JP2015193702A - 透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法、透明導電性基板用表面保護フィルムおよび積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムからなる基材2の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、未反応モノマーを除去する熱処理工程を含む透明導電性基板用表面保護フィルム10の製造方法とする。
【選択図】図1
Description
透明導電性基板の表面に貼り付ける保護フィルムとしては、ポリエステルフィルムからなる基材を用いたものがある。
例えば、特許文献1には、フィルム基材に紫外線を照射し、フィルム基材の少なくとも一部を改質させ、被膜を形成させることにより、フィルム基材表面へのオリゴマーの析出を防止する方法が記載されている。
特許文献2には、ポリエステルフィルムの表面に、オリゴマーの析出を防止するための塗布層として、ポリビニルアルコールを含有する塗布層を設けることが提案されている。
特許文献3には、ジッピングを起こさない表面保護シートとして、ガラス転移温度が−40℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーと、5〜20重量部のガラス転移温度が80℃以上の(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する保護シート用感圧接着剤を、支持体上に塗工してなる表面保護シートが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、オリゴマーの析出を防止する被膜を設けるために、フィルム基材に紫外線を照射する必要があり、紫外線照射装置を用意する必要があった。また、特許文献2に記載の技術では、ポリエステルフィルムの表面に、オリゴマーの析出を防止するための塗布層を設ける工程が必要であった。
このため、特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いて透明導電性基板用表面保護フィルムを製造する場合、オリゴマーの析出を防止するための部材を形成する工程が必要であった。
また、本発明は、上記の製造方法を用いて製造した透明導電性基板用表面保護フィルムを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、上記の透明導電性基板用表面保護フィルムを透明導電性基板上に積層してなり、高品質の透明導電性基板を高い歩留まりで効率よく製造できる積層体を提供することを課題とする。
しかし、粘着層をガラス転移温度の高い材料で形成すると、透明導電性基板に対する剥離性が不十分となる。このため、剥離時にジッピングが生じやすく、透明導電性基板を損傷しやすいものとなるし、剥離作業の効率が低いものとなる。また、ガラス転移温度の高い粘着層は、透明導電性基板の基体に対する濡れ性が不十分である。このため、保護フィルムと透明導電性基板とを貼り付ける際に、保護フィルムの粘着層と透明導電性基板との間に空気が入り込むエアガミと呼ばれる現象が生じる場合がある。エアガミが生じると、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行うことで、透明導電性基板に保護フィルムの貼り跡が形成される。貼り跡は、透明導電性基板の品質を低下させる。
(1) ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、前記未反応モノマーを除去する熱処理工程とを含むことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(3) 前記熱処理工程は、80〜150℃で30秒〜10分間行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(4) 前記基材の他方の面上に、オリゴマーの析出を防止するオリゴマー析出防止層を形成する工程を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(6) 透明導電性基板上に、(5)に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムが積層されていることを特徴とする積層体。
本発明の製造方法を用いて製造した保護フィルムは、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも剥離性および濡れ性に優れたものとなる。
図1は、本発明の保護フィルムの一例を説明するための断面模式図である。図1に示す保護フィルム10は、これを貼り付けた透明導電性基板に熱処理を行う場合に、好適に用いられるものである。保護フィルム10は、基材2と、基材2の一方の面2a(図1においては上面)上に形成された粘着層1と、基材2の他方の面2b(図1においては下面)上に形成されたオリゴマー析出防止層3と、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)に配置された剥離シート4とを有している。
基材2は、ポリエステルフィルムからなるものである。
基材2に用いるポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルが挙げられる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などが挙げられる。
また、グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
基材2の厚みは、12〜188μmであることが好ましい。
粘着層1は、保護フィルム10の貼り付けられる透明導電性基板と対向配置されるものである。粘着層1は、後述する方法により、粘着剤組成物を基材2の一方の面2a上に塗布して架橋させることにより得られたものである。
オリゴマー析出防止層3は、基材2の他方の面2bに、基材2からオリゴマーが析出するのを防止するものであり、必要に応じて設けられるものである。
オリゴマー析出防止層3としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、オリゴマー析出防止層3として、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂などが挙げられる。基材2の他方の面2bに、オリゴマー析出防止層3を設けることで、透明導電性基板上に保護フィルム10を積層してなる積層体を複数重ねた場合に、保護フィルム10のオリゴマー析出防止層3と接する積層体の表面に、基材2からオリゴマーが転移することを防止できる。
剥離シート4は、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)を保護するものである。
剥離シート4としては、例えば、プラスチックフィルム、紙などを用いることができる。
剥離シート4として紙を用いる場合、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙を用いてもよいし、これらの紙からなる基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙を用いてもよい。
また、剥離シート4の表面には、必要に応じて、シリカ粉などを用いる離型および防汚処理がなされていてもよいし、帯電防止処理などがなされていてもよい。
次に、本発明の保護フィルムの製造方法の一例として、図1に示す保護フィルム10の製造方法を例に挙げて説明する。図1に示す保護フィルム10を製造するには、基材2の一方の面2a上に、粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、後述する未反応モノマーを除去する熱処理工程とを行うことにより粘着層1を形成する。
粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤の他に、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を含むものであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量Mwは、30万〜250万のものであることが好ましく、30万〜100万のものであることがより好ましい。重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量Mwが30万〜250万の範囲であると、良好な粘着性能を有する粘着層1が得られる。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は3.0以下であることが好ましく、2.0〜3.0の範囲であることがより好ましい。数平均分子量Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。上記分子量分布が上記範囲であると、よりオリゴマーの含有量が少ない(メタ)アクリル酸エステル共重合体となる。
熱処理工程における熱処理温度は、未反応モノマーを除去することができればよく、例えば、80〜150℃の範囲であることが好ましい。また、熱処理時間は、未反応モノマーを除去することができればよく、例えば、30秒〜10分間であることが好ましい。
本実施形態では、熱処理工程の後に、20℃程度の室温中で3〜7日間、粘着剤組成物を架橋させる架橋工程を行う。
以上の工程により、粘着層1が得られる。
以上の工程により、図1に示す保護フィルム10が得られる。
図2は、本発明の積層体の一例を説明するための断面模式図である。図2に示す積層体30は、透明導電性基板20の片面に、図1に示す保護フィルム10が配置されてなるものである。
図2に示す透明導電性基板20は、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として用いられるものである。
基体11は、透明材料からなるものであり、フィルム又はガラスを用いることができる。
基体11として用いられるフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン等を例示でき、これらを1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
導電層6は、例えば、基板5上にスパッタする方法などにより形成できる。
導電層6の厚さは特に制限されないが、5nm以上であることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
まず、保護フィルム10の透明導電性基板20と対向配置される側の面に設けられている剥離シート4(図1参照)を剥離する。次いで、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とを対向配置させて、透明導電性基板20と保護フィルム10とを貼り合せ、積層体30とする。その後、必要に応じて積層体30を加熱および/または加圧する。
本実施形態においては、導電層6を結晶化するための熱処理の後、透明導電性基板20から保護フィルム10を剥離する。
本実施形態の製造方法では、熱処理工程において未反応モノマーを除去しているので、オリゴマーを透過させやすい未反応モノマーの架橋された部分が粘着層1中に形成されない。このため、−30℃以下の低いガラス転移温度の樹脂成分からなるものであっても、粘着層1全体がオリゴマーを透過させにくいものになると推定される。
これに対し、例えば、熱処理工程を行わずに未反応モノマーが残存する条件で、上記の粘着剤組成物を架橋させると、分子量が10万超えのポリマーが架橋してなる緻密でオリゴマーを透過させにくい部分と、未反応モノマーが架橋されてなるオリゴマーを透過させやすい部分とが、粘着層中に形成されてしまう。
また、本実施形態の保護フィルム10の製造方法によれば、基材2と透明導電性基板20との間にオリゴマーの析出を防止するための部材を形成することなく、オリゴマーの析出を防止できる保護フィルム10を製造できる。
例えば、本発明の保護フィルムの製造方法では、オリゴマー析出防止層を設けなくてもよい。また、本発明の保護フィルムと透明導電性基板とを貼り合せて積層体とする貼り合せ工程は、透明導電性基板を用いて製品を製造する際のどの段階で行ってもよい。また、積層体から保護フィルムを剥離する剥離工程は、貼り合わせ工程後、どの段階で行ってもよい。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応装置を用いて、表1に示す仕込みモノマーと重合開始剤とを表1に示す割合で使用し、溶媒としてトルエンを加えて、窒素ガス雰囲気下で溶液重合させて、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値を用いて、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、並びに分子量10万以下の成分の含有量を、下記の方法により求めた。
GPC装置:HLC−8020(東ソー社製)
カラム:TSKgel guardcolumn HXL−H(東ソー社製)
TSKgel GMHXL(東ソー社製)
TSKgel GMHXL(東ソー社製)
TSKgel G2000HXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1ml/分
分子量標準物質:ポリスチレン
検出器:示差屈折率検出器
その後、上記の方法によって求めた結果を用いて、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)と、分子量が10万以下のポリマーの全体に対する割合「10万以下ポリマー」(質量%)とを算出した。
ガスクロマトグラフ法を用いて(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に残存する未反応モノマーの質量を定量して算出した。
[Tg(ガラス転移温度)]
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度を、DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、それぞれキシリレンジイソシアネート系(XDI系)架橋剤[三井化学(株)製、商品名「タケネート D−110N」(固形分75質量%)]5.0質量部、溶媒としてトルエン30.0質量部、酢酸エチル1.0質量部を配合し、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の粘着剤組成物を調製した。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の粘着剤組成物を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東レ(株)製、商品名「ルミラー T60」]の片面に、乾燥後の塗布量が10g/m2になるように塗布する塗布工程と、粘着剤組成物中の未反応モノマーを除去する120℃で1分間の熱処理工程とを行った。そして、120℃で1分間の熱処理の後、粘着剤組成物の上にシリコーン系離型剤層を有する剥離シート[王子製紙社製、商品名「40RL−01Z」]をラミネートし、20℃程度の室温中で5日間、粘着剤組成物を架橋させ、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の保護フィルムを得た。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる基体11の上下両面に、それぞれジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなるハードコート層12、13を設けた基板5を用意した。その後、基板5の片面にITOからなる導電層6を形成し、図2に示す透明導電性基板20とした。次いで、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面に、保護フィルムを貼付した。そして、目視にて保護フィルムが濡れ拡がりやすくエアガミが生じにくい場合を○、濡れ拡がりにくい場合を×と評価した。
濡れ性の評価に用いた透明導電性基板20の導電層6と反対側の面に、保護フィルムを貼付し、150℃で3時間加熱した。その後、透明導電性基板20から速度10m/minで保護フィルムを剥離し、ジッピングがない場合を○、ジッピングがある場合を×と評価した。
剥離性の評価において保護フィルムを剥離した後、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面を、デジタル顕微鏡を用いて倍率450倍で観察した。その結果、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面にオリゴマーの転移が確認されない場合を○、確認される場合を×と評価した。
一方、比較例1の保護フィルムは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の未反応モノマーが少なく、分子量が10万以下のポリマーが多いため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に生成したオリゴマーが多いものと推定される。その結果、保護フィルムの粘着層による基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移防止機能が不足して、保護フィルムのオリゴマー汚染性の評価が×になったと推定される。
また、比較例2の保護フィルムは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の未反応モノマーが少なく、分子量が10万以下のポリマーが多いものであるが、ガラス転移温度が高いため、保護フィルムのオリゴマー汚染性の評価が○になった。しかし、比較例2の保護フィルムは、ガラス転移温度が高いため、濡れ性および剥離性の評価が×であった。
Claims (6)
- ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、
前記未反応モノマーを除去する熱処理工程とを含むことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。 - 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
- 前記熱処理工程は、80〜150℃で30秒〜10分間行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
- 前記基材の他方の面上に、オリゴマーの析出を防止するオリゴマー析出防止層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法を用いて製造したことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルム。
- 透明導電性基板上に、請求項5に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムが積層されていることを特徴とする積層体。
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