JP2015189664A - 清澄槽、ガラス物品製造装置、およびガラス物品の製造方法 - Google Patents

清澄槽、ガラス物品製造装置、およびガラス物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス溶融物の品質低下を抑制できる清澄槽、そのような清澄槽を備えたガラス物品製造装置、およびそのような清澄槽を用いたガラス物品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の清澄槽の一つの態様は、一方向に延びたガラス溶融物の耐火煉瓦製の流路を有する清澄槽であり、流路は、断面形状が六角形以上の多角形状である多角形流路部を有し、多角形流路部は、底面と、底面と垂直な第1側面と、底面と垂直で第1側面と対向する第2側面と、を有し、第1側面の下端から底面までの底面の法線方向における寸法と、第2側面の下端から底面までの底面の法線方向における寸法とは等しく、多角形流路部の底面の法線方向における寸法をHとし、第1側面の下端から底面までの底面の法線方向における寸法をaとしたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。0.25<a/H<0.52…式(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、清澄槽、ガラス物品製造装置、およびガラス物品の製造方法に関する。
成形されたガラス物品の品質向上を目的として、成形する前に、ガラス溶融物内に発生した気泡を除去する清澄工程が行われる。このような清澄工程に用いるための清澄槽の一例として、減圧脱泡槽が提案されている(たとえば、特許文献1,2)。
国際公開第2009/148028号 特開2000−178029号公報
清澄槽では、清澄槽の流路を流れるガラス溶融物の素地面から揮発しやすい成分が揮発し、他の正常な部分とは成分が異なる素地、いわゆる異質素地が形成される。この異質素地は、ガラス溶融物の品質を低下させる原因となるため、局所的に集めて排出することが好ましい。
しかし、たとえば、特許文献1,2に示すような煉瓦製の清澄槽では、清澄槽内でガラス溶融物の対流が生じる場合があった。これにより、減圧脱泡槽内のガラス溶融物が異質素地と共に攪拌され、異質素地を局所的に集めて排出することが困難となる場合があった。その結果、ガラス溶融物の品質が低下する場合があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、ガラス溶融物の品質低下を抑制できる清澄槽、そのような清澄槽を備えたガラス物品製造装置、およびそのような清澄槽を用いたガラス物品の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の清澄槽の一つの態様は、一方向に延びたガラス溶融物の耐火煉瓦製の流路を有する清澄槽であり、前記流路は、断面形状が六角形以上の多角形状である多角形流路部を有し、前記多角形流路部は、底面と、前記底面と垂直な第1側面と、前記底面と垂直で前記第1側面と対向する第2側面と、を有し、前記第1側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法と、前記第2側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法とは等しく、前記多角形流路部の前記底面の法線方向における寸法をHとし、前記第1側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法をaとしたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
0.25<a/H<0.52…式(1)
前記底面における前記第1側面側の端部を第1端部、前記底面における前記第2側面側の端部を第2端部とし、前記第1端部から前記第1側面までの前記第1側面の法線方向における寸法と、前記第2端部から前記第2側面までの前記第2側面の法線方向における寸法と、をbとしたとき、以下の式(2)を満たす構成としてもよい。
a/b≦1.4…式(2)
前記多角形流路部は、前記清澄槽の前記一方向の全長に対する中心よりも前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側に設けられている構成としてもよい。
前記流路は、断面形状が矩形状である矩形流路部を有する構成としてもよい。
前記流路は、前記多角形流路部と前記矩形流路部とを接続する傾斜面を有する構成としてもよい。
前記流路内には、前記ガラス溶融物中の気泡を堰き止めるための遮蔽板が設けられ、前記遮蔽板は、前記多角形流路部よりも前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側に設けられる構成としてもよい。
前記第1側面の法線方向における前記多角形流路部の寸法をWとしたとき、以下の式(3)を満たす構成としてもよい。
0.50<H/W<0.80…式(3)
本発明のガラス物品製造装置の一つの態様は、上記の清澄槽を備え、前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側にガラス原料を溶解する溶解槽を備え、前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側に前記ガラス溶融物を成形してガラス物品とする成形装置を備えることを特徴とする。
前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側の端部に接続され、前記清澄槽から下方に延びる上昇管と、前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側の端部に接続され、前記清澄槽から下方に延びる下降管と、前記清澄槽内を減圧する減圧手段と、をさらに備える構成としてもよい。
本発明のガラス物品の製造方法の一つの態様は、上記のガラス物品製造装置を用いて、ガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造する原料溶融工程と、前記ガラス溶融物を清澄する清澄工程と、前記清澄工程後のガラス溶融物を成形してガラス物品とする成形工程と、を有することを特徴とする。
前記清澄工程において、前記流路内は減圧される製造方法としてもよい。
前記清澄工程において、前記ガラス溶融物は1500℃以上に加熱される製造方法としてもよい。
一日あたりに処理される前記ガラス溶融物の総量が、10kg以上、20kg以下である製造方法としてもよい。
本発明の一つの態様によれば、ガラス溶融物の品質低下を抑制できる清澄槽、そのような清澄槽を備えたガラス物品製造装置、およびそのような清澄槽を用いたガラス物品の製造方法が提供される。
第1実施形態のガラス物品製造装置を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の清澄槽における多角形流路部を示す図であって、図1におけるII−II断面図である。 第1実施形態の清澄槽における矩形流路部を示す図であって、図1におけるIII−III断面図である。 第1実施形態の清澄槽における流路を示す斜視図である。 第1実施形態の清澄槽における多角形流路部の他の一例を示す断面図である。 第2実施形態のガラス物品製造装置を模式的に示す断面図である。 実施例1におけるガラス溶融物流路の断面形状を示す図である。 比較例におけるガラス溶融物流路の断面形状を示す図である。 参照例におけるガラス溶融物流路の断面形状を示す図である。 シミュレーションにおけるガラス溶融物の粒子の初期分布を示す図である。 シミュレーションにおけるガラス溶融物の粒子の分布の一例を示す図である。 シミュレーションにおけるガラス溶融物の粒子の分布の一例を示す図である。
本明細書において、「上流側」および「下流側」とは、ガラス物品製造装置内におけるガラス溶融物の流れに対するものである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る清澄槽、ガラス物品製造装置およびガラス物品の製造方法について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各構成の位置関係を説明する。この際、鉛直方向をZ軸方向とし、水平方向のうち清澄槽14(図1参照)の長さ方向(図1における左右方向)をY軸方向、水平方向のうちY軸方向と直交する方向をX軸方向とする。なお、Y軸方向は、清澄槽14においてガラス溶融物G(図1参照)の主な流れ方向である。
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態のガラス物品製造装置10は、いわゆる門型の減圧脱泡装置を含む。ガラス物品製造装置10は、清澄槽14と、上昇管13と、下降管15と、遮蔽板20と、溶解槽11と、成形装置500と、図示しない減圧手段と、を備える。
清澄槽14は、耐火煉瓦で形成されている。清澄槽14は、図2および図3に示すように、耐火煉瓦で囲まれた内部空間を有する中空構造である。すなわち、清澄槽14の内部空間は、煉瓦17aおよび煉瓦17bによって形成される側壁部17と、天井部18と、底部19とで囲まれて形成される。煉瓦17aおよび煉瓦17bは、直方体形状の耐火煉瓦である。天井部18および底部19は、一つ、もしくは、複数の耐火煉瓦が組み合わされて形成される。天井部18に用いられる耐火煉瓦は、たとえば、迫形煉瓦である。耐火煉瓦としては、焼成煉瓦であっても、不焼成煉瓦であっても、電融鋳造煉瓦であってもよい。
清澄槽14の内部空間には、ガラス溶融物Gの流路14aが形成されている。
清澄槽14の流路14aは、図1に示すように、一方向(Y軸方向)に延びて形成されている。第1実施形態において、流路14aは、多角形流路部30と、矩形流路部31と、を有する。
ここで、本明細書において「流路」とは、ガラス溶融物Gを流すための通路であり、清澄槽14の内部空間のうち、底面から後述する煉瓦17a,17bの鉛直方向上側の端部までの空間を意味するものとする。すなわち、第1実施形態において流路とは、図2,3において二点鎖線で区切られた下方側の内部空間を意味する。
清澄槽14は、たとえば、断面形状が矩形状の流路を有する耐火煉瓦製の槽に、後述する第1斜面32bおよび第2斜面32cを有する耐火煉瓦を部分的に組み込んで、多角形流路部30を形成することによって製造される。
多角形流路部30は、第1実施形態においては、流路14aの延びる方向(Y軸方向)の全長に対する中心よりも上流側の一部に設けられている。多角形流路部30の長さ(Y軸方向長さ)L1は、たとえば、流路14aの全長(Y軸方向長さ)Lの15%以上と設定される。また、上昇管13から多角形流路部30の上流側の端部まで、すなわち、上昇管13から多角形流路部30の開始位置までの距離Lsは、たとえば、流路14aの全長Lの17%以下と設定される。上昇管13から多角形流路部30の下流側の端部まで、すなわち、上昇管13から多角形流路部30の終了位置までの距離Leは、多角形流路部30の長さL1と、多角形流路部30の開始位置までの距離Lsとによって決まる。
多角形流路部30の設けられる位置がこのように設定されることで、多角形流路部30内において対流が発生することをより抑制できる。
多角形流路部30は、図2に示すように、流路14aにおける断面形状が六角形以上の多角形状の部分である。第1実施形態においては、多角形流路部30の断面形状は、六角形状である。なお、本明細書において、六角形以上の多角形状とは、角の数が6以上の多角形状を意味する。
多角形流路部30は、底面32aと、第1斜面32bと、第2斜面32cと、第1側面32dと、第2側面32eと、を有する。第1斜面32bは、底面32aと第1側面32dとを接続する。第2斜面32cは、底面32aと第2側面32eとを接続する。第1側面32dは、底面32aと垂直である。第2側面32eは、底面32aと垂直で第1側面32dと対向する。
底面32a、第1斜面32b、および第2斜面32cは、底部19aを構成する耐火煉瓦によって形成されている。第1側面32dは、煉瓦17aによって形成されている。第2側面32eは、煉瓦17bによって形成されている。
多角形流路部30の断面形状は、幅方向(X軸方向)の中心を通る中心線に対して線対称である。鉛直方向における第1斜面32bの寸法と、鉛直方向における第2斜面32cの寸法とは、等しい。
なお、本明細書において寸法が等しいとは、厳密に寸法が同じ場合のみを意味するものではなく、たとえば、寸法比が0.9以上、1.1以下程度までは許容されるものとする。
鉛直方向における多角形流路部30の高さ(寸法)Hと、鉛直方向における第1斜面32bおよび第2斜面32cの寸法aと、多角形流路部30の幅方向(X軸方向)における第1斜面32bおよび第2斜面32cの寸法bと、多角形流路部30の最大幅(X軸方向長さ)Wとは、以下の式(1)を満たし、式(2)および式(3)を満たすことが好ましい。
0.25<a/H<0.52 …式(1)
a/b≦1.4 …式(2)
0.50<H/W<0.80 …式(3)
寸法aは、言い換えると、第1側面32dの下端から底面までの底面32aの法線方向(Z軸方向)における寸法であり、第2側面32eの下端から底面までの底面32aの法線方向における寸法である。なお、第1側面32dの下端とは、第1側面32dと第1斜面32bとが接する箇所である。また、第2側面32eの下端とは、第2側面32eと第2斜面32cとが接する箇所である。
寸法bは、言い換えると、底面32aの第1側面32d側の端部(第1端部)から第1側面32dまでの第1側面32dの法線方向(X軸方向)における寸法であり、底面32aの第2側面32e側の端部(第2端部)から第2側面32eまでの第2側面32eの法線方向(X軸方向)における寸法である。なお、底面32aの第1側面32d側の端部とは、底面32aと第1斜面32bとが接続する箇所である。また、底面32aの第2側面32eが輪の端部とは、底面32aと第2斜面32cとが接続する箇所である。
式(1)のa/Hは、0.25以上、0.51以下が好ましく、0.30以上、0.51以下がより好ましく、0.35以上、0.50以下がさらに好ましい。式(2)のa/bは、0.5以上、1.0以下がより好ましく、0.7以上、0.9以下がさらに好ましい。式(3)のH/Wは、0.55以上、0.75以下がより好ましく、0.60以上、0.75以下がさらに好ましい。
多角形流路部30には、ガラス溶融物Gが流れることによって、ガラス溶融物流路32が形成される。ガラス溶融物流路32は、多角形流路部30のうちガラス溶融物Gが流れる部分である。ガラス溶融物流路32の断面(ZX断面)形状は、すなわち、多角形流路部30を流れるガラス溶融物Gの断面(ZX断面)形状と同じである。ガラス溶融物流路32は、図2においては、多角形流路部30のうちガラス溶融物Gの素地面Gaで区切られた下方側の部分である。
実際の清澄工程においては、多角形流路部30の高さHに対して、ガラス溶融物高さGLが100〜250mm小さくなるように、多角形流路部30内に導入するガラス溶融物Gの量を調整することが好ましい。たとえば、多角形流路部30の高さHが、300mm以上、400mm以下の場合に、ガラス溶融物高さGLが、50mm以上、300mm以下で設定される。
上述した多角形流路部30の高さHとガラス溶融物高さGLとの関係から、式(1)および式(3)の高さHをガラス溶融物高さGLに置き換えると、以下の式(4)および式(5)が好ましい。
0.50≦a/GL<1.00 …式(4)
0.20≦GL/W≦0.60 …式(5)
すなわち、ガラス溶融物流路32の断面形状は、上記の式(4),式(5)を満たすことが好ましい。また、ガラス溶融物流路32の断面形状は、式(2)も満たす形状であることが好ましい。
式(4)のa/GLは、0.55以上、0.95以下がより好ましい。式(5)のGL/Wは、0.3以上、0.5以下がより好ましい。
矩形流路部31は、図3に示すように、第1実施形態においては、多角形流路部30の上流側と下流側とにそれぞれ設けられている。第1実施形態においては、流路14aにおける多角形流路部30以外の部分は、矩形流路部31である。矩形流路部31の断面形状は、矩形状である。
矩形流路部31は、底面33aと、底面33aと垂直な第1側面33bと、第1側面33bと対向する第2側面33cと、を有する。第1側面33bは、煉瓦17aによって形成されている。第2側面33cは、煉瓦17bによって形成されている。底面33aは、底部19bによって形成されている。
第1実施形態においては、多角形流路部30の底面32aと、矩形流路部31の底面33aとは、段差がなく同一平面上に形成されている。
矩形流路部31の高さHと、最大幅Wとは、多角形流路部30と同一である。
矩形流路部31におけるガラス溶融物流路33は、多角形流路部30と同様に、矩形流路部31のうちガラス溶融物Gの素地面Gaで区切られた下方側の部分である。ガラス溶融物流路33の断面形状は、矩形流路部31の断面形状と同様に矩形状である。
多角形流路部30と矩形流路部31とは、図4に示すように、傾斜面34a,34b,34c,34dを介して、接続されている。傾斜面34a,34bは、多角形流路部30の第1斜面32bと、矩形流路部31の底面33aと、矩形流路部31の第1側面33bと、を接続している。傾斜面34c,34dは、多角形流路部30の第2斜面32cと、矩形流路部31の底面33aと、矩形流路部31の第2側面33cと、を接続している。傾斜面34a,34b,34c,34dは、多角形流路部30と矩形流路部31とを接続すればよいので、平面であっても、曲面であっても、平面と曲面とをつないだ面であってもよい。
上昇管13は、清澄槽14の上流側の端部に鉛直方向下方側から接続されている。上昇管13は、鉛直方向に延びて形成されている。上昇管13の内部と清澄槽14の流路14aとは、連通している。上昇管13の鉛直方向下方側の端部は、接続路12を介して、溶解槽11と接続されている。上昇管13は、溶解槽11から清澄前のガラス溶融物Gを吸い上げて清澄槽14内の流路14aに導入する。上昇管13の断面形状は、特に限定されず、第1実施形態においては、例えば、矩形状である。
下降管15は、清澄槽14の下流側の端部に鉛直方向下方側から接続されている。下降管15は、鉛直方向に延びて形成される。下降管15の内部と清澄槽14の流路14aとは、連通している。下降管15の鉛直方向下方側の端部は、接続路16を介して、成形装置500と接続されている。下降管15は、清澄槽14によって清澄された後のガラス溶融物Gを清澄槽14内の流路14aから鉛直方向下方側に排出する。下降管15の断面形状は、特に限定されず、第1実施形態においては、例えば、矩形状である。
遮蔽板20は、図1に示すように、清澄槽14の天井部18から鉛直方向下方側に延びて設けられている。遮蔽板20の鉛直方向下方側の端部は、ガラス溶融物Gの素地面Gaよりも下方側に位置する。遮蔽板20は、多角形流路部30よりも下流側に設けられている。すなわち、遮蔽板20は、矩形流路部31内に設けられている。
遮蔽板20は、ガラス溶融物G内、および浮上してガラス溶融物Gの素地面Gaに滞留した気泡を堰き止める機能を有する。
図1に示す例では、遮蔽板20は、1つのみ設けられているが、これに限られず、遮蔽板20は、複数設けられていてもよい。
図示しない減圧手段は、清澄槽14の流路14a内を減圧する手段である。減圧手段は、流路14a内を減圧できる範囲内において、特に限定されない。減圧手段としては、たとえば、清澄槽14を収容する減圧ハウジングを用いることができる。この場合においては、減圧ハウジング内を減圧吸引することで、清澄槽14の流路14aの内部を大気圧未満の減圧状態とできる。また、他の減圧手段として、減圧ハウジングを設けずに、清澄槽14におけるガラス溶融物Gの上部空間を、減圧ポンプ等を用いて減圧吸引してもよい。
溶解槽11から、接続路12および上昇管13を介して、清澄槽14に導入されたガラス溶融物Gは、内部が減圧状態に保持された清澄槽14中を通過する。減圧状態の清澄槽14中を通過することで、ガラス溶融物G中の気泡が大きく成長する。成長した気泡は、ガラス溶融物Gの素地面Gaに浮上し、破泡する。これにより、清澄槽14によってガラス溶融物G中の気泡が除去される。すなわち、清澄槽14によってガラス溶融物Gが清澄される。
第1実施形態の清澄槽14によって清澄されるガラス溶融物Gの一日あたりの総量は、例えば、10kg以上、20kg以下である。
第1実施形態によれば、清澄槽14に、断面形状が六角形状で、かつ、式(1)を満たす多角形流路部30が設けられている。そのため、多角形流路部30におけるガラス溶融物流路32の断面形状が、六角形状で、かつ、式(4)を満たす形状となる。これにより、多角形流路部30において流路14a内の対流を抑制できるため、異質素地と共にガラス溶融物Gが攪拌されることを抑制できる。したがって、異質素地を局所的に集めて排出することが容易となり、ガラス溶融物Gの品質低下を抑制できる。
また、第1実施形態によれば、多角形流路部30の断面形状が、さらに式(2)を満たすことにより、多角形流路部30においてガラス溶融物Gの対流をより抑制できる。
また、第1実施形態によれば、多角形流路部30の断面形状が、式(3)を満たすことにより、ガラス溶融物流路32の断面形状が、式(5)を満たす形状となる。これにより、多角形流路部30においてガラス溶融物Gの対流をより抑制できる。
ここで、流路の断面形状を上記のような断面形状とすることでガラス溶融物Gの対流を抑制できることは、本発明者らによって新たに明らかとなった知見である。本発明者らは、シミュレーションによって、この知見を明らかにした。シミュレーションに基づく結果については、後述する。
また、対流の起きにくい断面形状としては、たとえば、円形状や楕円形状が挙げられるが、これらの形状を有する流路を、耐火煉瓦を用いて形成することは困難である。これに対して、第1実施形態の多角形流路部30の断面形状は、矩形に対して式(1)を満たすように第1斜面32bおよび第2斜面32cを設けることで形成できるため、多角形流路部30の形成が簡便である。
また、例えば、清澄槽の形成材料として白金(Pt)を用いる場合には、流路の断面形状を円形状や楕円形状とすることが容易である。また、清澄槽の形成材料として白金(Pt)を用いる場合には、白金を利用して清澄槽全体を通電加熱により、加熱できるため、対流の制御が容易である。しかし、清澄槽の形成材料として白金を用いる場合、耐火煉瓦に比べて清澄槽の強度が低いという問題や、白金がガラス溶融物中に揮散してガラス溶融物の品質が低下するという問題があった。また、清澄槽の設備コストが高くなるという問題があった。
この問題に対して、清澄槽14の形成材料は耐火煉瓦である。そのため、形成材料を白金とする場合に比べて、清澄槽の強度を向上でき、かつ、ガラス溶融物の品質が低下することも抑制できる。また、清澄槽の製造コストも低減できる。
また、清澄槽14の流路14a内における対流は、ガラス溶融物G中の気泡が成長して浮上することに起因して生じるものと考えられる。すなわち、気泡が浮上する際に、ガラス溶融物Gに浮上力が加えられ、対流が生じると考えられる。ガラス溶融物G中の気泡は、流路14aの上流側から下流側へと向かうにしたがって減少していくため、流路14aの上流側ほど、対流が生じやすい。
第1実施形態によれば、多角形流路部30は、清澄槽14の長さ方向(Y軸方向)の全長の中心よりも上流側に設けられている。これにより、より効果的に、流路14a内に生じる対流を抑制できる。
また、第1実施形態によれば、多角形流路部30は、流路14aの一部に設けられ、多角形流路部30以外の部分には、矩形流路部31が設けられている。そのため、第1実施形態の清澄槽14は、流路の断面形状が矩形状の清澄槽の一部を多角形流路部とすることにより製造できる。したがって、第1実施形態によれば、清澄槽14の製造が容易である。
また、第1実施形態によれば、遮蔽板20が多角形流路部30よりも下流側に設けられているため、遮蔽板20が多角形流路部30におけるガラス溶融物Gの流れを乱すことを抑制できる。さらに、ガラス溶融物Gの表層に到達した泡層を遮蔽板20によって破泡することができる。
また、第1実施形態によれば、多角形流路部30と矩形流路部31とが、傾斜面34a〜34dによって接続されている。そのため、多角形流路部30と矩形流路部31との境界において、急激な段差となる部分がなく、ガラス溶融物Gが滞留することを抑制できる。このような傾斜面を清澄槽14に形成することは、清澄槽14が煉瓦により構成されるため、このような傾斜面を楕円形状の白金管を加工して形成するよりも容易である。
なお、第1実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。
上記説明においては、多角形流路部30の断面形状を六角形状としたが、これに限られない。第1実施形態においては、多角形流路部30の断面形状は、六角形以上の多角形状である範囲内において、特に限定されない。他の一例として、図5に多角形流路部130の断面形状が八角形状である清澄槽114を示す。
清澄槽114の流路114aは、煉瓦17aおよび煉瓦17bによって形成される側壁部と、天井部18と、底部119aと、によって囲まれて形成される。
多角形流路部130の断面形状は、八角形状で、かつ、式(1)を満たし、式(2),(3)を満たすことが好ましい形状である。これにより、多角形流路部130におけるガラス溶融物流路132の断面形状は、八角形状で、かつ、式(2),(4),(5)を満たすことが好ましい形状である。
多角形流路部130は、底面132aと、斜面132b,132c,132d,132eと、第1側面132fと、第2側面132gと、を有する。斜面132bは、底面132aと斜面132cとを接続する。斜面132cは、第1側面132fと斜面132bとを接続する。斜面132dは、底面132aと斜面132eとを接続する。斜面132eは、第2側面132gと斜面132dとを接続する。第1側面132fは、底面132aと垂直である。第2側面132gは、底面132aと垂直で第1側面132fと対向している。
この構成において、寸法aは、鉛直方向(Z軸方向)における斜面132b,132dの寸法a1と、鉛直方向における斜面132c,132eの寸法a2と、を足し合わせた値である。
また、第1実施形態においては、矩形流路部31の代わりに、他の断面形状を有する流路部が設けられていてもよい。他の断面形状としては、たとえば、台形状や、四角形状以外の多角形状等が挙げられる。他の断面形状としては、六角形以上の多角形状であって、式(1)を満たさない形状であってもよい。
また、上記説明においては、流路14aの一部が多角形流路部30である構成としたが、これに限られない。第1実施形態においては、流路14aの全体が多角形流路部30であってもよい。
また、第1実施形態においては、多角形流路部は、他の断面形状を有する流路部、たとえば、矩形流路部を挟んで複数設けられていてもよい。その場合においては、複数の多角形流路部は、それぞれ異なる断面形状を有していてもよいし、同じ断面形状を有していてもよい。
また、第1実施形態においては、複数の異なる断面形状を有する多角形流路部が接続して設けられていてもよい。
また、上記説明においては、多角形流路部30の断面形状とガラス溶融物流路32の断面形状とは、共に六角形状となる構成としたが、これに限られない。第1実施形態においては、たとえば、多角形流路部30の断面形状が八角形状で、ガラス溶融物流路32の断面形状が六角形状のように、それぞれの断面形状が異なる多角形状であってもよい。すなわち、これは、多角形流路部30におけるガラス溶融物Gが流れない鉛直方向上方側において、角部が形成されていることを意味する。
(第2実施形態)
第2実施形態のガラス物品製造装置210は、いわゆる平型の高温の清澄槽を含むガラス物品製造装置である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
ガラス物品製造装置210は、図6に示すように、清澄槽214と、遮蔽板20と、電極(加熱装置)40a,40b,40cと、溶解槽11と、成形装置500と、を備える。
清澄槽214は、耐火煉瓦で囲まれた内部空間を有する中空構造である。清澄槽214の内部空間には、ガラス溶融物Gの流路214aが形成されている。流路214aは、多角形流路部230と、矩形流路部231と、を有する。
多角形流路部230は、第1実施形態の多角形流路部30と同様である。矩形流路部231は、第1実施形態の矩形流路部31と同様である。第2実施形態においては、多角形流路部230は、清澄槽214の上流側の端部に設けられている。
清澄槽214の上流側の端部には、接続路12が接続されている。すなわち、接続路12から清澄槽214に導入されるガラス溶融物Gは、多角形流路部230に直接導入される。清澄槽214の下流側の端部には、接続路16が接続されている。
電極40a〜40cは、天井部18から鉛直方向下方側に突出して設けられている。電極40a〜40cの鉛直方向下方側の端部は、ガラス溶融物Gの素地面Gaよりも鉛直方向下方側に位置する。電極40a〜40cは、通電加熱によりガラス溶融物Gを加熱する。
第2実施形態の清澄槽214では、電極40a〜40cによってガラス溶融物Gを1500℃以上に加熱する。これにより、ガラス溶融物Gの粘性を低下させ、ガラス溶融物Gに含まれる気泡の成長速度を大きくする。成長した気泡は、ガラス溶融物Gの素地面Gaに浮上し、破泡する。これにより、清澄槽214によってガラス溶融物Gが清澄される。
第2実施形態の清澄槽214によって清澄されるガラス溶融物Gの一日あたりの総量は、例えば、10kg以上、20kg以下である。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、流路214a内の対流を抑制でき、結果として、清澄後のガラス溶融物Gの品質低下を抑制できる。
また、第2実施形態のガラス物品製造装置210のような高温で清澄するガラス物品製造装置では、清澄槽が白金で形成されている場合において、清澄槽の強度の低下や、白金の揮散が特に問題となる。そのため、第2実施形態によれば、清澄槽214が耐火煉瓦で形成されていることによる効果が特に大きい。
なお、第2実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
第2実施形態においては、電極40a〜40cの数は、特に限定されず、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、第2実施形態においては、電極40a〜40cの代わりに、加熱手段として、バーナーが設けられていてもよい。さらに、電極40a〜40cは、清澄槽214の底部に設置されてもよい。
(ガラス物品の製造方法の実施形態)
ガラス物品の製造方法の実施形態は、原料溶融工程と、清澄工程と、成形工程と、を有する。
まず、原料溶融工程は、ガラスの原料を溶融炉で溶融させて、ガラス溶融物Gを製造する工程である。製造されたガラス溶融物Gは、第1実施形態、第2実施形態において示した溶解槽11に貯蔵される。
次に、清澄工程は、第1実施形態、第2実施形態において示した清澄槽を用いて、ガラス溶融物Gを清澄する工程である。
次に、成形工程は、製造されたガラス溶融物Gを成形装置500によって目的の形状に成形してガラス物品とする工程である。
以上の工程により、ガラス物品が製造される。
なお、必要に応じて、成形工程の後に、成形されたガラス物品を徐冷する徐冷工程や、徐冷されたガラスを必要な長さに切断する切断工程や、切断されたガラスを研磨する研磨工程を設けてもよい。また、ガラス物品は、徐冷工程の途中のガラス溶融物もしくは成形体、または徐冷工程の後および切断工程の後の成形体に、表面処理等の加工をしたものやフィルムを貼ったものを含む。
(実施例1)
シミュレーションによって実施例1−1〜1−4と比較例1−1〜1−3と参照例とを対比し、ガラス溶融物流路の断面形状を六角形以上の多角形状で、かつ、式(4)を満たす形状とすることで、ガラス溶融物の対流を抑制できることを確かめた。実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3、および参照例の各パラメータを表1に示す。
実施例1−1の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図7(A)に示すように、第1実施形態のガラス溶融物流路32と同様の六角形状とした。
実施例1−2の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図7(B)に示すように、第1実施形態のガラス溶融物流路32と同様の六角形状とした。
実施例1−3の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図7(C)に示すように、第1実施形態のガラス溶融物流路32と同様の六角形状とした。
実施例1−4の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図7(D)に示す十角形状とした。
実施例1−4の多角形流路部50は、底面50aと、底面50aに垂直な側面50eと、底面50aと接続され、側面50eと平行な垂直面50bと、側面50eと接続され、底面50aと平行な水平面50dと、垂直面50bと水平面50dとを接続する斜面50cと、を有する。実施例1−4においては、垂直面50bの鉛直方向(Z軸方向)の寸法c1を50mmとし、水平面50dの幅方向(X軸方向)の寸法c2を50mmとした。
実施例1−1〜1−4は、いずれも式(4)を満たす。実施例1−1および実施例1−4は、式(2)を満たさず、実施例1−2および実施例1−3は、式(2)を満たす。
比較例1−1の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図8(A)に示すように、六角形状とした。
比較例1−1は、式(4)を満たさない。
比較例1−2の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図8(B)に示すように、短辺が鉛直方向下方側となる台形状、すなわち、四角形状とした。
比較例1−2において、寸法aは、ガラス溶融物高さGLと等しい。比較例1−2は、式(4)を満たさない。
比較例1−3の多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図8(C)に示すように、長方形状とした。
参照例のガラス溶融物流路の断面形状は、図9に示すように、半楕円形状とした。
実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−3、および参照例のいずれにおいても、式(5)を満たす形状とした。
ガラス溶融物流路の断面形状が全体にわたって上記の各形状となる流路にガラス溶融物Gを流した際における、ガラス溶融物Gの粒子Gb(図10参照)の動きをシミュレーションによって求めた。シミュレーションにおいては、ガラス溶融物Gに含まれる気泡によって生じる浮上力を考慮した。
対流が発生しているかどうかの評価は、攪拌指標を用いて行った。攪拌指標は、清澄槽の入口と出口とにおけるガラス溶融物Gの粒子Gbの鉛直方向の位置の単相関係数を1から引いたものである。攪拌指標が大きいほど対流が生じて、ガラス溶融物Gが攪拌されたことを示しており、攪拌指標が小さいほど対流を抑制できたことを示す。
シミュレーションは、清澄槽に導入されるガラス溶融物Gに含まれる気泡の気泡密度が、1000個/kg,1500個/kg,2000個/kgのそれぞれの場合について行った。気泡密度は、単位質量あたりのガラス溶融物G中に含まれる気泡の個数である。結果を表2に示す。なお、表2においては、気泡密度は、気泡密度指標で示している。気泡密度指標は、1000個/kgを1とした、気泡密度の比である。すなわち、表2において、気泡密度1000個/kg,1500個/kg,2000個/kgは、それぞれ、気泡密度指標1,1.5,2として表されている。
評価は、気泡密度指標が1,1.5,2のいずれにおいても攪拌指標が0.7以下となるものを◎、気泡密度指標が2では攪拌指標が0.7より大きくなるが、気泡密度指標が1、1.5において攪拌指標が0.7以下となるものを○、気泡密度指標が1.5および2において攪拌指標が0.7より大きくなるものを×とした。
ここで、基準となる攪拌指標0.7は、シミュレーションによって求めたガラス溶融物Gの混ざり具合から決定した。
図10に示すように、初期分布におけるガラス溶融物Gの粒子GbをZ軸方向に層状に分割して色付けし、清澄槽を通過した後の粒子Gbの混ざり具合を確かめた。図11に示すように、攪拌指数が0.64である場合には、初期分布に対して、ガラス溶融物Gの粒子GbのZ軸方向の分布が比較的崩れずに保持されていることが確かめられた。すなわち、攪拌指数が0.64では、粒子Gbの混ざり具合が小さいことが確かめられた。一方、図12に示すように、攪拌指数が0.8である場合には、初期分布に対して、ガラス溶融物Gの粒子Gbが複雑に混ざり合っていることが確かめられた。すなわち、攪拌指数が0.8では、粒子Gbの混ざり具合が大きいことが確かめられた。
以上により、攪拌指標が0.7以下では、ガラス溶融物Gの粒子Gbの混ざり具合が小さく、異質素地と共にガラス溶融物Gが攪拌されてしまうことを十分に抑制できることが確かめられた。すなわち、攪拌指標が0.7以下では、流路内の対流を十分に抑制できることが確かめられた。
表2から、気泡密度指標が1.5の場合において、比較例1−1〜1−3では攪拌指標が0.7より大きいのに対して、実施例1−1〜1−4では攪拌指標が0.7以下であることが確かめられた。これは、比較例1−1では、ガラス溶融物流路の断面形状が六角形であるものの、式(4)を満たしておらず、比較例1−2、比較例1−3では、ガラス溶融物流路の断面形状が四角形状(台形、長方形)であるためと考えられる。これにより、多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状が、式(4)を満たす六角形以上の多角形状である場合に、対流を十分抑制できることが確かめられた。
また、比較例1−3との対比から、実施例1−1〜1−4が、従来の矩形状の断面形状を有するガラス溶融物流路に比べて、ガラス溶融物Gの対流を抑制できることが確かめられた。
また、気泡密度指標が2の場合において、実施例1−1および実施例1−4では攪拌指標が0.7より大きいのに対して、実施例1−2および実施例1−3では攪拌指標が0.7以下であることが確かめられた。これにより、多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状が、式(2)を満たす場合に、流路内の対流をより抑制できることが確かめられた。
また、実施例1−1〜1−4と参照例とを比較すると、多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状を、式(4)を満たす六角形以上の多角形状とすることによって、対流の抑制効果をガラス溶融物流路の断面形状が半楕円形状の場合と同程度にできることが確かめられた。
また、以上の結果から、式(1)のa/Hは、0.35以上、0.50以下が、式(2)のa/bは、0.7以上、0.9以下が、式(3)のH/Wは、0.60以上、0.75以下が、とくに好ましいことがわかった。
(実施例2)
次に、多角形流路部の長さ、および清澄槽の流路における多角形流路部の設けられる位置をそれぞれ変化させた実施例2−1〜2−8について、対流の抑制効果をシミュレーションにより比較した。
多角形流路部におけるガラス溶融物流路の断面形状は、図7(C)に示す実施例1−3と同様とした。ガラス物品製造装置は、第1実施形態のガラス物品製造装置10、すなわち、門型の減圧脱泡装置とした。実施例2−1〜2−8においては、図1に示す清澄槽の全長Lに対する多角形流路部の開始位置までの距離Lsの比、全長Lに対する多角形流路部の終了位置までの距離Leの比、および全長Lに対する多角流路部の長さL1の比をそれぞれ変化させた。実施例2−1〜2−8の各パラメータと評価とを表3に示す。
実施例2−1〜2−5までにおいては、距離Lsの比を8.3%で固定し、距離Leの比を変化させた。実施例2−6〜2−8までにおいては、距離Leの比を41.7%で固定し、距離Lsの比を変化させた。
評価については、清澄槽(流路)の全長にわたって多角形流路部が形成されている場合と比較して、攪拌指標が同程度である場合を○、攪拌指標が低下する場合を△とした。
表3から、実施例2−1〜2−5を比較すると、実施例2−1〜2−4までは○であるのに対して、実施例2−5では△であることが分かった。これは、実施例2−5では、距離Leが小さく、多角形流路部の長さL1が十分でなかったために、多角形流路部を通過した後においてもガラス溶融物に気泡が多く含まれ、対流が生じてしまったためと考えられる。これにより、多角形流路部の長さL1は、清澄槽(流路)の全長Lの15%以上が好ましいことが確かめられた。
また、実施例2−6〜2−8を比較すると、実施例2−6では○であるのに対して、実施例2−7および実施例2−8では、△であることが分かった。これは、実施例2−7および実施例2−8では、開始位置までの距離Lsが大きく、気泡が多く含まれる清澄槽(流路)の上流側で効果的に対流を抑制できなかったためと考えられる。これにより、多角形流路部の開始位置までの距離Lsは、清澄槽(流路)の全長Lの17%以下が好ましいことが確かめられた。
以上の実施例により、本発明の有用性が確かめられた。
10,210…ガラス物品製造装置、11…溶解槽、13…上昇管、14,114,214…清澄槽、14a,114a,214a…流路、15…下降管、20…遮蔽板、30,50,130,230…多角形流路部、31,231…矩形流路部、32a,33a,50a,132a…底面、32d,132f…第1側面、32e,132g…第2側面、34a,34b,34c,34d…傾斜面、50e…側面、500…成形装置、a,b…寸法、G…ガラス溶融物、H…高さ(寸法)

Claims (13)

  1. 一方向に延びたガラス溶融物の耐火煉瓦製の流路を有する清澄槽であり、
    前記流路は、断面形状が六角形以上の多角形状である多角形流路部を有し、
    前記多角形流路部は、底面と、前記底面と垂直な第1側面と、前記底面と垂直で前記第1側面と対向する第2側面と、を有し、
    前記第1側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法と、前記第2側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法とは等しく、
    前記多角形流路部の前記底面の法線方向における寸法をHとし、前記第1側面の下端から前記底面までの前記底面の法線方向における寸法をaとしたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする清澄槽。
    0.25<a/H<0.52 …式(1)
  2. 前記底面における前記第1側面側の端部を第1端部、前記底面における前記第2側面側の端部を第2端部とし、
    前記第1端部から前記第1側面までの前記第1側面の法線方向における寸法と、前記第2端部から前記第2側面までの前記第2側面の法線方向における寸法と、をbとしたとき、以下の式(2)を満たす請求項1に記載の清澄槽。
    a/b≦1.4 …式(2)
  3. 前記多角形流路部は、前記清澄槽の前記一方向の全長に対する中心よりも前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側に設けられている請求項1または2に記載の清澄槽。
  4. 前記流路は、断面形状が矩形状である矩形流路部を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の清澄槽。
  5. 前記流路は、前記多角形流路部と前記矩形流路部とを接続する傾斜面を有する請求項4に記載の清澄槽。
  6. 前記流路内には、前記ガラス溶融物中の気泡を堰き止めるための遮蔽板が設けられ、
    前記遮蔽板は、前記多角形流路部よりも前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側に設けられる請求項1から5のいずれか一項に記載の清澄槽。
  7. 前記第1側面の法線方向における前記多角形流路部の寸法をWとしたとき、以下の式(3)を満たす請求項1から6のいずれか一項に記載の清澄槽。
    0.50<H/W<0.80 …式(3)
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の清澄槽を備え、前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側にガラス原料を溶解する溶解槽を備え、前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側に前記ガラス溶融物を成形してガラス物品とする成形装置を備えることを特徴とするガラス物品製造装置。
  9. 前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の上流側の端部に接続され、前記清澄槽から下方に延びる上昇管と、
    前記清澄槽の前記ガラス溶融物の流れ方向の下流側の端部に接続され、前記清澄槽から下方に延びる下降管と、
    前記清澄槽内を減圧する減圧手段と、をさらに備える請求項8に記載のガラス物品製造装置。
  10. 請求項8または9に記載のガラス物品製造装置を用いて、
    ガラス原料を溶解してガラス溶融物を製造する原料溶融工程と、
    前記ガラス溶融物を清澄する清澄工程と、
    前記清澄工程後のガラス溶融物を成形してガラス物品とする成形工程と、
    を有することを特徴とするガラス物品の製造方法。
  11. 前記清澄工程において、前記流路内は減圧される請求項10に記載のガラス物品の製造方法。
  12. 前記清澄工程において、前記ガラス溶融物は1500℃以上に加熱される請求項10に記載のガラス物品の製造方法。
  13. 一日あたりに処理される前記ガラス溶融物の総量が、10kg以上、20kg以下である請求項10から12のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
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