JP2015201316A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの振動、衝撃および加速度等の物理的負荷による電池性能(発電機能、耐久性など)の低下が防止されている非水電解液二次電池を提供すること。【解決手段】電極体と、非水電解液とが電池ケースに収容された非水電解液二次電池である。かかる電極体は、集電端子を介して前記電池ケースに固定されており、電解液は、電解質と、非水溶媒と、ケイ素,アルミニウム,マンガンおよびジルコニアの酸化物ならびに窒化物からなる群から選択される少なくとも1種の粒子と、を含み、ダイラタンシー特性が発現されるよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液中に電極体を備える非水電解液二次電池に関する。
リチウム二次電池その他の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べ、小型かつ軽量で、高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や、ハイブリッド車両等の車両駆動用電源として好ましく用いられている。
この種の非水電解液二次電池は、正極と負極とを備える電極体と、非水電解液と、を電池ケースに収容して構築される。正および負の電極には、対応する正および負の集電体上に電荷担体(典型的にはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る活物質を含む電極活物質層(具体的には、正極活物質層および負極活物質層)がそれぞれ備えられている。また、電極体は、これらの電極が積層構造を為すことにより、典型的には捲回型電極体あるいは平板型電極体として構築されている。そして、この電極体は、電極活物質層が備えられていない集電体の端部において正負の集電端子に接続され、かかる集電端子を介して電池ケースに固定される。これにより、電極体からの集電が行われるとともに、電極体の電池ケース内での位置決めがなされている。
ところで、かかる非水電解液二次電池に外部から振動や衝撃、加速度が加わった場合、この振動,衝撃または加速度による慣性によって、電池ケースに固定された集電端子に対し、電極体が揺動したり、ズレが生じたりする事態が起こり得る。このとき、電極体と集電端子との接合部には、せん断あるいは圧縮の応力が発生する。大容量の非水電解液二次電池は、必然的に電極体の重量が増大するため、かかる振動,衝撃または加速度等の強度、周波数、印加回数などの条件によっては、電極体と集電端子との間の接合が弱まったり、破断することもあり得る。特に長期の使用を考慮した場合、繰り返しの振動,衝撃または加速度により、電極体と集電端子との間の接合が破断する可能性が高まり得る。電極体と集電端子との接合が破断すると、電気的接続が切断されて、かかる二次電池はもはや電池としての機能を果たさない。したがって、かかる電極体の揺動を抑制する目的で、電池ケースに電極体を保持させる構成が採用されている。
特開2013−157294号公報
例えば、特許文献1には、電極体の端部に対向して突出するリブ(凸部)を電池ケースの内壁に設けることで、電池ケース内での電極体の動きを規制し、電池構造の破損の可能性を低減し得ることが開示されている。かかるリブは、突出形状が三角形ないしは楔形であるため、電極体のリブと当接する部位には剛性が求められる。しかしながら、非水電解液二次電池の電極体を構成する集電体あるいは電極活物質層は、剛性がさほど高くないという問題があった。そのため、振動,衝撃または加速度が発生した場合には、このリブが電極体に干渉し、集電体または電極活物質層が損傷(例えば、集電体の破れや、電極活物質層の剥がれ等)を受ける可能性があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外部からの振動、衝撃および加速度等の物理的負荷による電池性能(発電機能、耐久性など)の低下が防止されている非水電解液二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、電極体と、非水電解液とが電池ケースに収容された非水電解液二次電池が提供される。ここで、電極体は、集電端子を介して前記電池ケースに固定されている。また、非水電解液は、電解質と、非水溶媒と、ケイ素,アルミニウム,マンガンおよびジルコニアの酸化物ならびに窒化物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる固体粒子と、を含んでいる、そしてかかる電解液は、ダイラタント流体となるよう構成されていることを特徴としている。
上記のとおり、非水電解液は、固体粒子を含む液体であり、振動、衝撃および加速度等の大きなせん断応力に対しては、固体のように外力に拮抗する内部抵抗力を発現するダイラタンシー特性を備える。かかる構成によると、非水電解液二次電池に外部から振動や衝撃、加速度等の負荷が加わった場合、電解液はあたかも固体として振る舞い、電極体を非水電解液の全体で保持する。即ち、局所的な当接によることなく、電極体と非水電解液との界面全体で保持する。これにより、電極体に特に剛性を求めることなく、電極体の揺動を抑制することができる。
一実施形態に係る非水電解液二次電池の構造を模式的に示す断面図である。 図1のII−II矢視図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の構成要素や一般的な製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1は、ここで開示される非水電解液二次電池の典型例としてのリチウム二次電池100の構成を説明する断面模式図である。ここで開示される二次電池100は、本質的な構成として、電極体20と、非水電解液60とが電池ケース10に収容されている。電極体20は、典型的には、セパレータ50を介して正極30と負極40とが対向されており、この図1の例では、かかる正極30と負極40との積層が扁平形状に捲回されてなる扁平捲回型電極体20を構築している。また、正極30および負極40からなる電極は、それぞれ、正負の集電体32,42の表面に正負の活物質層34,44を備えている。
また、電極体20は、正負の集電端子74,76を介して電池ケース10に固定されている。一般的な角型電池ケース10において、該ケース10は、ケース本体12と封口体14とから構成されており、電極体20は正負の集電端子74,76を介して封口体14に抵抗溶接又は超音波溶接等の手段により接続されるとともに、封口体14からケース10外部に突出される正負の外部接続端子70,72に電気的に接続されている。これにより、電極体20は、封口体14から集電端子74,76により垂下された状態で電池ケース10内での配置が決定される。
ここに開示される技術において、非水電解液60は、本質的には、電解質と、非水溶媒との混合溶液を主体とし、ここにさらに、固体粒子を含んでいる。すなわち、非水電解液60は、従来の非水電解液(上記混合溶液)と、固体粒子との混合物であり得る。非水電解液60は、その混合溶液の部分については、電極体20に十分に含浸されて、電池化学反応に寄与する。そして、電極体20に含浸されずに過剰となった分の混合溶液が、電極体20と電池ケース10との間に配置される。換言すると、電極体20は、少なくとも一部(典型的には、電池ケース10の上下方向の下方)を非水電解液60に浸漬した状態で電池ケース10に収容される。固体粒子は、かかる電極体20と電池ケース10との間に配置している混合溶液の中に含まれ、かかる混合溶液をダイラタント流体とする役割を担っている。
したがって、かかる非水電解液60は、通常状態においては、液体状の混合溶液に固体粒子が含まれた状態である。しかしながら、外部から電池100に剪断応力や圧縮力が瞬間的に(衝撃的に)働いた場合には、この非水電解液60はかかる剪断応力に対し、まるで固体のような抵抗を示す状態に移行する。そして、非水電解液60に一部を浸漬した状態で存在する電極体20が、当該外力によって、電池ケース10に対して相対的に変位するのを抑制する。典型的には、電極体20は、電池ケース10の上下方向の上方を集電端子74,76により、下方を非水電解液60により固定されることとなり、振動,衝撃または加速度等の外部負荷が付与されても、電池ケース10内での電極体20の位置ズレは抑制され、堅固に保持され得る。これにより、振動,衝撃または加速度が発生する状況下で電池100を長期間使用した場合であっても、電極体20と集電端子74,76との接合部分に過剰な負荷が加わるのが抑制される。延いては、かかる接合部分の破断が抑制される。
なお、かかる非水電解液60の固体様化は瞬時に行われるため、電極体20のズレ防止の機能は、瞬間的あるいは突発的な振動や衝撃に対しても効果的に発現される。また、かかる効果は半永久的に持続され得る。したがって、長期に亘って、振動、衝撃、加速度などの物理的(機械的)環境負荷が低減され得る電池100が実現される。かかる電池100は、上記の物理的(機械的)環境負荷が低減されるため、かかる振動や衝撃、加速度等の負荷に対する耐久性に優れたものとなり得る。また、ダイラタント流体は、かかる負荷のない(負荷が除去された)状況においては、液状を呈し、流動性を取り戻す。したがって、電極体20内部の非水電解液60の含浸状態の保持のために機能し得る。
以下、ここに開示される非水電解液二次電池の構成について、より詳細に説明する。
ここに開示される非水電解液二次電池100の正極30は、典型的には、正極集電体32と、該正極集電体32上に形成された正極活物質層34とを備える。正極活物質層34は、少なくとも正極活物質を含んでいる。
正極集電体としては、従来より正極集電体として採用されている導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を採用し得る。
正極活物質としては、これに限定されるものではないが、層状岩塩型、スピネル型、ポリアニオン型(例えばオリビン型)のリチウム遷移金属複合酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)を好適に採用し得る。さらに、正極活物質層には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて上記以外の成分を含ませることもできる。そのような任意の成分としては、バインダや導電材等が挙げられる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリマー材料を好ましく採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料を好ましく採用し得る。
正極活物質層34全体に占める正極活物質の割合は、およそ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常はおよそ70質量%〜95質量%であることが好ましい。また、バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。導電材を使用する場合、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えばおよそ1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池100の負極40は、典型的には、負極集電体42と、該負極集電体42上に形成された負極活物質層44とを備える。負極活物質層44は、少なくとも負極活物質を含んでいる。
負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を採用し得る。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を好適に用いることができ、なかでもグラファイトを好ましく採用し得る。負極活物質層にはまた、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、活物質以外の成分を含ませることもできる。そのような任意の成分としては、バインダや増粘剤、分散剤、導電材等が挙げられる。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマー材料を好ましく採用し得る。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等を好ましく採用し得る。
負極活物質層44全体に占める負極活物質の割合は、およそ50質量%以上とすることが適当であり、通常は90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)とすることが好ましい。これにより、高エネルギー密度を実現することができる。バインダを使用する場合、負極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。これにより、負極活物質層の機械的強度(形状保持性)を好適に確保することができ、良好な耐久性を実現することができる。増粘剤を使用する場合、負極活物質層全体に占める増粘剤の割合は、例えばおよそ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池の電極体20は、上記正極30および負極40に加え、典型的には両者を絶縁する絶縁層としてセパレータ50を含む。セパレータ50としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートを好適に採用し得る。なかでも微多孔性樹脂シートの片面または両面に無機化合物粒子(無機フィラー)を含む耐熱層を備えるものが好ましい。無機フィラーとしては、アルミナ、ベーマイト、マグネシア等を採用し得る。
なお、電極体20は、高い容量を実現する目的などで、板状の正極30,セパレータ50および負極40の組み合わせ(発電要素)が複数積層された、平板型電極体20であっても良い。あるいは、長尺状の正極30,セパレータ50および負極40の組み合わせが捲回されてなる捲回型電極体であっても良い。このように正極30,セパレータ50および負極40の組み合わせが積層された積層構造を有する電極体においては、例えば、図1に示すように、正負の集電体32,42の一方の端部に正負の活物質層34,44を設けない集電部を設けておくのが好ましい。そして、正負の活物質層34,44をセパレータ50により絶縁するとともに、かかる集電部は正極30と負極50とで異なる方向に突出するように重ね合わせて、電極体20を構築する。かかる構成によると、発電要素からの集電を高効率に行えるために好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池100の非水電解液60は、上記のとおり、本質的には、非水溶媒中に、電解質が溶解されてなる混合溶液に、固体粒子が含まれている。
非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を好適に用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好ましく採用し得る。この非水溶媒に電解質が溶解することで、電荷担体(リチウム二次電池においてはリチウムイオン)が生成される。かかる電解質としては、LiPF、LiBF等のリチウム塩を好ましく採用し得る。非水電解液中の支持塩の濃度は、0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるよう調製することが好ましい。
また固体粒子としては、非水電解液60をダイラタント流体とせしめるものであれば、その組成、粒径、配合量等に特に制限はない。例えば、目的の電池100における電池化学反応が行われる非水電解液60中において、混合溶液と反応したり、分解されたりすることなく、化学的安定性に優れる固体材料の粒子を好ましく用いることができる。かかる材料とは、特に制限されるものではないが、典型的な一例として、ケイ素(Si),アルミニウム(Al),マンガン(Mn)およびジルコニア(Zr)の酸化物ならびにこれらの窒化物が挙げられる。固体粒子は、これらの材料のいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、特に限定されるものではないが、ダイラタンシーが生じ易いとの観点から、かかる固体粒子の真球度は1に近いことが好ましく、例えば1.2以下、より好ましくは1.1以下、さらに好ましくは1.05以下であり得る。また、かかる固体粒子は、レーザ散乱・回折法に基づく体積基準の平均粒径(D50)が0.05μm〜5μm程度、好ましくは0.1μm〜3μm程度、例えば0.5μm〜1μm程度であるのが好適である。
また、固体粒子の形態等にもよるため一概には言えないが、非水電解液における電解質および非水溶媒の重量と、固体粒子の重量とは、概ね1:1〜1:6程度(好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:3)の割合であることが好ましい。
以上の非水電解液60には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、ジフルオロリン酸リチウム、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の電極表面に皮膜を形成する目的で使用される皮膜形成剤等の各種添加剤を含ませることもできる。また、ケース内の圧力が所定値以上になると充電電流を遮断して過充電の進行を停止する電流遮断機構(Current Interrupt Device:CID)を備える電池100においては、シクロヘキシルベンゼン(CHB),ビフェニル(BP)およびこれらの誘導体等の過充電添加剤を含ませることもできる。これらの添加剤は、非水電解液の混合溶液の部分に対し、例えば、およそ0.001質量%〜4質量%、好ましくはおよそ0.01質量%〜2質量%の範囲で添加することができる。
電池ケース10は、上記電極体20および上記非水電解液60を収容する容器である。電池ケース10としては、例えば強化プラスチック、アルミニウム等の軽量かつ高強度な材質のものを好ましく採用し得る。電極体20は、上述のとおり、正負の集電端子74,76を介して電池ケース10(典型的には封口体14)に固定されている。ここで電極体20は、図2に示されるように、例えば正負の活物質層34,44が対向する部位から、正極30および負極50の集電部がそれぞれ異なる方向に突出するように重ね合わされている。かかる集電部を積層方向で寄せ集めて正負の集電端子74,76と接合することで、高効率な集電が実現できるとともに、電極体20を電池ケース10内の所定の位置に配置させることができる。
集電端子74,76は、電池の内部抵抗を必要以上に高めるものでない限り、その材質や形状等に特に制限はなく、例えば、正極の集電端子としてはアルミニウムまたはアルミニウム合金製のものを、負極の集電端子としては銅製、ニッケル製のもの等を用いることができる。電極体20と集電端子74,76との接合には、各種の溶接法を好適に採用することができる。また、電極体20および非水電解液60を収容した後の電池ケース10は、ケース本体12と封口体14とを溶接等の手法により封止(密閉)することで、ここに開示される電池100を組み立てられる。かかる電池100は、適切な初期充電処理を行うことにより、電池としての利用が可能となる。
以上のここに開示される非水電解液二次電池(典型的にはリチウム二次電池)100は、非水電解液をダイラタント流体とする構成により、振動、衝撃、加速度などの物理的負荷が低減され得る。かかる二次電池は、据え置き型の二次電池として用いることができるのはもちろんであるが、例えば、使用に際し、振動や衝撃、加速度等の負荷が避けられない用途に用いられる場合に特にその有用性が発揮される。例えば、ポータブルの電子機器や、各種の車両に搭載されるモータ駆動のための動力源(駆動用電源)として用いる場合に特に有用であり得る。特に高容量でハイレート特性が求められる駆動用電源としての利用が好ましい。したがって、車両の種類は特に限定されないが、かかる技術は、典型的にはプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両駆動用電源としての非水電解液二次電池について特に好ましく適用することができる。なお、かかる非水電解液二次電池100は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数接続されてなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[リチウム二次電池の構築]
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比率がNCM:AB:PVdF=93:4:3となるよう秤量し、N−メチルピロリドン(NMP)で粘度を調製しながら混練し、正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を長尺のアルミニウム箔の長手方向の一方の端部に沿って集電部を残し、他の領域に均一に塗付して乾燥させ、ロールプレスすることによって、正極活物質層の密度が2.3g/cmの正極シートを作製した。
次に、負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が、C:SBR:CMC=98:1:1となるよう秤量し、イオン交換水で粘度を調製しながら混練し、負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を長尺の銅箔の長手方向の一方の端部に沿って集電部を残し、他の領域に均一に塗付して乾燥させ、ロールプレスすることによって、負極シートを得た。なお、負極は、正極との容量比が1:2となるように目付量を調整した。
上記で作製した正極シートと負極シートとを、長尺状のセパレータシート(PE製)を介して対面に配置し、長手方向に直交する幅方向を捲回軸として捲回した。次いで、かかる捲回された電極体を捲回軸に直交する方向で拉げさせることにより扁平形状に成形し、評価用の扁平捲回型電極体を作製した。
次いでこの電極体の正極集電部と負極集電部とに、電池ケースの封口体に設けられた正極端子および負極端子を抵抗溶接により其々接合した。そして、電極体を扁平角型の電池ケースに収容し、非水電解液を注入した。なお、非水電解液としては、まず、ECとEMCとDMCとをEC:EMC:DMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた混合溶液を用意し、これを電池ケースに供給して該混合溶液を電極体に含浸させた。次いで、電池ケース内の電極体の周囲に溜まっている混合溶液に固体粒子を加えた。固体粒子としては、レーザ散乱回折法による平均粒径が3.0μmのシリカ粒子を用いた。この固体粒子は、ケース内に導入した混合溶液100質量%に対し、0.1〜1.5質量%となるよう供給した。これにより、ここに開示されるリチウム二次電池(A)を得た。また、固体粒子を供給せず、その他の条件は同様にして、リチウム二次電池(B)を得た。これらの電池(A)および(B)に対し、1Cの定電流にて端子間電圧が4.1Vに到達するまでCC充電を行った後、5分間休止し、CV充電にて1.5時間充電する、初期充放電処理を行った。
[加振試験]
上記で用意したリチウム二次電池(A)および(B)に対して、振動を付与する振動試験を行った。振動は、振動環境試験装置を用い、加振条件:最大加速度50G,振動周波数400Hz;として、水平方向に振動を加えるようにした。そして、所定時間(30分間)ごとに正負極端子間の電池抵抗を測定することで、電極体と集電端子との接合が破断していないかどうかを確認した。なお、電極体と集電端子とが破断したかどうかの判断は、正負極端子間の抵抗が急激に増大したことをもって破断と判断するようにした。
その結果、ここに開示されたリチウム二次電池(A)についての破断時間は約270時間であった。また、従来のリチウム二次電池(B)についての破断時間は約160時間であった。すなわち、リチウム二次電池(A)は、リチウム二次電池(B)に比べて、電極体・集電端子間の破断に至るまでの時間が70%も延長されたことが確認された。これは、リチウム二次電池(A)の非水電解液においては、上記のような急激な振動を加えた場合に固体粒子が強固に締め固まって全体として固体のように振る舞い、電極体の振動を防止したためと考えられた。
このことから、非水電解液に固体粒子を含ませ、ダイラタンシー特性を発現し得る状態に調製しておくことにより、かかる非水電解液は、低せん断力下ではゾル状を呈し、高せん断力下でゲル状を呈しているものと考えられる。これにより、非水電解液中に浸漬された電極体を急激な振動時に強固に保持することができ、電池ケースに対する電極体のズレ・揺動を抑制できることが示された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 電池ケース
12 ケース本体
14 封口体
20 電極体
30 正極
32 正極集電体
34 正極活物質層
40 負極
42 負極集電体
44 負極活物質層
50 セパレータ
60 非水電解液
70 正極外部接続端子
72 負極外部接続端子
74 正極集電端子
76 負極集電端子
100 二次電池

Claims (1)

  1. 電極体と、非水電解液とが電池ケースに収容された非水電解液二次電池であって、
    前記電極体は、集電端子を介して前記電池ケースに固定されており、
    前記非水電解液は、電解質と、非水溶媒と、ケイ素,アルミニウム,マンガンおよびジルコニアの酸化物ならびに窒化物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる固体粒子と、を含み、ダイラタント流体となるよう構成されている、非水電解液二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2025535385A (ja) * 2022-12-29 2025-10-24 香港時代新能源科技有限公司 電解質組成物、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置

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