JP2015187497A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
康人 渡邊
Yasuto Watanabe
康人 渡邊
早織 杉浦
Saori Sugiura
早織 杉浦
佐藤 勝則
Katsunori Sato
勝則 佐藤
篤史 池田
Atsushi Ikeda
篤史 池田
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Abstract

【課題】 インホイールモータ駆動装置21のサイクロイド式の減速機Bの外ピンハウジング50として、部品挿入用の開口部を小さくしても、減速機Bの内部部品の組み込みが容易に行え、加工も容易で加工精度の高いものを採用することを課題とする。【解決手段】 前記外ピンハウジング50を二分割された半割り体50a、50bの組立てによって形成し、この半割り体50a、50bを分割面で合せた状態で軸方向に貫通する貫通孔61を設け、この貫通孔61に連結ピン60を挿通して二分割された半割り体50a、50bを結合可能とし、半割り体50a、50bを開いた状態で減速機Bの構成部品を組込み、減速機Bの構成部品を組み込んだ半割り体50a、50bを閉じて、連結ピン60によって二分割された半割り体50a、50bを一体に結合するようにした。【選択図】 図2

Description

この発明は、インホイールモータ駆動装置に使用するサイクロイド式の減速機の外ピンハウジングに関する。
インホイールモータ駆動装置121は、図23に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブCとを備える。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング122内に収容されている。ケーシング122は、モータ部A側のケーシング122aと、減速機B側のケーシング122bとからなる。
モータ部Aは、ケーシング122aの内周面にステータ123を設け、このステータ123の内周に間隔をおいてロータ124を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ124は、モータ軸124aを中心部に有し、そのモータ軸124aは減速機Aの入力軸130と接続して減速機Bのケーシング122b内に挿入され、軸受125a、125bによってケーシング122aに対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング122bには、下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油をオイルポンプ142によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている(特許文献1)。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路143は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ142の吐出口からケーシング122aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング122aの後方から、モータ軸124aの内部通路144と減速機Bの入力軸130の内部通路145を経て、減速機Bのケーシング122b内に至る通路により構成される。
潤滑油の帰還通路146は、減速機Bのケーシング122bの底部に設けられた排出口147、オイルタンク141を経てオイルポンプ142の吸入口に至る通路により構成される。
サイクロイド式の減速機Bは、図23〜図27に示すように、入力軸130に設けられた偏心軸部130a、130bによって2枚の曲線板131を回転自在に支持し、それらの曲線板131の外周に形成された波形歯形131aを減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132に噛合し、上記入力軸130の回転により曲線板131を偏心揺動運動させ、その曲線板131の自転を入力軸130と同軸上に配置された出力軸133から出力し、車輪ハブCを回転させている。
外ピンハウジング150の内側に支持された外ピン132の数は、曲線板131の外周の波形歯形131aより多い。
外ピン132は、減速機Bのケーシング122bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング150に支持されている。外ピンハウジング150は、減速機Bのケーシング122bに対してアウター側とインナー側に、図示しないフローティングボルトによってフローティング支持されている。
外ピンハウジング150は、図26および図27に示すように、軸方向の両端面の内径側に一対のフランジ部151を有する筒型形状をしている。
入力軸130は、図23に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ124のモータ軸124aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部130a、130bが設けられている。
偏心軸部130a、130bは、図24に示すように、入力軸130の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部130a、130bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部130a、130bのそれぞれの外径面に転がり軸受134が嵌合されている。
一対の偏心軸部130a、130bを設けた入力軸130には、一対の偏心軸部130a、130bを挟むように一対のカウンタウェイト135を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板131は、図24、25に示すように、転がり軸受134によって入力軸130に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形131aはトロコイド曲線歯形とされている。図25に示すように、曲線板131には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔136が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔136のそれぞれに内ピン137が余裕をもって挿入され、その内ピン137に回転自在に支持されたころ軸受137aの外周一部がピン孔136の内周一部に接触している。
減速機Bは、図24に示すように、偏心軸部130a、130bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板131と、曲線板131の外周部の波形歯形131aに係合する複数の外ピン132と、曲線板131の自転運動を出力する出力軸133と、曲線板131の隙間に取り付けられてこれら曲線板131の端面に当接して曲線板131の傾きを防止するセンターカラー138とを備える。
出力軸133は、フランジ部133aと軸部133bとを有する。フランジ部133aには、図24及び図25に示すように、出力軸133の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン137が等間隔に固定されている。軸部133bの外径面には、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが配置されている。複数の内ピン137を介してフランジ部133aとスタビライザ133dが連結され、出力軸133とスタビライザ133dは一体に回転する。スタビライザ133dのモータ部A側の端部には、オイルポンプ142のインナーロータに接続するポンプ駆動軸133cが一体に設けられている。
外ピン132は、図25に示すように、入力軸130の回転軸線の円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板131が公転運動すると、外周の波形歯形131aと外ピン132とが係合して、曲線板131に自転運動を生じさせる。
図24に示すように、外ピンハウジング150のフランジ部151の内周には、出力軸133およびスタビライザ133dが軸受190を介してそれぞれ回転自在に支持されている。出力軸133のフランジ部133aおよびスタビライザ133dの内径面と入力軸130の外径面とは、軸受191を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板131は、出力軸133の対向するフランジ部133aおよびスタビライザ133dの間に組み込まれている。また、出力軸133の対向するフランジ部133aおよびスタビライザ133dには、組み込まれた曲線板131のピン孔136を貫通する内ピン137の両端が支持されている。
出力軸133の対向するフランジ部133aに支持された複数の内ピン137は、入力軸130の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板131との摩擦抵抗を低減するために、曲線板131のピン孔136の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受137aが設けられている。ピン孔136の内径寸法は、内ピン137の外径寸法より所定分大きく設定されている。
車輪ハブCは、図23に示すように、出力軸133の軸部133bの外径面にセレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で嵌合連結された内輪部材181と、内輪部材181をケーシング122bに対して回転自在に保持する外輪部材182とを備える。内輪部材181と外輪部材182とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材181と外輪部材182の間に複列の転動体183を設置している。内輪部材181には、車輪取付けフランジ部184が一体に設けられている。
外ピン132は、ケーシング122bに直接保持されているわけではなく、図23に示すように、ケーシング122bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング150に保持されている。
また、筒型の外ピンハウジング150の下部には、図26および図27に示すように、スリット153が設けられている。
外ピンハウジング150の一対のフランジ部151には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔154が設けられている。外ピン保持孔154は、図24に示すように、それぞれ入力軸130の回転軸線と平行な方向に延び外ピン132の両端を保持している。外ピン132の両端は、外ピン保持孔154に対して針状ころ軸受155を介して支持されている。針状ころ軸受155は、外輪155aと、この外輪155aの内周面と外ピン132の外周面とを転走面にした針状ころ155bとからなる。針状ころ軸受155の外輪155aは、外ピン保持孔154の内面に嵌合されている。
また、一対のフランジ部151の対応する外ピン保持孔154は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、1対の外ピン保持孔154の中心軸線は一致し、外ピンハウジング150を減速機Bのケーシング122bに取り付けると、この外ピン保持孔154の中心軸線は、入力軸130の回転軸線と平行になる。
図26に示すように、一対のフランジ部151の内径側には、厚肉部が形成されている。この厚肉部の外径面には、外ピン保持孔154に連続するように、溝形のザグリ部157が形成されている。
一対のフランジ部151の径方向の外周側に位置する外側面部には、図24に示すように、外ピン保持孔154に挿入した外ピン132の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート158が固定されている。
特開2012−97903号公報
ところで、サイクロイド式の減速機Bの筒型の外ピンハウジング150は、図26及び図27に示すように、中ぐり加工によって一体に形成されている。
外ピンハウジング150は、サイズが大きくて、内部形状も複雑であるため、加工が困難で製作コストが高い。
また、筒型の外ピンハウジング150の内部を切削する際には、工具の突出し量を大きくしなければならないので、加工精度を向上させることも困難である。
また、減速機Bを組み立てる場合、外ピンハウジング150が一体に形成されているため、曲線板131等の内部部品を、スリット153を通じて外ピンハウジング150の内部に挿入し、外ピンハウジング150の中で組み立てを行わなければならない。このため、減速機Bの組み立てに手間がかかると共に、曲線板131等の大きな構成部品を内部に挿入できるように、外ピンハウジング150には、内部部品の挿入用にスリット153を大きく開ける必要があり、その大きなスリット153によって外ピンハウジング150の強度が低下する恐れがある。
そこで、この発明は、部品挿入用の開口部も小さくしても減速機の内部部品の組み込みが行え、加工も容易で加工精度も高い、外ピンハウジングを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンと、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた状態に設けられ、外ピンの両端部を支持するフランジ部を両端面に有する筒型の外ピンハウジングとを有し、外ピンハウジング内に曲線板を組み込み、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされたインホイールモータ駆動装置において、前記外ピンハウジングが二分割された半割り体からなり、この半割り体を分割面で合せた状態で軸方向に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に連結ピンを挿通して二分割された半割り体を結合可能とし、半割り体を開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を閉じて、連結ピンによって二分割された半割り体を一体に結合することを特徴とする。
前記連結ピンとしては、分割面で合せた半割り体の貫通孔に挿通した状態で、合せた半割り体の両側面から両端部が外方に突き出す長さを有する軸部材からなり、半割り体の一方の側面に突き出した軸部材にボルト頭部を形成し、半割り体の他方の側面に突き出した軸部材に雄ねじ部を形成し、この雄ねじ部にナットを螺合するものを使用することができる。
前記ボルト頭部とナットに、外ピンハウジングをケーシングに対して回り止めする固定軸部を設けることができる。
前記軸部材の雄ねじ部の付け根部分を、半割り体の側面の外方に突出させることにより、軸部材の雄ねじ部の付け根部分に加わる応力の集中を緩和することができる。
また、前記ボルト頭部とナットの座面にテーパ部を形成し、半割り体の貫通孔の両端にボルト頭部とナットの座面のテーパ部が嵌るザグリ部を設けることにより、軸部材の雄ねじ部の付け根部分に加わるせん断力を軽減することができる。
前記半割り体の貫通孔のうち、一方の半割り体の貫通孔の内面に、雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を、端部にボルト頭部を有する軸部材の先端に形成することにより、二分割された半割り体を一体に結合するようにしてもよい。
前記雌ねじ部を形成した半割り体の貫通孔の端部に、外ピンハウジングをケーシングに対して回り止めする固定軸部になる固定ピンを嵌合するようにしてもよい。
前記連結ピンを周方向に複数本設置し、その内の2本以上の連結ピンの軸部材を貫通孔に対して締め代嵌合し、他の連結ピンの軸部材を貫通孔に対してスキマ嵌合するようにしてもよい。
前記連結ピンを、中空の外側ピンと、この中空の外側ピンの内側に圧入される内側ピンとによって形成し、内側ピンを中空の外側ピンの内側に圧入することによって、外側ピンを拡径させて外側ピンを貫通孔に対して締め代嵌合するようにしてもよい。
このように、連結ピンを、中空の外側ピンと、この中空の外側ピンの内側に圧入される内側ピンとによって形成すると、連結ピンに高コストのネジ加工を施す必要がなくなる。また、ネジ結合を使用しないので、振動による緩みも防止することができる。
また、中空の外側ピンの内側に内側ピンを圧入し、外側ピンを拡径させて外側ピンを貫通孔に対して締め代嵌合することにより、連結ピンの単純な圧入タイプに比し、ピンの研磨加工を省略でき、低コスト化を図ることができる。
また、連結ピンを貫通孔に対して締め代嵌合することにより、連結ピンと貫通孔との間での剥離摩耗を防止できる。
中空の外側ピンの形成材料として、変形しやすいアルミや銅等の異種材を使用するようにしてもよい。
前記連結ピンの固定軸部を、減速機のケーシングに対して固定することにより、連結ピンをフローティングボルトとして機能させることができる。
前記連結ピンの端部を、減速機のケーシングに対して弾性部材を介して固定することにより、外ピンハウジングに生じる振動を軽減することができる。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置においては、上記のように、外ピンハウジングを二分割された半割り体の組立てによって形成するようにしたので、加工が容易で、加工精度も高い。また、外ピンハウジング内への減速機の内部部品の組み込みを、二分割された半割り体を開いた状態で行えるので、減速機の内部部品の組み込み作業が容易である。また、部品挿入用の開口部も小さくすることができ、外ピンハウジングの強度を向上させることができる。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置の縦断正面図である。 減速機の拡大縦断正面図である。 図1のD−D線に沿った縦断側面図である。 オイルポンプの拡大図である。 外ピンハウジングの一例を示す分解斜視図である。 図5の外ピンハウジングを形成する半割り体を閉じ、連結ピンによって締結した状態を示す斜視図である。 二つの半割り体と連結ピンとの関係を示す外ピンハウジングの縦断面図である。 図7に示す二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンを構成する軸部材の一例であり、(a)は軸部材の固定軸部側の側面図、(b)は軸部材の正面図である。 図8の軸部材の雄ねじ部に締結するナットを示し、(a)は軸部材側から見た側面図、(b)は縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 図12に示す連結ピンの配置例を示す縦断面図である。 図12に示す連結ピンの他の配置例を示す縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 図17に示す二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンを構成する軸部材の一例であり、(a)は軸部材の固定軸部側の側面図、(b)は軸部材の正面図である。 二つの半割り体を締結するために使用する連結ピンの他の例を示す縦断面図である。 図7の外ピンハウジングを使用する減速機の組み立て手順を示す分解図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 図21の電気自動車を後方から見た図である。 従来例を示す縦断正面図である。 従来例の減速機の拡大縦断正面図である。 図23のD−D線に沿った縦断側面図である。 従来の外ピンハウジングの斜視図である。 従来の外ピンハウジングの縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図21に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪(後輪)14と、左右の駆動輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。駆動輪14は、図22に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。インホイールモータ駆動装置21の搭載形態としては、図21、22で示した後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって駆動輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、駆動輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の駆動輪14をそれぞれ駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブCとを備え、モータ部Aと減速機Bとはケーシング22に収納されて、図22に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング22内に収容されている。ケーシング22は、モータ部A側のケーシング22aと、減速機B側のケーシング22bとからなる。
モータ部Aは、ケーシング22aの内周面にステータ23を設け、このステータ23の内周に間隔をおいてロータ24を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ24は、モータ軸24aを中心部に有し、そのモータ軸24aは減速機Bの入力軸30と接続して減速機Bのケーシング22b内に挿入され、軸受25a、25bによってケーシング22に対して回転自在に支持されている。
減速機Bのケーシング22bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油を減速機Bの内部に供給する給油通路43は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ42の吐出口からケーシング22aの内側に沿って後方へと延び、ケーシング22aの後方から、モータ軸24aの内部通路44と減速機Bの入力軸30の内部通路45を経て、減速機Bのケーシング22b内に至る通路により構成される。そして、オイルポンプ42から供給された潤滑油は、減速機Bの入力軸30の内部通路45に設けられた半径方向の供給口から遠心力およびオイルポンプ42の圧力によって飛散して、減速機B内を潤滑及び冷却している。いわゆる軸心給油方式を採用している。
潤滑油の帰還通路46は、減速機Bのケーシング22bの底部に設けられた排出口47、オイルタンク41を経てオイルポンプ42の吸入口に至る通路により構成される。
オイルポンプ42は、図4に示すように、減速機Bの回転を利用して回転するインナーロータ72と、インナーロータ72の回転に伴って従動回転するアウターロータ73と、ポンプ室74と、帰還通路46に貫通する吸入口75と、給油通路43に貫通する吐出口76とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ72は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分72aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分72bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ72は、減速機Bの出力軸33と一体回転する。
アウターロータ73は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分73aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分73bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ73は、ポンプケース77に回転自在に支持されている。
インナーロータ72は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ73は、インナーロータ72の回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ72の歯数をnとすると、アウターロータ73の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ72とアウターロータ73との間の空間には、複数のポンプ室74が設けられている。そして、インナーロータ72が減速機Bの出力軸33の回転を利用して回転すると、アウターロータ73は従動回転する。このとき、インナーロータ72およびアウターロータ73はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室74の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口75から流入した潤滑油が吐出口76から給油通路43に圧送される。
減速機Bのケーシング22bには、図1に示すように、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を帰還通路46を通じてオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
サイクロイド式の減速機Bは、図1〜図3に示すように、入力軸30に設けられた偏心軸部30a、30bによって2枚の曲線板31を回転自在に支持し、それらの曲線板31の外周に形成された波形歯形31aを減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32に噛合し、上記入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させ、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上に配置された出力軸33から出力し、車輪ハブCを回転させている。
減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32の数は、曲線板31の外周の波形歯形31aより多い。
外ピン32は、図1に示すように、減速機Bのケーシング22bの内径面に隙間を介して配設される外ピンハウジング50に支持されている。外ピンハウジング50は、減速機Bのケーシング22bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルトによってフローティング支持されている。
外ピンハウジング50は、図5〜図7に示すように、二分割された半割り体50a、50bからなり、この半割り体50a、50bを分割面で合せた状態で軸方向に貫通する貫通孔61を設け、この貫通孔61に連結ピン60を挿通して一体に結合される。
図5〜図7に示す外ピンハウジング50の結合に使用している連結ピン60は、図8(a)(b)に示す軸部材60aと、図9に示すナット60bとの組み合わせによって形成されている。
軸部材60aは、分割面で合せた半割り体50a、50bの貫通孔61に挿通した状態で、合せた半割り体50a、50bの両側面から両端部が外方に突き出す長さを有し、半割り体50aの一方の側面に突き出した軸部材60aにボルト頭部60cを形成し、半割り体50bの他方の側面に突き出した軸部材60aに、ナット60bを螺合する雄ねじ部60dを形成している。
軸部材60aのボルト頭部60cとナット60bには、外ピンハウジング50をケーシング22に対して回り止めする固定軸部60e、60fが設けられている。
図7に示すように、分割面で合せた半割り体50a、50bの貫通孔61に、軸部材60aを挿通し、軸部材60aの雄ねじ部60dにナット60bを螺合することにより、半割り体50a、50bを互いに引き寄せて一体に結合し、外ピンハウジング50をケーシング22に対してボルト頭部60cとナット60bの固定軸部60e、60fによって回り止め固定すると、減速機Bの出力トルクがボルト頭部60cとナット60bの固定軸部60e、60fにせん断荷重が加わる。
特に、軸部材60aの雄ねじ部60dの付け根部分には、応力が集中するため、雄ねじ部60dの付け根部分がせん断により破断する可能性がある。
この軸部材60aの雄ねじ部60dの付け根部分に加わる応力集中を緩和し、雄ねじ部60dの付け根部分での破断を防止するために、図10に示す実施形態では、軸部材60aの雄ねじ部60dの付け根部分が、半割り体50bの側面の外方に突出するように、軸部材60aの長さを設定し、軸部材60aの雄ねじ部60dの付け根部分に応力が集中しないようにしている。
また、図11に示す実施形態は、ボルト頭部60cとナット60bの座面にテーパ部60gを形成し、半割り体50a、50bの貫通孔61の両端にボルト頭部60cとナット60bの座面のテーパ部60gが嵌るザグリ部60hを設けることにより、軸部材60aの雄ねじ部60dの付け根部分に加わるせん断力を軽減している。
この図11に示す実施形態では、ボルト頭部60cとナット60bの座面のテーパ部60gと、半割り体50a、50bの貫通孔61の両端のザグリ部60hとが嵌り合うことにより、軸部材60aが半割り体50a、50bの貫通孔61に対して位置決めされるという効果もある。
図12に示す実施形態は、半割り体50a、50bの貫通孔61のうち、一方の半割り体50aの貫通孔61の内面に、雌ねじ部60iを形成し、この雌ねじ部60iに螺合する雄ねじ部60dを軸部材60aの先端に形成し、軸部材60aの雄ねじ部60dと半割り体50aの貫通孔61の内面の雌ねじ部60iを螺合させて引き込むことにより、半割り体50a、50bを一体に結合する例である。
この図12に示す実施形態では、軸部材60aを半割り体50aの側方から端部が突出しない長さに設定しているので、外ピンハウジング50をケーシング22に対して回り止めするボルト頭部60cの固定軸部60eが一方端部にのみ設けられる。
したがって、図12に示す実施形態において、貫通孔61の内面の雌ねじ部60iを形成する場合には、外ピンハウジング50をケーシング22に対して回り止めするボルト頭部60cの固定軸部60eの本数が、図13又は図14に示すように、半割り体50a、50bの両側面で同数になるように配置する。図13に示す例では、片面に4本、図14に示す例では、片面に8本配置している。
図15に示す実施形態は、図12に示す実施形態と同様に、半割り体50a、50bの貫通孔61のうち、一方の半割り体50aの貫通孔61の内面に、雌ねじ部60iを形成し、この雌ねじ部60iに螺合する雄ねじ部60dを軸部材60aの先端に形成し、軸部材60aの雄ねじ部60dと半割り体50aの貫通孔61の内面の雌ねじ部60iを螺合させて引き込むことにより、半割り体50a、50bを一体に結合するようにしている。
この図15の実施形態では、雌ねじ部60iを形成した一方の半割り体50aの貫通孔61の端部に、外ピンハウジング50をケーシング22に対して回り止めする固定軸部60eになる固定ピン60jを半割り体50aの貫通孔61の端部に嵌合している。
図16に示す実施形態は、図12に示す実施形態と同様に、半割り体50a、50bの貫通孔61のうち、一方の半割り体50aの貫通孔61の内面に、雌ねじ部60iを形成し、この雌ねじ部60iに螺合する雄ねじ部60dを軸部材60aの先端に形成し、軸部材60aの雄ねじ部60dと半割り体50aの貫通孔61の内面の雌ねじ部60iを螺合させて引き込むことにより、半割り体50a、50bを一体に結合するようにした例である。
この図16に示す実施形態では、ボルト頭部60cの座面にテーパ部60gを形成し、半割り体50bの貫通孔61の端部にボルト頭部60cの座面のテーパ部60gが嵌るザグリ部60hを設けることにより、ボルト頭部60cに加わるせん断力を軽減している。
次に、図17に示す実施形態は、図7に示す実施形態の変形例であり、貫通孔61に対してスキマ嵌合する連結ピン60を上方に位置させ、貫通孔61に対して締め代嵌合する連結ピン60を下方に位置させている。前記連結ピン60は、周方向に複数本設置されるが、その内の2本以上の連結ピン60を貫通孔61に対して締め代嵌合し、他の連結ピン60を貫通孔61に対してスキマ嵌合した例である。
図17の上方に位置するスキマ嵌合する連結ピン60は、軸部材60aの外径が貫通孔61よりも小径に形成され、貫通孔61に対してルーズに嵌まるように形成されている。
これに対し、図17の下方に位置する締め代嵌合する連結ピン60は、図18に示すように、軸部材60aの外径の中央部に、大径部60kが形成され、この大径部60kが貫通孔61に締め代嵌合するようになっている。
締め代嵌合する連結ピン60の大径部60kの外径精度は、軸精度:−5〜−14μmレベル、貫通孔61の孔精度:0〜20μmレベルに仕上げられている。これにより、二分割された半割り体50a、50bを分割面で合せた際に、連結ピン60を位置決めピンとして機能させることができるので、二分割された半割り体50a、50bの位相合わせを精度よく行うことができる。
次に、図19に示す実施形態は、半割り体50a、50bの連結ピン60として、別な形式のものを使用している。
図19に示す連結ピン60は、中空の外側ピン63と、この中空の外側ピン63の内側に圧入される内側ピン64とによって形成し、内側ピン64を中空の外側ピン63の内側に圧入することによって、外側ピン63を拡径させて外側ピン63を貫通孔61に対して締め代嵌合するようにしている。
このように、連結ピン60を、中空の外側ピン63と、この中空の外側ピン63の内側に圧入される内側ピン64とによって形成すると、連結ピン60に高コストのネジ加工を施す必要がなくなる。また、ネジ結合を使用しないので、振動による緩みも防止することができる。
中空の外側ピン63の内側に内側ピン64を圧入し、外側ピン63を拡径させて外側ピン63を貫通孔61に対して締め代嵌合するので、連結ピン60の単純な圧入タイプに比し、ピンの研磨加工を省略でき、低コスト化が図れる。
また、連結ピン60を貫通孔61に対して締め代嵌合することにより、連結ピン60と貫通孔61との間での剥離摩耗も防止できる。
中空の外側ピン63を形成材料としては、変形しやすいアルミや銅等の異種材を使用することが好ましい。
以上の実施形態に示す外ピンハウジング50は、半割り体50a、50bの分割面を、減速機Bの軸心に対して直交するように設けた例であるが、半割り体50a、50bの分割面は、減速機Bの軸心に対して直交していなくても、傾斜していてもよいし、径方向に分割してもよい。
外ピンハウジング50は、半割り体50a、50bの分割面を合せて連結ピン60によって結合した状態において、筒型形状であり、軸方向両端部に内径側に延びる一対のフランジ部51を備える。
入力軸30は、図1に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ24のモータ軸24aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部30a、30bが設けられている。
偏心軸部30a、30bは、図2に示すように、入力軸30の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部30a、30bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部30a、30bのそれぞれの外径面に転がり軸受34が嵌合されている。
一対の偏心軸部30a、30bを設けた入力軸30には、一対の偏心軸部30a、30bを挟むように一対のカウンタウェイト35を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板31は、転がり軸受34によって入力軸30に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形31aはトロコイド曲線歯形とされている。図3に示すように、曲線板31には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔36が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔36のそれぞれに内ピン37が余裕をもって挿入され、その内ピン37に回転自在に支持されたころ軸受37aの外周一部がピン孔36の内周一部に接触している。
減速機Bは、図2に示すように、偏心軸部30a、30bに回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板31と、曲線板31の外周部の波形歯形31aに係合する複数の外ピン32と、曲線板31の自転運動を出力する出力軸33と、2枚の曲線板31の隙間に取り付けられてこれら曲線板31の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー38とを備える。
出力軸33は、フランジ部33aと軸部33bとを有する。図3に示すように、フランジ部33aには、出力軸33の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン37が等間隔に固定されている。軸部33bの外径面には、図1に示すように、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが設けられている。複数の内ピン37を介しフランジ部33aとスタビライザ33dが連結され、出力軸33とスタビライザ33dは一体に回転する。スタビライザ33dのモータ部A側の端部には、オイルポンプ42のインナーロータ72に接続するポンプ駆動軸33cが一体に設けられている。
外ピン32は、入力軸30の回転軸線の円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板31が公転運動すると、外周の波形歯形31aと外ピン32とが係合して、曲線板31に自転運動を生じさせる。
図2に示すように、外ピンハウジング50のフランジ部51の内周には、出力軸33およびスタビライザ33dが転がり軸受90を介してそれぞれ回転自在に支持されている。また、出力軸33のフランジ部33aおよびスタビライザ33dの内径面と入力軸30の外径面とは、転がり軸受91を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板31は、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dの間に組み込まれている。また、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dには、組み込まれた曲線板31のピン孔36を貫通する内ピン37の両端が支持されている。
出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dに支持された複数の内ピン37は、入力軸30の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板31との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板31の各ピン孔36の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受37aがそれぞれ設けられている。ピン孔36の内径寸法は、内ピン37の外径寸法(「針状ころ軸受37aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
図20に基づいて、減速機Bの組立て手順を示す。この図20の例では、図7の実施形態に示す半割り体50a、50bと連結ピン60を使用している。図20に示すように、二分割された外ピンハウジング50の半割り体50a、50bを開いた状態で、入力軸30、2枚の曲線板31、カウンタウェイト35、出力軸33、内ピン37、転がり軸受90、91等の外ピンハウジング50内に組み込まれる減速機Bの内部部品を組み立て、その後、針状ころ軸受55の外輪55aと針状ころ55bを組込んである半割り体50a、50bを左右から減速機Bの内部部品を挟み、次いで、外ピン32を挿し入れて、端面に外ピンサイドプレート58を装着し、二つの半割り体50a、50bを軸方向に貫通する貫通孔61に連結ピン60を貫通させ、この貫通孔61から突き出す連結ピン60の突出し部分に形成した雄ねじ部60dに、ナット60bを締め付けることにより、組み立てが完了する。
このように、二分割された外ピンハウジング50の半割り体50a、50bを開いた状態で、減速機Bの内部部品の組み立てを行うことができるので、外ピンハウジング50の半割り体50a、50bに設ける開口部は、入力軸30と出力軸33が挿通できる大きさがあればよい。したがって、外ピンハウジング50に、大きな曲線板31を挿入する大きさの開口部が不要になるので、外ピンハウジング50の強度が向上する。
インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
半割り体50a、50bによって形成される外ピンハウジング50は、図5〜図7に示すように、軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のフランジ部51を備える筒型である。一対のフランジ部51は、外側面部の内径側に厚肉部を有する。
また、外ピンハウジング50の周囲には、半割り体50a、50bの合わせ面に、外ピンハウジング50内の潤滑油を抜く切欠き53を数か所設けている(図5、6参照)。また、半割り体50a、50bの外側面には、連結ピン60を固定する貫通孔61が周方向に等間隔で設けられている。
図2に示すように、半割り体50a、50bを合わせて形成される外ピンハウジング50の一対のフランジ部51には、厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔54が設けられている。外ピン保持孔54は、それぞれ入力軸30の回転軸線と平行な方向に延び外ピン32の両端を保持する。外ピン32の両端は、外ピン保持孔54に対して針状ころ軸受55を介して支持されている。針状ころ軸受55は、外輪55aと、この外輪55aの内周面と外ピン32の外周面とを転走面にした針状ころ55bとからなる。針状ころ軸受55の外輪55aは、外ピン保持孔54の内面に嵌合されている。
また、一対のフランジ部51の対応する外ピン保持孔54は、周方向の同位置に互いに対面するように設けられている。即ち、一対の外ピン保持孔54の中心軸線は一致し、外ピンハウジング50を減速機Bのケーシング22bに取り付けると、この外ピン保持孔54の中心軸線は、入力軸30の回転軸線と平行になる。これにより、外ピン32を入力軸30の回転軸線と平行に保持することができる。
図5〜図7に示すように、一対のフランジ部51の径方向の内周側に位置する厚肉部には、外ピン保持孔54に連続するように、溝形のザグリ部57が形成されている。
一対のフランジ部51の径方向の外周側に位置する外側面部には、図2及び図11に示すように、外ピン保持孔54に挿入した外ピン32の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート58がそれぞれ固定される。
連結ピン60の両端に位置する軸部材60aの固定軸部60eとナット60bの固定軸部60fは、それぞれ減速機Bのケーシング22bに対して弾性部材62を介して固定している(図1参照)。
連結ピン60の固定軸部60e、60fと減速機Bのケーシング22bとを弾性部材62を介して固定することにより、外ピンハウジング50に生じる振動を軽減することができる。
車輪ハブCは、図1に示すように、出力軸33の軸部33bの外径面に固定連結された内輪部材81と、内輪部材81をケーシング22bに対して回転自在に保持する外輪部材82とを備える。内輪部材81と外輪部材82とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材81と外輪部材82の間に複列の転動体83を設置している。内輪部材81には、車輪取付けフランジ部84が一体に設けられている。
また、前記の実施形態において、曲線板31を支持する転がり軸受34として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
また、前記の実施形態においては、モータ部Aに、ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ24とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
11 :電気自動車
12 :シャーシ
12a :ホイールハウジング
12b :懸架装置
13 :前輪
14 :駆動輪
21 :インホイールモータ駆動装置
22 :ケーシング
22a :ケーシング
22b :ケーシング
23 :ステータ
24 :ロータ
24a :モータ軸
25a :軸受
25b :軸受
30 :入力軸
30a :偏心軸部
30b :偏心軸部
31 :曲線板
31a :波形歯形
32 :外ピン
33 :出力軸
33a :フランジ部
33b :軸部
33c :ポンプ駆動軸
33d :スタビライザ
34 :転がり軸受
35 :カウンタウェイト
36 :ピン孔
37 :内ピン
37a :軸受
38 :センターカラー
41 :オイルタンク
42 :オイルポンプ
43 :給油通路
44 :内部通路
45 :内部通路
46 :帰還通路
47 :排出口
50 :外ピンハウジング
50a :半割り体
50b :半割り体
51 :フランジ部
53 :切欠き
54 :外ピン保持孔
55 :軸受
55a :外輪
57 :ザグリ部
58 :外ピンサイドプレート
60 :連結ピン
60a :軸部材
60b :ナット
60c :ボルト頭部
60d :雄ねじ部
60e、60f :固定軸部
60g :テーパ部
60h :ザグリ部
60i :雌ねじ部
60j :固定ピン
60k :大径部
61 :貫通孔
62 :弾性部材
63 :外側ピン
64 :内側ピン
72 :インナーロータ
72a :歯先部分
72b :歯溝部分
73 :アウターロータ
73a :歯先部分
73b :歯溝部分
74 :ポンプ室
75 :吸入口
76 :吐出口
77 :ポンプケース
81 :内輪部材
82 :外輪部材
83 :転動体
84 :車輪取付けフランジ部
90 :転がり軸受
91 :転がり軸受
A :モータ部
B :減速機
C :車輪ハブ

Claims (11)

  1. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部によって入力軸に回転自在に支持され、外周に波形歯形が形成された曲線板と、曲線板の外周の波形歯形に噛合する外ピンと、減速機のケーシングの内径面に回り止めされた状態に設けられ、外ピンの両端部を支持するフランジ部を両端面に有する筒型の外ピンハウジングとを有し、外ピンハウジング内に曲線板を組み込み、入力軸の回転により曲線板を偏心揺動運動させて、その曲線板の自転を前記入力軸と同軸上に配置された出力軸から出力するようにしたサイクロイド式の減速機とされたインホイールモータ駆動装置において、前記外ピンハウジングが二分割された半割り体からなり、この半割り体を分割面で合せた状態で軸方向に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に連結ピンを挿通して二分割された半割り体を結合可能とし、半割り体を開いた状態で減速機の構成部品を組込み、減速機の構成部品を組み込んだ半割り体を閉じて、連結ピンによって二分割された半割り体を一体に結合することを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記連結ピンは、分割面で合せた半割り体の貫通孔に挿通した状態で、合せた半割り体の両側面から両端部が外方に突き出す長さを有する軸部材からなり、半割り体の一方の側面に突き出した軸部材にボルト頭部を形成し、半割り体の他方の側面に突き出した軸部材に雄ねじ部を形成し、この雄ねじ部にナットを螺合することを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記ボルト頭部とナットに、外ピンハウジングをケーシングに対して回り止めする固定軸部を設けたことを特徴とする請求項2記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記軸部材の雄ねじ部の付け根部分が半割り体の側面の外方に突出させ、軸部材の雄ねじ部の付け根部分に加わる応力の集中を緩和したことを特徴とする請求項2又は3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記ボルト頭部とナットの座面にテーパ部を形成し、半割り体の貫通孔の両端にボルト頭部とナットの座面のテーパ部が嵌るザグリ部を設け、軸部材の雄ねじ部の付け根部分に加わるせん断力を軽減したことを特徴とする請求項2又は3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記半割り体の貫通孔のうち、一方の半割り体の貫通孔の内面に、雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を、端部にボルト頭部を有する軸部材の先端に形成したことを特徴とする請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記雌ねじ部を形成した半割り体の貫通孔の端部に、外ピンハウジングをケーシングに対して回り止めする固定軸部になる固定ピンを嵌合したことを特徴とする請求項6に記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 前記連結ピンを周方向に複数本設置し、その内の2本以上の連結ピンの軸部材を貫通孔に対して締め代嵌合し、他の連結ピンの軸部材を貫通孔に対してスキマ嵌合したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  9. 前記連結ピンを、中空の外側ピンと、この中空の外側ピンの内側に圧入される内側ピンとによって形成し、内側ピンを中空の外側ピンの内側に圧入することによって、外側ピンを拡径させて外側ピンを貫通孔に対して締め代嵌合することを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  10. 前記半割り体の分割面が、減速機の軸心に対して直交している請求項1〜9のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  11. 前記連結ピンの固定軸部を、減速機のケーシングに対して弾性部材を介して固定したことを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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