JP2015196742A - 多成分型接着剤組成物 - Google Patents

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慎也 露原
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Abstract

【課題】本発明の課題は、SPCC等の金属に対して優れた接着性能を有し、硬化後にD硬度70以上という高い硬度を示し、貯蔵安定性にも優れる多成分型接着剤組成物を提供することである。【解決手段】少なくとも(a)不飽和ポリエステルと、(b)重合性(メタ)アクリルモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合性(メタ)アクリルモノマーと、(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物と、(d)有機過酸化物と、(e)有機バナジウム化合物を使用して多成分型接着剤組成物を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、SPCC等の金属に対する優れた接着性能を有し、硬化後にD硬度70以上という高い硬度を示し、貯蔵安定性にも優れる多成分型接着剤組成物に関する。
従来、室温で空気接触面まで完全に硬化する二液主剤型アクリル系接着剤が提案されている。特許文献1には木材等に対して優れた接着性を示す接着剤が開示されており、特許文献2には金属と、紙、布、コンクリート構造体等の気孔性材料とを強固に接着する接着剤が開示されている。
特開平5−125331号公報 特開2006−160861号公報
このように、二液主剤型アクリル系接着剤では適用可能な被着材が比較的狭く、常態では接着可能であっても各種条件下においては十分な性能が得られないことが多かった。
また、このような二液主剤型アクリル系接着剤は反応開始剤と触媒の混合により硬化反応が開始するため、少なくとも反応開始剤と触媒を別々の成分として保管する必要があり、反応開始剤を含む成分をA剤、触媒を含む成分をB剤として、使用直前に混合して使用されることが多い。
一方、A剤およびB剤それぞれについても成分の組み合わせによっては貯蔵安定性に問題がある場合もあり、接着剤を設計する際の制約となっていた。
本発明の課題は、SPCC等の金属に対して優れた接着性能を有し、硬化後にD硬度70以上という高い硬度を示し、貯蔵安定性にも優れる多成分型接着剤組成物を提供することである。
本発明は、少なくとも(a)不飽和ポリエステルと、(b)少なくとも2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合性(メタ)アクリルモノマーと、(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物と、(d)有機過酸化物と、(e)有機バナジウム化合物を含有することを特徴とする多成分型接着剤組成物である。
本発明に関わる多成分型接着剤組成物は、SPCC等の金属に対して優れた接着性能を有し、硬化後にD硬度70以上という高い硬度となる。また、貯蔵安定性にも優れるため、比較的長い時間保管可能となる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、少なくとも(a)不飽和ポリエステルと、(b)少なくとも2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合性(メタ)アクリルモノマーと、(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物と、(d)有機過酸化物と、(e)有機バナジウム化合物を含有する。
(a)不飽和ポリエステル
不飽和ポリエステルは、不飽和二塩基酸と2価のアルコールを重縮合させたものである。本願発明においては、後述する重合性(メタ)アクリルモノマーとともに硬化成分となり、相溶性や貯蔵安定性の向上に寄与していると考えられる。不飽和二塩基酸としてはテレフタル酸や無水マレイン酸等が挙げられ、2価のアルコールとしてはエチレングリコールやプロピレングリコール等が挙げられる。また、スチレン等を共重合したものでもよい。なお、不飽和ポリエステルは接着性あるいは硬化性を考慮して複数の不飽和ポリエステルを混合して使用しても良い。接着性の点においてTg20℃以下のものが好ましく、硬度の点においてTg50℃以上のものが好ましい。また、接着性と硬度を両立させるため、両者を併用することが好ましい。
(b)重合性(メタ)アクリルモノマー
重合性(メタ)アクリルモノマーは、少なくとも重合性(メタ)アクリル酸誘導体を含む重合性モノマーであり、液状ないし固形状の重合性(メタ)アクリルモノマーを使用することができる。固形状の重合性(メタ)アクリルモノマーを使用する際には液状の重合性(メタ)アクリルモノマーと併用し、液状の重合性(メタ)アクリルモノマーに溶解して使用する。
重合性(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を混合して使用する。また、重合性(メタ)アクリルモノマーは上記に記載されるものに限定されるものではなく一般的に市販されている重合性(メタ)アクリルモノマーを使用することが出来る。
なお、硬化性の観点から、重合性(メタ)アクリルモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む必要がある。
(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物
重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物は、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート,ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート,ジペンタエリストリールペンタ(メタ)アクリロイルオキシジヒドロゲンホスフェート等が挙げられる。
該重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物は、上記重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対し、0.01重量部以上配合され、好ましくは0.5重量部以上配合される。配合量の上限は該重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物が広義には前記重合性(メタ)アクリレートモノマーに含まれるため、前記重合性(メタ)アクリレートモノマーと該重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物の硬化によって発現されるところの、目的とする接着剤組成物の物理的強度や伸び等によって決定することができる。なお、0.01重量部未満では十分な接着性向上効果が得られず、0.5重量部未満では接着性向上効果が低下する傾向がある。
(d)有機過酸化物
有機過酸化物は前記不飽和ポリエステルおよび重合性(メタ)アクリルモノマーの重合開始剤として使用される。
有機過酸化物としては例えば、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましく、配合量は重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.05重量部以上10重量部未満が好ましい。0.05重量部未満では硬化が不十分であり、10重量部以上では可使時間が短くなり作業性が不良となるが、最終的には必要とする硬化時間及び作業性を考慮して決定することができる。
(e)有機バナジウム化合物
有機バナジウム化合物は、有機過酸化物のラジカル発生促進剤である。バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムベンゾイルアセトネート、シュウ酸バナジル等が挙げられる。配合量としては、B剤中の重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.01重量部以上10重量部未満を配合し、より好ましくは1重量部以上5重量部未満である。0.01重量部未満では十分な硬化性が得られず、10重量部以上では貯蔵安定性が低下する。また1重量部未満では硬化性が低下する傾向にあり、5重量部以上では貯蔵安定性が低下する傾向にある。
本発明は、上記のように少なくとも(a)不飽和ポリエステルと、(b)2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合性(メタ)アクリルモノマーと、(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物と、(d)有機過酸化物と、(e)有機バナジウム化合物を含有するが、硬化性及び接着性を向上させるための添加剤として、重合性(メタ)アクリル基を持たない酸性リン化合物を添加しても良い。該酸性リン化合物としては、モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルホスフェート、モノイソプロピルフォスフェート、ジイソプロピルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、フェニルフォスフェート等が挙げられ,これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
さらには、貯蔵安定性を向上させる目的で、重合禁止剤を配合することができる。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等を挙げることができる。配合量は重合性(メタ)アクリルモノマー及び重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物の合計量に対して0.01重量部以上10重量部未満が好ましい。
その他、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、パラフィンワックスなどを硬化性調整のため配合しても良く、さらにはDOP、DBP等の可塑剤を配合することもできる。また、硬化性調整及び保存性向上のためにサッカリンナトリウムを配合することもできる。
本発明の接着剤組成物は使用時に各成分が混合されることによって性能が発現する。混合前の形態は特に限定されないが、混合の手間を考慮すると2成分形とすることが好ましい。(d)有機過酸化物と(e)有機バナジウム化合物が混合すると硬化が始まるため、これらは別々の成分とする必要がある。
例えば、(d)有機過酸化物側をA成分とすると、その他に不飽和ポリエステル、重合禁止剤等の成分を添加し、(e)有機バナジウム化合物側をB成分とすると、不飽和ポリエステル、重合禁止剤等の成分を添加することにより、2成分形とすることができる。
以下、実施例及び比較例にて本出願に係る2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物について具体的に説明する。
実施例1
表1に示すような配合にて,各材料を均一に混合することにより実施例1のA剤とB剤を作成した。
不飽和ポリエステルにはバイロン240(商品名、東洋紡株式会社製、Tg60℃)及びバイロン630(商品名、東洋紡株式会社製、Tg7℃)を使用し、重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物にはKAYAMERPM−21(商品名、日本化薬株式会社製)を使用した。


比較例1
実施例1に配合しているバイロン240及びバイロン630に代えてアクリルニトリル
−ブタジエンゴムNipol 1072(商品名、日本ゼオン株式会社製)を配合し比較例1とした。
比較例2
比較例1にジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを配合したものを比較例2とし
た。
比較例3
実施例1に配合している2−ヒドロキシエチルメタクリレートを全てメチルメタクリレートに置き換えたものを比較例3とした。
比較例4
実施例1に配合しているKAYAMER PM−21抜いたものを比較例4とした。
金属との接着性
23℃雰囲気下において、十分に脱脂した70mm×25mm×厚さ1mmの2枚のSPCC試験片のうち一枚のSPCC試験片の端部から12.5mm部分に実施例1、比較例1〜4の各A剤とB剤を1:1(重量比)で十分に混合して,80g/m塗布する。塗布後直ちにもう一枚のSPCC試験片の端部から12.5mm部分を該塗布部分に重ね合わせてこの部分のみオーバーラップさせた長さ127.5mmの引張試験片とし,該塗布部分を0.05MPaで1時間圧締硬化させる。解圧後,23℃にて24時間養生し,引張速度10mm/分にて該引張試験片を引張り,最大引張強度からせん断強度(N/mm)を算出した。
貯蔵安定性
実施例1、比較例1〜4の各A剤とB剤それぞれについて、20ccガラス瓶に目一杯入れて60℃恒温槽中に放置し、状態を目視にて観察した。
3日間経過時点で固化していたものを×、3日間経過時点で固化せず流動性を保っていたものを○と評価した。
硬化後硬度
実施例1、比較例1〜4の各A剤とB剤を1:1(重量比)で十分に混合し、混合したものを、厚さが3〜5mm程度になるように平滑なプラスチック容器に流し込む。その後23℃にて24時間養生し、D型硬度計にて硬化後の樹脂の硬度を測定する。
硬化性
実施例1、比較例1〜4の各A剤とB剤を23℃に調節し、23℃雰囲気下にて各A剤とB剤を2gずつ十分に混合し、流動性を失うまでの時間を測定する。混合してから2分から7分の間に流動性を失うものを○、それ以外のものを×とした。
評価結果を表2に示す。
総合評価
実施例1はSPCCとの接着性試験、貯蔵安定性において良好な結果を示し、硬化後の硬度も80との高硬度を示した。不飽和ポリエステルの代わりにアクリルニトリル−ブタジエンゴムを配合した比較例1は良好な接着性を示したが、硬度の低下が著しく、貯蔵安定性も低下した。比較例1に多官能アクリレートを配合した比較例2は比較例1よりも硬度は向上したが、接着性は低下し、貯蔵安定性も改善は見られなかった。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含有しない比較例3は硬化性に乏しく、酸性リン化合物を含有しない比較例4は接着性が低下する結果となった。

Claims (1)

  1. 少なくとも(a)不飽和ポリエステルと、(b)重合性(メタ)アクリルモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合性(メタ)アクリルモノマーと、(c)重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物と、(d)有機過酸化物と、(e)有機バナジウム化合物を含有する多成分型接着剤組成物。
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