JP2015214031A - 転写フィルムおよび装飾成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一で良好な光輝材性外観を付与可能な転写フィルム、および該転写フィルムを用いた装飾成形品を提供する。
【解決手段】転写フィルム10は、少なくとも片面に離型性を有する離型性フィルム1の離型性を有する面に、着色透明層5、光輝材安定化層6、前記光輝材安定化層6に直接積層された光輝材含有層7、接着層8とがこの順に積層されている。前記光輝材安定化層6に平均粒径0.1μm以上、8.0μm以下の粒子を含有し、かつ、前記光輝材安定化層6の全光線透過率が50%以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物品の表面装飾に用いる転写フィルム、中でも光輝材を用いている光輝性転写フィルムに好適な転写フィルム、および該転写フィルムにより装飾された装飾成形品に関する。
物品の表面に装飾を施す方法として、従来から転写フィルムを用いる技術が提案されている。一般的に転写フィルムは、離型性を有する基材フィルム上に転写層が形成された構成からなり、転写フィルムを用いた装飾方法としては例えば、射出成形と同時に転写層を成形品に転写する方法や、熱ロールの熱圧で転写層を被転写体へ転写する方法、真空及び圧空、加熱機を利用して被転写体へ転写する方法など様々の手法が用いられている。
転写フィルムによる装飾が使用されている用途例として、例えば日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、電子機器や事務用品などの筐体類などが挙げられる。このような用途では、しばしば誘目性の高い意匠が求められるため、そのための一つの方法として所謂パール顔料や金属小片などの光輝材を用いる手法が用いられている。光輝材を用いた場合、光輝材による光の反射、干渉、散乱の効果により、被転写体表面に観察角度の変化に伴う明度や色相の変化、さらには立体感や光輝感などの意匠を付与することができる。
しかしながら、光輝材を用いた表面修飾のため、光輝材含有インキを用いて光輝材層の形成を行う方法では、光輝材含有インキの構成材料や塗工(印刷)方法によっては、個々の光輝材の傾きや並び方が想定通りとならず、期待した意匠性が得られないという不具合が発生してしまうことがある。
そのため、光輝材の使用における不具合を解消する方法について、各種の提案がなされている。
例えば、立体感のあるパール意匠を有する装飾成形品を提供するために、粒径の異なる2種類の光輝材を、それぞれ含む2層の光輝材含有層を重ねることが提案されている(特許文献1参照)。また、光輝材含有層の光輝性を向上させるために、下地印刷層を光輝材層の下面に設けて光輝材層形成時の基材平滑性を向上させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
実開平5−80793号公報 特開2006−218690号公報
一方、転写フィルムにて光輝材を有する加飾を被転写物に付与する場合、被転写物の加飾表面(視認される表面)は塗工時の下層側となるため、転写フィルム特有の外観課題が発生する。すなわち、光輝材含有層の塗工時に光輝材(含有インキ)が下層を侵食することで、光輝材が加飾表面に露出してしまう不具合が発生する。光輝材を用いた意匠では、光輝材層の下層を通して光輝材を視認することになり、下層を顔料や染料にて着色した光透過性のある着色透明層とすることで、光輝材を着色したような外観とすることが出来きる。このような構成を用いることで、角度に応じた色変化や立体感、光輝感などを表現することが可能となる。しかしながら着色透明層が侵食され、光輝材が露出してしまう場合、光輝材上の着色透明層の厚さにバラツキや局所的に薄い部分が発生してしまうことで、加飾表面の色の不均一や、光輝材特有の金属光沢色により加飾表面全体が白くなってしまう不具合が発生する。
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、均一で良好な光輝材性外観を付与可能な転写フィルム、および該転写フィルムを用いた装飾成形品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る一態様の転写フィルムは、少なくとも片面に離型性を有する離型性フィルムの離型性を有する面に、着色透明層、光輝材安定化層、前記光輝材安定化層に直接積層された光輝材含有層、接着層とがこの順に積層された転写フィルムにおいて、前記光輝材安定化層に平均粒径0.1μm以上、8.0μm以下の粒子を含有し、かつ、前記光輝材安定化層の全光線透過率が50%以上であることを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、上記一態様である転写フィルムにより表面装飾された装飾成形品である。
本発明の転写フィルムでは、光輝材(含有インキ)の侵食が着色透明層に達することを防ぐため、その層間に光輝材安定化層を形成し、さらに平均粒径0.1μm以上、8.0μm以下の粒子を含有させることによって、光輝材安定化層自体の光輝材(含有インキ)による侵食への耐性を向上させる。この結果、着色透明層から光輝材が露出する不具合を防ぐことができる。従って、均一で良好な外観を持つ転写フィルム、および該転写フィルムを用いた装飾成形品を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る転写フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る転写フィルムの他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る転写フィルムの他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る転写フィルム10は、図1に示すように、離型性フィルム1および転写層4からなる積層体であり、転写層4は少なくとも着色透明層5、光輝材安定化層6、光輝材含有層7、接着層8とがこの順に積層されて構成される。
離型性フィルム1は、図2に示すように、基材フィルム2に離型層3を積層した構成としても良い。
また、転写層4は、図3に示すように、表面保護層9、着色透明層5、光輝材安定化層6、光輝材含有層7、接着層8がこの順に積層された構成としても良い。
(基材フィルム)
基材フィルム2の原料は、可撓性を有する材料から適宜選択して用いてよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリ塩化ビニル、アクリル、およびこれらの混合物などからなる基材フィルムが使用可能である。また、基材フィルム2は、2種以上のフィルムを貼り合わせた複層の複合フィルムであってもよい。ただし、本実施形態の転写フィルム10に用いられる基材フィルム2は、上記に限定されるものではない。
また、基材フィルム2の厚みは、5μm以上200μm以下の範囲内が好ましく、25μm以上100μm以下の範囲内にあることがより好ましい。上記範囲内の基材フィルム2は、各種印刷法(例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、など)もしくはコーティング法(マイクログラビアコーティング、ダイコーティング、など)において好適に取り扱うことの出来る厚みであり、効率よく転写フィルムを生産することが出来る。ただし、本実施形態の転写フィルム10において基材フィルム2の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
基材フィルム2が単独で離型性を有する場合、基材フィルム2を単独でそのまま離型性フィルム1として用いることができる。一方、基材フィルム2が離型性を有さない場合、基材フィルム2上に離型層3を形成し、離型性フィルム1とする必要がある。また、基材フィルム2において、離型層3もしくは着色透明層5以降を形成する反対の面に、必要に応じた機能を付与するための層を別途形成することができる。例えば、工程中の帯電を防止するための帯電防止層を形成することがある。すなわち、基材フィルム2の離型層3もしくは着色透明層5以降を形成する反対の面の状態によって、本実施形態の転写フィルム10が限定されるものではない。
(離型層)
離型層3は、前記基材フィルム2が離型性を有しない場合、基材フィルム2上に形成される。
離型層3の材料としては、離型性樹脂として知られる材料から適宜選択し、用いることができる。例えば、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、などが挙げられるが、イソシアネート硬化によって形成されたアクリルウレタン樹脂は、塗工欠陥を生じにくく、加工温度が比較的低いことから、多くの基材種に適用可能であり、より好適である。ただし、本実施形態の転写フィルム10において、離型層3の材料は上記の例に限定されるものではない。
離型層3の形成は、離型層3の材料を溶剤へ分散・溶解させた離型層塗液を調整し、該離型層塗液を適宜公知の塗布形成方法を用いて塗布し、乾燥させることにより、行ってよい。このとき、塗布形成方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコート、などのコーティング方法を用いることができる。
また、離型層3の厚みは、0.01μm以上10.0μm以下の範囲内にあることが好ましく、0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にあることがより好ましい。上記範囲内の厚みの離型層3であれば、一般的な各種塗布形成方法(各種印刷法および各種コーティング法など)で均一な膜形成を行うことが出来る。ただし、本実施形態の転写フィルム10において離型層3の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
離型層3には、後述する転写層4の表面形状を制御する(例えば凹凸を付与する)ために、任意の粒径の粒子を添加することができる。転写層4の凹凸は、得られた転写フィルム10を転写した装飾成形品の表面にマット感を与えることができ、離型層3に添加する粒子の形状や粒径、添加量を適宜調整することにより、マット感を自由に調整することができる。さらに、マット感調整のため、離型層3を多層にすることも可能である。ただし、本実施形態の転写フィルム10は、離型層3における粒子の有無や添加量において限定されるものではない。
(転写層)
続いて、本実施形態に係る転写フィルム10の転写層4について説明する。ここで転写層4とは、以下に示す前記離型層3上に形成される層を全て含む名称であり、装飾すべき対象に転写される部分を示すものである。
(表面保護層)
表面保護層9は、前記離型性フィルム1上に形成される場合がある。
表面保護層9は、転写フィルム10を被転写物と一体化させた後、離型性フィルム1を剥離することにより得られる装飾成形品の最表面となる部分に形成される。一般に、着色透明層5以下は意匠表現のために染料や顔料を含み、意匠に応じてパターンを形成されている場合もあり、表面の機械的強度は比較的低いものが多い。そのため、被転写物の要求特性に応じて、表面の保護、防汚性の付与などのために形成される。
表面保護層9の材料としては、耐候性、耐摩耗性、耐傷性、耐薬品性、透明性などの諸物性について要求される性能を考慮し、適宜公知の材料から選択し用いてよい。例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、などを用いてよい。また、諸物性向上のため、適宜公知の添加剤を添加してもよい。
さらに、表面保護層9の材料としては、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、活性エネルギー線を照射することにより、樹脂内の官能基同士が架橋して硬化する樹脂を示す。例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂として、少なくともアクリロイル基またはメタクリロイル基を含有する樹脂、などが挙げられる。表面保護層9の材料として活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた場合、転写フィルム10を対象物と一体化させた後に活性エネルギー線を照射することにより、次の(1)(2)の効果を得る。
(1)表面保護層9に熱可塑性を維持したまま対象物品の表面形状に追従させつつ転写することが出来る。
(2)転写フィルム10の成形後、架橋硬化を行うことで装飾成形品の最表面部位の表面強度を向上させることが出来る。
よって、表面保護層9の材料として活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることにより、成形性および充分な硬度(ハードコート性)を両立させることができる。
また、表面保護層9の材料として活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた場合、表面保護層9を塗布形成後、完全架橋しない程度の活性エネルギー線を照射や、加熱などを行い、表面保護層9を不完全(一部分)架橋状態としてもよい。表面保護層9を不完全(一部分)架橋状態とすることにより、未架橋状態に比べてより完全な乾燥状態にさせることが出来、転写フィルム10の取り扱い性が向上する、また、対象物への転写時の熱や応力による表面保護層9の流動を抑制することが出来る、などの効果を奏する。
表面保護層9の形成は、適宜公知の塗布形成方法を用いて塗布し、乾燥させることにより、行ってよい。このとき、塗布形成方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコート、などのコーティング方法を用いることができる。
また、表面保護層9の厚みは、1μm以上15μm以下の範囲内にあることが好ましく、3μm以上10μm以下の範囲内にあることがさらに好ましい。ただし、本実施形態の転写フィルム10において表面保護層9の有無、材料種、厚みは前記に限定されるものではない。
(着色透明層)
着色透明層5は、前記離型層3上もしくは前記表面保護層9上に形成される。
着色透明層5は、顔料や染料にて着色した光透過性のある層であり、着色透明層5を通して光輝材を視認させることで、光輝材が反射する光を着色して視認させる機能を有する。
着色透明層5を形成するインキは公知のものを用いて良く、含まれる顔料や染料も制限されるものではないが、着色透明層5は少なくとも光透過性を有しなければならない。光透過性は求められる意匠に応じて自由に調節することができるが、少なくとも全光線透過率を5%以上とすることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。着色透明層5はベタ意匠でも良く、図柄やパターンを形成していても良い。また、意匠に応じて多層から成るものでも良い。
また、着色透明層5の形成は、適宜公知の塗布形成方法を用いて塗布し、乾燥させることにより、行ってよい。このとき、塗布形成方法としては例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、などを用いてよい。
(光輝材安定化層)
光輝材安定化層6は、前記着色透明層5上に形成される。
光輝材安定化層6は、着色透明層5と光輝材層の間に形成されることから、より高い光透過性が求められる。よって、光輝材安定化層6の全光線透過率は少なくとも50%以上であることが好ましく、さらに好ましくは85%以上である。光輝材安定化層6の全光線透過率が上記範囲内であれば、意匠性を損ねることなく、装飾成形品上から光輝材を視認することができる。逆に光輝材安定化層6の全光線透過率が50%未満である場合、光輝材安定化層6の透明性が不足し、装飾成形品上から光輝材が視認できない、もしくは光輝材による意匠への効果が発揮されない結果となってしまう。
光輝材安定化層6の材料としては、層形成時の加工性及び光透過性を考慮し、適宜公知の材料から選択し用いてよいが、透明バインダーを主成分とするインキにより構成されることが好ましい。さらに、光輝材安定化層6は、平均粒径が0.1μm以上8.0μm以下の粒子が添加されている。好ましくは平均粒径が0.6μm以上4.0μm以下の粒子である。光輝材安定化層6の目的は着色透明層5への光輝材(含有インキ)の侵食を抑制することであるが、粒子の存在しない光輝材安定化層6では光輝材(含有インキ)の侵食を完全に抑制することはできず、十分な効果を得ることができない。一方、上記範囲内の粒子を添加することで光輝材安定化層6の物理的強度を向上させ、着色透明層5への光輝材(含有インキ)の侵食を完全に抑制することができる。なお、用いる粒子の平均粒径が0.1μm未満の場合、着色透明層5への光輝材(含有インキ)侵食抑制効果が十分ではなく、平均粒径が8.0μmを超える場合には、光輝材安定化層6の光透過性が悪化すること、および光輝材安定化層6に凹凸が生じてしまうため、光輝材の視認性が悪化してしまう。
前記粒子の材料は、有機粒子、無機粒子などから適宜選択可能であるが、無色で意匠への影響が小さく、さらに比較的強度が強く光輝材による破壊を受けにくいことから、二酸化珪素を主成分とする粒子を用いることが好ましい。また、光輝材安定化層6は複数層で形成されていても良い。
光輝材安定化層6の形成は、適宜公知の塗布形成方法を用いて塗布し、乾燥させることにより、行ってよい。このとき、塗布形成方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコート、などのコーティング方法、またはグラビア印刷、オフセット印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷などの印刷方法を用いることができる。
(光輝材含有層)
光輝材含有層7は、前記光輝材安定化層6に隣接して形成される。
光輝材としては、光を散乱・反射可能な材料から適宜選択し、用いてよい。例えば、貝殻の内側の部分を粉砕した物、真珠を砕粉した物、雲母(マイカ)、マイカを金属酸化物などで被膜した物、アルミニウム粉などの金属粉、アルミニウムなどの金属粉を展伸して鱗片状に加工した金属片、前記金属粉および金属片を金属酸化物などで被覆したもの、前記金属粉および金属片を顔料を含む樹脂で被覆したもの、などを用いることができる。本実施形態の転写フィルム10では着色透明層5を通して光輝材を視認することから、反射率の高い光輝材を用いることでより視認性が高まり、光輝材による光輝感や立体感の効果を高めることができる。鱗片状金属片は、表面が均一で反射光が平行になり、さらに端部からの散乱が少ないため、反射率を高くすることができるため好適である。
光輝材を分散させるバインダーは、選択した光輝材に応じて公知のインキ・樹脂材料から選択することができる。また、光輝材含有インキには所望する意匠に応じて、染料または顔料等の着色剤、体質顔料を添加することができるが、光輝材の視認性を高めるため、透明性の高いバインダーを用いることが望ましい。
また、光輝材の添加量は、バインダー100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下程度の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは5質量部以上30質量部以下である。光輝材の種類や要求される意匠に応じて添加量は調整されるものの、1質量部未満の場合は光輝材を有効に視認することが難しく、50質量部を超えて添加した場合は、光輝材層中の光輝材が飽和してしまい、光輝感や立体感が向上されなくなってしまう。ただし、本実施形態の転写フィルム10において、用いる光輝材の添加量は上記範囲に限定されるものではない。
さらに、光輝材の粒径は、1μm以上150μm以下の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは5μm以上100μm以下である。上記範囲内の光輝材は、各種印刷法(例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、など)において好適に塗工することが出来る。しかし、粒径1μm未満の光輝材を用いた場合は光輝感や立体感を得るのが困難であり、粒径150μmを超える場合は印刷加工時に不具合を生じる可能性がある。ただし、本実施形態の転写フィルム10において用いる光輝材の粒径は上記範囲に限定されるものではない。
(接着層)
接着層8は、前記光輝材含有層7上に形成される。接着層8は、転写フィルム10を被転写体と一体化させたとき、被転写体と接触し、転写フィルム10を被転写体に接着させる部位となる。
接着層8に用いる材料は、常温・加熱時において被転写体の表面材料との接着性・粘着性を備える材料から、適宜選択してよい。具体的には、接着剤、粘着剤、ホットメルト、などとして知られた材料から適宜選択してよい。例えば、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、イソシアネート系、シリコーン系、スチレン−ブタジエン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリエステル系、塩化ゴム系、塩素化ポリプロピレン系、ポリウレタン系などの樹脂を単独で使用、またはこれらの混合物を主成分とするエマルジョン系樹脂、有機溶剤型樹脂、水溶性樹脂、などを用いることができる。
接着層8の厚みは、0.1μm以上20μm以下の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下である。ただし、本実施形態の転写フィルム10において接着層8の厚みは上記範囲に限定されるものではない。
なお、本実施形態の転写フィルム10は、光輝材安定化層6に隣接して光輝材含有層7を形成する構成であれば、求める効果を奏する。このため、本実施形態の転写フィルム10は、光輝材安定化層6/光輝材含有層7の層界面を除く、その他の層界面において、各種機能層を適宜追加した構成であっても良い。また、各層がそれぞれ複数層から構成されていても良い。
以下、本実施形態の装飾成形品について説明を行う。
本実施形態の装飾成形品は、上述に記載の転写フィルム10を用いた装飾成形品である。本実施形態の転写フィルム10を貼り付けることで被転写体に転写し、離型性フィルム1を剥離することにより、表面保護層9が最表面となった装飾成形品を得ることが出来る。
但し、図1及び図2の構成にあっては、離型性フィルム1を剥離することにより、着色透明層5が最表面となる。
転写フィルム10を転写する被転写体の材料は、転写フィルム10の接着層8に選択した材料と接着可能な材料であれば良く、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、などが挙げられる。また、被転写体の形状は、形状に応じて適宜転写方法を選択して用いればよく、特に限定されるものではない。例えば、シート(フィルム)、平板、曲面板、棒状体、立体物等、などの形状が挙げられる。
以下、本発明の転写フィルム10および装飾成形品について具体的に実施の一例を挙げながら説明を行う。なお、以下に列挙する塗工液、インキについては主材料のみ示しており、選択する塗工、印刷方式に応じて最適な粘度となるよう、適宜溶媒を添加することができる。また、特に記載の無い限り、乾燥は熱風乾燥にて行うものとする。
<実施例1>
基材フィルム2として50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、以下に示す組成の樹脂塗工液を乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように形成し、離型性フィルム1を得た。
・アクリルポリオール 100質量部
・イソシアネート化合物 10質量部
・水酸基を含有するアクリルシリコーン樹脂 1質量部
次に、得られた離型性フィルム1の離型層3上に、転写層4として以下の層を順次積層した。
前記離型性フィルム1の離型層3上に、以下に示す組成の樹脂塗工液を乾燥後の膜厚が5.0μmとなるように形成し、表面保護層9を形成した。
・タックフリー性紫外線硬化樹脂 100質量部
・光重合開始剤 4質量部
次に、前記表面保護層9上に、以下に示す組成のインキを乾燥後の膜厚2.0μmとなるように形成し、着色透明層5を得た。
・東洋インキ製 ファインスター Rメジューム 50質量部
・東洋インキ製 ファインスター R39藍 50質量部
次に、前記着色透明層5上に、以下に示す組成のインキを乾燥後の膜厚2.0μmとなるように形成し、光輝材安定化層6を得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・東ソー・シリカ製 ニップシールK500(粒径2μm) 10質量部
次に、前記光輝材安定化層6上に、以下に示す組成のインキを乾燥後の膜厚1.5μmとなるように形成し、光輝材含有層7を得た。
・東洋インキ製 ファインスター Rメジューム 95質量部
・東洋アルミニウム製 アルミペーストTD280T 5質量部
次に、前記光輝材含有層7上に、以下に示す組成のインキを乾燥後の膜厚1.0μmとなるように形成し、接着層8を得た。
・東洋インキ製K539HP接着ワニス 100質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルム10を120℃にて熱圧着した後、離型性フィルム1を剥離し、本発明の転写フィルム10が転写した装飾成形品を得た。
<実施例2>
光輝材安定化層6の組成を下記の通りとし、乾燥後の膜厚7.0μmとなるように形成した以外は実施例1と同様の方法によって本発明に係る転写フィルム10を得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・エボニックデグサ製 ACEMATT82(粒径7μm) 10質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルム10を120℃にて熱圧着した後離型性フィルム1を剥離し、本発明の転写フィルム10が転写した装飾成形品を得た。
<実施例3>
光輝材安定化層6の組成を下記の通りとし、乾燥後の膜厚5.0μmとなるように形成した以外は実施例1と同様の方法によって本発明に係る転写フィルム10を得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・東洋紡製 FH−S005(粒径5μm) 10質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルム10を120℃にて熱圧着した後離型性フィルム1を剥離し、本発明の転写フィルム10が転写した装飾成形品を得た。
<比較例1>
光輝材安定化層の組成を下記の通りとした以外は実施例1と同様の方法によって比較例1の転写フィルムを得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルムを120℃にて熱圧着した後離型性フィルムを剥離し、比較例1の転写フィルムが転写した装飾成形品を得た。
<比較例2>
光輝材安定化層の組成を下記の通りとし、乾燥後の膜厚10.0μmとなるように形成した以外は実施例1と同様の方法によって、比較例2の転写フィルムを得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・エボニックデグサ製 ACEMATT3300(粒径10μm) 10質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルムを120℃にて熱圧着した後離型性フィルム1を剥離し、比較例2の転写フィルムが転写した装飾成形品を得た。
<比較例3>
光輝材安定化層の組成を下記の通りとした以外は実施例1と同様の方法によって、比較例3の転写フィルム10を得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・日産化学製 MEK−ZL(粒径0.07〜0.1μm) 10質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルムを120℃にて熱圧着した後離型性フィルムを剥離し、比較例3の転写フィルムが転写した装飾成形品を得た。
<比較例4>
光輝材安定化層の組成を下記の通りとし、調整されたインキに東洋インキ製ファインスターR92墨を添加し、光輝材安定化層の全光線透過率を30%に調整した以外は実施例1と同様の方法によって、比較例4の転写フィルムを得た。
・三菱レイヨン製 ダイヤナールBR90 100質量部
・東ソー・シリカ製 ニップシールK500(粒径2μm) 10質量部
続いて、板状のポリカーボネイト/ABS樹脂成形品の表面に、得られた転写フィルムを120℃にて熱圧着した後離型性フィルムを剥離し、比較例4の転写フィルムが転写した装飾成形品を得た。
以上より得られた実施例1乃至3、比較例1乃至4の転写フィルムおよび装飾成形品について、以下の評価を実施した。
(光輝材露出)
得られた装飾成形品の表面を光学顕微鏡にて観察し、視認できる全光輝材に対し、光輝材表面の色相が着色透明層の色相から大きく異なり、光輝材特有の金属光沢色を有する光輝材の個数割合を目視にて算出した。さらに、算出した割合を以下のように分類し、判定を行った。
・金属光沢色粒子割合 100% : ◎ (合格)
・金属光沢色粒子割合 95%以上100%未満 : ○ (合格)
・金属光沢色粒子割合 50%以上95%未満: △ (不合格)
・金属光沢色粒子割合 50%未満 : × (不合格)
(全光線透過率)
光輝材安定化層の全光線透過率を算出するため、実施例1乃至3、比較例1乃至4について基材フィルムに光輝材安定化層まで積層した転写フィルム(構成A)および着色透明層まで積層した転写フィルム(構成B)を準備してそれぞれの全光線透過率を測定し、以下の式に従って光輝材安定化層の全光線透過率を算出した。
・(光輝材安定化層) = (構成A)+(100%−(構成B))
全光線透過率の測定は日本電色株式会社製NDH−2000を用い、JIS(K7361)に基づいて測定した。
(光輝材視認性)
得られた装飾成形品の表面を光学顕微鏡にて観察し、光輝材が明確に視認できるかどうか、以下の基準に基づいて評価を実施した。
・光輝材が明確に視認できる : ◎ (合格)
・光輝材粒子の外縁が視認できる : ○ (合格)
・光輝材粒子の外縁が視認できず一部が視認できる : △ (不合格)
・光輝材粒子が視認できない : × (不合格)
評価結果を表1に示す。
Figure 2015214031
表1から分かるように、比較例4の光輝材露出評価が「−」となっているが、これは光輝材視認性が「×」のため、光輝材露出評価が不可能であったことを示す。
表1の結果より、本発明に係る転写フィルムでは、光輝材安定化層6の導入および最適な材料選定により、着色透明層5から光輝材が露出する不具合を防ぎ、均一で良好な外観を持つ装飾成形品を得ることができた。
本発明の転写フィルムは、表面加飾が求められる物品に対し、広範な分野で利用が期待される。例えば、携帯情報端末筐体、パソコン筐体、エアコン筐体、テレビ筐体、カメラ筐体、家電製品操作パネル、オーディオ製品パネル、各種機器タッチパネル、自動車内装材、自動車外装材、自転車部材、化粧容器、食品外装材、食器、トイレタリー用品、玩具、などの分野に利用できる。
1……離型性フィルム
2……基材フィルム
3……離型層
4……転写層
5……着色透明層
6……光輝材安定化層
7……光輝材含有層
8……接着層
9……表面保護層
10……転写フィルム

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に離型性を有する離型性フィルムの前記離型性を有する面に、着色透明層、光輝材安定化層、前記光輝材安定化層に直接積層された光輝材含有層、接着層とが、この順に積層された転写フィルムにおいて、
    前記光輝材安定化層は、平均粒径0.1μm以上、8.0μm以下の粒子を含有し、かつ、前記光輝材安定化層の全光線透過率が50%以上であることを特徴とする転写フィルム。
  2. 前記光輝材安定化層に含有されている粒子は、二酸化珪素を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 前記光輝材含有層に含有される光輝材は、鱗片状金属片であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転写フィルム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写フィルムにより表面装飾された装飾成形品。
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