布法または湿式不織布法によって不織布シートを製造する工程と、前記不織布シートを複数枚積層して、前記熱可塑性樹脂繊維のガラス転移温度以上の温度で加熱加圧成形する工程を含み、前記加熱加圧成形する工程は、固定部材を貫通させようとする領域の前記不織布シートの積層枚数を減らすことにより、低密度領域とすることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
- 前記固定部材を貫通させようとする領域の面積が前記不織布シートの全面積の0.001〜15%であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
- 前記加熱加圧成形する工程は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとした場合に、Tg〜Tg+100℃に加熱する工程を含むことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の繊維強化複合材の製造方法。
- 請求項12〜16のいずれか1項に記載の製造方法により製造された繊維強化複合材。
- 請求項1〜11および17のいずれか1項に記載の繊維強化複合材を、固定部材を用いて固定対象部材に固定する固定方法であって、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させて、前記固定対象部材と前記繊維強化複合材を固定することを特徴とする固定方法。
- 前記固定部材を貫通させる低密度領域の面積は、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させた際に形成される貫通孔の面積に対して、1倍より大きく4倍以下であることを特徴とする請求項18に記載の固定方法。
- 前記固定部材を貫通させる低密度領域の面積は、前記固定部材を前記繊維強化複合材の低密度領域に貫通させた際に形成される貫通孔の面積に対して0.5〜1倍であることを特徴とする請求項18に記載の固定方法。
- 前記固定部材を貫通させた後に、前記繊維強化複合材に低密度領域が残存しないことを特徴とする請求項18に記載の固定方法。
- 請求項19に記載の固定方法により得られる、前記固定対象部材に固定化された繊維強化複合材。
- 請求項20に記載の固定方法により得られる、前記固定対象部材に固定化された繊維強化複合材。
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