JP2015200468A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグに備えられたコイル中のAlの酸化を抑制する技術を提供する。【解決手段】グロープラグは、一端が閉塞したシース管と、シース管の内側に配置されるコイルと、シース管とコイルとの間に配置される酸化物と、を備える。コイルは、アルミニウムを含む芯材と、芯材の外周を被覆するニッケル層と、を含むクラッド材により形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグは、一般に、コイルとシース管とを備える。コイルとシース管との間には、MgO等の酸化物が充填される。グロープラグの使用時には、発熱と冷却とが繰り返されるため、コイル中の金属成分が酸化物中の酸素と反応し、コイルが酸化されてしまう場合がある。このような問題に関し、例えば、特許文献1では、コイルを白金で被覆することによりコイル中の鉄(Fe)の酸化を防止している。
特開2001−153359号公報 特開2004−263951号公報
コイルの材料としては、Feに加えて、アルミニウム(Al)を含む合金が用いられる場合がある。この場合、FeよりもAlの方が、イオン化傾向が大きく、酸化されやすい。そのため、グロープラグに備えられたコイル中のAlの酸化を抑制することが可能な技術が望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、グロープラグが提供される。このグロープラグは、一端が閉塞したシース管と;前記シース管の内側に配置されるコイルと;前記シース管と前記コイルとの間に配置される酸化物と、を備え、前記コイルは、アルミニウムを含む芯材と、前記芯材の外周を被覆するニッケル層と、を含むクラッド材により形成されていることを特徴とする。このような形態のグロープラグであれば、ニッケル層によって芯材が被覆されているため、酸化物中の酸素によって、芯材中のアルミニウムが酸化されてしまうことを抑制することができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記ニッケル層の厚みが10μm以上であってもよい。このような形態であれば、コイルの耐久性や温度性能が低下することを効果的に抑制することができる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記ニッケル層の厚みが50μm以下であってもよい。このような形態であれば、ニッケル層によって芯材を被覆することによりコイルの温度性能が低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記芯材は、更に、鉄とクロムとを含んでもよい。
本発明は、上述したグロープラグとしての形態に限らず、種々の形態で実現することが可能である。例えば、グロープラグの製造方法や、グロープラグを備える内燃機関あるいは車両等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのグロープラグを示す説明図である。 シースヒータの詳細な構成を示す断面図である。 発熱コイルの断面図である。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としてのグロープラグ10を示す説明図である。グロープラグ10は、熱を発生させるシースヒータ(発熱装置)800を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、シースヒータ800の他、中軸200と、主体金具500とを備える。これらグロープラグ10を構成する部材は、グロープラグ10の軸線Oに沿って組み付けられている。図1では、軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10におけるシースヒータ800側を「先端側」と呼び、係合部材100側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、炭素鋼を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてシースヒータ800を保持する。また、主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410およびO(オー)リング460を介して中軸200を保持する。絶縁部材410の軸線Oに沿った位置は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで固定される。更に、主体金具500は、絶縁部材410からシースヒータ800に至る中軸200の部位を内包する。
主体金具500は、軸孔510と、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備える。軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有する。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。軸孔510の先端側には、シースヒータ800が圧入されて接合されている。主体金具500の工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具に係合する。雄ネジ部540は、内燃機関に形成された雌ネジに嵌り合う。
中軸200は、導電材料で円柱状に成形された部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で軸線Oに沿って組み付けられる。中軸200は、先端側に形成された先端部210と、後端側に設けられた雄ネジ部290とを備える。先端部210は、シースヒータ800の内部に挿入される。雄ネジ部290は、主体金具500から後端側に突出している。雄ネジ部290には、係合部材100が嵌り合う。
図2は、シースヒータ800の詳細な構成を示す断面図である。シースヒータ800は、シースヒータ800の内部に中軸200の先端部210が挿入された状態で、主体金具500の軸孔510に圧入され接合されている。シースヒータ800は、シース管810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを備える。
シース管810は、軸線O方向に延び、一端(先端)が閉塞した筒状部材である。シース管810は、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを内包する。シース管810は、外側に向けて丸く形成された先端部811と、先端部811とは反対側に開口した端部である後端部819とを備える。この後端部819からシース管810の内部に中軸200の先端部210が挿入されている。シース管810は、パッキン600および絶縁粉末840によって中軸200と電気的に絶縁される。一方、シース管810は、主体金具500と接触して電気的に接続されている。シース管810は、例えば、鉄とクロムと炭素とを含有するオーステナイト系ステンレス材料によって形成されている。
発熱コイル820は、シース管810の内側に軸線O方向に沿って配置され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、先端側のコイル端部である先端部821と、後端側のコイル端部である後端部829とを備える。先端部821は、シース管810の先端部811の内壁に溶接されることによりシース管810と電気的に接続される。後端部829は、制御コイル830に溶接されることにより制御コイル830と電気的に接続される。発熱コイル820の詳細については後述する。
制御コイル830は、発熱コイル820を形成する材料よりも電気比抵抗の温度係数が大きい導電材料(例えば、ニッケルや、コバルト−ニッケル合金)で形成されたコイルである。制御コイル830は、シース管810の内側に設けられ、発熱コイル820に供給される電力を制御する。制御コイル830は、先端側のコイル端部である先端部831と、後端側のコイル端部である後端部839とを備える。先端部831は、発熱コイル820の後端部829に溶接されることにより発熱コイル820と電気的に接続される。後端部839は、中軸200の先端部210に接合されることにより中軸200と電気的に接続される。
絶縁粉末840は、電気絶縁性を有する絶縁材料の粉末である。絶縁粉末840としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)の粉末が用いられる。絶縁粉末840は、シース管810と、発熱コイル820および制御コイル830との間に充填(配置)され、シース管810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、中軸200との各隙間を電気的に絶縁する。
図3は、発熱コイル820の断面図である。図3には、シースヒータ800の軸線Oに沿った半断面における発熱コイル820の断面を示している。発熱コイル820は、アルミニウムを含む芯材822と、芯材822の外周に接合され、芯材822の外周を被覆するニッケル層823と、を含むクラッド材により形成されている。
本実施形態では、芯材822として、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金を用いている。これら各成分の含有率は、例えば、Feは、60〜80質量%であり、Crは15〜30質量%であり、Alは4〜10質量%である。本実施形態では、Feが65質量%、Crが26質量%、Alが7.5質量%である。ニッケル層823は、純度が99.0%以上のニッケル(Ni)によって形成されている。ニッケル層823のAl含有率は、0.10質量%以下であり、好ましくは、0質量%である。ニッケル層823は、Ni以外に、例えば、炭素(C)を0.02質量%以下、硫黄(S)を0.01質量%以下、マンガン(Mn)を0.30質量%以下、Feを0.40質量%以下、ケイ素(Si)を0.30質量%以下、銅(Cu)を0.20質量%以下、含有してもよい。
発熱コイル820の材料となるクラッド材は、Niによって形成されたパイプ状の材料に芯材を挿入して中間体を形成し、その中間体を引き抜き加工によって所定の径(例えば、0.4mm)に絞ることで形成される。発熱コイル820は、こうして形成されたクラッド材に、コイル巻き加工を施すことで形成される。
上述したように、本実施形態では、発熱コイル820が、ニッケルを含むクラッド材によって形成されている。そのため、ニッケルを含む制御コイル830との溶接を良好に行うことができる。また、本実施形態では、発熱コイル820が、ニッケルを含むクラッド材によって形成されているため、Fe−Cr−Al合金だけで形成されるよりも、Fe成分の割合を少なくすることができる。そのため、発熱コイル820の先端部821とシース管810の内壁との溶接部における耐食性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、グロープラグ10は、コイルとして、発熱コイル820と制御コイル830との2種類のコイルを備えているが、グロープラグ10は、発熱コイル820だけを備える構成であっても良い。
B.グロープラグの評価:
以下の表1には、グロープラグについて評価試験を行った結果を示している。この評価試験では、表1に示す7種類のグロープラグ10のサンプルを用意し、それぞれのサンプルについて、温度性能と、性能劣化と、耐久性と、について評価を行った。サンプル1は、発熱コイル820が芯材(つまり、Fe−Cr−Al合金)のみによって形成されたサンプルである。サンプル2〜4は、芯材822の外周にニッケルめっきが形成されたサンプルである。サンプル5〜7は、上記実施形態に従ってクラッド材を使用することにより、芯材822の外周にニッケル層823が形成されたサンプルである。
サンプル2およびサンプル5は、芯材の外周に形成された外層(ニッケルめっき、または、クラッド材によって形成されたニッケル層823)の厚み(図3における厚みT)が10μm未満である。具体的には、サンプル2およびサンプル5として、外層の厚みが5μmのサンプルを用いた。サンプル3およびサンプル6は、外層の厚みが10μm以上50μm以下である。具体的には、サンプル3およびサンプル6として、外層の厚みが、10μm,30μm,50μmのものを用いた。サンプル4およびサンプル7は、外層の厚みが50μm超である。具体的には、サンプル4またはサンプル7として、外層の厚みが、80μmのものを用いた。各サンプルの発熱コイル820の直径は、外層の厚みも含め、いずれも0.4mmである。
Figure 2015200468
表2は、温度性能、性能劣化、耐久性のそれぞれの評価方法と、表1における評価結果(「○」、「△」、「×」)の基準を示している。
Figure 2015200468
表2に示すように、温度性能については、グロープラグ10に定格電圧(例えば、11V)を印加して、シースヒータ800の30秒後の最高発熱部の温度を放射温度計により測定し、測定された温度を、サンプル1を同条件によって測定した温度と比較することにより評価した。この温度性能の評価結果において、「○」は、サンプル1よりも、2%以内の範囲で温度が低かったことを示している。「△」は、サンプル1よりも、2%超10%未満の範囲で温度が低かったことを示している。「×」は、サンプル1よりも、10%以上、温度が低かったことを示している。表1に示すように、この温度性能の評価結果によれば、サンプル2,3,5,6の評価が「○」であり、サンプル4,7の評価が「△」であった。つまり、芯材822の外周を覆う外層(ニッケルめっき、または、ニッケル層823)の厚みは、50μm以下が好ましいことが示された。外層の厚みが厚くなるほど温度性能が低下するのは、外層の厚みが厚くなると、それだけ、芯材822の直径が小さくなり、電気抵抗が小さくなるからである。
表2に示すように、性能劣化については、グロープラグ10に定格電圧を60秒間印加して、その後、60秒間、風冷するサイクルを繰り返す通電耐久試験を実施し、試験開始から温度性能が10%低下したサイクル数を、サンプル1を同条件によって測定したサイクル数と比較することにより評価した。この性能劣化の評価結果において、「○」は、サンプル1に対してサイクル数が10%以上増加したことを示している。「△」は、サンプル1に対してサイクル数が10%未満の増加であったことを示している。「×」は、サンプル1に対してサイクル数が同等若しくは劣ったことを示している。表1に示すように、この性能劣化の評価試験によれば、サンプル6,7の評価が「○」であり、サンプル4,5の評価が「△」であった。また、サンプル2,3の評価は「×」であった。つまり、発熱コイル820の外層としては、ニッケルめっきよりも、クラッド材によって形成されたニッケル層823の方が好ましく、更に、ニッケル層823の厚みは、10μm以上であることが好ましいことが示された。
表2に示すように、耐久性については、グロープラグ10に対して、上述した通電耐久試験を実施し、発熱コイル820が断線したサイクル数を、サンプル1を同条件によって測定したサイクル数と比較することにより評価した。この耐久性の評価結果において、「○」は、サンプル1に対してサイクル数が10%以上増加したことを示している。「△」は、サンプル1に対してサイクル数が10%未満の増加であったことを示している。「×」は、サンプル1に対してサイクル数が同等若しくは劣ったことを示している。表1に示すように、この耐久性の評価試験によれば、サンプル6,7の評価が「○」であり、サンプル4,5の評価が「△」であった。また、サンプル2,3の評価は「×」であった。つまり、この耐久性の評価試験においても、性能劣化の評価試験と同様に、発熱コイル820の外層としては、ニッケルめっきよりも、クラッド材によって形成されたニッケル層823の方が好ましく、更に、ニッケル層823の厚みは、10μm以上であることが好ましいことが示された。
上述した性能劣化の評価試験や耐久性の評価試験において、ニッケルめっきよりも、クラッド材によって形成されたニッケル層823の方が良い評価となったのは、めっき処理では、厚みを増したとしても、ピンホールの形成が避けられず、そのピンホールを通じて、芯材822中のAlと絶縁粉末(MgO)840中の「O」とが反応してしまうためであると考えられる。芯材822中のAlと絶縁粉末840中の「O」とが反応して芯材822が酸化されると、その部分における芯材822の抵抗値が下がるため、芯材822に抵抗値の分布が生じる。そうすると、発熱コイル820中の一部が局所的に温度上昇する場合があり、性能の劣化や耐久性の低下を招くことになる。
以上で説明した評価試験の結果によれば、グロープラグ10の発熱コイル820には、ニッケルめっきが施されているよりも、クラッド材の使用によってニッケル層823が形成されていることが好ましく、また、ニッケル層823の厚みは、10μm以上、50μm以下であることが好ましいことが示された。こうしたグロープラグ10であれば、グロープラグ10を繰り返し使用した際に、発熱コイル820を構成する芯材822中のAlの酸化が抑制されるため、抵抗値の変化が小さくなる。そのため、発熱コイル820の温度分布の変化も小さくなるので、温度が局所的に高くなるなどの異常が生じにくく、耐久性が高い(つまり、断線しにくい)グロープラグ10を提供することが可能になる。
なお、発熱コイル820の外層がクラッド材によって形成されているか、めっきによって形成されているかは、CP(クロスセクションポリッシャ)加工によって発熱コイル820の断面を図3のように形成し、その断面における外層部分を走査型電子顕微鏡等によって観察することで判別することが可能である。具体的には、外層部分に均一な組織が観察されれば、外層がクラッド材によって形成されていることが判別できる。一方、外層部分に、厚み方向に延びる柱状の組織が観察されれば、外層がめっきによって形成されていることが判別できる。なお、CP加工とは、イオンビームと遮蔽板とを用いて試料の断面を加工する技術である。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
100…係合部材
200…中軸
210…先端部
290…雄ネジ部
300…リング
410…絶縁部材
460…リング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
600…パッキン
800…シースヒータ
810…シース管
811…先端部
819…後端部
820…発熱コイル
821…先端部
822…芯材
823…ニッケル層
829…後端部
830…制御コイル
831…先端部
839…後端部
840…絶縁粉末
O…軸線

Claims (4)

  1. 一端が閉塞したシース管と、
    前記シース管の内側に配置されるコイルと、
    前記シース管と前記コイルとの間に配置される酸化物と、
    を備えるグロープラグであって、
    前記コイルは、アルミニウムを含む芯材と、前記芯材の外周を被覆するニッケル層と、を含むクラッド材により形成されていることを特徴とするグロープラグ。
  2. 請求項1に記載されたグロープラグであって、
    前記ニッケル層の厚みが10μm以上であることを特徴とするグロープラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたグロープラグであって、
    前記ニッケル層の厚みが50μm以下であることを特徴とするグロープラグ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載されたグロープラグであって、
    前記芯材は、更に、鉄とクロムとを含むことを特徴とするグロープラグ。
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