JP2015192000A - 太陽電池用封止膜の製造方法 - Google Patents

太陽電池用封止膜の製造方法 Download PDF

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隆人 稲宮
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央尚 片岡
泰典 樽谷
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泰典 樽谷
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Abstract

【課題】太陽電池製造時の回り込みが生じにくい太陽電池用封止膜を、溶け残り等が生じず良好に製造することができる太陽電池用封止膜の製造方法を提供する。【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、有機過酸化物及び着色剤を混練し、成形する工程を含む太陽電池用封止膜13Bの製造方法であって、前記混練はX℃において行い、前記有機過酸化物として、10時間半減期温度がa℃である低温分解型有機過酸化物Aと、10時間半減期温度がb℃である高温分解型有機過酸化物Bとを用い、X℃、a℃及びb℃が下記式(I)及び〈II〉の関係:a℃<X℃−30℃(I)、b℃>X℃−20℃(II)を満たし、低温分解型有機過酸化物Aの配合量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの合計量100質量部に対して0.05質量部を超え1.0質量部未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、EVAとポリエチレンの混合物を含む太陽電池用封止膜の製造方法に関する。また、本発明はこの製造方法により製造された太陽電池用封止膜、及びこれを用いた太陽電池の製造方法に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接変換する太陽電池が広く使用され、更に、耐久性や発電効率等の点から開発が進められている。
太陽電池の構造としては、例えば、図1に示すように、ガラス基板等からなる受光面側透明保護部材11、受光面側封止膜13A、シリコン結晶系セル等の発電素子14、裏面側封止膜13B、及び裏面側保護部材(バックカバー)12をこの順で積層し、接着一体化した構造が知られている。
太陽電池では、高い電気出力を得るために、複数の発電素子14を接続タブ15で接続して用いられている。従って、発電素子14の絶縁性を確保するために、絶縁性のある封止膜13A、13Bを用いて発電素子を封止している。
また、太陽電池に入射する太陽光をできるだけ効率よく発電素子14に入射させるために、裏面側に配置される封止膜13Bとして、白色等に着色した着色封止膜を用い、発電素子間を通過して着色封止膜に到達した太陽光を反射させて発電素子14に入射させることにより発電効率を向上させている(特許文献1)。
これらの太陽電池に用いられる封止膜としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともいう)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等のエチレン−極性モノマー共重合体からなるフィルムが従来から用いられている。特に、安価であり、高い透明性を有することからEVAフィルムが好ましく用いられている。そして、封止膜用のEVAフィルムは、膜強度や耐久性を向上させるために、EVAの他に有機過酸化物を含有させ、他の部材との一体化の際にEVAを架橋させるのが一般的である。
近年では、太陽電池作成時の加熱工程において生じる封止膜の収縮を抑えるために、EVAとポリエチレンとの樹脂混合物を用いて作製された太陽電池用封止膜が開発されている(特許文献2)。また、特許文献3では、EVAとポリエチレンの樹脂混合物の加工性を上げるためにEVAが連続相、ポリエチレンが分散相となるように混練した組成物を成形することが記載されている。
特開2009−239277号公報 特開2013−175721号公報 特開2013−175704号公報
裏面側の封止膜として着色封止膜を用いる場合、太陽電池の他の部材と一体化する過程において、図3に示すように、加熱により溶融した着色封止膜13Bが発電素子14の受光面側に回り込む場合がある(以下、この現象を回り込みと称する。)。回り込みが発生すると、発電素子に入射する太陽光の量が減少するだけでなく、太陽電池の外観性が低下するという問題がある。
EVAとポリエチレンを併用した着色封止膜では、EVA単独の封止膜と比較して融点が高くなるため、EVA単独の封止膜より回り込みが発生しにくいものの、太陽電池の各部材を一体化する際の条件(温度等)によっては、ポリエチレンの粘度が大幅に低下して回り込みが発生する場合がある。一方で、使用するポリエチレンの特性によっては、封止膜の製造時にEVAとの混練が困難となったり、溶け残りが生じる場合がある。
したがって、本発明の目的は、太陽電池製造時の回り込みが生じにくい太陽電池用封止膜を、溶け残り等が生じず良好に製造することができる太陽電池用封止膜の製造方法を提供することにある。
上記目的は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、有機過酸化物及び着色剤を混練し、成形する工程を含む太陽電池用封止膜の製造方法であって、
前記混練はX℃において行い、
前記有機過酸化物として、10時間半減期温度がa℃である低温分解型有機過酸化物Aと、10時間半減期温度がb℃である高温分解型有機過酸化物Bとを用い、
X℃、a℃及びb℃が下記式(I)及び〈II〉の関係:
a℃<X℃−30℃ (I)
b℃>X℃−20℃ (II)
を満たし、
低温分解型有機過酸化物Aの配合量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの合計量100質量部に対して0.05質量部を超え1.0質量部未満であることを特徴とする太陽電池用封止膜の製造方法により達成される。
このように、反応温度の異なる2種の有機過酸化物を使用し、混練中に低温分解型有機過酸化物Aを反応させてポリエチレンとEVAを所定程度架橋させることにより、ポリエチレンの融点以上での粘度の落ち込みが小さくなる。これにより、太陽電池作製時において、太陽電池の各部材を一体化するために行う加熱の際に、着色封止膜溶融物の粘度の急激な低下が抑えられ、発電素子の受光面側に回り込むのを防止することが可能となる。また、粘度の落ち込みが小さくなることにより製膜範囲が広がるため、欠陥の少ない封止膜を高効率で製造することができる。なお、高温分解型有機過酸化物Bは製造された封止膜に残存し、太陽電池の各部材を一体化する際の加熱により反応して、所定程度架橋されたEVAとポリエチレンを更に架橋させる。
本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
(1)前記ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)が、20〜100g/10minである。
(2)前記ポリエチレンの融点が、90〜120℃である。
(3)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトマスフローレート(MFR)が、1〜35g/10minである。
(4)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの質量比(EVA:PE)が8:2〜3:7である。
(5)a℃は、35〜80℃である。
(6)b℃は、80〜120℃である。
(7)X℃は、90〜130℃である。
(8)高温分解型有機過酸化物Bの配合量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの合計質量100質量部に対して0.5〜2質量部である。
また、本発明は、本発明の太陽電池用封止膜の製造方法により製造された太陽電池用封止膜を提供する。
さらに、本発明は、受光面側透明保護部材、受光面側封止膜、発電素子、裏面側着色封止膜及び裏面側保護部材をこの順で積層することにより積層体を得、該積層体を加圧及び加熱することにより一体化する工程を含む太陽電池モジュールの製造方法において、
前記裏面側着色封止膜として、上記太陽電池用封止膜を使用することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
本発明の製造方法により製造された太陽電池用封止膜は、高温に加熱したときに大幅な粘度低下が生じないため、太陽電池の各部材を一体化する際に、加熱により溶融した封止膜が発電素子の受光面上に回り込むことを防止することができる。したがって、この太陽電池用封止膜を用いれば、回り込みによる発電効率や外観性の低下が防止された太陽電池を得ることができる。
一般的な太陽電池を示す概略断面図である。 真空ラミネータを用いて太陽電池の各部材を一体化する様子を示す概略図である。 回り込みの様子を示す発電素子の平面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の太陽電池用封止膜の製造方法は、EVA、ポリエチレン、有機過酸化物及び着色剤を混練し、成形する工程を含む。そして、有機過酸化物として、10時間半減期温度がa℃の低温分解型有機過酸化物A(以下、単に「有機過酸化物A」とも称する。)と10時間半減期温度がb℃の高温分解型有機過酸化物B(以下、単に「有機過酸化物B」とも称する。)を使用する。また、混練温度をX℃としたとき、有機過酸化物Aの10時間半減期温度a℃と有機過酸化物Bの10時間半減期温度b℃の関係が、以下の関係:
a℃<X℃−30℃ (I)
b℃>X℃−20℃ (II)
を満たす。
有機過酸化物Aの配合量はEVAとポリエチレンの合計100質量部に対して0.05質量部を超え1質量部未満、好ましくは0.08〜0.7質量部、更に好ましくは0.1〜0.5質量部である。この範囲より少ないと混練時の架橋が不十分となり回り込みが十分に防止できない恐れがあり、この範囲より多いと混練時に架橋が過度に行われ製膜が困難となる恐れがある。
一方、有機過酸化物Bの配合量は、好ましくは0.5〜2質量部、より好ましくは0.7〜1.5質量部である。この範囲であれば、太陽電池の各部材を一体化する際の加熱により、混練時に所定程度架橋されたEVAとポリエチレンを更に架橋させ、太陽電池の各部材を強固に一体化することが可能である。
有機過酸化物Aの配合量は有機化酸化物Bの配合量よりも少ないことが好ましく、有機過酸化物Bに対する有機過酸化物Aの質量比(有機過酸化物A/有機過酸化物B)は、0.06〜0.9、好ましくは0.08〜0.7、特に0.1〜0.5であることが好ましい。
上述したように、有機過酸化物AはX℃での混練時に反応し、EVAとポリエチレンを所定程度架橋させる。混練温度X℃は、ポリエチレンの融点よりも高いことが好ましく、例えば90〜130℃、好ましくは95〜120℃である。この範囲であれば、ポリエチレン及びEVAの溶け残りが生じず、各成分を均一に混合することができる。
有機過酸化物Aの10時間半減期温度a℃は、具体的には、例えば35〜80℃であり、好ましくは40〜75℃である。また、有機過酸化物Bの10時間半減期温度b℃は、具体的には、例えば80〜120℃、好ましくは90〜110℃である。また、b℃とa℃の差(b−a)は、15℃以上、特に20℃以上あることが好ましい。これにより混練時の温度制御が容易になる。
有機過酸化物A及び有機過酸化物Bの具体的種類は、混練温度に応じて上記式(I)及び(II)の関係を満たすように選択される。具体的には以下の有機過酸化物が挙げられる。
例えば、ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、スクシニックアシドパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイル+ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイックアシド、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサン、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート等が挙げられる。
ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤は1種でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物Aとして好ましいものは、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。また、有機過酸化物Bとして好ましいものは、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート等が挙げられる。有機過酸化物A及びBはそれぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、EVAとPEの質量比(EVA:PE)は8:2〜3:7であることが好ましく、特に7:3〜4:6が好ましい。この範囲であれば、封止膜の熱収縮が抑えられるとともに、接着性及び耐久性に優れる太陽電池用封止膜が得られる。
ポリエチレン(PE)は、JISに規定される通り、エチレンを主体とする重合体であり、エチレンの単独重合体、エチレンと5mol%以下の炭素数3以上、特に3〜8のα-オレフィン(例えばブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等)との共重合体、およびエチレンと官能基に炭素、酸素、および水素原子だけを持つ1mol%以下の非オレフィン単量体との共重合体を含む(JIS K6922−1:1997)。
ポリエチレンは一般に、その密度によって分類され、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。
LDPEは、一般に、100〜350MPaの高圧下で有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下でエチレンを重合して得られる長鎖分岐を有するもので、その密度(JIS K7112に準ずる。以下同じ。)は、一般に、0.910g/cm以上0.930g/cm未満である。
LLDPEは、一般に、チーグラー型触媒、フィリップス触媒、メタロセン型触媒等の遷移金属触媒の存在下にエチレンとα−オレフィンとを共重合して得られるもので、その密度は、一般に0.910〜0.940g/cm、好ましくは0.910〜0.930g/cmである。
HDPEは、その密度が一般に0.942〜0.970g/cmのポリエチレンである。本発明では製膜性の観点からLDPE又はLLDPEが好ましく、特にLDPEが好ましい。
ポリエチレンの融点は、回り込み防止の観点から、好ましくは90〜120℃、特に好ましくは95〜110℃である。
ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、20〜100g/10min、好ましくは24〜70g/minである。この範囲より低いと作製される封止膜の厚みムラが生じやすくなり、この範囲より高いと混練を行い難くなる。ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、JIS K6922−2に従って測定された値をいう。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)における酢酸ビニルの含有率は20〜35質量%、好ましくは22〜32質量%、特に好ましくは24〜28質量%である。酢酸ビニルの含有率がこの範囲より低いと封止膜としての接着性が十分に得られなくなる場合があり、この範囲より高いと融点が低下して熱収縮の度合いが大きくなる場合がある。
EVAのメルトマスフローレート(MFR)はポリエチレンのMFRより低いことが望ましく、例えば1〜35g/10min、特に2〜20g/10min、更に2〜10g/10minであることが好ましい。この範囲であれば、ポリエチレンと均質に混合することができる。EVAのメルトマスフローレート(MFR)は、JIS K6924−1に従って測定された値をいう。
EVAの融点はポリエチレンの融点より低いことが望ましく、例えば、60〜90℃、特に65〜80℃であることが好ましい。この範囲であれば加工性が良好となり、封止膜の厚みムラも抑えられ、生産性が向上する。なお、本発明においてポリエチレン及びEVAの融点は、JIS K7121に従って求められるDSC(示差走査熱量測定)における融解ピーク温度のことをいう。
また、本発明では、EVA、ポリエチレン、上述した有機過酸化物及び着色剤に加えて、架橋助剤を配合して混練してもよい。架橋助剤は、架橋密度を向上させ、太陽電池用封止膜の接着性、耐熱性及び耐久性を向上させることができる。
架橋助剤は、EVAとPEの合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜3.0質量部、より好ましくは0.2〜2.5質量部で使用される。このような架橋助剤の配合量であれば、架橋助剤の添加によるガスの発生もなく、架橋密度を向上させることができる。
架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
また、本発明では、上述した各成分に加えて、接着性向上剤をさらに配合して混練してもよい。接着性向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、優れた接着力を有する太陽電池用封止膜を形成することが可能となる。シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
接着性向上剤の配合量はEVAとPEの合計100質量部に対して5質量部以下、特に0.1〜2質量部であることが好ましい。
本発明において着色剤は、所望とする色調や太陽光反射率が得られるように適宜選択され、例えば、チタン白(二酸化チタン)や炭酸カルシウム等による白色着色剤;ウルトラマリン等による青色着色剤;カーボンブラック等による黒色着色剤;ガラスビーズ及び光拡散剤等による乳白色着色剤などを使用することができる。好ましくは、チタン白による白色着色剤を使用することができる。
着色剤の配合量は、EVAとポリエチレンの合計100重量部に対して、一般に0.1〜10重量部、より好ましくは1〜6質量部である。
本発明において、EVA、ポリエチレン、有機過酸化物及び着色剤に加えて、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに配合して混練してもよい。
上述したとおり、本発明では、EVA、ポリエチレン、有機過酸化物A及びB、着色剤並びに必要によりその他上述した成分を混練し、成形する工程を含む。混練は、温度X℃において行い、EVA及びポリエチレンを溶融させて混合することにより行う。温度X℃は、低温分解型有機過酸化物Aが反応し、且つ、高温分解型有機過酸化物Bが反応しない或いはほとんど反応しない温度である。そのため、混練時に低温分解型有機過酸化物Aは分解してラジカルを発生させ、EVAとポリエチレンをある程度架橋させる。混練温度X℃の具体的温度範囲は、上述したとおり、例えば90〜130℃、好ましくは95〜120℃である。混練時間は、例えば1分〜30分間、特に2分〜5分間が好ましい。混練は、ロールミル、バンバリーミキサー、二軸押出機等の従来から知られている混練機行うことができる。
混練物をシート状に成形する方法としては、従来から知られている方法に準じて行えばよい。例えば、通常のカレンダー成形(カレンダリング)や押出成形等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。
本発明では、カレンダー成形により成形を行う場合に特に適している。カレンダー成形にて成形する場合には、まず、EVA、ポリエチレン、有機過酸化物A及びB、着色剤並びに必要により上述したその他成分を、上記例示したロールミル等の混練機で混練した後、混練物をL字状等に配置した複数のカレンダーロールで所望とする厚さに圧延する。圧延後、冷却ロールを通して冷却し、適宜巻き取ることにより太陽電池用封止膜が得られる。混練した混練物をシート状に成形する製膜温度は、高温分解型有機過酸化物Bが反応しない或いはほとんど反応しない温度であり、例えば、70〜90℃である。
太陽電池用封止膜の厚さは特に制限されないが、0.05〜2mm、好ましくは0.3〜0.8mmである。
次に、本発明の製造方法により製造された着色封止膜を用いて、太陽電池モジュールを製造する方法について説明する。本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、図1に示すように、受光面側透明保護部材11、受光面側封止膜13A、発電素子14、本発明の裏面側着色封止膜13B及び裏面側保護部材12をこの順で積層することにより積層体10を得、この積層体10を加圧及び加熱することにより一体化する工程を有する。積層体10を加圧及び加熱するこの工程は、例えば、膨張自在なダイヤフラムを有する真空ラミネータ、特に図2に示す二重真空室方式による真空ラミネータを用いて行うことが好ましい。
図2に示す真空ラミネータ100は、ダイヤフラム103を具備する上側チャンバ102と、積層体10を載置するための載置台105を具備する下側チャンバ101とを有する。真空ラミネータ100では、上側チャンバ102及び下側チャンバ101内を真空引きした後、ダイヤフラム103により積層体10が加圧される。上側チャンバ102及び下側チャンバ101内の真空引きは、下側チャンバ用排気口106に接続された下側チャンバ用真空ポンプ107、及び上側チャンバ用排気口108に接続された上側チャンバ用真空ポンプ109により行われる。
このような真空ラミネータを用いて積層体10を加圧するには、初めに、下側チャンバ101内に設けられた載置台105に、受光面側透明保護部材11、受光面側封止膜13A、発電素子14、本発明の裏面側着色封止膜13B、及び裏面側保護部材12をこの順で積層した積層体10を載置する。次に、上側チャンバ102及び下側チャンバ101をそれぞれ上側チャンバ用真空ポンプ109及び下側チャンバ用真空ポンプ107により減圧して真空にした後、上側チャンバ102内を好ましくは大気圧以上の圧力とする。これにより、積層体10の最上面がダイヤフラム103により押圧され、積層体10が加圧される。受光面側封止膜13には、着色されていない透明度の高い封止膜が用いられる。
上側チャンバ102内及び下側チャンバ101内をそれぞれ真空とするには、まず上側チャンバ102及び下側チャンバ101内をそれぞれ、50〜150Pa、特に50〜100Paに減圧することにより行われるのが好ましい。真空時間は、例えば、0.1〜5分とする。その後、上側チャンバ内を40〜110kPa、特に60〜105kPaとすることでダイヤフラム103により、積層体が均一に加圧される。
積層体は、1.0×103Pa〜5.0×107Pa、特に60〜105kPaの圧力で加圧されるようにダイヤフラムの膨張度を調整するのが好ましい。プレス時間は、例えば、5〜15分である。
本発明の方法では、加圧と共に加熱を行う。加熱方法としては、図2に示す真空ラミネータ100全体をオーブンなどの高温環境において加熱する方法、図2に示す真空ラミネータ100の下側チャンバ101内に加熱板などの加熱媒体を導入して、積層体10を加熱する方法などが挙げられる。後者の方法は、例えば、載置台105として加熱板を用いたり、載置台105の上側及び/又は下側に加熱板を配置したり、積層体の上側及び/又は下側に加熱板を配置したりすることにより行われる。
これら加熱方法の中でも、載置台105として加熱板を用いる等して、受光面側透明保護部材11側から加熱を行うことが好ましい。これにより、受光面側封止膜13Bへの熱の伝達が裏面側着色封止膜13Bよりも早く行われることにより、受光面側封止膜13Aが裏面側着色封止膜13Bよりも相対的に早く溶融して発電素子14の受光面と密着するため、更に確実に回り込みを防止することができる。
積層体10は例えば130〜170℃、好ましくは140〜160℃の温度まで加熱することが好ましい。上記ダイヤフラムによる加圧は、通常、加熱による昇温の途中で開始する。
このように加熱及び加圧を行った後、冷却することにより太陽電池が得られる。本発明では、上述したように、太陽電池封止膜を製造する過程において、低温分解型有機過酸化物Aが反応してEVAとポリエチレンをある程度架橋させていることにより、加熱による極端な粘度低下が抑えられているので、太陽電池製造時の上記加熱及び加圧時において、裏面側着色封止膜の溶融物が発電素子の受光面上へ回り込むのを防止することができる。なお、EVAとポリエチレンを併用することにより、太陽電池の各部材を一体化する際の加熱時に生じる封止膜の収縮が抑えられるので、太陽電池作製時の発電素子の位置ずれ等も防止することができる。
なお、受光面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される裏面側保護部材12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムが好ましく用いられる。裏面側保護部材12には、白色顔料が含まれていてもよい。これにより、透過する太陽光を反射させて発電素子に入射させることができ、発電効率が向上する。耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムでも良い。
太陽電池モジュールに用いられる発電素子は、光電変換を行うものであり、従来公知の半導体基板が用いられる。半導体基板としては、単結晶、多結晶、あるいは非晶質によって構成された光半導体素子などが用いられる。具体的には、非晶質シリコンa−Si,水素化非晶質シリコンa−Si:H,水素化非晶質シリコンカーバイドa−SiC:H,非晶質シリコンナイトライドなどの他、シリコンと炭素、ゲルマニウム、スズなどの他の元素との合金から成る非晶質シリコン系半導体の非晶質あるいは微結晶をpin型、nip型、ni型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合型、ショットキーバリアー型あるいはこれらを組み合わせた型などに構成した半導体層が用いられる。その他、光半導体層はCdS系、GaAs系、InP系などであってもよい。
発電素子を太陽電池モジュールに組み込む際は、従来公知の方法に従って行えばよい。例えば、発電素子の電極にハンダメッキなどで施した銅箔などのインナーリードを接続し、さらに太陽電池モジュールから所定の電気出力を取り出すことができるように、インナーリードで発電素子を直並列に接続する。
以下、本発明を実施例により説明する。
下記表に示す配合で各材料をロールミルに供給し、110℃で混練して太陽電池用封止膜用組成物を調製した。この太陽電池用封止膜用組成物を85℃でカレンダー成形し、放冷後、着色された太陽電池用封止膜(0.5mm)を得た。
1.回り込み
受光面側透明保護部材(白板強化ガラス(エンボス付)、230mm×230mm×3.2mm)/受光面側封止膜(230mm×230mm)/発電素子(単結晶シリコンセル:125mm×125mm、厚さ:220μm)/上記裏面側着色封止膜(230×230mm)/裏面側保護部材(イソボルタ社製TPT(テドラー/PET/テドラー:型番2442)、230mm×230mm、厚さ:350μm)をこの順で積層した。
得られた積層体を、図2に示したタイプのダイヤフラムを備える二重真空室方式真空ラミネータにて、145℃において、真空(脱気)時間5分、圧力0.1MPa、プレス時間15分で接着一体化し、太陽電池モジュールを作製した。
作製した太陽電池モジュールについて、裏面側着色封止膜が発電素子上へ最も回り込んだ長さを測定した。略矩形状である発電素子の4辺ともに回り込み長さが300μm以下のものを○、1辺のみ300μmを超え、残りの3辺は300μm以下のものを△、2辺以上300μmを超えたものを×とした。
なお、受光面側封止膜は、下記配合の材料をロールミルに供給して70℃で混練した後、70℃でカレンダー成形することにより得た(厚さ0.5mm)。
(配合)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:26質量%、MFR:4.3g/10分) 100質量部
・架橋剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート)1質量部
・架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート) 1.5質量部
・シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
0.3質量部
2.耐久試験
2枚の300mm角のガラス板で上記太陽電池用封止膜(900mm×1800mm)を挟持した積層体を、真空ラミネータで150℃において10分間加熱加圧して積層体を得た。この積層体を温度85℃、相対湿度85%において1000時間放置した後、剥離の程度を判定した。剥離がなかったものを○、剥離部分が10mmのものを△、剥離部分が10mm以上のものを×とした。
3.溶け残り
上記作製した太陽電池用着色封止膜のポリエチレンの溶け残りの有無を目視により確認した。400mm当たり10個以下のものを○とし、400mm当たり10個を超えたものを×とした。
結果を下記表に示す。
Figure 2015192000
上記表の材料の詳細は以下のとおりである。
EVA:酢酸ビニル含有率26質量%、MFR4.3g/10min、融点76℃
PE(1):LDPE、MFR70g/10min、融点102℃、密度0.916g/cm(東ソー製ペトロセン249)
PE(2):LDPE、MFR24g/10min、融点106℃、密度0.918g/cm(東ソー製ペトロセン202)
有機過酸化物(1):t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート
(10時間半減期温度99℃、日油製パーブチルE)
有機過酸化物(2):1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート
(10時間半減期温度40.7℃、日油製パーオクタND)
有機過酸化物(3):ジラウロイルパーオキサイド
(10時間半減期温度61.6℃、日油製パーロイルL)
有機過酸化物(4):t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(10時間半減期温度72.1℃、日油製パーブチルO)
有機過酸化物(5):ジベンゾイルパーオキサイド
(10時間半減期温度73.6℃、日油製ナイパーFF)
有機過酸化物(6):1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(10時間半減期温度90.7℃、日油製パーヘキサC)
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート
接着性向上剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
着色剤:二酸化チタン
11 受光面側透明保護部材
12 裏面側保護部材
13A 太陽電池用封止膜(受光面側封止膜)
13B 太陽電池用封止膜(裏面側封止膜)
14 発電素子
15 接続タブ

Claims (11)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、有機過酸化物及び着色剤を混練し、成形する工程を含む太陽電池用封止膜の製造方法であって、
    前記混練はX℃において行い、
    前記有機過酸化物として、10時間半減期温度がa℃である低温分解型有機過酸化物Aと、10時間半減期温度がb℃である高温分解型有機過酸化物Bとを用い、
    X℃、a℃及びb℃が下記式(I)及び〈II〉の関係:
    a℃<X℃−30℃ (I)
    b℃>X℃−20℃ (II)
    を満たし、
    低温分解型有機過酸化物Aの配合量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの合計量100質量部に対して0.05質量部を超え1.0質量部未満であることを特徴とする太陽電池用封止膜の製造方法。
  2. 前記ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)が、20〜100g/10minである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ポリエチレンの融点が、90〜120℃である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトマスフローレート(MFR)が、1〜35g/10minである、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの質量比(EVA:PE)が8:2〜3:7である、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. a℃は35〜80℃である、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。
  7. b℃は80〜120℃である、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
  8. X℃は90〜130℃である、請求項1〜7の何れか1項に記載の製造方法。
  9. 高温分解型有機過酸化物Bの配合量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの質量100質量部に対して0.5〜2質量部である、請求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法により製造された太陽電池用封止膜。
  11. 受光面側透明保護部材、受光面側封止膜、発電素子、裏面側着色封止膜及び裏面側保護部材をこの順で積層することにより積層体を得、該積層体を加圧及び加熱することにより一体化する工程を含む太陽電池モジュールの製造方法において、
    前記裏面側着色封止膜として、請求項10に記載の太陽電池用封止膜を使用することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017150217A1 (ja) * 2016-02-29 2017-09-08 三井化学東セロ株式会社 樹脂シート、合わせガラスおよび太陽電池モジュール
CN111065672A (zh) * 2017-08-30 2020-04-24 陶氏环球技术有限责任公司 含有过氧化物的聚烯烃调配物

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