以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈紙幣処理装置の概略構成〉
図1は、紙幣処理装置100の外観図を示し、図2は、紙幣処理装置100の概略構成図を示す。
紙幣処理装置100は、例えば銀行のテラーカウンタに設置され、オペレータによって使用される。紙幣処理装置100は、バラ状態の紙幣を取り込み、所定の種類の紙幣を集積し、該紙幣を所定の結束枚数で結束して投出する。紙幣処理装置100は、紙葉類処理装置の一例であり、紙幣は、紙葉類の一例である。
紙幣処理装置100は、紙幣が載置され、該紙幣を取り込むホッパ部2と、紙幣を識別する識別部3と、結束対象の紙幣を集積する結束スタッカ4と、結束対象でない紙幣を集積する非結束スタッカ5と、リジェクト紙幣を集積するリジェクトスタッカ6と、ホッパ部2から取り込まれた紙幣を、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5及びリジェクトスタッカ6に搬送する第1搬送部7と、結束スタッカ4に集積された紙幣を所定の位置まで搬送する第2搬送部8と、第2搬送部8により搬送された紙幣を結束する結束部9と、結束された紙幣(以下、「結束紙幣」という)を搬送する第3搬送部10と、結束紙幣を投出する投出部11と、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5、リジェクトスタッカ6、第1搬送部7、第2搬送部8、結束部9及び第3搬送部10を収容する箱状の筐体12とを備えている。
筐体12は、上面121と、下面122と4つの側面とを有している。筐体12は、卓上型である。つまり、筐体12の下面122には、キャスタ等が設けられておらず、卓上に設置される構造となっている。
筐体12の4つの側面のうちの1つの側面である第1側面123には、ホッパ部2及び投出部11が設けられている。4つの側面のうちの1つの側面である第2側面124には、詳しくは後述する結束スタッカ4の第1取出口413及び非結束スタッカ5の第2取出口53が設けられている。第1側面123と第2側面124とは、隣接している。
筐体12の内部は、紙幣の識別及び分類に関する処理を行う第1処理部126と、結束対象の紙幣の結束に関する処理を行う第2処理部127とに別れている。第2処理部127は、第1処理部126の上方に設けられている。第1処理部126には、ホッパ部2、識別部3、非結束スタッカ5及びリジェクトスタッカ6が含まれる。第2処理部127には、結束スタッカ4、第2搬送部8、結束部9及び第3搬送部10が含まれる。第1搬送部7の大部分は、第1処理部126に含まれている。
結束スタッカ4は、第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bとの2つのスタッカを含んでいる。第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bはともに、結束対象の紙幣を集積する。結束対象の紙幣として集積する紙幣は、適宜設定することができる。結束対象の紙幣は、所定の種類の紙幣である。所定の種類は、金種、正券か損券か、紙幣の表裏、紙幣の向き、新券か旧券かなどによって特定される。ここでは、結束対象の紙幣は、所定の金種(例えば、100元)であって且つ正券の紙幣である。ここで、識別部3によって正常な紙幣として識別された紙幣を「正常紙幣」と、識別部3で正常な紙幣として識別されなかった紙幣を「異常紙幣」と、斜行や重送等により搬送状態が異常な紙幣を「搬送異常紙幣」と称する。例えば、正常な紙幣か否かを判断する条件の1つとしては、記番号が識別可能であるか否かが挙げられる。ただし、それとは異なる条件をもって正常な紙幣か否かを判断してもよいし、それに別の条件を加えて正常な紙幣か否かを判断してもよい。また、正常紙幣であっても搬送先(結束スタッカ、非結束スタッカ等)が指定されていない種類の紙幣を「指定外紙幣」と称する。また、正常紙幣のうち、汚れや破れ等が比較的少ない状態の紙幣を「正券」と、正常紙幣のうち、汚れや破れ等が比較的多い状態の紙幣を「損券」と称する。結束スタッカ4は、集積部の一例である。
第1及び第2結束スタッカ4A,4Bは、第2処理部127内において実質的に上下方向に並んで配置されている。第1結束スタッカ4Aは、第2結束スタッカ4Bの上方に位置している。第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bとは、同様の構成をしている。2つのスタッカを区別しないときには、単に「結束スタッカ4」と称する。結束スタッカ4の詳細な構成については後述する。
非結束スタッカ5は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bの2つのスタッカを含んでいる。第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bは、第1処理部126内において実質的に水平方向に並んで配置されている。第2非結束スタッカ5Bの方が第1非結束スタッカ5Aよりもホッパ部2に近い位置に配置されている。2つのスタッカを区別しないときには、単に「非結束スタッカ5」と称する。非結束スタッカ5の詳細な構成については後述する。非結束スタッカ5に集積する紙幣は適宜設定することができる。ここでは、第1非結束スタッカ5Aは、前記所定の金種であって且つ損券を集積する。第2非結束スタッカ5Bは、前記所定の金種以外の金種の紙幣を集積する。
リジェクトスタッカ6は、リジェクト紙幣を集積する。リジェクトスタッカ6は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bよりもホッパ部2に近接している。リジェクトスタッカ6は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bよりも少し上方に位置している。リジェクトスタッカ6の詳細な構成については後述する。リジェクトスタッカ6に集積する紙幣は適宜設定することができる。ここでは、リジェクトスタッカ6は、「指定外紙幣」、「異常紙幣」及び「搬送異常紙幣」をリジェクト紙幣として集積する。
ホッパ部2は、第1側面123のうち第1処理部126に対応する部分に設けられ、投出部11は、第1側面123のうち第2処理部127に対応する部分に設けられている。
ホッパ部2は、紙幣が載置される載置台21と、載置台21上に載置された紙幣を案内する2つのガイド部22,22と、取込ローラ23と、紙幣を取り込む取込口24と、載置台21上の紙幣を検知する紙幣センサ25とを有している。本実施形態では、紙幣が短手方向に取り込まれていくように、紙幣がホッパ部2に載置される。
取込口24は、図1に示すように、載置台21と第1側面123とが交わる隅部に形成されている。載置台21は、取込口24に近づくに従って下方に位置するように傾斜している。これにより、載置台21上の紙幣は、自然と取込口24の方へ向かうようになっている。載置台21上に載置された紙幣は、取込口24から筐体12内へ取り込まれる。
また、紙幣センサ25は、取込口24の近傍に設けられている。紙幣センサ25は、光を送信する送信部と光を受信する受信部とを有し、送信部から出射されて受信部に到達する光が遮断されることによって紙幣を検知する。尚、後述する第1紙幣センサ411、第2紙幣センサ412、集積センサ52、集積センサ62、通過センサ74、第1テープセンサ9210、第2テープセンサ9211も同様の構成をしている。紙幣センサ25は、載置台21上に載置された紙幣により光が遮断されるように配置されている。つまり、紙幣センサ25は、光が遮断されることによって、載置台21上に紙幣が載置されていることを検知することができる。
ガイド部22,22は、その間隔を調整可能に構成されている。つまり、ガイド部22,22の間隔は、載置台21上に載置された紙幣に合わせて調整される。
取込ローラ23は、キッカローラ23aと、フィードローラ23bと、ゲートローラ23cとを有している。キッカローラ23aは、部分的に載置台21から露出しており、載置台21上の紙幣のうち一番下の紙幣と接触している。キッカローラ23aは、載置台21上に載置された紙幣のうち一番下の紙幣を取込口24へ送り込む。こうして、紙幣が1枚ずつ取込口24から取り込まれていく。取込口24から送り込まれた紙幣は、フィードローラ23bとゲートローラ23cとで1枚ずつに分離されて、筐体12内へ取り込まれる。取り込まれた紙幣は、第1搬送部7へ送られる。
投出部11は、結束紙幣が投出される投出口111を有している。投出部11においては、投出口111を介して、結束紙幣が紙幣の短手方向に投出される。
第1搬送部7は、搬送ベルト等で構成されている。第1搬送部7は、主搬送路71と、主搬送路71から分岐する第1〜第4分岐路72a〜72dと、主搬送路71からの分岐箇所に設けられた振り分け機構73と、紙幣の通過を検知する複数の通過センサ74とを有している。第1搬送部7は、紙幣をその短手方向に搬送していく。第1搬送部7は、搬送部の一例である。
主搬送路71は、取込ローラ23から第1結束スタッカ4Aまで延びている。第1分岐路72aは、主搬送路71の最も上流側に位置しており、第1分岐路72aから下流側に向かって、第2分岐路72b、第3分岐路72c、第4分岐路72dがこの順で位置している。第1〜第4分岐路72a〜72dのそれぞれを区別しないときには、単に分岐路72と称する。第1分岐路72aは、リジェクトスタッカ6まで延びている。第2分岐路72bは、第2非結束スタッカ5Bまで延びている。第3分岐路72cは、第1非結束スタッカ5Aまで延びている。第4分岐路72dは、第2結束スタッカ4Bまで延びている。
振り分け機構73は、ソレノイド(図示省略)によって駆動される。振り分け機構73は、主搬送路71を搬送された紙幣を分岐路72へ分岐させるか否かを振り分ける。各振り分け機構73の上流側には、通過センサ74が設けられている。通過センサ74は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。つまり、通過センサ74の受信部における光の受信が中断され、その後に光の受信が再開されたことをもって、紙幣の通過を検知することができる。振り分け機構73は、紙幣を分岐路72へ導く際には、その直上流の通過センサ74が紙幣の通過を検知したことをもって作動する。
識別部3は、主搬送路71のうち第1分岐路72aよりも上流側に設けられている。識別部3は、搬送される紙幣の一枚一枚について、その金種、真偽及び正損を識別するように構成されている。具体的には、識別部3は、ラインセンサ31及び磁気センサ32を有し、紙幣の特徴を取得する。識別部3は、紙幣の特徴が、記憶している各種紙幣の特徴と一致するかを判定し、金種、真偽、及び正損を識別する。
尚、識別部3は、紙幣の特徴を取得するためのセンサであれば、ラインセンサ及び磁気センサに限られず、赤外線センサ及び紫外線センサ等のセンサを有していてもよい。ラインセンサ31は、紙幣に印字されている記番号を光学的に読み取る機能も有している。尚、識別部3におけるセンサ以外の機能を、後で述べる制御部120が行ってもよい。
結束部9は、集積された紙幣を結束する。詳しくは後述するが、結束部9は、テープ輪Lを作成し、該テープ輪Lの中へ紙幣が搬送された後にテープを引き戻し、紙幣をテープで結束する。
第2搬送部8は、結束スタッカ4に集積された紙幣を把持して、該紙幣をテープ輪Lの中へ搬送する。第2搬送部8は、紙幣を把持する把持ユニット81と、把持ユニット81を水平方向であって且つ紙幣の短手方向(以下、「第1水平方向」という)へ移動させる第1水平移動機構と、把持ユニット81を水平方向であって且つ紙幣の長手方向(以下、「第2水平方向」という)へ移動させる第2水平移動機構と、把持ユニット81を上下方向へ移動させる上下移動機構とを有している。第2搬送部8は、紙葉類搬送部の一例である。
把持ユニット81は、上アーム部81aと、上アーム部81aと相対向する下アーム部81bと、上アーム部81aを上下方向へ移動させる把持機構とを有している。上アーム部81aは、互いに平行に延びる3本の指部と、3本の指部を連結する連結部とを有している。同様に、下アーム部81bは、互いに平行に延びる3本の指部と、3本の指部を連結する連結部とを有している。把持機構は、上アーム部81aを上下方向に移動可能に支持すると共に、モータ及び駆動ベルトによって上アーム部81aを上下に移動させる。これにより、上アーム部81aと下アーム部81bとで紙幣を把持することができる。
第1水平移動機構は、把持ユニット81を第1水平方向に移動可能に支持しており、モータ及び駆動ベルトによって把持ユニット81を第1水平方向に移動させる。
上下移動機構は、第1水平移動機構を上下方向に移動可能に支持しており、モータ及び駆動ベルトによって第1水平移動機構を上下方向に移動させる。
第2水平移動機構は、上下移動機構を第2水平方向に移動可能に支持しており、モータ及び駆動ベルトによって上下移動機構を第2水平方向に移動させる。
このように、把持ユニット81は、第1水平移動機構、第2水平移動機構及び上下移動機構によって直交する3軸に沿った方向に移動可能に構成されている。
第3搬送部10は、結束紙幣を投出部11まで搬送する。第3搬送部10は、上把持部101と、下把持部102と、上把持部101及び下把持部102を第1水平方向へ移動させる水平移動機構とを有している。水平移動機構は、上把持部101を第1水平方向へ移動させる際に上把持部101を上下方向にも移動させる。詳しくは、第3搬送部10は、結束部9の側方を第1水平方向へ通過するように構成されている。第3搬送部10は、結束部9に対して投出部11と反対側に位置するときには、上把持部101は下把持部102から上方へ十分に離間している。上把持部101は、この位置から結束部9の結束紙幣へ近づくにつれて下方へ移動し、結束紙幣に到達したときには上把持部101と下把持部102とで結束紙幣を把持した状態となる。上把持部101及び下把持部102は、結束紙幣を把持した状態で結束紙幣を投出部11近傍まで搬送する。上把持部101は、投出部11の近傍において、投出部11へ近づくにつれて上方へ移動する。その結果、上把持部101と下把持部102とで把持された結束紙幣は、投出部11において上把持部101及び下把持部102による把持が解除され、投出部11へ投出される。
筐体12の第2側面124には、図1に示すように、紙幣処理装置100への情報を入力する操作部であり且つ紙幣処理装置100の情報を表示する表示部であるタッチパネル17が設けられている。タッチパネル17は、紙幣処理装置100を操作するオペレータに対するヒューマンインターフェース部分である。
〈結束スタッカ4の構成〉
図3に、結束スタッカ4及び結束部9の概略構成図を示す。
結束スタッカ4は、第1搬送部7を介して搬送されてきた紙幣Bを上下方向に積み重ねて集積する。紙幣Bは、一方の長辺を前側にして、その短手方向に搬送され、結束スタッカ4内へ入ってくる。結束スタッカ4は、紙幣Bが載置されるステージ41と、紙幣Bの搬送方向前側の長辺を揃えるためのガイド42と、紙幣Bの搬送方向後側の長辺と対向する後壁43と、結束スタッカ4の天井を規定する天井45と、結束スタッカ4を開放する扉46(図1参照)と、扉46の内側に設けられ、紙幣Bの一方の短辺と対向する側壁47(図5,7参照)と、集積された紙幣の短辺を揃える整列機構49(図9参照)と、搬送されてきた紙幣Bの結束スタッカ4への落下を促進する羽根車410と、結束スタッカ4内の紙幣Bの存在を検知する第1紙幣センサ411と、結束スタッカ4内の所定高さの紙幣Bを検知する第2紙幣センサ412とを有している。以下の説明では、説明の便宜上、紙幣Bのうち側壁47と対向する短辺を「第1辺b1」、搬送方向前側の長辺を「第2辺b2」、第1辺b1と反対側の短辺を「第3辺b3」、搬送方向後側の長辺を「第4辺b4」と称する(図9参照)。
ステージ41は、紙幣Bの重なり方向である上下方向に移動可能に構成されている。ステージ41は、紙幣Bの集積量に応じて移動する。
ガイド42は、結束スタッカ4内に搬送されてきた紙幣Bの搬送方向への移動を停止させ、該紙幣Bをステージ41上に落下させる。ステージ41上に落下した紙幣は、第2辺b2がガイド42と対向し、第4辺b4が後壁43と対向している。
羽根車410は、可撓性を有する複数の羽を有しており、結束スタッカ4へ搬送されてきた紙幣Bの、搬送方向後側の端部を叩いて、紙幣Bの落下を促進する役割を有している。紙幣Bが結束スタッカ4内に連続的に搬入される場合であっても、後の紙幣Bが先の紙幣Bの後端部に入り込むことを防止し、紙幣Bを1枚ずつ順に上から積み重ねていくことができる。
第1取出口413及び扉46は、ステージ41上の紙幣Bの第1辺b1側に設けられている。扉46の内側、即ち、紙幣Bの第1辺b1と対向する部分には、側壁47が設けられている。
整列機構49は、紙幣Bの第3辺b3側に設けられている。整列機構49は、紙幣Bの第3辺b3を紙幣Bの長手方向に押して、紙幣Bの第1辺b1を側壁47に当接させる。こうして、側壁47と整列機構49とによって、紙幣Bの両短辺が揃えられる。
第1紙幣センサ411は、1つの結束スタッカ4につき複数設けられている。本実施形態では、結束スタッカ4内において紙幣Bの搬送方向における異なる位置に2つの第1紙幣センサ411,411が設けられている。第1紙幣センサ411は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。各第1紙幣センサ411は、結束スタッカ4内の紙幣Bの集積方向(即ち、重なり方向)に光を送信するように配置されている。つまり、第1紙幣センサ411は、光が遮断されることによって、結束スタッカ4内に紙幣Bが存在することを検知することができる。また、搬送方向の異なる位置に2つの第1紙幣センサ411,411を設けることによって、結束スタッカ4内において搬送方向における紙幣Bの位置にばらつきがあったとしても、何れかの第1紙幣センサ411により紙幣Bの存在を検知することができる。尚、第1紙幣センサ411は、紙幣Bの搬送方向及び紙幣Bの厚み方向の両方に直交する方向(図2における紙面奥行き方向)における異なる位置に複数設けられていてもよい。
第2紙幣センサ412は、結束スタッカ4内において所定の高さに位置する紙幣Bを検知するように構成されている。第2紙幣センサ412は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。第2紙幣センサ412は、所定の高さ位置において、ステージ41の表面と平行で且つ紙幣Bの長手方向に光を送信するように配置されている。図3においては、説明の便宜上、第2紙幣センサ412は、紙幣Bの短手方向に光を送信するように図示されている。第2紙幣センサ412は、前記所定の高さ位置よりも高い位置に紙幣Bが存在するときには、送信部から受信部に向かう光が該紙幣Bにより遮断される一方、紙幣Bが前記所定の高さ位置よりも高い位置に存在しないときには、送信部からの光が受信部に到達するように配置されている。
〈非結束スタッカ5の構成〉
非結束スタッカ5は、紙幣を積み重ねて集積する。非結束スタッカ5は、図2に示すように、紙幣を集積する容器50と、搬送されてきた紙幣を容器50内へ搬入する羽根車51と、紙幣の有無を検知する集積センサ52とを有している。
非結束スタッカ5の容器50の底部は、傾斜している。これにより、容器50へ搬入された紙幣は、底部の低い方の端部へ集まる。
集積センサ52は、容器50の底部の低い方の端部に設けられている。集積センサ52は、紙幣センサ25と同様の構成をしており、光が遮断されることによって容器50内の紙幣を検知する。集積センサ52は、容器50内の紙幣により光が遮断されるように配置されている。
羽根車51は、複数の羽を有しており、搬送されてきた紙幣を羽の間で保持して、容器50内へ搬入する。紙幣は、容器50の底部近傍において羽根車51の羽から離脱し、容器50内に集積される。
容器50は、図1に示すように、筐体12の第2側面124に開口している。すなわち、第2側面124には、非結束スタッカ5に集積された紙幣を筐体12の外部に取り出すための第2取出口53が設けられている。第2取出口53には、扉が設けられておらず、開放されている。第1非結束スタッカ5Aの第2取出口53と第2非結束スタッカ5Bの第2取出口53とは、第2側面124において水平方向に並んで開口している。
また、非結束スタッカ5には、集積された紙幣を第2取出口53の方へ押し出すための押出機構54が設けられている。押出機構54は、容器50の奥側(第2取出口53と反対側)に設けられており、奥側から手前側(第2取出口53の側)に紙幣を押し出すように構成されている。
〈リジェクトスタッカ6の構成〉
リジェクトスタッカ6は、紙幣を積み重ねて集積する。リジェクトスタッカ6は、図2に示すように、紙幣を集積する容器60と、搬送されてきた紙幣を容器60内へ搬入する羽根車61と、紙幣の有無を検知する集積センサ62と、容器60内の紙幣が外部へ排出されることを防止するストッパ64,64とを有している。
詳しくは、リジェクトスタッカ6の容器60は、図1に示すように、筐体12の第1側面123に開口している。すなわち、第1側面123には、リジェクトスタッカ6に集積された紙幣を筐体12の外部に取り出すためのリジェクト取出口63が設けられている。リジェクト取出口63は、第1側面123において、取込口24の上方に開口している。リジェクト取出口63には、扉が設けられておらず、開放されている。
容器60の底部は、第1側面123から離れるに従って下方に位置するように傾斜している。そのため、容器60内の紙幣は、第1側面123から内側へ入り込んだ位置に集積されていく。これにより、容器60内に搬入された紙幣が、そのまま第1側面123のリジェクト取出口63から外部へ排出されることを防止することができる。
さらに、2つのストッパ64,64は、容器60の底部のうち、第1側面123側の端縁に設けられている。ストッパ64は、底部の第1側面123側の端縁と平行に延びる軸回りに回動自在に支持されると共に、付勢バネ(図示省略)で付勢されて、容器60の底部に対して立ち上がった状態となっている。これらストッパ64,64によっても、容器60内の紙幣が第1側面123のリジェクト取出口63から外部へ排出されることを防止することができる。尚、リジェクトスタッカ6に集積された紙幣をリジェクト取出口63から抜き出すときには、ストッパ64,64を付勢バネの弾性力に抗して倒すことによって、紙幣を抜き出すことができる。
羽根車61は、可撓性を有する複数の羽を有しており、容器60内に落下する紙幣の、搬送方向後側の端部を叩き落とす役割を有している。紙幣が容器60内に連続的に搬入される場合であっても、後の紙幣が先の紙幣の後端部に入り込むことを防止し、紙幣を1枚ずつ順に上方に積み重ねていくことができる。
集積センサ62は、紙幣センサ25と同様の構成をしており、光が遮断されることによって容器60内の紙幣を検知する。集積センサ62は、容器60内の紙幣により光が遮断されるように配置されている。
〈結束部9の構成〉
結束部9は、図3に示すように、テープTを供給するテープ供給部91と、テープTでテープ輪Lを作成するテープ輪作成部92と、紙幣Bを前記テープTで結束するときに該紙幣Bを集積方向に押圧するクランプ部94と、テープTを紙幣Bに巻き付けた状態でテープT同士を接合するヒータ95と、テープTを紙幣Bに巻き付けられていない位置で切断するカッタ96と、テープTに印刷する印刷部97と、テープTに押印する押印部98と、を有している。
テープ供給部91は、テープTがリールに巻き付けられたテープリール911と、テープリール911から引き出されるテープTを搬送するテープ搬送部912とを有している。テープ搬送部912は、テープTを所定の搬送経路に沿って搬送する。テープ搬送部912は、ガイド(図示省略)と複数のローラ対とを有している。
テープ輪作成部92は、テープTでテープ輪Lを作成し、集積された紙幣Bが該テープ輪Lの中に配置された後に該テープTを引き戻して該テープTを該紙幣Bに巻き付ける。テープ輪作成部92は、テープTの送り出し及び引き戻しを行う送り出しローラ対920と、テープTの先端部を把持するテープ把持部921と、テープTでテープ輪Lを作成する際にテープ輪Lの形状を規定するガイド部925と、テープTの先端を検知する第1テープセンサ9210と、大テープ輪L2が作成されたことを検知する第2テープセンサ9211とを有している。テープ輪作成部92は、詳細な図示は省略するが、テープ把持部921によりテープTで小テープ輪を作成した後、送り出しローラ対920によりテープTを送り出すことによって該小テープ輪を大きくして大テープ輪L2を作成する。その際、ガイド部925は、テープTを案内して、大テープ輪L2の形を規定し、第2テープセンサ9211は、大テープ輪L2の形成を検知する。
送り出しローラ対920は、テープ送りモータ9212(図4参照)により駆動され、テープ輪Lを作成する際にテープTを送り出す。送り出しローラ対920は、テープ搬送部912の下流端部に位置し、テープ搬送部912の一部も構成する。送り出しローラ対920は、送り出し部の一例である。尚、テープ搬送部912のローラ対も、テープ送りモータ9212によりベルト及びギア等を介して駆動される。
また、テープリール911には、テープTの巻き戻し方向にテープリール911を回転させるテープリールモータ9111(図4参照)が設けられており、紙幣Bがテープ輪Tの中へ配置された後に、テープTを紙幣Bに巻き付ける際には、このテープリールモータ9111とテープ送りモータ9212とがテープTを巻き戻す方向に回転する。テープ送りモータ9212及びテープリールモータ9111は共に、ステッピングモータにより構成されている。
第1テープセンサ9210は、テープTの搬送路中であって、送り出しローラ対920とテープ把持部921との間に設けられている。第1テープセンサ9210は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。第1テープセンサ9210は、光が遮断されることによってテープTを検知する。例えば、送り出しローラ対920がテープTを引き戻し、第1テープセンサ9210において光が遮断された状態から光が受信される状態となったことをもってテープTの先端を検知することができる。
テープ把持部921は、送り出しローラ対920から送り出されるテープTを受け取ることが可能な位置に配置されている。テープ把持部921は、詳細な図示は省略するが、送り出しローラ対920から送り出されたテープTの先端部を把持した状態で回転することによってテープ輪Lを作成する。
ガイド部925は、大テープ輪L2を作成するときに、該大テープ輪L2の外周面に接触して該大テープ輪L2の形状を規定する。ガイド部925は、大テープ輪L2を略長方形状、詳しくは、角部が湾曲した長方形状に規定する。
ガイド部925は、大テープ輪L2の下側から大テープ輪L2の外周面に接触する下ガイド部926と、水平方向から大テープ輪L2の外周面に接触する第1側方ガイド部927及び第2側方ガイド部928と、長方形の4つの角部に対応する4つの第1〜第4コーナーガイド部929a〜929dとを有している。
下ガイド部926は、移動機構が設けられており、移動機構によって上下に移動可能に構成されている。この移動機構は、後述する下クランプ部の移動機構と共通である。
第1側方ガイド部927は、下ガイド部926の長手方向の結束スタッカ4側の端部において上下方向に延びていて、テープTの幅方向の位置を規制する。
第2側方ガイド部928は、下ガイド部926の長手方向の投出部11側の端部において上下方向に延びている。第2側方ガイド部928は、支持部によって上下に移動可能に支持されると共に、リンクを介して下ガイド部926に連結されている。これにより、第2側方ガイド部928は、下ガイド部926の上昇に連動して上昇し、下ガイド部926の下降に連動して下降する。尚、第2側方ガイド部928の移動量は、リンクにより増幅されている。第2側方ガイド部928は、結束紙幣Bを搬送するときに、該結束紙幣Bの搬送を阻害しないように上方へ退避するように構成されている。
第2テープセンサ9211は、紙幣センサ25と同様の構成をし、光が遮断されることによってテープTを検知する。第2テープセンサ9211の受信部は、図3に概念的に示すように、第4コーナーガイド部929dに取り付けられている。第2テープセンサ9211の送信部は、該送信部からの光が第4コーナーガイド部929dに案内されているテープTによって遮断される位置に配置されている。つまり、第2テープセンサ9211は、送信部が光を送信しても受信部が光を受信しないことをもって、第4コーナーガイド部929dがテープTを案内していること、即ち、テープ輪Lが所定の大きさになったことを検知する。
クランプ部94は、紙幣Bを前記テープTで結束するときに該紙幣Bを集積方向に押圧する。クランプ部94は、紙幣Bのうち、テープTで結束される結束予定部分の近傍部分を押圧する。クランプ部94は、テープ輪Lの中へ搬送された紙幣Bの上方に設けられた上クランプ部と、該紙幣Bの下方に設けられた下クランプ部と、下クランプ部を上下に移動させる移動機構とを有している。
下クランプ部は、上下に移動可能に構成されている。本実施形態では、下クランプ部は、ガイド部925の下ガイド部926に取り付けられており、下ガイド部926と一体的に上下に移動する。つまり、下クランプ部を上下に移動させる移動機構は、下ガイド部926の移動機構と共通である。
ヒータ95は、テープTを紙幣Bに巻き付けた状態でテープT同士を接合する。ヒータ95は、テープT同士を熱溶着する。ヒータ95は、接合部の一例である。
カッタ96は、テープTを紙幣Bに巻き付けられていない部分、即ち、テープTのうち紙幣Bを結束して余った部分を切断する。カッタ96の先端は、鋸歯状の切断刃が設けられている。カッタ96は、切断部の一例である。
ヒータ95及びカッタ96は、ユニット化されて、テープ輪Lの中へ配置される紙幣Bに対して押印部98とは反対側、具体的には、紙幣Bの集積方向において押印部98とは反対側に配置されている。より詳しくは、ヒータ95及びカッタ96は、テープ把持部921の上方に配置されている。ヒータ95は、テープ把持部921上でテープTを接合する。カッタ96は、テープ把持部921上でテープTを切断する。
印刷部97は、図3に示すように、テープ搬送部912に設けられている。印刷部97は、テープ搬送部912により搬送されるテープTに印字を行う印刷ヘッドを有している。印刷部97は、例えば、結束される紙幣Bに関連する情報(例えば、金種、日時、連続番号等)をテープTに印字する。印刷部97の印字位置は、印字が押印部98による押印と重ならないように、押印部98による押印予定部分に対してテープ幅方向にずれている。
押印部98は、前記クランプ部94で紙幣Bを圧縮し且つ該紙幣BにテープTを巻き付けた状態で該テープTに押印する。押印部98は、例えば、結束される紙幣Bに関連する印(例えば、金融機関印、正券又は損券等の紙幣の種類を表す印等)をテープTに押印する。押印部98は、テープ輪Lの中へ配置される紙幣Bに対してヒータ95及びカッタ96とは反対側、具体的には、紙幣Bの集積方向においてヒータ95及びカッタ96とは反対側に配置されている。押印部98は、スタンプ981と、スタンプ981を上下方向に移動させる移動機構(図示省略)とを有している。移動機構がスタンプ981を上方へ移動させることによって、スタンプ981は、紙幣Bに巻き付けられたテープTに紙幣Bの集積方向から押印する。押印部98は、下ガイド部926と一体的に設けられており、下ガイド部926が上下方向に移動するときに下ガイド部926と一体的に上下方向に移動する。
〈紙幣処理装置のシステム構成〉
図4に、紙幣処理装置100の概略構成を示すブロック図を示す。
紙幣処理装置100は、例えば周知のプロセッサをベースとした制御部120を備えている。制御部120には、前述したホッパ部2、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5、リジェクトスタッカ6、第1搬送部7、第2搬送部8、結束部9、第3搬送部10及びタッチパネル17が、信号の送受信可能に接続されている。また、制御部120には、紙幣センサ25、第1紙幣センサ411、第2紙幣センサ412、集積センサ52、集積センサ62、通過センサ74、第1テープセンサ9210、及び第2テープセンサ9211が接続され、それらの検出信号が入力されるように構成されている。制御部120は、タッチパネル17からの入力信号及び各種センサからの検知信号等に基づいて制御信号を生成し、ホッパ部2等へ該制御信号を出力する。ホッパ部2等は、その制御信号に従って動作する。例えば、結束スタッカ4を例に挙げると、ステージ41、ガイド42、ロック機構46c、整列機構49及び羽根車410が制御部120により制御される。
〈紙幣処理装置の動作説明〉
以下、紙幣処理装置100の入金処理について説明する。入金処理においては、バラ状態の紙幣が分類され、所定のスタッカに集積され、さらには、所定の紙幣については結束される。以下では、結束対象の所定の一種類の紙幣を第1及び第2結束スタッカ4A,4Bに所定枚数ずつ交互に集積し、該所定枚数集積した紙幣を順次、結束部9により結束する同一種類結束処理について説明する。
まず、オペレータは顧客から入金すべきバラ状態の紙幣を受け取り、該紙幣をホッパ部2へ載置する。このとき、バラ状態の紙幣に複数種類の紙幣が混在していたとしても、それらを分類することなく、ホッパ部2へ載置する。オペレータは、紙幣の寸法に合わせて、ガイド部22を調整する。続いて、オペレータは、タッチパネル17を操作して、紙幣の取込を開始する。尚、紙幣センサ25がホッパ部2への紙幣の載置を検知すると、紙幣処理装置100が自動的に紙幣の取込を開始するようにしてもよい。
ホッパ部2に載置された紙幣は、取込ローラ23が作動することにより1枚ずつ取込口24から、筐体12内へ取り込まれていく。取り込まれた紙幣は、第1搬送部7により搬送され、識別部3を通過する。識別部3は、通過する紙幣の紙幣種別を取得し、その紙幣種別を制御部120へ通知する。
制御部120は、紙幣の種類に応じて、紙幣に対応する搬送先を決定する。具体的には、紙幣が結束対象の所定金種の紙幣であって且つ正券紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を結束スタッカ4(4A及び4Bの何れか一方)とする。紙幣が結束対象の所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を第1非結束スタッカ5Aとする。紙幣が所定金種以外の金種の紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を第2非結束スタッカ5Bとする。紙幣がリジェクト紙幣であるときには、制御部120は、搬送先をリジェクトスタッカ6とする。
制御部120は、紙幣が搬送先となるスタッカに搬送されるように第1搬送部7を制御する。具体的には、制御部120は、搬送先となるスタッカへ繋がる分岐路72に対応する振り分け機構73を該紙幣が主搬送路71から該分岐路72へ導かれるように制御する。制御部120は、該分岐路72の直前の通過センサ74が紙幣を検知したときに、該振り分け機構73を切り替える。さらに、制御部120は、搬送先となるスタッカの羽根車410、羽根車51又は羽根車61を制御して、紙幣をスタッカ内に搬入する。
結束スタッカ4に搬送される紙幣は、2つの結束スタッカ4のうち一方の結束スタッカ4へ搬送される。一方の結束スタッカ4に集積された紙幣の枚数が所定の結束枚数(例えば、100枚)に達すると、それ以降の紙幣は、他方の結束スタッカ4へ搬送される。ここでは、紙幣がまず第1結束スタッカ4Aへ搬送されるものとする。各第1結束スタッカ4Aにおいては、紙幣が搬送されてくると、羽根車410の回転によって、紙幣が1枚ずつ上方に重ねられていく。第1結束スタッカ4Aに集積された紙幣が結束枚数に達すると、制御部120は、第2搬送部8を制御し、把持ユニット81により第1結束スタッカ4A内の紙幣を把持し、該紙幣を結束部9へ搬送する。その後、制御部120は、結束部9を制御して、紙幣をテープTで結束する。
尚、第1結束スタッカ4Aに集積された紙幣が結束枚数に達すると、それ以降の紙幣は第2結束スタッカ4Bに集積される。その後、第2結束スタッカ4Bに集積された紙幣が結束枚数に達したときには、それ以降の紙幣は再び第1結束スタッカ4Aに集積されるようになる。このときまでには、第1結束スタッカ4A内の紙幣の搬出が完了しているので、第1結束スタッカ4A内は空の状態になっている。このように、2つの結束スタッカ4を設けることによって、紙幣の集積を連続して行いつつ、結束処理を行うことができる。
続いて、制御部120は、第3搬送部10を制御して、結束紙幣を投出口111から投出する。
所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣は、第1非結束スタッカ5Aへ搬送される。第1非結束スタッカ5Aにおいては、紙幣が搬送されてくると、羽根車51の回転によって、紙幣を容器50内に積み重ねていく。こうして、所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣は、第1非結束スタッカ5Aに集積される。同様に、所定金種以外の金種の紙幣は、第2非結束スタッカ5Bへ搬送され、第2非結束スタッカ5Bに集積される。リジェクト紙幣も、リジェクトスタッカ6へ搬送され、リジェクトスタッカ6に集積される。
以上の処理が、ホッパ部2に載置された紙幣が無くなるまで続けられる。ホッパ部2の紙幣の有無は、紙幣センサ25によって検知される。
ホッパ部2に載置された紙幣の処理が完了すると、リジェクト紙幣の取込及び識別を再度行う。つまり、オペレータは、リジェクト紙幣をリジェクトスタッカ6から抜き出して、ホッパ部2へ載置し、再び取込を行う。リジェクト紙幣は、何らかの理由で正常な紙幣として識別されなかった紙幣であるので、再び取込及び識別を試みる。それでも尚、リジェクト紙幣として識別される紙幣は、再びリジェクトスタッカ6に集積される。オペレータは、再び集積された紙幣を顧客に返却する。
尚、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bに集積された紙幣については、再度の取込を行わない。
こうして、ホッパ部2に載置された紙幣の処理とリジェクト紙幣の再処理が完了すると、同一種類結束処理が完了し、顧客から渡された入金すべき紙幣の計数及び分別が終了する。タッチパネル17には、計数された金額が表示される。オペレータは、顧客からその金額の承認を得るか、又は、その金額と顧客が記載した入金伝票に記載された金額との一致を確認すると、タッチパネル17により入金額の確定操作を行う。確定操作が行われると、確定した入金額が上位装置(図示省略)へ通知され、入金処理が完了する。
入金処理の完了後は、オペレータは、投出部11に投出されている結束紙幣、結束スタッカ4に集積されている紙幣及び非結束スタッカ5に集積されている紙幣を取り出して所定の収納場所に収納する。
以上の処理により、複数種類の紙幣が混在し且つバラ状態であった紙幣は、所定金種の正券紙幣と、所定金種の損券紙幣と、所定金種以外の金種の紙幣と、リジェクト紙幣とに分類され、所定金種の正券紙幣については結束枚数ごとに結束された状態となる。
〈結束スタッカ4の詳細構成〉
図5に、結束スタッカ4の主要部の斜視図を示す。図6に、結束スタッカ4のステージ41及びガイド42が移動した状態の図5に相当する斜視図を示す。図7に、図5とは異なる方向から見た、結束スタッカ4の主要部の斜視図を示す。図8に、後壁43の第2係止溝44,44,…が形成された部分の拡大断面図を示す。図9に、結束スタッカ4の一部を省略した概略平面図を示す。図10に、側壁47の第1係止溝48,48,…が形成された部分の拡大断面図を示す。図5,6においては、後壁43、天井45、整列機構49及び羽根車410の図示を省略している。図6においては、扉46及びフレーム46aを破線で図示している。図7では、ガイド42、天井45、整列機構49及び羽根車410の図示を省略している。
ステージ41は、紙幣Bの重なり方向である上下に移動可能に構成されている。具体的には、ステージ41は、上下移動部41aに連結されている。上下移動部41aは、上下に延びるシャフト(図示省略)に対して上下に移動可能に取り付けられ、モータ(図示省略)により上下に駆動される。ステージ41は、櫛歯形状をしている。ステージ41上の所定の集積位置に紙幣Bが集積される。この集積位置は、第1辺b1が側壁47に当接するときの紙幣Bの位置である。つまり、詳しくは後述するが、紙幣Bは、第1辺b1が側壁47に略当接する状態で集積される。
ガイド42は、紙幣Bの搬送方向に移動可能に構成されている。詳しくは、ガイド42は、上側ガイド42aと、下側ガイド42bとを有している。上側ガイド42aは、紙幣Bの搬送方向に移動する一対のフレーム42c,42cに設けられた回転シャフト42dに取り付けられている。一対のフレーム42c,42cは、搬送方向に延びる水平シャフト(図示省略)に対して移動可能に取り付けられ、モータ(図示省略)により該水平シャフトに沿って駆動される。回転シャフト42dは、一対のフレーム42c,42cに回転自在に支持されている。回転シャフト42dは、モータ(図示省略)によって回転駆動される。上側ガイド42aは、回転シャフト42dと一体的に回転する。一方、下側ガイド42bは、一対のフレーム42c,42cに固定されている。下側ガイド42bは、上側ガイド42aの下方に設けられている。上側ガイド42aは、4本の櫛歯状に形成されている。同様に、下側ガイド42bは、4本の櫛歯状に形成されている。
上側ガイド42aが回転シャフト42dから垂れ下がった状態においては、上側ガイド42aと下側ガイド42bとで、結束スタッカ4における搬送方向前側の壁を構成する。このとき、上側ガイド42aの櫛歯と下側ガイド42bの櫛歯とによって、上下に延びる3本のスリットが形成される。このうち両端の2つのスリットは、ステージ41の2本の櫛歯が進入可能な位置に配置されている。前述の如く、上側ガイド42a及び下側ガイド42bは、フレーム42c,42cの移動に伴って紙幣Bの搬送方向の前後に移動する。このとき、ステージ41の櫛歯が上側ガイド42aの櫛歯と下側ガイド42bの櫛歯とによって形成されるスリットに進入することによって、ステージ41と上側ガイド42a及び下側ガイド42bとの干渉が回避される。また、スリットは上下に延びているので、ステージ41が上下に移動する場合であっても、ステージ41の櫛歯と上側ガイド42a及び下側ガイド42bとの干渉が回避される。
一方、上側ガイド42aは、回転シャフト42dの回転に伴って搬送方向前側に開くように回転することにより、結束スタッカ4を搬送方向前側に開口させる。
後壁43は、結束スタッカ4において固定的に配設されている。図7に示すように、後壁43の上端部には、複数の第2係止溝44,44,…が形成されている。第2係止溝44は、ステージ41上に集積される紙幣Bの第4辺b4に沿って延びている。すなわち、第2係止溝44は、ステージ41の表面41bと平行に延びている。複数の第2係止溝44,44,…は、紙幣Bの重なり方向、即ち、上下方向に配列されている。
第2係止溝44は、図8に示すように、ステージ41の表面41bに対して傾斜した第1面44aと、表面41bと略平行な第2面44bとを有している。第1面44aは、鉛直方向上側ほど後壁43の表面43aからの深さが浅くなるように傾斜している。第1面44aは、第2面44bと連結される部分において表面43aからの深さが最も深くなっている。詳しくは後述するが、第2係止溝44は、結束スタッカ4に搬入された紙幣Bがステージ41上に落下する際に、紙幣Bがステージ41上の紙幣束と後壁43との間の隙間(ステージ41上に紙幣束が形成されていない場合には、ステージ41と後壁43との間の隙間)に入り込まないようにするための部分である。
結束スタッカ4において紙幣Bの搬送方向及び紙幣Bの集積方向の両方に直交する方向(以下、「幅方向」という)の端部には、概ね方形のフレーム46aが設けられている。フレーム46aには、概ね方形の第1取出口413が形成されている。
扉46は、フレーム46aの一辺に設けられた回転軸回りに回転自在に取り付けられている。扉46は、第1取出口413を開放する開状態と第1取出口413を閉鎖する閉状態との間で回転する。扉46は、回転軸に設けられたコイルバネ(図示省略)によって、開状態となる方向に付勢されている。扉46は、外部から内部を目視可能な材料で構成されている。例えば、扉46は、透明又は半透明な材料(例えば、ガラスや樹脂)で構成されている。第1取出口413は、取出口の一例である。
また、扉46には、図9に示すように、ロック機構46cが設けられている。ロック機構46cは、扉46を閉状態に拘束する拘束状態と、扉46を開閉自在にする解除状態との間で切換可能に構成されている。具体的には、ロック機構46cは、フレーム46aに設けられたピン46dと、ピン46dを駆動するソレノイド等を含む駆動機構46eと、扉46に設けられ、ピン46dが係合する被係合部46fとを有している。ロック機構46cは、制御部120により、結束スタッカ4ごとに個別に制御される。つまり、扉46は、個別に開閉可能となる。
ロック機構46cは、少なくとも前記第1、第2及び第3搬送部7,8,10による紙幣の搬送、結束スタッカ4への紙幣の集積並びに前記結束部9による紙幣の結束に影響を及ぼさないときに扉46の拘束が解除可能となる。すなわち、ロック機構46cは、少なくとも紙幣の搬送、集積及び結束に影響を及ぼすときには拘束状態となっている。そして、紙幣の搬送、集積及び結束に影響を及ぼさないときには、ロック機構46cは、拘束状態から解除状態に変更することができる。尚、ロック機構46cは、紙幣の搬送、集積及び結束に影響を及ぼさないときには必ず解除状態となるわけではない。制御部120の制御によっては、紙幣の搬送、集積及び結束に影響を及ぼさないときであっても、ロック機構46cは拘束状態とされる場合もある。
扉46の内側には、紙幣Bの第1辺b1が当接する側壁47が設けられている。側壁47は、外部から内部を目視可能な材料で構成されている。例えば、側壁47は、透明又は半透明な材料(例えば、ガラスや樹脂)で構成されている。
側壁47には、図7に示すように、複数の第1係止溝48,48,…が形成されている。第1係止溝48は、ステージ41上に集積される紙幣Bの第1辺b1に沿って延びている。すなわち、第1係止溝48は、ステージ41の表面41bと平行に延びている。複数の第1係止溝48,48,…は、紙幣Bの重なり方向、即ち、上下方向に配列されている。第1係止溝48,48,…は、側壁47のうち比較的上側の部分に形成されている。
第1係止溝48は、図10に示すように、ステージ41の表面41bに対して傾斜した第1面48aと、表面41bに対して傾斜した第2面48bと、表面41bと略平行な第3面48cとを有している。第1面48a及び第3面48cは、側壁47の表面47aにつながっている。第2面48bは、第1面48aと第3面48cとにつながっている。第1面48aは、鉛直方向上側ほど表面47aからの深さが浅くなるように傾斜している。第1面48aは、ステージ41の表面41bに対する傾斜角(第1面48aと表面41bとのなす角のうち小さい方の角)は45度以下になっている。第2面48bは、鉛直方向下側ほど表面47aからの深さが浅くなるように傾斜している。第2面48bは、第1面48aと連結される部分において表面47aからの深さが最も深くなっており、第3面48cと連結される部分において表面47aからの深さが最も浅くなっている。第2面48bは、ステージ41の表面41bに対する傾斜角(第2面48bと表面41bとのなす角のうち小さい方の角)は45度以上になっている。
詳しくは後述するが、第1係止溝48は、紙幣Bが側壁47に寄りかかって集積された際に、ステージ41を移動させることによって紙幣Bの第1辺b1を引っ掛けさせるための部分である。すなわち、第1係止溝48は、係止部の一例である。
整列機構49は、図9に示すように、結束スタッカ4において、扉46とは反対側に設けられている。つまり、整列機構49は、結束スタッカ4内の紙幣Bのうち第3辺b3と対向する位置に設けられている。整列機構49は、幅方向の紙幣の端部を揃える。本実施形態では、紙幣が短手方向に搬送されるので、幅方向は紙幣の長手方向に相当する。すなわち、整列機構49は、紙幣の短辺を揃える。整列機構49は、紙幣Bの集積方向に延びる回転軸回りに回転自在に設けられたアーム49aと、アーム49aを回転させるステッピングモータ49bとを有している。整列機構49は、紙幣Bの第3辺b3を扉46に向けてアーム49aにより押圧することによって紙幣Bの第1辺b1を側壁47に当接させる。つまり、整列機構49は、扉46と協働して、紙幣Bの両短辺を揃える。こうすることによって、結束スタッカ4内の紙幣Bは、側壁47に当接した状態に整列させられる。整列機構49は、押し当て部の一例である。
アーム49aは、紙幣Bを側壁47の方へ押し動かした後は、紙幣Bを移動させた後の場所(即ち、アーム49aと側壁47との距離が、紙幣Bの長手方向寸法と略一致する位置)に留まり、紙幣Bの、長手方向における整列機構49の方への移動を規制する規制部として機能する。
また、整列機構49は、アーム49aの移動範囲(即ち、回転範囲)を調整可能に構成されており、紙幣Bの種類に応じてアーム49aの移動範囲を調整する。具体的には、アーム49aと側壁47との距離が集積対象となる紙幣Bの長手方向寸法と略一致する位置までアーム49aが回転するように、アーム49aの移動範囲が調整される。
続いて、制御部120による結束スタッカ4の制御について説明する。図11に、集積開始時の結束スタッカ4の概略図を示す。図12に、結束スタッカ4に搬入されてきた紙幣の後端部の様子を示す動作説明図を示す。図13に、集積中の結束スタッカ4の概略図を示す。図14に、圧縮時の結束スタッカ4の概略図を示す。図15に、取り出し時の結束スタッカ4の概略図を示す。
まず、制御部120は、紙幣Bが結束スタッカ4に搬送されてくる前に、図11に示すように、ステージ41を初期位置に移動させると共に、ガイド42を紙幣Bの種類に応じた位置に移動させる。ステージ41の初期位置は、比較的上方であって、羽根車410に接近した位置である。これにより、結束スタッカ4内に落下する紙幣Bの落下距離を比較的短くすることができ、紙幣Bの落下位置を安定させることができる。ただし、ステージ41の初期位置は、第2紙幣センサ412の高さよりも低い位置である。
また、制御部120は、結束スタッカ4に搬送されてくる紙幣Bの種類に応じた位置にガイド42を移動させる。紙幣Bは、その短手方向が搬送方向と一致する姿勢で搬送されてくるため、ガイド42の位置は紙幣Bの短手方向寸法に応じて調整される。具体的には、ガイド42と後壁43との間隔が、結束スタッカ4に搬入される紙幣Bの短手方向寸法よりも僅かに大きくなる位置にガイド42が配置される。
この状態を初期状態として、紙幣Bが結束スタッカ4に搬送されてくる。結束スタッカ4内に搬入された紙幣Bは搬送方向への運動量をもっているので、紙幣Bの搬送方向前側の第2辺b2がガイド42に当たり、そのままステージ41上に落下する。
このとき、羽根車410により、紙幣Bの落下が促進されている。詳しくは、結束スタッカ4に搬入される紙幣Bの搬送方向の後端部が羽根車410により下方に叩かれる。これにより、落下していく紙幣Bは、後端部の方が先端部よりも低い状態となる傾向にある。それに加え、羽根車410により後端部を叩かれる際に、紙幣Bは羽根車410の方へ、即ち、搬送方向後側へ引き込まれる場合もある。その結果、紙幣Bの後端部が、ステージ41上の紙幣束と後壁43との間の隙間(ステージ41上に紙幣束が形成されていない場合には、ステージ41と後壁43との間の隙間)に入り込む虞がある。それに対し、後壁43の上端部には、第2係止溝44,44,…が設けられている。図12に示すように、紙幣束と後壁43との間の隙間に入り込もうとする紙幣Bの第4辺b4は、第2係止溝44に引っ掛かり、該隙間への進入が抑制される。特に、第2係止溝44のうち、落下する紙幣Bが当接する部分となる第2面44bは、略水平となっている。そのため、紙幣Bの鉛直下向きの移動が第2面44bにより阻止される。こうして、結束スタッカ4へ搬入される紙幣Bは、ステージ41上へ適切に落下していく。
ステージ41上においては、図13に示すように、紙幣Bの第2辺b2は、ガイド42に略当接した状態となっている。また、紙幣Bの第4辺b4は、後壁43との間に微小な隙間を有する状態で該後壁43と対向している。ステージ41上に落下したときの状態によっては、紙幣Bの第4辺b4は、後壁43と当接している場合もある。
制御部120は、結束スタッカ4に集積された紙幣が所定枚数(例えば10枚)となるごとにステージ41を該所定枚数の厚みに相当する量だけ下降させる。これを繰り返すことによって、ステージ41上の最も上の紙幣(以下、「最上紙幣」という)Bの高さ位置(ステージ41上に紙幣Bが存在しない場合にはステージ41の高さ位置)を所定の範囲に収めることができる。これにより、結束スタッカ4内に落下する紙幣の落下距離を概ね一定の範囲に保つことができるので、自然落下する紙幣の落下位置及び落下したときの姿勢を略一定にすることができる。
ただし、最上紙幣Bの高さは、第2紙幣センサ412によって監視されている。制御部120は、紙幣Bが結束スタッカ4に搬入されるごとに第2紙幣センサ412が紙幣Bを検知しているか否かを判定する。第2紙幣センサ412が紙幣Bを検知している場合は、制御部120は、ステージ41を所定量だけ下降させる。このときの下降量は、前述の所定枚数の紙幣Bの厚みに相当する量か、それよりも少しだけ多い量である。これにより、第2紙幣センサ412が紙幣を検知していない状態となる。つまり、制御部120は、集積枚数が所定枚数となるごとにステージ41を下降させる制御を基本としつつ、最上紙幣Bが第2紙幣センサ412に検知される高さを超えたときにはステージ41を基本の制御とは別に下降させる。紙幣Bの状態によっては、同じ枚数の紙幣束であってもその厚みが異なるので、紙幣Bの枚数に応じたステージ41の制御と、最上紙幣Bの高さの監視によるステージ41の制御とを併用することによって、結束スタッカ4内に落下する紙幣の落下距離を略一定の範囲に保つことができる。
また、制御部120は、結束スタッカ4に紙幣Bが1枚搬入されるごとに、整列機構49のアーム49aを作動させる。これにより、紙幣Bは、その長手方向において扉46の側壁47の方へ押圧され、紙幣Bの第1辺b1が扉46の側壁47に当接するようになる。こうして、集積された紙幣Bの両短辺が揃えられる。
結束スタッカ4に集積された紙幣Bの枚数が所定枚数に達すると、制御部120は、図14に示すように、ステージ41を上昇させ、集積された紙幣Bをステージ41と天井45とで所定の厚みとなるように圧縮する。尚、紙幣Bが新札である場合など、ステージ41上に自由落下して集積された紙幣Bの厚みが該所定の厚みに達していない場合には、ステージ41が上昇しても、紙幣Bは圧縮されない。
その後、制御部120は、ガイド42のうち上側ガイド42aを搬送方向前側に回転させ、結束スタッカ4を開口させる。
結束スタッカ4が開口すると、第2搬送部8の把持ユニット81が紙幣Bを把持する。把持ユニット81は、ステージ41の櫛歯間の隙間に挿通可能な形状をしているので、ステージ41上の紙幣Bをステージ41に干渉することなく把持することができる。そして、第2搬送部8は、紙幣Bを結束スタッカ4から結束部9へ搬送する。その後、結束処理が行われる。
一方、結束スタッカ4に集積された紙幣Bの枚数が結束枚数に達することなく、紙幣Bの取り込みが終了した場合には、結束スタッカ4内に結束に至らなかった紙幣が残留している。この場合、制御部120は、扉46のロックを解除して、オペレータに結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出しを促す。
紙幣の取込の終了後は、第1及び第2結束スタッカ4A,4Bの一方に紙幣が残留しているか、第1及び第2結束スタッカ4A,4Bの両方共に紙幣が残留していないかのどちらかの状態となっている。制御部120は、紙幣が残留している結束スタッカ4のロック機構46cを解除状態とする一方、紙幣が残留していない結束スタッカ4のロック機構46cを拘束状態のまま維持する。ロック機構46cが解除された扉46は、コイルバネの付勢力により自動的に開く。
このとき、制御部120は、図15に示すように、ステージ41を紙幣Bの集積時の状態から下方へ移動させる。例えば、制御部120は、ステージ41を最も下方の位置に移動させる。それと共に、制御部120は、ガイド42を紙幣Bの集積時の状態から搬送方向前側へ移動させる。これにより、ガイド42と紙幣Bとの間に隙間Gが形成される。例えば、制御部120は、ガイド42を最も搬送方向前側の位置に移動させる。こうすることによって、紙幣Bの上方及び搬送方向前側にスペースが確保され、紙幣Bを容易に取り出すことができる。
制御部120は、紙幣の取込の終了及び結束スタッカ4への紙幣Bの残留をオペレータに報知する。例えば、制御部120は、紙幣の取込の完了をタッチパネル17に表示させる。また、制御部120は、紙幣が残留している結束スタッカ4が有るときには、タッチパネル17に、紙幣が残留している結束スタッカ4を表示させると共に、ロック機構46cが解除状態となっている旨を表示させる。タッチパネル17を確認したオペレータは、結束スタッカ4内の紙幣Bを第1取出口413から取り出す。
尚、紙幣Bの取込が終了したときに限らず、紙幣詰まり等の不具合が生じた場合にも紙幣Bを結束スタッカ4から取り出すことになる。
例えば、入金処理の実行中に何れかの結束スタッカ4に紙幣詰まり等の不具合が生じると、制御部120は、不具合が生じている結束スタッカ4のロック機構46cを解除状態とする。そして、制御部120は、前述の如く、ステージ41を紙幣Bの集積時の状態から下方へ移動させると共に、ガイド42を紙幣Bの集積時の状態から搬送方向前側へ移動させる。こうして、不具合が生じた場合も、ステージ41及びガイド42を移動させ、紙幣Bの取り出しを容易にさせる。
このように構成された紙幣処理装置100では、結束スタッカ4において紙幣Bが側壁47に寄りかかった状態で集積される場合がある。例えば、紙幣Bがステージ41上に自然落下する際に紙幣Bが側壁47に寄りかかる場合がある。あるいは、紙幣Bがアーム49aにより長手方向に移動させられる際に紙幣Bがばたつき、その拍子で紙幣Bの一端部が側壁47に寄りかかった状態となる場合がある。このように、様々な理由により、紙幣Bが側壁47に寄りかかった状態となり得る。
特に、この紙幣処理装置100は、様々な種類の紙幣を取り扱い可能であり、アーム49aの移動範囲は、集積対象となる紙幣の長手方向寸法に応じて調整される。その結果、長手方向寸法が短い紙幣ほどアーム49aによって移動させられる距離が長くなるので、移動時にばたついて紙幣の一端部が側壁47に寄りかかった状態となる可能性が高くなる。
そこで、制御部120は、前述のような紙幣Bの側壁47への寄りかかりを監視し、紙幣Bの寄りかかりが生じた場合には紙幣Bの寄りかかりを解消させる制御を行う。この制御について、図16〜18を参照しながら説明する。図16は、紙幣Bの寄りかかりを解消させる復旧制御のフローチャートである。図17は、紙幣Bの寄りかかりを検出する際の動作説明図であり、(A)は、第2紙幣センサ412により紙幣Bが検出された状態を、(B)は、紙幣Bの検出に応じてステージ41を下降させた状態を、(C)は、紙幣Bの寄りかかりであると判定された状態を示す。図18は、ステージ41を紙幣Bの反り上がりと同じ側に移動させるときの動作説明図であり、(A)は、紙幣Bが第1係止溝48に引っ掛かった状態を、(B)は、ステージ41の移動により紙幣Bが紙幣束の中へ押し込まれる状態を、(C)は、紙幣Bが別の第1係止溝48に引っ掛かった状態を示す。図19は、ステージ41を紙幣Bの反り上がりと反対側に移動させるときの動作説明図であり、(A)は、紙幣Bのはみ出し量が第1係止溝48の深さと同程度となった状態を、(B)は、ステージ41の移動により紙幣Bが紙幣束の中へ押し込まれる状態を示す。図20に、復旧制御中の結束スタッカ4の一部を省略した概略平面図を示す。図21は、結束スタッカ4に搬入されてきた紙幣Bの第1辺b1の様子を示す動作説明図である。
制御部120は、紙幣Bの取り込みを開始する(ステップS1)と、ステップS2において紙幣Bの側壁47への寄りかかりが検出されたか否かを判定する。
詳しくは、制御部120は、第2紙幣センサ412の検出結果に基づいて紙幣Bの側壁47への寄りかかりを検出する。詳しくは、第2紙幣センサ412は、ステージ41上の最上紙幣を検知するように配置されているので、一端部が側壁47に寄りかかって反り上がった状態となった紙幣Bは、図17(A)に示すように、第2紙幣センサ412によって検出される。つまり、第2紙幣センサ412は、紙幣Bの側壁47への寄りかかりを検出するセンサとしても機能する。
しかしながら、第2紙幣センサ412は、紙幣Bが正常に積み重ねられて最上紙幣が所定の高さ位置に達した場合と、紙幣Bの一端部が側壁47に寄りかかって反り上がった状態になった場合との何れの場合であっても、紙幣Bを検出する。そこで、制御部120は、前述の、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出に起因するステージ41の下降が所定回数繰り返され且つその間に第2紙幣センサ412の遮光状態(即ち、第2紙幣センサ412が紙幣Bを検出している状態)が継続している場合に、紙幣Bの一端部が側壁47に寄りかかって反り上がった状態になっていると判定している。つまり、第2紙幣センサ412による最上紙幣の検出は紙幣Bが結束スタッカ4に集積されるごとに行われているので、第2紙幣センサ412がステージ41上に正常に集積された紙幣束の最上紙幣を検出した場合には、ステージ41を該最上紙幣の厚み分か、少なくとも数枚の紙幣の厚み分さえ下降させれば、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出は解消される。
それに対し、紙幣Bの一端部が側壁47に寄りかかった状態においては、第2紙幣センサ412によって検出される高さ位置よりも上方への紙幣Bの一端部のはみ出し量は、紙幣Bの1枚又は数枚分の厚み程度ではないため、図17(B)に示すように、ステージ41を少し下降させただけでは、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出は解消されない。そのため、制御部120は、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出に起因するステージ41の所定量の下降が所定回数繰り返されてもなお、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出状態が継続している場合には、紙幣Bが側壁47に寄りかかっていると判定する。
なお、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが判定されたときには、図17(C)に示すように、側壁47に寄りかかった紙幣Bの上には別の数枚の紙幣が積み重ねられた状態となっている。
こうして紙幣Bの側壁47への寄りかかりが検出された場合には、制御部120は、ステップS3へ進み、復旧動作を行う。一方、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが検出されない場合には、制御部120は、ステップS1へ戻り、紙幣Bの取り込みを継続する。
制御部120は、復旧動作としてステージ41を上下に往復移動させる。本実施形態では、制御部120は、まずステージ41を下方へ移動させた後、上方へ移動させる。これにより、側壁47に寄りかかった紙幣Bの第1辺b1は、図18(A)に示すように、何れかの第1係止溝48の第1面48aに引っ掛かる。制御部120は、紙幣Bの第1辺b1が第1面48aに引っ掛かった後もステージ41の上方への移動を継続させる。その結果、図18(B)に示すように、紙幣Bは、第1面48aからの反力を受けて、紙幣束の中へ、即ち、ステージ41上の所定の集積位置の方へ押し込まれる。ステージ41、側壁47及び第1係止溝48が復旧機構を構成する。
ここで、ステージ41が移動する際に、紙幣Bは、ステージ41の移動方向と同じ方向、即ち、上方へ第1面48aを押圧することになる。紙幣Bが第1面48aを上方へ押す力は、第1面48aに直交する成分と第1面48aに平行な成分とに分解される。そして、第1面48aに直交する成分に対する第1面48aからの反力が、紙幣Bを集積位置の方へ押し込む力となる。つまり、第1面48aが前記集積位置に集積される紙幣Bの紙面、即ち、ステージ41の表面41bに対して直交している場合には、紙幣Bが第1面48aを上方へ押す力は全て、第1面48aに平行な成分となり、第1面48aに直交する成分、即ち、紙幣Bを押し込む反力は発生しない。それに対して、第1面48aをステージ41の表面41bに対して傾斜させることによって、第1面48aに直交する成分が発生するようになる。これにより、紙幣Bが第1面48aから、集積位置の方へ押し込まれる反力を受けるようになる。さらに、ステージ41の表面41bに対する第1面48aの傾斜角が45度以下になっているので、第1面48aに直交する成分を第1面48aに平行な成分よりも大きくすることができる。
このとき、紙幣Bが紙幣束の中へ十分に押し込まれる前に、紙幣Bと第1面48aとの係止がはずれてしまう場合もあり得るが、第1係止溝48は複数設けられているので、図18(C)に示すように、紙幣Bの第1辺b1は、隣の第1係止溝48の第1面48aに引っ掛かる。こうして、第1面48aによる紙幣Bの押し込みが複数の第1係止溝48,48,…において行われることによって、紙幣Bは、紙幣束の中へ徐々に押し込まれていく。
ただし、第1係止溝48の個数は有限であるため、ステージ41が或る程度の高さまで上昇すると、制御部120は、ステージ41を下降させる。その後、制御部120は、ステージ41を再び上昇させ、下方の第1係止溝48から前述の第1面48aによる紙幣Bの押し込みを再開する。こうしてステージ41を往復移動させ、ステージ41の上方への移動を複数行うことによって、1回のステージ41の上昇では紙幣Bを集積位置へ十分に押し込めない場合であっても、複数回のステージ41の上昇によって紙幣Bを集積位置まで押し込むことができる。
紙幣Bが紙幣束の中へ押し込まれて紙幣束からの紙幣Bのはみ出し量が小さくなると、紙幣Bは、ステージ41が下降する際に第1係止溝48の第2面48bからも反力を受けるようになる。例えば、図19(A)に示すように、紙幣束からの紙幣Bのはみ出し量は、やがて第1係止溝48の深さと同程度となる。この状態からステージ41が下降すると、第2面48bのうち紙幣Bが接触する部分の深さは、徐々に浅くなっていく。はみ出し量が大きいときには、ステージ41の下降時に紙幣Bの第1辺b1が第2面48bに接触しても、紙幣Bの一端部は撓むだけで紙幣束の方へ押し込まれる反力はほとんど受けない。しかし、はみ出し量が小さくなると、紙幣Bのうちはみ出した部分のコシが強くなる。そのため、ステージ41の下降時に紙幣Bの第1辺b1が第2面48bに接触すると、紙幣Bは紙幣束の方へ押し込まれる反力を第2面48bから受け、図19(B)に示すように、紙幣束の方へ押し込まれる。
この復旧動作中は、制御部120は、ガイド42及び整列機構49のアーム49aを、図20に示すようにステージ41上の紙幣束から離れる方向に退避させる。つまり、ガイド42及びアーム49aは、紙幣Bの移動を規制する部材であるので、ステージ41上の紙幣束の中にはガイド42又はアーム49aと接触しているものも存在する。その状態でステージ41を移動させると、ガイド42及びアーム49aが摺動抵抗となる。それに加えて、紙幣Bが第1係止溝48からの反力により紙幣束の中に押し込まれる際にも、紙幣Bがガイド42と接触していると、ガイド42が摺動抵抗となってしまう。そこで、制御部120は、ガイド42を紙幣Bの集積時の状態から搬送方向前側へ移動させる。また、制御部120は、アーム49aを紙幣Bの集積時の状態から、紙幣束から離れる方向に回転させる。これにより、ステージ41を移動させる際及び紙幣Bを押し込む際の摺動抵抗を低減することができる。
制御部120は、ステージ41の上下の往復移動を所定回数行った後に、ステップS4において、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが復旧したか否かを判定する。具体的には、制御部120は、第2紙幣センサ412による紙幣Bの検出が解消したか否かを判定する。第2紙幣センサ412が紙幣Bを検出していない場合には、制御部120は、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが復旧したと判定する。紙幣Bの寄りかかりが復旧した場合には、制御部120は、ステップS1へ戻り、紙幣Bの取り込みを再開する。
一方、第2紙幣センサ412が紙幣Bを検出している場合には、制御部120は、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが復旧しなかったと判定する。その場合、制御部120は、ステップS5へ進み、扉46のロック機構46cを解除状態として、結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出しを許可すると共に、紙幣Bの側壁47への寄りかかりをタッチパネル17を介してオペレータに報知する。このとき、制御部120は、結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出し及び該紙幣Bの再取り込みをタッチパネル17を介してオペレータに促す。オペレータは、タッチパネル17の表示に促され、結束スタッカ4内の紙幣Bを取り出し、紙幣Bの取り込みからやり直す。つまり、制御部120は、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが復旧しなかった場合には、取引全体をエラーとするのではなく、結束スタッカ4内の紙幣Bを一旦、取り出させ、再度取り込みを行わせる。こうして、取り込みのやり直しを行う紙幣Bを結束スタッカ4内の紙幣に限定することによって、取引全体の時間が長くなることを防止することができる。
また、制御部120は、結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出しを許可した後、ステップS6において、紙幣Bの集積を行う結束スタッカ4を切り替える。つまり、第1結束スタッカ4Aに紙幣Bを集積させているときに、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが生じ、それを自動的に復旧できなかった場合には、紙幣Bの搬送先を第2結束スタッカ4Bに切り替える。その後、制御部120は、ステップS1へ戻り、紙幣Bの集積を第2結束スタッカ4Bにおいて継続する。
つまり、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが検出されたときには、前述の復旧動作を行うべく、ホッパ部2の紙幣Bの取り込みは一旦、中断される。そして、復旧動作により紙幣Bの寄りかかりが復旧した場合には、ホッパ部2の紙幣Bの取り込みが再開される。一方、復旧動作により紙幣Bの寄りかかりが復旧しなかった場合には、結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出し及び該紙幣Bの再取り込みをオペレータに促すのと並行して、紙幣Bの搬送先を別の結束スタッカ4に切り替えて、ホッパ部2の紙幣Bの取り込みが再開される。すなわち、別の結束スタッカ4において紙幣Bの集積を継続する。こうすることによって、取引全体の時間が長くなることを防止することができる。
尚、以上では紙幣Bの側壁47への寄りかかり、特に、整列機構49による紙幣Bの移動に起因する紙幣Bの側壁47への寄りかかりについて説明したが、紙幣Bの移動の際のばたつきにより、紙幣Bの一端部が反り上がりとは逆に曲がって、ステージ41上の紙幣束と側壁47との間の隙間(ステージ41上に紙幣束が形成されていない場合には、ステージ41と側壁47との間の隙間)に入り込む虞もある。それに対し、側壁47には、ステージ41の表面41bと略平行な第3面48cを有する第1係止溝48が形成されている。そのため、図21に示すように、紙幣束と側壁47の間の隙間に入り込もうとする紙幣Bの第1辺b1は、第1係止溝48に引っ掛かり、該隙間への進入が抑制される。特に、第3面48cは、略水平となっている。そのため、紙幣Bの鉛直下向きの移動が第3面48cにより阻止される。
以上のように、紙幣処理装置100は、紙幣Bを所定の集積位置において重ねて集積する結束スタッカ4と、該結束スタッカ4を制御する制御部120とを備え、前記結束スタッカ4は、紙幣Bの重なり方向へ移動するように構成されたステージ41と、集積された紙幣Bの一辺である第1辺b1と対向する側壁47と、前記側壁47に寄りかかって集積された紙幣Bの前記第1辺b1が引っ掛かる第1係止溝48とを有し、前記制御部120は、紙幣Bが前記側壁47に寄りかかって集積され、該紙幣Bのうち前記第1辺b1を含む端部が前記重なり方向の一方側へ反り上がった状態において、前記ステージ41を前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へ移動させて、該第1辺b1を前記第1係止溝48に引っ掛け、該ステージ41を該重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へさらに移動させることによって、該側壁47に寄りかかる紙幣Bを前記集積位置へ押し込む。
この構成によれば、紙幣Bが側壁47に寄りかかって重なり方向の一方側へ反り上がった状態において、制御部120は、ステージ41を重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へ移動させる。すると、紙幣Bは、該側壁47に寄りかかったまま重なり方向の一方側へ移動していき、やがて、第1辺b1が第1係止溝48に引っ掛かる。ステージ41は、紙幣Bが第1係止溝48に引っ掛かった状態のまま、さらに重なり方向の一方側へ移動させられる。これにより、紙幣Bの該第1辺b1が第1係止溝48から反力を受け、紙幣Bは、集積位置の方へ押し込まれる。その結果、紙幣Bの側壁47への寄りかかりが解消される。
また、前記第1係止溝48は、前記重なり方向において複数配列されている。
この構成によれば、紙幣Bが第1係止溝48に引っ掛かった状態でステージ41を移動させる際に、紙幣Bと第1係止溝48との引っ掛かりが外れたとしても、紙幣Bは別の第1係止溝48に引っ掛かるようになる。つまり、1つの第1係止溝48では紙幣Bを集積位置の方へ十分に押し込むことができない場合であっても、第1係止溝48への紙幣Bの引っ掛かりと、その状態でのステージ41の移動による紙幣Bの押し込みとを複数回繰り返すことによって、紙幣Bを集積位置の方へ十分に押し込むことができる。
前記第1係止溝48は、前記集積位置に集積される紙幣Bの紙面に対して傾斜し、前記ステージ41が前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へ移動するときに前記側壁47に寄りかかった紙幣Bの前記第1辺b1が当接する第1面48aを有する。
この構成によれば、ステージ41が移動する際に、紙幣Bは、ステージ41の移動方向と同じ方向へ第1面48aを押圧することになる。紙幣Bが第1面48aをステージ41の移動方向へ押す力は、第1面48aに直交する成分と第1面48aに平行な成分とに分解される。そして、第1面48aに直交する成分に対する第1面48aからの反力が、紙幣Bを集積位置の方へ押し込む力となる。つまり、第1面48aが前記集積位置に集積される紙幣Bの紙面に対して直交している場合には、第1面48aに直交する成分、即ち、紙幣Bを押し込む反力は発生しない。それに対して、第1面48aを前記集積位置に集積される紙幣Bの紙面に対して傾斜させることによって、第1面48aに直交する成分が発生するようになる。これにより、紙幣Bが第1面48aから、集積位置の方へ押し込まれる反力を受けるようになる。
前記第1係止溝48は、前記集積位置に集積される紙幣Bの前記第1辺b1に沿って前記側壁47に形成された溝である。
この構成によれば、紙幣Bが引っ掛かる係止部を溝という簡単な構造で形成することができる。
また、前記第1係止溝48は、前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側に進むほど前記側壁47の表面47aからの深さが浅くなるように傾斜し、前記ステージ41が前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へ移動するときに前記側壁47に寄りかかった紙幣Bの前記第1辺b1が当接する第1面48aを有している。
この構成によれば、前述の如く、紙幣Bが第1面48aをステージ41の移動方向へ押す力のうち第1面48aに直交する成分が発生するようになり、該直交する成分により紙幣Bが集積位置の方へ押し込まれるようになる。
前記第1係止溝48は、前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりとは反対側に進むほど前記側壁47の表面47aからの深さが浅くなるように傾斜し、前記ステージ41が前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりとは反対側へ移動するときに紙幣Bの前記第1辺b1が当接する第2面48bを有している。
この構成によれば、第2面48bは、重なり方向における紙幣Bの反り上がりとは反対側に進むほど前記側壁47の表面47aからの深さが浅くなっている。そのため、ステージ41が前記重なり方向の他方側へ移動するときに紙幣Bの第1辺b1が第2面48bに当接する場合、ステージ41の移動に伴って、第2面48bのうち紙幣Bが当接している部分の深さは徐々に浅くなっていく。つまり、紙幣Bは、ステージ41の移動に伴って第2面48bからの反力を受けて、集積位置の方へ押し込まれるようになる。
前記制御部120は、前記ステージ41を前記重なり方向において往復移動させ、該ステージ41の該重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側への移動を複数回行わせる。
この構成によれば、ステージ41の重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側への移動が複数回繰り返されるため、第1係止溝48への紙幣Bの引っ掛かりとその状態でのステージ41の移動による紙幣Bの押し込みとが複数回行われることになる。これにより、紙幣Bを集積位置の方へ十分に押し込むことができる。
紙幣処理装置100は、前記結束スタッカ4は、紙幣Bの前記側壁47への寄りかかりを検出する第2紙幣センサ412を有し、前記制御部120は、前記第2紙幣センサ412が紙幣Bの前記側壁47への寄りかかりを検出した場合に、前記ステージ41を前記重なり方向における紙幣Bの反り上がりと同じ側へ移動させて紙幣Bを前記集積位置の方へ押し込む。
この構成によれば、紙幣Bの前記側壁47への寄りかかりが第2紙幣センサ412により検出される。そして、制御部120は、第2紙幣センサ412による検出を受けてステージ41を移動させる。
前記結束スタッカ4は、前記紙幣Bのうち、前記第1辺b1とは異なる一辺である第2辺b2と対向し、前記集積位置に集積される紙幣Bの、前記第2辺b2の方への移動を規制するガイド42を有し、前記制御部120は、紙幣Bを前記集積位置の方へ押し込むために前記ステージ41を移動させるときには、前記ガイド42を前記紙幣束から離れる方向へ退避させる。
この構成によれば、紙幣Bの集積時には、紙幣Bは、第2辺b2の方への移動がガイド42によって規制されている。こうして、紙幣Bは、結束スタッカ4において整然と集積される。このような構成においては、集積された紙幣Bはガイド42に接しているものも存在する。その状態でステージ41を前述のように重なり方向の一方側へ移動させると、ガイド42は、ステージ41を移動させる際の摺動抵抗となるだけでなく、紙幣Bが第1係止溝48からの反力により集積位置へ押し込まれるときの摺動抵抗となる。そこで、制御部120は、紙幣Bを集積位置へ押し込むためにステージ41を移動させるときには、ガイド42を紙幣束から離れる方向へ退避させる。これにより、ガイド42が摺動抵抗となることを防止することができ、紙紙幣Bを集積位置へ円滑に押し込むことができる。
前記結束スタッカ4は、紙幣Bのうち前記第1辺b1に対向する一辺である第3辺b3を押して、紙幣Bの該第1辺b1を前記側壁47に接触させる整列機構49を有している。
この構成によれば、結束スタッカ4に集積された紙幣Bは、第3辺b3が前記整列機構49に押されることによって、側壁47の方へ移動し、該第1辺b1が側壁47に接触する状態で揃えられる。しかしながら、このように整列機構49によって紙幣Bを移動させる構成においては、紙幣Bが移動時にばたつく可能性があり、その結果、紙幣Bの第1辺b1を含む端部が側壁47に寄りかかって反り上がった状態となる虞がある。それに対し、前述のように、第1係止溝48を設けると共にステージ41を重なり方向の一方側へ移動させて紙幣Bを第1係止溝48に引っ掛けて集積位置へ押し込むことによって、紙幣Bの側壁47への寄りかかりを解消することができる。
前記整列機構49は、前記集積位置に集積された紙幣Bの、前記第3辺b3の方への移動を規制しており、前記制御部120は、紙幣Bを前記集積位置の方へ押し込むために前記ステージ41を移動させるときには、前記整列機構49を前記紙幣束から離れる方向へ退避させる。
この構成によれば、整列機構49は、紙幣Bの第3辺b3の方への移動を規制しているので、集積された紙幣Bの中には整列機構49に接しているものも存在する。その状態で、ステージ41を前述のように重なり方向の一方側へ移動させると、整列機構49は、ステージ41を移動させる際の摺動抵抗となる。そこで、制御部120は、紙幣Bを集積位置の方へ押し込むためにステージ41を移動させるときには、整列機構49を紙幣束から離れる方向へ退避させる。これにより、整列機構49が摺動抵抗となることを防止することができ、ステージ41の移動を円滑にすることができる。
前記結束スタッカ4は、該結束スタッカ4を開放する扉46を有し、前記側壁47は、前記扉46に設けられている。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態では、紙葉類処理装置の例として紙幣処理装置100について説明したが、紙葉類処理装置はこれに限られるものではない。例えば、紙葉類の識別、分配、集積は別の装置で行い、紙葉類処理装置は、バラ状態の紙葉類を搬送して集積部に集積し、該集積部に集積された紙葉類を搬送部によって別の場所へ搬送する処理のみを行う装置であってもよい。また、紙葉類の例として紙幣について説明したが、紙葉類は紙幣に限られず、商品券等の金券であってもよい。
前記紙幣処理装置100の構成は、一例であって、これに限られるものではない。例えば、紙幣処理装置100は、結束スタッカ4が2つ設けられ、非結束スタッカ5が2つ設けられ、リジェクトスタッカ6が1つ設けられているが、これらの個数はこれに限られるものではない。例えば、結束スタッカ4は、1つ又は3つ以上であってもよい。非結束スタッカ5は、1つ又は3つ以上であってもよい。リジェクトスタッカ6は、2以上であってもよい。あるいは、非結束スタッカ5及びリジェクトスタッカ6を省略してもよい。
また、実施形態では、取込口24、投出口111及びリジェクト取出口63が第1側面123に設けられ、第1取出口413、第2取出口53及びタッチパネル17が第2側面124に設けられているが、これは例示に過ぎない。
また、前記紙幣処理装置100は、同一種類結束処理を行っているが、これに限られるものではない。例えば、紙幣処理装置100は、複数の種類の紙幣を結束対象として、異なる種類の紙幣を2つの結束スタッカ4に分けて集積し、結束スタッカ4ごとに該所定枚数集積された紙幣を結束部9により結束する複数種類結束処理を行ってもよい。つまり、第1結束スタッカ4Aに集積される紙幣と、第2結束スタッカ4Bに集積される紙幣とは種類が異なる。
あるいは、紙幣処理装置100は、紙幣Bを結束することなく、所定の枚数ずつに分割する分割処理を行うものであってもよい。つまり、紙幣処理装置100は、結束部9を備えていなくてもよい。分割処理においては、同一種類結束処理と同様に、バラ状態の紙幣Bがホッパ部2に載置される。その後、紙幣Bが取込口24から取り込まれ、識別部3により識別され、適切なスタッカに搬送される点は、同一種類結束処理と同様である。そして、結束スタッカ4に集積された紙幣Bが所定枚数に達すると、制御部120は、該結束スタッカ4のロック機構44cを解除状態とし、タッチパネル17に該結束スタッカ4の紙幣Bが所定枚数に達した旨を表示させる。すると、オペレータは、扉44を開いて、結束スタッカ4に集積された紙幣Bを取り出す。尚、一方の結束スタッカ4の紙幣Bが所定枚数に達すると、制御部120は、それ以降の紙幣Bを他方の結束スタッカ4に搬送する。その後、他方の結束スタッカ4の紙幣Bが所定枚数に達すると、先程と同様に、制御部120は、他方の結束スタッカ4のロック機構44cを解除状態とし、タッチパネル17に該結束スタッカ4の紙幣Bが所定枚数に達した旨を表示させる。オペレータは、扉44を開いて、結束スタッカ4に集積された紙幣Bを取り出す。この分割処理においても、制御部120は、ステージ41を移動させ、紙幣Bの第1辺b1を第1係止溝48に引っ掛け、ステージ41をさらに移動させることによって、紙幣Bの側壁47への寄りかかりを解消させるようにしてもよい。
また、前記紙幣処理装置100は、複数の金種の紙幣が混在していたバラ状態の紙幣を処理しているが、これに限られるものではない。紙幣処理装置100は、所定の1種類の金種の紙幣を処理する構成であってもよい。
また、各スタッカに集積される紙幣の種類は、予め設定されているが、これに限られるものではない。例えば、紙幣処理装置100への紙幣の取り込みが開始されてから識別部3により識別された順に紙幣の種類を各スタッカに割り当ててもよい。例えば、第1結束スタッカ4Aは、最初に識別部3に識別された種類の紙幣Bを集積し、第2結束スタッカ4Bは、2番目に識別部3に識別された種類の紙幣Bを集積し、第1非結束スタッカ5Aは、3番目に識別部3に識別された種類の紙幣Bを集積し、第2非結束スタッカ5Bは、4番目に識別部3に識別された種類の紙幣Bを集積するようにしてもよい。
前記実施形態では、紙幣Bがその短手方向に搬送、即ち、その短手方向が搬送方向に一致する姿勢で搬送されているが、これに限られるものではない。つまり、紙幣Bがその長手方向に搬送、即ち、その長手方向が搬送方向に一致する姿勢で搬送されてもよい。また、搬送方向は、途中で切り替えられてもよい。
また、前記実施形態では、紙幣Bの第1辺b1を含む端部が側壁47に寄りかかった状態を解消するように構成されているが、第1辺b1を含む端部に限られるものではない。第1辺b1以外の辺を含む端部が結束スタッカ4の一部を区画する壁に寄りかかる可能性がある場合には、該端部に対して前述と同様の構成によって壁への寄りかかりを解消するようにすればよい。例えば、第2辺b2がガイド42に寄りかかる可能性がある場合には、ガイド42に第1係止溝48,48,…と同様の係止部を形成し、ステージ41を上下方向に移動させることによって、紙幣Bの第2辺b2を係止部に引っ掛け且つ係止部からの反力により該紙幣Bが紙幣束の中へ押し込まれるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、結束スタッカ4において紙幣Bが上下方向に重ねられ、ステージ41は、上下方向に移動するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、ステージ41の表面41bが鉛直方向に対して傾斜しており、紙幣Bが鉛直方向に対して傾斜した方向に重ねられ、ステージ41が同様に鉛直方向に対して傾斜した方向に移動するように構成されていてもよい。この場合、第1係止溝48,48,…は、紙幣Bの紙面と平行、即ち、水平方向に対して傾斜した方向に延びることになる。
本実施形態では、制御部120は、復旧動作を開始する際にまずステージ41を下方へ移動させている。しかし、これに限られるものではない。ステージ41を一旦下降させずに、ステージ41を上方へ移動させるようにしてもよい。
また、第1係止溝48,48,…は、複数も受けられているが、1つであってもよい。
さらに、前記実施形態では、係止部の一例として第1係止溝48を採用しているが、これに限られるものではない。係止部は、側壁47に寄りかかった状態の紙幣Bの一辺が引っ掛かる構成であれば、任意の形状を採用することができる。例えば、側壁47に設けられた突起部であってもよい。また、係止部は、紙幣Bの一辺が全域に亘って引っ掛かる必要はなく、該一辺の一部のみが引っ掛かる形状であってもよい。また、第1係止溝48,48,…は、紙幣Bが寄りかかる壁である側壁47に形成されているが、係止部は、紙幣Bが寄りかかる壁とは別部材で構成されていてもよい。例えば、前記実施形態であれば、側壁47の上方に、側壁47とは別の係止部が設けられていてもよい。この構成によれば、側壁47に寄りかかった状態の紙幣Bは、ステージ41を上昇させることによって、側壁47を伝って上昇し、やがて、側壁47の上方の係止部に引っ掛かるようになる。そこからステージ41をさらに上昇させることによって、前述と同様に、紙幣Bを紙幣束の方へ押し込むことができる。
また、前記第1係止溝48は、第1面48a、第2面48b及び第3面48cを有しているが、これに限られるものではない。第1係止溝48は、ステージ41を紙幣Bの反り上がりと同じ方向に移動するときに紙幣Bの一辺が引っ掛かる形状であれば、任意の形状を採用することができる。
また、前記実施形態では、扉46のロック機構46cを解除することによって、結束スタッカ4からの紙幣Bの取り出しを許可しているが、紙幣Bの取り出しを許可する態様はこれに限られるものではない。例えば、結束スタッカ4は、扉が設けられておらず、外部に開放され、結束スタッカ4内へのオペレータ等の手の進入をセンサ等で監視し、結束スタッカ4内への手の進入が検出されたときには警報等を行うように構成された紙葉類処理装置において、集積不良が検出された場合には、結束スタッカ4内への手等の進入に対する警報を行わないようにしてもよい。つまり、紙葉類処理装置の通常の処理中には、結束スタッカ4内へのオペレータ等の手の進入が何らかの態様で禁止されており、集積不良が検出された場合には、結束スタッカ4内へのオペレータ等の手の進入が許可される構成であれば、任意の構成を採用することができる。