JP2015226902A - 中空糸膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、含水率が低い状態で放射線照射を行った中空糸膜からの溶出物が少なく、かつ血液適合性に優れた中空糸膜モジュールを提供することである。
【解決手段】
疎水性高分子からなる基材に疎水性ユニットを有しない親水性高分子を配合した原液から中空糸膜を製造する工程と
エステル基を含有する高分子を0.002質量%以上0.05質量%以下含む洗浄液で前記中空糸膜を洗浄する工程と、
前記中空糸膜をモジュールに内蔵させ、前記中空糸膜の周辺の雰囲気の酸素濃度が0〜1%となり、かつ、前記中空糸膜の質量に対する含水率が0〜25質量%となる条件下で、該中空糸膜に放射線を照射する、中空糸膜モジュールの製造方法。
【選択図】図1
Description
(1) 疎水性高分子からなる基材に疎水性ユニットを有しない親水性高分子が配合されている以下の(A)および(B)の条件を満たす中空糸膜を内蔵し、
前記中空糸膜の質量に対する含水率が0%〜25質量%となる条件下で、該中空糸膜に放射線を照射して得られる、中空糸膜モジュール。
(A) X線電子分光法で測定したとき、中空糸膜の機能層表面におけるエステル基由来の炭素ピークの面積百分率が1〜10(原子数%)以下であること
(B) 37℃の超純水を200mL/minで4時間循環したとき、中空糸膜から溶出する溶出物量が1.0mg/m2以下であること
(2)疎水性高分子からなる基材に疎水性ユニットを有しない親水性高分子を配合した製膜原液から中空糸膜を製造する工程と
エステル基を含有する高分子を0.002質量%以上0.05質量%以下含む洗浄液で前記中空糸膜を洗浄する工程と、
前記中空糸膜をモジュールに内蔵させ、前記中空糸膜の周辺の雰囲気の酸素濃度が0〜1%となり、かつ、前記中空糸膜の質量に対する含水率が0〜25質量%となる条件下で、該中空糸膜に放射線を照射する、中空糸膜モジュールの製造方法。
ポリビニルピロリドン含有率(f)=100×(c×111)/(c×111+d×442)。
中空糸膜内径(μm)=中空糸膜外径−2×膜厚
このようにして得られた中空糸膜をケースに内蔵して中空糸膜モジュールを得る。中空糸膜をケースに内蔵する方法としては、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。まず、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、筒状のケースに入れる。その後、両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部にポッティング剤を入れる。このとき遠心機でモジュールを回転させながらポッティング剤を入れる方法は、ポッティング剤が均一に充填できるため好ましい方法である。ポッティング剤が固化した後、中空糸膜の両端が開口するように両端部を切断する。ケースの両端にヘッダーを取り付け、ヘッダーおよびケースのノズル部分に栓をすることで中空糸膜モジュールを得る。
測定方法の詳細は実施例にて後述するとおりである。このようにして求めた4時間循環後の水4L中の親水性高分子量(mg)を、測定した中空糸膜モジュールに充填された中空糸膜の内表面面積の合計値(m2)で割った値を、本発明における溶出物量(mg/m2)とした。計算値は小数点第3位を四捨五入した値を用いる。
溶出物量(mg/m2)=4L中の親水性高分子量(mg)/中空糸膜の内表面面積の合計値(m2)
中空糸膜の内表面面積の合計値は下記式で求められる。
中空糸膜の内表面面積の合計値(m2)=π×中空糸膜内径(m)×有効長(m)×糸本数(本)
ここで、有効長とは、中空糸膜モジュールに充填された中空糸膜においてポッティング材が付着していない部分を言う。
中空糸膜を片刃で半円筒状にそぎ切り、中空糸膜の機能層表面(内側表面)の異なる箇所を3点測定した。測定サンプルは、超純水でリンスした後、室温、0.5Torrにて10時間乾燥させた後、測定に供した。測定装置、条件としては、以下の通り。
励起X線: monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6eV)
X線径: 0.15mm
光電子脱出角度: 90 °(試料表面に対する検出器の傾き)
C1sのピークは、主にCHx,C−C,C=C,C−S由来の成分、主にC−O,C−N由来の成分、π−π*サテライト由来の成分、C=O由来の成分、COO由来の成分の5つの成分から構成される。以上の5つ成分にピーク分割を行う。COO由来の成分は、CHxやC−Cのメインピーク(285eV付近)から+4.0〜4.2eVに現れるピークである。この各成分のピーク面積比を、小数点第2位を四捨五入し、算出した。なお、ピーク分割の結果、ピーク面積百分率が0.4%以下であれば、検出限界以下とした。
洗浄前の中空糸膜モジュールを50℃に設定した減圧乾燥機に入れ、0.5Torrで12時間乾燥させた後、測定した質量を絶乾後中空糸膜モジュール質量(b)とした。また、洗浄工程として、25℃の洗浄液を中空糸膜モジュールの中空糸膜内表面側入口15Aから出口15Bへ500mL/minで1分間通液し、さらに中空糸膜内表面側入口15Aから中空糸膜外表面側ノズル16Aへ膜厚方向に500mL/minで1分間通水した。次に100kPaの圧縮空気で中空糸膜外表面側ノズル16Aから内表面側入口15Aへ充填した液を押し出し、その後中空糸膜内表面側の充填液を15Bから15Aの方向にブローし、中空糸膜のみが湿潤した状態にした後、圧空またはマイクロ波を用いて中空糸膜モジュールを乾燥させた。この状態の中空糸膜モジュールの質量を測定し、絶乾前中空糸膜モジュール質量(a)とした。さらに同様に作成した、別のモジュールを解体して中空糸膜を取り出し、50℃、0.5Torrで12時間減圧乾燥させた後、測定した質量を絶乾時の中空糸膜の質量(c)とした。中空糸膜の含水率は下記の式より算出し、測定値は小数点第2位を四捨五入した値を用いる。
含水率(質量%)=100×(a−b)/c
ここで、a:絶乾前中空糸膜モジュール質量(g)、b:絶乾後中空糸膜モジュール質量(g)、c:絶乾時の中空糸膜質量。
中空糸膜モジュール内に、窒素または所定の酸素濃度に調整した気体を中空糸膜内側と中空糸膜外側から同時に流入し、中空糸膜モジュール内の気体を十分に置換した後、酸素透過性の低い素材で作られたゴム製キャップで中空糸膜モジュールを密閉した。その後、飯島電子工業株式会社製IS−300を用いて、中空糸膜モジュール内の酸素濃度を測定した。中空糸膜モジュールを密栓しない場合は、酸素透過性の低い包装袋を用い、包装袋内を窒素または所定の酸素濃度に調整した気体で置換した後、前記のようにして気体を置換した中空糸膜モジュールを入れ、包装袋を密閉した。その後、包装袋内の酸素濃度を同様に測定した。値は小数点第3位を四捨五入した値を用いた。
中空糸膜モジュールの中空糸膜内表面側の流路に37℃に加温した超純水を100mL/minで7分間通液し、ついで同様に中空糸膜外表面側の流路に500mL/minで5分間通液し、再度、中空糸膜内表面流路に100mL/minで3分通液を行い、洗浄を実施した。その後、中空糸膜内表面側に37℃に加温した4Lの超純水を200mL/minで4時間循環させながら通液した。4時間循環後の水を採取し、サンプル溶液を得た。得られたサンプル溶液は希薄であるため、凍結乾燥を行い、100倍に濃縮した後、ゲルろ過クロマトグラフィー測定に供した。ゲルろ過クロマトグラフィーは下記の条件で測定を実施した。まず、ポリビニルピロリドン(ISP社製 K90)を濃度を変更して溶解した数種類の水溶液を標準試料として、ゲルろ過クロマトグラフィーを用いて測定した。標準試料のポリビニルピロリドンのピーク面積と調製した濃度の関係の検量線を作成した。次に、前記サンプル溶液を測定して得られた全てのピーク面積を合計値と前記検量線から、サンプル溶液中の溶出物の濃度を算出した。
4L中の親水性高分子量(mg)=測定サンプル中の親水性高分子濃度(ppm)×4(kg)/100
中空糸膜内表面側面積(m2)=π×中空糸膜内径(m)×有効長(m)×糸本数(本)
本発明における有効長とは、中空糸膜モジュールに充填された中空糸膜においてポッティング材が付着していない部分を言う。
溶出物量(mg/m2)=4L中の親水性高分子量(mg)/中空糸膜内表面側面積(m2)
カラム:TSKgel GMPWXL(東ソー社製)
溶媒:0.1mol/L 硝酸リチウム、水/メタノール:50vol/50vol
流速:0.5mL/min
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計 RI−8010(東ソー社製)。
中空糸膜を片刃で半円筒状にそぎ切り、超純水でリンスした後、室温、0.5Torrにて10時間乾燥させ、表面測定用の試料とした。この乾燥中空糸膜の各表面をJASCO社製IRT−3000を用いて顕微ATR法により測定した。測定は視野(アパーチャ)を100μm×100μmとし、測定範囲は3μm×3μmで積算回数を30回、縦横各5点の計25点測定した。得られたスペクトルの波長1549〜1620cm−1で基準線を引き、その基準線とスペクトルの正の部分で囲まれた部分をポリスルホン由来ベンゼン環C=C由来のピーク面積を(ACC)とした。同様に1711〜1759cm−1で基準線を引き、その基準線とスペクトルの正部分で囲まれた部分をエステル基由来のピーク面積を(ACOO)とした。
18mmφのポリスチレン製の円形板に両面テープを貼り付け、そこに中空糸膜を固定した。貼り付けた中空糸膜を片刃で半円筒状にそぎ切り、中空糸膜の内表面を露出させた。中空糸膜内表面に汚れ、キズ、折り目等が存在すると、その部分に血小板が付着するため正しい評価ができないことがあるので注意を要する。筒状に切ったFalcon(登録商標)チューブ(18mmφ、No.2051)に前記円形板を、中空糸膜を貼り付けた面が、円筒の内部にくるように取り付け、パラフィルムで隙間を埋めた。この円筒管内を生理食塩水で洗浄後、生理食塩水で満たした。ヒトの静脈血を採血後、直ちにヘパリンを濃度50U/mLになるように添加した。前記円筒管内の生理食塩水を廃棄後、前記血液を採血後30分以内に前記円筒管内に1.0mL加え、37℃にて1時間振とうさせた。その後、中空糸膜を10mLの生理食塩水で洗浄し、2.5%グルタルアルデヒド生理食塩水を加え、静置し、中空糸膜に付着した血液成分を中空糸膜に固定化させた。1時間以上経過後、20mLの蒸留水にて洗浄した。洗浄した中空糸膜を常温、0.5Torrにて10時間減圧乾燥した。この中空糸膜を走査型電子顕微鏡の試料台に両面テープで貼り付けた。その後、スパッタリングにより、Pt−Pdの薄膜を中空糸表面に形成させて、測定試料とした。この中空糸膜内表面をフィールドエミッション型走査型電子顕微鏡(日立社製S−800)を用いて、倍率1500倍で観察し、1視野中(4.3×103μm2)の付着した血小板数を数えた。中空糸長手方向における中央付近で、異なる10視野での付着した血小板数の平均値を血小板付着数(個/4.3×103μm2)とした。1視野で50個/4.3×103μm2を超えた場合は、50個としてカウントした。中空糸の長手方向における端の部分は、血液溜まりができやすいため、血小板付着数の計測対象からはずした。
測定中空糸膜モジュールの中空糸内側に初期洗浄液として超純水を流量100mL/minで流し、中空糸膜モジュールが水で満たされて流出した最初の25mLの水をサンプリングした。このサンプルから10mLを取り出し、2.0×10−3mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を20mL、10体積%の硫酸を1mLおよび沸騰石を加え3分間煮沸した。その後、室温まで冷却し、10質量%ヨウ化カリウム水溶液1mLを加え、室温でよく攪拌した後10分間放置し、1.0×10−2mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定した。溶液の色が淡黄色となった時点で1質量%デンプン水溶液を0.5mL加え、室温でよく撹拌した。その後、溶液の色が透明になるまで続けてチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定を行った。中空糸膜モジュールを通していない超純水についても、測定サンプルと同様の滴定を行った。中空糸膜モジュールを通していない超純水の滴定に要した1.0×10−2mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液量と初期洗浄液の滴定に要した1.0×10−2mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液量の差を溶出物量の指標とした。2回の測定の平均値を算出し、小数点第3位を四捨五入した値を用いた。
密栓した中空糸膜モジュール内に温湿度計(ヴェイサラ社製、指示計HM141、プローブHMP42)を挿入し、測定を実施した。
ポリスルホン(ソルベイ社製“ユーデル(登録商標)”P−3500)16質量%、ポリビニルピロリドン(インターナショナルスペシャルプロダクツ社製;以下ISP社と略す K30)4質量%およびポリビニルピロリドン(ISP社製 K90)を2質量%、N,N−ジメチルアセトアミド77質量%、水1質量%を加熱溶解し、製膜原液とした。N,N−ジメチルアセトアミド63質量%、水37質量%の溶液を芯液とした。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(5/5)ランダム共重合体(BASF社製“Luviskol”(登録商標) VA55I)0.01質量%の25℃の水溶液とした以外は実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール2を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に、血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
洗浄液の温度を50℃にした以外は、実施例2と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール2を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例2と同様に、血小板付着数が少なく、溶出物がさらに少ない中空糸膜モジュールが得られた。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(7/3)ランダム共重合体(BASF社製“Luviskol”(登録商標) VA73)0.01質量%の50℃の水溶液とした以外は実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール4を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に、血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(6/4)ランダム共重合体(BASF社製“KOLLIDON”(登録商標) VA64)0.01質量%の25℃の水溶液を使用した以外は実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール5を得た。得られた中空糸膜モジュールにおける溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。エステル基は中空糸内表面に均一に存在しており、血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(6/4)ランダム共重合体(BASF社製“KOLLIDON”(登録商標) VA64)0.02質量%の25℃の水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール6を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に、血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(6/4)ランダム共重合体(BASF社製“KOLLIDON”(登録商標) VA64)0.01質量%の80℃の水溶液を使用し、中空糸膜モジュール内の酸素濃度を1%に調整してγ線を照射した以外は実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール7を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
γ線照射時の中空糸膜の含水率を20質量%とした以外は、実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール8を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。また、洗浄時の泡抜け性にも問題は無かった。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(6/4)ランダム共重合体(BASF社製“KOLLIDON”(登録商標) VA64)0.01質量%の60℃の水溶液を使用した以外は実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール9を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出において、中空糸膜からの量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数、初期洗浄液の過マンガン酸カリウム消費量を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に血小板付着数が少なく、溶出物が少ない中空糸膜モジュールが得られた。
中空糸膜モジュール内の酸素濃度を2.5%に調整してγ線を照射した以外は、実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール10を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に血小板付着数は少なかったが、酸素濃度が高いため、溶出した高分子量体量が増加していた。
洗浄工程に用いる洗浄液として80℃の水を使用した以外は、実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール11を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数を測定した。結果を表1に示す。機能層表面にエステル基が存在しないため、血小板付着数が多く、また、溶出物の量も多かった。
洗浄工程に用いる洗浄液としてビニルピロリドン/酢酸ビニル(6/4)ランダム共重合体(BASF社製“KOLLIDON”(登録商標) VA64)0.001質量%の25℃の水溶液を使用した以外は、実施例1と同様の実験を行い、中空糸膜モジュール12を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数を測定した。結果を表1に示す。実施例1と同様に、血小板付着数が少なかった。しかし、表面に存在するエステル基量が少ないことに関連してか、溶出物の量は多かった。
特開2011−78974の実施例3に記載の方法で、中空糸膜モジュール13を得た。得られた中空糸膜モジュールにおいて、中空糸膜からの溶出物量、および中空糸膜内表面におけるXPS、顕微ATR、血小板付着数を測定した。結果を表1に示す。表面のエステル基量は少ないが、γ線照射時の中空糸膜の含水率が高いため、溶出物量を抑制することができている。
13 中空糸膜
14A ヘッダー
14B ヘッダー
15A 被処理液注入口(中空糸膜内側入口)
15B 被処理液排出口(中空糸膜内側出口)
16A ノズル(処理液注入口)
16B ノズル(処理液排出口)
17 ポッティング材
Claims (11)
- 中空糸膜を内蔵した中空糸膜モジュールであって、
該中空糸膜が、疎水性高分子からなる基材に疎水性ユニットを有しない親水性高分子が配合されたものであり、
以下の(A)および(B)の条件を満たし、かつ、
該中空糸膜の質量に対する含水率が0〜25質量%となる条件下で、該中空糸膜に放射線を照射して得られる、中空糸膜モジュール。
(A) X線電子分光法で測定したとき、中空糸膜の機能層表面におけるエステル基由来の炭素ピークの面積百分率が1〜10(原子数%)以下であること
(B) 37℃の超純水を200mL/minで4時間循環したとき、中空糸膜から溶出する溶出物量が1.0mg/m2以下であること。 - 前記放射線は、前記中空糸膜の周辺の雰囲気の酸素濃度を0〜1%とした条件で照射される、請求項1記載の中空糸膜モジュール。
- 前記雰囲気は、不活性ガスである、請求項2記載の中空糸膜モジュール。
- 前記疎水性ユニットを有しない親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれか一項記載の中空糸膜モジュール。
- 前記エステル基由来の炭素ピークは、エステル基含有高分子中のエステル基に由来する、請求項1〜4のいずれか一項記載の中空糸膜モジュール。
- 前記エステル基含有高分子は、疎水性ユニットと親水性ユニットとの共重合体である、請求項5記載の中空糸膜モジュール。
- 前記エステル基含有高分子は、カルボン酸ビニルエステル、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む、請求項5または6記載の中空糸膜モジュール。
- 前記エステル基含有高分子は、酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体である、請求項6または7記載の中空糸膜モジュール。
- 前記疎水性高分子は、ポリスルホン系高分子である、請求項1〜8のいずれか一項記載の中空糸膜モジュール。
- 疎水性高分子からなる基材に疎水性ユニットを有しない親水性高分子を配合してなる製膜原液から中空糸膜を製造する工程と
エステル基を含有する高分子を0.002質量%以上0.05質量%以下含む洗浄液で前記中空糸膜を洗浄する工程と、
前記中空糸膜をモジュールに内蔵させ、前記中空糸膜の周辺の雰囲気の酸素濃度が0〜1%となり、かつ、前記中空糸膜の質量に対する含水率が0〜25質量%となる条件下で、該中空糸膜に放射線を照射する、中空糸膜モジュールの製造方法。 - 前記放射線は、前記中空糸膜モジュールのすべての注入口を密栓した状態または前記中空糸膜モジュールを包装袋内に密封した状態で行う、請求項10記載の製造方法。
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