JP2015190810A - レーダ装置およびレーダ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率化を図ることができるレーダ装置を提供する。【解決手段】レーダ装置は、レンズアンテナまたは反射鏡アンテナまたはアレーアンテナを含むアンテナ部と、前記アンテナ部の一部または全部を覆うカバーと、を備え、前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制されるように、前記アンテナ部および前記カバーが構成された。【選択図】図3

Description

本発明は、レーダ装置およびレーダ方法に関する。
近年、自動車の安全装置機能の多様化に伴い、多くのアプリケーションを達成するために、様々な仕様のセンサー装置が必要とされる。前方方向監視センサーにおいては、従来装置以上の検出距離の延長と視野範囲の広角化が必要とされるなか、低コスト化や省スペース化も同時に求められている。
ここで、「検出距離の延長」と「視野範囲の広角化」は、どのような方式のセンサー装置であっても背反関係となることから、例えば、監視領域に応じて複数のセンサー装置を装備することが考えられる。しかしながら、このようなシステムでは、低コスト化や省スペース化が実現されない。そこで、特許文献1では、各領域に適合する複数のセンサーをモジュール化したセンサー装置が提案されている(特許文献1参照。)。この技術では、遠方の距離の対象物を検出するために、長距離伝搬と耐候性に優れた電波方式のレーダと、比較的安価で広範囲をカバーできる超音波センサーが適用されている。
一方、特許文献2では、2個のセンサーを同一の電波レーダ方式で統一化することが提案されている(特許文献2参照。)。この技術では、2個の領域に適合したアンテナを統合化した一つの共通備品が構成されている。
ところで、近年のセンサーの搭載条件は、設置の自由度、意匠性(デザイン性)、カメラセンサー機器との共用化の観点から、車室内またはサイドミラー等へのモジュール化が推進されている。特許文献3では、車室内のフロントガラスの上部に電波レーダとカメラセンサーとの複合装置を設置する方法が提案されている(特許文献3参照。)。また、特許文献4では、サイドミラーに装置を設置する方法が提案されている。このように、装置の設置場所の多様化が進んでいる(特許文献4参照。)。
[複数の検出領域をカバーできる複合センサー装置の小型化、低コスト化について]
複数の検出(検知)領域をカバーできる複合センサー装置には、幾つかの問題が存在する。
例えば、従来技術の一例(第1の従来技術という。)では、仕様が異なる複数のセンサー(電波レーダ)を搭載するが、これでは、センサーが占める車両占有面積が大きいことから、設置箇所の自由度が無く、意匠性にも欠ける。また、複数のセンサーユニットが必要であり、設置工数も増えることから、全体的なコストアップが避けられない。
一方、従来技術の他の一例(第2の従来技術という。)では、検出領域が異なる複数のセンサー機器をモジュール化するが、第1の従来技術と異なり、1個のセンサーユニットで構成されていることから、省スペース化の観点では良い。しかしながら、この技術に係る検出手法では、電波レーダと超音波センサーの2種の方式を用いおり、部品構成が全く異なることから、ユニットの寸法が大型化が懸念される。さらには、使用部品を共有できないことから、モジュール化に伴うコストメリットもさほど期待できない。
[複合センサー装置の性能と省スペース化について]
第2の従来技術では、2つの方式をモジュール化することで、第1の従来技術と比べると省スペース化される。しかしながら、中・近距離の領域については、比較的安価な超音波センサーを用いているため、電波レーダ以上の性能を確保することができない。具体的には、空気中を伝搬する音波は、電波と比べると著しく減衰するものであり、気候条件にも大きく左右される。また、超音波センサーでは、素子の大きさや波長に鑑みると、一般的なミリ波電波レーダ以上の分解能は得られない。なお、音波は電波と比べて伝播速度も遅いため、近年の高速レスポンスが求められる中・近距離のセンサーには適さない条件といえる。
従来技術の他の一例(第3の従来技術という。)における、共に電波レーダで構成された複数領域用のセンサーを用いる方式では、アンテナ(アンテナ素子)にプリント基板アレーアンテナを共用化することで、第1の従来技術よりも省スペース化される。また、第3の従来技術では、中・近距離について、第2の従来技術に関して述べた問題が解消され得る。しかしながら、パッチアレーアンテナでは、第1の従来技術と比べると放射効率が格段に落ちることから、同一開口面積でのシステム利得が著しく低い。したがって、第3の従来技術は、遠方距離の安定検出には向かない。アンテナ利得を増加させるためには、アンテナの大開口化が求められるが、仕様に適さないビームの先鋭化や視野の狭幅化、アンテナグレーティングローブの発生等によって安易にアンテナの利得を増加させることはできない。また、第3の従来技術では、共通基板でありながらアンテナごとの基板仕様が異なるなどのように、構造上の複雑さも問題である。
[複合センサー装置の設置と自由度について]
例えば、車室内やサイドミラー等にセンサー機器を設置する場合、視認性(法規も考慮する。)や意匠性の観点から、センサーが設置される方向の面積は大きく制限される。逆に、奥行き寸法には比較的余裕が生じる傾向にある。この条件から、車室内等に第1の従来技術を適用することは物理的に困難といえる。
なお、車室内やサイドミラー内に放射素子が設置される場合には、必ず放射素子の前面に誘電体のカバー(フロントガラスや樹脂カバー等)が存在することから、その分の透過減衰量を考慮すると、第3の従来技術を適用するためには、さらなるアンテナ開口の大型化が必要となるため、本条件での適用は困難であるといえる。また、同様に、超音波センサーについても、誘電体のカバーによる音波の減衰が著しいため、さらなる分解能と感度の低下が避けられない。
そこで、誘電体カバーによる減衰を抑制する方法として、特許文献3では、反射整合用の屈折ブロックや導電性プレートによる減衰量の低減が提案されているが、これらが放射素子の近辺にあるために放射素子の占有体積を縮小化しており、最大限のアンテナ開口を確保できずに、結果的に利得の低下を招いてしまう。同様に、特許文献4では、高周波基板による平面アンテナを適用したレーダ装置において、サイドミラーから遠方領域をカバーすることは困難であり、さらには、サイドミラーの樹脂カバーによる反射損失をコントロールすることができない。
国際公開第2006−034893号 特開2013−088364号公報 特表2012−505115号公報 特開2013−160607号公報
従来のレーダ装置では、高効率化が要求されていた。特に、レーダ装置により通信されるビーム(電波の信号)が車両のフロントガラスなどを通過するときに反射されることにより効率が低下することがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、効率化を図ることができるレーダ装置およびレーダ方法を提供することを課題とする。
(1)上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーダ装置は、レンズアンテナまたは反射鏡アンテナまたはアレーアンテナを含むアンテナ部と、前記アンテナ部の一部または全部を覆うカバーと、を備え、前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制されるように、前記アンテナ部および前記カバーが構成された。
(2)本発明の一態様は、上記した(1)に記載のレーダ装置において、前記アンテナ部は、前記レンズアンテナまたは前記反射鏡アンテナを含み、前記レンズアンテナまたは前記反射鏡アンテナは、レンズまたは反射鏡の形状の設計により、または、電子的あるいはメカ的な放射方向の走査により、マルチビームの特性を有する、構成としてもよい。
(3)本発明の一態様は、上記した(1)に記載のレーダ装置において、前記アンテナ部は、複数の前記アレーアンテナを含み、前記複数の前記アレーアンテナは、オフセット配置された、構成としてもよい。
(4)本発明の一態様は、上記した(1)に記載のレーダ装置において、前記アンテナ部は、複数の前記アレーアンテナを含み、前記複数の前記アレーアンテナについて、位相器、異なる配線長、または受信器のうちの1つ以上により、ビームの制御が行われる、構成としてもよい。
(5)本発明の一態様は、上記した(1)から上記した(4)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制される構成として、前記カバーと対向する面に対する所定の方向のビームの指向性を、前記カバーにおける反射が抑制される角度とする構成が用いられた、構成としてもよい。
(6)本発明の一態様は、上記した(1)から上記した(5)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記反射が抑制される構成として、全透過が実現される構成が用いられた、構成としてもよい。
(7)本発明の一態様は、上記した(1)から上記した(6)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記カバーは、誘電体のカバーである、構成としてもよい。
(8)本発明の一態様は、上記した(1)から上記した(7)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記カバーは、当該レーダ装置が設けられる車両における誘電体の部品の一部または全部から構成される、構成としてもよい。
(9)本発明の一態様は、上記した(1)から上記した(8)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、さらに、前記ビームの角度を調整する誘電体部品を備える、構成としてもよい。
(10)本発明の一態様は、上記した(9)に記載のレーダ装置において、前記誘電体部品は、フィルム状またはブロック状の形状を有する、構成としてもよい。
(11)本発明の一態様は、上記した(9)または上記した(10)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記誘電体部品は、前記誘電体部品の一方の面が前記カバーの一方の面に接触させられて設けられる、構成としてもよい。
(12)本発明の一態様は、上記した(9)から上記した(11)のいずれか1つに記載のレーダ装置において、前記カバーは、平面板の形状を有し、前記誘電体部品は、前記カバーの側の面が前記カバーの面と平行であり、前記カバーの側とは反対の側の面が前記カバーの面と平行または非平行である、構成としてもよい。
(13)上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーダ方法は、レンズアンテナまたは反射鏡アンテナまたはアレーアンテナを含むアンテナ部と、前記アンテナ部の一部または全部を覆うカバーについて、前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制されるように、前記アンテナ部および前記カバーが構成されたレーダ装置の前記アンテナ部によりビームを通信する。
本発明によれば、レーダ装置およびレーダ方法において、効率化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両の概略的な構成を示す図である。 ガラス面に対するビームの入射角および反射角と反射係数との関係の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーダ装置のアンテナの概略的な構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレンズアンテナにおけるマルチビームの指向性の特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーダ装置の他の構成例に係るアンテナの概略的な構成を示す図である。 (A)および(B)は信号の位相を調整する構成の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るレーダ装置の他の構成例に係るアンテナの概略的な構成を示す図である。 (A)は送信用のパッチアレーアンテナの一例を示す図であり、(B)は受信用の面パッチアレーアンテナの一例を示す図である。 アンテナ部とDBF部の概略的な構成を示す図である。 ビームの方向を調整する誘電体部品の概略的な構成の一例を示す図である。 (A)および(B)は他の構成例に係る誘電体部品の概略的な構成を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
[本実施形態に係るレーダ装置を搭載した車両の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両1の概略的な構成を示す図である。
本実施形態に係る車両1は、自動車であり、フロントガラス11や、サイドミラー12、13を備える。本実施形態では、車両1のフロントガラス11に、本実施形態に係るレーダ装置21を備える。
本実施形態では、フロントガラス11の左右方向の中央部(または、略中央部)であって上下方向の中央部ないし上部に、レーダ装置21が備えられる。また、本実施形態では、フロントガラス11の車室内の側にレーダ装置21が備えられる。
なお、レーダ装置21は、フロントガラス11における様々な位置に備えられてもよい。また、レーダ装置21は、車両1におけるフロントガラス11以外のところに備えられてもよい。
本実施形態に係るレーダ装置21は、車載用であり、電波レーダの機能を有する。
[ガラス面における反射について]
図2は、ガラス面に対するビームの入射角および反射角と反射係数との関係の一例を示す図である。本例では、ガラス面は、フロントガラス11の面である。このガラスは誘電体の材質を有しており、このガラスの近辺における比誘電率が8であるとする。
図2に示されるグラフでは、横軸はガラス面に対する入射角および反射角[deg]を表わしており、縦軸は反射係数(絶対値)を表わしている。TM入射の特性1001と、TE入射の特性1002を示してある。TM入射の特性1001では、反射係数がゼロ(0)となる全透過角1011(図2のグラフの例では、70deg付近の角度)が存在する。
ここで、TM入射は、ビームの電界方向がガラス面に対して垂直方向である。TM入射時の反射係数RTMは、式(1)により表される。
TE入射は、ビームの電界方向がガラス面に対して水平方向である。TE入射時の反射係数RTEは、式(2)により表される。
Figure 2015190810
Figure 2015190810
式(1)および式(2)において、ビームが媒質1を通過して媒質2(媒質1と媒質2との境界)で反射する場合、μは媒質1の透磁率を表し、μは媒質2の透磁率を表し、nは媒質1に対する媒質2の相対複素屈折率を表し、θはビームの入射角を表し、Eは入射波の電界を表し、Eは反射波の電界を表す。
図2に示されるように、TM入射の特性1001では、ビームがガラス面において全く反射することなく全ての電力が透過する入射角および反射角(全透過角1011)が存在する。そこで、本実施形態では、この全透過角1011にアンテナのビーム(平面波)が入射するように、アンテナを構成する。
[本実施形態に係るレーダ装置のアンテナの概要]
図3は、本発明の一実施形態に係るレーダ装置21のアンテナの概略的な構成を示す図である。図3は、車両1の横方向からフロントガラス11およびその周辺を見た様子の概略を示す。
図3の例では、レーダ装置21は、マルチビームのレンズアンテナを備える。このレンズアンテナは、一次放射器101と、レンズ102を備える。一次放射器101としては、例えば、パッチアンテナが用いられている。レンズ102としては、複焦点レンズが用いられる。
ここで、このレンズアンテナは、複数のビーム(マルチビーム)のうちのそれぞれを放射する複数の一次放射器を別個に備え、図3の例では、説明の便宜上、1個の一次放射器101のみを例示する。他の一次放射器についても同様である。
また、図3には、レンズ102の中心軸121を示してある。図3の例では、フロントガラス11の面とレンズ102の中心軸121とが直交しない配置となっており、マルチビームの入射角が調整された配置となっている。
具体的には、一次放射器101から放射されるビーム(光線)が、レンズ102を通過した後に、所定の向きに進む平面波の光線131を形成するように、レンズ102の形状や、一次放射器101の位置や、レンズ102の位置が設計されている。そして、この平面波の光線131が、フロントガラス11を通過した後に、平面波の光線132を形成するように、フロントガラス11に対するレンズアンテナ(一次放射器101やレンズ102)の配置が設計されている。この場合に、平面波の光線131がフロントガラス11に入射する角度が全透過角(または、それに近い角度)になるように設計されている。これにより、平面波の光線131がフロントガラス11を全透過(または、それに近い透過)して、その結果の平面波の光線132が伝搬していく。
なお、本実施形態では、フロントガラス11は、平面板の形状(または、それに近い形状)を有するとしている。
このように、図3の例に係るレンズアンテナでは、送信において、所望の方向(放射方向)に平面波のビーム(光線)を放射することができる。また、同様な構成を用いることで、受信において、当該所望の方向(到来方向)で平面波のビーム(光線)を受信することができる。
なお、図3の例において、ガラス(フロントガラス11)のブルースター角はφとなる。ガラス面からの掃射角は、ガラスが通常のガラス単体である場合には、入射角と同一の角度で放射される。これに対して、図3の例では、車載のガラスが積層ガラスであるため、入射のときの角度φと放射のときの角度θが多少ずれる。図3の例では、このような積層ガラスであることを考慮して、ビームの入射角を決定や調整などする。
図4は、本発明の一実施形態に係るレンズアンテナにおけるマルチビームの指向性の特性1101の一例を示す図である。
図4に示されるグラフにおいて、横軸は放射角[deg]を表しており、縦軸はゲイン(Gain)[dB]を表わしている。放射角は、レンズ102の中心軸121の方向の角度をゼロ(0)とした角度である。
図4の例では、10.5[deg]の角度の方向にビームを向けることができ、すなわち、この角度の方向に平面波が放射(掃射)されることと同意義になる。
このように、レーダ装置21のアンテナ(図3の例では、レンズアンテナ)から放射されるビームの方向とフロントガラス11の面との角度を調整することにより、当該ビームがフロントガラス11を通過するときにおける反射損失を低減することができ、効率化を図ることができる。例えば、ビームの電力が最大となるように当該角度を調整すること、または、ビームの電力が所定の閾値を超えるように当該角度を調整すること、などが可能である。
なお、反射損失を低減する程度としては、例えば、全透過、または、全透過に近い程度、が好ましいが、他の構成例として、他の程度で、反射損失の低減を図ることも可能である。
ここで、レーダ装置21は、例えば、レンズアンテナのレンズ102とレーダ装置21のレドム(カバー)とを一体化したレンズ兼アンテナカバーを備えてもよい。
一例として、レンズ兼アンテナカバーは、レンズ102と覆い部とを一体化して有し、レーダ装置21の送受の回路部の全体を覆うレドム(カバー)となっている。レンズ102と覆い部は、それぞれ、誘電体の材料(例えば、樹脂)を用いて構成されている。レンズ102と覆い部は、同じ材料を用いて構成されてもよく、または、異なる材料を用いて構成されてもよい。
また、本実施形態では、フロントガラス11も、レーダ装置21のカバーの一種ととらえることが可能である。この場合、レーダ装置21は、例えば、フロントガラス11により当該レーダ装置21の一部が覆われてもよく、または、フロントガラス11(および、必要であれば他の部品)により当該レーダ装置21の全部が覆われてもよい。また、フロントガラス11が、レーダ装置21のレンズ兼アンテナカバーにおけるレンズや覆い部の一部または全部と一体化されて構成されてもよい。
なお、レンズアンテナに関し、他の構成例として、複数の一次放射器を備える構成の代わりに、1個の一次放射器の位置や角度などを時分割で変化させることで、複数の一次放射器を備える場合と同様なビームの放射を行うことも可能である。
また、他の構成例として、レンズアンテナの代わりに、一次放射器と反射鏡を備える反射鏡アンテナ(例えば、パラボラアンテナ)が用いられてもよい。
[他の構成例に係るアンテナの概要]
図5は、本発明の一実施形態に係るレーダ装置21の他の構成例に係るアンテナの概略的な構成を示す図である。
図5の例では、レーダ装置21の基板(例えば、プリント基板)に、複数(図5の例では、4個)のアレーアンテナ201−1〜201−4と、受信部202を備える。これら複数のアレーアンテナ201−1〜201−4により、単一(1つ)のアンテナ群(ここでは、受信アンテナ群)が構成される。
アレーアンテナ201−1は、複数のアンテナ(1個のアンテナ221のみに符号を付してある。)を縦列に接続して構成されており、プリントアレーアンテナである。
アレーアンテナ201−2は、複数のアンテナ(1個のアンテナ222のみに符号を付してある。)を縦列に接続して構成されており、プリントアレーアンテナである。
アレーアンテナ201−3は、複数のアンテナ(1個のアンテナ223のみに符号を付してある。)を縦列に接続して構成されており、プリントアレーアンテナである。
アレーアンテナ201−4は、複数のアンテナ(1個のアンテナ224のみに符号を付してある。)を縦列に接続して構成されており、プリントアレーアンテナである。
各アレーアンテナ201−1〜201−4と受信部202とは、マイクロストリップライン(MSL:Micro Strip Line)を介して接続されている。
受信部202は、4個のアレーアンテナ201−1〜201−4を用いて、4個のチャンネル(例えば、受信1ch〜受信4ch)の信号を受信することが可能である。
受信部202として、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)素子の部品が用いられている。
なお、すべてのアレーアンテナ201−1〜201−4の各アンテナ(アンテナ221〜224など)として、パッチアンテナが用いられている。
ここで、図5の例では、所定の間隔(例えば、等しい間隔)で並べられた4個のアレーアンテナ201−1〜201−4のアンテナ部分を、当該並びの方向に対して垂直な方向(EL方向)に所定の距離dv(dvは0より大きい値)ずつずらして(オフセットさせて)、これら4個のアレーアンテナ201−1〜201−4が配置されている。また、このようなオフセット配置により形成される4個のアレーアンテナ201−1〜201−4の為す角度方向(ここでは、各アレーアンテナ201−1〜201−4の先端のアンテナ221〜224を結ぶ直線の方向)に対して垂直な方向に、各アレーアンテナ201−1〜201−4の全てのアンテナの指向性を向ける。このような構成により、4個のアレーアンテナ201−1〜201−4を備えたアンテナ群において、所望の方向(ここでは、前記したすべてのアンテナの指向性が向けられる角度の方向)でビームの平面位相が揃うようにしてある。
例えば、ビームの電力が最大となるように当該角度を調整すること、または、ビームの電力が所定の閾値を超えるように当該角度を調整すること、などが可能である。
このように、図5の例に係るアレーアンテナ201−1〜201−4においても、図3の例に係るレンズアンテナと同様に、送信において、所望の方向(放射方向)に平面波のビーム(光線)を放射することができる。また、同様な構成を用いることで、受信において、当該所望の方向(到来方向)で平面波のビーム(光線)を受信することができる。
このように、アレーアンテナ201−1〜201−4を用いてビームのチルトが可能である。
なお、図5の例に係るアンテナ群では、4個のアレーアンテナ201−1〜201−4がオフセット配置されることに対応して、各アレーアンテナ201−1〜201−4を通過する信号の位相を揃えるために、各アレーアンテナ201−1〜201−4と受信部202とを接続するマイクロストリップラインの長さ(配線長)が調整されている。図5の例では、各アレーアンテナ201−1〜201−4のアンテナ部分(複数のアンテナが並べられている部分)と受信部202との間のマイクロストリップラインの長さが異なる長さに調整されている。
図6(A)および図6(B)は、信号の位相を調整する構成の例を示す図である。
図6(A)は、複数(n個)の放射素子(アンテナ)301−1〜301−nを、隣接する2個の放射素子の間を配線321−1〜321−(n−1)で接続することで、接続する構成の例を示す。この例では、配線321−1〜321−(n−1)の長さを調整することで、複数の放射素子301−1〜301−nを有するアレーアンテナにおける信号(ビーム)の位相を調整することができる。
図6(B)は、複数(n個)の放射素子(アンテナ)401−1〜401−nを、隣接する2個の放射素子の間を配線421−1〜421−(n−1)で接続することで、接続し、さらに、各配線421−1〜421−(n−1)に位相器441−1〜441−nを備える構成の例を示す。この例では、配線421−1〜421−(n−1)の長さを調整することや、位相器441−1〜441−nにより当該位相器441−1〜441−nを通過する信号の位相を調整することで、複数の放射素子401−1〜401−nを有するアレーアンテナにおける信号(ビーム)の位相を調整することができる。他の構成例として、複数の配線のうちの一部のみに位相器が備えられてもよい。
このように、アレーアンテナにおいて、垂直方向(縦方向)でのアレー操作が可能な電子素子(例えば、配線、位相器など)を1つまたは複数接続することで、ビーム(信号)の位相を調整することが可能である。
なお、他の構成例として、図5の例に示されるようなオフセット配置を行わずに、オフセット無しで複数のアレーアンテナを配置し、例えば、垂直方向(縦方向)については複数のアレーアンテナが構成され、水平方向(横方向)についてはデジタルビームフォーミング(DBF:Digital Beam Forming)の処理(例えば、受信部におけるソフトウェアの処理)が行われる、構成が用いられてもよい。
また、図5の例では、垂直方向における単一の方向の素子配列のアレーアンテナ201−1〜201−4が用いられるが、例えば、水平方向のアレーアンテナが用いられてもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係るレーダ装置21の他の構成例に係るアンテナの概略的な構成を示す図である。図7は、車両の横方向からフロントガラス511およびその周辺を見た様子の概略を示す。
図7には、説明の便宜上、三次元の直交座標系であるXYZ軸を示してある。
図7の例では、レーダ装置21は、フロントガラス511に対して車両の内側に、受信用の面パッチアレーアンテナ501を備える。
図7の例では、フロントガラス511に対して車両の外側から到来波522が入射し、ガラス面を通過して、車両の内側に備えられた受信用の面パッチアレーアンテナ501に入射する。
面パッチアレーアンテナ501の角度(アンテナ角)と到来波522の角度(到来角)が良好(好ましくは、最適)になるように、面パッチアレーアンテナ501を設置する。具体例として、フロントガラス511のガラス面の角度に応じて、面パッチアレーアンテナ501と到来波522との角度(相対的な角度)を調整して、面パッチアレーアンテナ501を設置する。
なお、図7の例では、フロントガラス511は、平面板の形状(または、それに近い形状)を有するとしている。
図8(A)は、送信用のパッチアレーアンテナ501Tの一例を示す図である。
図8(A)の例では、送信用のパッチアレーアンテナ501Tは、方形(例えば、長方形や正方形など)の面を有する板状の基板を備え、当該面に計5(=5×1)個の放射器を備える。具体的には、送信用のパッチアレーアンテナ501Tは、当該面に、1つの辺に対して垂直方向(または、他の例として、水平方向)に5個並んだ計5個のパッチアンテナ(5個のパッチアンテナのうちの1個のパッチアンテナ601のみに符号を付してある。)を備える。それぞれのパッチアンテナ601は、正方形の面の中央部に1個の放射器を備える。
図8(A)には、説明の便宜上、図7に示されるものに対応するXYZ軸を示してある。
一構成例として、図7に示される面パッチアレーアンテナ501の代わりに、図8(A)に示される送信用のパッチアレーアンテナ501Tを設置する。この場合、図7に示される到来波522の代わりに、送信用のパッチアレーアンテナ501Tから放射されてフロントガラス511を通過して出力される出力波を想定する。
このような送信用の構成では、出力波の角度が良好(好ましくは、最適)になるように、送信用のパッチアレーアンテナ501Tを設置する。具体例として、フロントガラス511のガラス面の角度に応じて、送信用のパッチアレーアンテナ501Tの角度(相対的な角度)を調整して、送信用のパッチアレーアンテナ501Tを設置する。
このように、図8(A)の例では、送信用のアンテナをアレー化して走査することで、フロントガラス511のガラス面に垂直な方向へビームをチルトすることができる。
図8(B)は、受信用の面パッチアレーアンテナ501Rの一例を示す図である。
図8(B)の例では、受信用の面パッチアレーアンテナ501Rは、正方形の面を有する板状の基板を備え、当該正方形の面に計25(=5×5)個の放射器を備える。具体的には、受信用の面パッチアレーアンテナ501Rは、当該正方形の面に、1つの辺に対して垂直方向および水平方向のそれぞれに5個ずつ並んだ計25個の正方形のパッチアンテナ(25個のパッチアンテナのうちの1個のパッチアンテナ602のみに符号を付してある。)を備える。それぞれのパッチアンテナ602は、正方形の面の中央部に1個の放射器を備える。
図8(B)には、説明の便宜上、図7に示されるものに対応するXYZ軸を示してある。
一構成例として、図7に示される面パッチアレーアンテナ501として、図8(B)に示される受信用の面パッチアレーアンテナ501Rを設置する。
なお、送信用のアンテナとして、面パッチアレーアンテナが用いられてもよい。この場合、面パッチアレーアンテナが有する複数個の放射器のうちで2個以上の放射器(例えば、垂直方向または水平方向などに直線状に並んだ2個以上の放射器からなるアレーアンテナ)から電波を放射する。
図9は、アンテナ部701とDBF部702の概略的な構成を示す図である。
一例として、レーダ装置21の基板(例えば、プリント基板)に、アレーアンテナ(例えば、面パッチアレーアンテナなど)を有するアンテナ部701と、DBF部702(例えば、送信部または受信部に含まれる機能部)を備える。アレーアンテナにより、単一(1つ)のアンテナ群(ここでは、送信アンテナ群または受信アンテナ群)が構成される。
アンテナ部701(アレーアンテナ)とDBF部702とは、マイクロストリップライン(MSL)を介して接続されている。
DBF部702は、アンテナ部701(アレーアンテナ)により通信される信号(送信される信号、または、受信される信号)について、デジタルビームフォーミング(DBF)の処理を実行することが可能である。
DBF部702(例えば、それを含む送信部または受信部)として、MMIC素子の部品が用いられている。
DBF部702によりデジタルビームフォーミングを行うことにより、指向性を、所望の方向で平面位相が揃ったビームに合わせることができる。例えば、ビームの電力が最大となるように当該所望の方向(角度)を調整すること、または、ビームの電力が所定の閾値を超えるように当該所望の方向(角度)を調整すること、などが可能である。
このように、図7の例に係るアレーアンテナにおいても、例えば、図3の例に係るレンズアンテナと同様に、送信において、所望の方向(放射方向)に平面波のビーム(光線)を放射することができる。また、同様な構成を用いることで、受信において、当該所望の方向(到来方向)で平面波のビーム(光線)を受信することができる。
このように、アレーアンテナとDBF部702を用いてビームのチルトが可能である。
また、図7の例では、フロントガラス511の面(ガラス面)と面パッチアレーアンテナ501により形成される指向性とが直交しない配置となっており、ビームの入射角が調整された配置となっている。
具体的には、受信に関しては、DBF部702によるDBFにより形成される指向性が、平面波の光線(到来波522)が車両の外側からフロントガラス511を通過して車両の内側に入射するときの指向性に合うように、フロントガラス511に対するDBFの指向性が設計されている。この場合に、車両の外側からの光線(到来波522)がフロントガラス511に入射する角度が全透過角(または、それに近い角度)になるように設計されている。これにより、車両の外側からの光線(到来波522)がフロントガラス511を全透過(または、それに近い透過)する。
同様に、送信に関しては、アンテナから放射される光線が車両の内側からフロントガラス511を通過して車両の外側に出射するときに平面波の光線となるように、フロントガラス511に対するDBFの指向性(DBF部702によるDBFにより形成される指向性)が設計されている。この場合に、車両の内側からの光線がフロントガラス511に入射する角度が全透過角(または、それに近い角度)になるように設計されている。これにより、車両の内側からの光線がフロントガラス511を全透過(または、それに近い透過)する。
[誘電体部品によるビームの方向の調整]
本実施形態では、例えば、マルチビーム機能を適用することなどにより、指向方向の平面波がフロントガラスに対してブルースター角付近で入射するように調整することが実現される。しかしながら、フロントガラスのブルースター角は、ガラスの誘電率と入射電界の方向とで一意的に定まるため、現実では、設計の事情などにより、所望の角度(入射角や、放射角)に対してズレが生じる場合がある。
なお、通常は、垂直方向のビーム幅に余裕を持たせ、そのズレ量を吸収する設計としているが、さらに調整が必要な場合もある。具体例として、特許文献3に記載の方法や本提案の方法などにおいて、車両の内部(車室内部)でブルースター角に調整した場合には、必要に応じて、車両の外部で屈折角の調整を施すことが好ましいことがある。
そこで、ここでは、車両の外部に、屈折角(屈折方向)調整用の誘電体部品を設ける構成を示す。
誘電体部品の形状としては、様々な形状が用いられてもよい。例えば、誘電体部品として、フィルム状の形状を有する誘電体フィルムが用いられてもよく、または、ブロック状の形状を有する誘電体ブロックが用いられてもよい。
図10は、ビームの方向を調整する誘電体部品812の概略的な構成の一例を示す図である。図10は、車両の横方向からフロントガラス811(その断面)や誘電体部品812(その断面)およびこれらの周辺を見た様子の概略を示す。
図10の例では、レーダ装置21は、フロントガラス811に対して車両の内側に、マイクロストリップライン(MSL)を用いた面パッチアレーアンテナ801を備える。また、レーダ装置21は、車両の外側に、フロントガラス811のガラス面に接触させて、誘電体の材料を用いて構成された誘電体部品812を備える。
図10の例では、誘電体部品812はフロントガラス811のガラス面と平行な面を有する薄いフィルム状のシート(誘電体フィルム)であり、当該ガラス面と当該平行な面とが接触させられて設けられている。誘電体部品812は、フロントガラス811に対して、様々な手法で取り付けられてもよく、例えば、貼付されてもよく、または、周囲の端の数カ所で固定されてもよい。また、例えば、誘電体部品812は、フロントガラス811と一体で成形されてもよい。
誘電体部品812は、フロントガラス811の正面から見るときの形状(正面の形状)として、様々な形状が用いられてもよく、例えば、正方形、長方形、または、円形などの形状が用いられてもよい。誘電体部品812の正面の形状は、面パッチアレーアンテナ801により通信する光線(電波)の全てまたは必要な分が当該誘電体部品812を通過する大きさを有する。
このような誘電体部品812を備えることにより、レーダ装置21では、送信に関して、車両の外部へのビーム(光線822)の放射角度(最終的な放射方向)を調整することができる。同様に、このような誘電体部品812を備えることにより、レーダ装置21では、受信に関して、到来波の入射角度(最終的な入射方向)を調整することができる。
ここで、図10の例について、光線822の通過経路を説明する。
車両の外側かつ誘電体部品812の外側において、誘電体部品812の面(正面)に対する法線方向と光線822の方向とのなす角度をθ1とする。誘電体部品812の内部において、誘電体部品812の面(正面)に対する法線方向と光線822の方向とのなす角度をφ1とする。
フロントガラス811の内部において、フロントガラス811のガラス面に対する法線方向(図10の例では、誘電体部品812の面(正面)に対する法線方向と同じ方向)と光線822の方向とのなす角度をφ2とする。
車両の内側において、フロントガラス811のガラス面に対する法線方向と光線822の方向とのなす角度をθ2とする。
誘電率としては、フロントガラス811の誘電率ε(glass)や、誘電体部品812の誘電率ε(film)や、車両の外側の空気Air(Outside)や内側の空気Air(Inside)の誘電率ε(air)がある。
フレネルの公式から、ブルースター角を求め、アンテナのビーム方向を決定する。基本的には、誘電率が低いところから高いところへ入射する場合には、入射角>透過角の関係になる(スネルの法則)。図10の例では、ブルースター角が、数度程度、水平面からチルトしている。
車両の内側の空気層からフロントガラス811のガラス層に電波が透過する場合、ε(air)<ε(glass)により、θ2>φ2となる。
フロントガラス811のガラス層から誘電体部品812の誘電体フィルム層へ電波が透過する場合、ε(glass)>ε(film)と設定しておくことにより、φ2<φ1となる。なお、本実施形態のようにε(glass)>ε(film)となる誘電体部品812を使用することが好ましいと考えられるが、他の例として、ε(glass)<ε(film)となる誘電体部品812が用いられてもよい。
誘電体部品812の誘電体フィルム層から車両の外側の空気層へ電波が透過する場合、ε(film)>ε(air)により、φ1<θ1となる。
このような条件に従って、θ1が所望のビーム方向となるように、例えば、誘電体部品812の誘電率と掃射面の角度を調整することで、ガラスの反射による損失を軽減しながらビームの掃射方向を調整することができる。
ここで、誘電体部品812の厚さ(正面に対して垂直方向の厚さであり、図10の例では、フロントガラス811の厚さ方向と同じ方向の厚さ)としては、様々な厚さが用いられてもよく、好ましい一例として、内部反射を抑制するために、λ/4(λは光線の波長)の整数倍の厚さとなるように設計されてもよい。
なお、図10の例では、誘電体部品812の形状として、フィルム状が用いられるが、他の構成例として、ブロック状など、他の形状が用いられてもよい。
また、図10の例では、誘電体部品812が車両の外側に設けられるが、他の構成例として、誘電体部品812を車両の内側に設ける構成や、2個の誘電体部品812をそれぞれ車両の外側と内側に1個ずつ設ける構成が用いられてもよい。
また、図10の例では、フロントガラス811のガラス面と平行な面を有する誘電体部品812が用いられるが、他の構成例として、必要な条件(例えば、入射や誘電率の条件)に応じて、誘電体部品812の放射または入射の面(フロントガラス811とは反対側に配置される面)の角度とフロントガラス811のガラス面の角度とが異なる設計、つまり、例えば、誘電体部品812の一方の面はフロントガラス811のガラス面に平行であるが、誘電体部品812の他方の面はフロントガラス811のガラス面に平行ではない構成が用いられてもよい。
図11(A)および図11(B)は、それぞれ、他の構成例に係る誘電体部品901、902の概略的な構成を示す図である。
図11(A)および図11(B)には、それぞれ、説明の便宜上、フロントガラス811を示してある。
図11(A)の例における誘電体部品901や、図11(B)の例における誘電体部品902は、フロントガラス811のガラス面に接触させられる方の面は当該ガラス面と平行であり、その面に対向する面は当該ガラス面に非平行である(平行ではない)。
[本実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係るレーダ装置21では、アンテナ部(アンテナを有する部分)により通信(送信や受信)されるビームのカバーにおける反射が抑制される構成とした。これにより、本実施形態に係るレーダ装置21では、例えば、カバー(例えば、ガラスなど)の面を介してビームを送信や受信する場合に、当該面における反射損失を低減することができ、これにより、効率化を図ることができる。また、本実施形態に係るレーダ装置21では、ビームの方向を調整するための誘電体部品812、901〜902をカバーに対して備え、これにより、アンテナ部により通信されるビームの方向を所望の角度に調整することが可能である。
一例として、本実施形態に係るレーダ装置21では、車両のフロントガラスなどに設けられる場合に、効率化を図ることができる車載用のレーダ装置を実現することができる。
また、本実施形態では、レーダ装置21におけるレーダの構成や処理の方法(レーダ方法)を提供することができる。
<誘電体に取り囲まれたアンテナの設置箇所での対策について>
(第1構成例)
一構成例として、レーダ装置21は、マルチビームのレンズアンテナ、または、放射方向を走査することが可能なレンズアンテナを備える。他の構成例として、レーダ装置21は、反射鏡アンテナを備える。
マルチビームのレンズアンテナは、一例として、複数の放射器を用いて、レンズの形状の設計自体で実現され、または、他の一例として、単一の放射器を用いて、電子的あるいはメカ的な放射方向の走査により実現される。
そして、レーダ装置21では、誘電体のカバー(一例として、車両のフロントガラスなどのガラス)と対向する面に対する垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)のビームの指向性が、当該誘電体のカバーとの反射を抑制することができる角度に走査される。
(第2構成例)
一構成例として、レーダ装置21は、線状(例えば、モノポールやダイポールなど)またはパッチ方式のプリントアンテナによるアレーアンテナを備え、垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)に位相器(位相調整器)、異なる配線長、または受信器(例えば、デジタルビームフォーミングの機能)などを適用して、ビームの制御(例えば、位相の制御)を行う。この場合、レーダ装置21では、誘電体のカバー(一例として、車両のフロントガラスなどのガラス)と対向する面に対する垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)のビームの指向性が、ハードウェアまたはソフトウェアにより、当該誘電体のカバーとの反射を抑制することができる角度に走査される。
(第3構成例)
一構成例として、レーダ装置21は、誘電体のカバー(一例として、車両のフロントガラスなどのガラス)との対向面の水平方向(または、垂直方向などの所定の方向)における線状(例えば、モノポールやダイポールなど)またはパッチ方式のプリントアンテナの配列をそれぞれ垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)にチルト(例えば、オフセット配置)させる。この場合、レーダ装置21では、それぞれの受信素子に位相器(位相調整器)、異なる配線長、または受信器(例えば、デジタルビームフォーミングの機能)などが備えられて、ビームの制御(例えば、位相の制御)が行われてもよい。また、レーダ装置21では、誘電体のカバーと対向する面に対する垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)のビームの指向性が、ハードウェアまたはソフトウェアにより、当該誘電体のカバーとの反射を抑制することができる角度に走査される。
<誘電体に取り囲まれたアンテナの設置箇所での対策に関する効果について>
本実施形態に係るレーダ装置21では、レンズアンテナ(または、反射鏡アンテナ)によりマルチビームの特性を実現することで、当該アンテナがカバーされる誘電体(一例として、車両のフロントガラスなどのガラス)による無駄な反射損失を極力低減させる効果を得ることができる。本実施形態に係るレーダ装置21では、誘電体のカバーに対する放射される電磁波(ビーム)の入射角が全透過角(または、それに近い角度)に設定されることにより、反射係数を大きく低下することができる。本実施形態に係るレーダ装置21では、適切な入射角に平面波を掃射することができるように、マルチビームのレンズアンテナ(または、反射鏡アンテナ)のビームを指向させる。
本実施形態に係るレーダ装置21では、例えば、一般的な対策であるセンサー装置自体の角度調整(例えば、物理的にレーダの角度を振ること)を不要にすることが可能である。また、本実施形態に係るレーダ装置21では、放射用アンテナの二次的な効果を用いているため、例えば、入射角を調整するための屈折ブロックや導電性プレート(例えば、特許文献3参照。)を設ける必要をなくすことが可能である。本実施形態に係るレーダ装置21では、例えば、電気的なビームの走査を用いることで、物理的な調整を行うことができない(または、難しい)狭い空間においても、レンズ設計が可能な範囲において任意の入射角について容易に調整することが可能である。
また、本実施形態に係るレーダ装置21では、例えば、線状またはパッチ方式のプリントアンテナの垂直方向(または、水平方向などの所定の方向)における給電位相を調整することが可能な構成とし、ビームを走査することを可能とし、誘電体のカバー(一例として、車両のフロントガラスなどのガラス)への入射角の最適化を可能とする。
例えば、レーダ装置21は、パッチ方式(または、線状)のプリントアンテナに関し、指向性や利得を制御するために、アレーアンテナ化されてもよく、あるいは、ハードウェアにより指向性の合成処理(例えば、所望の指向性を形成する処理)が行われてもよく、あるいは、ソフトウェアによるデジタルビームフォーミングを用いて指向性の合成処理(例えば、所望の指向性を形成する処理)が行われてもよい。
例えば、レーダ装置21は、パッチ方式(または、線状)のプリントアンテナに、指向性や利得を制御するための部品(例えば、誘電体導波路や金属フレアの部品)を備えてもよい。
なお、本実施形態では、誘電体のカバーとして、車両のフロントガラスが用いられたが、他の構成例として、車両における他の部品が用いられてもよい。例えば、全方位レーダを想定する場合などにおいて、誘電体のカバーとして、車両のサイドミラーにおける樹脂カバーが用いられてもよく、または、車両のリアのバンパーの裏などにおける樹脂カバーが用いられてもよい。また、例えば、盗難防止用のレーダが想定される場合などにおいて、誘電体のカバーとして、車内(車両の内部)の内装品の裏側などのカバーが用いられてもよく、具体例として、フロントパネルの内部のカバー、室内灯にあるカバー、ホイールの内部にあるカバー、天井の金属の下にあるカバーなどが用いられてもよい。このように、誘電体のカバーとして、車両の外装または内装にある様々な誘電体のカバーが用いられてもよい。
また、本実施形態では、レーダ装置が車両に設けられる構成が示されたが、他の構成例として、レーダ装置が車両以外の様々なところに設けられてもよい。
[以上の実施形態のまとめ]
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、以上に示した実施形態に係る各装置や各処理部など(例えば、送信部、受信部)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…車両、11、511、811…フロントガラス、12、13…サイドミラー、21…レーダ装置、101…一次放射器、102…レンズ、121…中心軸、131〜132、822…光線、201−1〜201−4…アレーアンテナ、202…受信部、221〜224…アンテナ、301−1〜301−n、401−1〜401−n…放射素子、321−1〜321−(n−1)、421−1〜421−(n−1)…配線、441−1〜441−(n−1)…位相器、501、501R、801…面パッチアレーアンテナ、501T…パッチアレーアンテナ、522…到来波、601〜602…パッチアンテナ、701…アンテナ部、702…DBF部、812、901〜902…誘電体部品、1001〜1002、1101…特性、1011…全透過角

Claims (13)

  1. レンズアンテナまたは反射鏡アンテナまたはアレーアンテナを含むアンテナ部と、前記アンテナ部の一部または全部を覆うカバーと、を備え、
    前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制されるように、前記アンテナ部および前記カバーが構成された、
    レーダ装置。
  2. 前記アンテナ部は、前記レンズアンテナまたは前記反射鏡アンテナを含み、
    前記レンズアンテナまたは前記反射鏡アンテナは、レンズまたは反射鏡の形状の設計により、または、電子的あるいはメカ的な放射方向の走査により、マルチビームの特性を有する、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記アンテナ部は、複数の前記アレーアンテナを含み、
    前記複数の前記アレーアンテナは、オフセット配置された、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  4. 前記アンテナ部は、複数の前記アレーアンテナを含み、
    前記複数の前記アレーアンテナについて、位相器、異なる配線長、または受信器のうちの1つ以上により、ビームの制御が行われる、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  5. 前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制される構成として、前記カバーと対向する面に対する所定の方向のビームの指向性を、前記カバーにおける反射が抑制される角度とする構成が用いられた、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記反射が抑制される構成として、全透過が実現される構成が用いられた、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  7. 前記カバーは、誘電体のカバーである、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  8. 前記カバーは、当該レーダ装置が設けられる車両における誘電体の部品の一部または全部から構成される、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  9. さらに、前記ビームの角度を調整する誘電体部品を備える、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  10. 前記誘電体部品は、フィルム状またはブロック状の形状を有する、
    請求項9に記載のレーダ装置。
  11. 前記誘電体部品は、前記誘電体部品の一方の面が前記カバーの一方の面に接触させられて設けられる、
    請求項9または請求項10のいずれか1つに記載のレーダ装置。
  12. 前記カバーは、平面板の形状を有し、
    前記誘電体部品は、前記カバーの側の面が前記カバーの面と平行であり、前記カバーの側とは反対の側の面が前記カバーの面と平行または非平行である、
    請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  13. レンズアンテナまたは反射鏡アンテナまたはアレーアンテナを含むアンテナ部と、前記アンテナ部の一部または全部を覆うカバーについて、前記アンテナ部により通信されるビームの前記カバーにおける反射が抑制されるように、前記アンテナ部および前記カバーが構成されたレーダ装置の前記アンテナ部によりビームを通信する、
    レーダ方法。
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