JP2015188908A - 切断装置及び電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光によってワークを切断する場合のワークに対する切断品質を向上できる切断装置を提供することを課題とする。【解決手段】レーザー光によってワークを切断する切断装置1であって、第1のレーザー光LB1を照射口14からワークに照射する第1レーザー光照射手段(第1レーザー光発振器10、ハーフミラー12)と、第2のレーザー光LB2を照射口14からワークに照射する第2レーザー光照射手段(第2レーザー光発振器11、ミラー13)とを備え、第1のレーザー光LB1のスポットの中心と第2のレーザー光LB2のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらす。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー光によってワークを切断する切断装置及び電極の製造方法に関する。
レーザー光を用いたワークの切断においては、ワークの材質により、波長やスポット径といった最適な条件が異なることが知られている。そのため、例えば、特許文献1に、複数の種類の部材が積層されたワーク(多層プリント配線板等)を高精度かつ容易に加工するために、ビーム条件が異なる複数のレーザー光を時系列的に同軸上に照射するレーザー加工機が開示されている。また、特許文献2に、樹脂による一体封止型のワーク(半導体ICパッケージ等)の切断とバリ除去を同時に行うために、レーザー光を第1のビームと第2のビームに分割し、第1のビームのスポットを拡大し、その拡大された第1のビームと第2のビームとを同軸上に照射するレーザー加工装置が開示されている。
特開2008−797号公報 特開平9−314371号公報
複数のレーザー光を同軸上に照射した場合、複数のレーザー光による各熱が同時に同じ箇所に集中し、ワークの切断箇所周辺に熱がこもり易くなる。そのこもった熱により、切断箇所周辺が歪んだり、撓んだりする。このように、ワークに対する切断品質が低下する場合がある。
そこで、本技術分野においては、レーザー光によってワークを切断する場合のワークに対する切断品質を向上できる切断装置及び電極の製造方法が要請されている。
本発明の一側面に係る切断装置は、レーザー光によってワークを切断する切断装置であって、第1のレーザー光を照射口からワークに照射する第1レーザー光照射手段と、第2のレーザー光を照射口からワークに照射する第2レーザー光照射手段とを備え、第1のレーザー光のスポットの中心と第2のレーザー光のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらす。
この切断装置は、レーザー光を用いてワークを切断する切断装置であり、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段を備えている。第1レーザー光照射手段は、第1のレーザー光を照射口からワークに照射する。第2レーザー光照射手段は、第2のレーザー光を照射口からワークに照射する。特に、切断装置では、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段でそれぞれレーザー光を照射する際に、第1のレーザー光のスポットの中心と第2のレーザー光のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらす。このように、第1のレーザー光と第2のレーザー光とのスポットの中心をずらすこと(スポットの中心をオフセットさせること)により、第1のレーザー光と第2のレーザー光とを切断方向に沿って、切断速度と所定距離に応じた時間差で照射することができる。この時間差により、例えば、複数のレーザー光を同軸上に照射した場合(スポットの中心をずらさないで照射した場合)に発生し易い複数のレーザー光の各熱による熱のこもりを抑制でき、ワークの歪みや撓み等を抑制できる。また、切断方向の前方側に照射した一方のレーザー光によって切断処理を行った後に後方側に照射した他方のレーザー光によって切断端面の研磨(バリ除去、ドロス除去等)あるいは他の切断等の処理を高精度に行うことができ、第1のレーザー光による処理と第2のレーザー光による処理とをそれぞれ単独の効果として発揮できかつ複数の処理を連続して一括で処理できる。このように、この切断装置は、第1のレーザー光のスポットの中心と第2のレーザー光のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらすことにより、ワークに対する切断品質を向上できる。
なお、ワークとしては、レーザー光によって切断できるものであれば適用可能でき、例えば、電池の電極を製造するための活物質層が形成された帯状の金属箔、半導体基板、樹脂基板、金属箔がある。第1のスポット径と第2のスポット径とは、異なる径でもよいしあるいは同じ径でもよい。第1のレーザー光と第2のレーザー光とは、スポットの中心を所定距離ずらす際に切断方向においてどちらが前方側でもよい。所定距離は、ワークの切断線の角部等のコーナリングで前方側の一方のレーザー光に対する後方側の他方のレーザー光の追随性、前方側の一方のレーザー光による熱を後方側の他方のレーザー光の処理で利用できる範囲、一方のレーザー光と他方のレーザー光との近づき過ぎによる熱のこもりの抑制等を考慮して設定するとよい。
一形態の切断装置では、第1のレーザー光は、第1のスポット径を有し、第2のレーザー光は、第2のスポット径を有し、第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光のスポットとは、少なくとも一部が重なっている部分を有する。切断方向の前方側の一方のレーザー光のスポットと後方側の他方のレーザー光のスポットとの少なくとも一部に重なっている部分があると、後方側の他方のレーザー光によって研磨等の処理を行う場合に前方側の一方のレーザー光による熱を有効に利用でき、後方側の他方のレーザー光による処理の効果を促進できるとともに後方側の他方のレーザー光の出力を抑えることができる。なお、第1のレーザー光のスポットの中心と第2のレーザー光のスポットの中心とを所定距離ずらす際に、第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光のスポットとが重なる範囲内で所定距離ずらす。したがって、所定距離を第1のレーザー光のスポット径と第2のレーザー光のスポット径に基づいて設定するとよい。
一形態の切断装置では、第1レーザー光照射手段は、第1レーザー光発振器を備え、第1レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第1のスポット径を有するレーザー光を第1のレーザー光として照射し、第2レーザー光照射手段は、第2レーザー光発振器を備え、第2レーザー光発振器で第2のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第2のスポット径を有するレーザー光を第2のレーザー光として照射する。このように、レーザー光照射手段毎にレーザー光発振器を備えることにより、スポット径だけでなく、波長、出力値、出力波(連続波、パルス波等)等の各種条件を各レーザー光照射手段でそれぞれ設定することが容易であり、そのような各種条件の設定の自由度も高い。
一形態の切断装置では、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段とは、共用のレーザー光発振器を備え、第1レーザー光照射手段は、レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第1のスポット径を有するレーザー光を第1のレーザー光として照射し、第2レーザー光照射手段は、スポット径変更手段を備え、レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該レーザー光をスポット径変更手段で第2のスポット径に変更し、当該第2のスポット径を有するレーザー光を第2のレーザー光として照射する。このように、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段とで共用のレーザー発振器を備えることにより、コストを低減できる。
一形態の切断装置では、第2のレーザー光の第2のスポット径は、第1のレーザー光の第1のスポット径よりも大きく、第2のレーザー光のスポットの中心を第1のレーザー光のスポットの中心よりも切断方向の後方側に所定距離ずらす。第1のレーザー光のスポットの中心は第2のレーザー光のスポットの中心よりも切断方向の前方側に所定距離ずれているので、まず、スポット径の小さい高密度の第1のレーザー光によってワークを切断線に沿って高精度に切断できる。この第1のレーザー光による切断によって、ワークの切断端面にバリができる場合がある。第2のレーザー光のスポットの中心は第1のレーザー光のスポットの中心よりも切断方向の後方側に所定距離ずれているので、第1のレーザー光による切断処理の後に、その切断によってできたバリをスポット径の大きい第2のレーザー光の熱で完全に溶かしたり、まるめたりすることができる。このように、所定距離前方の小さいスポット径の第1のレーザー光によって切断を高精度にできるとともに、所定距離後方の大きいスポット径の第2のレーザー光によってバリを除去できる。
本発明の他の側面に係る電極の製造方法は、レーザー光を利用した切断装置を用いて、活物質層が形成された帯状の金属箔から電極を切り抜く電極の製造方法であって、切断装置は、第1のレーザー光を照射口から活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する第1レーザー光照射手段と、第2のレーザー光を照射口から活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する第2レーザー光照射手段と、電極の形状に沿って第1のレーザー光のスポット及び第2のレーザ光のスポットを移動させるスポット移動手段とを備え、第2のレーザー光のスポットの中心が第1のレーザー光のスポットの中心より移動方向に沿って所定距離だけ後方に位置するように第2のレーザー光のスポットを移動させる。
この電極の製造方法は、レーザー光を利用した切断装置を用いて、活物質層が形成された帯状の金属箔から電極を切り抜く。切断装置は、第1レーザー光照射手段、第2レーザー光照射手段、スポット移動手段を備えている。第1レーザー光照射手段は、第1のレーザー光を照射口から活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する。第2レーザー光照射手段は、第2のレーザー光を照射口から活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する。スポット移動手段は、第1レーザー光照射手段から照射された第1のレーザー光のスポット及び第2レーザー光照射手段から照射された第2のレーザー光のスポットを移動させる。スポット移動手段は、第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光のスポットとを共に移動させる手段でもよいし、第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光をスポットとを別々に移動させる手段でもよい。特に、この電極の製造方法では、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段でそれぞれレーザー光を照射し、スポット移動手段でその第1のレーザー光のスポット及び第2のレーザー光のスポットを移動させる際に、第2のレーザー光のスポットの中心が第1のレーザー光のスポットの中心よりも移動方向に沿って所定距離後方に位置するように、第2のレーザー光のスポットを移動させる。このように、第2のレーザー光を第1のレーザー光によりも所定距離後方にスポットの中心をずらすことにより、第1のレーザー光と第2のレーザー光とを移動方向に沿って、切断速度と所定距離に応じた時間差で第2のレーザー光を第1のレーザー光よりも後に照射することができる。この時間差により、例えば、上記したように、複数のレーザー光を同軸上に照射した場合の熱のこもりを抑制でき、電極の歪みや撓み等を抑制できる。また、移動方向の前方側に照射した第1レーザー光によって切断処理を行った後に後方側に照射した第2のレーザー光によって切断端面の研磨あるいは他の切断等の処理を高精度に行うことができ、第1のレーザー光による処理と第2のレーザー光による処理とをそれぞれ単独の効果として発揮できかつ複数の処理を連続して一括で処理できる。このように、この電極の製造方法は、第2のレーザー光のスポットの中心を第1のレーザー光のスポットの中心より移動方向に所定距離後方にずらすことにより、活物質層が形成された帯状の金属箔から電極を切り抜く際の切断品質を向上できる。
一形態の電極の製造方法では、第2のレーザー光のスポットの中心が第1のレーザー光のスポットの中心より電極側に位置するように第2のレーザー光のスポットを移動させる。このように、この電極の製造方法は、第2のレーザー光のスポットの中心を第1のレーザー光のスポットの中心より切り抜かれる電極側にずらすことにより、後方側の第2のレーザー光によって電極側の切断端面に対して研磨等の処理を高精度に行うことができる。
一形態の電極の製造方法では、第1のレーザー光は、第1のスポット径を有し、第2のレーザー光は、第2のスポット径を有し、第2のスポット径は、第1のスポット径よりも小さい。このように、この電極の製造方法は、第2のレーザー光の第2のスポット径を第1のレーザー光の第1のスポット径よりも小径とすることにより、小径の第2のレーザー光によって電極側の切断端面に対して研磨等の処理を高精度に行うことができる。
本発明によれば、ワークに対する切断品質を向上できる。
本実施の形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る切断装置を用いた切断工程の一例であり、(a)が第1のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(c)がバリ除去の状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光と第2のレーザー光のスポット中心及びスポット径を示す図である。 第1のレーザー光と第2のレーザー光の各出力の時間変化を示す図である。 本実施の形態に係る切断装置を用いた切断工程の他の例であり、(a)が第1のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(c)がドロス除去の状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光と第2のレーザー光のスポット中心及びスポット径を示す図である。 本実施の形態に係る切断装置を用いた切断工程の他の例であり、(a)が第1のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(c)が第3のレーザー光の照射状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光と第2のレーザー光と第3のレーザー光のスポット中心及びスポット径を示す図である。 第1のレーザー光と第2のレーザー光の照射方法の他の例であり、(a)が第1のレーザー光と第2のレーザー光が照射される活物質層が形成された帯状の金属箔の平面図であり、(b)が(a)における第1のレーザー光と第2のレーザー光が照射された周辺部の拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る切断装置及び電極の製造方法の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係る切断装置を、電池に用いられる電極の製造ラインに組み込まれ、活物質層が形成された帯状の金属箔から電極を切断分離する切断工程で用いられる切断装置に適用する。本実施の形態に係る切断工程では、レーザー光を利用した切断装置で電極を切断分離する。ちなみに、切断工程は、刃具を用いた接触型の切断、いわゆる打ち抜き、が一般的に行われているが、活物質層を有する電極の切断には超鋼製の刃具を必要とし、高コスト化を招いていた。なお、製造される電極は、例えば、二次電池又は電気二重層キャパシタ等の蓄電装置に用いられる。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。また、製造される電極は、一次電池に用いられてもよい。本実施の形態では、リチウムイオン二次電池に用いられる電極を製造する場合とする。
電極は、金属箔の表裏面の少なくとも一面に電極ペーストがそれぞれ塗布されて活物質層が形成されており、切断後に一部がタブとなる電極ペーストが塗布されていない領域も有している。金属箔は、例えば、銅箔、アルミニウム箔である。電極ペーストは、活物質、バインダ、溶剤等を含んでいる。活物質は、正極活物質及び負極活物質のいずれであってもよい。正極活物質としては、例えば、複合酸化物、金属リチウム、硫黄である。複合酸化物は、マンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとを含む。負極活物質は、例えば、黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素である。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリノレ基含有樹脂である。溶剤は、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、メタノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤、水である。また、電極ペーストは、カーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)等の導電助剤を含んでいてもよい。また、電極ペーストは、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を含んでいてもよい。
電極を製造する場合、上記各物質を混練して電極ペーストを生成し、その電極ペーストを帯状の金属箔に塗布して、その塗布された電極ペーストを乾燥して帯状の金属箔に活物質層を形成する。そして、本実施の形態に係る切断工程では、切断装置で照射したレーザー光によって活物質層が形成された帯状の金属箔を切断線に沿って切断し、電極を打抜く。この際、活物質層が形成された帯状の金属箔は巻出ロールから送り出されて搬送され、この搬送途中の所定の箇所に切断装置が配置されている。搬送中は、帯状の金属箔に所定のテンション(張力)がかかっている。
図1を参照して、本実施に形態に係る切断装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る切断装置1の構成を模式的に示す図である。なお、図1には1条取りの場合のものを例示しているが、2条取りにも適用できる。
切断装置1は、少なくとも2種類のレーザー光を用いて、活物質層Aが形成された帯状の金属箔Bを切断して電極を打抜く。切断装置1は、一方の第1のレーザー光LB1を切断処理に利用し、他方の第2のレーザー光LB2を切断端面の研磨あるいは他の層の切断等の処理に利用する。特に、切断装置1は、第1のレーザー光LB1による処理と第2のレーザー光LB2による処理の各効果をそれぞれ単独に発揮させて切断品質を向上させるために、互いのスポットが重なる範囲内で第2のレーザー光LB2のスポットの中心を第1のレーザー光LB1のスポットの中心よりも切断方向(第1レーザー光LB1、第2レーザー光のLB2の移動方向)の後方側に所定距離ずらす。
切断装置1は、搬送中の活物質層Aが形成された帯状の金属箔Bの上方から、レーザー光LB1,LB2を照射できるように配置されている。また、切断装置1は、電極の外形状に相当する活物質層A上や金属箔B上の切断線CL(仮想線であり、実際に線が引かれているわけではない)に沿ってレーザー光LB1,LB2の各スポットの中心をそれぞれ移動させながら活物質層A上や金属箔B上にレーザー光LB1,LB2を照射できる構成を有している。切断装置1は、第1レーザー光発振器10、第2レーザー光発振器11、ハーフミラー12、ミラー13等を備えている。
なお、本実施の形態では、第1レーザー光発振器10及びハーフミラー12を備える手段が特許請求の範囲に記載する第1レーザー光照射手段に相当し、第2レーザー光発振器11及びミラー13を備える手段が特許請求の範囲に記載する第2レーザー光照射手段に相当し、第1レーザー光発振器10が特許請求の範囲に記載する第1レーザー光発振器に相当し、第2レーザー光発振器11が特許請求の範囲に記載する第2レーザー光発振器に相当する。
第1レーザー光発振器10は、第1のレーザー光LB1を発生し、その第1のレーザー光LB1をハーフミラー12に向けて出力する。第1レーザー光発振器10では、第1のレーザー光LB1のスポット径、波長、出力値(強度)、出力波等の各種条件を設定可能であり、この各種条件として切断処理に適したものが設定される。第1のレーザー光LB1のスポット径は、どのような切断処理を行うかに応じて所定のスポット径が設定される。例えば、切断精度を高くする切断処理を行う場合には高密度のレーザー光とするために小さいスポット径が設定され、切断速度を高くする切断処理を行う場合には高出力(熱量を多くする)ために大きいスポット径が設定される。第1のレーザー光LB1の波長は、特に限定しないが、活物質層Aに含まれる各物質や金属箔Bに用いられる物質等に応じて切断に適した波長が設定される。第1のレーザー光LB1の出力値は、第2のレーザー光LB2に比べて高いかあるいは同程度の出力値が設定される。第1のレーザー光LB1の出力波は、高周波のパルス波である。
第2レーザー光発振器11は、第2のレーザー光LB2を発生し、その第2のレーザー光LB2をミラー13に向けて出力する。第2レーザー光発振器11では、第2のレーザー光LB2のスポット径、波長、出力値、出力波等の各種条件を設定可能であり、この各種条件として研磨処理あるいは特定の層の切断処理に適したものが設定される。第2のレーザー光LB2のスポット径は、どのような研磨処理あるいは切断処理を行うかに応じて所定のスポット径が設定される。例えば、第1のレーザー光LB1による切断処理でバリが発生し易い切断処理の場合には大きいスポット径が設定され、第1のレーザー光LB1による切断処理でドロスが発生し易い切断処理の場合には小さいスポット径が設定される。第2のレーザー光LB2の出力値は、第1のレーザー光LB1に比べて低いかあるいは同程度の出力値が設定される。第2のレーザー光LB2の出力波は、研磨処理の場合には連続波であり、切断処理の場合には高周波のパルス波である。
なお、第1のレーザー光LB1、第2のレーザー光LB2の好適な具体的なスポット径、波長、出力値、出力波(高周波のパルス波の場合にはパルスの周波数)等については、条件を変えて実験等を行って、適宜設定するとよい。
ハーフミラー12は、第1レーザー光発振器10から出力された第1のレーザー光LB1を照射口14に向けて反射するとともに、ミラー13で反射された第2のレーザー光LB2を透過する。ハーフミラー12は、第1のレーザー光LB1に対する反射角度を三次元的に変更可能である。そのために、第1のレーザー光LB1に対してハーフミラー12の傾きを三次元的に変化させることができる駆動装置(図示せず)も備えられている。この駆動装置により、ハーフミラー12で反射した後の第1のレーザー光LB1のスポットの中心が活物質層A上や金属箔B上の切断線CLに沿って移動するように、ハーフミラー12の傾きを変化させる。なお、本実施の形態では、ハーフミラー12及びその駆動装置が特許請求の範囲に記載するスポット移動手段である。
ミラー13は、第2レーザー光発振器11から出力された第2のレーザー光LB2を照射口14に向けて反射する。ミラー13は、第2のレーザー光LB2に対する反射角度を三次元的に変更可能である。そのために、第2のレーザー光LB2に対してミラー13の傾きを三次元的に変化させることができる駆動装置(図示せず)も備えられている。この駆動装置により、ミラー13で反射した後の第2のレーザー光LB2のスポットの中心が活物質層A上や金属箔B上の切断線CLに沿って移動するように、ミラー13の傾きを変化させる。特に、この駆動装置により、切断方向において第1のレーザー光LB1のスポットの中心よりも所定距離後方に第2のレーザー光LB2のスポットの中心が位置するように、ミラー13の傾きをハーフミラー12の傾きに連動させて変化させる。なお、本実施の形態では、ミラー13及びその駆動装置も特許請求の範囲に記載するスポット移動手段である。
上記の各駆動装置でハーフミラー12及びミラー13の傾きを変化させる速度に応じて、切断速度が変化する。したがって、切断形態(例えば、切断品質を高くする切断形態、切断速度を高くする切断形態)に応じて好適な切断速度が設定されると、その切断速度に基づいてハーフミラー12及びミラー13の傾きを変化させる速度が設定される。
第1のレーザー光LB1のスポットの中心と第2のレーザー光LB2のスポットの中心とをずらす(オフセットさせる)所定距離は、第1のレーザー光LB1のスポットと第2のレーザー光LB2のスポットとが重なる範囲内の距離が設定される。したがって、所定距離は、第1のレーザー光LB1のスポット径及び第2のレーザー光LB2のスポット径に基づいて設定される。このように、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とのスポットが重なるようにすることにより、前方側の第1のレーザー光LB1の熱を後方側の第2のレーザー光LB2による研磨処理等で利用できる。また、所定距離は、切断線CLの角部等のコーナリングで前方側の第1のレーザー光LB1に対して後方側の第2のレーザー光LB2が追随できるように、この追随性も考慮して設定される。また、所定距離は、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とが近づき過ぎて熱がこもり易くならないように、この熱のこもり抑制も考慮して設定される。
なお、第1レーザー光発振器10、第2レーザー光発振器11、ハーフミラー12の駆動装置、ミラー13の駆動装置は、電極の製造ラインの制御装置(図示せず)あるいは切断装置1自体が制御装置(図示せず)を備えている場合にはその制御装置によって制御される。
上記構成の切断装置1の動作の流れについて説明する。搬送中に、活物質層Aが形成された金属箔Bにおいて電極として打抜かれる箇所が切断装置1の照射口14の下方に到達する毎に、第1レーザー光発振器10では、高周波パルス波の第1のレーザー光LB1を発生させ、その第1のレーザー光LB1を出力する。ハーフミラー12では、この第1のレーザー光LB1が入射されると照射口14に向けて反射する。反射された第1のレーザー光LB1は、照射口14から活物質層A上又は金属箔B上に照射される。この照射された第1のレーザー光LB1は、スポットの中心が切断線CL上に位置し、その位置を中心として第1のレーザー光LB1のスポット径分スポットが広がっている。ハーフミラー12は上記した駆動装置によって第1のレーザー光LB1に対する傾きが変化し、その傾きに応じてハーフミラー12では第1のレーザー光LB1を反射する。これによって、活物質層A上又は金属箔B上に照射された第1のレーザー光LB1のスポットの中心は、切断線CL上を移動し、全部の層又は一部の層を切断していく。第1のレーザー光LB1のスポットの中心が電極の外形状に沿った切断線CL全てを移動すると、第1レーザー光発振器10及びハーフミラー12の駆動装置は一旦停止する。
上記と同様に電極として打抜かれる箇所が照射口14の下方に到達する毎に、第2レーザー光発振器11では、連続波あるいは高周波パルス波の第2のレーザー光LB2を発生させ、その第2のレーザー光LB2を出力する。ミラー13では、この第2のレーザー光LB2が入射されると照射口14に向けて反射する。反射された第2のレーザー光LB2は、ハーフミラー12を透過し、照射口14から活物質層A上又は金属箔B上に照射される。この照射された第2のレーザー光LB2は、スポットの中心が切断線CL上における第1のレーザー光LB1のスポットの中心よりも所定距離後方に位置し、その位置を中心として第2のレーザー光LB2のスポット径分スポットが広がっている。ミラー13は上記した駆動装置によって第2のレーザー光LB2に対する傾きが変化し、その傾きに応じてミラー13では第2のレーザー光LB2を反射する。これによって、活物質層A上又は金属箔B上に照射された第2のレーザー光LB2のスポットの中心は、切断線CL上を移動し、切断端面の研磨あるいは一部の層を切断していく。第2のレーザー光LB2のスポットの中心が電極の外形状に沿った切断線CL全てを移動すると、第2レーザー光発振器11及びミラー13の駆動装置は一旦停止する。
上記の切断装置1の動作により、活物質層Aが形成された金属箔Bから電極が順次打抜かれていく。この際、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とのスポットの中心をずらしているので、切断速度と所定距離に応じた時間差で先に第1のレーザー光LB1が照射され、その後に第2のレーザー光LB2が照射させる。この時間差により、第2のレーザー光LB2による処理が研磨処理の場合、第1のレーザー光LB1による切断処理で切断された後の切断端面が、第2のレーザー光LB2による処理で高精度に研磨(バリ除去、ドロス除去等)される。このときに、第2のレーザー光LB2のスポットの中心と、第1のレーザー光LB1のスポットの中心との距離を適切に設定し、例えば、両スポットの外縁がラップするように設定することで、第2のレーザー光LB2による研磨処理では、第1のレーザー光LB1に付与され、電極に残留する熱を利用できる。このように、第2のレーザー光LB2による処理では第1のレーザー光LB1の熱を利用することで、別個の二つのレーザー装置で切断と研磨をそれぞれ行うことよりも、第2のレーザー光LB2の出力値を抑えることができる。また、第2のレーザー光LB2による処理が切断処理の場合、第1のレーザー光LB1による切断処理で活物質層Aに適した条件で活物質層Aが切断され、第2のレーザー光LB2による切断処理で金属箔Bに適した条件で金属箔Bが切断される。このときに、第2のレーザー光LB2による切断処理では、第1のレーザー光LB1によって上層の活物質層Aが切断された後に金属箔Bを切断できる。なお、金属箔Bの表裏両面に活物質層Aが形成されている場合、更に、裏面側の活物質層Aを切断するための切断処理が必要となる。この切断処理には、第1のレーザー光LB1を用いてよいし、あるいは、別途の第3のレーザー光LB3を用いてもよい。
ちなみに、複数のレーザー光を用いた切断装置において、複数のレーザー光のスポットの中心を一致させて照射した場合(同軸上に複数のレーザー光を照射した場合)、上記の時間差がないので、複数のレーザー光による各熱が同時に同じ箇所に集中し、切断箇所周辺に熱がこもり易くなる。そのこもった熱により、切断箇所周辺の歪みが大きくなったり、切断箇所周辺の撓みが大きくなったりする。そのため、切断品質が低下する。また、リチウムイオン二次電池の電極においては、活物質間を結合するバインダが、一般的に樹脂であるため、切断箇所周辺に過大な熱が加わると、切断箇所周辺のバインダが変質し、活物質が剥離しやすくなるといった問題も生じる。
図2及び図3を参照して、切断装置1を用いた切断工程の一例として、切断と切断によって発生したバリの除去を連続して一括で行う場合について説明する。図2は、切断装置1を用いた切断工程の一例であり、(a)が第1のレーザー光LB1の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光LB2の照射状態を模式的に示す図であり、(c)がバリ除去の状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2のスポット中心及びスポット径を示す図である。図3は、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2の各出力の時間変化を示す図である。なお、図2及び図4、図5には金属箔Bの表裏両面に活物質層A1,A2が形成された場合の例を示しているが、金属箔Bの片面のみに活物質層Aが形成された場合にも適用できる。
この例は、切断精度を高くすることを目的とした切断形態の場合であり、第1のレーザー光LB1を用いて切断処理を行い、第2のレーザー光LB2を用いて研磨処理(特に、バリ除去)を行う例である。そのために、第1のレーザー光LB1のスポット径は、レーザー光を高密度化するために小さいスポット径とし、例えば、コンマ数mmのスポット径である。このような小さいスポット径の高密度レーザー光で切断した場合、切断端面に切断残り等のバリが発生し易くなる。第1のレーザー光LB1の波長は、切断に適した波長である。例えば、短波長とした場合、乖離エネルギーを与えることができるとともに処理深度を浅くできる。第1のレーザー光LB1の出力値は、第2のレーザー光LB2の出力値よりも高い出力値である。第1のレーザー光LB1の出力波は、高周波のパルス波である。図3には、パルス波の第1のレーザー光LB1の出力の時間変化OT1の一例を示している。
第2のレーザー光LB2のスポット径は、処理範囲を大きくするために大きいスポット径とし、例えば、数mmのスポット径である。第2のレーザー光LB2の波長は、バリ除去に適した波長である。例えば、長波長とした場合、多くの熱を与えることができるとともに処理深度も深くできる。第2のレーザー光LB2の出力値は、第1のレーザー光LB1の出力値よりも低い出力値である。第2のレーザー光LB2の出力波は、連続波である。図3には、連続波の第2のレーザー光LB2の出力の時間変化OT2の一例を示している。
図2(d)に示すように、第1のレーザー光LB1のスポットの中心LB1と第2のレーザー光LB2のスポットの中心LB2とをずらす所定距離SDは、後方側の第2のレーザー光LB2の大きな径のスポット内に前方側の第1のレーザー光LB1の小さな径のスポットが入るような距離が設定される。また、切断速度は、切断精度を重視するので、切断精度を十分に確保できる低めの速度とする。
切断装置1での第1のレーザー光LB1による切断処理と第2のレーザー光LB2による研磨処理の作用について説明する。まず、図2(a)に示すように、前方側のスポット径の小さい高密度の第1のレーザー光LB1による熱により、表面側の活物質層A1、金属箔B、裏面側の活物質層A2を高精度に切断できる。小さいスポット径なので、切断代が小さい。この際、第1のレーザー光LB1がパルス波で照射されるので、レーザー光の出力値が所定値になったあとに出力値が0になるのが繰り返され、切断箇所周辺に熱がこもり難く、熱ダレを抑制できる。
図2(b)に示すように、スポット径の小さい第1のレーザー光LB1による切断では、切断端面にバリBRが発生する場合がある。バリBRは端部が電極より突出しているため、セルのケースに収めた状態で、短絡の要因となる。そこで、図2(b)に示すように、第1のレーザー光LB1によって切断された後の極短時間経過後に、後方側のスポット径の大きい第2のレーザー光LB2による熱(第1のレーザー光LB1による熱も加味)により、バリBRの一部又は全部を溶かして、図2(c)に示すように尖ったバリBRをまるめるか(符号BR’で示す状態にするか)あるいは全体を溶かして除去できる。この際、第2のレーザー光LB2は連続波で照射されるので、連続的に熱を切断端面に与えることができる。
このように、小スポット径の第1のレーザー光LB1を用いるので、切断精度を高くできる。この切断によってバリが発生しても、その切断の直後に、大スポット径で連続波の第2のレーザー光LB2を用いるので、バリを除去できる。この際、第1のレーザー光LB1の熱も利用して、バリを除去できる。
図4を参照して、切断装置1を用いた切断工程の他の例として、切断と切断によって発生したドロスの除去を連続して一括で行う場合について説明する。図4は、切断装置1を用いた切断工程の他の例であり、(a)が第1のレーザー光LB1の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光LB2の照射状態を模式的に示す図であり、(c)がドロス除去の状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2のスポット中心及びスポット径を示す図である。
この例は、切断速度を高くすることを目的とした切断形態の場合であり、第1のレーザー光LB1を用いて切断処理を行い、第2のレーザー光LB2を用いて研磨処理(特に、ドロス除去)を行う例である。そのために、第1のレーザー光LB1のスポット径は、大きいスポット径とし、例えば、数mmのスポット径である。第1のレーザー光LB1の波長は、切断に適した波長である。第1のレーザー光LB1の出力値は、切断速度を高くするために、高い出力値である。このような高出力の大きいスポット径のレーザー光で切断した場合、切断端面にドロス(熱溶け)が発生し易くなる。第1のレーザー光LB1の出力波は、高周波のパルス波である。
第2のレーザー光LB2のスポット径は、ドロスを除去できるような小さいスポット径とし、例えば、コンマ数mmのスポット径である。第2のレーザー光LB2の波長は、ドロス除去に適した波長である。第2のレーザー光LB2の出力値は、第1のレーザー光LB1の出力値よりも低い出力値である。第2のレーザー光LB2の出力波は、連続波である。
図4(d)に示すように、第1のレーザー光LB1のスポットの中心LB1と第2のレーザー光LB2のスポットの中心LB2とをずらす所定距離SDは、前方側の第1のレーザー光LB1の大きな径のスポット内に後方側の第2のレーザー光LB2の小さな径のスポットが入るような距離が設定される。また、切断速度は、切断速度を重視するので、高い速度とする。したがって、上記の各駆動装置ではハーフミラー12、ミラー13の傾きを高い速度で変化させる。
切断装置1での第1のレーザー光LB1による切断処理と第2のレーザー光LB2による研磨処理の作用について説明する。まず、図4(a)に示すように、前方側の大きいスポット径の高出力の第1のレーザー光LB1による熱により、表面側の活物質層A1、金属箔B、裏面側の活物質層A2を高速に切断できる。
図4(b)に示すように、大きいスポット径の高出力の第1のレーザー光LB1による切断では、切断端面にドロスDSが発生する場合がある。そこで、図4(b)に示すように、第1のレーザー光LB1によって切断された後の極短時間経過後に、後方側のスポット径の小さい第2のレーザー光LB2による熱(第1のレーザー光LB1による熱も加味)により、高精度にドロスを溶かしながら削り落とすことができ、図4(c)に示すようにドロスを除去できる。この際、第2のレーザー光LB2が連続波で照射されるので、連続的に熱を切断端面に与えることができる。
このように、大スポット径で高出力の第1のレーザー光LB1を用いるので、切断速度を高くできる。この切断によってドロスが発生しても、その切断の直後に、小スポット径で連続波の第2のレーザー光LB2を用いるので、ドロスを除去できる。この際、第1のレーザー光LB1の熱も利用して、ドロスを除去できる。
図5を参照して、切断装置1を用いた切断工程の他の例として、表面の活物質層A1、金属箔B、裏面の活物質層A2にそれぞれ適した切断を連続して一括で行う場合について説明する。図5は、切断装置1を用いた切断工程の他の例であり、(a)が第1のレーザー光LB1の照射状態を模式的に示す図であり、(b)が第2のレーザー光LB2の照射状態を模式的に示す図であり、(c)が第3のレーザー光LB3の照射状態を模式的に示す図であり、(d)が第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2と第3のレーザー光LB3のスポット中心及びスポット径を示す図である。
この例は、切断精度を高くすることを目的とした切断形態の場合であり、第1のレーザー光LB1を用いて表面側の活物質層A1の切断処理を行い、第2のレーザー光LB2を用いて金属箔Bの切断処理を行い、第3のレーザー光LB3を用いて裏面側の活物質層A2の切断処理を行う例である。この例では、第3のレーザー光LB3も用いるので、切断装置1に第3のレーザー光LB3用の第3レーザー光発振器(図示せず)及び第3のレーザー光LB3用のミラー(図示せず)とその駆動装置(図示せず)を更に備える構成とし、第2レーザー光発振器11の第2のレーザー光LB2を反射するミラーをハーフミラーとする。なお、第1のレーザー光LB1を利用して裏面側の活物質層A2の切断処理を行うようにしてもよい。
第1のレーザー光LB1、第2のレーザー光LB2、第3のレーザー光LB3の各スポット径は、小さいスポット径とし、例えば、コンマ数mmのスポット径である。第1のレーザー光LB1、第3のレーザー光LB3の各波長や各出力値は、活物質層A1,A3の切断に適した波長や出力値である。第2のレーザー光LB2の波長や出力値は、金属箔Bの切断に適した波長や出力値である。出力値については、前方側のレーザー光の熱を後方側のレーザー光の処理のときに利用できるので、後方側のレーザー光の出力値を小さくしてもよい。第1のレーザー光LB1、第2のレーザー光LB2、第3のレーザー光LB3の出力波は、高周波のパルス波である。
図5(d)に示すように、第1のレーザー光LB1のスポットの中心LB1と第2のレーザー光LB2のスポットの中心LB2とをずらす所定距離SDは、前方側の第1のレーザー光LB1の小さい径のスポットと後方側の第2のレーザー光LB2の小さな径のスポットとが一部重なる距離が設定される。また、第2のレーザー光LB2のスポットの中心LB2と第3のレーザー光LB3のスポットの中心LB3とをずらす所定距離SDも、前方側の第2のレーザー光LB2の小さい径のスポットと後方側の第3のレーザー光LB3の小さな径のスポットとが一部重なる距離が設定される。また、切断速度は、切断精度を重視するので、切断精度を十分に確保できる低めの速度とする。
切断装置1での第1のレーザー光LB1、第2のレーザー光LB2、第3のレーザー光LB3による各切断処理の作用について説明する。まず、図5(a)に示すように、活物質層A1の切断に適した条件の第1のレーザー光LB1による熱により、表面側の活物質層A1を高精度に切断できる。
図5(b)に示すように、第1のレーザー光LB1によって表面側の活物質層A1が切断された後の極短時間経過後に、金属箔Bの切断に適した第2のレーザー光LB2による熱(第1のレーザー光LB1による熱も加味)により、中間層の金属箔Bを高精度に切断できる。
さらに、図5(c)に示すように、第2のレーザー光LB2によって中間層の金属箔Bが切断された後の極短時間経過後に、活物質層A2の切断に適した第3のレーザー光LB3による熱(第2のレーザー光LB2による熱も加味)により、裏面側の活物質層A2を高精度に切断できる。
このように、各層に適したレーザー光を時間差で用いているので、上層が切断された後にその下層に適したレーザー光で切断でき、切断品質が向上する。各層に適したレーザー光を用いているので、各層を高精度に切断でき、コンタミ飛散防止等も可能となる。
ちなみに、活物質層や金属箔にそれぞれ適した条件の複数のレーザー光を用いた切断装置でも、その複数のレーザー光のスポットの中心を一致させて照射した場合(同軸上に複数のレーザー光を照射した場合)、活物質層の切断に適したレーザー光で表面側の活物質層を切断するまでは、金属箔の切断に適したレーザー光が有効に切断に機能しない。また、その活物質層の切断に適したレーザー光で表面側の活物質層を切断中に、金属箔の切断に適したレーザー光が表面側の活物質層の切断端面にバリ等を発生させる要因となる場合もある。
この切断装置1によれば、第1のレーザー光LB1のスポットの中心と第2のレーザー光LB2のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらすことにより、切断品質を向上できる。つまり、所定距離ずらすことにより、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とを切断線に沿って、切断速度と所定距離に応じた時間差で照射することができる。この時間差により、例えば、複数のレーザー光を同軸上に照射した場合に発生し易い複数のレーザー光の各熱による熱のこもりを抑制でき、ワークの歪みや撓み等を抑制できる。また、切断方向の前方側に第1のレーザー光LB1による切断処理を行った後に後方側の第2のレーザー光LB2による切断端面の研磨処理(バリ除去、ドロス除去等)あるいは下層の切断処理を高精度に行うことができ、第1のレーザー光LB1による処理と第2のレーザー光LB2による処理とをそれぞれ単独の効果として発揮できかつ複数の処理を連続して一括で処理できる。一括処理のため、処理速度も速くなる。
切断装置1によれば、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とに対応して別々の第1レーザー光発振器10と第2レーザー光発振器11とを備える構成としているので、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とのスポット径だけでなく、波長、出力値、出力波等の各種条件をそれぞれ設定することが容易であり、そのような各種条件の設定の自由度も高い。
切断装置1によれば、前方側の第1のレーザー光LB1のスポットと後方側の第2のレーザー光LB2のスポットとが重なる範囲で所定距離を設定しているので、後方側の第2のレーザー光LB2によって研磨等の処理を行う場合に前方側の第1のレーザー光LB1による熱を有効に利用でき、後方側の第2のレーザー光LB2による処理の効果を促進できる。また、後方側の第2のレーザー光LB2の出力も抑えることができる。
切断装置1によれば、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とに対応して別々の第1レーザー光発振器10と第2レーザー光発振器11とを備えるが、同一の照射口14より、照射することで、後方側の第2のレーザー光LB2による処理において、前方側の第1のレーザー光LB1による処理で、電極に残留する熱を有効に利用できる。第1のレーザー光LB1による処理の後、特に金属箔のように熱伝達率のよいワークの温度は、短時間で低下する。このため、第2のレーザー光LB2による処理で、第1のレーザー光LB1により付与される熱を有効に利用するためには、例えば、両レーザー光のスポット径が一部ラップする、すなわちスポット径の中心が近接する程度の短距離に、両レーザー光を制御する必要がある。しかしながら、別個の二つの切断装置で行う場合には、このような短距離を維持しつつ切断を行うことは困難である。また、レーザー加工に適した照射角度も制限されているため、別個の切断装置では、切断装置同士が干渉する問題も生じる。本実施の形態では、ハーフミラー12又はミラー13により、第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2とのスポット中心を所定距離だけ離し、同一の照射口14より、照射を行うため、このような問題を回避できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では電池の電極を製造するための活物質層が形成された帯状の金属箔をワークとして適用したが、レーザー光をよって切断可能なワークなら他のものに適用してもよく、例えば、半導体基板、樹脂基板、金属箔がある。
また、本実施の形態では電極の製造工程の中の切断工程に用いる切断装置に適用したが、活物質層が形成された帯状の金属箔に対するスリット工程等の他の工程で用いる切断装置にも適用可能である。また、適用するワークに応じて、レーザー光を用いた切断が行われる様々な工程で用いる切断装置にも適用可能である。
また、本実施の形態ではワーク側を自由に動かすことができないので、ワークの切断線に沿ってレーザー光を移動させながら照射できる切断装置に適用したが、ワーク側を動かすことが可能であるなら、ワークを切断線に応じて動かして、レーザー光を一定位置に照射する切断装置にも適用できる。
また、本実施の形態ではハーフミラー12及びミラー13の傾きを変化させて、レーザー光LB1,LB2のスポット中心(すなわち、切断位置)を移動させたが、ハーフミラー12及びミラー13の傾きが固定されて状態でレーザー光LB1,LB2のスポット中心を移動させいてもよい。例えば、切断装置全体、または照射口を有する切断装置の一部が、ワークの一定距離上方で移動する構成としてもよい。
また、本実施の形態では2種類(又は3種類)のレーザー光を用いる構成としたが、これ以上の種類のレーザー光を用いる構成としてもよい。このようにより多くの種類のレーザー光を用いる場合でも、各レーザー光のスポットの中心を切断方向に順次ずらしていくことにより、各レーザーの単独の処理の効果をそれぞれ発揮させることができ、切断品質を向上できる。
また、本実施の形態では第1レーザー光照射手段、第2レーザー光照射手段が異なる第1レーザー光発振器、第2レーザー光発振器を備える構成としたが、第1レーザー光照射手段と第2レーザー光照射手段とが共用のレーザー光発振器を備える構成としてもよい。共用のレーザー光発振器の場合、ビームスプリッタ等でレーザー光を分割し、分割した一方のレーザー光を凹レンズや凸レンズ等のスポット径変更手段を用いてスポット径を変更する。スポット径を同じ径とする場合、このようなスポット径変更手段がなくてよい。また、分割した一方のレーザー光の他の条件を変えてもよく、例えば、波長を変換できる結晶等の波長変更手段を用いて、分割した一方のレーザー光の波長を変更してもよい。
また、本実施の形態では第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光のスポットとが重なる部分を有する構成としたが、第1のレーザー光のスポットと第2のレーザー光のスポットとが重ならない構成としてもよい。重ならない場合でも、後方側のレーザー光の追随性や後方側のレーザー光による処理のときに前方側のレーザー光の熱の利用を考慮すると、近いほうがよい(ずらす所定距離が短いほうがよい)。
また、本実施の形態では第1のレーザー光のスポットの中心に対して第2のレーザー光のスポットの中心を切断方向に沿って所定距離だけ後方に位置するように制御したが、これに加え、第2のレーザー光のスポットの中心を切断方向に対して直交する方向に僅かにずらしてもよい。例えば、図6に第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2の照射方法の他の例を示しており、(a)が第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2が照射される活物質層Aが形成された帯状の金属箔Bの平面図であり、(b)が(a)における第1のレーザー光LB1と第2のレーザー光LB2が照射された周辺部Sの拡大図である。図6に示す照射方法による電極の製造方法では、活物質層Aが形成された帯状の金属箔Bから個々の電極を打ち抜く(切り抜く)ものである。後方側の第2のレーザー光LB2は、ドロスを処理するものであり、第2のレーザー光LB2のスポット径が第1のレーザー光のスポット径よりも小さく設定されている。このような場合、製品となる電極の切断部分の品質は重要であるが、一方で、電極が切り抜かれた後の活物質層Aが形成された帯状の金属箔Bについては品質が問われない。したがって、例えば、第2のレーザー光LB2のスポットの中心LBc2が第1のレーザー光LB1のスポットの中心LBc1よりも切断方向(第1レーザー光LB1、第2レーザー光のLB2の移動方向)に沿って所定距離後方かつ切断方向に直交する方向における電極側に位置するように、第2のレーザ光―LB2を照射するとよい。このように、第2のレーザー光LB2のスポットを位置させることにより、第1のレーザー光LB1で切断された切断部分の電極側のドロスが除去され、電極側の切断端面E1は滑らかになり、高品質である。一方、電極が切り抜かれた後の活物質層Aが形成された帯状の金属箔B側の切断端面E2はドロス等が残り、低品質である。
また、本実施の形態では第1のレーザー光による切断処理と第2のレーザー光による研磨処理の切断形態の例を2つ挙げたが、切断端面にバリやドロス等が発生する条件は活物質層に含まれる各物質、金属箔に用いられる物質や切断処理の第1のレーザー光の条件等によって変わるので、切断形態に応じて高精度な研磨ができるように、切断処理の第1のレーザー光の条件や研磨処理の第2のレーザー光の条件を適宜するようにするとよい。例えば、本実施の形態では切断処理と研磨処理とでスポット径を異なる径としたが、切断処理と研磨処理とでスポット径を同じ径としてもよい。
1…切断装置、10…第1レーザー光発振器、11…第2レーザー光発振器、12…ハーフミラー、13…ミラー、14…照射口。

Claims (8)

  1. レーザー光によってワークを切断する切断装置であって、
    第1のレーザー光を照射口から前記ワークに照射する第1レーザー光照射手段と、
    第2のレーザー光を前記照射口から前記ワークに照射する第2レーザー光照射手段と、
    を備え、
    前記第1のレーザー光のスポットの中心と前記第2のレーザー光のスポットの中心とを切断方向に所定距離ずらす、切断装置。
  2. 前記第1のレーザー光は、第1のスポット径を有し、
    前記第2のレーザー光は、第2のスポット径を有し、
    前記第1のレーザー光のスポットと前記第2のレーザー光のスポットとは、少なくとも一部が重なっている部分を有する、請求項1に記載の切断装置。
  3. 前記第1レーザー光照射手段は、第1レーザー光発振器を備え、前記第1レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第1のスポット径を有するレーザー光を前記第1のレーザー光として照射し、
    前記第2レーザー光照射手段は、第2レーザー光発振器を備え、前記第2レーザー光発振器で第2のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第2のスポット径を有するレーザー光を前記第2のレーザー光として照射する、請求項1又は請求項2に記載の切断装置。
  4. 前記第1レーザー光照射手段と前記第2レーザー光照射手段とは、共用のレーザー光発振器を備え、
    前記第1レーザー光照射手段は、前記レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該第1のスポット径を有するレーザー光を前記第1のレーザー光として照射し、
    前記第2レーザー光照射手段は、スポット径変更手段を備え、前記レーザー光発振器で第1のスポット径を有するレーザー光を発生し、当該レーザー光を前記スポット径変更手段で第2のスポット径に変更し、当該第2のスポット径を有するレーザー光を前記第2のレーザー光として照射する、請求項1又は請求項2に記載の切断装置。
  5. 前記第2のレーザー光の第2のスポット径は、前記第1のレーザー光の第1のスポット径よりも大きく、
    前記第2のレーザー光のスポットの中心を前記第1のレーザー光のスポットの中心よりも切断方向の後方側に所定距離ずらす、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の切断装置。
  6. レーザー光を利用した切断装置を用いて、活物質層が形成された帯状の金属箔から電極を切り抜く電極の製造方法であって、
    前記切断装置は、第1のレーザー光を照射口から前記活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する第1レーザー光照射手段と、第2のレーザー光を前記照射口から前記活物質層が形成された帯状の金属箔に照射する第2レーザー光照射手段と、前記電極の形状に沿って前記第1のレーザー光のスポット及び前記第2のレーザ光のスポットを移動させるスポット移動手段とを備え、
    前記第2のレーザー光のスポットの中心が前記第1のレーザー光のスポットの中心より移動方向に沿って所定距離だけ後方に位置するように前記第2のレーザー光のスポットを移動させる、電極の製造方法。
  7. 前記第2のレーザー光のスポットの中心が前記第1のレーザー光のスポットの中心より電極側に位置するように前記第2のレーザー光のスポットを移動させる、請求項6に記載の電極の製造方法。
  8. 前記第1のレーザー光は、第1のスポット径を有し、
    前記第2のレーザー光は、第2のスポット径を有し、
    前記第2のスポット径は、前記第1のスポット径よりも小さい、請求項7に記載の電極の製造方法。
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