JP2015190821A - 回転体、回転基準検出装置、および翼振動データ取得装置 - Google Patents

回転体、回転基準検出装置、および翼振動データ取得装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転体における外周面の研磨の有無にかかわらず、キー溝と塗料を用いなくても、高精度に回転基準を検出可能にする回転基準を設けた回転体を提供する。【解決手段】回転体10は、その周面13において、周方向に隣接する暗色部13aと明色部13bとを含む。暗色部13aと明色部13bとの境界が回転基準Rとして機能する。暗色部13aは、周面13の土台となる金属に、化成処理を施すことにより形成された暗色の化成被膜であり、明色部13bは、暗色部13aよりも高い光の反射率を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転駆動され、その回転軸まわりの周方向における基準位置を示す回転基準が設けられた回転体に関する。また、本発明は、この回転体を備える回転基準検出装置と翼振動データ取得装置に関する。
本願において、回転体は、例えば、ターボ機械や圧縮機などの流体機械(回転機械)に設けられ、その回転軸まわりに回転駆動されるものである。また、本願において、回転体は、その回転軸まわりに回転駆動される歯車であってもよい。
回転体の回転数、回転角、振動特性などを計測するために、回転体に回転基準を設けることが行われている。この回転基準は、回転体の回転軸まわりの周方向における基準位置を示す。このような回転基準を設けた回転体の回転数や振動特性を計測する装置が、例えば下記の特許文献1、2に記載されている。
特許文献1では、次のように、回転基準を設けて回転体の回転数を計測している。この文献では、回転体は、ターボ―チャージャのタービンシャフトである。タービンシャフトに設けられた過給側インペラの先端に六角ナットを設けている。この六角ナットの外周面である六面のうち一面を研磨し、この一面を反射部にしている。反射部は、回転基準として機能する。回転基準は、タービンシャフトと共に回転して、一回転する度に、周方向における基準通過静止位置を通過する。この基準通過静止位置に光を照射する発光部を設けている。反射部は、タービンシャフトが一回転する度に、基準通過静止位置にて、発光部からの光を反射するので、この反射光により回転基準信号(パルス信号)を生成する。この回転基準信号に基づいてタービンシャフトの回転数を計測している。
特許文献2では、次のように、回転基準を設けて回転体の回転翼の振動特性を計測している。この文献では、回転体は、ガスタービンの回転シャフトである。回転シャフトにおいて、回転体の回転軸まわりの周方向における一箇所に回転基準を設けている。この回転基準は、タービンシャフトと共に回転して、一回転する度に、周方向における基準通過静止位置を通過する。回転基準がこの基準通過静止位置を通過する時点を検出するとともに、回転シャフトに設けた回転翼が、翼通過静止位置を通過する時点を検出している。これらの検出結果に基づいて、回転翼の振動特性を求めている。
なお、下記の特許文献3は、本発明に関連するクロメート処理が記載されている。
実開平2−89362号公報 特開2001−165089号公報 特開2007−154286号公報
特許文献1では、六角ナットの一面を研磨しているが、例えば、回転体の外周全体が既に研磨されている場合や、回転体の外周全体を研磨することが好ましい場合には、外周全体の研磨により回転基準を設けることができない。そのため、回転体における外周全体の研磨の有無にかかわらず、回転基準を設けられるようにすることが望まれる。
また、回転体の周方向一箇所に、回転基準としてキー溝を設けることもできる。しかし、キー溝を設ける場合には、回転体に、追加の機械加工を行う必要がある。このような機械加工を省略したい場合もある。
また、回転体の周方向一箇所に、回転基準として油性塗料を塗布することもできる。しかし、回転体の回転速度が高い場合には、塗料に作用する遠心力により塗料が剥がれてしまう。また、回転体が高温になる場合には、塗料が溶けて剥がれてしまう。
そこで、本発明の目的は、回転体における外周面の研磨の有無にかかわらず、キー溝と塗料を用いなくても、高精度に回転基準を検出可能にする回転基準を設けた回転体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、このような回転体を備える回転基準検出装置および翼振動データ取得装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明によると、回転軸まわりに回転駆動される回転体であって、
前記回転軸まわりの周方向に延びる周面を含み、該周面における前記周方向の設定位置に回転基準が設けられており、
回転体が一回転する度に、回転する前記回転基準が、基準検出用の光センサからの光が照射される基準通過静止位置を通過することにより、基準通過静止位置からの反射光の強度が変化し、この変化に基づいて回転基準信号が生成され、
前記回転体は、前記周面において、前記周方向に隣接する暗色部と明色部とを含み、暗色部と明色部との境界が前記回転基準として機能し、
暗色部は、前記周面の土台となる金属に、化成処理を施すことにより形成された暗色の化成被膜であり、明色部は、暗色部よりも高い光の反射率を有する、ことを特徴とする回転体が提供される。
本発明は、例えば、以下のように構成される。
前記化成処理はクロメート処理であり、前記化成被膜はクロメート被膜である。
前記化成被膜の色は黒である。
このように化成被膜の色を黒にすることにより、回転基準が、基準通過静止位置を通過する時における、基準通過静止位置からの反射光の強度変化を最も大きくできる。
前記明色部は、回転体の地金、または、回転体の地金上に形成された金属メッキ層である。
このように、明色部は、回転体を形成する回転体の地金、または、回転体に強固に結合された金属メッキ層である。したがって、回転体が高速で回転しても、回転基準を構成する明色部(回転体の地金またはメッキ層)が遠心力の作用により回転体から剥がれることを防止できる。
また、本発明によると、上述の回転体と、前記回転基準を検出する基準検出用の光センサと、を備え、
基準検出用の光センサは、基準通過静止位置に光を照射し、基準通過静止位置からの反射光を受け、前記回転基準が基準通過静止位置を通過する時に生じる前記反射光の強度変化を示す回転基準信号を出力する、ことを特徴とする回転基準検出装置が提供される。
さらに、本発明によると、上述の回転基準検出装置を備える翼振動データ取得装置であって、
前記回転体は、前記回転軸と平行な軸方向の設定位置にて、前記周方向に間隔をおいて設けられた複数の回転翼を有するインペラを含み、
前記回転翼を検出する翼検出用の光センサを備え、翼検出用の光センサは、翼通過静止位置に光を照射し、回転翼が翼通過静止位置にある時に、該回転翼から該光の反射光を受け、この反射光による翼検出信号を出力し、
基準検出用の光センサからの前記回転基準信号と、翼検出用の光センサからの翼検出信号とから、該翼検出信号に対応する回転翼が、複数の回転翼のいずれであるかを認識するとともに、周期的に出力される前記回転基準信号に基づいて前記回転体の回転周期または回転数を求め、該認識と該回転周期または回転数に基づいて、該回転翼の振動を表わす振動データを求める信号処理部を備える、ことを特徴とする翼振動データ取得装置が提供される。
本発明の翼振動データ取得装置では、基準検出用の光センサと翼検出用の光センサとは、光を用いる同じ種類のセンサである。したがって、センサの種類による誤差を無くすことができる。
すなわち、回転基準が基準通過静止位置を通過することを検出するセンサの種類と、回転翼が翼通過静止位置を通過することを検出するセンサの種類とが互いに異なる場合(例えば、前者が光学式であり、後者が磁気式の場合)には、回転基準が基準通過静止位置を通過した時点から、その旨を示す回転基準信号が出力されるまでの応答時間と、回転翼が翼通過静止位置を通過した時点から、その旨を示す翼検出信号が出力されるまでの応答時間とに差が生じる可能性がある。この差により、基準通過静止位置を通過した回転翼が、複数の回転翼のいずれであるかを正しく認識できなくなる可能性がある。回転基準信号の出力時点に対する翼検出信号の出力時点の位相により、この翼検出信号に対応する回転翼が、信号処理部に認識されるからである。
これに対して、本発明の翼振動データ取得装置では、光を用いる同じ種類のセンサを用いるので、応答時間に差が生じることを回避できる。
また、暗色部(化成被膜)と明色部との境界により、回転基準信号を高精度に生成できる。したがって、回転基準信号は、回転基準が基準通過静止位置を通過する時点を高精度に示す。
このように、センサの種類による誤差を無くし、かつ、回転基準信号を高精度に生成できるので、振動データの精度が大幅に向上する。
例えば、前記回転体は、前記軸方向に間隔をおいて位置し、それぞれ、複数のラジアル軸受に支持される複数の被支持部を含み、
前記回転基準は、前記軸方向に関して、前記複数の被支持部のうち前記インペラに最も近い被支持部と、前記インペラとの間に位置する。
このように、インペラに近い位置に、回転基準を設けることにより、上述の振動データに、回転体の回転時に生じ得る回転体のねじれの影響が反映されることを防止できる。
上述した本発明の回転体によると、回転体に強固に結合される化成被膜により回転基準を構成している。したがって、周面と回転中心との距離が大きい場合に、回転体が高速で回転しても、回転基準を構成する化成被膜が遠心力の作用により回転体から剥がれることを防止できる。
また、回転体の周面の土台となる金属が周方向全体にわたって既に研磨されている場合でも、この金属上に化成被膜を形成することにより回転基準を構成することができる。
さらに、暗色の化成被膜(暗色部)と、光の反射率が高い明色部との境界が回転基準であるので、回転基準が、基準通過静止位置を通過することにより、基準通過静止位置からの反射光の強度が大きく変化する。したがって、回転基準を高精度に検出できる。
よって、回転体における外周面の研磨の有無にかかわらず、キー溝や塗料を用いなくても、高精度に回転基準を検出できる。
本発明の実施形態による回転体の一例を示す。 回転体に形成するクロメート被膜を示す。 回転体のインペラを概略的に示す。
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1(A)は、本発明の実施形態による回転体10の一例を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B線断面図である。回転体10は、その回転軸Cまわりに回転駆動される。回転体10は、産業用圧縮機に設けられる。図1(A)において、回転体10は、回転シャフト3と歯車5とインペラ7と複数の被支持部9を備える。回転シャフト3は、回転軸Cまわりに回転可能にラジアル軸受11に支持される。歯車5は、回転シャフト3と同軸に回転シャフト3に固定される。歯車5は、別の歯車6に噛み合っている。この歯車6が、適宜の手段で回転駆動されることにより、歯車6から歯車5へ回転駆動力が伝達されて、回転体10が回転駆動される。インペラ7は、回転軸Cと平行な軸方向(以下、単に軸方向という)の設定位置にて、複数の回転翼7aを備える。複数の回転翼7aは、回転シャフト3に固定され回転軸Cまわりの周方向(以下、単に周方向という)に間隔をおいて配置されている。複数の被支持部9は、軸方向に間隔をおいて位置し、それぞれ、複数のラジアル軸受11にその半径方向(軸方向に直交する方向。以下同様)の荷重が支持される。歯車6から歯車5に伝達された回転駆動力で回転体10が回転駆動されることにより、インペラ7が回転して流体を圧縮する。
回転体10は、周方向に延びる周面13を含む。図1(B)に示すように、周面13における周方向の設定位置に回転基準Rが設けられる。この例では、周面13は、回転体10の半径方向外側を向く外周面である。
回転基準Rは、回転体10とともに、回転軸Cまわりに回転する。回転体10が一回転する度に、回転する回転基準Rは、基準検出用の光センサ15からの光が照射される基準通過静止位置P(図1(B)の破線で囲んだ部分)を通過する。これにより、基準通過静止位置Pからの反射光の強度が変化し、この変化に基づいて回転基準信号が基準検出用の光センサ15により生成され出力される。
回転体10は、周面13において、周方向に隣接する暗色部13aと明色部13bとを含む。暗色部13aと明色部13bとの境界が回転基準Rとして機能する。
暗色部13aは、周面13の土台となる金属に、化成処理を施すことにより形成された暗色の化成被膜である。化成処理とは、周面13の土台となる金属に、化成処理液を接触させることにより、この金属と化成処理液とから化学的に合成された被膜を意味する。
本実施形態によると、化成処理はクロメート処理であり、化成被膜13aはクロメート被膜であり、化成処理液は、クロム酸溶液である。すなわち、暗色部13aは、周面13の土台となる金属に、クロメート処理を施すことにより形成された暗色(好ましくは黒色)のクロメート被膜である。
周面13の土台となる金属は、回転体10の地金10a、または、回転体10の地金10a上に形成された金属メッキ層10bである。回転体10の地金10aは、化成被膜13aよりも内側(図1(B)では半径方向内側)に存在し、回転体10を構成する金属である。回転体10の地金10aは、例えば、鉄、鋼、銅、亜鉛、ニッケル合金などであるが、これらに限定されない。また、上述の金属メッキ層10bは、好ましくは、亜鉛メッキ層または亜鉛合金メッキ層であるが、化成被膜13aが形成可能な他のメッキ層であってもよい。
クロメート被膜13aの形成の一例を、図2に基づいて説明する。図2は、図1(B)の部分拡大図である。最初に、図2に示すように、回転体10の地金10a上に亜鉛メッキを施すことにより、地金10a上に亜鉛メッキ層10bを、周面13の土台となる金属として形成する。その後、この亜鉛メッキ層10bにクロメート処理を行うことにより、周面13を構成する暗色(好ましくは黒色)のクロメート被膜13aを形成する。
明色部13bは、暗色部13aよりも高い光の反射率(以下、単に反射率という)を有する。例えば、明色部13bは、暗色部13aの反射率の2倍以上の反射率を有する。好ましくは、明色部13bは、暗色部13aの反射率の5倍以上の反射率を有する。より好ましくは、明色部13bは、暗色部13aの反射率の7倍以上の反射率を有する。明色部13bの明色と暗色部13aの暗色は、それぞれ、このような反射率の関係が得られるような明度を有する。暗色部13aの暗色は、好ましくは黒である。
明色部13bは、回転体10の地金10a、または、回転体10の地金10a上に形成された金属メッキ層10bである。
図1と図2の例では、クロメート被膜である暗色部13aと、明色部13bとを次のように形成している。最初に、回転基準Rを設ける軸方向部位において、周方向全体にわたって、回転体10の地金10a上に、亜鉛メッキ層10bまたは亜鉛合金メッキ層10b(ここでは、単にメッキ層10bという)を形成する。メッキ層10bの厚みは、例えば3μm程度である。その後、メッキ層10bを水洗いし、明色部13bとなるメッキ層10bの領域を除いたメッキ層10bの領域に対し硝酸活性化処理を行う。次に、明色部13bとなるメッキ層10bの領域を除いたメッキ層10bの領域にクロム酸溶液を塗ることにより、明色部13bとなるメッキ層10bの領域を除いたメッキ層10bの領域にクロメート被膜13aを形成する。その後、クロメート被膜13aを水洗いし、次いで、クロメート被膜13aを乾燥させる。なお、クロメート処理の詳細の一例は、特許文献3に記載されている。
このようなクロメート処理が施された周面13は、クロメート被膜13aを暗色部13aとして有し、クロメート被膜13aが形成されていない亜鉛メッキ層10bまたは亜鉛合金メッキ層10bの外表面を明色部13bとして有する。なお、図1(B)の例では、明色部13bは、周面13における局所領域であり、明色部13bの周方向寸法は、暗色部13aの周方向寸法よりも大幅に小さく(例えば、暗色部13aの周方向寸法の1/10以下であり)、周面13における明色部13b以外の領域は全て暗色部13aである。この場合、一例では、明色部13bの周方向寸法は、1mm〜2mmである。
なお、別の一例として、次のようにしてもよい。すなわち、暗色部13aは、周面13における局所領域であり、暗色部13aの周方向寸法は、明色部13bの周方向寸法よりも大幅に小さく(例えば、明色部13bの周方向寸法の1/10以下であり)、周面13における暗色部13a以外の領域はすべて明色部13bであってもよい。
次に、上述の回転体10を備える本発明の実施形態による回転基準検出装置20について説明する。
回転基準検出装置20は、回転基準Rを検出する基準検出用の光センサ15をさらに備える。基準検出用の光センサ15は、回転体10が一回転する度に回転基準Rが一回通過する基準通過静止位置Pに光を照射する。この光は、基準通過静止位置Pにある周面13の部分に反射される。基準検出用の光センサ15は、基準通過静止位置Pからの反射光を受ける。基準検出用の光センサ15は、回転基準Rが基準通過静止位置Pを通過する時に生じる反射光の強度変化を示す回転基準信号を出力する。
本実施形態によると、基準検出用の光センサ15は、基準通過静止位置Pからの反射光の強度に応じた大きさの電気信号を出力する。電気信号は、例えば、電圧値または電流値である。反射光の強度が大きいほど、電気信号の大きさも大きくなる。この場合、回転基準信号は、基準通過静止位置Pに暗色部13aがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号の大きさから、基準通過静止位置Pに明色部13bがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号の大きさへの変化である。一例では、基準通過静止位置Pに暗色部13aがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号は、0.77Vの電圧値であり、基準通過静止位置Pに明色部13bがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号は、6.4Vである。回転基準Rが基準通過静止位置Pを通過することにより、電圧値が、0.77Vから6.4Vへ急激に立ち上がるので、高精度な回転基準信号が得られる。
図1(A)の例では、基準検出用の光センサ15は、静止側に設けられたシール部16に取り付けられている。より詳しくは、シール部16における、インペラ7と反対側の軸方向を向く側面に、基準検出用の光センサ15が取り付けられている。シール部16は、回転体10の外周面との間をシールすることにより、複数のラジアル軸受11のうち最もインペラ7に近いラジアル軸受11に供給された潤滑油がインペラ7側へ流入することを防止する。シール部16は、例えば、ラビリンスシールにより構成される。
次に、上述の回転基準検出装置20を備える本発明の実施形態による翼振動データ取得装置30について説明する。
図3は、図1(A)のIII−III線矢視図であり、インペラ7を概略的に示す。図1(A)と図3に示すように、翼振動データ取得装置30は、回転翼7aを検出する翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dと、回転翼7aの振動を表わす振動データを求める信号処理部19とをさらに備える。
翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dの各々は、回転体10が一回転する度に各回転翼7aが一回通過する翼通過静止位置P1,P2,P3,P4(図3の破線で囲んだ部分)に光を照射する。図3の例では、翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dは、それぞれ、4つの翼通過静止位置P1,P2,P3,P4に光を照射する。翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dからの光は、対応する翼通過静止位置P1,P2,P3,P4に回転翼7aがある時に、この回転翼7aにより反射される。翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dは、対応する翼通過静止位置P1,P2,P3,P4にある回転翼7aの反射光を受ける。翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dは、各回転翼7aが対応する翼通過静止位置P1,P2,P3,P4を通過する時に、この回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力する。
信号処理部19は、基準検出用の光センサ15から出力された回転基準信号と、翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dから出力された翼検出信号とから、この翼検出信号に対応する回転翼7aが、複数の回転翼7aのいずれであるかを認識する。すなわち、回転基準信号の出力時点と翼検出信号の出力時点との時間差、および、回転基準Rと各回転翼7aとの既知の位置関係に基づいて、信号処理部19は、翼検出信号に対応する回転翼7aが、複数の回転翼7aのいずれであるかを認識する。また、信号処理部19は、基準検出用の光センサ15から周期的に出力される回転基準信号に基づいて回転体10の回転周期または回転数(すなわち、単位時間での回転数。以下同様)を求め、上述の認識とこの回転周期または回転数に基づいて、回転翼7aの振動を表わす振動データを求める。
振動データは、回転翼7aの振動振幅を示すデータと振動数を示すデータの一方または両方を含む。ここで、回転翼7aの振動振幅は、周方向における回転翼7aの振動の振幅であり、回転翼7aの振動数は、この振動の振動数である。
振動データの一例を、図3に基づいて説明する。図3に示すように、第1〜第4の翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dを、それぞれ、4つの周方向位置に配置する。4つの翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dは、それぞれ、上述のように、第1〜第4の翼通過静止位置P1,P2,P3,P4に光を照射する。第1〜第4の翼通過静止位置P1,P2,P3,P4は、周方向に互いにずれている。
信号処理部19は、基準検出用の光センサ15から出力された回転基準信号と、第1〜第4の翼検出用の光センサ17a,17b,17c,17dから出力された翼検出信号に基づいて、振動データを算出する。一例では、信号処理部19は、次の[数1]の3つの方程式を連立させて解くことにより、振動データとして、振動振幅aと、振動数を示す振動数比nと位相Φを算出する。振動数比nは、回転翼7aの振動数を、回転体10の回転数で割った値である。
Figure 2015190821
[数1]において、各記号は、次の通りである。
aは、上述の振動振幅であり、nは、上述の振動数比であり、Φは、上述の位相である。a,n,Φは、未知数であり、信号処理部19により算出される。
は、回転体10の回転周期であり、基準検出用の光センサ15から周期的に出力される回転基準信号に基づいて、信号処理部19により求められる。
12は、特定の回転翼7aが第1の翼通過静止位置P1を通過した時に第1の光センサ17aがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点と、同じ特定の回転翼7aが第2の翼通過静止位置P2を通過した時に第2の光センサ17bがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点との時間差である。
23は、上述と同じ特定の回転翼7aが第2の翼通過静止位置P2を通過した時に第2の光センサ17bがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点と、同じ特定の回転翼7aが第3の翼通過静止位置P3を通過した時に第3の光センサ17cがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点との時間差である。
34は、上述と同じ特定の回転翼7aが第3の翼通過静止位置P3を通過した時に第3の光センサ17cがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点と、同じ特定の回転翼7aが第4の翼通過静止位置P4を通過した時に第4の光センサ17dがこの回転翼7aからの反射光による翼検出信号を出力した時点との時間差である。
12,T23,T34は、基準検出用の光センサ15から出力される回転基準信号と、第1〜第4の光センサ17a,17b,17c,17dから出力される翼検出信号とに基づいて、信号処理部19により求められる。
uは、回転翼7aの周方向速度であり、基準検出用の光センサ15から周期的に出力される回転基準信号と回転翼7aの既知の半径方向位置とに基づいて、信号処理部19により求められる。
Sθは、基準検出用の光センサ15に対する第1の光センサ17aの周方向位置を示す角度である。Sθは、基準検出用の光センサ15に対する第2の光センサ17bの周方向位置を示す角度である。Sθは、基準検出用の光センサ15に対する第3の光センサ17cの周方向位置を示す角度である。Sθは、基準検出用の光センサ15に対する第4の光センサ17dの周方向位置を示す角度である。Sθ,Sθ,Sθ,Sθは、既知である。
rは、回転体10の回転数であり、基準検出用の光センサ15から周期的に出力される回転基準信号に基づいて求められる。
Bθは、回転基準Rに対する上述の特定の回転翼7aの周方向位置を示す角度である。Bθは既知である。
[数1]は、4点法と呼ばれる振動計測法で用いられるものである。しかし、1点法、2点法、または、他方の方法によって、信号処理部19は、基準検出用の光センサ15から出力された回転基準信号と、翼検出用の光センサから出力された翼検出信号とから、この翼検出信号に対応する回転翼7aが、複数の回転翼7aのいずれであるかを認識するとともに、基準検出用の光センサ15から周期的に出力される回転基準信号に基づいて回転体10の回転周期または回転数を求め、上述の認識とこの回転周期または回転数に基づいて、回転翼7aの振動を表わす振動データを求めてもよい。この場合、翼検出用の光センサの数は、振動計測法によって異なる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1〜8のいずれかを単独で採用してもよいし、変更例1〜8のうちの2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じであってよい。
(変更例1)
上述では、明色部13bは、外部に露出した回転体10の地金10aまたは金属メッキ層10bであったが、この地金10aまたは金属メッキ層10b上に塗布した、明色(好ましくは白色)の塗料であってもよい。この場合、この塗料が、回転体10の回転による遠心力の作用で剥がれても、明色部13bとして機能する回転体10の地金10aまたは金属メッキ層10bが外部に露出するので、回転基準Rを高精度に検出できる。
(変更例2)
上述では、周面13は、半径方向外側を向く外周面であったが、周面13は、軸方向側を向く側面であってもよい。
(変更例3)
上述では、回転体10は、産業用圧縮機に設けられるものであったが、回転体10は、他の流体機械(回転機械)に設けられ、その回転軸Cまわりに回転駆動されるものであってもよい。この場合、回転体10は、歯車5以外の手段で回転駆動されてもよいし、上述したインペラ7は、流体を圧縮するインペラであっても、流体により回転駆動されるインペラであってもよい。
(変更例4)
本願において、回転体10は、その回転軸Cまわりに回転駆動される、様々な機械の歯車であってもよい。この場合、上述の周面13は、例えば、軸方向側を向く側面である。また、この場合、このような変更点以外は、上述したように、この回転体10と、上述の基準検出用の光センサ15とは、上述の回転基準検出装置20の構成要素となる。この場合、回転体10である歯車が上述した歯車5であるとして、この歯車が上述の翼振動データ取得装置30の構成要素であってもよい。
(変更例5)
上述と違って、回転基準信号は、基準通過静止位置Pに明色部13bがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号の大きさから、基準通過静止位置Pに暗色部13aがある時に基準検出用の光センサ15が出力する電気信号の大きさへの変化であってもよい。
(変更例6)
上述では、周面13において、明色部13b以外の領域はすべて暗色部13aであり、または、暗色部13a以外の領域はすべて明色部13bであったが、周面13において、明色部13b以外の領域のすべてを暗色部13aにしなくてもよく、暗色部13a以外の領域のすべてを明色部13bにしなくてもよい。すなわち、明色部13bと暗色部13aとの境界による反射光の強度変化による回転基準信号が出力され、この回転基準信号が適宜の手段で認識できさえすればよい。
(変更例7)
上述の実施形態では、暗色部13aは、クロメート被膜であったが、本発明によると、暗色部13aは、周面13の土台となる金属に、化成処理を施すことにより形成された暗色の化成被膜でありさえすればよい。例えば、化成処理は、リン酸塩処理であり、化成被膜13aは、リン酸塩被膜であり、化成処理液は、リン酸塩溶液であってもよい。この例において、周面13の土台となる金属の材質と、この金属に接触させるリン酸塩溶液の成分は、リン酸塩被膜13aの色が暗色になるように選択される。
(変更例8)
上述では、回転体10の回転時に出力される回転基準信号により、回転体10の回転周期または回転数が求められたが、回転体10の回転角を求めるために、回転基準信号が用いられてもよい。この場合、回転体10の回転中において、回転基準信号の出力時点と現時点との時間差に基づいて、回転体10が基準姿勢から回転した角度である回転角が求められてよい。
3 回転シャフト、5,6 歯車、7 インペラ、7a 回転翼、9 被支持部、10 回転体、10a 地金、10b メッキ層、11 ラジアル軸受、13 周面、13a 暗色部(化成被膜)、13b 明色部、15 基準検出用の光センサ、16 シール部、17a,17b,17c,17d 翼検出用の光センサ、19 信号処理部、20 回転基準検出装置、30 翼振動データ取得装置、C 回転軸、P 基準通過静止位置、P1,P2,P3,P4 翼通過静止位置、R 回転基準

Claims (7)

  1. 回転軸まわりに回転駆動される回転体であって、
    前記回転軸まわりの周方向に延びる周面を含み、該周面における前記周方向の設定位置に回転基準が設けられており、
    回転体が一回転する度に、回転する前記回転基準が、基準検出用の光センサからの光が照射される基準通過静止位置を通過することにより、基準通過静止位置からの反射光の強度が変化し、この変化に基づいて回転基準信号が生成され、
    前記回転体は、前記周面において、前記周方向に隣接する暗色部と明色部とを含み、暗色部と明色部との境界が前記回転基準として機能し、
    暗色部は、前記周面の土台となる金属に、化成処理を施すことにより形成された暗色の化成被膜であり、明色部は、暗色部よりも高い光の反射率を有する、ことを特徴とする回転体。
  2. 前記化成処理はクロメート処理であり、前記化成被膜はクロメート被膜である、ことを特徴とする請求項1に記載の回転体。
  3. 前記化成被膜の色は黒である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転体。
  4. 前記明色部は、回転体の地金、または、回転体の地金上に形成された金属メッキ層である、ことを特徴とする、請求項1、2または3に記載の回転体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転体と、前記回転基準を検出する基準検出用の光センサと、を備え、
    基準検出用の光センサは、基準通過静止位置に光を照射し、基準通過静止位置からの反射光を受け、前記回転基準が基準通過静止位置を通過する時に生じる前記反射光の強度変化を示す回転基準信号を出力する、ことを特徴とする回転基準検出装置。
  6. 請求項5に記載の回転基準検出装置を備える翼振動データ取得装置であって、
    前記回転体は、前記回転軸と平行な軸方向の設定位置にて、前記周方向に間隔をおいて設けられた複数の回転翼を有するインペラを含み、
    前記回転翼を検出する翼検出用の光センサを備え、翼検出用の光センサは、翼通過静止位置に光を照射し、回転翼が翼通過静止位置にある時に、該回転翼から該光の反射光を受け、この反射光による翼検出信号を出力し、
    基準検出用の光センサからの前記回転基準信号と、翼検出用の光センサからの翼検出信号とから、該翼検出信号に対応する回転翼が、複数の回転翼のいずれであるかを認識するとともに、周期的に出力される前記回転基準信号に基づいて前記回転体の回転周期または回転数を求め、該認識と該回転周期または回転数に基づいて、該回転翼の振動を表わす振動データを求める信号処理部を備える、ことを特徴とする翼振動データ取得装置。
  7. 前記回転体は、前記軸方向に間隔をおいて位置し、それぞれ、複数のラジアル軸受に支持される複数の被支持部を含み、
    前記回転基準は、前記軸方向に関して、前記複数の被支持部のうち前記インペラに最も近い被支持部と、前記インペラとの間に位置する、ことを特徴とする請求項6に記載の翼振動データ取得装置。
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