JP2015199253A - 液体吐出制御装置および液体吐出制御方法 - Google Patents

液体吐出制御装置および液体吐出制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異常ノズルが有る場合に画質向上を図る。
【解決手段】液体吐出制御装置であって、液体の吐出または非吐出を規定した画素をノズルに割り当てることによりノズルによる液体の吐出を制御する吐出制御部を備え、吐出制御部は、所定方向に平行する1つのラスターラインを表現する画素列における第1割合の画素を第1ノズルに割り当て、当該画素列における第2割合の画素を第2ノズルに割り当てることにより、第1ノズルおよび第2ノズルを少なくとも含む複数のノズルを使用してラスターラインを記録媒体に記録するに際し、第1ノズルおよび第2ノズルのうち一方のノズルが異常ノズルであり、かつ、当該一方のノズルに割り当てた前記画素列における画素の割合が第1割合と第2割合との合計に対して所定割合以上である場合、第1ノズルおよび第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における画素の割合を増加させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体吐出制御装置および液体吐出制御方法に関する。
インクジェトプリンターは、インクを吐出するための複数のノズルを有する印刷ヘッドを備える。このような印刷ヘッドにおいては、インクの粘度の増加や、気泡の混入、塵や紙粉の付着等の原因によって、いくつかのノズルが目詰まりする場合がある。ノズルの目詰まり(吐出異常)は、記録媒体に本来吐出されるべきインクが吐出されないことによるドット抜け(画質劣化の一種)を発生させる。
関連技術として、印刷ヘッドに設けられた複数のノズルのうちドット噴射をしない不良ノズルにより行われるはずのドット噴射を他のノズルに代替させて行うインクジェットプリンターが知られている(特許文献1参照)。
特開2002‐144549号公報
上述したようなドット抜けが視認されることによる画質劣化を防ぐ必要があった。
前記文献のように、不良ノズルにより行われるはずのドット噴射を他のノズルに代替させることで、ドット抜けを無くすことができる。
また、記録される画像を構成するラスターライン毎に複数のノズル(印刷ヘッドの複数回のパス)を用いて記録を行うオーバーラップ印刷が知られている。オーバーラップ印刷によれば、複数のノズルによるインク吐出で1つのラスターラインが記録媒体に記録されるため、1つのノズルによるインク吐出が記録結果(画質)に与える影響をラスターライン全体の中で抑えることができる。そのため、オーバーラップ印刷によれば、1つのノズル(印刷ヘッドの1回のパス)で当該ラスターラインを記録した場合と比較して、記録媒体の搬送誤差に起因するドットの位置ずれが目立たなくなる等、画質が向上すると言える。なお、不良ノズルにより行われるはずのドット噴射を全て他のノズルに代替させると、オーバーラップ印刷では無くなる。
このような考察によれば、ドット抜けによる画質劣化と、ラスターラインの記録に際して同じノズルの使用率を高くすることによる画質劣化とを、良好なバランスで抑制することが、全体的な画質向上に繋がると言える。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、ノズルの吐出異常が有る場合の画質向上に有用な液体吐出制御装置および液体吐出制御方法を提供する。
本発明の態様の一つは、複数のノズルを有する液体吐出ヘッドの所定方向への移動とともに前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出制御装置であって、前記液体の吐出または非吐出を規定した画素を前記ノズルに割り当てることにより前記ノズルによる液体の吐出を制御する吐出制御部を備え、前記吐出制御部は、前記所定方向に平行する1つのラスターラインを表現する画素列における第1割合の前記画素を第1ノズルに割り当て、当該画素列における第2割合の前記画素を第2ノズルに割り当てることにより、当該第1ノズルおよび当該第2ノズルを少なくとも含む複数の前記ノズルを使用して前記ラスターラインを記録媒体に記録するに際し、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち一方のノズルが前記液体の吐出に異常を有する異常ノズルであり、かつ、当該一方のノズルに割り当てた前記画素列における前記画素の割合が前記第1割合と前記第2割合との合計に対して所定割合以上である場合、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における前記画素の割合を増加させる。
当該構成によれば、第1ノズルおよび第2ノズルを少なくとも含む複数のノズルを使用して1つのラスターラインを記録媒体に記録するに際し、第1ノズルおよび第2ノズルのうち一方のノズルが異常ノズルであり、かつ、当該一方のノズルに割り当てた前記画素列における画素の割合が前記所定割合以上である場合に、第1ノズルおよび第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における前記画素の割合を増加させる。従って、目詰まり等の吐出異常が見られる異常ノズルによるドット抜けが、それらが目立つほど多い場合に的確に解消される。また、ほとんど目立たないような少数のドット抜けについては、それらをあえて解消せず、同じノズルを多用した場合に起こる画質劣化を避けるようにしている。よって、ノズルの吐出異常が有る場合の画質を総合的に向上させることができる。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記第1割合と前記第2割合とを入れ替えることにより、前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を増加させるとしてもよい。
当該構成によれば、前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を増加させる処理が簡易化される。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記記録媒体において前記液体が滲みやすいほど、前記所定割合を高い値にするとしてもよい。
当該構成によれば、記録媒体における液体の滲みやすさに応じて、前記所定割合の値が最適化されるため、どのような種類の記録媒体を用いる場合でも、ノズルの吐出異常が有る場合に画質を向上させることができる。
本発明の態様の一つは、前記液体吐出ヘッドは、前記液体として第1インクと当該第1インクよりも高濃度である第2インクとを少なくとも吐出可能であり、前記吐出制御部は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第1インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記所定割合を、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第2インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記所定割合よりも高い値にするとしてもよい。
当該構成によれば、ドット抜けが有っても目立ちにくい第1インクについては、比較的、ドット抜けの解消よりも同じノズルが多用されることによる弊害回避を優先し、ドット抜けが有る場合に目立ちやすい第2インクについては、比較的、同じノズルが多用されることの回避よりもドット抜けの解消を優先する。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記一方のノズルが前記異常ノズルであり、かつ、前記一方のノズルに割り当てた前記画素の割合が前記第1割合と前記第2割合との合計に対して前記所定割合以上である場合、前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を増加させる第1記録モードと、前記一方のノズルが前記異常ノズルであるか否かにかかわらず前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を変えない第2記録モードとを選択的に実行可能であり、前記画素列を含む画像の種類に応じて、前記第1記録モードと前記第2記録モードとのいずれかを選択するとしてもよい。
当該構成によれば、画像の種類に応じて前記第1記録モードと前記第2記録モードとのいずれかを選択するため、画像の特徴から見てドット抜けの解消が画質向上に真に寄与する場合に、前記第1記録モードが実行される。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記1つのラスターラインの記録に使用する前記ノズルの数を多くするほど、前記所定割合を高い値にするとしてもよい。
当該構成によれば、吐出異常が見られる異常ノズルによるドット抜けを、それらが目立つ場合に、的確に解消することができる。
本発明の技術的思想は、上述した液体吐出制御装置のみによって実現されるものではない。例えば、液体吐出制御装置の各部が実行する処理工程を備える液体吐出制御方法を一つの発明として捉えることができる。また、そのような方法の各工程をハードウェア(コンピューター)に実行させるコンピュータープログラム、さらには当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、等の各種カテゴリーにて本発明が実現されてもよい。
本実施形態にかかる装置構成を概略的に示す図である。 液体吐出ヘッドの構成等を簡易的に例示する図である。 液体吐出制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態において、ノズルの変更前使用率に従ったノズルと画素との対応関係を例示する図である。 ノズル使用率規定マスクを例示する図である。 第1実施形態において、変更後使用率に従ってノズルに割り当てられた異常ノズル対応画素列の画素を含む画像データを例示する図である。 第2実施形態において、ノズルの変更前使用率に従ったノズルと画素との対応関係を例示する図である。 第2実施形態において、変更後使用率に従ってノズルに割り当てられた異常ノズル対応画素列の画素を含む画像データを例示する図である。
本発明の実施形態を、以下の順序に従って説明する。
1.装置構成の概略
2.第1実施形態
3.第2実施形態
4.変形例
1.装置構成の概略
図1は、本実施形態にかかる液体吐出制御システム1の構成を概略的に示している。液体吐出制御システム1は、プリンター20と、プリンター20を制御するための液体吐出制御装置(制御装置10)とを含む。制御装置10は、プリンター20を制御するためのプログラムを搭載した装置であり、液体吐出制御方法の実行主体となる。制御装置10は、代表的にはデスクトップ型あるいはラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)であるが、タブレット型端末や携帯型端末等であってもよい。
あるいは、液体吐出制御システム1を構成する制御装置10やプリンター20等は、通信可能に接続された個別の装置であってもよいし、それらがまとまった一製品を構成していてもよい。例えば、プリンター20が、機体の一部に制御装置10を含むとしてもよい。この場合、制御装置10を機体内に含むプリンター20が、液体吐出制御システム1や液体吐出制御装置に該当し、液体吐出制御方法の実行主体となる。また、液体吐出制御システム1や液体吐出制御装置に該当するプリンター20は、スキャナーやファクシミリ等としても機能する複合機であってもよい。また、液体吐出制御システム1や液体吐出制御装置は、印刷(制御)システムや印刷(制御)装置などと呼んでもよい。
制御装置10では、演算処理の中枢をなすCPU12がシステムバスを介して制御装置10全体を制御する。当該バスには、ROM13、RAM14、各種インターフェース(I/F)19等が接続され、また記憶手段として、例えばハードディスクドライブ(HDD)16が接続されている。ただし記憶手段は、半導体メモリー等であってもよい。記憶手段(HDD16)には、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム、プリンタードライバーPD等が記憶され、これらプログラム類はCPU12によって適宜RAM14に読み出され実行される。CPU12、ROM13、RAM14をまとめて制御部11と呼ぶ。また前記記憶手段には、ノズル使用率規定マスク16Aが記憶され得る。
I/F19は、プリンター20と有線あるいは無線により接続している。さらに制御装置10は、例えば液晶ディスプレーによって構成される表示部17や、例えばキーボードやマウスやタッチパッドやタッチパネル等によって構成される操作部18等を備える。
なお、本実施形態で制御装置10が実行するものとして説明する事項は、それらの全てあるいは一部をプリンター20側で所定のプログラムに従って実行するとしてもよい。
プリンター20では、I/F25が制御装置10側のI/F19と有線あるは無線により通信可能に接続し、かつ、制御部21等がシステムバスを介して接続されている。制御部21においては、CPU22が、ROM23等に記憶されたプログラム(ファームウェア等)を適宜RAM24に読み出して所定の演算処理を実行する。制御部21は、印刷ヘッド(液体吐出ヘッド)26、ヘッド駆動部27、キャリッジ機構28、送り機構29の各部と接続して各部を制御する。
液体吐出ヘッド26は、複数種類の液体(例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、等)毎の不図示のカートリッジから各種インクの供給を受ける。液体吐出ヘッド26は、各種インクに対応して設けられた複数のノズルからインクを噴射(吐出)可能である。むろん、プリンター20が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック等のインクや、プレコート液等、種々のインクやインク以外の液体を使用可能である。
キャリッジ機構28は、制御部21に制御されて、プリンター20が備える不図示のキャリッジを所定方向(主走査方向)に沿って当該主走査方向の一端側から他端側へ(及び又は他端側から一端側へ)移動させる。キャリッジには液体吐出ヘッド26が搭載され、液体吐出ヘッド26は、キャリッジにより当該移動を行う。
送り機構29は、制御部21に制御されて、不図示のローラー等によって記録媒体を主走査方向と交差(直交)する送り方向へ搬送する(図2の記録媒体G参照)。
ヘッド駆動部27は、制御部21がI/F25を介して制御装置10から取得した印刷データ(印刷データについては後述。)に基づいて、液体吐出ヘッド26の各ノズルに対応して設けられた圧電素子を駆動するための駆動電圧を生成する。ヘッド駆動部27は、当該駆動電圧を液体吐出ヘッド26へ出力する。圧電素子は、当該駆動電圧が印加されると変形して、対応するノズルから液体を吐出させる。これにより、前記キャリッジによって移動中の液体吐出ヘッド26は、各ノズルから記録媒体へインク種類毎のインク(インク滴)を吐出する。吐出されたインクが記録媒体に付着し、記録媒体の表面に「ドット」が形成されることで、記録媒体に印刷データに基づく画像が再現される。ドットとは、基本的には、記録媒体に着弾した状態のインクを指す。ただし、インクが記録媒体に着弾する以前の段階においても、説明の都合上、ドットという表現を用いることがある。
記録媒体として用いられる素材は、代表的には紙であるが、紙以外にも、繊維、プラスチック、金属、その他の自然物や人工物、といった種々の素材が用いられる。
液体吐出ヘッド26の主走査方向に沿った前記一端側から他端への移動、あるいは前記他端側から一端側への移動を、主走査、あるいはパスとも呼ぶ。
また、ヘッド駆動部27は、インクの吐出に異常を有する異常ノズルを検出するための吐出異常検出手段27aを有している。
さらに、プリンター20は、例えば液晶ディスプレーによって構成される表示部30や、例えばボタンやタッチパネル等によって構成される操作部31等を備える。プリンター20においては、ノズルからインク滴を吐出させる手段は、前記圧電素子に限られず、発熱素子によりインクを加熱してノズルからインク滴を吐出させる手段を採用してもよい。
図2は、プリンター20における液体吐出ヘッド26の構成等を簡易的に例示している。図2の左側には、液体吐出ヘッド26のインク吐出面26aにおけるノズルNzの配列を例示している。インク吐出面26aとは、ノズルNzが開口する面であり、液体吐出ヘッド26が主走査するとき記録媒体Gと相対する面である。液体吐出ヘッド26は、吐出するインク色(例えばCMYK)毎のノズル列NLを有している。ノズル列NLとは、ノズルNzが送り方向に沿って等間隔で並ぶ列であり、図2の例では、ノズル列NLが4列平行に設けられている。1色のインクは、1つのノズル列NLによって吐出される以外にも、例えば、互いに送り方向にずれて配設された複数のノズル列NLによって吐出されるとしてもよい。
なお本明細書において、各構成の方向や位置等について、直交、水平、等間隔、平行、等と表現した場合であっても、それらは厳密な直交、水平、等間隔、平行のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。
2.第1実施形態
上述の構成を基にして、第1実施形態を説明する。
図3は、制御装置10がプリンタードライバーPDに従ってプリンター20に印刷を実行させる処理(液体吐出制御処理)をフローチャートにより示している。
ステップS100では、制御部11は、ユーザーによって任意に選択された画像データを所定の入力元から取得する。ユーザーは、表示部17等に表示されたユーザーインターフェース画面(UI画面)を視認しながら操作部18等を操作することにより、記録媒体へ印刷したい画像を表現した画像データを任意に選択することができる。画像データの入力元は特に限定されず、例えば、HDD16や、制御装置10やプリンター20に外部から挿入された不図示のメモリーカード等の他、制御装置10と通信可能に接続されたあらゆる画像入力装置が該当する。
ステップS100で取得される画像データは、例えば、ビットマップ形式であり、画素毎にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)といった要素色の濃度を階調(例えば、0〜255の256階調)表現したRGBデータである。また、制御部11は、取得した画像データがこのようなRGB表色系に対応していない場合、取得した画像データを当該表色系のデータに変換する。さらに、制御部11は、画像データに対して、プリンター20の主走査方向および送り方向の印刷解像度に合わせるための解像度変換処理などを適宜実施する。
ステップS110では、制御部11は、ステップS100後の画像データを対象として色変換処理を実行する。つまり、画像データが採用する表色系を、プリンター20が印刷に使用するインク表色系(例えばCMYK)に変換する。色変換処理は、予め当該表色系の変換関係を規定した色変換テーブル(ルックアップテーブル)を参照することにより画素毎に実行する。上述したように画像データが各画素の色をRGBで階調表現する場合、画素毎のRGBの階調値がCMYK毎のインク量に変換される。このような色変換後のCMYK値は、例えば、0〜100(%)といった数値で段階的に表現され、対応する画素におけるインク量(濃度)を階調表現していると言える。以下では、このような画素毎のCMYK値で表現された画像データを「インク量データ」とも呼ぶ。
ステップS120では、制御部11は、ステップS110後の画像データ(インク量データ)にハーフトーン処理を施し、印刷データへ変換する。制御部11は、例えば、予め規定されたディザマスクを用いたディザリングによりハーフトーン処理を実行してもよいし、誤差拡散法によりハーフトーン処理を実行してもよい。ハーフトーン処理により、画素毎に、CMYK各色インクの吐出(ドット有り)又は非吐出(ドット無し)を規定した印刷データ(ドットデータ)が生成される。この場合、インク量データにおける、ある画素が規定するインク量の値が高いほど、ハーフトーン処理の結果、当該画素についてインク吐出が決定される可能性は高まる。
ステップS130では、制御部11は、ステップS120で生成した印刷データ(ドットデータ)を構成する画素を、ノズルへの割り当ての所定規則に従って液体吐出ヘッド26に転送すべき順に並べ替える。当該並べ替えの処理により、印刷データを構成する画素が規定するドットは、その画素位置およびインク色に応じて、液体吐出ヘッド26内のいずれのノズルによって、何番目のパスで、パス中のどのタイミングで吐出されるかが確定される。前記割り当ての所定規則に従った並べ替え処理後の印刷データはI/F19を介して当該並べ替え後の順に従ってプリンター20側へ出力される(出力処理)。これにより、印刷データを構成する画素が実質的に液体吐出ヘッド26の有するいずれかのノズルに割り当てられたことになる。
プリンター20は、I/F25を介して入力した印刷データに基づいて液体吐出ヘッド26の主走査(パス)、各ノズルからのインクの吐出又は非吐出、および記録媒体の送りを制御し、ステップS100で取得された画像データが表現する画像を記録媒体に印刷する。
このようなステップS120,S130の処理を実行する点で、制御部11は、画像を構成する画素であってインクの吐出または非吐出を決定した画素をノズルに割り当てることによりノズルによるインクの吐出を制御する吐出制御部、として機能すると言える。
本実施形態では、プリンター20は、主走査方向を向く1つのラスターラインを表現する画素列における第1割合の画素を第1ノズルに割り当て、前記画素列における第2割合の画素を第2ノズルに割り当てることにより、第1ノズルおよび第2ノズルを少なくとも含む複数のノズルを使用して前記ラスターラインを記録媒体に記録する。つまり、オーバーラップ印刷をする。また、前記割り当ての所定規則は、第1ノズルおよび第2ノズルのうち一方のノズルが液体の吐出に異常を有する「異常ノズル」であり、かつ、当該異常ノズルに割り当てた前記画素列における画素の割合が、第1割合と第2割合との合計に対して所定割合以上である場合に、第1ノズルおよび第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における画素の割合を増加させる、というルールを少なくとも含んでいる。
先ず、異常ノズルとは、前記駆動電圧の印加による吐出動作を行ったにもかかわらずインク滴を正常に吐出できない(吐出異常がある)ノズルの総称である。吐出異常が発生する原因としては、ノズルやノズルに連通するインクの流路内への気泡の混入、ノズル付近でのインクの乾燥・増粘(固着)、ノズル開口付近への紙粉付着、等が挙げられる。吐出異常が発生すると、その結果として、典型的にはノズルからインク滴が吐出されないため、記録媒体に本来形成されるべきドットが形成されない現象(ドット抜け)が生じる。また、吐出異常の場合には、ノズルからインク滴が吐出されたとしても、液量が過少であったり、インク滴の飛行方向(弾道)がずれたりして適正に着弾しないので、やはりドット抜けが生じやすい。
本実施形態では、プリンター20の制御部21は、例えば図示しないEEPROM等にノズル情報NI(図1参照)を記憶する。ノズル情報NIは、液体吐出ヘッド26が有するノズル毎の吐出異常の有無が記述された情報である。ノズル情報NIは、ノズル毎の吐出異常の有無が直接あるいは間接的に判る情報であれば何でも良い。本実施形態ではノズル情報NIを生成するための工程は特に問わず、ノズルの吐出異常を判定、検出するためのあらゆる公知技術を採用可能である。例えば、プリンター20では、吐出異常検出手段27aが、特開2013‐126776号公報に開示されている手法を利用してノズル毎に吐出異常の有無を判定し、その結果をノズル情報NIとして制御部21へ出力することができる。具体的には、前記駆動電圧の印加による圧電素子の変形に伴って撓むいわゆる振動板等の残留振動の波形(周期等)を計測することにより、ノズルからインクの吐出が正常に行われたか吐出異常が在ったかを判定する。あるいは、液体吐出ヘッド26の各ノズルからインクを吐出させて印刷したテストパターンにおけるドット抜けの有無を人為的あるいは自動的に評価することにより、ノズル毎の吐出異常の有無を判定し、当該判定結果をノズル情報NIとして書き込むとしてもよい。
前記ステップS130において画素をノズルに割り当てる処理について詳述する。
図4は、ノズル列NLを構成するノズルと、ノズルに割り当てられる画像データIMを構成する画素との対応関係を説明するための図である。なお、図4に示したノズルと画素との対応関係はあくまで一例に過ぎず、このような対応関係はプリンター20が採用する印刷方法に応じて変更される。図4の左側には、説明を簡単にするために、1つのインク色に対応したノズル列NLが10個のノズル(丸印)で構成された例を示している。ノズル列NLの一端側から他端側に向けてノズルを表す丸印の外に付した1〜10の番号は、ノズル番号である。また図4では、ノズルを表す丸印の中に、そのノズルの使用率を参考までに記載している。また図4では、液体吐出ヘッド26によるパス(1番目のパス、2番目のパス、3番目のパス、4番目のパス…)毎に1つのノズル列NLの位置(送り方向における記録媒体との相対的な位置)が変化することを示している。実際には、液体吐出ヘッド26が送り方向に移動するのではなく、パスが終わる度に、記録媒体が送り機構29によって所定の送り量だけ送り方向へ移動させられる。なお、2パス目以降では、ノズル番号の記載を省略している。
図4の右側には、画像データIMを、X方向(主走査方向に対応)およびY方向(送り方向に対応)に配列された複数の画素(矩形)の集合により例示している。画像データIMは、X方向、Y方向それぞれの解像度が、プリンター20が採用する主走査方向、送り方向それぞれの印刷解像度(例えば、720dpi×720dpi)に対応している。図4において、画像データIMの外側に、X方向、Y方向それぞれに1,2,3…と付された数字は、画像データIMにおける各画素の位置(X,Y座標)を示している。ここで示す画像データIMは、上述した印刷データ(ドットデータ)を指すが、色変換処理前の画像データ(RGBデータ)や色変換処理後の画像データ(インク量データ)であると解釈してもよい。図4の例では、画素を示す矩形内の数字は、その画素が割り当てられる“ノズル番号/パス番号”を意味する。例えば、“5/1”と示された画素は、1パス目の5番目のノズルに割り当てられる画素である。
図4の例では、ノズル列NLを構成するノズルの間隔(ノズルピッチ)は、360ノズル/インチ(npi)に対応している一方で、画像データIMのY方向の解像度は、倍の720dpiである。そのため、1回のパスが終わる毎の記録媒体の送り量を、例えばノズルピッチの1.5倍とすることにより、結果的に、送り方向の印刷解像度が720dpiとなる。また図4の例では、液体吐出ヘッド26が1つの「画素列」の印刷を複数回(2回)のパスで完成させるオーバーラップ印刷を示している。本実施形態において、画素列とは、Y座標が同じ画素がX方向における画像データの一端から他端にかけて連なる領域を意味する。1つの画素列は、主走査方向に平行な1つのラスターラインを表現する。画像データIMのX方向の解像度は720dpiであるのに対し、液体吐出ヘッド26は1回のパスによる主走査方向の印刷解像度を720dpiとする能力を有する。従って、液体吐出ヘッド26は、1回のパスかつ1つのノズルで画像データIMにおける1つの画素列を構成する全画素を印刷することも可能である。
制御部11は、ステップS130において、プリンター20に対して既に設定されている印刷方法に基づいて、画像データIMを構成する各画素をいずれかのノズルに割り当てる。ここで言う印刷方法とは、主走査方向と送り方向それぞれの印刷解像度、上述した1回のパスが終わる毎の記録媒体の送り量、1つの画素列を印刷するために必要なパス数(2回)、ノズル使用率規定マスク16Aの内容、等によって定まるプリンター20の挙動である。1つの画素列を2回のパスで印刷するということは、1つの画素列を2つのノズル(2回のパスのうち先行のパスで使用される先行ノズル、当該2回のパスのうち後行のパスで使用される後行ノズル)で印刷することを意味する。第1実施形態における印刷方法では、1つのノズル列NLを構成するノズル番号1〜10の各ノズルについての使用率は、図4の左側のノズルを表す丸印の中に例示したように、予め決められている。このように各ノズルについて予め決められた使用率を、便宜上「変更前使用率」と呼ぶ。
図5はノズル使用率規定マスク16Aを例示している。ノズル使用率規定マスク16Aは、縦軸をノズル使用率、横軸を画素列における画素位置、としたマトリクスである。より詳細には、縦軸のノズル使用率とは、先行ノズルについての使用率である。なお、先行ノズル、後行ノズルそれぞれの使用率の合計は100%となるように設計されている。従って、ノズル使用率規定マスク16Aが規定するノズル使用率80%とは、先行ノズルの使用率80%かつ後行ノズルの使用率20%、を意味する。ノズル使用率規定マスク16Aにおける「1」は、先行ノズルが使用される画素位置を指し、「0」は後行ノズルが使用される画素位置を指す。
ノズル使用率規定マスク16Aは、同じノズルが使用される画素位置を、できるだけ分散させる(できるだけ連続させない)マスクである。例えば、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率50%の欄によれば、先行ノズルが使用される画素位置「1」と後行ノズルが使用される画素位置「0」とが交互に配置されている。なお、ノズル使用率規定マスク16A等に関連する説明の中でノズルの“使用”という表現を用いているが、これは、現実のノズルの使用(ノズルがインクを吐出する行為)を保障する意味ではない。ノズルがインクを吐出するか否かは、ノズルに割り当てられる画素が前記“ドット有り”の画素であるか否かに因る。従って、ノズル使用率規定マスク16A等に関連する説明の中でノズルの“使用”という表現は、あくまで、情報処理として(ドットの有り無しを問わず)画素をノズルに割り当てることを意味する。
制御部11は、変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列毎に、各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てる。このような割り当ての結果が、図4右側の画像データIMに示されている。例えば、Y=1の画素列を構成する画素は、1パス目の5番目のノズル(変更前使用率80%の先行ノズル)と、3パス目の2番目のノズル(変更前使用率20%の後行ノズル)とに、8:2の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率80%の欄に従った配置で割り当てられる。同様に、Y=2の画素列を構成する画素は、2パス目の4番目のノズル(変更前使用率10%の先行ノズル)と、4パス目の1番目のノズル(変更前使用率90%の後行ノズル)とに、1:9の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率10%の欄に従った配置で割り当てられる。なお、1つの画素列に注目したとき、先行ノズルと後行ノズルとのいずれか一方が特許請求の範囲における「第1ノズル」であり他方が「第2ノズル」である。また、第1ノズルの変更前使用率が特許請求の範囲における「第1割合」であり、第2ノズルの変更前使用率が「第2割合」である。
制御部11は、当該ステップS130において、上述のノズル情報NIをプリンター20から読み込むことにより、ノズル情報NIに基づいて、例えば6番目のノズル(図4においてグレーで示したノズル)が吐出異常を有すること、つまり6番目のノズルが「異常ノズル」であることを認識したとする。以下では、異常ノズルに割り当てられた画素を、「異常ノズル対応画素」と呼ぶ。異常ノズル対応画素が記録媒体に再現されるとき、インクが吐出されるべき場合であっても実際にはドット抜けとなる。図4では、上述のように変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいた割り当ての結果、異常ノズルである6番目のノズルに割り当てた異常ノズル対応画素(Y=3の画素列のうち1パス目の6番目のノズルに割り当てた画素、Y=6の画素列のうち2パス目の6番目のノズルに割り当てた画素、Y=9の画素列のうち3パス目の6番目のノズルに割り当てた画素、Y=12の画素列のうち4パス目の6番目のノズルに割り当てた画素…)を、グレーにより例示している。以下では、異常ノズル対応画素が含まれる画素列を「異常ノズル対応画素列」とも呼ぶ。
制御部11は、当該ステップS130では、異常ノズル対応画素列については、異常ノズル対応画素の割合(=異常ノズルの変更前使用率)が、先行ノズルの変更前使用率と後行ノズルの変更前使用率との合計(第1割合と第2割合との合計=100%)に対して所定割合(しきい値)以上であるか否か判定する。ここで言うしきい値とは、一例として概ね50%程度である。図4の例では、変更前使用率が60%である6番目のノズルが異常ノズルであるため、当該しきい値を50%とした場合、異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合は当該しきい値以上、という判定がなされる。
制御部11は、当該ステップS130では、異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合は前記しきい値以上という判定をした場合、当該画素列における異常ノズル対応画素ではない画素(特許請求の範囲における「他方のノズル」に割り当てる画素)の割合を増加させる。当該増加の手法としては、一例として、先行ノズルの変更前使用率と後行ノズルの変更前使用率とを単に入れ替える手法(第1の手法)が考えられる。つまり、前記しきい値は50%であり、異常ノズルの変更前使用率は前記しきい値以上であるから、異常ノズル対応画素列にとっての先行ノズルの変更前使用率と後行ノズルの変更前使用率と入れ替えることで、当該画素列における異常ノズル対応画素の割合が低下し、異常ノズル対応画素ではない画素の割合が増加する。図4の例に従って、異常ノズル対応画素列にとっての先行ノズルの変更前使用率と後行ノズルの変更前使用率と入れ替えると、当該画素列における異常ノズル対応画素の割合は60%から40%へ低下し、異常ノズル対応画素ではない画素の割合は40%から60%へ増加する。制御部11は、このような第1の手法による入れ替え後の使用率(「変更後使用率」と呼ぶ)およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列のうち異常ノズル対応画素列について、各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てる(割り当てし直す)。
当該ステップS130において、異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合が前記しきい値以上である場合に、当該画素列における異常ノズル対応画素ではない画素の割合を増加させる手法は、前記第1の手法に限定されない。例えば、制御部11は、異常ノズル対応画素列にとっての先行ノズルの変更前使用率および後行ノズルの変更前使用率に囚われることなく、当該先行ノズルおよび後行ノズルのうち異常ノズルではない方のノズル(特許請求の範囲における「他方のノズル」)についての使用率をある値にまで増加させる手法(第2の手法)を採用してもよい。当該第2の手法では、制御部11は、図4のように異常ノズルの変更前使用率が60%であっても、異常ノズルの使用率をそれまでの60%から、例えば30〜0%程度へ変更し、前記他方のノズルの使用率をそれまでの40%から、例えば70%〜100%程度へ変更する。このような第2の手法による変更後の使用率(変更後使用率)およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列のうち異常ノズル対応画素列について、各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てる(割り当てし直す)。
図6Aは、前記第1の手法で得られた変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、異常ノズル対応画素列について、各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てた結果を例示している。同様に、図6Bは、前記第2の手法で得られた変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、異常ノズル対応画素列について、各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てた結果を例示している。図6A,図6Bそれぞれに示す画像データIMは、図4に示した画像データIMと比較したとき、異常ノズル対応画素列(Y=3,6,9,12…の画素列)のみ、画素とノズルとの対応関係が異なり、異常ノズル(6番目のノズル)に割り当てられる異常ノズル対応画素が減り、前記他方のノズルに割り当てられる画素が増えている。図6Aの例では、異常ノズル対応画素列において、異常ノズル対応画素の割合が40%となり、前記他方のノズルに割り当てられる画素の割合が60%となっている。図6Bの例では、異常ノズル対応画素列において、異常ノズル対応画素の割合が20%となり、前記他方のノズルに割り当てられる画素の割合が80%となっている。図6A,図6Bにおいても図4と同様に、異常ノズルである6番目のノズルに割り当てた異常ノズル対応画素をグレーにより例示している。
制御部11は、このような異常ノズル対応画素列について変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てた画像データIM(例えば図6Aまたは図6B参照)に基づいて、液体吐出ヘッド26が備える各ノズルからのインクの吐出/非吐出を制御する。むろん、制御部11は、ノズル情報NIを参照して異常ノズルが存在しないと認識した場合や、異常ノズルの存在を認識した場合であっても異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合(=異常ノズルの変更前使用率)が前記しきい値未満であると判定した場合は、変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てた画像データIM(例えば図4参照)に基づいて、液体吐出ヘッド26が備える各ノズルからのインクの吐出/非吐出を制御する。
第1実施形態による効果を説明する。第1実施形態によれば、1つのラスターラインを先行ノズルおよび後行ノズルを利用して記録媒体に記録するに際し、先行ノズルおよび後行ノズルのうち一方のノズルが異常ノズルであっても、当該ラスターラインを表現する画素列における当該一方のノズルに割り当てた画素の割合が、前記しきい値(例えば50%)以上である場合に限り、先行ノズルおよび後行ノズルのうち他方のノズル(異常ノズルではないノズル)に割り当てる当該画素列における画素の割合を増加させる。
すなわち、ラスターラインの再現に際して前記しきい値以上の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合(当該ラスターラインにおいてドット抜けが目立つ場合)に、前記他方のノズルの使用率を上げる(前記変更後使用率を適用する)ことにより、それらドット抜けの数を減らし、ドット抜けが視認されることによる画質劣化を抑制する。一方、ラスターラインの再現に際して前記しきい値未満の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合は、当該ラスターラインにおいてドット抜けはあまり目立たないため、前記他方のノズルの使用率を上げる(前記変更後使用率を適用する)ことはせず、当該ラスターラインの記録に際して同じノズルの使用率を上げる(前記他方のノズルの使用率を上げる)ことで起こり得る画質劣化を避けるようにしている。従って、ドット抜けによる画質劣化と、ラスターラインの記録に際して同じノズルを多用することによる画質劣化とを、良好なバランスで抑制することができ、異常ノズルが存在する場合において、画質を総合的に向上させることができる。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような実施形態や変形例を採用可能である。各実施形態や変形例を適宜組み合わせた構成も、本発明の開示範囲に入る。以下の実施形態や変形例の説明においては、第1実施形態と共通の事項は説明を適宜省略する。
3.第2実施形態
図7は、第2実施形態における、ノズル列NLを構成するノズルと、ノズルに割り当てられる画像データIMを構成する画素との対応関係を説明するための図である。図7の左側には、1つのインク色に対応したノズル列NLが12個のノズル(丸印)で構成された例を示している。ノズル列NLの一端側から他端側に向けてノズルを表す丸印の外に付した1〜12の番号は、ノズル番号である。図7でも図4と同様に、ノズルを表す丸印の中に、そのノズルの使用率(変更前使用率)を参考までに記載し、また、液体吐出ヘッド26によるパス(1番目のパス、2番目のパス、3番目のパス、4番目のパス…)毎に1つのノズル列NLの位置(送り方向における記録媒体との相対的な位置)が変化することを示している。2パス目以降では、ノズル番号の記載を省略している。
図7の右側には、図4と同様、画像データIMを、X方向およびY方向に配列された複数の画素(矩形)の集合により例示している。画像データIMの外側に、X方向、Y方向それぞれに1,2,3…と付された数字の意味、および、画素を示す矩形内の数字の意味は、図4の説明と同じである。図7の例では、液体吐出ヘッド26が1つの画素列の印刷を4回のパスで完成させるオーバーラップ印刷を示している。第2実施形態では、画像データIMのX方向の解像度は720dpiであるのに対し、液体吐出ヘッド26は1回のパスによる主走査方向の印刷解像度を360dpiとする能力を有する。従って、第2実施形態では、液体吐出ヘッド26は、1回のパスかつ1つのノズルで画像データIMにおける1つの画素列を構成する全画素を印刷することはできない。
具体的には、第2実施形態では、プリンター20は、1つの画素列におけるX座標が奇数(X=1,3,5…)である奇数画素を2回のパスで印刷し、当該画素列におけるX座標が偶数(X=2,4,6…)である偶数画素を別の2回のパスで印刷する。このような第2実施形態の印刷方法では、1つの画素列における奇数画素の印刷のための2回のパスのうち先行のパスで使用されるノズルを第1先行ノズル、当該奇数画素の印刷のための後行のパスで使用されるノズルを第1後行ノズルと呼ぶ。また、当該1つの画素列における偶数画素の印刷のための2回のパスのうち先行のパスで使用されるノズルを第2先行ノズル、当該偶数画素の印刷のための後行のパスで使用されるノズルを第2後行ノズルと呼ぶ。第1先行ノズルの変更前使用率と第1後行ノズルの変更前使用率との合計は100%であるが、この100%は、1つの画素列における奇数画素の100%を意味する。同様に、第2先行ノズルの変更前使用率と第2後行ノズルの変更前使用率との合計は100%であるが、この100%は、1つの画素列における偶数画素の100%を意味する。
第2実施形態では、1つの画素列に注目したとき、第1先行ノズルと第1後行ノズルとのいずれか一方が異常ノズルであるとき、第1先行ノズルと第1後行ノズルとのいずれか一方が「第1ノズル」に該当し、他方が「第2ノズル」に該当する。また、第2先行ノズルと第2後行ノズルとのいずれか一方が異常ノズルであるとき、第2先行ノズルと第2後行ノズルとのいずれか一方が「第1ノズル」に該当し、他方が「第2ノズル」に該当する。
制御部11は、第1実施形態と同様に、ステップS130(図3)では、変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列毎に、各画素をノズルに割り当てる。このような割り当ての結果が、図7右側の画像データIMに示されている。例えば、Y=1の画素列を構成する奇数画素は、1パス目の11番目のノズル(変更前使用率20%の第1先行ノズル)と、5パス目の5番目のノズル(変更前使用率80%の第1後行ノズル)とに、2:8の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率20%の欄に従った配置で割り当てられる。奇数画素にノズル使用率規定マスク16Aを適用して先行ノズル(第1先行ノズル)と後行ノズル(第1後行ノズル)とに割り当てる場合は、奇数画素のみを抽出してそれらの間を詰めて配置した奇数画素の列に対して、ノズル使用率規定マスク16Aを適用する。また、Y=1の画素列を構成する偶数画素は、3パス目の8番目のノズル(変更前使用率80%の第2先行ノズル)と、7パス目の2番目のノズル(変更前使用率20%の第2後行ノズル)とに、8:2の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率80%の欄に従った配置で割り当てられる。偶数画素にノズル使用率規定マスク16Aを適用して先行ノズル(第2先行ノズル)と後行ノズル(第2後行ノズル)とに割り当てる場合も、偶数画素のみを抽出してそれらの間を詰めて配置した偶数画素の列に対して、ノズル使用率規定マスク16Aを適用する。
同様に、Y=2の画素列を構成する奇数画素は、4パス目の7番目のノズル(変更前使用率90%の第1先行ノズル)と、8パス目の1番目のノズル(変更前使用率10%の第1後行ノズル)とに、9:1の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率90%の欄に従った配置で割り当てられる。また、Y=2の画素列を構成する偶数画素は、2パス目の10番目のノズル(変更前使用率40%の第2先行ノズル)と、6パス目の4番目のノズル(変更前使用率60%の第2後行ノズル)とに、4:6の割合で、かつ、ノズル使用率規定マスク16Aのノズル使用率40%の欄に従った配置で割り当てられる。
制御部11は、当該ステップS130において、上述のノズル情報NIをプリンター20から読み込むことにより、ノズル情報NIに基づいて、例えば8番目のノズル(図7においてグレーで示したノズル)が「異常ノズル」であることを認識したとする。図7では、上述のように変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいた割り当ての結果、異常ノズルである8番目のノズルに割り当てた異常ノズル対応画素(Y=1の画素列の偶数画素のうち3パス目の8番目のノズル(第2先行ノズル)に割り当てた画素、Y=4の画素列の奇数画素のうち4パス目の8番目のノズル(第1先行ノズル)に割り当てた画素…)を、グレーにより例示している。
制御部11は、当該ステップS130では、異常ノズル対応画素列において、異常ノズル対応画素が奇数画素であれば、異常ノズル対応画素が奇数画素に占める割合(=異常ノズルの変更前使用率)が所定割合(前記しきい値)以上であるか否か判定するし、異常ノズル対応画素が偶数画素であれば、異常ノズル対応画素が偶数画素に占める割合(=異常ノズルの変更前使用率)が前記しきい値以上であるか否か判定する。図7の例では、変更前使用率が80%である8番目のノズルが異常ノズルである。そのため、前記しきい値を50%とした場合、異常ノズル対応画素列において異常ノズル対応画素が奇数画素であれば、異常ノズル対応画素列において異常ノズル対応画素が奇数画素の100%に占める割合は、前記しきい値以上という判定がなされる。また、前記しきい値を50%とした場合、異常ノズル対応画素列において異常ノズル対応画素が偶数画素であれば、異常ノズル対応画素列において異常ノズル対応画素が偶数画素の100%に占める割合は、前記しきい値以上という判定がなされる。
前記のように異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合が前記しきい値以上という判定をした場合、制御部11は、第1実施形態と同様、当該画素列における異常ノズル対応画素ではない画素の割合を、例えば前記第1の手法や前記第2の手法により増加させる。図7の例および前記第1の手法に従って、異常ノズル、当該異常ノズルとの組み合わせで第1先行ノズルと第1後行ノズル(あるいは第2先行ノズルと第2後行ノズル)の関係を作るノズル(つまり特許請求の範囲における「他方のノズル」)、それぞれの変更前使用率を入れ替えると、異常ノズルの使用率は80%から20%へ低下し、当該他方のノズルの使用率は20%から80%へ増加する。制御部11は、このような入れ替え後の使用率(変更後使用率)およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列のうち異常ノズル対応画素列について、各画素をノズルに割り当てる(割り当てし直す)。
あるいは制御部11は、前記第2の手法に従うと、図7のように異常ノズルの変更前使用率が80%である場合に、例えば、異常ノズルの使用率を10〜0%程度へ減少させ、前記他方のノズルの使用率を90〜100%程度へ増加させる。そして、このような第2の手法による変更後の使用率(変更後使用率)およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、画像データIMの画素列のうち異常ノズル対応画素列について、各画素をノズルに割り当てる(割り当てし直す)。
図8Aは、前記第1の手法で得られた変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、異常ノズル対応画素列について各画素をノズルに割り当てた結果を例示している。同様に、図8Bは、前記第2の手法で得られた変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて、異常ノズル対応画素列について各画素をノズルに割り当てた結果を例示している。図8A,図8Bそれぞれに示す画像データIMは、図7に示した画像データIMと比較したとき、異常ノズル対応画素列(Y=1,4…の画素列)のみ、画素とノズルとの対応関係が異なり、異常ノズル(8番目のノズル)に割り当てられる異常ノズル対応画素が減り、前記他方のノズルに割り当てられる画素が増えている。図8A,図8Bにおいても図7と同様に、異常ノズルである8番目のノズルに割り当てた異常ノズル対応画素をグレーにより例示している。
具体的には、図8Aでは、Y=1の画素列(異常ノズル対応画素列)における偶数画素の中で、異常ノズルである第2先行ノズル(3パス目の8番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は20%となり、前記他方のノズルである第2後行ノズル(7パス目の2番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は80%となっている。また、Y=4の画素列(異常ノズル対応画素列)における奇数画素の中で、異常ノズルである第1先行ノズル(4パス目の8番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は20%となり、前記他方のノズルである第1後行ノズル(8パス目の2番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は80%となっている。
また、図8Bの例では、Y=1の画素列(異常ノズル対応画素列)における偶数画素の中で、異常ノズルである第2先行ノズル(3パス目の8番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は10%となり、前記他方のノズルである第2後行ノズル(7パス目の2番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は90%となっている。また、Y=4の画素列(異常ノズル対応画素列)における奇数画素の中で、異常ノズルである第1先行ノズル(4パス目の8番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は10%となり、前記他方のノズルである第1後行ノズル(8パス目の2番目のノズル)に割り当てられる画素の割合は90%となっている。
制御部11は、このような異常ノズル対応画素列について変更後使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて各画素をノズルに割り当てた画像データIM(例えば図(図8Aまたは図8B参照)に基づいて、液体吐出ヘッド26が備える各ノズルからのインクの吐出/非吐出を制御する。むろん、制御部11は、ノズル情報NIを参照して異常ノズルが存在しないと認識した場合や、異常ノズルの存在を認識した場合であっても異常ノズル対応画素列における異常ノズル対応画素の割合(=異常ノズルの変更前使用率)が前記しきい値未満であると判定した場合は、変更前使用率およびノズル使用率規定マスク16Aに基づいて各画素を先行ノズルと後行ノズルとに割り当てた画像データIM(例えば図7参照)に基づいて、液体吐出ヘッド26が備える各ノズルからのインクの吐出/非吐出を制御する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。つまり、第2実施形態では、ラスターラインの再現に際して、全奇数画素のうち前記しきい値以上の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合や、全偶数画素のうち前記しきい値以上の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合(当該ラスターラインにおいてドット抜けが目立つ場合)に、前記他方のノズルの使用率を上げる(前記変更後使用率を適用する)ことにより、それらドット抜けの数を減らし、ドット抜けが視認されることによる画質劣化を抑制する。一方、ラスターラインの再現に際して、全奇数画素のうち前記しきい値未満の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合や、全偶数画素のうち前記しきい値未満の割合の画素に対応してドット抜けが発生し得るような場合は、当該ラスターラインにおいてドット抜けはあまり目立たない。そのため、前記他方のノズルの使用率を上げる(前記変更後使用率を適用する)ことはせず、当該ラスターラインの記録に際して同じノズルの使用率を上げる(前記他方のノズルの使用率を上げる)ことで起こり得る画質劣化を避けるようにしている。従って、ドット抜けによる画質劣化と、ラスターラインの記録に際して同じノズルを多用することによる画質劣化とを、良好なバランスで抑制することができ、異常ノズルが存在する場合において、画質を総合的に向上させることができる。
4.変形例
変形例1:
特許請求の範囲における「所定割合」に相当する前記しきい値は、50%という値に限定されない。例えば、吐出制御部(制御部11)は、記録媒体において液体(インク)が滲みやすいほど、前記しきい値を高い値にするとしてもよい。これは、記録媒体が、インクが滲みやすい特性を有している場合、ドット抜けが生じている箇所の近傍に着弾したインクの滲み(広がり)により当該ドット抜けが埋められる効果が高いと言えるからである。
ユーザーは、操作部18,31等を操作してプリンター20に対して、光沢紙や普通紙等、インクの滲みやすさが互い異なる種々の記録媒体の中から任意に記録媒体を選択、設定することができる。ここでは、プリンター20は、少なくともある種類の用紙である第1の記録媒体と、第1の記録媒体よりもインクが滲みやすい特性を有する第2の記録媒体とを印刷に使用可能であるとする。そして、制御部11は、記録媒体として第1の記録媒体が設定されている場合は、前記しきい値として第1のしきい値を設定し、第2の記録媒体が設定されている場合は、前記しきい値として第1のしきい値よりも高い値の第2のしきい値を設定する。一例として、第1のしきい値=50%、第2のしきい値=70%、等とすることができる。
このような構成において、前記第1実施形態にて、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%(当該画素列を記録するための後行ノズルの変更前使用率が40%)であると仮定する。この場合、制御部11は、記録媒体が前記第1の記録媒体であれば、当該異常ノズルの変更前使用率60%は前記しきい値(第1のしきい値=50%)以上であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための後行ノズルの使用率を増加させる(当該画素列において後行ノズルに割り当てる画素を増加させる)。一方、制御部11は、記録媒体が前記第2の記録媒体であれば、当該異常ノズルの変更前使用率60%は前記しきい値(第2のしきい値=70%)未満であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための後行ノズルの使用率を増加させることはしない(先行ノズル(異常ノズル)、後行ノズルそれぞれの変更前使用率をそのまま採用する)。
また前記第2実施形態にて、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための第1先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%(当該画素列を記録するための第1後行ノズルの変更前使用率が40%)であると仮定する。この場合、制御部11は、記録媒体が前記第1の記録媒体であれば、当該異常ノズルの変更前使用率60%は前記しきい値(第1のしきい値=50%)以上であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第1後行ノズルの使用率(奇数画素100%のうち第1後行ノズルに割り当てる画素の割合)を増加させる。一方、制御部11は、記録媒体が前記第2の記録媒体であれば、当該異常ノズルの変更前使用率60%は前記しきい値(第2のしきい値=70%)未満であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第1後行ノズルの使用率を増加させることはしない(第1先行ノズル(異常ノズル)、第1後行ノズルそれぞれの変更前使用率をそのまま採用する)。
このような変形例1によれば、インクが比較的滲みやすい記録媒体を使用する場合には、ドット抜けがそもそも目立ちにくいという状況を考慮して、前記しきい値を比較的高く設定し、逆に、インクが比較的滲みにくい記録媒体を使用する場合には、ドット抜けが目立ちやすいという状況を考慮して、前記しきい値を比較的低く設定する。そのため、ラスターラインの記録に際し、ドット抜けによる画質劣化を抑制するために真に必要な場合において前記他方のノズルの使用率が増加され、結果的に、使用する記録媒体によらず画質を総合的に向上させることができる。
変形例2:
図4,6,7,8による説明は、液体吐出ヘッド26が吐出する全色のインク(例えばCMYK)のうち1色のインク(例えばC)を吐出するノズル列に関するものであるが、他のインク(例えばMYK)を吐出する各ノズル列によるインク吐出においても同様の説明が適用される。つまり、ステップS130の処理は、画素毎にCインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)、画素毎にMインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)、画素毎にYインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)、画素毎にKインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)…それぞれに対して実行される。
ただし、比較的濃度が低いインク(例えばY)は、ドット抜けが比較的多数有ってもそのドット抜けが目立ちにくく、逆に、比較的濃度が高いインク(例えばK)は、ドット抜けが比較的少数の場合でも、そのドット抜けが目立ちやすい。そこで制御部11は、インクの色に応じて前記しきい値を異ならせるとしてもよい。具体的には、液体吐出ヘッド26は、液体として第1インクと第1インクよりも高濃度である第2インクとを少なくとも吐出可能であり、吐出制御部(制御部11)は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第1インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記しきい値を、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第2インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記しきい値よりも高い値にする。
一例として、制御部11は、第1インクをYインクとし、第2インクをKインクとする。そして、ステップS130では、画素毎にYインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)を処理対象とする際には、前記しきい値として第3しきい値を設定し、画素毎にKインクの吐出又は非吐出を規定したドットデータ(画像データIMの一種)を処理対象とする際には、前記しきい値として第3のしきい値よりも低い値の第4のしきい値を設定する。一例として、第3のしきい値=70%、第4のしきい値=40%、等とすることができる。
このよう構成において、前記第1実施形態にて、第1インク(Yインク)を吐出するためのノズル列NLを構成するノズルであって、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%であると仮定する。この場合、制御部11は、当該異常ノズルの変更前使用率60%は、前記しきい値(第3のしきい値=70%)未満であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第1インク(Yインク)を吐出する後行ノズルの使用率を増加させることはしない。一方、前記第1実施形態にて、第2インク(Kインク)を吐出するためのノズル列NLを構成するノズルであって、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%であると仮定する。この場合、制御部11は、当該異常ノズルの変更前使用率60%は、前記しきい値(第4のしきい値=40%)以上であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第2インク(Kインク)を吐出する後行ノズルの使用率を増加させる。
また前記第2実施形態にて、第1インク(Yインク)を吐出するためのノズル列NLを構成するノズルであって、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための第1先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%であると仮定する。この場合、制御部11は、当該異常ノズルの変更前使用率60%は、前記しきい値(第3のしきい値=70%)未満であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第1インク(Yインク)を吐出する第1後行ノズルの使用率を増加させることはしない。一方、前記第2実施形態にて、第2インク(Kインク)を吐出するためのノズル列NLを構成するノズルであって、あるラスターラインを表現する画素列を記録するための第1先行ノズルが異常ノズルに該当し、当該異常ノズルの変更前使用率が60%であると仮定する。この場合、制御部11は、当該異常ノズルの変更前使用率60%は、前記しきい値(第4のしきい値=40%)以上であるため、ステップS130において、当該画素列を記録するための第2インク(Kインク)を吐出する第1後行ノズルの使用率を増加させる。なお、CインクやMインクについての前記しきい値は、Kインクについての前記しきい値(第4のしきい値)と同じ値としてもよいし、Yインクについての前記しきい値(第3のしきい値)より低くKインクについての前記しきい値(第4のしきい値)より高い値としてもよい。
このような変形例2によれば、ドット抜けが比較的目立ちにくいインク(第1インク)に対しては前記しきい値を比較的高く設定し、逆に、ドット抜けが比較的目立ちやすいインク(第2インク)に対しては前記しきい値を比較的低く設定する。そのため、ラスターラインの記録に際し、ドット抜けによる画質劣化を抑制するために真に必要な場合において前記他方のノズルの使用率が増加され、様々な色のインクを使用して得られる画質を総合的に向上させることができる。
変形例3:
吐出制御部(制御部11)は、前記「第1ノズル」と「第2ノズル」のうち一方のノズルが異常ノズルであり、かつ、異常ノズルに割り当てた画素の割合(変更前使用率)が前記「第1割合」と「第2割合」との合計(100%)に対して前記しきい値以上である場合に、「第1ノズル」と「第2ノズル」のうち他方のノズルに割り当てる画素の割合を増加させる「第1記録モード」と、前記「第1ノズル」と「第2ノズル」のうち一方のノズルが異常ノズルであるか否かにかかわらず前記他方のノズルに割り当てる画素の割合を変えない「第2記録モード」とを、選択的に実行可能である。そして、制御部11は、前記画素列を含む画像の種類に応じて、第1記録モードと第2記録モードとのいずれかを選択して実行する。なお、第2記録モードでは、制御部11は、ステップS130において、異常ノズルの有無を判定することなく、単にノズル毎の変更前使用率に応じて、画像データIMの画素列毎の各画素をいずれかのノズルに割り当てる。
ここで言う画像の種類とは、ステップS100で取得された画像データが表現する内容の種類であり、文書(テキスト)、CG、写真等に分けられる。制御部11は、画像の種類を、例えば、ステップS100で取得された画像データの解析(例えば、画像に含まれている色数や、画像のヒストグラム等の解析)により特定してもよいし、ステップS100で取得された画像データのファイルが有する拡張子から特定してもよい。そして、制御部11は、特定した画像の種類が、ドット抜けが比較的目立ちやすい第1の種類(記録媒体においてインクが被覆する領域が比較的多い画像の種類。例えば写真。)であれば、第1記録モードを実行し、画像の種類が、ドット抜けが比較的目立ちにくい第2の種類(記録媒体においてインクが被覆しない領域が比較的多い画像の種類。例えばテキスト。)であれば、第2記録モードを実行する。
このような変形例3によれば、ドット抜けを少なくすることが画質向上に繋がりやすい種類の画像に対して、ドット抜けを少なくする処理(第1記録モード)を選択的に行う。そのため、画質改善に効果の薄い処理をすること(ドット抜けを少なくすることが画質向上に繋がりにくい種類の画像に対してわざわざドット抜けを少なくする処理をすること)を避け、制御部11の処理負担を軽減することができる。
変形例4:
前記しきい値=50%は、1つのラスターラインを2回のパス(先行ノズルおよび後行ノズル)で記録する第1実施形態においては、1つの画素列を構成する全画素の50%に相当する。一方、1つのラスターラインを4回のパス(第1先行ノズル、第1後行ノズル、第2先行ノズルおよび第2後行ノズル)で記録する第2実施形態において、前記しきい値=50%は、1つの画素列を構成する全画素の25%に相当する。つまり、1つのラスターラインの記録に使用する複数のノズルのうち1つのノズルが異常ノズルである場合、ラスターラインの記録に使用するノズル数が多いほど、異常ノズルによる悪影響(ドット抜け)はラスターライン全体で評価したときに小さくなる。従って、吐出制御部(制御部11)は、1つのラスターラインの記録に使用するノズルの数を多くするほど、前記しきい値を高い値にするとしてもよい。
一例として、第1実施形態では、前記しきい値を40%程度とし、第2実施形態では、前記しきい値を80%程度としてもよい。かかる構成とすれば、第1実施形態、第2実施形態のいずれにおいても、1つの画素列を構成する全画素の40%程度以上の画素が(変更前使用率に従って)異常ノズルに割り当てられる場合に、前記他方のノズルに割り当てる画素を増やしてドット抜けを減少させることができる。むろん、1つのラスターラインを4回よりも多いパス数で記録することも可能であり、その場合にはさらに前記しきい値を高い値とすることができる。
その他:
上述した各変形例はそれらを組み合わせることも可能であり、互いに矛盾しない。例えば、変形例1,2,4に記載した内容は全て、変形例3における第1記録モードの内容の一部である。また、第1の記録媒体を使用する場合、さらにインクの色に応じて前記しきい値を異ならせ、第2の記録媒体を使用する場合、さらにインクの色に応じて前記しきい値を異ならせるとしてもよい。また、記録媒体の違いやインクの違いに応じて前記しきい値を異ならせる際に、さらに1つのラスターラインの記録に使用するノズルの数に応じて前記しきい値を異ならせるとしてもよい。
また前記では、異常ノズル対応画素列において、前記他方のノズルに割り当てる画素の割合を異常ノズルに割り当てる画素の割合よりも増加させる手法として第1の手法および第2の手法を説明したが、第1の手法は、前記しきい値次第では用いることができない。例えば、前記しきい値が40%であり、異常ノズルの変更前使用率が40%であると仮定する。この場合、異常ノズルの変更前使用率は前記しきい値以上という条件が成立するが、このとき前記第1の手法を用いて、異常ノズルの変更前使用率40%と前記他方のノズルの変更前使用率60%とを入れ替えると、前記他方のノズルの使用率(変更後使用率40%)が、異常ノズルの使用率(変更後使用率60%)を下回ってしまいドット抜けを減らすという目的を達成できない。従って制御部11は、少なくとも前記しきい値として50%未満の値を採用する場合は、前記第2の手法を採用し、確実に前記他方のノズルの使用率(変更後使用率)が異常ノズルの使用率(変更後使用率)を上回るようにする。
1…液体吐出制御システム、10…制御装置、11…制御部、12…CPU、13…ROM、14…RAM、16…HDD、16A…ノズル使用率規定マスク、17…表示部、18…操作部、19…I/F、20…プリンター、21…制御部、22…CPU、23…ROM、24…RAM、25…I/F、26…印刷ヘッド、26a…インク吐出面、27…ヘッド駆動部、27a…吐出異常検出手段、28…キャリッジ機構、29…送り機構、30…表示部、31…操作部、G…記録媒体、IM…画像データ、NI…ノズル情報、NL…ノズル列、Nz…ノズル、PD…プリンタードライバー

Claims (7)

  1. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドの所定方向への移動とともに前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出制御装置であって、
    前記液体の吐出または非吐出を規定した画素を前記ノズルに割り当てることにより前記ノズルによる液体の吐出を制御する吐出制御部を備え、
    前記吐出制御部は、
    前記所定方向に平行する1つのラスターラインを表現する画素列における第1割合の前記画素を第1ノズルに割り当て、当該画素列における第2割合の前記画素を第2ノズルに割り当てることにより、当該第1ノズルおよび当該第2ノズルを少なくとも含む複数の前記ノズルを使用して前記ラスターラインを記録媒体に記録するに際し、
    前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち一方のノズルが前記液体の吐出に異常を有する異常ノズルであり、かつ、当該一方のノズルに割り当てた前記画素列における前記画素の割合が前記第1割合と前記第2割合との合計に対して所定割合以上である場合、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における前記画素の割合を増加させる、ことを特徴とする液体吐出制御装置。
  2. 前記吐出制御部は、前記第1割合と前記第2割合とを入れ替えることにより、前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を増加させることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出制御装置。
  3. 前記吐出制御部は、前記記録媒体において前記液体が滲みやすいほど、前記所定割合を高い値にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出制御装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドは、前記液体として第1インクと当該第1インクよりも高濃度である第2インクとを少なくとも吐出可能であり、
    前記吐出制御部は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第1インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記所定割合を、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルが前記第2インクを吐出するためのノズルである場合に用いる前記所定割合よりも高い値にすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体吐出制御装置。
  5. 前記吐出制御部は、前記一方のノズルが前記異常ノズルであり、かつ、前記一方のノズルに割り当てた前記画素の割合が前記第1割合と前記第2割合との合計に対して前記所定割合以上である場合、前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を増加させる第1記録モードと、前記一方のノズルが前記異常ノズルであるか否かにかかわらず前記他方のノズルに割り当てる前記画素の割合を変えない第2記録モードとを選択的に実行可能であり、前記画素列を含む画像の種類に応じて、前記第1記録モードと前記第2記録モードとのいずれかを選択することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の液体吐出制御装置。
  6. 前記吐出制御部は、前記1つのラスターラインの記録に使用する前記ノズルの数を多くするほど、前記所定割合を高い値にすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液体吐出制御装置。
  7. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドの所定方向への移動とともに前記ノズルから液体を吐出させる液体吐出制御方法であって、
    前記液体の吐出または非吐出を規定した画素を前記ノズルに割り当てることにより前記ノズルによる液体の吐出を制御する吐出制御工程を備え、
    前記吐出制御工程は、
    前記所定方向に平行する1つのラスターラインを表現する画素列における第1割合の前記画素を第1ノズルに割り当て、当該画素列における第2割合の前記画素を第2ノズルに割り当てることにより、当該第1ノズルおよび当該第2ノズルを少なくとも含む複数の前記ノズルを使用して前記ラスターラインを記録媒体に記録するに際し、
    前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち一方のノズルが前記液体の吐出に異常を有する異常ノズルであり、かつ、当該一方のノズルに割り当てた前記画素列における前記画素の割合が前記第1割合と前記第2割合との合計に対して所定割合以上である場合、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルのうち他方のノズルに割り当てる前記画素列における前記画素の割合を増加させる、ことを特徴とする液体吐出制御方法。
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