JP2015189209A - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材シート1の上に、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部2を有し、前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にある加飾シート。前記盛上部の厚みが、10μm以上であり、前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む加飾シート。
【選択図】図1
Description
項1. 基材シートの上に、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部を有し、
前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にある、加飾シート。
項2. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記盛上部の厚みが、10μm以上である、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記基材シートの前記盛上部とは反対側に、表面保護層、プライマー層、装飾層、支持体シート、及び接着層からなる群から選択された少なくとも1種が積層されてなる、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記基材シートが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化性樹脂により形成されてなる、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 少なくとも、成形樹脂層と、基材シートと、前記基材シートの上に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部とがこの順に積層されており、
前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にある、加飾樹脂成形品。
本発明の加飾シートは、基材シートの上に、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部を有し、電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にあることを特徴とする。本発明の加飾シートにおいては、盛上部を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にあることにより、成形時における当該盛上部の割れが効果的に抑制されており、さらに、成形後における盛上部の凹凸形状による意匠性、耐傷付き性にも優れている。より具体的には、本発明の加飾シートは、盛上部が上記特定範囲のマルテンス硬度を有する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物に形成されているため、盛上部が適度な柔軟性を有しており、成形時における当該盛上部の割れが効果的に抑制されている。さらに、当該マルテンス硬度を有する盛上部は、適度な弾性も有しているため、成形時に加熱・加圧が加えられた際にも、盛上部の形状が好適に保持され、成形後における盛上部の凹凸形状による意匠性にも優れている。さらに、当該マルテンス硬度を有する盛上部は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されているため、耐傷付き性にも優れている。なお、後述の通り、本発明の加飾シートは、装飾層や隠蔽層などを有していなくてもよく、例えば透明であってもよい。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
本発明の加飾シートは、基材シート1の上に盛上部2が形成された積層構造を有する。本発明の加飾シートにおいては、例えば図1または図2に示されるように、基材シート1の上の盛上部2によって、加飾シートの表面に凹凸形状が形成されている。
図4に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材シート/装飾層/プライマー層/表面保護層/盛上部がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。
基材シート1は、加飾シートの基材としての機能を果たす層であり、加飾シートの表面側に設けられる場合は、基材シート1の表面上に後述の盛上部2が形成される。なお、後述の通り、基材シート1と盛上部2との間に表面保護層5を有する場合、盛上部2は、表面保護層5の表面上に形成される。
本発明の加飾シートにおいて、盛上部2は、基材シート1の上に形成されており、盛上部2により形成された凹凸形状によって、加飾シートに意匠性を付与している。盛上部2は、上記の基材シート1の表面上に形成することができ、本発明の加飾シートが後述の表面保護層5を有する場合には、表面保護層5の表面上に形成することができる。
盛上部2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、安定な硬化特性が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にウレタン結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されない。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜12個が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートは、末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。盛上部2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物に、ウレタン(メタ)アクリレートに加えて、他の(メタ)アクリレートをさらに含んでいてもよい。ウレタン(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
支持体シート3は、本発明の加飾シートにおいて、成形性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層であり、加飾シートに高度な伸びが要求される、複雑な形状の成形品の加飾に用いる場合には設けられていることが好ましい。なお、上記の基材シート1が成形性に優れる樹脂により形成されている場合、支持体シート3は設けなくてもよい。
表面保護層5は、加飾樹脂成形品の耐傷性や耐薬品性を高めることなどを目的として、基材シート1と盛上部2との間に、必用に応じて設けられる層である。本発明の加飾シートが表面保護層5を有する場合、上記の盛上部2は表面保護層5の上に形成される。
プライマー層6は、表面保護層5とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。
装飾層4は、樹脂成形品に装飾性を与えることを目的として、必用に応じて設けられる層である。本発明の加飾シートが表面保護層5を有する場合、装飾層4は基材シート1の盛上部2側に設けることができ、基材シート1が透明(半透明を含む)である場合には、盛上部2とは反対側に設けることができる。装飾層4は、絵柄を形成していてもよく、ベタであってもよく、これらの組合せであってもよい。
隠蔽層は、加飾シートの色の変化やバラツキを抑制することなどを目的として、必要に応じて、隠蔽層を設けてもよい(図示していない)。
接着層7は、加飾シートと成形樹脂層8との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、加飾シートの裏面(盛上部2と反対側)に設けることができる。接着層7を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂層8との密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層と、基材シートと、基材シートの上に形成された、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部とがこの順に積層された積層体からなり、電離放射線硬化性樹脂の硬化物が、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にあることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の支持体シート3、装飾層4、表面保護層5、プライマー層6、隠蔽層、接着層7などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの基材シート1側(盛上部2とは反対側)の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
<実施例1>
ポリメタクリル酸メチルを主成分とする厚さ75μmの無着色透明なアクリル樹脂ートからなる基材シートの裏面に、ポリブチルメタクリレート/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をバインダーとした装飾層(厚さ1μm)、ポリメチルメタクリレート及び2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤からなる接着層(厚さ10μm)を順次積層した。次に、接着層の上から、ABS樹脂からなる支持体シート(厚さ400μm)をドライラミネーションにより積層した。次に、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて、基材シートの表面に、円形状の盛上部を多数配列した平面視パターン状(1つの盛上部の面積約0.3mm2、基材シート表面における盛上部の面積の割合約45%)に印刷した。次に、盛上部の上から、紫外線を160W/cmの条件で照射して印刷版の版形状を保ったまま硬化させた。以上の手順により、基材シート上に厚さ30μmの盛上部が多数形成された三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約2000)20質量%、2官能性アクリレートモノマー60質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤:5質量%、フィラーおよび顔料の合計10質量%の混合物
下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約8000)30質量%、3官能性アクリレートモノマー50質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤:5質量%、フィラーおよび顔料の合計10質量%の混合物
下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約5000)20質量%、2官能性アクリレートモノマー60質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤:5質量%、フィラーおよび顔料の合計10質量%の混合物
下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約8000)20質量%、2官能性アクリレートモノマー60質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤:5質量%、フィラーおよび顔料の合計10質量%の混合物
下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ポリエステルアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約2000)10質量%、2官能性アクリレートモノマー68質量%、熱可塑性樹脂10質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤5質量%、フィラーおよび顔料の合計2質量%の混合物
下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、三次元成形用加飾シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量約5000)40質量%、2官能性アクリレートモノマー40質量%、感光性化合物5質量%、光重合開始剤5質量%、フィラーおよび顔料の合計10質量%の混合物
マルテンス硬度は、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM−500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定される値であり、具体的な測定方法は以下の通りである。この測定方法では、温度25℃及び相対湿度50%の環境下、図5(a)に示されるような対面角136°のダイヤモンド圧子(ビッカース圧子)を用いて、各実施例及び比較例の加飾シートにおける盛上部にダイヤモンド圧子を押し込み、押し込み荷重Fと押し込み深さh(圧痕深さ)から下記の式(2)により硬さを求めた。押し込み条件は、加飾シートの盛上部2に対して、室温(実験室環境温度)において、図5(b)に示される通り、先ず0〜2mNまでの負荷を2秒間で加え、次に2mNの負荷で5秒間保持し、最後に2〜0mNまでの除荷を2秒間で行った。
実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた加飾シートを固定枠に固定し、加飾シートの温度が約160℃になるまで約300℃のヒーターで加熱した。加熱され軟化した加飾シートを、上述のように、真空成形工程、トリミング工程及び温度約240℃でABS樹脂を成形用樹脂とする射出成形工程を経て加飾樹脂成形品を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜2の加飾シートから得られた上記加飾樹脂成形品の盛上部の割れを目視で観察し、300%の伸長部でも割れがないものを◎、250%の伸長部まで割れがないものを○、200%の伸長部まで割れがないものを△、150%の伸長部まで割れがないものを×とした。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2の加飾シートから得られた上記加飾樹脂成形品の表面を手で触り、凹凸感を評価した。評価基準としては、凹凸感がはっきりと感じられたものを◎、凹凸感が感じられたものを○、凹凸感が僅かに感じられたものを△、凹凸感が全く感じられなかったものを×とした。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2の加飾シートから得られた上記加飾樹脂成形品の表面の算術平均粗さRaを以下のようにして測定した。株式会社東京精密製の表面粗さ測定器(商品面「ハンディーサーフE−35A」を使用し、JIS B 0601:2001に準拠し、長さLの粗さ曲線を中心線から折り返し、それぞれの粗さ曲線と中心線によって得られた全面積を長さLで割った値をマイクロメータ(μm)で表した。結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜2の加飾シートから得られた上記加飾樹脂成形品の表面を、スチールウール(#0000)を用いて荷重1.5kgfで10往復擦り、目視で盛上部の表面を観察して、以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
◎:擦った後に盛上部の傷跡がすぐに消え、耐傷付き性が高い
○:擦った後に盛上部の傷跡が消え、耐傷付き性が高い
△:擦った後に盛上部に傷跡が少し残り、耐傷付き性が少し低いが、実用上問題がない
×:擦った後に盛上部に傷跡が残り、耐傷付き性が低く、実用上問題がある
2…盛上部
3…支持体シート
4…装飾層
5…表面保護層
6…プライマー層
7…接着層
8…成形樹脂層
Claims (6)
- 基材シートの上に、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部を有し、
前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にある、加飾シート。 - 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記盛上部の厚みが、10μm以上である、請求項1または2に記載の加飾シート。
- 前記基材シートの前記盛上部とは反対側に、表面保護層、プライマー層、装飾層、支持体シート、及び接着層からなる群から選択された少なくとも1種が積層されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
- 前記基材シートが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化性樹脂により形成されてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 少なくとも、成形樹脂層と、基材シートと、前記基材シートの上に電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成された盛上部とがこの順に積層されており、
前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、温度25℃及び相対湿度50%下におけるマルテンス硬度が10〜120N/mm2の範囲にある、加飾樹脂成形品。
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