JP2016001060A - 複列ローラ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】
内外輪とローラとの圧接力の変化に起因した摩擦力の増大を抑えて外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができ、更には小型化に適すると共に汎用性に富んだ複列ローラ軸受を提供する。
【解決手段】
内輪2、外輪1、内外輪間に配置される複数のローラ3a,3bからなり、前記内輪の外周面には周方向に沿って連続する一対の側方突出部12が回転軸方向に間隔をおいて形成され、外輪の内周面には周方向に沿って連続する中間突出部22が前記側方突出部の間に位置するように形成され、これら一対の側方突出部及び前記中間突出部により外輪と内輪との間に一対のローラ転走路が区画される。各ローラ転走路内には自転軸が前記外輪及び内輪の回転軸と垂直な第一ローラ3aと、前記第一ローラ3aと同一形状を有すると共に自転軸が前記回転軸と平行な第二ローラ3bとが混在して配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各種工作機械等の旋回部分に使用され、内輪と外輪との間にローラの転走路が複列で形成された複列ローラ軸受に関する。
内輪及び外輪の回転軸に平行な方向から作用するアキシアル荷重及び前記回転軸に直交する方向から作用するラジアル荷重の双方を負荷できるローラ軸受としては、特許文献1に開示されるものが知られている。このローラ軸受では、外輪と内輪との間に周方向に沿ってローラの転走路が形成されており、前記内輪と外輪の相対的な回転運動に伴い、前記ローラが転走路内を自転しながら公転するように構成されている。
そして、特許文献1の図5に示されているローラ軸受では、外輪の内周面に断面V字状の軌道溝が二条形成される一方、内輪の外周面にも断面V字状の軌道溝が二条形成されており、これらの軌道溝が互いに対向することにより前記転走路が外輪と内輪との間に一対形成されるようになっている。各転走路に配列されたローラの自転軸は内輪及び外輪の回転軸に対して45度の角度で傾斜しており、また、一方の転走路に配列されたローラの自転軸と他方の転走路に配列されたローラの自転軸は互いに直交している。これにより、転走路内に配列された個々のローラがアキシアル荷重及びラジアル荷重の双方を負荷できるようになっている。
しかし、このような特許文献1の図5記載のローラ軸受では、前記ローラの自転軸が内輪及び外輪の回転軸に対して傾斜しているため、ローラが外輪と内輪の間で転動する上で差動滑りを伴う。このため、ローラ軸受の使用によりローラと各軌道溝との間で摩擦熱が発生し、前記外輪及び内輪が熱膨張してしまう。ここで、外輪及び内輪は環状に形成されているため、これら外輪及び内輪は熱膨張によりその径が増大する。これは外輪及び内輪の径が大きいほど顕著となる。尚、外輪及び内輪の厚みも熱膨張により増大するが、これら外輪及び内輪の厚さはその周長に比べて短いため、径の増大に比べてその増大は極めて小さい。
このようなローラ軸受では前記外輪の外周面が機械装置等のハウジングに覆われる一方、内輪が回転軸に固定されて使用されることが多い。かかる場合、外輪は半径方向の変形がハウジングにより抑えられる一方、内輪は半径方向の変位が抑制された外輪に向けて熱膨張してしまう。その結果外輪及び内輪とローラとの圧接力が増大し、これによりローラと外輪及び内輪との間で発生する摩擦熱が増大してしまう。その結果前記内輪及び外輪の更なる熱膨張を招き、外輪及び内輪とローラとの圧接力が過度に増大するといった悪循環に陥り、もって前記内輪及び外輪の円滑な回転運動が阻害されてしまうとの課題があった。
一方、特許文献1の図2記載のローラ軸受では、各ローラの自転軸が外輪及び内輪の回転軸に対して傾斜しておらず、アキシアル荷重のみを負荷するローラが配列された転走路及びラジアル荷重のみを負荷するローラが配列された転走路が夫々別に設けられている。
しかし、このような構成からなるローラ軸受の場合、前記内輪に対する外輪の分離を防止するため、アキシアル荷重のみを負荷するローラが配列された転走路を二列設ける必要がある。その結果ローラの転走路が三列となり、外輪の厚みを大きく設定しなければならず、複列ローラ軸受の小型化には不適切であった。また、アキシアル荷重のみを負荷するローラが配列された転走路が二列設けられていることから、主としてアキシアル荷重の負荷を用途としており、その分汎用性に富んでいるとは言い難い。
特表2008−542650号公報
本発明はこのような課題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、外輪及び内輪とローラとの圧接力の変化に起因した摩擦力の増大を抑えることができ、もって外輪及び内輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができ、更には小型化に適すると共に汎用性に富んだ複列ローラ軸受を提供することにある。
すなわち、内輪、外輪、内外輪間に配置される複数のローラからなり、前記外輪の内周面又は内輪の外周面の一方には周方向に沿って連続する一対の側方突出部が前記内輪又は外輪の回転軸方向に間隔をおいて形成され、外輪の内周面又は内輪の外周面の他方には周方向に沿って連続する中間突出部が前記側方突出部の間に位置するように形成され、これら一対の側方突出部及び前記中間突出部により外輪と内輪との間に一対のローラ転走路が区画される。また、 前記中間突出部の両側面及びこれらと向き合う各側方突出部の内側面には、第一の転走面が前記外輪及び内輪の回転軸と垂直に設けられる一方、前記外輪の内周面及び内輪の外周面には、第二の転走面が前記第一の転走面と交差し、且つ、前記回転軸と平行に設けられ、 これら第一の転走面及び第二転走面により、前記外輪及び内輪のそれぞれには互いに対向して前記ローラ転走路を構成する断面L字状の軌道溝が形成される。そして、各ローラ転走路内には前記第一の転走面上を転動するローラと、前記第二の転走面上を転動するローラと、が混在して配置される。
本発明では、第二の転走面が前記内輪及び外輪の回転軸に平行に設けられているため、内外輪の熱膨張により第二の転走面とこの第二の転走面上を転動するローラとの圧接力が増大したとしても、かかるローラは差動滑りを伴わない。このため、当該ローラと第二の転走面との間で発生する摩擦熱は少ない。その一方で、第一の転走面は内輪及び外輪の回転軸と垂直に設けられているため、前記内輪及び外輪が膨張したとしても、第一の転走面とこの第一の転走面上を転動するローラとの圧接力に変化はなく、当該ローラと第一の転走面との間で発生する摩擦熱の増加は少ない。その結果内輪及び外輪の高温化を防止でき、もって内輪及び外輪の相対的な回転運動の円滑化を図ることができる。
本発明を適用した複列ローラ軸受の第一実施形態を示す斜視図である。 外輪及び内輪を半径方向に沿って切断した断面図である。 図1に示す複列ローラ軸受が備えるローラ転走路の断面図である。 本発明を適用した複列ローラ軸受の第二実施形態を示す要部断面図である。 本発明を適用した複列ローラ軸受の第三実施形態を示す要部断面図である。 本発明を適用した複列ローラ軸受の第四実施形態を示す要部断面図である。 本発明を適用した複列ローラ軸受を外輪回転、内輪固定で使用する場合の取付け構造の一例を示す断面図である。 本発明を適用した複列ローラ軸受を内輪回転、外輪固定で使用する場合の取付け構造の一例を示す断面図である。
図1及び図2は本発明を適用した複列ローラ軸受の第一実施形態を示す斜視図及び断面図である。この複列ローラ軸受は、外輪1と、内輪2と、これら外輪1と内輪2との間に二列で配列された多数のローラ3とから構成され、前記ローラ3の転動によって外輪1と内輪2が相対的に回転自在となるよう組み合わされている。尚、図1では、複列ローラ軸受の内部構造を理解しやすくするため、外輪1の一部を切り欠いて描いている。
前記外輪1にはこれを回転軸O方向へ貫通するボルト取付け孔10が形成されている。このボルト取付け孔10は外輪1の周方向に沿って等間隔で複数形成されており、前記外輪1を機械装置等のハウジングに固定する際に利用される。
また、前記内輪2と対向する外輪1の内周面11には、回転軸O方向に間隔をおいて一対の側方突出部12が設けられている。各側方突出部12は外輪1の周方向に沿って設けられている。これら一対の側方突出部12の間には前記ローラ3が転動する外側軌道溝13が回転軸O方向に間隔をおいて一対形成されている。各外側軌道溝13は外輪1の周方向に沿って形成されている。また、各外側軌道溝13は、各側方突出部12の内側面に形成された第一転走面14と、この第一転走面14と直交すると共に前記外輪1の内周面11に形成された第二転走面15と、から構成されており、外輪1の回転軸O方向に沿った断面形状がL字状になっている。各第一転走面14は外輪1の回転軸Oに対して垂直に設けられると共に外輪1の周方向に沿って形成されている。一方、各第二転走面15は、各第一転走面14と90°の角度で交わっており、前記外輪1の回転軸Oと平行に形成されている。また、各第二転走面15は第一転走面14と同様に外輪1の周方向に沿って形成されている。
このように構成された外輪1は当該外輪1の回転軸Oと垂直な平面内で分割されており、環状の第一半体1Aと第二半体1Bとから構成されている。これら第一半体1Aと第二半体1Bの分割面は一対の第二転走面15の間に設けられており、第一半体1Aと第二半体1Bは同一形状に形成されている。そして、これら第一半体1Aと第二半体1Bを固定ボルト16によって向い合せに組み付けることで外輪1が完成する。
一方、内輪2には回転軸O方向へ貫通するようにしてボルト取付孔20が形成されている。また、前記内輪2の外周面21には中間突出部22が一条形成されている。この中間突出部22は内輪2の周方向に沿って形成されている。また、この中間突出部22は前記外輪1に形成された一対の側方突出部12間に収容され、当該中間突出部22の両側面は前記第一転走面14が形成された各側方突出部12の内側面と向き合っている。更に、この中間突出部22の回転軸Oに沿った厚さL2は前記外輪1に設けられた各側方突出部12の回転軸Oに沿った厚さL1と略同一に形成されている。また、この内輪2の外周面21には前記中間突出部22を挟んで一対の内側軌道溝23が形成されている。各内側軌道溝23は内輪2の周方向に沿って形成されており、前記外輪1の各外側軌道溝13に対向している。
各内側軌道溝23は、前記中間突出部22の両側面に形成された第一転走面24と、この第一転走面24と90°で交わると共に前記内輪2の外周面21に形成された第二転走面25と、から構成されており、内輪2の回転軸O方向に沿った断面形状がL字状をなしている。各第一転走面24は互いに相反する方向に向いており、内輪2の回転軸Oと垂直に設けられている。そして、前記ローラ3を介して外輪1及び内輪2が組み付けられた状態では、各第一転走面24が外輪1の各第一転走面14に対向するようになっている。
また、前記第二転走面25は前記中間突出部22を挟むようにして形成されており、内輪2の回転軸Oと平行に形成されている。そして、前記ローラ3を介して外輪1及び内輪2が組み付けられた状態では、各第二転走面25が前記外輪1の各第二転走面15に対向するようになっている。
このような内輪2の各内側軌道溝23と外輪1の各外側軌道溝13は互いに対向して前記ローラ3が転動するローラ転走路30を形成している。前記外輪1及び内輪2には外側軌道溝13及び内側軌道溝23が二条ずつ形成されていることから、前記外輪1と内輪2との間には二列のローラ転走路30が形成されている。また、前記外側軌道溝13及び内側軌道溝23は外輪1及び内輪2の周方向に沿って形成されていることから、各ローラ転走路30は回転軸Oを中心とした環状に形成されている。
図3は前記ローラ転走路30の周方向と垂直な断面図である。この図3に示すように、前記ローラ転走路30を形成する各第一転走面14,24及び各第二転走面15,25を延長した交点をP1,P2,P3,P4とした場合、隣接する交点同士を結ぶ四つの仮想線Lは夫々の長さが同一であり、前記ローラ転走路30の周方向と垂直な断面形状が正方形となるようになっている。
このように構成されたローラ転走路30には前記ローラ3が複数配列されており、外輪1と内輪2とが相対的に回転すると、前記ローラ転走路30内を自転しながら公転する。各ローラ転走路30には、外輪1の第一転走面14及び内輪2の第一転走面24の間で荷重を負荷しながら転動する第一ローラ3aと、外輪1の第二転走面15及び内輪2の第二転走面25の間で荷重を負荷しながら転動する第二ローラ3bと、が配列されている。各ローラ転走路30における第一ローラ3a及び第二ローラ3bの配列割合については後に詳述する。
前記外輪1の第一転走面14及び内輪2の第一転走面24は内外輪の回転軸Oと垂直に設けられていることから、前記第一ローラ3aの自転軸M1は前記回転軸Oと直交している。このため、前記第一ローラ3aは前記回転軸Oに平行な方向から作用するアキシアル荷重を負荷する。その一方で、前記外輪1の第二転走面15及び内輪2の第二転走面25は内外輪の回転軸Oと平行に形成されていることから、前記第二ローラ3bの自転軸M2は前記回転軸Oと平行している。このため、前記第二ローラ3bは前記回転軸Oに直交する方向から作用するラジアル荷重を負荷する。
これら第一ローラ3a及び第二ローラ3bは同一の形状からなり、その自転軸方向長さがローラ直径よりも小さく設定されている。このため、図2に示すように、第一ローラ3aはその自転軸方向両端面が外輪1の第二転走面15及び前記内輪2の第二転走面25と僅かな隙間を介して対向している。その一方で、第二ローラ3bはその自転軸方向両端面が外輪1の第一転走面14及び前記内輪2の第一転走面24と僅かな隙間を介して対向している。
そして、この第一実施形態に係る複列ローラ軸受では、図1に示すように、各ローラ転走路30内に第一ローラ3aと第二ローラ3bが混在して配置されている。各ローラ転走路30に対する第一ローラ3aの収容個数は第二ローラ3bのそれよりも大きく設定されており、具体的には2:1の割合で第一ローラ3aと第二ローラ3bが各ローラ転走路内に組み込まれている。
各ローラ転走路30における第一ローラ3a及び第二ローラ3bの配列割合は複列ローラ軸受に作用する荷重に応じて適宜変更することができ、例えばラジアル荷重に比べてアキシアル荷重がより作用するような使用環境下では、前記第一ローラ3aの収容比率を第二ローラ3bのそれよりも大きく設定することが好ましい。また、図1では、いずれのローラ転走路30においても第二ローラ3b及び第一ローラ3aの配列割合が同一となっているが、ローラ転走路ごとにその配列割合を異ならせても差し支えない。
尚、図1内の符号31は、ローラ同士の接触を防止するためのスペーサを指しており、このスペーサは互いに隣接するローラ3とローラ3との間に設けられる。当該スペーサ31は必須の構成ではなく、省略しても差し支えない。また、図1及び図2は図示されていないが、各ローラ転走路30内におけるローラ3の円滑な転動を実現するため、各ローラ転走路内に潤滑剤を供給する潤滑剤経路が外輪1又は内輪2に設けられている。
以上のように、本発明を適用した複列ローラ軸受は、外輪及び内輪のいずれか一方を機械装置等の固定ハウジングに固定し、他方を回転軸Oを有する回転部材に固定して使用する。この場合、内輪と外輪との間に相対的な回転運動が生じると、各ローラ3が各軌道溝13,23を転走して摩擦熱が発生するため、前記外輪1及び内輪2の温度は上昇することになり、温度上昇に応じた熱膨張が外輪1及び内輪2に生じることになる。このとき、前記内輪1はその周長に比べて厚みが著しく小さいため、当該内輪2の厚みの増加は外径の増加に比べて極めて小さい。
このため、本発明に係る複列ローラ軸受では、前記内輪2の温度が上昇すると、前記回転軸Oと平行に設けられた第二転走面25が内輪2の半径方向の外側(図2内の矢線A方向)に向けて変位する。一方、前記回転軸Oと垂直に設けられた第一転走面24は回転軸O方向(図2の矢線B方向)へ変位はするものの、その変位量は第二転走面25の変位に比べれば極僅かである。
前述したように、前記第二ローラ3bは外輪1の第二転走面15と内輪2の第二転走面25との間で荷重しながら転動しており、これら第二転走面15,25は内輪2及び外輪1の回転軸Oと平行に形成されているので、第二ローラ3bはこれら転走面15,25を転走する際に差動滑りを伴わない。このため、第二転走面25の変位に起因して第二ローラ3bと第二転走面15,25との圧接力が増大したとしても、当該第二ローラ3bと第二転走面15,25との間で発生する摩擦熱の増加は少ない。その一方で、前記第一ローラ3aは差動滑りを伴いながら外輪1の第一転走面14と内輪2の第一転走面24との間を転走しているが、前述したように、内輪2の温度上昇に伴う前記第一転走面24の変位は極僅かなので、第一転走面14,24と第一ローラ3aとの圧接力の変化は微小であり、これら第一転走面14,24と第一ローラ3aの間でも摩擦熱が著しく増大することはない。
すなわち、本実施形態に係る複列ローラ軸受によれば、外輪と内輪との相対的な回転に伴って当該内輪2が熱膨張したとしても、かかる熱膨張に起因して内輪2及び外輪1と各ローラ3a、3bとの間に更なる摩擦熱が発生するのを抑えることができる。その結果、内輪2及び外輪1の更なる熱膨張を防ぐことができ、もって前記ローラ転走路30内におけるローラ3の円滑な転動、ひいては外輪1及び内輪2の相対的な回転運動の円滑化を図ることが可能となる。この作用効果は、内輪2の内周面に前記ハウジングを固定する一方、外輪1を回転軸Oに固定して使用したとしても発揮される。
また、前記第二ローラ3bはその自転軸方向長さがローラ直径よりも小さく設定されており、第二ローラ3bの自転軸M2方向端面は内輪2の第一転走面24及び外輪1の第一転走面14と僅かな隙間を介して対向しているため、仮に内輪2の熱膨張に起因して前記第一転走面24が内輪2の回転軸O方向に沿って変位したとしても、前記第一転走面14,24と第二ローラ3bとの圧接力が過度に増大するのを防ぐことが可能となる。一方で、第一ローラ3aの自転軸M1方向端面は内輪2の第二転走面25及び外輪1の第一外転走面14と僅かな隙間を介して対向しているため、内輪2の熱膨張により前記第二転走面25が内輪2の半径方向に変位したとしても、前記第二転走面15,25と第一ローラ3aとの圧接力が過度に増大するのを防ぐことが可能となる。また、各軌道溝13,23と各ローラ3a,3bとの間に隙間が形成されている分、これらの隙間に潤滑剤が流れ込むため、各ローラ転走路30内を適切に潤滑することが可能となる。
更に、本発明が適用された複列ローラ軸受では、アキシアル荷重を負荷する第一ローラ3aとラジアル荷重を負荷する第二ローラ3bが各ローラ転走路30に混在して配置されている。このため、アキシアル荷重を負荷するローラのみが配列されたローラ転走路及びラジアル荷重を負荷するローラのみが配列されたローラ転走路を別に設けた従来の複列ローラ軸受に比べ、外輪1及び内輪2の厚さを薄くすることができ、その分複列ローラ軸受全体の小型化を達成することができる。
また更に、本発明を適用した複列ローラ軸受では、各ローラ転走路30内に第一ローラ3aと第二ローラ3bが混在して配置されており、各ローラ転走路30内における第一ローラ3aと第二ローラ3bの配列割合を適宜変更することで使用環境に応じた複列ローラ軸受を構成することができ、その分従来のローラ軸受に比べ、汎用性に富んでいる。
また、前述の第一実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記外輪1の各側方突出部12に第一転走面14が形成される一方、前記内輪2の中間突出部22に第一転走面24が形成されており、各側方突出部12及び中間突出部22に対してアキシアル荷重が作用するようになっているが、本実施形態に係る複列ローラ軸受では前記中間突出部22の厚さL2が各側方突出部12の厚さL1と略同一に形成されているため、複列ローラ軸受全体として高い剛性が確保されており、各側方突出部12及び中間突出部22の破損を防ぐことが可能である。
更に、第一実施形態に係る複列ローラ軸受では、前記外輪1が第一半体1Aと第二半体1Bに分割され、且つ、これら半体1A,1Bが互いに同一形状をなしている。つまり、外輪1においては部品の共通化が図られており、更には固定ボルト16で一対の半体1A,1Bを組み付けるだけで外輪1が完成し、組立の容易化が図られている。
尚、本実施形態に係る複列ローラ軸受では、外輪1が第一半体1A及び第二半体1Bから構成されているが、外輪1は一対の半体1A,1Bに分割された構成でなくともよく、環状に一体成形されていても差し支えない。かかる場合には、外輪1に対して半径方向に沿った貫通孔を形成し、この貫通孔から各ローラ転走路に対してローラ3を挿入する構成が考えられる。
図4は本発明を適用した複列ローラ軸受の第二実施形態を示すものであり、前述の第一実施形態の図2と同様、外輪及び内輪の半径方向に沿った断面図である。
前述の第一実施形態では、外輪1の内周面に一対の側方突出部12が形成される一方、内輪2の外周面に中間突出部22が形成されていたが、この第二実施形態ではその関係が逆さまになっている。すなわち、内輪2の外周面に一対の側方突出部27が形成され、これら側方突出部27の間に位置する中間突出部17が外輪1の内周面に形成されている。
内輪2に設けられた一対の側方突出部27の間には、回転軸方向に間隔をおいて一対の内側軌道溝28が形成されている。各内側軌道溝28は、各側方突出部27の内側面に形成された第一転走面28aと、この第一転走面28aと直交すると共に前記内輪2の外周面に形成された第二転走面28bと、から構成されている。各第一転走面28aは内輪2の回転軸に対して垂直に設けられる一方、各第二転走面28bは前記第一転走面28aと90°の角度で交わっており、これら第一転走面28a及び第二転走面28bから構成される前記内側軌道溝28はその断面が略L字状をなしている。また、かかる内側軌道溝28は内輪2を取り囲むようにその周方向に沿って形成されている。
前記内輪2は当該内輪の回転軸と垂直な平面内で二分割されており、環状の第一半体2Aと第二半体2Bとから構成されている。これら第一半体2Aと第二半体2Bの分割面は一対の第二転走面15の間に設けられており、第一半体2A及び第二半体2Bのそれぞれに対して前記内側軌道溝28が形成されている。そして、同一形状に形成された第一半体2Aと第二半体2Bを向い合せに組み付けることで内輪2が完成する。
一方、外輪1に設けられた中間突出部17は前記内輪2に形成された一対の側方突出部27間に収容され、二列のローラ転走路30を区画している。この外輪1の内周面には前記中間突出部17を挟んで一対の外側軌道溝18が形成されており、各外側軌道溝18は前記内輪2の内側軌道溝28に対向している。
各外側軌道溝18は、前記中間突出部17の側面に形成された第一転走面18aと、この第一転走面18aと90°で交わる第二転走面18bと、から構成されている。また、前記中間突出部17の両側面に位置する一対の第一転走面18aは互いに相反する方向に向いており、外輪1の回転軸と垂直に設けられている。第二転走面18bは前記回転軸と平行に設けられて、前記第一転走面18aと90°の角度で交わっており、これら第一転走面18a及び第二転走面18bから構成される前記外側軌道溝18はその断面が略L字状をなしている。そして、前記ローラ3を介して外輪1及び内輪2が組み付けられた状態では、外輪1側の第一転走面18aが内輪2側の第一転走面28aに対向し、それによって内輪2と外輪1との間に二列のローラ転走路30が形成されている。
そして、この第二実施形態の複列ローラ軸受においても、アキシアル荷重を負荷する第一ローラ3aとラジアル荷重を負荷する第二ローラ3bが各ローラ転走路30に混在して配置されている。すなわち、第一ローラ3aは内輪2の側方突出部27に形成された第一転走面28aと外輪1の中間突出部18に形成された第一転走面18aとの間でアキシアル荷重のみを負荷する一方、第二ローラ3bは内輪2の外周面に形成された第二転走面28bと外輪1の内周面に形成された第二転走面18bとの間でラジアル荷重のみを負荷する。
第一実施形態で説明したように、この種の複列ローラ軸受は外輪1及び内輪2のいずれか一方を固定ハウジングに、他方を回転部材に装着して使用するが、一般的には固定ハウジングの方が回転部材に比べて質量が大きく、その分だけ熱容量が大きい。このため、ローラ3a,3bの転動に起因する摩擦熱が外輪1及び内輪2の双方に等しく流入したとしても、外輪1を固定し、内輪2を回転させて使用する場合、外輪1に比べて内輪2に熱が蓄積され易く、内輪2の温度上昇は外輪1に比べて大きくなる傾向にある。また、内輪2は外輪1に比べて内径が小さく、その分だけ自身の熱容量が小さく且つ放熱面積も狭いことから、内輪2の方が外輪1に比べて高温になり易い。
前述の第一実施形態においては、温度上昇に伴う内輪2の厚みの増加は僅かであると説明した。しかし、内輪2を回転部材に装着して使用する場合は、当該内輪2の温度上昇が顕著になる可能性があり、これに伴う内輪2の厚みの増加も考慮する必要がある。従って、本発明の複列ローラ軸受を使用するにあたり、前記内輪2を回転部材に装着して使用するのであれば、図4に示すように、一対の側方突出部27は内輪2に形成し、外輪1には中間突出部17を形成するのが好ましい。前記内輪2の温度上昇が外輪1のそれに比べて大きい場合、このように内輪2に対して一対の側方突出部27を形成すれば、熱膨張によってこれら側方突出部27の間隔が広がる量は、外輪1に形成した中間突出部17の厚みが増加する量よりも大きくなる。このため、ローラ3a,3bの転動に伴う摩擦熱によって内輪が熱膨張したとしても、差動滑りを伴いながらアキシアル荷重を負荷している第一ローラ3aと外輪1及び内輪2の第一転走面18a,28aとの圧接力が過度に増加することはなく、ローラ転走路30内におけるローラ3の円滑な転動、ひいては外輪1及び内輪2の相対的な回転運動の円滑化を図ることが可能となる。
尚、図4に示す第二実施形態の複列ローラ軸受は前記内輪2を回転部材に装着して使用する場合に好適な例を示すものではあるが、前記外輪1を回転部材に装着した場合であっても、十分に使用可能である。
図5は本発明を適用した複列ローラ軸受の第三実施形態を示すものであり、前述の第二実施形態の図4と同様、外輪1及び内輪2の半径方向に沿った断面図である。
前述の第二実施形態では前記内輪を同一形状の第一半体2A及び第二半体2Bに分割し、第一半体2A及び第二半体2Bのそれぞれに対して内側軌道溝28が形成されていた。しかし、この第三実施形態の複列ローラ軸受では、前記内輪2を本体プレート2Cと閉塞プレート2Dに分割し、前記閉塞プレート2Dは前記側方突出部27の軸方向長さと同じ厚みの円板状に形成している。従って、前記内輪2に備えられた一対の内側軌道溝28のうち、一方の内側軌道溝28は前記本体プレート2Cと閉塞プレート2Dに跨がって設けられており、第一転走面28aが閉塞プレート2Dに、第二転走面28bが本体プレート2Cに形成されている。
そして、この第三実施形態の複列ローラ軸受では、内輪2に備えられた一対の第二転走面28bのいずれもが前記本体プレート2Cの外周面に形成されているので、かかる本体プレート2Cに対して一対の第二転走面28bを同時に加工することができ、二条の内側軌道溝28を精度良く内輪2に設けることが可能である。
また、前記外輪1には当該外輪1を固定ハウジングに締結するためのボルト取付け孔10aが周方向に沿って等間隔で設けられている。かかるボルト取付け孔10aは、固定ボルトの頭部を収容する大径部10bと、固定ボルトのねじ部が貫通する小径部10cとを有している。前記大径部10bの軸方向長さは前記小径部の軸方向長さよりも大きく設定されており、それによって固定ボルトの締結に起因した波状の変形が前記外輪1に発生するのを抑えることが可能である。
前記内輪2にも周方向に沿って等間隔でボルト取付け孔20aが設けられており、かかるボルト取付け孔20aも外輪1のボルト取付け孔10aと同一の形状に形成されている。また、このボルト取付け孔の形状は第三実施形態の複列ローラ軸受に限らず、前述の第一実施形態又は第二実施形態の複列ローラ軸受にも適用可能である。
尚、この第三実施形態の複列ローラ軸受に関し、第二実施形態と共通する構成については図5中に第二実施形態と同一の符号を付し、それらの構成の詳細な説明は省略する。
次に、図6は本発明の複列ローラ軸受の第四実施形態を示すものであり、潤滑剤の供給経路の具体例を示している。尚、この第四実施形態における外輪1及び内輪2の構造は前述の第二実施形態と略同一なので、同一の構成については図6中に第二実施形態と同じ符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
この第四実施形態の複列ローラ軸受では、潤滑剤の供給孔4が前記外輪1をその半径方向に沿って貫通している。この潤滑剤の供給孔4は外輪1の直径に応じ、当該外輪1の円周上の1カ所に設けても良いし、複数個所に設けても良い。この供給孔4の先端は二列のローラ転走路30の中間、すなわち外輪1の中間突出部17の中央に開口しており、一対のローラ転走路30の間に位置する中央隙間50に連通している。
前記供給孔4と対向する内輪2の外周面には一対の潤滑剤移送面41が形成されている。この潤滑剤移送面41は前記内輪2の回転軸に対してそれぞれ異なる方向へ傾斜しており、各潤滑剤移送面41は前記内輪2を取り囲むようにその周方向に沿って形成されている。そして、一対の潤滑剤移送面41が組み合わさることで、前記中央隙間50は断面略三角形状をなしている。また、各潤滑剤移送面41の一端は内側軌道溝28に連続しており、一対の潤滑剤移送面41はその合わせ目、すなわち前記供給孔4と対向する部位が前記内側軌道溝28よりも内輪2の半径方向内側に位置している。
一方、前記内輪2の各側方突出部27と前記外輪1の内周面との間には一対の側部隙間51が存在している。これら側部隙間51は前記ローラ転走路30に隣接しており、かかるローラ転走路30を介して前記中央隙間51と繋がっている。また、前記外輪1に形成された中央突出部17は前記内輪2に形成された一対の側方突出部27の間に入り込んでいるので、前記側部隙間51は前記内輪2及び外輪1の半径方向に関して前記中央隙間50よりも外側に位置している。
前記外輪1には前記内輪2の側方突出部17と対向する位置に当該外輪1の軸方向に対して傾斜した一対の潤滑剤排出面42が形成されている。この潤滑剤排出面42は外輪1の周方向に沿って形成されている。また、前記潤滑剤排出面42の一端は前記外側軌道溝18に連続し、他端は前記外側軌道溝18よりも外輪1の半径方向外側に位置している。すなわち、前記潤滑剤排出面42と内輪2の側方突出部17との間に形成された側部隙間51は、その大きさがローラ転走路30から離れるにつれて徐々に拡大している。
例えば、前記供給孔4に対しては加圧ポンプが接続され、噴霧された潤滑油を含む加圧空気が潤滑剤として供給される。霧状の微小滴となった潤滑油は加圧空気と共に外輪1の供給孔4を通り抜け、外輪1の中間突出部17と内輪2の内周面に挟まれた中央隙間50に供給される。前記中央隙間50に隣接するローラ転走路には第一ローラ3a及び第二ローラ3bが配列されており、各ローラ3a,3bの端面と前記外側軌道溝及び前記内側軌道溝との間には僅かに隙間が存在することから、中央隙間50に供給された加圧空気はローラ転走路30を通り抜けて前記側部隙間51へと流動する。このとき、加圧空気に含まれる潤滑油の微小滴が外輪1の外側軌道溝18、内輪2の内側軌道溝28及び各ローラ3a,3bに付着し、これらを潤滑する。また、加圧空気はローラ転走路30を通り抜けることにより、ローラ3a,3bや当該ローラが転動する内側軌道溝28及び外側軌道溝18を冷却する。そして、ローラ転走路30を通過した加圧空気は前記側部隙間51を通過し、当該側部隙間51から軸受外へと排出される。
このような前記中央隙間50からローラ転走路30を介して側部隙間51に至る潤滑剤の流れは、もっぱら前記中央隙間50に対して加圧空気を供給することにより作り出される。しかし、加圧量が少ない場合であっても、前記側部隙間51が前記内輪2及び外輪1の半径方向に関して前記中央隙間50よりも外側に位置していることから、内輪2又は外輪1の回転時には遠心力を利用して空気の強制的な流動を作り出すことが可能となっている。すなわち、内輪2又は外輪1が回転し、前記ローラ3a,3bがローラ転走路30内を転動すると、かかるローラ転走路30内に存在する空気は遠心力によって内輪2の半径方向の外側へ加圧される。このため、ローラ転走路30に存在する空気は側部隙間51に押し出される一方、中央隙間50に存在する空気がローラ転走路30に吸い込まれ、これが連続することにより、中央隙間50から側部隙間51に至る空気の強制的な流動が作り出される。
従って、前記供給孔4に対して潤滑油を含む空気を供給することで、ローラ転走路30を通過する空気の流れを当該軸受の回転に伴って強制的に作り出すことができ、前記ローラ転走路30を転動するローラ3a,3bを確実に潤滑することが可能となる。
また、霧状の潤滑油を含む加圧空気を前記供給孔4から中央隙間50に供給すると、加圧空気に含まれる潤滑油の微小滴はその一部が前記供給孔4と対向する内輪2の内周面、すなわち前記潤滑剤移送面41に付着する。前記内輪2を回転部材に装着して使用する場合を想定すると、内輪2は回転部材と共に回転することから、前記潤滑剤移送面41に付着した潤滑油には遠心力が作用する。前記潤滑剤移送面41は内輪2の回転軸に対して傾斜しており、前記供給孔4と対向する部位が内輪2の半径方向のもっとも内側に位置していることから、潤滑剤移送面41に付着した潤滑油に遠心力が作用すると、潤滑油は当該潤滑剤移送面41の上を内側軌道溝28へ向けて移動することになる。これにより、ローラ転走路30内を転動する第一ローラ3a及び第二ローラ3bに潤滑油が付着し、これらローラ3a,3bが確実に潤滑される。
一方、各ローラ3a,3bに付着した潤滑油には外輪1の半径方向外側に向けた遠心力が作用する。このため、各ローラ3a,3bに付着した潤滑油は外側軌道溝18からこれに連続する外輪1の潤滑剤排出面42に移動することになる。潤滑油はこのようにして外輪1の潤滑剤排出面42に付着するが、外輪1は固定ハウジングに装着されており、前記潤滑剤排出面42に付着した潤滑油には何ら遠心力が作用することはない。しかし、前述の如く、加圧空気がローラ転走路30から前記側部隙間51に吹き出しており、加えて当該潤滑剤排出面42は外輪1の軸方向に対して傾斜していることから、潤滑油は加圧空気の流れに伴って前記潤滑剤排出面42の上をローラ転走路30から離れる方向へ移動する。すなわち、潤滑油は前記側部隙間51から軸受外へと排出される。
以上の説明では内輪2を回転させながら複列ローラ軸受を使用する場合を想定して潤滑剤の流れを説明したが、外輪1を回転させて使用する場合も潤滑剤の流れは同じである。すなわち、外輪1を回転させて使用する場合、中央隙間50において潤滑剤移送面41に付着した潤滑油に遠心力が作用することはないが、中央隙間50内では加圧空気がローラ転走路30に向けて吹き抜けることから、潤滑剤移送面41に付着した潤滑油は加圧空気の流れに導かれて内側軌道溝28へ流動することになる。
また、外輪2が回転する場合、前記潤滑剤排出面42に付着した潤滑油には遠心力が作用することから、ローラ転走路30から排出されて当該潤滑剤排出面42に付着した潤滑油は、前記外輪1の回転軸に対して傾斜した潤滑剤排出面42上を前記遠心力によって移動し、やはり軸受外へ排出されることになる。
すなわち、この第四実施形態に示される複列ローラ軸受では、内輪2又は外輪1の回転によって作用する遠心力と加圧空気の流れを利用し、ローラ転走路30の前後における潤滑油の供給及び排出を積極的に行っており、内輪2又は外輪1が回転することによってローラ3a,3bに対する潤滑剤の供給が効率よく行われるようになっている。
図7及び図8は本発明の複列ローラ軸受の機械装置等への取付け構造を示すものであり、図7は前述の第一実施形態のように前記側方突出部が外輪に設けられている場合を示す一方、図8は前述の第二実施形態のように前記側方突出部が内輪に設けられている場合を示している。
前記側方突出部には前記第一ローラ3aからアキシアル荷重が作用するので、かかる側方突出部には十分な剛性が必要である。その反面、軸受の軸方向に関する側方突出部の厚みを大きく設定した場合には、複列ローラ軸受そのものの軸方向の厚みが増加してしまい、当該軸受の小型化、薄型化を図ることが困難となる。このため、前記側方突出部の軸方向の厚みを最小限に抑えつつも、当該側方突出部の剛性を十分に確保するためには、本発明の複列ローラ軸受を機械装置に装着するにあたり、前記側方突出部を機械装置側の部材で覆うのが好ましい。
図7は側方突出部12が設けられた外輪1を回転部材に装着する例を示している。前記内輪2は固定ハウジング6に装着される一方、前記外輪1は駆動軸等の回転部材に装着されている。このとき、前記外輪1は駆動軸7と回転テーブル8によって挟み込まれており、前記駆動軸7及び回転テーブル8は前記側方突出部12を含めて当該外輪1を挟み込んでいる。
また、図8は側方突出部27が設けられた内輪2を回転部材に装着する例を示している。前記外輪1は固定ハウジング6に装着される一方、前記内輪2は駆動軸等の回転部材に装着されている。このとき、前記内輪2は駆動軸7と回転テーブル8によって挟み込まれており、前記駆動軸7及び回転テーブル8は前記側方突出部27を含めて当該内輪2を挟み込んでいる。
これら取付け構造によれば、複列ローラ軸受の小型化、薄型化を目的として前記側方突出部12,27の肉厚を最小限に抑えた場合であっても、前記駆動軸7及び回転テーブル8が側方突出部12,27を軸方向の外側から覆っているので、これら駆動軸7及び回転テーブル8は側方突出部12,27の補強部材として機能することになり、複列ローラ軸受の小型化、薄型化を図りつつも、前記側方突出部12,27に対して十分な剛性を与えることが可能となる。
1…外輪、2…内輪、3…ローラ、11…内周面、12…側方突出部、13,23…軌道溝、14,24…第一転走面、15,25…第二転走面、22…中間突出部、21…外周面

Claims (8)

  1. 内輪、外輪、内外輪間に配置される複数のローラからなる複列ローラ軸受において、
    前記外輪の内周面又は内輪の外周面の一方には周方向に沿って連続する一対の側方突出部が前記内輪又は外輪の回転軸方向に間隔をおいて形成され、外輪の内周面又は内輪の外周面の他方には周方向に沿って連続する中間突出部が前記側方突出部の間に位置するように形成され、これら一対の側方突出部及びその間に位置する中間突出部により外輪と内輪との間に一対のローラ転走路が区画され、
    前記中間突出部の両側面及びこれらと向き合う各側方突出部の内側面には、第一の転走面が前記外輪及び内輪の回転軸と垂直に一対設けられる一方、前記外輪の内周面及び内輪の外周面には、第二の転走面が前記第一の転走面と交差し、且つ、前記回転軸と平行に一対設けられ、
    これら第一の転走面及び第二転走面により、前記外輪及び内輪のそれぞれには互いに対向して前記ローラ転走路を構成する断面L字状の軌道溝が一対ずつ形成され、
    各ローラ転走路の周方向と垂直な断面形状は正方形をなし、
    各ローラ転走路内には前記第一の転走面上を転動する第一ローラと、前記第一ローラと同一形状を有すると共に前記第二の転走面上を転動する第二ローラと、が混在して配置されることを特徴する複列ローラ軸受。
  2. 前記内輪に設けられた一対の第二転走面は当該内輪の回転軸から等距離に位置することを特徴とする請求項1記載の複列ローラ軸受。
  3. 前記中間突出部及び前記側方突出部は同一の厚さに形成されていることを特徴とする請求項2記載の複列ローラ軸受。
  4. 前記側方突出部を有する内輪又は外輪は同一形状をなす一対の第一半体及び第二半体を組み合わせてなり、
    第一半体及び第二半体のそれぞれに前記側方突出部、前記第一の転走面及び第二の転走面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の複列ローラ軸受。
  5. 前記側方突出部を有する内輪又は外輪は内輪は本体プレート及び閉塞プレートを組み合わせてなり、
    前記閉塞プレートは前記側方突出部の一方を備えると共にその厚みは当該側方突出部の軸方向長さと同一に設定され、
    前記内輪に形成された一対の第二の転走面は前記本体プレートに具備されていることを特徴する請求項1記載の複列ローラ軸受。
  6. 前記一対の側方突出部は前記内輪の外周面に形成される一方、前記中間突出部は前記外輪の内周面に形成され、
    前記内輪の外周面と前記外輪の中間突出部との間には中央隙間が形成される一方、前記外輪の内周面と前記内輪の側方突出部との間には側部隙間が形成され、
    前記中央隙間は前記内輪の半径方向に関して前記側部隙間よりも内側に存在し、
    前記中央隙間に面した前記内輪の外周面には、当該内輪の回転軸に対して傾斜すると共に前記第二の転走面に連続する一対の潤滑剤移送面が設けられ、
    前記外輪には前記中央隙間に対して潤滑剤を供給する供給孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の複列ローラ軸受。
  7. 前記側部隙間に面した前記外輪の内周面には、当該外輪の回転軸に対して傾斜すると共に前記第二の転走面に連続する潤滑剤排出面が設けられていることを特徴とする請求項6記載の複列ローラ軸受。
  8. 前記内輪及び外輪のうち、前記一対の側方突出部を形成したものを回転部材に装着し、前記中間突出部を形成したものを固定ハウジングに装着することを特徴とする請求項1記載の複列ローラ軸受の使用方法。
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