本明細書において、クリック感とは、変位部が変位する際に、変位させる力に対する反力が一時的に急激に変化することによって生じる変位部等の振動や位置変化を操作者が認識するときの感覚をいう。例えば、指先で変位部を押圧して押し込んだときに操作者が指先に感じる振動や押し込み感をいう。
上記各変位部は、初期姿勢を維持する方向に付勢されているとともに、付勢力に抗して変位可能に構成されていることとすることができる。この場合には、変位部は、付勢力に抗して付与されていた力が解除されると、上記付勢力によって変位する前の姿勢である初期姿勢に戻る(すなわち、復位する)こととなる。これにより、使用者は変位させた変位部を復位させるには、変位部に付与していた力を解除するだけでよいため、変位部を復位させる手間がかからず、繰り返し使用する際の使い勝手が良い。そして、使用者は、変位部をリズミカルにテンポよく繰り返し変位させることができる。これにより、当該変位に応じてリズミカルで心地よいテンポのクリック感を連続的に体感することができ、繰り返し使用することによる楽しさと心地よい体感が一層向上することとなる。また、リズミカルで心地よいテンポのクリック感が得られることにより、使用者の脳の活性化を一層促す効果を奏する。
上記変位部は、上記付勢力により上記初期姿勢に復位することに伴ってクリック感を発生させるように構成されていることとすることができる。この場合には、使用者は、変位部を変位させたときのみならず、当該変位部が復位するときにもクリック感が得られることとなる。すなわち、使用者は一つの変位部の変位と復位により、クリック感が二回得られることとなる。これにより、変位部をさらにリズミカルにテンポよく繰り返し変位させることができるとともに、当該変位に応じてリズミカルで心地よいテンポのクリック感を一層連続的に体感することができる。その結果、繰り返し使用することによる楽しさと心地よい体感を一層向上することができる。また、当該クリック感を掌や指を介して体感することにより、使用者の脳の活性化を一層促す効果をさらに得ることができる。
上記各変位部は、外側表面を形成する頭部と、該頭部に取り付けられた軸状の脚部と、上記コアの外表に取り付けられるとともに、上記脚部を少なくとも上記コアの内方及び外方に向けて移動可能に保持する保持部と、を備えていることとすることができる。この場合は、変位部の頭部をコアの内方及び外方に向けて移動させることができる。そのため、頭部を押し込むように変位させることができる。その結果、使用者は変位部(頭部)を変位させたことを容易に認識することができる。
上記頭部は、円盤状の他、四角形等の多角形の角部を丸めた形状に形成されていることとすることができる。この場合には、頭部を尖形に形成する場合に比べて、変位部と掌や指との当接面積を広く確保しやすいため、使用者の掌や指に対する刺激が適度に和らげられることにより、繰り返し連続的に使用する場合にも使用者の負担が軽減される。さらに、使用者は上記頭部からの刺激を点ではなく面で受けることとなるため、心地よい体感を得ることができる。中でも、上記頭部は、円盤状に形成されていることが好ましい。この場合には、頭部を掌や指で押圧しやすくなり、使い勝手が向上する。
上記頭部は、上記初期姿勢における上記脚部の軸に対して傾斜するように変位可能に構成されていることとすることができる。この場合には、様々な方向から変位部を変位させることができるため、掌や指等により変位部を変位させやすくなり、使用感を向上することができる。
上記頭部は、上記保持部に対して回転可能なように設けられていることとすることができる。この場合には、様々な方向から力を付与して変位部を変位させる際に当該力が付与された方向に応じて頭部を回転させることができるため、当該変位時に使用者が引っ掛かりを感じることが低減される。その結果、使用感の更なる向上が図られる。
上記保持部には、上記脚部を上記初期姿勢を維持する方向に付勢する付勢部材が備えられていることとすることができる。この場合には、付勢部材による付勢力に抗して変位した変位部は、当該付勢力に抗する力が解除されることによって、確実に復位されることとなる。その結果、使用者は繰り返し使用する際に変位した変位部を復位させる手間がかからないため、使い勝手が良い。また、繰り返し使用する際の使用感が向上する。
上記変位部は、上記変位に伴ってクリック音を発生するように構成されていることとすることができる。この場合には、変位部の変位によるクリック感をより強く認識させることができる。これにより、使用者は変位部の変位を確実に認識することができ、一層十分な体感を得ることができる。その結果、変位部を繰り返し変位させることによる楽しさと心地よい体感が一層向上し、使用者に当該刺激具を繰り返し使用することをさらに促すことができる。
上記刺激具における上記コアの構成は、上記各変位部が変位可能に配設される構成であれば、特に限定されない。上記コアは、中空であってもよいし中実であってもよい。例えば、上記刺激具の重量を調整するために、上記コアを中空に形成するとともにコアの厚さ(すなわち、外表と内腔面との距離)を所定の値に設定したり、上記コアの内部に所定の重量の重りを設けたりすることができる。また、上記コアは単一の部材から構成されることとしてもよいし、複数の部材から構成されることとしてもよい。
上記コアの外表のうち、上記複数の変位部が配設されていない部分は、上記複数の変位部の頭部における外側表面よりも上記コアの内方に位置していてもよいし、外方に位置していてもよいし、上記複数の変位部の頭部における外側表面と実質的に面一となるように位置していてもよい。中でも、上記コアの外表のうち、上記複数の変位部が配設されていない部分は、上記複数の変位部の頭部における外側表面よりも上記コアの内方に位置していることが好ましい。この場合には、使用者が当該刺激具を掌握したり、体の所定部分に押し当てたりしたときに、掌や指又は刺激具を押し当てた体の部分に変位部を確実に当接させることができるため、変位部を変位させやすくなり使用感が向上する。
上記コアの大きさは把持可能な大きさであることが好ましい。この場合には、当該刺激具を把持して使用することにより、指や掌へのマッサージ効果が得られやすい。上記コアの形状は、把持可能であれば角部を有する形状であっても構わないが、例えば、上記コアの外形を球状、楕円球状又はこれらを組み合わせた形状からなることとすることができる。この場合には、使用者が当該刺激具全体を掌握しやすくなり、使用感が向上する。
なお、当該刺激具の全部又は一部を覆うカバーを設けるとともに、当該カバーを介して上記複数の変位部を変位させることが可能なように構成してもよい。当該カバーは、容易に変形可能な材質からなることとすることができ、例えば、布製、ポリプロピレン製、ポリ塩化ビニル製、ナイロン製、シリコーン製とすることができる。例えば、袋状に形成したカバーの内部に刺激具を封入することにより、刺激具全部を当該カバーによって覆うことができる。また、例えば、テープ状に形成したカバーを刺激具の外表(複数の変位部)に張り付けることにより、当該カバーによって刺激具全部又は一部を覆うことができる。
(実施例1)
本例の実施例に係る刺激具につき、図1〜図7を用いて説明する。
本例の刺激具1は、図1に示すように、コア10と、コア10の外表14に変位可能に配設された複数の変位部20と、を備え、各変位部20は変位に伴ってクリック感を発生するように構成されている。
なお、便宜的に、図1に示す側を上面側とし、反対側を下面側とする。そして、図2において、紙面上方向(図1における上面側の方向)をX1方向とし、紙面下側をX2方向とし、X1方向とX2方向とを合わせてX方向という。すなわち、図1は、図2においてX1方向側から見た図に相当する。また、図2において、X方向(X1方向及びX2方向)に垂直な紙面左右方向をY方向とする。また、図5において、コア10の径方向をZ方向とし、コア10の内側から外側に向かう方向を外方Z1とし、コア10の外側から内側に向かう方向を内方Z2とする。さらに、図5において、コア10の外表14の周方向をRとする。
以下、本例の刺激具1について、詳述する。
図4に示すように、コア10は、半球状の第1コア11及び第2コア12からなる。第1コア11及び第2コア12は互いの球状面を外側にして対向して設けられている第1コア11における第2コア12との対向面には複数の嵌合凹部11a(図3参照)が形成されているとともに、第2コア12における第1コア11との対向面には、嵌合凹部11aにそれぞれ嵌合する複数の嵌合凸部12a(図3参照)が形成されている。嵌合凹部11aに複数の嵌合凸部12aが嵌合されることにより、コア10は略球状に形成されている。コア10は中空状に形成されて中空部10aを有している。中空部10aには図3、図4に示すように円柱状の金属製の重り13が収容されている。刺激具1全体の重量は、重り13の重量を調整することにより適宜調整することができる。刺激具1全体の重量は、例えば90g〜130gとすることができ、更には105〜110gが好ましく、本例では105gである。
図1、図3に示すように、コア10の外表14には、複数の凹部15が形成されている。凹部15はそれぞれ有底のすり鉢状に形成されている。図3に示すように、凹部15の底部の中央には、コア10の中空部10aに連通する貫通孔15aが形成されている。
コア10の外表は、図2に示すように、X1方向端部領域A1、X1方向中間領域A2、中央領域A3、X2方向中間領域A4及びX2方向端部領域A5に、それぞれ仮想的に区画されている。X1方向端部領域A1及びX2方向端部領域A5には、それぞれ3個の凹部15が形成されており、X1方向中間領域A2及びX2方向中間領域A4にはそれぞれ8個の凹部15が形成されている。また、中央領域A3には10個の凹部15が形成されている。各領域A1〜A5の個々の領域内において隣り合う凹部15の間隔は、等間隔であるが、各領域A1〜A5において他の領域との間で隣り合う凹部15の間隔は、等間隔になっていない。
そして、各領域A1〜A5のそれぞれの凹部15に変位部20が設けられている。すなわち、本例では、変位部20は全体で32個設けられている。そして、図5に示す初期姿勢(すなわち、刺激具1の外部から変位部20に力が付与されていない状態)において、変位部20は、コア10の外表14からコア10の外方Z1へ突出している。変位部20は、外側表面21aを形成する頭部21と、該頭部21に取り付けられた軸状の脚部22と、コア10の外表14に取り付けられるとともに、脚部22をコア10の内方Z2及び外方Z1に向けて移動可能に保持する保持部23と、を備える。
各変位部20が変位する前の状態において、各変位部20の外側表面21aが球面に沿うように形成されている。当該球面の直径は50.0mm〜65.0mmとすることができ、本例では58.0mmである。
頭部21は、図1に示すように、円盤状に形成されている。頭部21の直径は、例えば10.0mm〜20.0mmとすることができ、本例では14.2mmである。頭部21は真鍮製又は樹脂製とすることができる。頭部21が樹脂製である場合には、その表面には金属メッキを形成することができる。本例では、頭部21は樹脂製であって、その表面にクロムメッキが形成されている。各頭部21の重量は、例えば0.5g〜4.0gとすることができ、本例では1.0gである。図5に示すように、頭部21の外側表面21aは、コア10の外方(図5におけるZ1方向)に緩やかに膨出しているとともに、図1に示すように、複数の三角形の面を組み合わせたダイヤカットが施されている。なお、図5に示すように、当該複数の三角形の各面は、隣接する面となだらかにつながるように各面の縁部がわずかに曲面となっている。頭部21の外側表面21aと反対側には圧入凹部21bが形成されている。なお、外側表面21aの角部21dは面取りされて湾曲面となっている。角部21dは例えば、後述の接続軸221の軸Lを通る断面における形状が、曲率半径28.5mm〜28.7mmの曲線を成すように形成することができ、本例では、曲率半径28.5mmの曲線を成している。
図5に示すように、脚部22は、接続軸221と摺動板222とからなる。接続軸221は略円柱状を成しており、コア10の外方Z1の端部には縮径された縮径部221aが形成されている。接続軸221の軸Lは、初期姿勢(すなわち、頭部21が押圧されていない状態)ではコア10の径方向Zと一致している。縮径部221aが頭部21の圧入凹部21bに圧入されて、接続軸221と頭部21とが接合されている。接続軸221のコア10の内方Z2の端部には、壁面が部分球面を成す球状凹部221bが形成されているとともに、コア10の外周方向Rに環状に突出する環状リブ221cが形成されている。そして、摺動板222は円盤状を成しており、接続軸221に対向する面に球状に突出した球状突起222aが形成されている。当該球状突起222aの外径は接続軸221の球状凹部221bの径と略同一である。当該球状突起222aが接続軸221の球状凹部221bに嵌入されて、接続軸221が摺動板222に連結されている。そして、球状突起222aと球状凹部221bとによってボールジョイントが形成されており、摺動板222に対して接続軸221が傾斜することが許容されている。摺動板222において球状突起222aと反対側には、球面状に緩やかに膨出した膨出部222bが形成されている。
保持部23は、第1筒状部材231と第2筒状部材232とからなる。第1筒状部材231は、その内周部が接続軸221の外形に沿って筒状に形成されているとともに、コア10の内方Z2側に、環状リブ221cの外形に沿う段差部231aを備える。当該第1筒状部材231の内側に接続軸221が挿通されるとともに、段差部231aによって環状リブ221cが係止されて、接続軸221が抜け止めされている。第1筒状部材231の外周部には周方向Rに突出した一対の係止突起部231bが形成されている。
第2筒状部材232は内底部233を有する筒状に形成されているとともに、コア10の外方Z1側の端部には、外方Z1側に突出する一対の突出部232aが形成されている。図1、図5に示すように、一対の突出部232aには、その一部を切り欠いて形成された窓部232bが設けられている。一対の突出部232aは第1筒状部材231の外周に沿って立設されており、窓部232bに係止突起部231bが係止されることにより、第1筒状部材231が第2筒状部材232に固定されている。そして、第2筒状部材232の内周部は、摺動板222の外径と略同一の径を有する円筒状を成している。これにより、摺動板222は第2筒状部材232内側にZ方向に摺動可能に保持されている。
第2筒状部材232におけるコア10の内方Z2の端部には、内方Z2側に突出する嵌入突起部232cが形成されている。嵌入突起部232cは略円柱状をなしており、凹部15の貫通孔15aの径と略同一の外径を有する。そして、嵌入突起部232cの先端は球状を成すとともに、拡径された球状係止部232dが設けられている。球状係止部232dには、スリット232eが形成されている。これにより、嵌入突起部232c(球状係止部232d)を貫通孔15aに圧入することにより、スリット232eが狭まるように球状係止部232dが弾性変形して貫通孔15aに挿通される。そして、球状係止部232dが貫通孔15aを圧入側と反対側に抜け出ることにより、スリット232eが広がるように弾性変形して貫通孔15aの縁に係止され、嵌入突起部232cが貫通孔15aに嵌入される。その結果、第2筒状部材232を凹部15内に係止されることとなる。なお、これに替えて、第2筒状部材232を凹部15内にネジ止めしても良い。
第2筒状部材232の内底部233と摺動板222との間には、付勢部材としての円盤形のドーム形状を有する金属板からなる皿バネ24が介在されている。皿バネ24は、自然状態においては、その中央部24aが摺動板222側に突出するように緩やかに湾曲している。そして、皿バネ24の中央部24aは、摺動板222の膨出部222bに当接しているとともに、第1筒状部材231と第2筒状部材232とが組み付けられた状態において、膨出部222bから皿バネ24に向けて押圧力を受けており、皿バネ24はこれに対する反力によって膨出部222bをコア10の外方Z1側に付勢している。
図6に示すように、使用者によって頭部21がコア10の内方Z2側に押圧されると、頭部21に接続された接続軸221を介して摺動板222が内方Z2側に押圧されて、膨出部222bが皿バネ24の中央部24aを内方Z2側に押圧することとなる。そして、当該押圧力が皿バネ24の反転変形(飛び移り座屈)に要する押圧力の閾値を上回ると、中央部24aは内方Z2側に突出するように弾性変形して、皿バネ24の中央部24aが内方Z2側に反転変形することとなる。皿バネ24の反転変形に要する押圧力の閾値は、例えば1.0N〜6.0Nとすることができ、本例では、2.5Nとしている。そして、皿バネ24の中央部24aが反転変形することにより、押圧力に対する反力として摺動板222を外方Z1側に付勢していた付勢力が一時的に急激に低下することとなる。これにより、頭部21が内方Z2側に所定量変位することに伴って、使用者にクリック感(いわゆるタクティルフィーリング)を感じさせることができる。
上記頭部21が内方Z2側に変位する変位量(ストローク)は、適宜設定することができ、例えば、0.1mm〜2.0mm、好ましくは、0.1mm〜1.0mmとすることができ、本例では0.2mmである。
なお、当該ストロークを大きくしたい場合には、摺動板222と皿バネ24との間に、つる巻バネやゴム部材などの弾性部材を介在させることにより頭部21のストロークを大きくすることができる。この場合には、摺動板222と皿バネ24とを離隔させる方向に両者を付勢する当該弾性部材が頭部21の内方Z2側に変位に伴って圧縮変形することにより、摺動板222が皿バネ24を直接的に又は弾性部材を介して間接的に押圧するように構成することができる。そして、当該弾性部材の圧縮変形量を適宜設定することにより、頭部21のストロークを調整することができる。
頭部21が内方Z2側に変位された後、上記押圧力を解除すると、皿バネ24からの付勢力により、頭部21は元の位置に復位する。そして、皿バネ24の中央部24aは反転状態から元の状態に戻るときに、摺動板222を外方Z1側に付勢する付勢力が一時的に急激に上昇する。これにより、頭部21が外方Z1側に復位することに伴って、使用者にクリック感を感じさせることができる。
さらに、付勢部材としての皿バネ24は、自然状態から反転変形する際及び反転状態から自然状態に戻るように再度反転変形する際に、当該再度の反転変形に起因する振動によって変形音が生じる。これにより、頭部21がコア10の内方Z2側へ変位する際及び頭部21がコア10の外方Z1側へ復位する際にクリック感とともに、クリック音を呈する。
また、本例では、上述の如く、接続軸221と摺動板222とはボールジョイントにより連結されているため、図7に示すように、初期姿勢(図7の破線で示す状態)における脚部22の軸Lに対して接続軸221が傾斜することが許容されている。これにより、頭部21の縁部21cに内方Z2に向かう押圧力が付与された場合であっても、頭部21及び接続軸221は、コア10の周方向Rの内、押圧力が付与された側に傾斜した状態で内方Z2側に変位することができる。頭部21が傾斜していない状態から傾斜した状態となるときの縁部21cの周方向Rにおける変位量tは、例えば0.5mm〜1.5mmとすることができ、本例では0.8mmである。そして、隣り合う変位部20の頭部21が接触しないように、隣り合う変位部20の頭部21同士の距離は2.0mm以上確保されている。
また、接続軸221と摺動板222とはボールジョイントにより連結されているため、頭部21は摺動板222及び保持部23に対して、接続軸221の軸Lを中心に回転可能となっている。
次に、本例の刺激具における作用効果について、詳述する。
上記刺激具1によれば、コア10の外表14に配設された複数の変位部20が変位することに伴ってクリック感を発生される。使用者は当該クリック感を得ることにより、変位部20を確実に変位させたことを認識することができる。そして、変位部20を繰り返し変位させたり、複数の変位部20を一斉に変位させたりすることによって多数のクリック感が得られるとともに、当該多数のクリック感が相俟って楽しさと心地よい体感が使用者にもたらされることとなる。これにより、使用者に刺激具1を繰り返し使用することを促すことができる。そして、使用者は刺激具1を繰り返し使用することにより、掌や指が効果的にマッサージされることとなる。なお、刺激具1を首筋、肩、背中、四肢などの様々な部分に繰り返し押し当てて体の様々な部分に繰り返ししてもよい。この場合には、首筋、肩、背中、四肢などの体の様々な部分が効果的にマッサージされることとなる。
さらに、使用者は掌や指によって変位部20を繰り返し変位させることにより、掌や指を介してクリック感や押圧感を繰り返し知覚することとなる。そのため、掌や指を介して使用者の脳に繰り返し刺激を与えることができる。その結果、使用者の脳の活性化を促す効果が奏される。
上記各変位部20は、初期姿勢を維持する方向(本例ではZ1方向)に付勢されているとともに、付勢力に抗して変位可能に構成されている。これにより、変位部20は、付勢力に抗して付与されていた力が解除されると、初期姿勢に復位することとなる。これにより、使用者は変位させた変位部20を復位させるには、変位部20に付与していた力を解除するだけでよいため、変位部20を復位させる手間がかからず、繰り返し使用する際の使い勝手が良い。そして、使用者は、変位部20をリズミカルにテンポよく繰り返し変位させることができる。これにより、当該変位に応じてリズミカルで心地よいテンポのクリック感を連続的に体感することができ、繰り返し使用することによる楽しさと心地よい体感が一層向上することとなる。また、リズミカルで心地よいテンポのクリック感が得られることにより、使用者の脳の活性化を一層促す効果を奏する。
変位部20は、上記付勢力により初期姿勢に復位することに伴ってクリック感を発生させるように構成されている。これにより、使用者は、変位部20を変位させたときのみならず、変位部20が復位するときにもクリック感が得られることとなる。すなわち、使用者は一つの変位部20の変位と復位により、クリック感が二回得られることとなる。これにより、変位部20をさらにリズミカルにテンポよく繰り返し変位させることができるとともに、当該変位に応じてリズミカルで心地よいテンポのクリック感を一層連続的に体感することができる。その結果、繰り返し使用することによる楽しさと心地よい体感を一層向上することができる。また、当該クリック感を掌や指を介して体感することにより、使用者の脳の活性化を一層促す効果をさらに得ることができる。
また、各変位部20は、外側表面21aを形成する頭部21と、該頭部21aに取り付けられた軸状の脚部22と、コア10の外表14に取り付けられるとともに、脚部22をコア10の内方Z2及び外方Z1に向けて移動可能に保持する保持部23と、を備える。これにより、変位部20の頭部21をコア10の内方Z2及び外方Z1に向けて移動させることができる。そのため、頭部21を押し込むように変位させることができる。その結果、使用者は変位部20(頭部21)を変位させたことを容易に認識することができる。
また、本例では、頭部21は、円盤状に形成されている。これにより、頭部21を掌や指で押圧しやすくなり、使い勝手が向上する。また、頭部21を尖形に形成する場合に比べて、変位部21と掌や指との当接面積を広く確保しやすいため、使用者の掌や指に対する刺激が適度に和らげられることとなり、繰り返し連続的に使用する場合にも使用者の負担が軽減される。さらに、使用者は頭部21からの刺激を点ではなく面で受けることとなるため、心地よい体感を得ることができる。
変位部20は、頭部21が図5に示す初期姿勢における脚部22の軸Lに対して傾斜するように変位可能に構成されている。これにより、様々な方向から変位部20を変位させることができるため、掌や指等により変位部20を変位させやすくなり、使用感を向上することができる。
また、頭部21は、保持部23に対して回転可能に設けられている。これにより、様々な方向から力を付与して変位部を変位させる際に当該力が付与された方向に応じて頭部21を回転させることができるため、当該変位時に使用者が引っ掛かりを感じることが低減される。その結果、使用感の更なる向上が図られる。
本例では、変位部20は、上記変位に伴ってクリック音を発生するように構成されている。これにより、変位部20の変位によるクリック感をより強く認識させることができる。これにより、使用者は変位部20を確実に変位させたこと認識できる。その結果、変位部20を繰り返し変位させることによる楽しさと心地よい体感が一層向上し、使用者に刺激具1を繰り返し使用することをさらに促すことができる。
本例では、保持部20には、脚部22をコア10の外方Z1に向けて付勢する付勢部材(皿バネ24)が備えられている。これにより、付勢部材24による付勢力を受けてコア10の内方Z2に変位した変位部20は、押圧が解除されることによって、確実に復位されることとなる。その結果、使用者は繰り返し使用する際に変位した変位部20を復位させる手間がかからないため、使い勝手が良い。また、繰り返し使用する際の使用感が向上する。
本例の付勢部材24は弾性体からなっている。これにより、弾性体の弾性力により付勢部材24の付勢力を簡易な構成で容易に得ることができるため、構成の簡略化を図ることができる。そして、本例では、付勢部材は弾性体である皿バネ24からなる。これにより、付勢部材としての皿バネ24を安価な材料で形成することができ、コスト面で有利となる。また、簡易な構成とすることができるため、刺激具1の組み立て作業性が向上する。
なお、本例では、付勢部材として皿バネ24を使用したがこれに限らず、板バネ、コイルばね、つる巻ばね、ゴムなどの弾性体を用いることができる。また、弾性体以外にも、変位部20を図5に示す初期姿勢を維持する方向に付勢することが可能であれば、付勢部材として使用してもよい。
本例では、上記クリック音は、変位部20を変位させて皿バネ24を反転変形させたときに生じる皿バネ24の変形音からなる。これにより、付勢部材である皿バネ24によってクリック音を発生させることができるため、クリック音を得るために別途部材を用意する必要がなく、構成の簡略化を図ることができる。
なお、変形例として、別部材として備えられるクリック音発生手段により上記クリック音を発生させてもよい。クリック音発生手段としては、特に限定されず、種々の構成を採用できる。例えば、クリック音発生手段として、図5に示す第2筒状部材232は内底部233と、付勢部材(皿バネ24)との間に金属板を介在させるとともに、図6に示すように、皿バネ24が反転変形したときに、皿バネ24の中央部24aが当該金属板に衝突するように構成したものを採用することができる。この場合には、中央部24aが当該金属板に衝突することにより生じる衝突音をクリック音として利用することができる。
本例では、変位部20は、コア10の外表14からコア10の外方Z1へ突出している。そして、変位部20の頭部21における外側表面21aは、外表14における凹部15が形成されていない部分よりも、コア10の外方Z1に位置している。コア10の外表14における凹部15が形成されていない部分と変位部20の外側表面21aとが面一となるように構成した場合や、変位部20の外側表面21aが外表14における凹部15が形成されていない部分よりもコア10の内方Z2に位置するように構成した場合には、使用者が当該刺激具を掌握したときに、掌や指が外側表面21aのみならず、外表14における凹部15が形成されていない部分にも触れることとなるため、変位部20を押圧する際の体感が低下する。また、使用者が当該刺激具を掌握したときに、掌や指が外側表面21aと外表14における凹部15が形成されていない部分に触れるため、繰り返し連続的に使用すると当該刺激具と掌との間に熱がこもることにより、掌や指に汗をかきやすくなる。これによっても使用者の体感を低下させる。しかし、本例では、上述のごとく構成することにより、使用者が刺激具1を掌握したときに、掌や指を外表14における凹部15が形成されていない部分に触れさせることなく、変位部20を確実に当接させることができるため、変位部20を押圧する際の体感が一層向上する。また、使用者が刺激具1を掌握したときに掌や指が外表14における凹部15が形成されていない部分に触れず、掌や指と外表14における凹部15が形成されていない部分との間の空間が維持されるため、繰り返し連続的に使用しても刺激具1と掌との間に熱がこもりにくい。その結果、掌や指に汗をかくことが抑制されるため、使用者に繰り返し連続的に使用することを一層促すことができる。
本例では、コア10の外形は球状となっている。これにより、使用者が刺激具1全体を掌握しやすくなり、使用感が向上する。また、本例では、刺激具1の外表(変位部20の外側表面21a)は、直径57.4mmの球面に沿って形成されている。そして、押圧された状態では、最小で直径57.0mmとなる。そのため、刺激具1は掌に収まりのいい形状に形成されているため、使用感が一層向上する。また、繰り返し連続的に使用しても過度に疲れることが抑制されるため、使用者に繰り返し連続的に使用することを一層促すことができる。
なお、コア10の外形を、直線状又は湾曲状の棒形状にしてもよい。例えば、コア10を把持可能なハンドル状に形成することができる。この場合にも、刺激具1を掌握しやすくなるため、使用感が向上する。
また、刺激具1の重量は90g〜130gとすることができ、更には105g〜110gが好ましく、本例では105gである。これにより、使用者に適度な重さを感じさせて高級感を与えることができるとともに、過剰に重くなることが防止されて、繰り返し連続的に使用する場合でも使用者に過度な負担を課すことが防止される。
頭部21の材質は、真鍮、鉄、アルミなどの金属、ABS樹脂、PC樹脂などの合成樹脂、セラミックス、木材、石などを採用することができる。中でも金属製であることが好ましく、本例では真鍮製としている。頭部21を金属製とすることにより、頭部21が適度な重量を有することとなるため、頭部21を押圧する際に使用者に適度な重量感を与えて、高級感を高めることができる。また、一般的に金属は樹脂等に比べて熱伝導性が高いため、掌や指の熱が頭部21に伝播されやすいことから、掌や指の熱によって頭部21が容易に温められることとなる。そして、頭部21が温められた状態で繰り返し使用することにより、掌や指の血行を促進することができる。
本例では、変位部20は、図2に示すように、刺激具1の各領域A1〜A5の上面側から下面側に向かって、3個、8個、10個、8個、3個の順で合計32個配設されている。そして、各領域A1〜A5間において、変位部20は等間隔に配列していない。これにより、刺激具1を握る位置によって、肌に当接する変位部20の位置が変化することとなる。その結果、掌や指への刺激効果を高めることができる。また、刺激具1を握る位置を適宜変えつつ使用することにより、飽きることなく繰り返し使用することができる。その結果、繰り返し使用することによる楽しさと心地よい体感を一層向上させて、使用者に繰り返し連続的に使用することを促すことができる。
また、本例の変位部20の脚部22及び保持部23の代わりに、タクトスイッチやシーソー型スイッチなどのスイッチ機構を採用することができる。例えば、図8に示す変形例では、脚部22及び保持部23の代わりに、タクトスイッチ25を使用することができる。タクトスイッチ25として、皿バネなどの反転板を備えるメカニカル接点タイプ(反転型金属接点タイプ)であるタクティルプッシュスイッチを採用することができ、例えば、アルプス電気株式会社製のSKHHシリーズ(SKHHAL、SKHHAQ、SKHHCQ、SKHHCR)を採用することができる。タクトスイッチ25は、脚部としてのプランジャ252、保持部としてのケース253、付勢部材として皿バネ24を備える。この場合も、本例の場合と同様に、頭部21がコア10の内方Z2側に押圧されることにより、頭部21とともにプランジャ252が内方Z2に変位する。これにより、プランジャ252の内方Z2側の先端部が皿バネ24を押圧して、皿バネ24を反転変形させ、クリック感及びクリック音を呈する。
なお、タクトスイッチ25には接続端子254が備えられるが、本変形例では、他の部材とは電気的には接続されていない。したがって、プランジャ252を押圧しても、タクトスイッチ25の接点255は何ら電気的に接続されるものではない。なお、両者を電気的に接続する場合は、タクトスイッチ25を温熱や通電、音等の機能を制御するスイッチとして用いても良い。
また、上記タクトスイッチ25に替えて、皿バネとアクチュエータとを備え、頭部の押下によりアクチュエータを介して皿バネが押圧されるアクチュエータ方式メカニカル接点タイプのタクトスイッチを使用してもよい。また、付勢部材として、金属板からなる皿バネ24に替えて、ゴム製材料からなるカップ状部材を備えるエラスティック接点タイプのタクトスイッチを使用してもよい。
また、タクトスイッチに替えて、シーソー型のスイッチを使用してもよい。また、本例では、変位部20の変位方向は、コア10の内方Z2及び外方Z1としたが、これに限らない。例えば、変位部20がコア10の周方向Rに変位することに伴ってクリック感を発生させるように構成してもよい。
本例では、変位部20の接続軸26の一端のみに頭部21が接続されていることとしたが、これに替えて、図9に示すように、棒状の接続軸26の一端に頭部211が設けられ、他端に頭部212が設けられていてもよい。なお、この変形例ではコア10は筒状に形成されている。そして、接続軸26は、コア10の長手方向に直交する方向にコア10を貫通している。接続軸26の軸L方向の中間部には、断面三角形状に突出したリブ261が形成されている。そして、接続軸26は、コア10に嵌装されたブッシュ状の保持部27に挿通されている。保持部27のコア10内方の端部には付勢部材としての板バネ28が設けられている。板バネ28の先端はクランク状に屈曲されてクランク部281が形成されており、当該クランク部281が接続軸26の周面を付勢している。図9に示す状態では、リブ261はクランク部281よりも頭部211に近い側に位置している。
紙面上側の頭部211が紙面下側に押圧されると、接続軸26が下方に移動するのに伴って、リブ261が板バネ28のクランク部281を押し上げる。そして、さらに接続軸26が下方に移動すると、リブ261は下方に向かってクランク部281を潜り抜ける。クランク部281は接続軸26の周面を付勢しているため、頭部211が紙面下側に変位して、リブ261がクランク部281を潜り抜けたときに、クリック感が得られることとなる。
その後、頭部212が紙面上側に押圧されると、リブ261は板バネ28のクランク部281を再度押し上げ、リブ261は上方に向かってクランク部281を潜り抜ける。これにより、頭部212が紙面上側に変位して、リブ261がクランク部281を潜り抜けたときに、クリック感が得られることとなる。
また、図9に示す付勢部材としての板バネ28に替えて、スプリング及びスチールボールを備えるスライドスイッチの構成を採用してもよい。この場合には、接続軸26の側面に窪みを形成するとともに、スプリングがスチールボールを接続軸26の側面に付勢している。そして、頭部211が紙面下側に押圧されて接続軸26が下方に移動するのに伴って、接続軸26の側面に付勢されていたスチールボールが上記窪みに嵌りこむことにより、クリック感が得られる。また、接続軸26が上方に移動するのに伴って、上記窪みに嵌り込んでいたスチールボールがスプリングの付勢力に抗して上記窪みから這い上がることによってもクリック感が得られる。
以上のごとく、本例によれば、使用者に楽しさと心地よい体感をもたらして、使用者に繰り返し使用することを促すことができる刺激具1を提供することができる。
(脳波試験)
実施例1の刺激具1による脳の活性化について、以下の試験を行った。
刺激具1の使用前及び使用後における使用者の脳波を計測し、使用前後における脳波を比較した。まず、ドライ電極式脳波計(Intercross社製、ミニチュアDAQターミナルIntercross-410)を、閉眼、座位の状態における使用者の頭頂部に取り付けて、刺激具1の使用前及び使用後のそれぞれにおいて脳波を計測した。そして、得られた脳波の周波数を分析して、α波(周波数8〜13Hz)とβ波(周波数13〜30Hz)を抽出した。その後、β波に対するα波の強度比(α/β×100)をα波の出現率(%)として算出した。被験者は41歳〜50歳の男女の合計10人とし、全被験者のα波出現率(%)の平均値を図10に示した。
なお、α波は、安静、覚醒した状態(精神的活動が低下した状態)においてより多く観察され、視覚刺激時、運動時、暗算などの精神活動時、緊張時、睡眠時には減少することが知られている。また、β波は、能動的で活発な思考や集中時に観察されることが知られている。
図10に示すように、刺激具1の使用前における平均α波出現率(%)は約20.5%であったのに対して、刺激具1の使用後における平均α波出現率(%)は約31.0%であった。すなわち、刺激具1の使用により、平均α波出現率(%)が約10.5%上昇したことが確認された。また、図示しないが、上記被験者の中には、刺激具1の使用後におけるα波出現率(%)が使用前のα波出現率(%)に比べて30%以上も高いものも含まれていた。
本試験により、刺激具1の使用により、α波出現率(%)が効果的に上昇することが確認できた。したがって、視覚刺激を受けたとき、運動後、暗算などの精神活動後に刺激具1を使用することにより早期に脳を安静状態にしたり、体や精神が緊張したときに刺激具1を使用することにより緊張を解いたり、眠気を感じたときに刺激具1を使用することにより早期に覚醒した状態にしたりすることができる。
(血流試験)
実施例1の刺激具1による手指の血行促進について、以下の試験を行った。
刺激具1の使用前及び所定時間使用後における使用者の手指の血流量を測定し、使用前後における当該血流量を比較した。手指の血流量の測定は、レーザースペックル血流画像化装置(Moor Instrument社製、MoorFLPI)により行った。まず、被験者を室温26〜28℃に保った測定室内に30分間順化させた。その後、刺激具1を使用する前の状態における手指の血流量を2分間測定し、1分間当たりの血流量(AU)を算出した。次に、被験者に刺激具1を2分間使用させた後、同様に1分間当たりの手指の血流量(AU)を算出した。被験者は41歳女性、45歳女性、48歳男性、50歳女性の合計4人とし、各被験者における使用前後の血流量をそれぞれ図11に示した。
図11に示すように、上記被験者の全てにおいて、刺激具1の使用後における手指の血流量(AU)は、使用前よりも高い値を示していた。これにより、刺激具1を使用することにより、使用者の手指の血行を促進する効果を奏することが確認できた。